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JP2984025B2 - 耐候性耐衝撃性に優れたアクリル樹脂積層板 - Google Patents

耐候性耐衝撃性に優れたアクリル樹脂積層板

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JP2984025B2
JP2984025B2 JP2123121A JP12312190A JP2984025B2 JP 2984025 B2 JP2984025 B2 JP 2984025B2 JP 2123121 A JP2123121 A JP 2123121A JP 12312190 A JP12312190 A JP 12312190A JP 2984025 B2 JP2984025 B2 JP 2984025B2
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acrylic resin
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忠 亀井
勉 寺岡
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Asahi Kasei Corp
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Asahi Kasei Kogyo KK
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は屋外暴露等による表面の白化(ヘーズ上昇)
が改良された耐候性耐衝撃性アクリル樹脂板に関する。
〔従来の技術〕
アクリル樹脂は透明性、美麗性、耐候性、印刷特性等
に優れた熱可塑性樹脂であり、この特性を生かして看
板、ディスプレイ、照明カバー、エクステリア、ドー
ム、文具等多くの分野で利用されている。
これらの用途の中で例えば看板、照明カバー、自動車
用サンバイザー等に於いては各種衝撃に強いこと、即ち
耐衝撃性が要求されている。
そこでこの要求にこたえてアクリル系もしくはブタジ
エン系の弾性体ポリマーと改質剤として添加した耐衝撃
性アクリル樹脂が開発されている。
しかし、この耐衝撃性アクリル樹脂には、添加した改
質剤の耐候性が十分ではないため、一般グレードのアク
リル樹脂のような良好な耐候性が得られないという問題
点がある。
従来、このような場合には紫外線吸収剤、酸化防止剤
等の添加剤を加えて耐候性を改善するのが一般である
が、耐衝撃性アクリル樹脂の場合には、その改善効果が
微々たるもので充分な効果を得ようとすると該添加剤の
多量の添加が必要となる。
しかるところ、多量の添加剤が配合されると肝心の樹
脂物性が種々低下し、着色も起こりやすくコストアップ
にもつながるので従来法は採用し難い。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の課題は耐衝撃性アクリル樹脂が有していた上
記の耐候性の問題を解決し、樹脂が持つ本来の特長であ
る耐衝撃性を保持しつつしかも熱成形で層剥離の生じな
い積層板を提供するところにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意研究の結
果、耐候性について特定の安定剤処方をした耐衝撃性ア
クリル樹脂層の片面又は両面に特定の厚みを有する一般
グレードのアクリル樹脂層を設けることによって本課題
を解決することができることを見出し本発明に到達し
た。すなわち、本発明は基板部がホスファイト化合物及
びフェノール系酸化防止剤及び紫外線吸収剤を含む耐衝
撃性アクリル樹脂であってその片面又は両面に0.5μm
以上100μm以下の厚さで炭素数1〜4のアルキル基を
有するアルキルメタクリレート単位を有する一般アクリ
ル樹脂層(積層部)を設けたことを特徴とする耐候性耐
衝撃性に優れたアクリル樹脂積層板を提供するものであ
る。
一般アクリル樹脂は本来耐候性に優れた樹脂として一
般に広く認められ、屋外でも問題なく長い年月の使用実
績があるが耐衝撃性アクリル樹脂の場合は屋外に長時間
曝らされると主に太陽光線中の紫外線及び雨水の影響で
表面の光沢が減少したり透明板ではヘーズ(曇り度)が
上昇したりしアクリル樹脂の持つ優れた外観特性を損な
うことになる。
耐衝撃性アクリル樹脂については後で詳しく述べる
が、ゴムとしては主にアクリル系弾性体であり大きさが
0.1〜0.3μm程度の球形をしており、これが一般アクリ
ル樹脂に約10〜50重量パーセント添加されたものであ
る。
長期間の屋外暴露を受けて白化が生じた試料はその白
化した表面層の断面を電子顕微鏡により観察した結果、
表面部が連続した凹凸面になっており、これは屋外暴露
を受けない試料を同様に観察した結果この表面部に凹凸
が見られないものに比べて著しく異なっていることがわ
かった。電子顕微鏡で見た表面の凹凸の大きさはゴム粒
子及びその周辺が崩れたものに相当していることもわか
った。このことから白化の原因は耐衝撃性アクリル樹脂
中に含まれるゴムが長期間の屋外暴露を受けて劣化を生
じ、特に表面層のゴムはその劣化程度が大きく、ついに
は表面に存在するゴム粒子が表面から脱落することによ
り表面が凹凸になり、このため表面層で光の乱反射が生
じ、白化くもりが発生するものと思われる。
本発明者らはこれらの問題を解決するために添加剤系
と積層シートとを総合的に評価した結果、ホスファイト
系の安定剤とフェノール系酸化防止剤及び紫外線吸収剤
を含む耐衝撃性アクリル樹脂に一般アクリル樹脂を極く
薄く積層させることで本問題について著しい改良効果が
あることを見い出し、本発明の完成に至った。
本発明でのホスファイト系安定剤は各種のリン化合物
が適用できるが代表的なものとしてはトリアリールホス
ファイトや式(I)で示されるペンタエリスリトール型
ホスファイトが市販品として入手できる。
トリアリールホスファイトで代表的なものはトリス−
(2,5−ジ−t−ブチルフェニル)−ホスファイト、ト
リス−(ノニルフェニル)−ホスファイト、トリス−
(モノ,ジノニルフェニル)−ホスファイト、トリス−
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−ホスファイト、ト
リス−(2−t−ブチルフェニル)−ホスファイト、ト
リス−(2−フェニルフェニル)−ホスファイト、トリ
ス−〔2−(1,1−ジメチルプロピル)−フェニル〕−
ホスファイト、トリス−〔2,4−ジ(1,1−ジメチルプロ
ピル)−フェニル〕−ホスファイト、トリス−(2−シ
クロヘキシルフェニル)−ホスファイト、トリス−(2
−t−ブチル−4−フェニルフェニル)−ホスファイ
ト、トリス−(2−t−ブチル−4−メチルフェニル)
−ホスファイト、トリス−(2,4−ジ−t−アミルフェ
ニル)−ホスァイトがある。
一般式(I)で示されるペンタエリスリトール型ホス
ファイトとしては代表的には2,6−ジ−t−ブチル−4
−メチルフェニル・フェニル・ペンタエリスリトールジ
ホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェ
ニル・メチル・ペンタエリスリトールジホスファイト、
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・2−エチ
ルヘキシルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス
(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタ
エリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−
ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジ
ホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェ
ニル・2,6−ジ−t−ブチルフェニルペンタエリスリト
ールジホスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチ
ルフェニル・イソデシルペンタエリスリトールジホスフ
ァイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェニル・
ラウリル・ペンタエリスリトールジホスファイト、2,6
−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル・シクロヘキシ
ルペンタエリスリトールジホスファイト、2,6−ジ−t
−アミル−4−メチルフェニル・フェニル・ペンタエリ
スリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−アミ
ル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホス
ファイト、ビス(2,6−ジ−t−オクチル−4−メチル
フェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトなどが
あげられる。
これらのホスファイト系化合物と組み合わせて用いら
れるフェノール系酸化防止剤で代表的なものはβ−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロ
ピオン酸−n−オクタデシルエステル、ペンタエリスリ
トール−テトラ−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)−プロピオネート〕、1,3,5−ト
リス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)−イソシアヌレート、N,N′−ヘキサメチレン−ビ
ス−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)−プロピオンアミド〕、トリエチレングリコー
ル−ビス−〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−
ヒドロキシフェニル)−プロピオネート〕、1,6−ヘキ
サンジオール−ビス−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート〕、2,4−
ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−
3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、
2,2−チオ−ジエチレンビス−〔3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート〕、
2,2−チオビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノ
ール)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ルホスホネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチ
ル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシベンジル)ベンゼンがある。
これらの添加剤の量は合計で0.01〜2%、好ましくは
0.1〜0.7%でありトリアリールホスファイトとフェノー
ル系酸化防止剤の比率は10対1から1対5、好ましくは
3対1から1対1である。
又紫外線吸収剤としては2−(5−メチル−2−ヒド
ロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒド
ロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェ
ニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t
−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾー
ル等のベンゾトリアゾール系やフェニルサリチレート、
モノグリコールサリチレート、p−t−ブチルフェニル
サリチレート等の一般の紫外線吸収剤でよくその添加量
は100〜2000ppmで十分である。
又前記のトリアリールホスファイト、フェノール系酸
化防止剤及び紫外線吸収剤はそれぞれ2種類以上を混合
使用してもよい。
このように耐衝撃性アクリル樹脂にホスファイト化合
物とフェノール系酸化防止剤及び紫外線吸収剤とを組合
せて添加することは耐衝撃性アクリル樹脂の耐候性を改
善して白化(ヘーズ上昇)防止に効果が認められそれだ
けでも技術的に優れたものであるが本発明はこれに満足
することなく、該添加剤が加えられた耐衝撃性アクリル
樹脂の表層部に極く薄く一般グレードのアクリル樹脂を
積層させることにより驚ろくべきことに耐候性が一般ア
クリル樹脂とほとんど変らないものを得ることができ
た。積層させる一般アクリル樹脂の厚みは0.5μm以上
あれば効果的でありこれ以上の厚みのものであれば耐候
性が著しく改良された耐衝撃性アクリル樹脂となるが、
一般アクリル樹脂の厚みが100μmを越えたものは耐衝
撃強度を低下させる傾向にあるため本発明では積層部の
厚みは0.5μm以上100μm以下である必要がある。この
厚みで積層する方法としては一般に共押出しによる方法
が採用されるが厚みが約20μm以上の場合はフィルムラ
ミネート法や又はアクリル樹脂ラッカーの塗布法は数μ
mの厚みも可能であり方法としてはこれらの方法も使用
できる。又積層部は基板部である耐衝撃性アクリル樹脂
の片面もしくは両面に積層されていても構わない。
更に本発明の特徴は基板部と積層部とが同じアクリル
樹脂であるため得られた積層シートの積層界面の一体融
合性が良好で熱成形しても層の剥離が見られず優れた密
着性を示す。
本発明で用いる耐衝撃性アクリル樹脂はメタクリル酸
メチルを主成分とする連続樹脂相中に常温でゴム状を示
す弾性体を粒子状で不連続的に5〜70重量%分散させた
もの等である。
ここで、常温でゴム状を示す弾性体とは、例えばブタ
ジエンを主成分とするゴム状重合体、アクリル酸エステ
ル系重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体等のゴム
状弾性体等をいう。又、アクリル酸エステル系重合体の
具体例としてはブチルアクリレート、2−エチルヘキシ
ルアクリレート等を主成分とするものがあり、その代表
例としてはブチルアクリレート等のアルキルアクリレー
トとスチレンのグラフト化ゴム弾性成分とメチルメタク
リレート及び又はメチルメタクリレートとアルキルアク
リレートの共重合体からなる硬質樹脂層とがコアーシェ
ル構造で多層を形成している粒子状の弾性体がある。
以上の中で特に好ましいものはブタジエンを主成分と
するゴム状重合体及びブチルアクリレートを主成分とし
たアクリル酸エステル系重合体である。
本発明で用いられる一般アクリル樹脂は、いわゆる一
般グレードとして市販されているアクリル樹脂のうち、
炭素数(以下Cと略す)1〜4のアルキル基を有するア
ルキルメタクリレート単位を有するアクリル樹脂であ
り、押出し、その他熱加工時の安定性の点からC1〜C4
アルキル基を有するアルキルアクリレートを20重量%以
内共重合させたものが好ましい。
なお、上記のC1〜C4のアルキル基を有するアルキルメ
タクリレートの例としてはメチルメタクリレート、エチ
ルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメ
タクリレート等があり、これらの中では物性上、メチル
及びエチルメタクリレートが最も好ましい。
又、C1〜C4のアルキル基を有するアルキルアクリレー
トとしてはメチルアクリレート、エチルアクリレート、
プロピルアクリレート、ブチルアクリレート等があげら
れ、且つ好ましいのはメチルアクリレート、エチルアク
リレートである。さらにこのアルキルアクリレートが該
アルキルメタクリレート中に含まれる量は20重量%以下
が好ましいが、より好ましくは、0.5〜13重量%であ
る。
本発明による添加剤と耐衝撃性アクリル樹脂との混合
は予めブレンダー等で機械的に混合、均一化されたもの
を押出機に通してペレット化するのが一般的である。該
ペレットは実際には更に押出機を通してシート状の耐衝
撃性アクリル樹脂シートに加工されるが共押出しする場
合には一般グレードのアクリル樹脂と同時に積層シート
化される。共押出法は積層時に両層の流動性を合わせ、
均一にすることができるので両層の密着性がよく、成形
歪も類似になるなどの点で優れている。共押出しは通常
の押出機を2台以上使って基板層は40mmφ,60mmφ,90mm
φ,115mmφ等の大型押出機で、一般アクリル樹脂の積層
用は20mmφ,30mmφ,40mmφ等のそれより小型の押出機を
用いる。
積層シートの積層部(一般アクリル樹脂層)及び基板
部(耐衝撃性アクリル樹脂層)の厚みのコントロールは
2台以上の押出機の押出量と押出機出口にあるポリッシ
ングロールのロールクリアランスで行なうことができ
る。又、積層シートを作製する場合、いわゆる基板部の
樹脂の流動性を合わせることが大事であるが、これは具
体的には押出機の温度を調整することでも実施すること
ができる。
一方、ラミネートによる方法は押出機のダイ出口のポ
リッシング(カレンダリング)ロール部で一般アクリル
樹脂製のフィルムを供給し、押出機から押出される樹脂
と該ロール部で重ね合わせる方法をとることができる。
この場合、重ね合わせ時の空気混入防止と、ロール温度
等による密着性向上等が技術上のポイントである。
積層シートは積層部及び又は基板部に有機系、無機系
の染料、顔料を配合し、透明、半透明もしくは不透明の
シートにすることができる。又、積層部にも紫外線吸収
剤、光安定剤、酸化防止剤などを配合することもでき
る。
更に積層部の一般アクリル樹脂部には市販の帯電防止
剤を加えて最終製品に帯電防止機能を付与させることも
可能である。又基板部との密着性、親和性を増すために
可塑剤を配合することもできる。
積層シートの積層部の厚みの評価は正確には透過型電
子顕微鏡で断層面を観察することで測定することができ
る。
耐候性の評価方法は促進評価法として一般に広くサン
シャインウエザオメーター(SWOM)が使用されているが
本発明ではより短期間で且つ屋外暴露評価の結果を再現
する促進評価方法として紫外線領域部分が光分波長の主
体であるデューパネル光コントロールウエザオメーター
(ASTM G53改良型 スガ試験機(株)製)が適している
ことが多くの暴露サンプルの目視観察と電子顕微鏡観察
により確認することができた。
〔実 施 例〕
以下実施例、比較例で本発明を具体的に説明する。
なお、各実施例、比較例で用いた評価及び試験方法は
次の通りである。
(1) 耐衝撃性の評価:落球衝撃試験を採用し、装置
は(株)東洋精機製作所製のデュポン式衝撃試験機を用
い、重さ1kgで先端曲面Rが1/4インチのミサイルを積層
部を上面にした試料に向けて落下させ、試験数12ケでそ
の50%以上が破壊した時の高さから衝撃強度を求めその
試料の耐衝撃強度とした。
(2) 耐候性の評価:スガ試験機(株)のデューパネ
ル光コントロールウエザオメーター(以下QUVと略す)
を用いて条件は照射60℃、4時間、湿潤(結露)40℃、
4時間のサイクルで試料の積層面を照射面にして1500HR
照射でその時の試料のヘーズ(くもり度)を日本電色工
業(株)製の曇度計(NDH−1001DP)を用いて測定し
た。
(3) 積層面の密着性の評価:60℃と−30℃を各3時
間づつ行なうヒートサイクル試験で、30サイクルを行な
った後の試料の外観変化から密着性を判定した。
(4) 熱成形性の評価:通常の真空成形機で絞りの深
さ100mmのペン皿状形状で真空成形を行ない、その外観
を観察し判定した。
実施例1,比較例1〜2 ホスファイト化合物とフェノール系酸化防止剤及び紫
外線吸収剤を耐衝撃性アクリル樹脂に以下の方法で添加
しペレットとし積層板用の基板部用樹脂とした。
耐衝撃性アクリル樹脂として旭化成デルペットSR8400
(メチルメタクリレートとメチルアクリレートの共重合
体からなる連続相中にブチルアクリレートを主成分とし
たアクリル酸エステル系エラストマーを分散させたも
の)を用いこれにホスファイト化合物としてトリス−
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−ホスファイト(日
本チバガイギー社 商品名IRGAFOS 168)、及びフェノ
ール系酸化防止剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト(日本チバガイギー社 商品名IRGANOX 1076)、及
び紫外線吸収剤として2−(5−メチル−2−ヒドロキ
シフェニル)−ベンゾトリアゾール(日本チバガイギー
社商品名TINUVIN P)をそれぞれ2000ppm,1000ppm,300
ppmとなるように計量し樹脂と共にブレンダーで約1時
間機械的に混合した。これを直径90mm、L/D=32の押出
機を通してペレタイズした(基板部用樹脂A)。
このようにして得られたホスファイト化合物、フェノ
ール系酸化防止剤及び紫外線吸収剤が添加された耐衝撃
性アクリル樹脂を基板部として直径90mm、L/D=32の押
出機を用い、一方積層部の一般アクリル樹脂層として旭
化成デルペットLP−1(メチルメタアクリレートとメチ
ルアクリレートの共重合体)を直径30mm、L/D=24の押
出機を用いて共押出しを行なった。ダイはフィードブロ
ック式、リップ開度は3mmで、押出機温度は250〜260℃
で行なった。上記基板層の厚みはダイ出口のポリッシン
グロールのクリアランスで2.0mmの目標に調整し、積層
部の厚みは押出機の吐出量で調整を行なった。このよう
にしてシート幅80mmの2層シートを作製したものの基板
部及び積層部のシート中央部の厚みはそれぞれ2.0mm及
び4.5μmであった(積層部の厚みは透過型電子顕微鏡
でシートの断層面を観察することで測定した。)。この
サンプルの耐衝撃強度及び耐候性について前記の方法で
評価を行なったところデュポン式衝撃強度で50kg/cm、
デューパネル光コントロールウエザオメーター(QUV)
照射1500HRでサンプルのヘーズは0.8であり暴露前と変
らなかった。比較のため上記の90mm押出機で、基板部用
樹脂Aを用いて単独に厚み2mmのシートを作製し同じよ
うにQUV1500HR暴露したあとのサンプルの白化度(ヘー
ズ)を測定し(比較例1)それぞれ結果は表1の通りで
あった。
なお、デュポン衝撃強度は積層シート及び基板部用樹
脂Aの単独シートともに50kg・cmで同じ値で差がなかっ
た。又積層シートの密着性、熱成形性ともに良好であっ
た。
実施例2〜5,比較例2〜3 実施例1で用いた基板部用樹脂A及び積層部用樹脂デ
ルペットLP−1は同じで押出機2台の押出量を変えて積
層部の厚みを各種変えたサンプルを作製し実施例1と同
様に評価した。結果を表−2に示す。
この結果から積層部の厚みが0.5μmあれば耐候性白
化によるヘーズの上昇は全くなく更に薄くなった厚みが
0.2μmの場合は若干ヘーズが上昇し目視でもかすかに
暴露前との違いが感じられた。更に積層部の厚みが120
μmの場合は耐衝撃性の低下が見られ積層板の性能を低
下させてしまう。
実施例6〜8,比較例4〜5 実施例1で用いたフィードブロックを3層用に切り替
えて2種3層にする以外は実施例1と同様に行ない各種
積層部の厚みをもつサンプルを作製した。それぞれの評
価結果を表−3に示す。
QUVでの耐候性試験はデュポン衝撃強度の衝撃面と同
じ面をUVランプの照射面側にして行なった。照射面の積
層部の厚みが0.1μmのものはQUV1500HR後のヘーズが1.
8と若干高くなった。また積層部の厚みが衝撃面で115μ
mのものはデュポン衝撃強度が大きく低下した。
実施例9〜11,比較例6〜7 実施例1の基板部用樹脂Aで用いたホスファイト化合
物であるIRGAFOS 168の代りにビス(2,6−ジ−t−ブ
チル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホ
スファイト(アデカ・アーガス化学社 商品名 MARK
PEP−36)を用いてそれ以外は実施例1と同様にして基
板部用樹脂Bをペレットとして作製し、これと一般用ア
クリル樹脂であるデルペットLP−1とを用いて実施例1
と同様にして2層積層シートを作った。積層部の厚みを
変えたサンプルの評価結果を表−4に示す。ペンタエリ
スリトール型ホスファイトでも実施例1〜8迄のトリフ
ェニル型ホスファイトを用いた場合とほぼ同様な結果と
なった。
〔発明の効果〕 本発明は、従来から希求されていた耐衝撃性があって
しかも耐候性が良好なアクリル樹脂板を提供するもので
あり、看板、照明カバー、自動車用サンバイザー等の多
くの分野で多大の効果を発揮するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板部がホスファイト化合物及びフェノー
    ル系酸化防止剤及び紫外線吸収剤を含む耐衝撃性アクリ
    ル樹脂であってその片面又は両面に0.5μm以上100μm
    以下の厚さで炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキ
    ルメタクリレート単位を有する一般アクリル樹脂層(積
    層部)を設けたことを特徴とする耐候性耐衝撃性に優れ
    たアクリル樹脂積層板。
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