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JP2974510B2 - 光磁気記録素子及びその製造方法 - Google Patents

光磁気記録素子及びその製造方法

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JP2974510B2
JP2974510B2 JP4197892A JP19789292A JP2974510B2 JP 2974510 B2 JP2974510 B2 JP 2974510B2 JP 4197892 A JP4197892 A JP 4197892A JP 19789292 A JP19789292 A JP 19789292A JP 2974510 B2 JP2974510 B2 JP 2974510B2
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JP
Japan
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optical recording
magneto
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amorphous
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JP4197892A
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俊幸 柴田
久雄 有宗
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光磁気ディスク等の
光磁気記録素子における金属反射層及び非晶質保護層の
組成の改良と、そのような金属反射層及び非晶質保護層
を備えた光磁気記録素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザー光を用いて記録、再生、消去を
行う光磁気ディスクにおいては、少なくとも光記録層、
金属反射層及び非晶質保護層が透明基板上に積層されて
いる。この金属反射層には多くの場合Alあるいはその
合金が使用され、特に耐食性を向上するためにCr、T
i、Ni等の元素を添加することが提案されている(例
えば特開昭63−224050、特開昭64−6684
7、特開平2−128345等の公報参照)。しかし、
これらのものでは金属反射層自体の耐食性はAl単独の
ものより向上はするものの実用的に十分と言えるもので
はなく、金属反射層に光記録層に対する保護層の機能を
兼ねさせることは困難である。
【0003】この問題を解決するために金属反射層の上
に保護層を設けることが提案されている。例えば特開昭
62−110642号はAl23を含む複合酸化物を用
いる提案であるが、プロセス上、新規に保護層形成用の
スパッタリングターゲットを必要とするためコスト高に
なってしまう。また特開平3−8151号には、反応性
スパッタリングによりAlを主成分とするターゲットを
用いてその酸化物を保護層として形成することが述べら
れているが、この提案はコスト低減を目的としたものに
過ぎず、具体的な保護層の組成などの保護層の性能に直
接関与する問題については言及がなく、耐食性向上の効
果は不明である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この種の保護層として
は非晶質の膜が適しているが、反応性スパッタリングの
場合に例えば酸素添加量が少ないと非晶質膜にはなら
ず、逆に酸素添加量が多過ぎると成膜効率が悪くなり、
量産に適さない。またTi等の添加元素を増すことを目
的としたチップオン方式では、膜に組成むらが生じやす
く再現性にも問題があり、微量の添加も困難である。ま
た反応性スパッタリング以外の方法、例えば酸化物、窒
化物の焼結ターゲットを用いる場合、ターゲット自体か
らの脱ガスが生じて特性劣化を招く。この発明はこのよ
うな問題点に着目し、保護層として適した非晶質膜を得
ると共に、実施が容易で量産性に優れた製造方法を得る
ことを課題としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、この発明では、透明基板上に少なくとも光記録
層、金属反射層及び非晶質保護層を順次積層した光磁気
記録素子における金属反射層をAlTix(x=0.0
01〜0.01)とし、その上に形成される非晶質保護
層を上記AlTixの低酸化物であるAlTixOy
(x=0.001〜0.01、y=0.5〜1.2)とし
ている。また、このような光磁気記録素子を製造するに
際して、光記録層の形成後に無酸素雰囲気中においてA
lTix(x=0.001〜0.01)のターゲットをス
パッタリングして金属反射層を形成した後、同じターゲ
ットを酸素含有雰囲気中において反応性スパッタリング
してAlTixの低酸化物であるAlTixOy(x=
0.001〜0.01、y=0.5〜1.2)の非晶質
保護層を形成するようにしている。なお、ここで光記録
層とは、例えば誘電体層/磁性層/誘電体層などの少な
くとも磁性層を含む層構成を成す。
【0006】
【作用】後述するように、上記の組成とすることによっ
て非晶質保護層は保護性能が高く信頼性の優れたものと
なり、高信頼性の光磁気記録素子が得られる。また、同
一のターゲットを使用したスパッタリングを雰囲気を変
更して行うだけでよいので、製造プロセスが簡略化され
る。
【0007】
【実施例1】以下、次のようなプロセスによって作成し
た光磁気ディスク(光磁気記録素子)における実施例につ
いて説明する。光磁気ディスクとしては、図1に示す構
造のもので金属反射層と非晶質保護層の組成が異なる資
料を作成して評価した。具体的には、ポリカーボネート
樹脂の基板1(φ86mm)を連続マグネトロンスパッタリ
ング装置に配置し、まず光記録層を積層させる。すなわ
ち、第1のチャンバーで第1誘電体層2として厚さ約1
000Åの非晶質イットリウムサイアロン(YSiAl
ON)層を基板1上に形成した後、第2のチャンバーで
磁性層である光磁気記録層3として厚さ約300ÅのG
dDyFe層を第1誘電体層2上に形成した。続いて、
第3のチャンバーで第2誘電体層4として厚さ約400
Åの非晶質イットリウムサイアロン層を光磁気記録層3
上に形成した後、第4のチャンバーで金属反射層5とし
てAlTix層を約1000Åの厚さで光記録層上に形
成した。これらの処理はいずれもチャンバーにアルゴン
ガスを供給して無酸素雰囲気中において行われる。
【0008】この金属反射層5の形成後、同一のチャン
バーにアルゴンガスの他に酸素を供給して酸素含有雰囲
気とし、金属反射層5を形成した時のターゲットである
AlTixをそのまま用いて、反応性スパッタリングに
よりAlTixの低酸化物層を非晶質保護層6として約
150Åの厚さで形成した。試料はAlTixの組成比
と酸素添加量を変化させることによって数種類のものを
作成した。最後に、ウレタンアクリレートとアクリル酸
エステルの共重合体系の紫外線硬化型樹脂をスピンコー
ト法により塗布し、硬化させて約10μmの厚さで保護
樹脂層7を形成した。
【0009】表1は以上のような光磁気ディスクの各試
料に対して高温高湿(80℃、90%RH)加速試験を5
00時間実施し、膜の腐食の状態を顕微鏡にて調べた結
果を順序不同で示したものである。表には各試料の組成
分析の結果も併せて示し、好ましくない結果を示した試
料にはそれぞれ*印を表示してある。組成分析はエスカ
分析法によって実施した。なお、表1においてx及びy
はAlを1とした時の原子数を表している。
【0010】
【 表1 】
【0011】表1において*印を付けた試料1及び9で
は腐食が生じているが、これはTiの含有量が少ないた
めと解釈される。また試料5及び12では腐食は見られ
ないがTiの含有量が多いためにターゲット自体にTi
の偏析があり、このため金属反射層や結晶化した保護層
中にもTiの偏析が生じ、その結果局所的な感度むらが
発生した。次に酸素含有量については含有量が少ない試
料6及び13では腐食が生じている。逆に含有量が多い
試料8及び16では保護層が結晶化し、クラックも発生
している。これは酸素が多いためにアルミナ(Al23)
に近い組成となって結晶化すると共に透明化が進み、ま
た保護層の内部応力が大きくなっているためと考えられ
る。また、表1には示してないがこの試料8及び16で
は成膜レートが著しく低下しており、望ましくない状態
であった。これはターゲットの表面にもアルミナに近い
組成の被膜が生ずるためと考えられる。
【0012】これらの結果を総合的に判断することによ
り、非晶質保護層AlTixOyの組成のTi含有量は
x=0.001〜0.01であることが適しており、酸
素含有量はy=0.5〜1.2であることが適している
との結論が得られた。
【0013】
【実施例2】次に、非晶質保護層の厚みの適正範囲につ
いて述べる。このために実施例1と同様なプロセスによ
り非晶質保護層の厚みを変えた試料を作成し、同様な試
験を行って評価した。試料は非晶質保護層の組成がx=
0.003,y=0.5の場合、x=0.0098,y
=0.5の場合、x=0.0098,y=1.15の場
合の3種類について作成し、その結果をそれぞれ表2−
1〜表2−3に示してある。なお、評価項目として機械
特性(チルト)も加えてある。
【0014】
【 表2−1 】
【0015】
【 表2−2 】
【0016】
【 表2−3 】
【0017】表2−1〜表2−3において*印を付けた
試料17,23及び28では腐食が生じているが、これ
は非晶質保護層の厚みが不足しているためと解釈され
る。一方、試料22,27及び32ではチルトが大き
く、クラックの発生が見られると共に腐食も生じてい
る。これは非晶質保護層の厚みが大き過ぎて内部応力が
大きくなるためと考えられる。これらの結果を総合的に
判断すると、非晶質保護層の厚みは50〜500Åが適
しているとの結論を得ることができる。
【0018】
【発明の効果】上述の実施例から明らかなように、この
発明の光磁気記録素子は、透明基板上に形成される光記
録層、金属反射層及び非晶質保護層の金属反射層をAl
Tix(x=0.001〜0.01)とし、非晶質保護層
を上記AlTixの低酸化物であるAlTixOy(x
=0.001〜0.01、y=0.5〜1.2)とした
ものであり、保護層中のTiと酸素の含有量をこのよう
に選定することによって、腐食の発生がなく保護層とし
て適した非晶質膜を形成することができる。従って、光
記録層に対する保護性能が高く、信頼性の優れた光磁気
記録素子が得られるのである。
【0019】また、この発明の光磁気記録素子の製造方
法は、光記録層の形成後に無酸素雰囲気中においてAl
Tix(x=0.001〜0.01)のターゲットをスパ
ッタリングして金属反射層を形成した後、同じターゲッ
トを酸素含有雰囲気中において反応性スパッタリングし
てAlTixの低酸化物であるAlTixOy(x=
0.001〜0.01、y=0.5〜1.2)の非晶質
保護層を形成するようにしたものである。すなわち、雰
囲気を変更することにより同一のターゲットを使用した
スパッタリングで金属反射層と非晶質保護層を成膜する
ことができ、製造プロセスが簡略化されて量産性が向上
するのであり、信頼性の優れた光磁気記録素子を低コス
トで製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例である光磁気ディスクの概
略断面図である。
【符号の説明】
1 基板 3 光磁気記録層 5 金属反射層 6 非晶質保護層
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−128346(JP,A) 特開 平3−8151(JP,A) 特開 平4−19840(JP,A) 特開 平4−332929(JP,A) 特開 平5−36137(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 11/10 523 G11B 11/10 521 G11B 7/24 538

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に少なくとも光記録層、金属
    反射層及び非晶質保護層を順次積層した光磁気記録素子
    において、金属反射層をAlTix(x=0.001〜
    0.01)とし、非晶質保護層を上記AlTixの低酸
    化物であるAlTixOy(x=0.001〜0.0
    1、y=0.5〜1.2)としたことを特徴とする光磁
    気記録素子。
  2. 【請求項2】 透明基板上に少なくとも光記録層、金属
    反射層及び非晶質保護層を順次積層した光磁気記録素子
    の製造方法において、光記録層の形成後に無酸素雰囲気
    中においてAlTix(x=0.001〜0.01)のタ
    ーゲットをスパッタリングして金属反射層を形成した
    後、同じターゲットを酸素含有雰囲気中において反応性
    スパッタリングしてAlTixの低酸化物であるAlT
    ixOy(x=0.001〜0.01、y=0.5〜
    1.2)の非晶質保護層を形成することを特徴とする光
    磁気記録素子の製造方法。
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