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JP2987056B2 - ジアントラキノン−n,n’−ジヒドロアジンの製造方法 - Google Patents

ジアントラキノン−n,n’−ジヒドロアジンの製造方法

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Publication number
JP2987056B2
JP2987056B2 JP6136758A JP13675894A JP2987056B2 JP 2987056 B2 JP2987056 B2 JP 2987056B2 JP 6136758 A JP6136758 A JP 6136758A JP 13675894 A JP13675894 A JP 13675894A JP 2987056 B2 JP2987056 B2 JP 2987056B2
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JP
Japan
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compound
dihydroazine
dianthraquinone
reaction
ion
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JP6136758A
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勝彦 山野
正 大熊
啓輔 詫摩
恒宏 坂井
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Filing date
Publication date
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Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09BORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
    • C09B5/00Dyes with an anthracene nucleus condensed with one or more heterocyclic rings with or without carbocyclic rings
    • C09B5/24Dyes with an anthracene nucleus condensed with one or more heterocyclic rings with or without carbocyclic rings the heterocyclic rings being only condensed with an anthraquinone nucleus in 1-2 or 2-3 position
    • C09B5/44Azines of the anthracene series
    • C09B5/46Para-diazines
    • C09B5/48Bis-anthraquinonediazines (indanthrone)

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1−アミノアントラキ
ノンからその縮合物であるジアントラキノン−N,N’
−ジヒドロアジンを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明の目的化合物ジアントラキノン−
N,N’−ジヒドロアジン(6,15−ジヒドロ−5,
9,14,18−アントラジンテトロン;商品名Ind
anthrene Blue RS,Mikethre
n Blue RS)は、古くから優れた耐光性を有す
る青色の建染染料としてよく知られており、高純度のも
のは木綿等を赤味のある鮮明青色に染色できる。また、
顔料としても用いられる重要な化合物であり、更には
3,3’−ジクロロジアントラキノン−N,N’−ジヒ
ドロアジンの製造中間体としても重要な化合物である。
【0003】このジアントラキノン−N,N’−ジヒド
ロアジンを製造する方法としてこれまでに種々の方法が
開示されている。一般的には、BIOS987並びにF
IAT1313に記載されているように、2−アミノア
ントラキノンを酸化剤存在下にアルカリ溶融することに
より縮合させる方法が古くから知られている。この方法
では溶媒を用いることなく原料である2−アミノアント
ラキノン、酸化剤及びアルカリ性縮合剤のみでジアント
ラキノン−N,N’−ジヒドロアジンを製造することが
できる。しかしその反面、収率が低く、更には得られた
生成物中に多くの不純物が含まれているため、染料或い
は顔料として用いるためにはハイドロサルファイト処理
等の精製操作を避けることができない。そのため目的物
であるジアントラキノン−N,N’−ジヒドロアジンの
収率は極めて低く、工業的に適した方法とは言い難い。
【0004】また、1−アミノアントラキノンを有機溶
剤中において溶解又は懸濁状態で縮合させる方法も知ら
れている。特開昭51−17222号公報に記載されて
いるような、ヘキサメチルホスホロトリアミドのような
リン酸アミド化合物、或いはピリジン−N−オキシドや
キノリン−N−オキシドのような有機窒素酸化物中、ア
ルカリ性縮合剤を用いて縮合させる方法や、特公昭40
−1280号公報に記載されているような、有機スルホ
ン、或いはスルホキシド化合物の存在下にアルカリ性縮
合剤を用いて縮合させる方法である。しかし、これら先
行技術における実施例の追試を行うと、ジアントラキノ
ン−N,N’−ジヒドロアジンを製造することはできる
が、いずれも70〜80%程度の低収率であり、工業的
に適した方法とは言い難い。
【0005】本出願人は、これら従来技術の問題点を解
決する方法として1,3−ジアルキル−2−イミダゾリ
ジノン存在下で1−アミノアントラキノンをアルカリ性
縮合剤と反応させ、目的のジアントラキノン−N,N’
−ジヒドロアジンを高収率並びに高品質で製造する従来
技術の改良製造方法を既に出願している。(特開昭60
−1169号公報並びに特開昭62−25167号公
報。)この技術によってジアントラキノン−N,N’−
ジヒドロアジンの収率は飛躍的に向上し、しかも上記従
来技術により製造されたジアントラキノン−N,N’−
ジヒドロアジンに比べてはるかに品質の良いものを得る
ことができるようになった。しかしながらこの方法では
反応時間が10〜15時間と長く、生産効率の点で改良
の余地を残しており、その解決が強く望まれていた。ま
た、これらの従来技術で得られたジアントラキノン−
N,N’−ジヒドロアジンにはいずれも暗色になる原因
である数種の構造不明の不純物が含まれており、ハイド
ロサルファイト処理等の精製操作を行う必要があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これら従来
技術の問題点を解決し、短時間に高収率で目的化合物を
得、ハイドロサルファイト処理等の精製操作を行うこと
なく、簡便な水洗処理だけで高品質のジアントラキノン
−N,N’−ジヒドロアジンを得る方法を提供するもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決するために鋭意検討した結果、工業的に極めて価
値のある方法を見出し、本発明を完成した。即ち、本発
明は、1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン存在
下、1−アミノアントラキノンをアルカリ性縮合剤と反
応させてジアントラキノン−N,N’−ジヒドロアジン
を製造する方法において、相間移動触媒を添加すること
を特徴とするジアントラキノン−N,N’−ジヒドロア
ジンの製造方法である。
【0008】本発明の方法において用いる相間移動触媒
としては、二相以上からなる不均一系の反応において、
一方の相中の物質と他方の相中の物質とを反応し易くす
る働きを有する化合物であれば特に限定するものではな
いが、中でも第4級アンモニウム化合物、エチレングリ
コール系化合物、有機リン化合物、クラウンエーテル化
合物、カリックスアレーン化合物、あるいはホスホニウ
ム塩化合物が好ましい。これらは単独で、あるいは二種
以上の化合物を混合して使用できる。
【0009】本発明方法において使用される相間移動触
媒のうち、第4級アンモニウム化合物は下記一般式
(1)で表わされる化合物であり、
【化1】 式中、R1、R2、R3、R4は、同一または独立に無置換
あるいは置換されていても良いアルキル基、或いは無置
換あるいは置換されていても良いアリール基を示す。無
置換あるいは置換されていても良いアルキル基の例とし
ては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、
ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウン
デシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタ
デシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、
ノナデシル、イコシル、クロロメチル、ヒドロキシエチ
ル、メトキシプロピル、アミノメチル、メチルカルボニ
ルメチル、ベンジル、フェネチル等が挙げられ、無置換
あるいは置換されていても良いアリール基としては、フ
ェニル、メトキシフェニル、エトキシフェニル、トリ
ル、クロロフェニル、フルオロフェニル、ヒドロキシフ
ェニル、アミノフェニル、ニトロフェニル等が挙げられ
る。また対イオンX-としてはフッ素イオン、塩素イオ
ン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸水素イオン、硫酸
イオン、リン酸イオン、リン酸水素イオン、シアンイオ
ン、過ヨウ素酸イオン、酢酸イオン、トルエンスルホン
酸イオン、トリフロロメタンスルホン酸イオン或いはヒ
ドロキシルイオン等が例示できる。
【0010】本発明方法において使用される相間移動触
媒のうち、エチレングリコール系化合物は、下記一般式
(2)で表される化合物であり、
【化2】 式中、RおよびR’は、同一または独立に水素原子、ア
ルキル基であり、アルキル基の例としては、メチル、エ
チル、プロピル、ブチル、ヘキシル、ドデシルなどが挙
げられ、nは2〜5の整数を示す。特に、好ましいもの
として、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、ペンタエチレングリコールモノメチルエーテル等が
挙げられる。
【0011】本発明の方法において使用される相間移動
触媒のうち、有機リン化合物は、下記一般式(3)、
(4)あるいは(5)で表わされるホスフィン、ホスフ
ィンオキシドあるいはホスフィンスルフィドであり、
【化3】 式中、R1、R2、R3は、同一または独立に無置換或い
は置換されていてもよいアルキル基、無置換或いは置換
されていてもよいアルコキシ基、又は無置換或いは置換
されていてもよいアリール基を示す。無置換或いは置換
されていてもよいアルキル基の例としては、メチル、エ
チル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロ
ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウン
デシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタ
デシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、
ノナデシル、イコシル、クロロメチル、ヒドロキシエチ
ル、メトキシプロピル、アミノメチル、メチルカルボニ
ルメチル、ベンジル、フェネチル等が挙げられ、無置換
或いは置換されていてもよいアルコキシ基の例として
は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペン
トキシ、クロロメトキシ、ヒドロキシエトキシ、メトキ
シブトキシ、アミノプロポキシ、メチルカルボニルメト
キシ等が挙げられ、また無置換或いは置換されていても
よいアリール基の例としては、フェニル、メトキシフェ
ニル、エトキシフェニル、トリル、クロロフェニル、フ
ルオロフェニル、ニトロフェニル、ヒドロキシフェニ
ル、アミノフェニル等が挙げられる。これらの置換基
は、結合して環をなしていてもよい。
【0012】本発明の方法において使用される相間移動
触媒のうちの、クラウンエーテル化合物としては、その
エチレン基部分の一部又は全部がフェニレン基におき替
わったものであってもよい。エチレン基及びフェニレン
基は、無置換であっても置換されていてもよく、置換さ
れている場合の置換基の例としては、メチル、エチル、
プロピル等のアルキル基、メトキシ、エトキシ等のアル
コキシ基、ヒドロキシ基、メチルカルボニル、エチルカ
ルボニル等のアルキルカルボニル基、ヒドロキシカルボ
ニル基、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等の
アルコキシカルボニル基、アミノ基、メチルアミノ、エ
チルアミノ等のアルキルアミノ基、ニトロ基、ハロゲン
等を挙げることができる。また、酸素原子の一部または
全部が窒素、硫黄又はリン原子におき替わったものでも
よい。中でも12−クラウン−4、15−クラウン−
5、18−クラウン−6、21−クラウン−7、24−
クラウン−8等の骨格を有するものが好ましい。
【0013】本発明の方法において使用される相間移動
触媒のうち、カリックスアレーン化合物は、下記一般式
(6)に示す構造を有するもので、
【化4】 式中、Rは水素原子、又は無置換或いは置換されていて
もよいアルキル基を示し、nは2〜10の整数を示す。
無置換或いは置換されていてもよいアルキル基の例とし
ては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、
ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウン
デシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタ
デシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、
ノナデシル、イコシル、クロロメチル、ヒドロキシエチ
ル、メトキシプロピル、アミノメチル、メチルカルボニ
ルメチル等が挙げられる。
【0014】本発明の方法において使用される相間移動
触媒のうち、ホスホニウム塩化合物は、下記一般式
(7)で表わされる化合物であり、
【化5】 式中、R1、R2、R3、R4は無置換或いは置換されてい
てもよいアルキル基、或いは無置換或いは置換されてい
てもよいアリール基を示す。無置換或いは置換されてい
てもよいアルキル基の例としては、メチル、エチル、プ
ロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オク
チル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデ
シル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘ
プタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル、ク
ロロメチル、ヒドロキシエチル、メトキシプロピル、ア
ミノメチル、メチルカルボニルメチル、ベンジル、フェ
ネチル等が挙げられる。無置換或いは置換されていても
よいアリール基の例としては、フェニル、メトキシフェ
ニル、エトキシフェニル、トリル、クロロフェニル、フ
ルオロフェニル、ニトロフェニル、アミノフェニル、ヒ
ドロキシフェニル等が挙げられる。また、ホスホニウム
塩の対イオンX-としては、フッ素イオン、塩素イオ
ン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸水素イオン、硫酸
イオン、リン酸イオン、リン酸水素イオン或いはシアン
イオン等が挙げられる。
【0015】本発明の方法において相間移動触媒は、固
体、水溶液あるいは原料に不活性である有機溶媒の溶液
の形で使用できる。これらの相間移動触媒のうち、第4
級アンモニウム化合物、有機リン化合物、クラウンエー
テル化合物、カリックスアレーン化合物及びホスホニウ
ム塩化合物は、通常1−アミノアントラキノンに対して
0.001〜20.0モル%、好ましくは0.01〜1
0.0モル%の範囲で用い、エチレングリコール系化合
物は、通常1−アミノアントラキノンに対して0.1〜
100モル%用いる。極端に少ないとその触媒効果は小
さくなり、また多すぎると経済的に不利になる傾向にあ
る。また、その添加方法は、一般的に縮合反応の開始時
に添加するが、実際には反応中に反応系内に相間移動触
媒が存在するような形をとればよく、特に限定しない。
【0016】本発明方法において用いるアルカリ性縮合
剤として、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアル
カリ金属水酸化物或いは炭酸カリウム、炭酸ナトリウム
等のアルカリ金属塩を挙げることができる。これらは固
体或いは水溶液の形で使用することができる。本発明方
法において用いるアルカリ性縮合剤は、1−アミノアン
トラキノンに対して0.1〜40.0モル比、好ましく
は0.5〜10.0モル比、更に好ましくは0.8〜
5.0モル比の範囲で用いる。このアルカリ性縮合剤の
使用量が極端に少ない場合は、反応速度が遅くなる傾向
にあり、また1−アミノアントラキノンが生成物中に残
存し、品質の低下を招くこともある。
【0017】本発明方法において用いる1,3−ジアル
キル−2−イミダゾリジノンは、原料及び生成物に不活
性なアルキル基を有するものであればよく、特に限定し
ないが、1位及び3位のアルキル基がメチル基のもの
が、比較的入手しやすく好ましい。1,3−ジアルキル
−2−イミダゾリジノンは、通常単独で使用するが、原
料及び生成物に不活性なものとであれば、他の溶媒と併
用することも何ら問題ない。本発明方法において用いる
1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノンの使用量
は、1−アミノアントラキノンに対して0.01〜10
重量比、好ましくは0.1〜4.5重量比の範囲であ
る。この使用量が極端に多い場合は、副生成物が多くな
る傾向がある。
【0018】本発明方法において反応を円滑に進行させ
るために空気、酸素、過ホウ酸塩、硝酸塩、塩素酸塩の
ような酸化剤を用いてもよい。特に、空気及び酸素が取
扱いが容易であり、好ましい。
【0019】本発明方法の具体的な実施方法としては、
1−アミノアントラキノンを溶解或いは懸濁させた1,
3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン中に相間移動触
媒を所定量加え、更に空気気流下、所定量のアルカリ縮
合剤を単体或いは水溶液にて滴下装入して反応させる方
法を挙げることができる。しかし、原料の装入順序はこ
れに限定されるものではない。
【0020】反応は、50〜200℃、好ましくは70
〜180℃、更に好ましくは90〜160℃の温度範囲
で行うのがよい。反応温度は低すぎると反応速度が遅く
なる傾向があり、また高すぎると反応速度は高まるもの
の、副反応或いは1−アミノアントラキノンの分解反応
が起こり、逆にジアントラキノン−N,N’−ジヒドロ
アジンの収率並びに品質の低下を招く傾向がある。
【0021】反応時間は、相間移動触媒量並びに反応温
度により異なり、一義的に決まるものではないが、通常
6時間以内に反応が完結し、高収率でジアントラキノン
−N,N’−ジヒドロアジンが得られる。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。また文中、「収率」と
あるのは、1−アミノアントラキノンに対する収率を示
す。尚、染色及び判定方法は、下記のとおりである。 1.得られた染料化合物を水に溶解し、水酸化ナトリウ
ムとハイドロサルファイトを加えて65℃で15分間放
置して還元を行う。更に水を添加して室温までもどす。
(染料の濃度は約2重量%/溶液) 2.この溶液に木綿糸を浸し、60℃に昇温し、この温
度に保持して染色する。(糸1gに対して染料水溶液1
00gの割合) 3.木綿糸を取り出して絞り、酸化→水洗→ソーピング
→乾燥の順に処理を行う。 4.後述の比較例で示す方法で合成したジアントラキノ
ン−N,N’−ジヒドロアジン化合物で染色した糸をス
タンダードとし、これと比較することにより判定する。
ただし、ジアントラキノン−N,N’−ジヒドロアジン
化合物に関しては、純度の高いものは、赤味のある鮮明
青色を示し、不純物を多く含んだものは、緑味を帯びた
暗青色を示す。
【0023】実施例1 1−アミノアントラキノン40.0g(0.179モ
ル)を1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン113
gに懸濁させ、相間移動触媒として40%ベンジルトリ
メチルアンモニウムヒドロキシドのメタノール溶液0.
15g(0.00036モル)並びに50%水酸化カリ
ウム水溶液2.5g(0.022モル)を添加した。こ
れを98〜100℃に加熱し、空気を通しながら50%
水酸化カリウム水溶液38.0g(0.339モル)を
2時間かけて滴下した。滴下終了後129〜130℃ま
で昇温させ、そのまま4時間かけて系中の水分を一部留
去させながら反応した。68〜70℃まで冷却後、反応
混合物中に温水150gを装入し、結晶部分を濾取、水
洗浄した。この濾塊を乾燥させ、目的のジアントラキノ
ン−N,N’−ジヒドロアジン37.6gを得た。収率
は95%であり、染色試験の結果、スタンダードと比較
して赤味のある鮮明青色であった。
【0024】実施例2〜47 以下、実施例1と同様にして、種々の相間移動触媒を添
加して、ジアントラキノン−N,N’−ジヒドロアジン
を合成し、実施例1と同様に染色試験を行なった。その
反応条件および結果を第1表に示す。第1表に示した条
件以外は全て実施例1に等しい。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】
【表5】
【0030】
【表6】
【0031】
【表7】
【0032】比較例 相間移動触媒を添加しないこと以外は実施例1と同様に
行ったところ、反応に12時間かかり、目的のジアント
ラキノン−N,N’−ジヒドロアジンが36.4g得ら
れた。収率は1−アミノアントラキノンに対して90%
であった。染色試験方法に従って木綿糸を染色したとこ
ろ、緑味のある暗青色を呈した。
【0033】
【発明の効果】本発明方法によれば、青色建染染料並び
に顔料として工業上極めて有用な化合物であるジアント
ラキノン−N,N’−ジヒドロアジンを1−アミノアン
トラキノンから短時間、且つ高収率で得ることができ
る。しかも得られたジアントラキノン−N,N’−ジヒ
ドロアジンは、煩雑な精製操作を行うことなく簡便に単
離でき、高品質である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−25167(JP,A) 特開 昭60−1169(JP,A) 特開 昭60−179462(JP,A) 特開 昭61−278567(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09B 5/48

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジ
    ノン存在下、1−アミノアントラキノンをアルカリ性縮
    合剤と反応させジアントラキノン−N,N’−ジヒドロ
    アジンを製造する方法において、相間移動触媒を添加す
    ることを特徴とするジアントラキノン−N,N’−ジヒ
    ドロアジンの製造方法。
  2. 【請求項2】 相間移動触媒が、第4級アンモニウム化
    合物、エチレングリコール系化合物、有機リン化合物、
    クラウンエーテル化合物、カリックスアレーン化合物、
    及びホスホニウム塩化合物からなる群から選ばれる一
    種、あるいは二種以上の混合物である、請求項1記載の
    方法。
JP6136758A 1993-12-27 1994-06-20 ジアントラキノン−n,n’−ジヒドロアジンの製造方法 Expired - Lifetime JP2987056B2 (ja)

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