JP2951903B2 - 処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、半導体ウエハ
などの基板に、ドライエッチングあるいは、蒸着、スパ
ッタリングなどの処理を行う処理装置に関するものであ
る。 【0002】 【従来の技術】たとえば、半導体装置の製造工程におい
て、成膜工程として蒸着あるいはスパッタリングを行う
場合、粒径、反射率、比抵抗及び硬度が適切である良好
な膜質を得るためには、基板のベーキング中、及び、成
膜中の基板温度を適切に制御する必要がある。特に粒
径、反射率は、成膜中の基板の温度の影響が大きい。 【0003】また、上記膜上に露光、現像によりレジス
トパターンを形成し、ドライエッチングで上記膜をレジ
ストパターン通りに食刻する際にも基板の温度の制御が
必要である。これは、基板の温度を制御することで、レ
ジストが耐熱性に乏しいことから生じるレジストの熱的
な損傷を防ぎ、忠実なパターンを食刻することが可能に
なるからである。 【0004】しかし、基板の温度を、基板支持台と同じ
温度にするように制御しても、真空中では基板と支持台
との熱的接触が十分ではないため、真空中で基板の温度
を制御することは難しい。 【0005】そこで、従来から基板と基板支持台との2
面間の熱的接触を大きくするため、基板を支持台に機械
的に押え付けるか、あるいは、静電的な力により基板を
支持台に吸着させるかなどの方法が提案されている。し
かし、このような方法によっても、基板と支持台の2面
間の熱的接触は、2面間に介在する気体分子によるとこ
ろが大きく、純粋な固体間での熱のやりとりは、上記の
押え付け圧力程度では気体分子による熱のやりとりに比
べて無視できる程度に小さいため、十分な効果は得られ
ていない。 【0006】そこで、基板と支持台との間に気体分子を
介在させることにより、熱的接触を大きくしようとする
装置が、特開昭56−103442に提案開示されてい
る。 【0007】この装置における基板の温度制御部は、図
6に示すように、支持台5にスペーサ9を介して基板3
が接近配置され、数個のクリップ4により支持される。
支持台5には、冷却もしくは加熱機構をそなえた温度制
御装置6が設けられている。処理室1は、排気口2を通
して圧力が1Pa程度になるよう排気される。 【0008】同時に、気体導入口7よりアルゴンが導入
され、このガスは温度制御装置6と基板3の間を流れ、
矢印8に示すように処理室1内に流入する。この時、基
板3と温度制御装置6との空間10内の圧力は、10〜
100Paになるように制御される。 【0009】従って、基板3は、温度制御装置6から流
出する100Pa程度の圧力を持つ介在ガスの熱伝達に
助けられ温度制御される。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】たとえば、直径100
mm、厚さ0.45mmのシリコン基板を温度制御する
場合、その時定数は20秒程度にもなる。このような状
況で、印加電力500Wのドライエッチングを行なう
と、温度制御装置から流出するガスとシリコン基板表面
との温度差は130°Cにもなり、レジストが熱的損傷
を受け、良好な処理を行うことができない。 【0011】上記の事情に鑑み、本発明の目的は、半導
体装置製造時の食刻、成膜、ベーキング処理において、
処理中に基体温度を効果的に制御して、良好な処理が行
えるようにした処理装置を提供することにある。 【0012】上記の目的を達成するため、本発明におい
ては、内部を真空に排気する排気手段を備えた処理室
と、該処理室の内部に設置されて被処理基板を載置する
上面をほぼ全面に亘って絶縁物で被覆した基板電極手段
と、該基板電極手段に電圧を印加する電圧印加手段と、
前記基板電極手段に載置した被処理基板と前記基板電極
手段の絶縁物との間に熱伝達ガスを供給する熱伝達ガス
供給手段と、前記処理室の内部にガスを供給するガス供
給手段と、前記処理室の内部で前記基板電極手段と対向
して設置された対向電極手段と、該対向電極手段に高周
波電力を印加する高周波電力印加手段とを備え、前記排
気手段で真空に排気した前記処理室の内部に前記ガス供
給手段からガスを供給した状態で前記高周波電力印加手
段で前記対向電極に高周波電力を印加することにより前
記対向電極手段と前記基板電極手段との間に発生させた
プラズマで前記基板電極手段に載置した被処理基板を処
理するときに、前記熱伝達ガス供給手段により前記被処
理基板と前記基板電極手段の絶縁物との間に介在させる
熱伝達ガスの平均自由工程以下の面粗さに表面が形成さ
れた前記絶縁物に前記電圧印加手段により印加した電圧
により前記被処理基板をほぼ全面に亘って静電吸着させ
るとともに前記熱伝達ガス供給手段により前記被処理基
板を前記基板電極手段の絶縁物との間に前記熱伝達ガス
を供給して前記被処理基板を冷却するようにした。 【0013】基体と電極手段との温度差を小さくし、基
体の温度制御の応答速度を速くするためには、基体と電
極手段との間を単位時間、単位温度差当りに流れる熱量
(以下単位熱流量と言う。)を大きくする必要がある。
単位熱流量を大きくするには、圧力を上げ、同時に、2
面間の距離をその圧力下でのその気体の平均自由行程以
下にする必要がある。 【0014】処理中の基体温度は次の式に従って経時変
化する。 (1)Tw=(1−exp(−kt/C))Qi/k+
To ここで、Twは基体温度、Cは基体の熱容量、kは単位
熱流量、Qiは処理時に単位時間当り基体に与えられる
一定熱量、Toは電極手段の温度、tは時間であり、t
=0においてTw=Toとしている。 【0015】また、電極手段の温度が定常値Toにあ
り、基体の初期温度Two≠Toの時は次の式に従う。 (2)Tw=(Two−To)exp(−kt/C)+
To 以上、いずれの場合も、基体の温度制御の応答速度は、
基体の熱容量Cと、2面間の単位熱流量kにのみ依存す
る。Cの値は基体固有の値で、たとえば、直径100m
m、厚さ0.45mmのシリコン基板では約6.2J・
K~1である。従って、基体と電極手段の温度差を小さく
し、基体の温度制御の応答速度を速くするには、単位熱
流量を大きくする必要がある。 【0016】ところで、2面間に窒素を介在させ、その
圧力を変えた時、単位熱流量がどう変化するかを示す実
測値を図5に示す。なお、基体はシリコンで、表面を薄
い酸化シリコンで覆い、その支持材としては、研摩した
アルミニウムを用い、表面を十分に洗浄して、2面間に
は、直径100mm当り1kgの荷重をかけた。 【0017】曲線が、原点を通る直線に近く、この条件
下では純粋に固体間だけの熱伝達は無視できることが証
明される。すなわち、固体2面間に力学的な接触があっ
ても、熱的な接触の大部分は2面間に介在する気体によ
るものである。また、介在気体の圧力を従来装置におけ
る値100Paより大きくすると単位熱流量が増すこと
がわかる。 【0018】以上の実測値は、以下の理論式に従うもの
である。すなわち、2面間を単位時間当りに通過する熱
量「dQ/dt」は次の式に従う。 (3)dQ/dt=k1 (Tw−To)p(e≪λ) (4)dQ/dt=k2 (Tw−To)e(e≫λ) ここで、k1 、k2 は定数、Tw、Toはそれぞれ基
体、支持材の温度、eは2面間の距離、pは介在気体の
圧力、λはその圧力下での平均自由行程である。この式
は、圧力が低く平均自由行程が十分長い条件下では、
「dQ/dt」はpに比例し、圧力が高く平均自由行程
が十分短くなると「dQ/dt」はeに比例することを
示している。 【0019】従って、2面間に介在する気体の圧力を上
げ、かつ、2面間の距離をその圧力下での平均自由行程
程度以下にする機構を設けることによって、単位熱流量
は大きくできる。 【0020】ところで、従来の装置においては、pは1
00Pa程度であるからArの平均自由行程λは約50
μmである。したがって、間隔は50μm程度まで小さ
くすることが望ましいが、図6に示すように、100P
aの圧力差により基板3の中央部が符号11のごとく膨
らむ。例えば、直径100mm厚さ0.45mmのシリ
コンウエハにおいては、100Paの圧力差により中央
部の膨らみ量は150μmに達する。したがって、平均
自由行程である50μmを越え、さらに圧力を上げても
単位熱流量を増すことはできない。 【0021】 【実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基づいて
説明する。まず、基板を例にその温度制御の原理を図1
に基づいて説明する。基板19の支持台17と、基板1
9を保持するための保持手段23と、基板19と支持台
17とで形成される空間20に気体を導入するための気
体導入手段52を有する基板温度制御装置において、支
持台17と基板19との距離を、導入した気体の圧力下
におけるその気体の平均自由行程以下にする機構を設
け、これにより、半導体装置製造時の食刻処理等におい
て、処理中の基板温度を効果的に制御しうる。 【0022】このような原理に基づく装置は、基本的に
は、処理室12、表面が研磨された凸面である下部電極
17及び上部電極16から構成される平行平板型のドラ
イエッチング装置である。本実施例においては下部電極
17が支持台となる。 【0023】処理室12は、排気口13を介して真空排
気系(図示せず)に接続されている。処理室12にはガ
ス導入口24を介して反応ガスが導入される。また、処
理室12には適宜の位置に基板20を出し入れするため
の取入取出口14が設けられている。 【0024】上部電極16と下部電極17との間には高
周波電源25が接続されている。下部電極17には、液
体熱媒体が流れる流路48、ポンプ42、液体熱媒体の
温度制御装置43が設けられている。また、オリフィス
21、バルブ15を介して熱伝達用ガスのガスだめ26
が設けられている。ガスだめ26には、流量調節バルブ
45を介してガスボンベ44が、また流量調節バルブ4
6を介してロータリーポンプ47が接続されている。 【0025】基板の保持手段23はセラミックなどの絶
縁材で作成されていて、バネ39を介してボールネジ4
0及びモータ41に接続されている。基板19と下部電
極17との間にはOリング18が設けられていて、Oリ
ング18は、基板19と下部電極とで形成される空間2
0を処理室12から封止している。 【0026】以上の構成において、下部電極17は、適
切な一定温度に保たれた液体熱媒体が循環されることに
より、一定温度に保たれる。液体熱媒体としては、20
℃に保たれた水を用いるが、目的に応じ、温度制御され
た水以外の流体を用いても良い。また、下部電極17
は、電気抵抗を用いて温度制御しても良い。 【0027】基板19は、モータ41とボールネジ40
とによって昇降する基板保持手段23によって下部電極
17に押えつけられる。この時、バネ39は、基板19
を常に一定の加重で押える役目、すなわち機械的接触を
生じさせる機構をなす。 【0028】また、ガスだめ26は、流量調節バルブ4
5,46、ガスボンベ44及びロータリーポンプ47に
より常に一定の圧力に保たれ、熱伝達用気体で満たされ
ている。空間20には、ガスだめ26からオリフィス2
1を介して熱伝達用ガスが導入される。すなわち、気体
導入手段はガスだめ26と気体導入口となるオリフィス
21とからなっている。 【0029】次に、前記装置における処理中の基板温度
制御がどのように行なわれているか、熱伝達用ガスとし
てヘリウムを用い、基板が直径100mm厚さ0.45
mmのシリコン基板の場合を例にして説明する。 【0030】基板19が載置された後、従来例より1桁
大きい700Pa程度の圧力のガスだめ26からヘリウ
ムガスが導入される。700Paの圧力を持つガスが導
入された時、基板19は中央が、約800μm凸状にふ
くらむ。また、基板中心から半径方向にrの距離にある
点の変化量wは、次の式に従う。 【0031】 【数1】 【0032】ここで、E、νはそれぞれシリコンのヤン
グ率及びポアソン比、h、aはそれぞれ基板19の厚さ
及び半径、pはガスの圧力である。 【0033】そこで、下部電極17の凸面を予め上記の
式に従う形の曲面、あるいは、それ以上ふくらんだ曲面
に加工しておく。この時、基板19は基板支持具23に
より押えられているため凸面に沿って変形し応力を持
つ。 【0034】この時、ガス圧によって基板19が受ける
力は、基板19が持っている応力と等しいかまたは小さ
いため、基板19はガス圧によりすでに持っているひず
み以上のひずみを生じることがなく下部電極17に沿っ
て機械的に接触したままである。また、下部電極17の
表面は、表面粗さ6−S以下に研磨されている。そのた
め、2面間の距離は全面にわたって700Paにおける
ヘリウムの平均自由行程30μmより十分小さく保たれ
る。 【0035】ここで、純粋に固体間の熱的接触は無視で
きることを考えると、熱的接触は全面にわたって均一で
ある。従って、十分な熱的接触が実現し、単位熱流量を
十分大きくできる。 【0036】また、前記装置においては、空間20に熱
伝達用のガスを導入するため導入手段として、オリフィ
ス21を設けている。このオリフィス21は、ヘリウム
に対するコンダクタンスが約1×10~6m3 /secに
なるように、直径を約40μmにしてある。基板17が
載置されていない場合に、ガスだめ26からこのオリフ
ィスを通して圧力差700Paの処理室12に流出する
ガス量は、7×10~4Pa・m3 /sec程度である。
これは、反応ガス導入口24から導入される反応ガス導
入量8×10~2Pa・m 3/secに対し十分小さい。
したがって、空間20と処理室12との封止に洩れが発
生しても、処理に対し悪影響を及ぼすことがないため、
本実施例による温度制御機構の信頼性が向上することに
なる。また、このオリフィスをつけることで、Oリング
18による封止をなくすことも可能であり、同時に、基
板19の搬入、搬出を処理室12の真空を破壊しないで
行う場合でもバルブ15が不必要になる。 【0037】ここで、基板19が載置された後、空間2
0がガスだめ26と同じ圧力になるまでに要する時間が
十分短い必要がある。空間20の体積をV、オリフィス
のコンダクタンスをC、ガスだめ26内の圧力をPoと
した時、空間20の圧力pは次の式に従う。 【0038】 (6)p=Po(1−exp(−Ct/V)) ここで、空間20は、大きくても厚さ100μmの円筒
であるため、V=7.8×10~7m3 であるからpの応
答の時定数は約1secとなり、十分早い応答となる。 【0039】前記の装置構成において、200W〜50
0Wの高周波電力を印加した時にプラズマから受ける熱
量によって昇温する基板19の昇温曲線を図2に示す。
ここで、応答速度の時定数は約3secとなり十分良好
な制御特性を示す。また、下部電極17との温度差もそ
れぞれ8°C、20°Cにおさえられている。 【0040】また、レジストの耐熱温度が約120°C
であるから、この装置では、付加高周波電力を2.5K
Wまで大きくすることが可能ということになる。 【0041】本発明の実施例を図3に基づいて説明す
る。この実施例においては、特公昭57−44747号
公報に開示された静電気力による吸引を利用して基板1
9の支持を行っている点、及び、熱伝達用のガスに、液
体固体だめ27内の液体あるいは固体37の蒸気を利用
している。 【0042】静電気による吸引力を利用した装置は、互
いに絶縁された複数(図3においては2つ)の電極3
3、36間に直流電源38から極性の異なる直流電圧を
印加することで、基板19と2つの電極33、36との
間に閉回路が構成され、プラズマを形成することなく基
板19を静電吸着することができる。従って、プラズマ
を使用しない基板19のベーキング工程においても、基
板19を静電吸着することができる。この静電気による
吸引力のために、基板19は全面にわたって約10gc
m~2の力で吸引され、全面にわたって絶縁材30との間
に機械的な接触が生じる。 【0043】この時、基板19と下部電極29上の絶縁
材30との間にできた空間20と処理室12とを封止す
るためのOリング18が設けられていること、及び、空
間20への気体の導入手段としてオリフィス21が設け
られている。本実施の形態では絶縁材30が支持台とな
る。 【0044】ここで、熱伝達用ガスを発生する気体ある
いは固体の蒸気圧が、温度制御された下部電極29と等
温の時、700Pa程度の圧になるよう液体あるいは固
体を選ぶ。 【0045】本実施の形態においては、熱伝達用のガス
として、1、1、2、2−テトラクロルエタンを用いて
いるため、常温で700Pa程度になる。ここで、使用
する液体・固体は1、1、2、2−テトラクロルエタン
に限らず他の蒸気圧を持った液体・固体であっても良
い。 【0046】この時の平均自由行程は3μmとなるの
で、絶縁物30の表面は0.8S以下に研磨しておく必
要がある。また、絶縁材30に軟質の有機化合物を用
い、基板19の下面の形状に沿って柔軟に変形させるこ
とによっても、2面間を平均自由行程より小さくでき
る。 【0047】この時、機械的には接触している2面間に
は、気化したガスが介在し、2面間の距離はこの時のガ
スの平均自由行程である3μmよりも十分小さくなる。
その結果、2面間の熱的接触は十分大きくなり、単位熱
流量も大きくなる。 【0048】また、空間20内を1sec程度で700
Paにするために、オリフィス21の1、1、2、2−
テトラクロルエタンに対するコンダクタンスが1×10
~6m3 /secになるよう直径90μmにしてある。 【0049】以上の装置における基板19の昇温曲線を
図4に示す。300Wの高周波電力を付加してドライエ
ッチングを行った場合の例である。時定数は5secと
なり十分な値となっている。またこの装置においては熱
伝達用のガスのガス流およびガス圧の制御をする必要が
なく、構造が簡単になるという利点がある。 【0050】また、基板19と支持台との距離を小さく
するための装置として特開昭56−131930号公報
に開示された、ウエハ温度コントロール装置を用いても
同様の効果が期待できる。 【0051】また、支持台もしくは支持台表面を軟質の
有機化合物で構成することは、2面間の距離を小さくす
る上で大きな効果がある。 【0052】以上の2つの例は、いずれも本発明をドラ
イエッチング装置に適用した例であるが、スパッタリン
グ、蒸着などの成膜装置あるいは、基板のベーキング装
置に適用しても同等の効果が期待でき、その他の電極手
段や基板の温度制御を必要とする真空装置にも適用でき
ることは容易に類推できる。 【0053】以上の実施の形態によれば、基板と支持台
との間に介在するガス圧を十分上げた上で、2面間の距
離を、そのガス圧でのガスの平均自由行程より小さくで
きるので、2面間の単位時間、単位面積、単位温度差当
りの熱流量を、従来の50W・K~1・m~2から250W
・K~1・m~2に向上することができる。その結果、処理
時の基板と支持台との温度差と、基板温度制御の時定数
を、それぞれ、従来の値の5分の1程度に小さくするこ
とができる。 【0054】なお当然のことではあるが本発明範囲は以
上の実施例に限定されるものではない。 【0055】 【発明の効果】本発明によれば、半導体装置の食刻,成
膜,ベーキング処理等において、処理中の基体温度を効
果的に制御することができ、良好な処理を行うことがで
きる。
などの基板に、ドライエッチングあるいは、蒸着、スパ
ッタリングなどの処理を行う処理装置に関するものであ
る。 【0002】 【従来の技術】たとえば、半導体装置の製造工程におい
て、成膜工程として蒸着あるいはスパッタリングを行う
場合、粒径、反射率、比抵抗及び硬度が適切である良好
な膜質を得るためには、基板のベーキング中、及び、成
膜中の基板温度を適切に制御する必要がある。特に粒
径、反射率は、成膜中の基板の温度の影響が大きい。 【0003】また、上記膜上に露光、現像によりレジス
トパターンを形成し、ドライエッチングで上記膜をレジ
ストパターン通りに食刻する際にも基板の温度の制御が
必要である。これは、基板の温度を制御することで、レ
ジストが耐熱性に乏しいことから生じるレジストの熱的
な損傷を防ぎ、忠実なパターンを食刻することが可能に
なるからである。 【0004】しかし、基板の温度を、基板支持台と同じ
温度にするように制御しても、真空中では基板と支持台
との熱的接触が十分ではないため、真空中で基板の温度
を制御することは難しい。 【0005】そこで、従来から基板と基板支持台との2
面間の熱的接触を大きくするため、基板を支持台に機械
的に押え付けるか、あるいは、静電的な力により基板を
支持台に吸着させるかなどの方法が提案されている。し
かし、このような方法によっても、基板と支持台の2面
間の熱的接触は、2面間に介在する気体分子によるとこ
ろが大きく、純粋な固体間での熱のやりとりは、上記の
押え付け圧力程度では気体分子による熱のやりとりに比
べて無視できる程度に小さいため、十分な効果は得られ
ていない。 【0006】そこで、基板と支持台との間に気体分子を
介在させることにより、熱的接触を大きくしようとする
装置が、特開昭56−103442に提案開示されてい
る。 【0007】この装置における基板の温度制御部は、図
6に示すように、支持台5にスペーサ9を介して基板3
が接近配置され、数個のクリップ4により支持される。
支持台5には、冷却もしくは加熱機構をそなえた温度制
御装置6が設けられている。処理室1は、排気口2を通
して圧力が1Pa程度になるよう排気される。 【0008】同時に、気体導入口7よりアルゴンが導入
され、このガスは温度制御装置6と基板3の間を流れ、
矢印8に示すように処理室1内に流入する。この時、基
板3と温度制御装置6との空間10内の圧力は、10〜
100Paになるように制御される。 【0009】従って、基板3は、温度制御装置6から流
出する100Pa程度の圧力を持つ介在ガスの熱伝達に
助けられ温度制御される。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】たとえば、直径100
mm、厚さ0.45mmのシリコン基板を温度制御する
場合、その時定数は20秒程度にもなる。このような状
況で、印加電力500Wのドライエッチングを行なう
と、温度制御装置から流出するガスとシリコン基板表面
との温度差は130°Cにもなり、レジストが熱的損傷
を受け、良好な処理を行うことができない。 【0011】上記の事情に鑑み、本発明の目的は、半導
体装置製造時の食刻、成膜、ベーキング処理において、
処理中に基体温度を効果的に制御して、良好な処理が行
えるようにした処理装置を提供することにある。 【0012】上記の目的を達成するため、本発明におい
ては、内部を真空に排気する排気手段を備えた処理室
と、該処理室の内部に設置されて被処理基板を載置する
上面をほぼ全面に亘って絶縁物で被覆した基板電極手段
と、該基板電極手段に電圧を印加する電圧印加手段と、
前記基板電極手段に載置した被処理基板と前記基板電極
手段の絶縁物との間に熱伝達ガスを供給する熱伝達ガス
供給手段と、前記処理室の内部にガスを供給するガス供
給手段と、前記処理室の内部で前記基板電極手段と対向
して設置された対向電極手段と、該対向電極手段に高周
波電力を印加する高周波電力印加手段とを備え、前記排
気手段で真空に排気した前記処理室の内部に前記ガス供
給手段からガスを供給した状態で前記高周波電力印加手
段で前記対向電極に高周波電力を印加することにより前
記対向電極手段と前記基板電極手段との間に発生させた
プラズマで前記基板電極手段に載置した被処理基板を処
理するときに、前記熱伝達ガス供給手段により前記被処
理基板と前記基板電極手段の絶縁物との間に介在させる
熱伝達ガスの平均自由工程以下の面粗さに表面が形成さ
れた前記絶縁物に前記電圧印加手段により印加した電圧
により前記被処理基板をほぼ全面に亘って静電吸着させ
るとともに前記熱伝達ガス供給手段により前記被処理基
板を前記基板電極手段の絶縁物との間に前記熱伝達ガス
を供給して前記被処理基板を冷却するようにした。 【0013】基体と電極手段との温度差を小さくし、基
体の温度制御の応答速度を速くするためには、基体と電
極手段との間を単位時間、単位温度差当りに流れる熱量
(以下単位熱流量と言う。)を大きくする必要がある。
単位熱流量を大きくするには、圧力を上げ、同時に、2
面間の距離をその圧力下でのその気体の平均自由行程以
下にする必要がある。 【0014】処理中の基体温度は次の式に従って経時変
化する。 (1)Tw=(1−exp(−kt/C))Qi/k+
To ここで、Twは基体温度、Cは基体の熱容量、kは単位
熱流量、Qiは処理時に単位時間当り基体に与えられる
一定熱量、Toは電極手段の温度、tは時間であり、t
=0においてTw=Toとしている。 【0015】また、電極手段の温度が定常値Toにあ
り、基体の初期温度Two≠Toの時は次の式に従う。 (2)Tw=(Two−To)exp(−kt/C)+
To 以上、いずれの場合も、基体の温度制御の応答速度は、
基体の熱容量Cと、2面間の単位熱流量kにのみ依存す
る。Cの値は基体固有の値で、たとえば、直径100m
m、厚さ0.45mmのシリコン基板では約6.2J・
K~1である。従って、基体と電極手段の温度差を小さく
し、基体の温度制御の応答速度を速くするには、単位熱
流量を大きくする必要がある。 【0016】ところで、2面間に窒素を介在させ、その
圧力を変えた時、単位熱流量がどう変化するかを示す実
測値を図5に示す。なお、基体はシリコンで、表面を薄
い酸化シリコンで覆い、その支持材としては、研摩した
アルミニウムを用い、表面を十分に洗浄して、2面間に
は、直径100mm当り1kgの荷重をかけた。 【0017】曲線が、原点を通る直線に近く、この条件
下では純粋に固体間だけの熱伝達は無視できることが証
明される。すなわち、固体2面間に力学的な接触があっ
ても、熱的な接触の大部分は2面間に介在する気体によ
るものである。また、介在気体の圧力を従来装置におけ
る値100Paより大きくすると単位熱流量が増すこと
がわかる。 【0018】以上の実測値は、以下の理論式に従うもの
である。すなわち、2面間を単位時間当りに通過する熱
量「dQ/dt」は次の式に従う。 (3)dQ/dt=k1 (Tw−To)p(e≪λ) (4)dQ/dt=k2 (Tw−To)e(e≫λ) ここで、k1 、k2 は定数、Tw、Toはそれぞれ基
体、支持材の温度、eは2面間の距離、pは介在気体の
圧力、λはその圧力下での平均自由行程である。この式
は、圧力が低く平均自由行程が十分長い条件下では、
「dQ/dt」はpに比例し、圧力が高く平均自由行程
が十分短くなると「dQ/dt」はeに比例することを
示している。 【0019】従って、2面間に介在する気体の圧力を上
げ、かつ、2面間の距離をその圧力下での平均自由行程
程度以下にする機構を設けることによって、単位熱流量
は大きくできる。 【0020】ところで、従来の装置においては、pは1
00Pa程度であるからArの平均自由行程λは約50
μmである。したがって、間隔は50μm程度まで小さ
くすることが望ましいが、図6に示すように、100P
aの圧力差により基板3の中央部が符号11のごとく膨
らむ。例えば、直径100mm厚さ0.45mmのシリ
コンウエハにおいては、100Paの圧力差により中央
部の膨らみ量は150μmに達する。したがって、平均
自由行程である50μmを越え、さらに圧力を上げても
単位熱流量を増すことはできない。 【0021】 【実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基づいて
説明する。まず、基板を例にその温度制御の原理を図1
に基づいて説明する。基板19の支持台17と、基板1
9を保持するための保持手段23と、基板19と支持台
17とで形成される空間20に気体を導入するための気
体導入手段52を有する基板温度制御装置において、支
持台17と基板19との距離を、導入した気体の圧力下
におけるその気体の平均自由行程以下にする機構を設
け、これにより、半導体装置製造時の食刻処理等におい
て、処理中の基板温度を効果的に制御しうる。 【0022】このような原理に基づく装置は、基本的に
は、処理室12、表面が研磨された凸面である下部電極
17及び上部電極16から構成される平行平板型のドラ
イエッチング装置である。本実施例においては下部電極
17が支持台となる。 【0023】処理室12は、排気口13を介して真空排
気系(図示せず)に接続されている。処理室12にはガ
ス導入口24を介して反応ガスが導入される。また、処
理室12には適宜の位置に基板20を出し入れするため
の取入取出口14が設けられている。 【0024】上部電極16と下部電極17との間には高
周波電源25が接続されている。下部電極17には、液
体熱媒体が流れる流路48、ポンプ42、液体熱媒体の
温度制御装置43が設けられている。また、オリフィス
21、バルブ15を介して熱伝達用ガスのガスだめ26
が設けられている。ガスだめ26には、流量調節バルブ
45を介してガスボンベ44が、また流量調節バルブ4
6を介してロータリーポンプ47が接続されている。 【0025】基板の保持手段23はセラミックなどの絶
縁材で作成されていて、バネ39を介してボールネジ4
0及びモータ41に接続されている。基板19と下部電
極17との間にはOリング18が設けられていて、Oリ
ング18は、基板19と下部電極とで形成される空間2
0を処理室12から封止している。 【0026】以上の構成において、下部電極17は、適
切な一定温度に保たれた液体熱媒体が循環されることに
より、一定温度に保たれる。液体熱媒体としては、20
℃に保たれた水を用いるが、目的に応じ、温度制御され
た水以外の流体を用いても良い。また、下部電極17
は、電気抵抗を用いて温度制御しても良い。 【0027】基板19は、モータ41とボールネジ40
とによって昇降する基板保持手段23によって下部電極
17に押えつけられる。この時、バネ39は、基板19
を常に一定の加重で押える役目、すなわち機械的接触を
生じさせる機構をなす。 【0028】また、ガスだめ26は、流量調節バルブ4
5,46、ガスボンベ44及びロータリーポンプ47に
より常に一定の圧力に保たれ、熱伝達用気体で満たされ
ている。空間20には、ガスだめ26からオリフィス2
1を介して熱伝達用ガスが導入される。すなわち、気体
導入手段はガスだめ26と気体導入口となるオリフィス
21とからなっている。 【0029】次に、前記装置における処理中の基板温度
制御がどのように行なわれているか、熱伝達用ガスとし
てヘリウムを用い、基板が直径100mm厚さ0.45
mmのシリコン基板の場合を例にして説明する。 【0030】基板19が載置された後、従来例より1桁
大きい700Pa程度の圧力のガスだめ26からヘリウ
ムガスが導入される。700Paの圧力を持つガスが導
入された時、基板19は中央が、約800μm凸状にふ
くらむ。また、基板中心から半径方向にrの距離にある
点の変化量wは、次の式に従う。 【0031】 【数1】 【0032】ここで、E、νはそれぞれシリコンのヤン
グ率及びポアソン比、h、aはそれぞれ基板19の厚さ
及び半径、pはガスの圧力である。 【0033】そこで、下部電極17の凸面を予め上記の
式に従う形の曲面、あるいは、それ以上ふくらんだ曲面
に加工しておく。この時、基板19は基板支持具23に
より押えられているため凸面に沿って変形し応力を持
つ。 【0034】この時、ガス圧によって基板19が受ける
力は、基板19が持っている応力と等しいかまたは小さ
いため、基板19はガス圧によりすでに持っているひず
み以上のひずみを生じることがなく下部電極17に沿っ
て機械的に接触したままである。また、下部電極17の
表面は、表面粗さ6−S以下に研磨されている。そのた
め、2面間の距離は全面にわたって700Paにおける
ヘリウムの平均自由行程30μmより十分小さく保たれ
る。 【0035】ここで、純粋に固体間の熱的接触は無視で
きることを考えると、熱的接触は全面にわたって均一で
ある。従って、十分な熱的接触が実現し、単位熱流量を
十分大きくできる。 【0036】また、前記装置においては、空間20に熱
伝達用のガスを導入するため導入手段として、オリフィ
ス21を設けている。このオリフィス21は、ヘリウム
に対するコンダクタンスが約1×10~6m3 /secに
なるように、直径を約40μmにしてある。基板17が
載置されていない場合に、ガスだめ26からこのオリフ
ィスを通して圧力差700Paの処理室12に流出する
ガス量は、7×10~4Pa・m3 /sec程度である。
これは、反応ガス導入口24から導入される反応ガス導
入量8×10~2Pa・m 3/secに対し十分小さい。
したがって、空間20と処理室12との封止に洩れが発
生しても、処理に対し悪影響を及ぼすことがないため、
本実施例による温度制御機構の信頼性が向上することに
なる。また、このオリフィスをつけることで、Oリング
18による封止をなくすことも可能であり、同時に、基
板19の搬入、搬出を処理室12の真空を破壊しないで
行う場合でもバルブ15が不必要になる。 【0037】ここで、基板19が載置された後、空間2
0がガスだめ26と同じ圧力になるまでに要する時間が
十分短い必要がある。空間20の体積をV、オリフィス
のコンダクタンスをC、ガスだめ26内の圧力をPoと
した時、空間20の圧力pは次の式に従う。 【0038】 (6)p=Po(1−exp(−Ct/V)) ここで、空間20は、大きくても厚さ100μmの円筒
であるため、V=7.8×10~7m3 であるからpの応
答の時定数は約1secとなり、十分早い応答となる。 【0039】前記の装置構成において、200W〜50
0Wの高周波電力を印加した時にプラズマから受ける熱
量によって昇温する基板19の昇温曲線を図2に示す。
ここで、応答速度の時定数は約3secとなり十分良好
な制御特性を示す。また、下部電極17との温度差もそ
れぞれ8°C、20°Cにおさえられている。 【0040】また、レジストの耐熱温度が約120°C
であるから、この装置では、付加高周波電力を2.5K
Wまで大きくすることが可能ということになる。 【0041】本発明の実施例を図3に基づいて説明す
る。この実施例においては、特公昭57−44747号
公報に開示された静電気力による吸引を利用して基板1
9の支持を行っている点、及び、熱伝達用のガスに、液
体固体だめ27内の液体あるいは固体37の蒸気を利用
している。 【0042】静電気による吸引力を利用した装置は、互
いに絶縁された複数(図3においては2つ)の電極3
3、36間に直流電源38から極性の異なる直流電圧を
印加することで、基板19と2つの電極33、36との
間に閉回路が構成され、プラズマを形成することなく基
板19を静電吸着することができる。従って、プラズマ
を使用しない基板19のベーキング工程においても、基
板19を静電吸着することができる。この静電気による
吸引力のために、基板19は全面にわたって約10gc
m~2の力で吸引され、全面にわたって絶縁材30との間
に機械的な接触が生じる。 【0043】この時、基板19と下部電極29上の絶縁
材30との間にできた空間20と処理室12とを封止す
るためのOリング18が設けられていること、及び、空
間20への気体の導入手段としてオリフィス21が設け
られている。本実施の形態では絶縁材30が支持台とな
る。 【0044】ここで、熱伝達用ガスを発生する気体ある
いは固体の蒸気圧が、温度制御された下部電極29と等
温の時、700Pa程度の圧になるよう液体あるいは固
体を選ぶ。 【0045】本実施の形態においては、熱伝達用のガス
として、1、1、2、2−テトラクロルエタンを用いて
いるため、常温で700Pa程度になる。ここで、使用
する液体・固体は1、1、2、2−テトラクロルエタン
に限らず他の蒸気圧を持った液体・固体であっても良
い。 【0046】この時の平均自由行程は3μmとなるの
で、絶縁物30の表面は0.8S以下に研磨しておく必
要がある。また、絶縁材30に軟質の有機化合物を用
い、基板19の下面の形状に沿って柔軟に変形させるこ
とによっても、2面間を平均自由行程より小さくでき
る。 【0047】この時、機械的には接触している2面間に
は、気化したガスが介在し、2面間の距離はこの時のガ
スの平均自由行程である3μmよりも十分小さくなる。
その結果、2面間の熱的接触は十分大きくなり、単位熱
流量も大きくなる。 【0048】また、空間20内を1sec程度で700
Paにするために、オリフィス21の1、1、2、2−
テトラクロルエタンに対するコンダクタンスが1×10
~6m3 /secになるよう直径90μmにしてある。 【0049】以上の装置における基板19の昇温曲線を
図4に示す。300Wの高周波電力を付加してドライエ
ッチングを行った場合の例である。時定数は5secと
なり十分な値となっている。またこの装置においては熱
伝達用のガスのガス流およびガス圧の制御をする必要が
なく、構造が簡単になるという利点がある。 【0050】また、基板19と支持台との距離を小さく
するための装置として特開昭56−131930号公報
に開示された、ウエハ温度コントロール装置を用いても
同様の効果が期待できる。 【0051】また、支持台もしくは支持台表面を軟質の
有機化合物で構成することは、2面間の距離を小さくす
る上で大きな効果がある。 【0052】以上の2つの例は、いずれも本発明をドラ
イエッチング装置に適用した例であるが、スパッタリン
グ、蒸着などの成膜装置あるいは、基板のベーキング装
置に適用しても同等の効果が期待でき、その他の電極手
段や基板の温度制御を必要とする真空装置にも適用でき
ることは容易に類推できる。 【0053】以上の実施の形態によれば、基板と支持台
との間に介在するガス圧を十分上げた上で、2面間の距
離を、そのガス圧でのガスの平均自由行程より小さくで
きるので、2面間の単位時間、単位面積、単位温度差当
りの熱流量を、従来の50W・K~1・m~2から250W
・K~1・m~2に向上することができる。その結果、処理
時の基板と支持台との温度差と、基板温度制御の時定数
を、それぞれ、従来の値の5分の1程度に小さくするこ
とができる。 【0054】なお当然のことではあるが本発明範囲は以
上の実施例に限定されるものではない。 【0055】 【発明の効果】本発明によれば、半導体装置の食刻,成
膜,ベーキング処理等において、処理中の基体温度を効
果的に制御することができ、良好な処理を行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による基板処理装置の縦断面図
【図2】図1に示す基板処理装置における基板の昇温曲
線を示した特性図 【図3】本発明による基板処理装置の他の形態を示す縦
断面図 【図4】図3に示す基板処理装置における基板の昇温曲
線を示した特性図 【図5】2面間を流れる熱量と介在気体圧力の関係を示
した特性図 【図6】従来の基板温度制御装置の縦断面図 【符号の説明】 1…処理室、3…基板、4…クリップ、5…支持台、6
…温度制御装置、7…気体導入口、8…流れ、9…スペ
ーサ、10…空間、12…処理室、17…支持台(下部
電極)、18…Oリング、19…基板、20…空間、2
1…気体導入口(オリフィス)23…保持手段、26…
ガスだめ、27…液体固体だめ。
線を示した特性図 【図3】本発明による基板処理装置の他の形態を示す縦
断面図 【図4】図3に示す基板処理装置における基板の昇温曲
線を示した特性図 【図5】2面間を流れる熱量と介在気体圧力の関係を示
した特性図 【図6】従来の基板温度制御装置の縦断面図 【符号の説明】 1…処理室、3…基板、4…クリップ、5…支持台、6
…温度制御装置、7…気体導入口、8…流れ、9…スペ
ーサ、10…空間、12…処理室、17…支持台(下部
電極)、18…Oリング、19…基板、20…空間、2
1…気体導入口(オリフィス)23…保持手段、26…
ガスだめ、27…液体固体だめ。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
H01L 21/68 H01L 21/68 R
(72)発明者 相内 進
神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株
式会社 日立製作所 生産技術研究所内
(56)参考文献 特開 昭58−213434(JP,A)
特開 昭58−32410(JP,A)
特開 昭58−132937(JP,A)
E.J.Egerton 他,Sol
id State Technolog
y,25[8]p.84−87(1982−8)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.内部を真空に排気する排気手段を備えた処理室と、
該処理室の内部に設置されて被処理基板を載置する上面
をほぼ全面に亘って絶縁物で被覆した基板電極手段と、
該基板電極手段に電圧を印加する電圧印加手段と、前記
基板電極手段に載置した被処理基板と前記基板電極手段
の絶縁物との間に熱伝達ガスを供給する熱伝達ガス供給
手段と、前記処理室の内部にガスを供給するガス供給手
段と、前記処理室の内部で前記基板電極手段と対向して
設置された対向電極手段と、該対向電極手段に高周波電
力を印加する高周波電力印加手段とを備え、前記排気手
段で真空に排気した前記処理室の内部に前記ガス供給手
段からガスを供給した状態で前記高周波電力印加手段で
前記対向電極に高周波電力を印加することにより前記対
向電極手段と前記基板電極手段との間に発生させたプラ
ズマで前記基板電極手段に載置した被処理基板を処理す
るときに、前記熱伝達ガス供給手段により前記被処理基
板と前記基板電極手段の絶縁物との間に介在させる熱伝
達ガスの平均自由工程以下の面粗さに表面が形成された
前記絶縁物に前記電圧印加手段により印加した電圧によ
り前記被処理基板をほぼ全面に亘って静電吸着させると
ともに前記熱伝達ガス供給手段により前記被処理基板を
前記基板電極手段の絶縁物との間に前記熱伝達ガスを供
給して前記被処理基板を冷却することを特徴とする処理
装置。 2.前記熱伝達ガス供給手段により前記被処理基板と前
記基板電極の絶縁物との間に供給される前記熱伝達ガス
の圧力が、100Paよりも大きいことを特徴とする請
求項1に記載の処理装置。 3.前記基板電極手段に電圧を印加する電圧印加手段
が、直流電源を備え、該直流電源により前記基板電極手
段の内部に設けられた電極部に直流電圧を印加すること
を特徴とする請求項1に記載の処理装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP218197A JP2951903B2 (ja) | 1997-01-09 | 1997-01-09 | 処理装置 |
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ID=11522199
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