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JP2969252B2 - 布帛用バインダー組成物 - Google Patents

布帛用バインダー組成物

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Publication number
JP2969252B2
JP2969252B2 JP9021195A JP9021195A JP2969252B2 JP 2969252 B2 JP2969252 B2 JP 2969252B2 JP 9021195 A JP9021195 A JP 9021195A JP 9021195 A JP9021195 A JP 9021195A JP 2969252 B2 JP2969252 B2 JP 2969252B2
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JP
Japan
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meth
polymer
acrylate
group
resin
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JP9021195A
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JPH08259925A (ja
Inventor
辰也 大隅
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Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Sanyo Chemical Industries Ltd filed Critical Sanyo Chemical Industries Ltd
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Publication of JPH08259925A publication Critical patent/JPH08259925A/ja
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  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐水接着強度、耐湿接
着強度に優れた布帛用バインダー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、耐水接着強度、耐湿接着強度に優
れた布帛用バインダー組成物としては、熱硬化性樹脂を
含有する組成物(特公平6−49854号公報)が提案
されている。この組成物において、熱硬化性樹脂を用い
ることによって強度が向上することは開示されている
が、ラテックスのゲル含有量あるいは増粘剤の種類につ
いては言及されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、布帛用バイ
ンダー組成物において、ラテックスとして、非反応性乳
化剤を用いて合成した樹脂ラテックスを用いることすな
わち、水相の乳化剤量が0.01mmol/gを越える
ラテックスを用いること、また、塗布時の粘度を高める
ために増粘剤としてポリアクリル酸ソーダ等の水溶性が
高い化合物を使用することが一般的である。このため、
乳化剤及び増粘剤の影響によって耐水・耐湿接着強度が
不十分となる。これを改善する為に、前記の公報に記載
のカチオン性熱硬化性樹脂を用いることが提案されてい
るが、カチオン性の樹脂を用いるために組成物が高温に
さらされると安定性が不十分となるという問題点があ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、カチオン
性熱硬化性樹脂を用いなくても十分な耐水接着強度、耐
湿接着強度を有する布帛用バインダー組成物を得るべく
鋭意検討した結果、ラテックスの水相の乳化剤量および
ゲル含有量を考慮することによって、前記問題点が改善
されることを見いだし本発明に到達した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決する水系バインダーについて鋭意検討を重ねた
結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、ラテック
スとして水相の乳化剤量が、0.01mmol/g以下
であり、ゲル含有量が60〜95重量%である樹脂ラテ
ックス(A)を含有し、増粘剤として、下記(B1)〜
(B5)からなる群から選ばれる一定の温度を境界にし
て親水性と疎水性が可逆的に変化するビニル重合体
(B)を含有することを特徴とする布帛用バインダー組
成物である。 (B1):環状アミンまたは炭素数5以上の非環状アミ
ンのアルキレンオキシド付加物のビニルカルボン酸エス
テル(b)からなる重合体, (B2):N−アルキルまたはN−アルキレン(メタ)
アクリルアミドからなる重合体, (B3):ポリアルキレングリコールモノアルキルエー
テルモノ(メタ)アクリレートまたはポリアルキレング
リコールモノフェニルエーテルモノ(メタ)アクリレー
トからなる重合体, (B3):ポリアルキレングリコールモノアルキルエー
テルモノ(メタ)アクリレートまたはポリアルキレング
リコールモノフェニルエーテルモノ(メタ)アクリレー
トからなる重合体, (B4):ポリアルキレングリコールモノアルキルモノ
ビニルエーテルからなる重合体, (B5):ポリアルキレングリコールモノフェニルモノ
ビニルエーテルからなる重合体。
【0006】本発明における樹脂ラテックス(A)にお
ける水相の乳化剤量は、0.01mmol(ミリモル)
/g(樹脂)以下、好ましくは、0.002mmol/
g以下であることが必要である。水相の乳化剤量が0.
01mmol/gを越えると、布帛との耐水接着性、耐
湿接着性が不十分になる。なお、水相の乳化剤量は樹脂
ラテックス(A)中の樹脂分の重量に対して表される。
【0007】水相の乳化剤量は、樹脂ラテックスから樹
脂分を除いて得た水相を、液体クロマトグラフィー等で
分析し定量することによって求められる。樹脂ラテック
スから樹脂分を除く方法としては、例えば、樹脂ラテッ
クスを凍結させた後融解し樹脂成分を凝集固化させて除
く方法、遠心分離機によって樹脂分を沈降固化させて除
く方法、酸またはアルカリを加えて樹脂成分を沈降固化
させて除く方法等が挙げられる。
【0008】水相の乳化剤量が0.01mmol/g以
下の樹脂ラテックスを製造する方法としては、例えば、
水への溶解度が低い乳化剤を用いてモノマーを乳化重合
する方法、ラジカル重合性基を有する乳化剤を使用して
乳化重合する方法、水溶性ポリマーを保護コロイドとし
て使用して乳化重合する方法、有機溶剤中でイオン形成
性モノマーを(共)重合したポリマーを合成した後、得
られたポリマーを酸またはアルカリで中和し水を加えて
乳化し、該溶剤を除去する方法等が挙げられる。
【0009】これらの方法のなかでは、高分子量の樹脂
からなるラテックスが得られる点で乳化重合する方法が
好ましく、SBRラテックスが通常の条件で容易に得ら
れる点でラジカル重合性基を有する乳化剤(a)を使用
して乳化重合する方法が特に好ましい。
【0010】水への溶解度が低い乳化剤としては、HL
B値が3〜9のもの、例えば、炭素数22以上の脂肪酸
のアミンまたはアルカリ金属の塩、炭素数15以上の脂
肪族または芳香族アルコールのエチレンオキシド1〜6
モル付加物等が挙げられる。
【0011】ラジカル重合性基を有する乳化剤(a)と
しては、例えば、次のものが挙げられる。 (1)アニオン系(メタ)アクリル酸エステル類、次式
で示されるもの等: CH=C(R)CO(CHSOM CH=C(R)COCHC(R)(OCOR)CHSOM CH=C(R)COCHCHOCOArCOCHCHOSO M CH=C(R)CO(AO)SOM (式中Rは水素原子またはメチル基、mは1〜4の整
数、Mはアルカリ金属イオン、アンモニウムイオンまた
はアミニウムイオン、Rは水素原子またはメチル基、
は炭素数7〜21のアルキル基またはアルケニル
基、Arは芳香族環または脂肪族環、AOは炭素数2〜
4のオキシアルキレン基、pは2〜30の整数を示
す。); (2)アニオン系アリル化合物類、次式で示されるもの
等: CH=CHCHOCOCH(SOM)CHCO CH=CHCHOCHCH(OH)CHOCOCH(SOM)CH CO (R)(R)Ar(CHCH=CH)O(AO)SOM (式中Mはアルカリ金属イオン、アンモニウムイオンま
たはアミニウムイオン、Rは炭素数7〜21のアルキ
ル基またはアルケニル基、Rは炭素数4〜18のアル
キル基、アルケニル基またはアラルキル基、Rは水索
原子または炭素数4〜18のアルキル基、アルケニル基
またはアラルキル基、Arは芳香族環、AOは炭素数2
〜4のオキシアルキレン基、qは2〜200の整数を示
す。); (3)アニオン系マレイン酸エステル類、次式で示され
るもの等: ROCOCH=CHCOCHCH(OH)CHSOM RO(AO)COCH=CHCO(CHCH(R10)SOM R(AO)OCOCH=CHCOM (式中Rは炭素数5〜21のアルキル基、アルケニル
基またはアラルキル基、Mはアルカリ金属イオン、アン
モニウムイオンまたはアミニウムイオン、R及びR
10は炭素数1〜21のアルキル基、アルケニル基また
はアラルキル基、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレ
ン基、qは2〜200の整数、rは0〜3の整数を示
す。); (4)アニオン系イタコン酸エステル類、次式で示され
るもの等: CH=C(CHCO )CO(CHSOM CH=C(CHCO)COCHCH(OH)CHSOM (式中Rは炭素数5〜21のアルキル基、アルケニル
基またはアラルキル基、mは1〜4の整数、Mはアルカ
リ金属イオン、アンモニウムイオンまたはアミニウムイ
オンを示す。); (5)非イオン系(メタ)アクリル酸エステル類、次式
で示されるもの等: CH=C(R)CO(AO)OR CH=C(R)CO(PO)(EO)OHまたは CH=C(R)CO(EO)(PO)OH (式中Rは水素原子またはメチル基、Rは炭素数5
〜21のアルキル基、アルケニル基またはアラルキル
基、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、qは2
〜200の整数、POはオキシプロピレン基、EOはオ
キシエチレン基、sは2〜200の整数を示す。); (6)非イオン系アリル化合物類、次式で示されるもの
等: (R)(R)Ar(CHCH=CH)O(AO)H (式中Rは炭素数4〜18のアルキル基、アルケニル
基またはアラルキル基、Rは水素原子または炭素数4
〜18のアルキル基、アルケニル基またはアラルキル
基、Arは芳香族環、AOは炭素数2〜4のオキシアル
キレン基、qは2〜200の整数を示す。); (7)非イオン系マレイン酸エステル類、次式で示され
るもの等: R(AO)OCOCH=CHCO(AO) (式中Rは炭素数4〜18のアルキル基、アルケニル
基またはアラルキル基、Rは水素原子または炭素数4
〜18のアルキル基、アルケニル基またはアラルキル
基、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、q及び
sは2〜200の整数を示す。); (8)非イオン系イタコン酸エステル類、次式で示され
るもの等: CH=C[CHCO(AO)]CO(AO) (式中Rは炭素数4〜18のアルキル基、アルケニル
基またはアラルキル基、Rは水素原子または炭素数4
〜18のアルキル基、アルケニル基またはアラルキル
基、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、q及び
sは2〜200の整数を示す。); (9)カチオン系(メタ)アクリル酸エステル類、次式
で示されるもの等: [CH=C(R)COOCHCH(OH)CHN(R11]X (式中Rは水素原子またはメチル基、R11は炭素数
4〜21のアルキル基、アルケニル基またはアラルキル
基、Xはハロゲン原子を示す。); (10)カチオン系アリル化合物類、次式で示されるも
の等: [CH=CHCHCH(OH)CHN(CH)2R11]X [CH=CHCHN(CH11]X (式中R11は炭素数4〜21のアルキル基、アルケニ
ル基またはアラルキル基、Xはハロゲン原子を示す。)
【0012】これらのなかでは、各種モノマー、特にス
チレンとの共重合性が良好である点で、(1)、(5)及び
(9)のものが好ましく、(1)のうち、アニオン基とポリオ
キシプロピレン鎖とを有する(メタ)アクリレートが特
に好ましい。
【0013】樹脂ラテックスを製造する時の(a)の使
用量は、通常、樹脂分に対して0.1〜20重量%であ
る。
【0014】本発明における樹脂ラテックス(A)を構
成する樹脂は、各種モノマーの(共)重合体である。モ
ノマーとしては特に制限はなく、例えば、メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチ
ル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アク
リレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクタデシ
ル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレ
ート等、N,N−ジブチル(メタ)アクリルアミド、シ
クロヘキシル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリ
ロニトリル、スチレン、1−メチルスチレン、酢酸ビニ
ル、ビニルアルコール、ブタジエン、塩化ビニル、イソ
プレン、クロロプレン、ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレ
ート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、(メタ)アクリロイルオキシポリグリセロール、ビ
ニルアルコール、アリルアルコール、(メタ)アクリル
アミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−メチ
ロール(メタ)アクリルアミド、N−ビニル−2−ピロ
リドン、ビニルイミダゾール、N−メチロール−ε−カ
プロラクタム、N−メチロールマレイミド、N−ビニル
スクシンイミド、p−アミノスチレン、N−ビニルカル
バゾール、2−ビニルピリジン、2−シアノエチル(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、(無水)マレ
イン酸、フマル酸、イタコン酸、ビニルスルホン酸、
(メタ)アクリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビ
ニル安息香酸、アルキルアリルスルホコハク酸、(メ
タ)アクリロイルポリオキシアルキレン硫酸エステル、
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレー
ト、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレ
ート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリル
アミド、ビニルアニリン、1,1,1−トリメチルアミ
ン(メタ)アクリルイミド、1,1−ジメチル−1−エ
チルアミン(メタ)アクリルイミド、1,1−ジメチル
−1−(2’−フェニル−2’−ヒドロキシエチル)ア
ミン(メタ)アクリルイミド、及び、1,1,1−トリ
メチルアミン(メタ)アクリルイミド、エチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジビニルベンゼン等、ならびにこれ
らの組合せが挙げられる。
【0015】樹脂ラテックス(A)としては、スチレン
−ブタジエン系樹脂、スチレン−アクリル樹脂、アクリ
ル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂あるいはエチレン−酢酸ビ
ニル系樹脂のラテックスが好ましく、特に、スチレン−
ブタジエン系樹脂ラテックスが好ましい。
【0016】樹脂ラテックス(A)の樹脂分は、通常2
0〜75%であり、好ましくは、40〜60%である。
【0017】樹脂ラテックスの乳化重合に際しては、公
知の重合開始剤や連鎖移動剤が使用される。重合開始剤
としては、有機系重合開始剤[パーオキシド類(クメン
ハイドロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンハイド
ロパーオキシド、パラメンタンハイドロパーオキシド、
ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド
等)、アゾ化合物類(アゾビスイソブチロニトリル、ア
ゾビスイソバレロニトリル等)]、無機系重合開始剤
[過硫酸塩(過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、
過硫酸カリウム等)等]等が挙げられる。重合開始剤の
使用量は、通常、樹脂分に対して0.01〜5重量%で
ある。
【0018】本発明において、樹脂の分子量、ラテック
スのゲル含有量等を調整する目的で公知の連鎖移動剤を
用いることができる。連鎖移動剤としては、α−メチル
スチレンダイマー(2,4−ジフェニル−4−メチル−
1−ペンテン等)、ターピノーレン、テルピネン、ジペ
ンテン、炭素数8〜18のアルキルメルカプタン、炭素
数8〜18のアルキレンジチオール、チオグリコール酸
アルキル、ジアルキルキサントゲンジスルフィド、テト
ラアルキルチウラムジスルフィド、四塩化炭素、等が挙
げられる。これらは、単独あるいは2種以上を組み合わ
せて使用できる。連鎖移動剤の使用量は、通常、単量体
混合物100重量部に対して0〜15重量部である。
【0019】なお、還元剤[ピロ重亜硫酸ナトリウム、
亜硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸第一鉄、
グルコース、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレ
ート、L−アスコルビン酸(塩)]、キレート剤(グリ
シン、アラニン、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム
等)、pH緩衝剤(トリポリリン酸ナトリウム、テトラ
ポリリン酸カリウム等)等の添加剤を乳化重合中に含有
させてもよい。
【0020】本発明において、樹脂ラテックスはそのゲ
ル含有量が通常60〜95重量%、好ましくは、75〜
90重量%である。ゲル含有量が60重量%未満である
と接着強度特に耐水接着強度、耐湿接着強度が不十分と
なり、95重量%を越えるとラテックスの成膜性が劣
り、接着力が不足する。
【0021】ここで、本発明におけるゲル含有量とは、
樹脂ラテックス(A)約1gをガラスモールドに流し、
室温で乾燥し厚さ約0.3mmのフィルムとしたものをト
ルエンによってソックスレー抽出して残った固形分(ゲ
ル)の重量を、用いられた樹脂ラテックス(A)を13
0℃で乾燥した残分の重量に対する百分率で表したもの
である。
【0022】ゲル含有量は、(A)中の樹脂を構成する
モノマー組成、使用する重合開始剤及び連鎖移動剤の種
類と量によって調整できる。一般に、ラジカル重合性二
重結合を複数有するモノマー(ブタジエン、イソプレ
ン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロ
ピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼ
ン等)の使用量が少なくすると、ゲル含有量は小さくな
り、重合開始剤及び連鎖移動剤の使用量を多くするとゲ
ル含有量は小さくなる。また、重合開始剤として、パー
オキシド類または過硫酸塩類を用いるとゲル含有量は大
きくなり、多官能性の重合開始剤及び連鎖移動剤を使用
してもゲル含有量は大きくなる。
【0023】本発明における樹脂ラテックス(A)にお
いて、その樹脂成分のガラス転移温度が−50〜−20
℃、特に、−40〜−25℃である場合、得られる布帛
の強度及び柔軟性が良好となり好ましい。ここで、ガラ
ス転移温度とは、ラテックスをガラスモールドに流し、
30℃、10mmHg以下で8時間乾燥後デシケーター中で
保存し厚さ約0.3mmのフィルムとしたものを示差走査
熱量分析計(DSC)により、窒素下、20℃/分の条
件で測定した値である。樹脂のガラス転移温度は、樹脂
を構成するモノマー組成によって調整できる。
【0024】本発明のバインダー組成物は、樹脂ラテッ
クス(A)とともに、通常使用される水溶性の増粘剤
[ポリ(メタ)アクリル酸、ポリビニルアルコール、セ
ルロース化合物、デンプン類等]を含有することができ
るが、増粘剤として、(B1)〜(B5)からなる群か
ら選ばれる一定の温度を境界にして親水性と疎水性が可
逆的に変化するビニル重合体(B)を含有させることが
必須であり、それによって耐湿接着性を特に向上させる
ことが可能となる。ビニル重合体(B)は、環状アミン
または炭素数5以上の非環状アミンのアルキレンオキシ
ド付加物のビニルカルボン酸エステル(b)からなる重
合体(B1)、N−アルキルまたはN−アルキレン(メ
タ)アクリルアミドからなる重合体(B2)、ポリアル
キレングリコールモノアルキルエーテルモノ(メタ)ア
クリレートまたはポリアルキレングリコールモノフェニ
ルエーテルモノ(メタ)アクリレートからなる重合体
(B3)、ポリアルキレングリコールモノアルキルモノ
ビニルエーテルからなる重合体(B4)およびポリアル
キレングリコールモノフェニルモノビニルエーテルから
なる重合体(B5)からなる群から選ばれるが、これら
のうち、増粘効果が高いという点で、重合体(B1)が
好ましい。
【0025】ビニルカルボン酸エステル(b)における
環状アミンとしては、アルキレンオキシドが付加するた
めの活性水素を有する環状アミンであれば特に制限はな
く、従って、環の内外にアミン性窒素を有していればよ
い。活性水素基は、アミノ基から由来してもよいし、ま
た水酸基、カルボキシル基など、アルキレンオキシドが
付加し得る基であればいずれから由来していてもよい。
【0026】このような環状アミンとしては、例えば、
非芳香族性ヘテロサイクリックアミン[アジリジン環を
有するもの(アジリジン、2−メチルアジリジン、2−
エチルアジリジンなど)、ピロリジン環を有するもの
(ピロリジン、2−メチルピロリジン、2−エチルピロ
リジン、2−ピロリドン、スクシンイミド、1,2−シ
クロヘキサンジカルボキシイミドなど)、ピペリジン環
を有するもの(ピペリジン、2−メチルピペリジン、
3,5−ジメチルピペリジン、2−エチルピペリジン、
4−ピペリジノピペリジン、2−メチル−4−ピロリジ
ノピペリジン、エチルピコリコネートなど)、ピペラジ
ン環を有するもの(1−メチルピペラジン、1−メチル
−3−エチルピペラジンなど)、モルフォリン環を有す
るもの(モルフォリン、2−メチルモルフォリン、3,
5−ジメチルモルフォリン、チオモルフォリンなど)、
ピロリン類(3−ピロリン、2,5−ジメチル−3−ピ
ロリン、2−フェニル−2−ピロリンなど)、ピラゾリ
ン類(ピラゾリンなど)、イミダゾール類(2−メチル
イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、
2−フェニルイミダゾールなど)、ピラゾール類(ピラ
ゾール、ピラゾールカルボン酸など)、ピリドン類(α
−ピリドン、γ−ピリドンなど)、およびε−カプロラ
クタム、ピリダジノン、ピリダリン、ピリドインな
ど];芳香族ヘテロサイクリックアミン[2−ヒドロキ
シピリジン、2−ヒドロキシ−3,5−ジターシャリブ
チルピリジン、2−カルボキシルピリジン、4−ピリジ
ルカルビノール、2−ヒドロキシピリミジン、ピロー
ル、2−フェニルピロールなど];芳香族アミン[アニ
リン、3−メチルアニリン、N−メチルアニリン、N−
イソプロピルアニリンなど]などが挙げられる。
【0027】これらの環状アミンのうち、好ましいの
は、非芳香族性サイクリックアミンである。なかでも好
ましいのは、ピペリジン環を有するもの及びモルフォリ
ン環を有するもの、最も好ましいのは、モルフォリン環
を有するものである。
【0028】(b)における炭素数5以上の非環状アミ
ンは、アルキレンオキシドが付加するための活性水素を
有する炭素数5以上の非環状アミンであれば特に制限は
ない。例えば、炭素数5以上の1級の脂肪族非環状アミ
ン(ジメチルプロピルアミン、2−エチルブチルアミ
ン、ペンチルアミン、2,2−ジメチルブチルアミン、
ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、オクチルアミ
ン、2−エチルヘキシルアミン、イソデシルアミン、ラ
ウリルアミンなど)、炭素数5以上の2級の脂肪族非環
状アミン[メチルブチルアミン、メチルイソブチルアミ
ン、メチルターシャリブチルアミン、メチルペンチルア
ミン、メチルヘキシルアミン、メチル(2−エチルヘキ
シル)アミン、メチルオクチルアミン、メチルノニルア
ミン、メチルイソデシルアミン、エチルプロピルアミ
ン、エチルイソプロピルアミン、エチルブチルアミン、
エチルイソブチルアミン、エチルターシャリブチルアミ
ン、エチルペンチルアミン、エチルヘキシルアミン、エ
チル(2−エチルヘキシル)アミン、エチルオクチルア
ミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、プロ
ピルブチルアミン、プロピルイソブチルアミン、プロピ
ルターシャリブチルアミン、プロピルペンチルアミン、
プロピルヘキシルアミン、プロピル(2−エチルヘキシ
ル)アミン、プロピルオクチルアミン、イソプロピルブ
チルアミン、イソプロピルイソブチルアミン、イソプロ
ピルターシャリブチルアミン、イソプロピルペンチルア
ミン、イソプロピルヘキシルアミン、イソプロピル(2
−エチルヘキシル)アミン、イソプロピルオクチルアミ
ン、ジブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジターシャ
リブチルアミン、ブチルペンチルアミン、ジペンチルア
ミン、ジシクロヘキシルアミンなど]、が挙げられる。
【0029】炭素数5以上の非環状アミンのうち好まし
いのは、炭素数5〜8の1級の脂肪族非環状アミンであ
る。
【0030】アルキレンオキシドとしては、エチレンオ
キシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなどが
挙げられる。これらのうち好ましいものは、エチレンオ
キシドまたはプロピレンオキシド、及びこの両者の組合
せである。
【0031】アルキレンオキシドの付加モル数は、通常
1〜50モル、好ましくは1〜5モルである。
【0032】(b)は、前記環状アミンまたは炭素数5
以上の非環状アミンのアルキレンオキシド付加物とビニ
ルカルボン酸とのエステルである。このビニルカルボン
酸は、ビニル基とカルボキシル基が直結している必要は
なく、例えば、(メタ)アクリル酸、(イソ)クロトン
酸、マレイン酸、フマル酸及びイタコン酸などのラジカ
ル重合性不飽和脂肪族カルボン酸;ビニル安息香酸およ
び2−カルボキシ−4−イソプロペニル−3−ピロリジ
ン酢酸などのラジカル重合性芳香族カルボン酸;ならび
にこれらのエステル形成性誘導体(酸無水物あるいは酸
ハロゲン化物)が挙げられる。
【0033】これらのうち、(メタ)アクリル酸、マレ
イン酸、ビニル安息香酸、及びこれらのエステル形成性
誘導体が好ましく、(メタ)アクリル酸、及び(メタ)
アクリル酸のエステル形成性誘導体が特に好ましい。
【0034】重合体(B1)は、ビニルカルボン酸エス
テル(b)の重合体でも、(b)と他のビニル系モノマ
ー(c)との共重合体でもよいが、(b)を構成単位と
して50重量%以上含有する必要がある。好ましくは、
70重量%以上含有することである。
【0035】他のビニル系モノマー(c)としては、
(c−1)親水性のもの[(b)を除く]、(c−2)
親油性ビニルモノマーのものでもよい。
【0036】(c−1)としては、ノニオン性の化合物
[ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレング
リコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロ
イルオキシポリグリセロール、ビニルアルコール、アリ
ルアルコール、(メタ)アクリルアミド、N−メチル
(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アク
リルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、ビニルイミ
ダゾール、N−メチロール−ε−カプロラクタム、N−
メチロールマレイミド、N−ビニルスクシンイミド、p
−アミノスチレン、N−ビニルカルバゾール、2−ビニ
ルピリジン、2−シアノエチル(メタ)アクリレート
等];アニオン性の化合物[(メタ)アクリル酸、(無
水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ビニルスルホ
ン酸、(メタ)アクリルスルホン酸、スチレンスルホン
酸、ビニル安息香酸、アルキルアリルスルホコハク酸、
(メタ)アクリロイルポリオキシアルキレン硫酸エステ
ル等の酸及びこれらの塩];カチオン性の化合物[N,
N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,
N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、
N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレー
ト、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルア
ミド、ビニルアニリン及びこれらの酸塩];アミンイミ
ド基を有する化合物[1,1,1−トリメチルアミン
(メタ)アクリルイミド、1,1−ジメチル−1−エチ
ルアミン(メタ)アクリルイミド、1,1−ジメチル−
1−(2’−フェニル−2’−ヒドロキシエチル)アミ
ン(メタ)アクリルイミド、1,1,1−トリメチルア
ミン(メタ)アクリルイミド等]が挙げられる。
【0037】(c−2)としては、例えば、メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチ
ル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アク
リレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクタデシ
ル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレ
ート等の(メタ)アクリレート誘導体、N,N−ジブチ
ル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メ
タ)アクリルアミド等のN−アルキル(メタ)アクリル
アミド誘導体、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、
1−メチルスチレン、酢酸ビニル、ブタジエン、塩化ビ
ニル、イソプレン等が挙げられる。
【0038】ビニル重合体(B1)は、例えば、特開平
6−9848号公報に記載の方法によって得られる。
【0039】重合体(B2)としては、N−アルキルま
たはN−アルキレン(メタ)アクリルアミドモノマーの
(共)重合体及び該モノマーと前記の他のビニルモノマ
ー(c)との共重合体が挙げられる。
【0040】重合体(B2)を構成するN−アルキルま
たはN−アルキレン(メタ)アクリルアミドモノマーの
具体例としては、N−エチル(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ
メチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メ
タ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリ
ルアミド、N−シクロプロピル(メタ)アクリルアミ
ド、N−(メタ)アクリロイルピペリジン、N−(メ
タ)アクリロイルピロリジン、N−(メタ)アクリロイ
ルヘキサヒドロアゼン、(メタ)アクリロイルモルホリ
ン、N−テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリルアミ
ド、N−メトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N
−エトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソ
プロポキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エト
キシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(2,2−ジ
メトキシエチル)−N−メチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−1−メチル−2−メトキシエチル(メタ)アク
リルアミド、N−1−メトキシメチルプロピル(メタ)
アクリルアミド、N−(1,3−ジオキソラン−2−イ
ル)−N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−8−ア
クリロイル−1,4−ジオキサ−8−アザ−スピロ
[4,5]デカン、あるいはN−メトキシエチル−N−
n−プロピル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
【0041】重合体(B2)は、例えば、特開平1−1
4276号公報に記載の方法によって得られる。
【0042】重合体(B3)を構成するω−アルコキシ
ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートま
たはω−フェノキシポリアルキレングリコールモノ(メ
タ)アクリレートとしては、1価アルコールのエチレン
オキシド付加物の(メタ)アクリル酸エステル[ω−メ
トキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ω−エトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)
アクリレート、ω−プロポキシポリエチレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、ω−ブトキシポリエチレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート、ω−シクロヘキ
シルポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ω−フェノキシポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート等]、1価アルコールのプロピレンオ
キシド付加物のエチレンオキシド付加物[ω−メトキシ
(ポリ)オキシプロピレンポリオキシエチレンモノ(メ
タ)アクリレート等]、1価アルコールのエチレンオキ
シド付加物のプロピレンオキシド付加物[ω−メトキシ
ポリオキシエチレン(ポリ)オキシプロピレンモノ(メ
タ)アクリレート等]、1価アルコールのプロピレンオ
キシド付加物のエチレンオキシド付加物のプロピレンオ
キシド付加物[ω−メトキシ(ポリ)オキシプロピレン
ポリオキシエチレン(ポリ)オキシプロピレンモノ(メ
タ)アクリレート等]、あるいは1価アルコールのエチ
レンオキシド付加物のプロピレンオキシド付加物のエチ
レンオキシド付加物[ω−メトキシポリオキシエチレン
(ポリ)オキシプロピレンポリオキシエチレンモノ(メ
タ)アクリレート等]等が挙げられる。前記ポリアルキ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート中のポリオキ
シアルキレン重合度は2〜50である。重合体(B3)
としては、これらのモノ(メタ)アクリレート1種以上
の(共)重合体及びコモノマーとの共重合体が挙げられ
る。コモノマーとしては、前記ビニルモノマー(c)と
同一のものが使用できる。
【0043】重合体(B3)は、例えば、特開平6−2
3375号公報に記載の方法によって得られる。
【0044】重合体(B4)を構成するポリアルキレン
グリコールモノアルキルモノビニルエーテルとしては、
1価アルコールのエチレンオキシド付加物と塩化ビニル
とから得られるビニルエーテル(ポリエチレングリコー
ルモノエチルモノビニルエーテル、ポリエチレングリコ
ールモノプロピルモノビニルエーテル、ポリエチレング
リコールモノブチルモノビニルエーテル等)、1価アル
コールのプロピレンオキシド/エチレンオキシド付加物
と塩化ビニルとから得られるビニルエーテル[(ポリ)
オキシプロピレンポリオキシエチレングリコールモノメ
チルモノビニルエーテル等]、(ポリ)オキシエチレン
(ポリ)オキシプロピレンポリオキシエチレングリコー
ルモノメチルモノビニルエーテル等]等が挙げられる。
重合体(B5)を構成するポリアルキレングリコールモ
ノフェニルモノビニルエーテルとしては、フェノール類
のエチレンオキシド付加物と塩化ビニルとから得られる
ビニルエーテル(ポリエチレングリコールモノフェニル
モノビニルエーテル等)が挙げられる。前記ポリアルキ
レングリコールモノビニルエーテル中のポリオキシアル
キレン重合度は2〜50である。
【0045】重合体(B4)または(B5)としては、
これらのモノビニルエーテル1種以上の(共)重合体及
びコモノマーとの共重合体が挙げられる。コモノマーと
しては、前記ビニル系モノマー(c)と同一のものが使
用できる。
【0046】重合体(B4)または(B5)は、例え
ば、ジャーナルオブポリマーサイエンス:パートA:ポ
リマーケミストリー、30巻2407頁(1992年)
に記載の方法によって得られる。
【0047】ビニル重合体(B)の重量平均分子量は通
常1,000〜5,000,000、好ましくは、1
0,000〜2,000,000、特に好ましくは10
0,000〜1,000,000である。
【0048】本発明の布帛用バインダー組成物におい
て、(A)と(B)の割合は、バインダー組成物の目的
とする粘度によって異なるが、重量に基づいて通常70
〜99.99:0.01〜30、好ましくは80〜9
9.5:0.05〜20である。(B)の割合が0.0
1重量%未満であると、バインダー組成物の粘度が低く
なりすぎる。
【0049】本発明のバインダー組成物において、本発
明の効果を損なわない範囲において公知の充填剤あるい
は添加剤を含有することができる。充填剤としては、炭
酸カルシウム、クレー、タルク、水酸化アルミニウム等
が挙げられる。添加剤としては、加硫剤、消泡剤、顔料
分散剤、増粘剤、帯電防止剤、防腐剤、防カビ剤、増膜
助剤、湿潤剤、pH調整剤、pH緩衝剤、着色剤等が挙
げられる。
【0050】本発明のバインダー組成物を用いて、不織
布を製造する方法について述べる。本発明の組成物に必
要により各種添加剤を加えて得られたバインダーをウェ
ッブ(羊毛、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレ
ン、レーヨン等の繊維から得られるもの)に通常の方法
(スプレー方式、含浸方式、フォーミング方式、プリン
ト方式など)で付与し、乾燥装置で加熱(40〜150
℃)乾燥して、不織布が得られる。
【0051】本発明のバインダー組成物を用いて、カー
ペットを製造する方法について述べる。まず、本発明に
おける樹脂ラテックス(A)に顔料分散剤、充填剤、酸
化防止剤等の添加剤及び適量の希釈水を配合後、増粘剤
水溶液を配合することによって、カーペット裏打ち用バ
インダーを得る。配合には通常の攪拌装置を用いること
ができる。得られたカーペット裏打ち用バインダーを、
繊維シート(ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレ
ン、レーヨン等の繊維から得られるシート)に通常の方
法(スプレー方式、フォーミング方式、プリント方式な
ど)で付与し、乾燥装置で加熱(40〜150℃)乾燥
して、カーペットが得られる。カーペットとしては、タ
フテッドカーペット、フックドラグ、ニードルパンチカ
ーペット、人工芝など、ラテックスが接着剤として使用
されるあらゆる種類のカーペットが挙げられる。
【0052】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。実施例中
の部は重量部である。 製造例1 2−モルホリノエチルメタクリレート(モルホリンのエ
チレンオキシド1モル付加物とメタクリル酸とのエステ
ル)100部及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)0.1部をアンプルに加え、凍結脱
気後密閉し、50℃で8時間重合させて、重合体1を得
た。
【0053】製造例2 2−(2−モルホリノエトキシ)エチルメタクリレート
(モルホリンのエチレンオキシド2モル付加物、メタク
リル酸とのエステル)90部と、メチルメタクリレート
10部及び2,2’−アゾ ビス(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)0.1部をアンプルに加え、凍結脱気後
密閉し、60℃で8時間重合させて、重合体2を得た。
【0054】製造例3 2−モルホリノプロピルメタクリレート(モルホリンの
プロピレンオキシド1モル付加物とメタクリル酸とのエ
ステル)80部、スチレン5部、メチルメタアクリレー
ト10部、ヒドロキシエチルメタクリレート5部及び
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)0.1部をアンプルに加え、凍結脱気後密閉し、5
0℃で8時間重合させて、重合体3を得た。
【0055】製造例4 2−(2−ピペリジノエトキシ)エチルメタクリレート
80部、N,N−ジブチルアクリルアミド10部、スチ
レン10部及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル
バレロニトリル)0.5部をアンプルに加え、凍結脱気
後密閉し、50℃で8時間重合させて、重合体4を得
た。
【0056】製造例5 ジメチルプロピルアミンのエチレンオキシド4モル付加
物のアクリル酸エステル80部、メチルメタクリレート
20部及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレ
ロニトリル)0.5部をアンプルに加え、凍結脱気後密
閉し、50℃で8時間重合させて、重合体5を得た。
【0057】製造例6 攪拌機、滴下ボンベ、窒素ガス導入管、温度計を備えた
加圧反応容器にラジカル重合性基を有する乳化剤として
メタクリロイルオキシポリオキシプロピレン(重合度=
9)硫酸エステルNa塩10部、水97部、スチレン3
2部、メチルメタクリレート9部、メタクリル酸4部、
過硫酸ナトリウム1部およびラウリルメルカプタン0.
2部を仕込み、攪拌下、系内を窒素ガスで置換後、滴下
ボンベからブタジエン50部を圧入し、50℃に昇温
し、同温度で30時間反応させた。水酸化ナトリウム水
溶液でpH8.5に調整し、減圧下未反応モノマーをス
トリッピングすることによって、SBR系樹脂ラテック
ス1(固形分47.9%、以下SBR1という)を得
た。SBR1の水相の乳化剤量は0.0003mmol
/g(樹脂)、ゲル含有量は82重量%、ガラス転移温
度は−30℃であった。
【0058】製造例7 製造例6と同様にして、スチレン22部、メチルメタク
リレート4部、メタクリル酸4部、アクリロニトリル5
部、ブタジエン60部及びメタクリロイルオキシポリオ
キシプロピレン(重合度=12)硫酸エステルNa塩ス
ルホン酸塩10部を重合して、SBR系樹脂ラテックス
2(固形分48.3%、以下SBR2という)を得た。
SBR2の水相の乳化剤量は、0.0005mmol/
g(樹脂)、ゲル含有量は85重量%、ガラス転移温度
は−37℃であった。
【0059】製造例8 乳化剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸
Na[三洋化成工業(株)製エレミノールMON-7]10部を用
いた以外は製造例6と同様にして、比較のためのSBR
系樹脂ラテックス3(固形分48.2%、以下SBR3
という)を得た。SBR3の水相の乳化剤量は、0.1
mmol/g(樹脂)、ゲル含有量は83重量%、ガラ
ス転移温度は−30℃であった。
【0060】製造例9 ラウリルメルカプタン0.2部の代わりに四塩化炭素
3.5部を用いた以外は製造例6と同様にして、比較の
ためのSBR系樹脂ラテックス4(固形分48.2%、
以下SBR4という)を得た。SBR4の水相の乳化剤
量は、0.0004mmol/g(樹脂)、ゲル含有量
は40重量%、ガラス転移温度は−35℃であった。
【0061】実施例1〜5、比較例1〜3 製造例6で得たSBR1を95部に重質炭酸カルシウム
400部、テトラポリリン酸カリウム0.5部、フェノ
ール系酸化防止剤0.5部及び製造例1で得た重合体1
の40%水溶液5部と適量の水を配合して、実施例1の
バインダー組成物1を得た。前記と同様の操作をして、
SBR1と重合体2を用いて実施例2のバインダー組成
物2を、SBR2と重合体3を用いて実施例3のバイン
ダー組成物3を、SBR2と重合体4を用いて実施例4
のバインダー組成物4を、SBR1と重合体5を用いて
実施例5のバインダー組成物5をそれぞれ得た。また、
SBR3と重合体1を用いて比較例1のバインダー組成
物6を、SBR4と重合体1を用いて比較例2のバイン
ダー組成物7をそれぞれ得た。また、実施例1において
製造例1で得た重合体1の40%水溶液5部の代わりに
ポリアクリル酸ソーダ40%水溶液5部を用い、熱硬化
性樹脂としてエピクロルヒドリン変性アジピン酸ジエチ
レントリアミン重縮合樹脂2部を加えて比較例3のバイ
ンダー組成物8を得た。
【0062】一次基布がポリプロピレン、パイルがナイ
ロンのタフテッドカーペットに前記のバインダー組成物
をそれぞれ固形分当り900g/m2 塗布し、ジュート
の2次基布を貼り合わせて、125℃で15分間乾燥す
ることによってカーペット試料を得た。得られたカーペ
ット試料について接着強度(剥離強度)をJIS L−
1021によって測定した。また、バインダー組成物の
高温安定性を評価した。結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】常態強度;カーペット試料を25℃、湿度
60%に24時間静置後の測定値。 耐水強度;カーペット試料を60℃の水中に1時間浸漬
後の測定値。 耐湿強度;カーペット試料を50℃、湿度85%に24
時間静置後の測定値。 高温安定性;バインダー組成物を密閉下80℃で15分
静置した後、25℃に冷却して状態を観察する。流動性
のあるものを○、ゲル化したものを×で表した。
【0065】
【発明の効果】本発明のバインダー組成物は、高温にさ
らされた場合の安定性が良好であり、耐水・耐湿接着強
度に優れるため、布帛の製造に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09J 201/00,125/10 C08F 2/24

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラテックスとして水相の乳化剤量が、0
    01mmol/g以下であり、ゲル含有量が60〜9
    5重量%である樹脂ラテックス(A)を含有し、増粘剤
    として、下記(B1)〜(B5)からなる群から選ばれ
    る一定の温度を境界にして親水性と疎水性が可逆的に変
    化するビニル重合体(B)を含有することを特徴とする
    布帛用バインダー組成物。 (B1):環状アミンまたは炭素数5以上の非環状アミ
    ンのアルキレンオキシド付加物のビニルカルボン酸エス
    テル(b)からなる重合体, (B2):N−アルキルまたはN−アルキレン(メタ)
    アクリルアミドからなる重合体, (B3):ポリアルキレングリコールモノアルキルエー
    テルモノ(メタ)アクリレートまたはポリアルキレング
    リコールモノフェニルエーテルモノ(メタ)アクリレー
    トからなる重合体, (B4):ポリアルキレングリコールモノアルキルモノ
    ビニルエーテルからなる重合体, (B5):ポリアルキレングリコールモノフェニルモノ
    ビニルエーテルからなる重合体。
  2. 【請求項2】 (A)が、ラジカル重合性基を有する乳
    化剤(a)を用いて合成した樹脂ラテックスである請求
    項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 (A)が、−50〜−20℃のガラス転
    移温度を有するスチレン−ブタジエン系樹脂ラテックス
    である請求項1または2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 (A)と(B)の割合が、重量に基づい
    て70〜99.99:0.01〜30である請求項1,
    2または3記載の組成物。
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