JP2983366B2 - 連続焼鈍炉における浸炭浸窒処理設備 - Google Patents
連続焼鈍炉における浸炭浸窒処理設備Info
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- JP2983366B2 JP2983366B2 JP4012028A JP1202892A JP2983366B2 JP 2983366 B2 JP2983366 B2 JP 2983366B2 JP 4012028 A JP4012028 A JP 4012028A JP 1202892 A JP1202892 A JP 1202892A JP 2983366 B2 JP2983366 B2 JP 2983366B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続的に送給される鋼
帯を焼鈍する連続焼鈍炉に関し、特に加熱帯及び均熱帯
と冷却帯との間で、冷延鋼帯を連続的に浸炭又は浸窒す
る浸炭・浸窒帯を設けた連続焼鈍炉に関するものであ
る。
帯を焼鈍する連続焼鈍炉に関し、特に加熱帯及び均熱帯
と冷却帯との間で、冷延鋼帯を連続的に浸炭又は浸窒す
る浸炭・浸窒帯を設けた連続焼鈍炉に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】プレス加工用冷延鋼板は、従来、炭素
(カーボン)量C≧0.01%以上の低炭素−リムド鋼
や低炭素−アルミキルド鋼を箱焼鈍して製造されていた
が、最近の省エネルギー並びに製造納期の短縮要求に鑑
み、連続焼鈍への変換が積極的に進められている。
(カーボン)量C≧0.01%以上の低炭素−リムド鋼
や低炭素−アルミキルド鋼を箱焼鈍して製造されていた
が、最近の省エネルギー並びに製造納期の短縮要求に鑑
み、連続焼鈍への変換が積極的に進められている。
【0003】この連続焼鈍法により製造されたプレス加
工用冷延鋼板では、箱焼鈍法により得られる冷延鋼板に
比して、その加熱及び均熱時間が極めて短いために絞り
性が劣る。そこで、この絞り性を少なくとも箱焼鈍材並
にするために、低炭素鋼の熱延巻取り温度及び焼鈍温度
を箱焼鈍法より高温にする等の対策がとられている。更
に、連続焼鈍法は冷却時間も極端に短いため、過時効処
理を施すことにより焼鈍中に固溶した炭素を析出させて
いるが、固溶炭素が依然として残留するために、加工性
はともかく常温遅時効性を得ることは困難であった。
工用冷延鋼板では、箱焼鈍法により得られる冷延鋼板に
比して、その加熱及び均熱時間が極めて短いために絞り
性が劣る。そこで、この絞り性を少なくとも箱焼鈍材並
にするために、低炭素鋼の熱延巻取り温度及び焼鈍温度
を箱焼鈍法より高温にする等の対策がとられている。更
に、連続焼鈍法は冷却時間も極端に短いため、過時効処
理を施すことにより焼鈍中に固溶した炭素を析出させて
いるが、固溶炭素が依然として残留するために、加工性
はともかく常温遅時効性を得ることは困難であった。
【0004】そこで、箱焼鈍された低炭素−アルミキル
ド鋼と同等の耐時効性と、それ以上の高加工性を得る手
段として極低炭素鋼(C≦0.01%,Al≦0.20
%を含有)を用い、必要に応じてTi,Nb,B等の炭
化物形成元素を添加する技術が一般的になり、現状では
広くプレス加工用鋼板として採用されている。しかしこ
のような極低炭素鋼は、プレス成形後、塗装下地処理と
して施されるリン酸亜鉛処理において、その反応性が従
来の低炭素−リムド鋼,低炭素−アルミキルド鋼と比較
して幾分劣り、生成したリン酸亜鉛鉄結晶の細かさ、化
成処理条件の変動時安定性が不利であった。
ド鋼と同等の耐時効性と、それ以上の高加工性を得る手
段として極低炭素鋼(C≦0.01%,Al≦0.20
%を含有)を用い、必要に応じてTi,Nb,B等の炭
化物形成元素を添加する技術が一般的になり、現状では
広くプレス加工用鋼板として採用されている。しかしこ
のような極低炭素鋼は、プレス成形後、塗装下地処理と
して施されるリン酸亜鉛処理において、その反応性が従
来の低炭素−リムド鋼,低炭素−アルミキルド鋼と比較
して幾分劣り、生成したリン酸亜鉛鉄結晶の細かさ、化
成処理条件の変動時安定性が不利であった。
【0005】そして、溶接性に対しては、極低炭素鋼の
場合、熱影響部(HAZ)の組織が粗大化し、溶着部や
母材よりも強度が低下し易いため、溶接部の強度及び疲
労特性の点で低炭素−アルミキルド鋼より不利であっ
た。更に、極低炭素鋼は延性に富み、非常に粘り強いた
め、低炭素−アルミキルド鋼と同一の条件で打ち抜きや
剪断を行うと、その端面にバリが発生し、後のプレス工
程でこのバリが剥がれると星目欠陥を誘発する等の問題
があり、極低炭素鋼の打ち抜き性改善が強く望まれてい
た。
場合、熱影響部(HAZ)の組織が粗大化し、溶着部や
母材よりも強度が低下し易いため、溶接部の強度及び疲
労特性の点で低炭素−アルミキルド鋼より不利であっ
た。更に、極低炭素鋼は延性に富み、非常に粘り強いた
め、低炭素−アルミキルド鋼と同一の条件で打ち抜きや
剪断を行うと、その端面にバリが発生し、後のプレス工
程でこのバリが剥がれると星目欠陥を誘発する等の問題
があり、極低炭素鋼の打ち抜き性改善が強く望まれてい
た。
【0006】そこで、鋼板表面を浸炭又は浸窒すること
により、鋼板の表面層にのみ固溶炭素或いは固溶窒素を
存在させて、加工性及び打ち抜き性に優れたプレス成形
用冷延鋼板を提供する従来技術(特公平1−42331
号公報,特開昭63−38556号公報)が存在する。
しかしながら、この従来技術には、表面層にのみ固溶炭
素或いは固溶窒素を存在させたプレス成形用冷延鋼板を
連続的に製造するための具体的な設備構成については提
案されていない。
により、鋼板の表面層にのみ固溶炭素或いは固溶窒素を
存在させて、加工性及び打ち抜き性に優れたプレス成形
用冷延鋼板を提供する従来技術(特公平1−42331
号公報,特開昭63−38556号公報)が存在する。
しかしながら、この従来技術には、表面層にのみ固溶炭
素或いは固溶窒素を存在させたプレス成形用冷延鋼板を
連続的に製造するための具体的な設備構成については提
案されていない。
【0007】そこで、本出願人は先に、表面層にのみ浸
炭或いは浸窒層が形成された冷延鋼板を連続的に製造で
きるようにした連続焼鈍炉を提案した。この連続焼鈍炉
は例えば図4に示すように、連続的に送給される冷延鋼
板を加熱する加熱帯2又は加熱帯2及び均熱帯3と、次
いで当該鋼板を冷却する冷却帯6,7とを有する連続焼
鈍炉において、前記加熱帯2又は加熱帯2及び均熱帯3
と、前記冷却帯6,7との間に、前記鋼板を連続的に浸
炭又は浸窒する浸炭・浸窒帯5を設けたことを特徴とす
るものである。この連続焼鈍炉によれば、溶接により鋼
帯として連続的に送給される鋼板を連続焼鈍する際に、
加熱帯2及び均熱帯3によって行われる加熱及び均熱に
よって所定の再結晶を行った後、鋼板温度,雰囲気条
件,搬送速度(在炉時間),及び冷却条件を制御して浸
炭・浸窒をおこなうことにより、鋼板の材質仕様を満足
させながら表面浸炭・浸窒層の濃度と深さを所望の値に
することができる。
炭或いは浸窒層が形成された冷延鋼板を連続的に製造で
きるようにした連続焼鈍炉を提案した。この連続焼鈍炉
は例えば図4に示すように、連続的に送給される冷延鋼
板を加熱する加熱帯2又は加熱帯2及び均熱帯3と、次
いで当該鋼板を冷却する冷却帯6,7とを有する連続焼
鈍炉において、前記加熱帯2又は加熱帯2及び均熱帯3
と、前記冷却帯6,7との間に、前記鋼板を連続的に浸
炭又は浸窒する浸炭・浸窒帯5を設けたことを特徴とす
るものである。この連続焼鈍炉によれば、溶接により鋼
帯として連続的に送給される鋼板を連続焼鈍する際に、
加熱帯2及び均熱帯3によって行われる加熱及び均熱に
よって所定の再結晶を行った後、鋼板温度,雰囲気条
件,搬送速度(在炉時間),及び冷却条件を制御して浸
炭・浸窒をおこなうことにより、鋼板の材質仕様を満足
させながら表面浸炭・浸窒層の濃度と深さを所望の値に
することができる。
【0008】また、本来の連続焼鈍の搬送速度で浸炭・
浸窒処理を行うことができるように浸炭・浸窒帯のパス
長を設定すれば、連続焼鈍の処理速度を変更することな
く、浸炭・浸窒処理を付加することができる。
浸窒処理を行うことができるように浸炭・浸窒帯のパス
長を設定すれば、連続焼鈍の処理速度を変更することな
く、浸炭・浸窒処理を付加することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】一般に、一様板厚で一
様送り速度の処理条件下では、鋼板の浸炭深さhは下記
1式に示すように、板温T,カーボンの拡散が進行する
温度領域の経過時間tに従って決定される。 h=f(T,t) ……… (1) この表面浸炭層を評価するに当たり、最表面層の炭素濃
度と、表面浸炭層の炭素濃度分布に着目すると、前記最
表面層の炭素濃度は、雰囲気ガスのカーボンポテンシャ
ル,鋼板の温度によりほぼ決定され、表面浸炭層の炭素
濃度分布は、最表面層の炭素濃度,鋼板の温度,各温度
での経過時間,鋼板材料の成分等により決定される。こ
れらの条件のうち、鋼板材料の成分は予め決定されてい
るので、カーボンポテンシャル等の雰囲気条件の設定も
重要であるが、なによりも温度条件、即ち鋼板の温度を
所定温度にほぼ一定に制御することが最も重要である。
様送り速度の処理条件下では、鋼板の浸炭深さhは下記
1式に示すように、板温T,カーボンの拡散が進行する
温度領域の経過時間tに従って決定される。 h=f(T,t) ……… (1) この表面浸炭層を評価するに当たり、最表面層の炭素濃
度と、表面浸炭層の炭素濃度分布に着目すると、前記最
表面層の炭素濃度は、雰囲気ガスのカーボンポテンシャ
ル,鋼板の温度によりほぼ決定され、表面浸炭層の炭素
濃度分布は、最表面層の炭素濃度,鋼板の温度,各温度
での経過時間,鋼板材料の成分等により決定される。こ
れらの条件のうち、鋼板材料の成分は予め決定されてい
るので、カーボンポテンシャル等の雰囲気条件の設定も
重要であるが、なによりも温度条件、即ち鋼板の温度を
所定温度にほぼ一定に制御することが最も重要である。
【0010】しかしながら、実際の連続焼鈍炉において
鋼板を焼鈍と共に浸炭・浸窒する場合、諸元の異なる鋼
板を溶接して鋼帯として連続的に送給するために、焼鈍
材料により最終材料温度が変化し、更に焼鈍工程を最大
処理能力で生産した場合には焼鈍速度、即ち前記経過時
間が1コイル内で大きく変化する。更に例えば図5に示
すように溶接された隣合う二枚の鋼板の板厚が異なる場
合に、二枚の継ぎ目の前後で板温制御の時定数エラーに
より目標板温と実際の板温とで局部的な変化が生じる。
従って、鋼帯の長手方向に温度のばらつきが生じる。
鋼板を焼鈍と共に浸炭・浸窒する場合、諸元の異なる鋼
板を溶接して鋼帯として連続的に送給するために、焼鈍
材料により最終材料温度が変化し、更に焼鈍工程を最大
処理能力で生産した場合には焼鈍速度、即ち前記経過時
間が1コイル内で大きく変化する。更に例えば図5に示
すように溶接された隣合う二枚の鋼板の板厚が異なる場
合に、二枚の継ぎ目の前後で板温制御の時定数エラーに
より目標板温と実際の板温とで局部的な変化が生じる。
従って、鋼帯の長手方向に温度のばらつきが生じる。
【0011】また、実際の連続焼鈍炉においては、鋼帯
とロールとの伝熱、炉内の対流伝熱、炉壁の輻射伝熱等
の伝熱作用があり、これらにより鋼帯の幅方向にもばら
つきが生じていることが多い。このような鋼帯温度のば
らつきは焼鈍に関しては問題ないレベルであっても、表
面浸炭層を均一に形成するためには、無視できない問題
となる。この問題は、浸窒を行う場合にも全く同様であ
る。
とロールとの伝熱、炉内の対流伝熱、炉壁の輻射伝熱等
の伝熱作用があり、これらにより鋼帯の幅方向にもばら
つきが生じていることが多い。このような鋼帯温度のば
らつきは焼鈍に関しては問題ないレベルであっても、表
面浸炭層を均一に形成するためには、無視できない問題
となる。この問題は、浸窒を行う場合にも全く同様であ
る。
【0012】また、特に浸窒を伴う場合には、固溶窒素
の共析点が通常の焼鈍の均熱温度よりも低いため、前記
浸炭・浸窒帯の炉内の温度を該共析点近傍に設定して
も、鋼帯の温度がその温度に到達するまでに時間を要す
るため、実際の浸窒時間が短くなり、十分な浸窒が行え
ないという不合理もある。本発明はこれらの諸問題に鑑
みて開発されたものであり、焼鈍工程において加熱・均
熱された鋼帯を、更に浸炭・浸窒に最適な板温に制御し
てから浸炭又は浸窒を行うことにより、均一な表面浸炭
・浸窒層を形成し、安定した最表面層の炭素濃度及び窒
素濃度の鋼板を提供し得る連続焼鈍炉における浸炭浸窒
処理設備を提供することを目的とするものである。
の共析点が通常の焼鈍の均熱温度よりも低いため、前記
浸炭・浸窒帯の炉内の温度を該共析点近傍に設定して
も、鋼帯の温度がその温度に到達するまでに時間を要す
るため、実際の浸窒時間が短くなり、十分な浸窒が行え
ないという不合理もある。本発明はこれらの諸問題に鑑
みて開発されたものであり、焼鈍工程において加熱・均
熱された鋼帯を、更に浸炭・浸窒に最適な板温に制御し
てから浸炭又は浸窒を行うことにより、均一な表面浸炭
・浸窒層を形成し、安定した最表面層の炭素濃度及び窒
素濃度の鋼板を提供し得る連続焼鈍炉における浸炭浸窒
処理設備を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項1に
かかる連続焼鈍炉における浸炭浸窒処理設備は、少なく
とも板厚を含む諸元の異なる鋼板を継ぎ合わせた冷延鋼
帯を連続的に送給して加熱する加熱帯又は加熱帯及び均
熱帯と、次いで当該鋼帯を冷却する冷却帯との間に、前
記加熱又は均熱された鋼帯を連続的に浸炭又は浸窒する
浸炭・浸窒帯を設けた連続焼鈍炉における浸炭浸窒処理
設備において、前記浸炭・浸窒帯の前で前記鋼帯におけ
る鋼板の継ぎ目の温度を浸炭又は浸窒に適する温度に調
節する板温調節帯を設けたことを特徴とするものであ
る。
かかる連続焼鈍炉における浸炭浸窒処理設備は、少なく
とも板厚を含む諸元の異なる鋼板を継ぎ合わせた冷延鋼
帯を連続的に送給して加熱する加熱帯又は加熱帯及び均
熱帯と、次いで当該鋼帯を冷却する冷却帯との間に、前
記加熱又は均熱された鋼帯を連続的に浸炭又は浸窒する
浸炭・浸窒帯を設けた連続焼鈍炉における浸炭浸窒処理
設備において、前記浸炭・浸窒帯の前で前記鋼帯におけ
る鋼板の継ぎ目の温度を浸炭又は浸窒に適する温度に調
節する板温調節帯を設けたことを特徴とするものであ
る。
【0014】本発明のうち請求項2に係る連続焼鈍炉に
おける浸炭浸窒処理設備は、前記板温調節帯は、鋼帯の
幅方向への温度分布を含む板温測定装置と、鋼帯を幅方
向に分割して温度調節できる板幅温度調節装置と、前記
板温測定装置の検出信号に基づいて前記板幅温度調節装
置を制御する計装制御装置とを備えたことを特徴とする
ものである。
おける浸炭浸窒処理設備は、前記板温調節帯は、鋼帯の
幅方向への温度分布を含む板温測定装置と、鋼帯を幅方
向に分割して温度調節できる板幅温度調節装置と、前記
板温測定装置の検出信号に基づいて前記板幅温度調節装
置を制御する計装制御装置とを備えたことを特徴とする
ものである。
【0015】
【作用】本発明のうち請求項1にかかる連続焼鈍炉にお
ける浸炭浸窒処理設備では、前記板温調節帯により、浸
炭・浸窒帯の前で前記鋼帯における鋼板の継ぎ目の温度
を浸炭又は浸窒に適する温度に調節することができるの
で、少なくとも鋼帯の長手方向での板温のばらつきを防
止して、前記1式に係る板温を制御することによりその
浸炭・浸窒深さや、最表面層における炭素濃度や窒素濃
度を所定の値に安定化することができる。
ける浸炭浸窒処理設備では、前記板温調節帯により、浸
炭・浸窒帯の前で前記鋼帯における鋼板の継ぎ目の温度
を浸炭又は浸窒に適する温度に調節することができるの
で、少なくとも鋼帯の長手方向での板温のばらつきを防
止して、前記1式に係る板温を制御することによりその
浸炭・浸窒深さや、最表面層における炭素濃度や窒素濃
度を所定の値に安定化することができる。
【0016】本発明のうち請求項2に係る連続焼鈍炉に
おける浸炭浸窒処理設備では、前記板温調節帯に設けら
れた鋼帯の幅方向への温度分布を含む板温測定装置と、
鋼帯を幅方向に分割して温度調節できる板幅温度調節装
置と、前記板温測定装置の検出信号に基づいて前記板幅
温度調節装置を制御する計装制御装置とにより、鋼帯の
板幅方向での板温のばらつきを防止して、表面浸炭・浸
窒層をより一層均一化することができる。
おける浸炭浸窒処理設備では、前記板温調節帯に設けら
れた鋼帯の幅方向への温度分布を含む板温測定装置と、
鋼帯を幅方向に分割して温度調節できる板幅温度調節装
置と、前記板温測定装置の検出信号に基づいて前記板幅
温度調節装置を制御する計装制御装置とにより、鋼帯の
板幅方向での板温のばらつきを防止して、表面浸炭・浸
窒層をより一層均一化することができる。
【0017】
【実施例】図1は本発明の連続焼鈍炉における浸炭浸窒
処理設備の一実施例を示すものである。同図は、冷延鋼
板を連続的に焼鈍する竪型連続焼鈍炉の構成を示すもの
であり、この連続焼鈍炉は順に、コイル巻戻し機,溶接
機,洗浄機等を有する図示しない入側設備、予熱帯1、
加熱帯2、均熱帯3、板温調節帯4、浸炭帯5、第1冷
却帯6、第2冷却帯7、剪断機,巻取り機等の図示しな
い出側設備から構成される。これらの設備は設置面積の
低減の要求から全てタワー状の竪型に構築されている。
処理設備の一実施例を示すものである。同図は、冷延鋼
板を連続的に焼鈍する竪型連続焼鈍炉の構成を示すもの
であり、この連続焼鈍炉は順に、コイル巻戻し機,溶接
機,洗浄機等を有する図示しない入側設備、予熱帯1、
加熱帯2、均熱帯3、板温調節帯4、浸炭帯5、第1冷
却帯6、第2冷却帯7、剪断機,巻取り機等の図示しな
い出側設備から構成される。これらの設備は設置面積の
低減の要求から全てタワー状の竪型に構築されている。
【0018】極低炭素の冷延鋼板は、板厚や材料等の諸
元に関わらず長手方向に溶接されて、鋼帯Aとして入側
設備から連続的に送給された後、予熱帯1、加熱帯2、
均熱帯3、板温調節帯4、浸炭帯5、第1・第2冷却帯
5,6を順に通過して最終的には常温まで冷却される。
前記加熱帯2は入側設備から連続的に送給され、予熱さ
れた冷延鋼板を例えば、再結晶温度以上まで加熱するも
のであり、具体的には炉内温度が900〜950℃で、
鋼帯の温度が700〜800℃になるように当該鋼板を
加熱する。そして加熱された冷延鋼板は均熱帯3で必要
な時間保持された後、板温調節帯4に致る。
元に関わらず長手方向に溶接されて、鋼帯Aとして入側
設備から連続的に送給された後、予熱帯1、加熱帯2、
均熱帯3、板温調節帯4、浸炭帯5、第1・第2冷却帯
5,6を順に通過して最終的には常温まで冷却される。
前記加熱帯2は入側設備から連続的に送給され、予熱さ
れた冷延鋼板を例えば、再結晶温度以上まで加熱するも
のであり、具体的には炉内温度が900〜950℃で、
鋼帯の温度が700〜800℃になるように当該鋼板を
加熱する。そして加熱された冷延鋼板は均熱帯3で必要
な時間保持された後、板温調節帯4に致る。
【0019】この板温調節帯4は、前記加熱帯2及び均
熱帯3において焼鈍に必要な板温に加熱及び均熱された
鋼帯Aを、以下に続く浸炭帯5における浸炭に最も適す
る板温に調節するものである。この板温調節帯4では、
前述した炉温制御の時定数エラーに伴う鋼帯の長手方向
への板温のばらつきを抑制し、更に鋼帯の板幅方向への
板温のばらつきをも抑制するために、ガスジェット冷却
装置12を用いてこれらの板温を制御している。具体的
には、図1,図2に示すように板温調節帯4の入側と出
側とに設けられた板温分布センサ10,11により鋼帯
Aの板幅方向及び長手方向への温度分布を検出し、その
検出信号を例えば集中制御室内に設けられたホストコン
ピュータ17に送出する。一方、前記ガスジェット冷却
装置12は、鋼帯Aの板幅方向に複数個並設されたガス
ジェットノズル13を一組として構成され、このガスジ
ェット冷却装置12が板温調節帯4のタワー内において
送給される鋼帯に対向して複数組設けられている。そし
てこれらのガスジェットノズル13には夫々流量弁14
が設けられており、該流量弁14を介してガス供給源1
5から供給される不活性冷却用ガスを所定の温度に制御
するガス温度制御装置16に連結されている。前記ホス
トコンピュータ17は、鋼帯Aをトラッキングしながら
入側板温分布センサ10からの検出信号に基づいて鋼帯
Aの板幅方向を含むどの部分をどれ程冷却するか、即ち
当該部分の冷却量を算出し、その冷却量を満足するため
の冷却用ガスの流量,流速,噴射時間等の制御量を算出
し、その制御量に応じて前記流量弁14の絞り開度を各
ガスジェットノズル13毎に行う。更にこのホストコン
ピュータ17では、前記出側板温分布センサ11からの
検出信号に基づいて前記冷却量を常時補正する、フィー
ドバック制御を行っている。このようにして、浸炭に最
も適する板温に制御された鋼帯Aは前記浸炭帯5に至
る。
熱帯3において焼鈍に必要な板温に加熱及び均熱された
鋼帯Aを、以下に続く浸炭帯5における浸炭に最も適す
る板温に調節するものである。この板温調節帯4では、
前述した炉温制御の時定数エラーに伴う鋼帯の長手方向
への板温のばらつきを抑制し、更に鋼帯の板幅方向への
板温のばらつきをも抑制するために、ガスジェット冷却
装置12を用いてこれらの板温を制御している。具体的
には、図1,図2に示すように板温調節帯4の入側と出
側とに設けられた板温分布センサ10,11により鋼帯
Aの板幅方向及び長手方向への温度分布を検出し、その
検出信号を例えば集中制御室内に設けられたホストコン
ピュータ17に送出する。一方、前記ガスジェット冷却
装置12は、鋼帯Aの板幅方向に複数個並設されたガス
ジェットノズル13を一組として構成され、このガスジ
ェット冷却装置12が板温調節帯4のタワー内において
送給される鋼帯に対向して複数組設けられている。そし
てこれらのガスジェットノズル13には夫々流量弁14
が設けられており、該流量弁14を介してガス供給源1
5から供給される不活性冷却用ガスを所定の温度に制御
するガス温度制御装置16に連結されている。前記ホス
トコンピュータ17は、鋼帯Aをトラッキングしながら
入側板温分布センサ10からの検出信号に基づいて鋼帯
Aの板幅方向を含むどの部分をどれ程冷却するか、即ち
当該部分の冷却量を算出し、その冷却量を満足するため
の冷却用ガスの流量,流速,噴射時間等の制御量を算出
し、その制御量に応じて前記流量弁14の絞り開度を各
ガスジェットノズル13毎に行う。更にこのホストコン
ピュータ17では、前記出側板温分布センサ11からの
検出信号に基づいて前記冷却量を常時補正する、フィー
ドバック制御を行っている。このようにして、浸炭に最
も適する板温に制御された鋼帯Aは前記浸炭帯5に至
る。
【0020】この浸炭帯5は、冷延鋼板表面の極薄い部
分(0.5μm〜100μm以下)に炭素量C≧0.0
1%の浸炭層を形成するために、650〜900℃の炉
内温度に制御され、冷延鋼板が浸炭帯内を10〜30秒
で通過するように搬送速度が制御される。このような浸
炭帯5において、鋼板温度が650℃未満であると、浸
炭速度が低下して熱処理生産性が低下する。一方、炉内
温度が900℃を越えると、固溶炭素が拡散する、所謂
拡散焼鈍状態になって固溶炭素を固定することができな
い。
分(0.5μm〜100μm以下)に炭素量C≧0.0
1%の浸炭層を形成するために、650〜900℃の炉
内温度に制御され、冷延鋼板が浸炭帯内を10〜30秒
で通過するように搬送速度が制御される。このような浸
炭帯5において、鋼板温度が650℃未満であると、浸
炭速度が低下して熱処理生産性が低下する。一方、炉内
温度が900℃を越えると、固溶炭素が拡散する、所謂
拡散焼鈍状態になって固溶炭素を固定することができな
い。
【0021】この浸炭帯内温度分布は、冷延鋼板表面へ
のスーティングを防止するため、炉内温度差は50℃以
内であることが望ましい。鋼板の表面に遊離炭素が付着
すると化成処理性の劣化等、品質低下及び後工程の弊害
要因となる。浸炭炉内に供給される浸炭ガスの組成とし
ては、例えばCO=5〜10vol%,H2 =2〜4v
ol%,CO/CO2 =15〜20,残部=N2 が挙げ
られ、この浸炭性ガスを1000Nm3 /hr以上の割
合で浸炭帯5内に供給する。浸炭帯に供給された浸炭性
ガスの外部への漏洩を防止するため、当該浸炭帯内への
鋼帯の入口及び出口には、シール部材が設けられてい
る。
のスーティングを防止するため、炉内温度差は50℃以
内であることが望ましい。鋼板の表面に遊離炭素が付着
すると化成処理性の劣化等、品質低下及び後工程の弊害
要因となる。浸炭炉内に供給される浸炭ガスの組成とし
ては、例えばCO=5〜10vol%,H2 =2〜4v
ol%,CO/CO2 =15〜20,残部=N2 が挙げ
られ、この浸炭性ガスを1000Nm3 /hr以上の割
合で浸炭帯5内に供給する。浸炭帯に供給された浸炭性
ガスの外部への漏洩を防止するため、当該浸炭帯内への
鋼帯の入口及び出口には、シール部材が設けられてい
る。
【0022】前記浸炭帯5を出た鋼帯Aは、前記第1冷
却帯6に至る。この第1冷却帯6では、冷延鋼板の表面
の極薄い範囲にのみ固溶炭素を固定するため、浸炭後の
鋼帯Aを、鋼板温度が600℃以下、好ましくは、50
0〜400℃程度になるまで、20℃/sec.以上の冷却
速度で急冷する。この第1冷却帯6内では、この冷却条
件が達成できるように、冷却帯内を搬送される鋼帯へ吹
き付けられる冷却ガス流量,流速及び冷却ロール温度,
巻付け角等が制御される。
却帯6に至る。この第1冷却帯6では、冷延鋼板の表面
の極薄い範囲にのみ固溶炭素を固定するため、浸炭後の
鋼帯Aを、鋼板温度が600℃以下、好ましくは、50
0〜400℃程度になるまで、20℃/sec.以上の冷却
速度で急冷する。この第1冷却帯6内では、この冷却条
件が達成できるように、冷却帯内を搬送される鋼帯へ吹
き付けられる冷却ガス流量,流速及び冷却ロール温度,
巻付け角等が制御される。
【0023】この第1冷却帯6を出た鋼帯Aは、次いで
第2冷却帯7に至る。この第2冷却帯7では鋼板温度が
250〜200℃程度までガス冷却が行われる。このよ
うにして最終的には、表面層にのみ固溶炭素が存在する
極低炭素のプレス成形用冷延鋼板を得ることができる。
このプレス成形用冷延鋼板は、特公平1−42331号
公報にも記載されるように、プレス成形性及び化成処理
性に優れたものとなる。そして、このようなプレス加工
用冷延鋼板は、溶接性、打ち抜き性、及び摺動性にも優
れたものとなる。
第2冷却帯7に至る。この第2冷却帯7では鋼板温度が
250〜200℃程度までガス冷却が行われる。このよ
うにして最終的には、表面層にのみ固溶炭素が存在する
極低炭素のプレス成形用冷延鋼板を得ることができる。
このプレス成形用冷延鋼板は、特公平1−42331号
公報にも記載されるように、プレス成形性及び化成処理
性に優れたものとなる。そして、このようなプレス加工
用冷延鋼板は、溶接性、打ち抜き性、及び摺動性にも優
れたものとなる。
【0024】次に具体的な実施例について説明する。鋼
中炭素量C=20ppm,板幅W=1200mmの極低
炭素鋼板を、前記図1の連続焼鈍炉にて前記図3の温度
履歴による連続焼鈍及び浸炭を行った。この図3の温度
履歴における(a),(b),(c),(d) は夫々図1の(a),(b),
(c),(d) の各点における鋼帯温度に対応する。具体的に
は図3の(a)は板温調節帯内温度領域、(b)は浸炭
帯内温度領域、(c)は第1冷却帯内温度領域、(d)
は第1冷却帯出側温度領域を夫々示す。
中炭素量C=20ppm,板幅W=1200mmの極低
炭素鋼板を、前記図1の連続焼鈍炉にて前記図3の温度
履歴による連続焼鈍及び浸炭を行った。この図3の温度
履歴における(a),(b),(c),(d) は夫々図1の(a),(b),
(c),(d) の各点における鋼帯温度に対応する。具体的に
は図3の(a)は板温調節帯内温度領域、(b)は浸炭
帯内温度領域、(c)は第1冷却帯内温度領域、(d)
は第1冷却帯出側温度領域を夫々示す。
【0025】この連続焼鈍炉において、加熱帯2及び均
熱帯3における焼鈍処理目標板温を780℃とし、板温
調節帯4及び浸炭帯5における浸炭処理目標板温を78
0℃とし、前記浸炭帯5における浸炭ガス組成を、CO
=5vol%,H2 =3vol%,N2 =91vol
%,残部=1vol%とし、鋼帯送給速度を150mp
mにて連続焼鈍及び浸炭を行った。
熱帯3における焼鈍処理目標板温を780℃とし、板温
調節帯4及び浸炭帯5における浸炭処理目標板温を78
0℃とし、前記浸炭帯5における浸炭ガス組成を、CO
=5vol%,H2 =3vol%,N2 =91vol
%,残部=1vol%とし、鋼帯送給速度を150mp
mにて連続焼鈍及び浸炭を行った。
【0026】なお、比較例として、前記連続焼鈍におい
て、板温調節を施さずに浸炭処理のみを施した冷延鋼板
も作成した。このようにして得られた本発明の実施例に
よる浸炭処理済プレス加工用冷延鋼板を鋼帯全長、即ち
1コイル内全体に及んで、表面浸炭層炭素濃化深さ(炭
素量C≧30ppm)と最表面層の炭素濃度とのばらつ
きについて調べたところ、前者のばらつきは約10μ
m、後者のばらつきは約5ppmであった。同様にして
比較例として得たプレス加工用冷延鋼板では、前記表面
浸炭層炭素濃化深さのばらつきは約30μm、最表面層
の炭素濃度のばらつきは約20ppmであり、本発明に
よるプレス加工用冷延鋼板の表面浸炭層が如何に均一で
あるかが判明した。
て、板温調節を施さずに浸炭処理のみを施した冷延鋼板
も作成した。このようにして得られた本発明の実施例に
よる浸炭処理済プレス加工用冷延鋼板を鋼帯全長、即ち
1コイル内全体に及んで、表面浸炭層炭素濃化深さ(炭
素量C≧30ppm)と最表面層の炭素濃度とのばらつ
きについて調べたところ、前者のばらつきは約10μ
m、後者のばらつきは約5ppmであった。同様にして
比較例として得たプレス加工用冷延鋼板では、前記表面
浸炭層炭素濃化深さのばらつきは約30μm、最表面層
の炭素濃度のばらつきは約20ppmであり、本発明に
よるプレス加工用冷延鋼板の表面浸炭層が如何に均一で
あるかが判明した。
【0027】このように本実施例に係る連続焼鈍炉によ
ってプレス成形性及び化成処理性に優れた冷延鋼板を連
続的に提供することができる。前記実施例では、浸炭の
場合について説明したが、浸炭帯にかえて浸窒を行う浸
窒帯を設けてもよい。また、雰囲気をかえることにより
同一炉を浸炭と浸窒に使い分けることもできる。浸窒性
雰囲気としては、例えばNH3 を含有する(N 2 +
H2 )ガスや、その他の混合ガスを用いれば十分であ
る。なお、本発明の浸炭帯は、浸炭のみならず浸炭窒化
を行うものであってもよい。
ってプレス成形性及び化成処理性に優れた冷延鋼板を連
続的に提供することができる。前記実施例では、浸炭の
場合について説明したが、浸炭帯にかえて浸窒を行う浸
窒帯を設けてもよい。また、雰囲気をかえることにより
同一炉を浸炭と浸窒に使い分けることもできる。浸窒性
雰囲気としては、例えばNH3 を含有する(N 2 +
H2 )ガスや、その他の混合ガスを用いれば十分であ
る。なお、本発明の浸炭帯は、浸炭のみならず浸炭窒化
を行うものであってもよい。
【0028】また、前記実施例では極低炭素鋼の冷延鋼
板の連続焼鈍について説明したが、これに限定されず低
炭素−リムド鋼,低炭素−アルミキルド鋼等の低炭素鋼
等の他の鋼種に対しても適用できる。またさらに、本実
施例では均熱帯と浸炭帯との間に板温調節帯が設けられ
ているが、均熱帯と板温調節帯とを同一炉で形成するこ
と、均熱帯を省略して加熱帯と浸炭帯との間に板温調節
帯を設けること、浸炭帯と第1冷却帯との間に浸炭深さ
を調整するための拡散帯を設けること、等も夫々可能で
ある。
板の連続焼鈍について説明したが、これに限定されず低
炭素−リムド鋼,低炭素−アルミキルド鋼等の低炭素鋼
等の他の鋼種に対しても適用できる。またさらに、本実
施例では均熱帯と浸炭帯との間に板温調節帯が設けられ
ているが、均熱帯と板温調節帯とを同一炉で形成するこ
と、均熱帯を省略して加熱帯と浸炭帯との間に板温調節
帯を設けること、浸炭帯と第1冷却帯との間に浸炭深さ
を調整するための拡散帯を設けること、等も夫々可能で
ある。
【0029】また、二つある冷却帯を一つの冷却帯にす
ることもできる。
ることもできる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の連続焼鈍
炉における浸炭浸窒処理設備によれば板温調節帯によ
り、浸炭・浸窒帯の前で前記鋼帯における鋼板の継ぎ目
の温度を浸炭又は浸窒に適する温度に調節することがで
きるので、少なくとも鋼帯の長手方向での板温のばらつ
きを防止して浸炭・浸窒深さや、最表面層における炭素
濃度や窒素濃度を所定の値に安定化することができ、更
にこの板温調節帯の板幅方向の温度調節機構を設けるこ
とによって鋼帯の板幅方向での板温のばらつきを防止し
て、表面浸炭層を均一化することができる。
炉における浸炭浸窒処理設備によれば板温調節帯によ
り、浸炭・浸窒帯の前で前記鋼帯における鋼板の継ぎ目
の温度を浸炭又は浸窒に適する温度に調節することがで
きるので、少なくとも鋼帯の長手方向での板温のばらつ
きを防止して浸炭・浸窒深さや、最表面層における炭素
濃度や窒素濃度を所定の値に安定化することができ、更
にこの板温調節帯の板幅方向の温度調節機構を設けるこ
とによって鋼帯の板幅方向での板温のばらつきを防止し
て、表面浸炭層を均一化することができる。
【図1】本発明の連続焼鈍炉における浸炭浸窒処理設備
の一実施例を示す全体構成図である。
の一実施例を示す全体構成図である。
【図2】図1の連続焼鈍炉における浸炭浸窒処理設備内
の板温調節帯の機能構成図である。
の板温調節帯の機能構成図である。
【図3】図1の連続焼鈍炉によって行われた連続焼鈍の
温度履歴説明図である。
温度履歴説明図である。
【図4】従来の連続焼鈍炉における浸炭浸窒処理設備の
一つの例を示す全体構成図である。
一つの例を示す全体構成図である。
【図5】連続焼鈍における鋼帯の鋼板継ぎ目部分におけ
る鋼帯長手方向への板温ばらつきの説明図である。
る鋼帯長手方向への板温ばらつきの説明図である。
2は加熱帯 3は均熱帯 4は板温調節帯 5は浸炭帯 10は入側板温分布センサ 11は出側板温分布センサ 12はガスジェット冷却装置 Aは鋼帯
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21D 9/56 101 C23C 8/06 C23C 8/22 C23C 8/26 C21D 1/74 C21D 1/06
Claims (2)
- 【請求項1】 少なくとも板厚を含む諸元の異なる鋼板
を継ぎ合わせた冷延鋼帯を連続的に送給して加熱する加
熱帯又は加熱帯及び均熱帯と、次いで当該鋼帯を冷却す
る冷却帯との間に、前記加熱又は均熱された鋼帯を連続
的に浸炭又は浸窒する浸炭・浸窒帯を設けた連続焼鈍炉
における浸炭浸窒処理設備において、前記浸炭・浸窒帯
の前で前記鋼帯における鋼板の継ぎ目の温度を浸炭又は
浸窒に適する温度に調節する板温調節帯を設けたことを
特徴とする連続焼鈍炉における浸炭浸窒処理設備。 - 【請求項2】 前記板温調節帯は、鋼帯の幅方向への温
度分布を含む板温測定装置と、鋼帯を幅方向に分割して
温度調節できる板幅温度調節装置と、前記板温測定装置
の検出信号に基づいて前記板幅温度調節装置を制御する
計装制御装置とを備えたことを特徴とする請求項1に記
載の連続焼鈍炉における浸炭浸窒処理設備。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4012028A JP2983366B2 (ja) | 1992-01-27 | 1992-01-27 | 連続焼鈍炉における浸炭浸窒処理設備 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4012028A JP2983366B2 (ja) | 1992-01-27 | 1992-01-27 | 連続焼鈍炉における浸炭浸窒処理設備 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05202425A JPH05202425A (ja) | 1993-08-10 |
JP2983366B2 true JP2983366B2 (ja) | 1999-11-29 |
Family
ID=11794153
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4012028A Expired - Fee Related JP2983366B2 (ja) | 1992-01-27 | 1992-01-27 | 連続焼鈍炉における浸炭浸窒処理設備 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2983366B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0606939B1 (en) * | 1993-01-11 | 1998-05-06 | Koninklijke Philips Electronics N.V. | Illumination system and display device including such a system |
JP5186968B2 (ja) * | 2008-03-21 | 2013-04-24 | 新日鐵住金株式会社 | 連続熱処理炉における板温制御システム、方法及びプログラム |
KR101376565B1 (ko) * | 2011-12-15 | 2014-04-02 | (주)포스코 | 연속 소둔라인 급냉대의 스트립 온도제어 방법 및 장치 |
JP5942884B2 (ja) * | 2013-02-18 | 2016-06-29 | Jfeスチール株式会社 | 方向性電磁鋼板の窒化処理設備および窒化処理方法 |
CN107429309B (zh) * | 2015-04-02 | 2021-06-18 | 考克利尔维修工程 | 退火炉、用于控制在钢带上的表面反应的方法及钢带 |
-
1992
- 1992-01-27 JP JP4012028A patent/JP2983366B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05202425A (ja) | 1993-08-10 |
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