JP2939890B2 - アクリル酸類の製造方法 - Google Patents
アクリル酸類の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、アクリル酸類の製造方法に関し、より詳し
く言うと、たとえばプロピレンやアクロレインの接触酸
化等のアクリル酸の製造に際し、そのエステル化反応等
において副生するアクリル酸の二量化物等を初めとする
アクリル酸のオリゴマー類(酸型またはエステル型ある
いはそれらの混合物)からアクリル酸類(アクリル酸お
よび/またはアクリル酸エステル)を効率よく製造する
方法に関する。
く言うと、たとえばプロピレンやアクロレインの接触酸
化等のアクリル酸の製造に際し、そのエステル化反応等
において副生するアクリル酸の二量化物等を初めとする
アクリル酸のオリゴマー類(酸型またはエステル型ある
いはそれらの混合物)からアクリル酸類(アクリル酸お
よび/またはアクリル酸エステル)を効率よく製造する
方法に関する。
[従来の技術と発明が解決しようとする課題] プロピレンやアクロレイン等の接触酸化はもとより、
一般に、アクリル酸の製造時やそのエステル化時等には
熱または酸触媒作用等によって、各種のオリゴマー類が
副生する。このオリゴマー類には、例えばアクリル酸の
線状二量化物やその多量化物、あるいはアクリル酸とそ
のエステルとの線状二量化物類や多量化物類が含まれて
いる。
一般に、アクリル酸の製造時やそのエステル化時等には
熱または酸触媒作用等によって、各種のオリゴマー類が
副生する。このオリゴマー類には、例えばアクリル酸の
線状二量化物やその多量化物、あるいはアクリル酸とそ
のエステルとの線状二量化物類や多量化物類が含まれて
いる。
このようなオリゴマー類が多量に副生するとアクリル
酸またはそのエステルの製造プロセスにおける原料原単
位や実質的な収率等が低下して製品コストが高くなるな
どの重大な問題点が生じる。そこで、このオリゴマー類
を有用なアクリル酸またはそのエステルに変換してこれ
を効率よく回収する方法の開発が望まれている。
酸またはそのエステルの製造プロセスにおける原料原単
位や実質的な収率等が低下して製品コストが高くなるな
どの重大な問題点が生じる。そこで、このオリゴマー類
を有用なアクリル酸またはそのエステルに変換してこれ
を効率よく回収する方法の開発が望まれている。
従来は、副生成物である、アクリル酸の二量化物等の
オリゴマー類は、熱的な分解によってアクリル酸やその
エステル類として回収している。
オリゴマー類は、熱的な分解によってアクリル酸やその
エステル類として回収している。
しかしながら、この従来の方法によると、熱的分解を
達成するにはかなりの高温を要し、その結果として副反
応が多くなって、アクリル酸とそのエステル類の回収率
がさほど高くないと言う問題点があった。
達成するにはかなりの高温を要し、その結果として副反
応が多くなって、アクリル酸とそのエステル類の回収率
がさほど高くないと言う問題点があった。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものである。
本発明の目的は、たとえばアクリル酸の二量化物等を
含有するオリゴマー類から、低い分解温度で且つ高収率
で、効率よくアクリル酸類(アクリル酸および/または
アクリル酸エステル)を製造もしくは回収することがで
きるアクリル酸類の製造方法を提供することにある。
含有するオリゴマー類から、低い分解温度で且つ高収率
で、効率よくアクリル酸類(アクリル酸および/または
アクリル酸エステル)を製造もしくは回収することがで
きるアクリル酸類の製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、プロピレンやアクロレインなど
の接触酸化等により副生する、たとえばアクリル酸の二
量化物等を含有するオリゴマー類から高収率で、しかも
効率良くアクリル酸類を回収することにより、プロピレ
ンやアクロレインなどの接触酸化プロセスを有利にする
ことのできる、アクリル酸類の製造方法を提供すること
にある。
の接触酸化等により副生する、たとえばアクリル酸の二
量化物等を含有するオリゴマー類から高収率で、しかも
効率良くアクリル酸類を回収することにより、プロピレ
ンやアクロレインなどの接触酸化プロセスを有利にする
ことのできる、アクリル酸類の製造方法を提供すること
にある。
[課題を解決するための手段] 前記課題を解決するための本発明は、 次の一般式 CH2=CH−COO−(−X−COO−)n−R1 [I] [ただし、式[I]中の、nは1〜5の整数を表し、R1
は水素原子またはアルキル基を表し、Xは、−CH2CH2−
または を表す。ただし、nは2以上の場合、式[I]中の全て
のXが同一の基であってもよく、あるいは一部のXが残
りのXと異なるものであってもよい。] で表されるオリゴマー類を固体酸の存在下に分解し、次
の一般式 CH2=CH−COOR2 [II] [ただし、式[II]中のR2は、水素原子またはアルキル
基を表す。] で表されるアクリル酸類に転化することを特徴とするア
クリル酸類の製造方法よりなるものである。
は水素原子またはアルキル基を表し、Xは、−CH2CH2−
または を表す。ただし、nは2以上の場合、式[I]中の全て
のXが同一の基であってもよく、あるいは一部のXが残
りのXと異なるものであってもよい。] で表されるオリゴマー類を固体酸の存在下に分解し、次
の一般式 CH2=CH−COOR2 [II] [ただし、式[II]中のR2は、水素原子またはアルキル
基を表す。] で表されるアクリル酸類に転化することを特徴とするア
クリル酸類の製造方法よりなるものである。
−オリゴマー類− 本発明の方法における原料として、前記一般式[I]
で表されるオリゴマー類の一種あるいは二種以上の混合
物が使用される。
で表されるオリゴマー類の一種あるいは二種以上の混合
物が使用される。
一般式[I]において、R1は水素原子またはアルキル
基である。
基である。
このアルキル基としては、直鎖状または分岐状のアル
キル基、これらに芳香族基やシクロアルキル基等が置換
したアルキル基、シクロアルキル基等を挙げることがで
きる。また、場合によっては、本発明の目的を阻害しな
い限りにおいて、このアルキル基は、ヘテロ原子やヘテ
ロ原子を含有する置換基を有していても良い。
キル基、これらに芳香族基やシクロアルキル基等が置換
したアルキル基、シクロアルキル基等を挙げることがで
きる。また、場合によっては、本発明の目的を阻害しな
い限りにおいて、このアルキル基は、ヘテロ原子やヘテ
ロ原子を含有する置換基を有していても良い。
前記R1の具体例としては、たとえば、水素原子、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、
ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキ
シル基、イソヘキシル基、ネオヘキシル基、ヘプチル
基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デ
シル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロ
ヘキシルメチル基、ベンジル基、フェネチル基などを挙
げることができる。
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、
ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキ
シル基、イソヘキシル基、ネオヘキシル基、ヘプチル
基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デ
シル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロ
ヘキシルメチル基、ベンジル基、フェネチル基などを挙
げることができる。
これらの中でも、水素原子および炭素数1〜8のアル
キル基が好ましく、特に水素原子および炭素数1〜4の
アルキル基が好ましく、より具体的には水素原子、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基が好ましい。
キル基が好ましく、特に水素原子および炭素数1〜4の
アルキル基が好ましく、より具体的には水素原子、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基が好ましい。
前記一般式[I]において、Xは−CH2CH2−または−
CH(CH3)−であり、nが2以上の場合には、式[I]
中の全てのXが同一の基[−CH2CH2−または−CH(C
H2)−]であってもよく、あるいは一部のXが−CH2CH2
−であり、残りのXが−CH(CH3)−であってもよい。
もっとも、目的とするアクリル酸類への反応性や選択性
等の点から考慮すると、Xとしては、−CH2CH2−が好ま
しい。
CH(CH3)−であり、nが2以上の場合には、式[I]
中の全てのXが同一の基[−CH2CH2−または−CH(C
H2)−]であってもよく、あるいは一部のXが−CH2CH2
−であり、残りのXが−CH(CH3)−であってもよい。
もっとも、目的とするアクリル酸類への反応性や選択性
等の点から考慮すると、Xとしては、−CH2CH2−が好ま
しい。
本発明の方法においては、反応原料として前記一般式
[I]で表されるところのnが1〜5の整数である特定
のアクリル酸オリゴマー類の一種単独あるいは二種以上
の混合物を使用するが、中でもnが1または2程度の低
重合度のオリゴマー類あるいはこれらを主成分するオリ
ゴマー類混合物、特にnが1であるオリゴマー類(アク
リル酸二量化物類)あるいはこれらを主成分オリゴマー
類混合物が好適である。
[I]で表されるところのnが1〜5の整数である特定
のアクリル酸オリゴマー類の一種単独あるいは二種以上
の混合物を使用するが、中でもnが1または2程度の低
重合度のオリゴマー類あるいはこれらを主成分するオリ
ゴマー類混合物、特にnが1であるオリゴマー類(アク
リル酸二量化物類)あるいはこれらを主成分オリゴマー
類混合物が好適である。
前記一般式[I]で表されるオリゴマー類のうち、n
が1である化合物の具体例を示すと、たとえば、α−ア
クリロイルオキシプロピオン酸[すなわち、2−(アク
リロイルオキシ)−2−メチル酢酸]、β−アクリロイ
ルオキシプロピオン酸[すなわち、3−(アクリロイル
オキシ)プロピオン酸]、α−またはβ−アクリロイル
オキシプロピオン酸メチル、α−またはβ−アクリロイ
ルオキシプロピオン酸エチル、α−またはβ−アクリロ
イルオキシプロピオン酸プロピル、α−またはβ−アク
リロイルオキシプロピオン酸イソプロピル、α−または
β−アクリロイルオキシプロピオン酸ブチル、α−また
はβ−アクリロイルオキシプロピオン酸イソブチル、α
−またはβ−アクリロイルオキシプロピオン酸sec−ブ
チル、α−またはβ−アクリロイルオキシプロピオン酸
tert−ブチル、α−またはβ−アクリロイルオキシプロ
ピオン酸ペンチル、α−またはβ−アクリロイルオキシ
プロピオン酸イソペンチル、α−またはβ−アクリロイ
ルオキシプロピオン酸ヘキシル、α−またはβ−アクリ
ロイルオキシプロピオン酸オクチルなどを挙げることが
できる。
が1である化合物の具体例を示すと、たとえば、α−ア
クリロイルオキシプロピオン酸[すなわち、2−(アク
リロイルオキシ)−2−メチル酢酸]、β−アクリロイ
ルオキシプロピオン酸[すなわち、3−(アクリロイル
オキシ)プロピオン酸]、α−またはβ−アクリロイル
オキシプロピオン酸メチル、α−またはβ−アクリロイ
ルオキシプロピオン酸エチル、α−またはβ−アクリロ
イルオキシプロピオン酸プロピル、α−またはβ−アク
リロイルオキシプロピオン酸イソプロピル、α−または
β−アクリロイルオキシプロピオン酸ブチル、α−また
はβ−アクリロイルオキシプロピオン酸イソブチル、α
−またはβ−アクリロイルオキシプロピオン酸sec−ブ
チル、α−またはβ−アクリロイルオキシプロピオン酸
tert−ブチル、α−またはβ−アクリロイルオキシプロ
ピオン酸ペンチル、α−またはβ−アクリロイルオキシ
プロピオン酸イソペンチル、α−またはβ−アクリロイ
ルオキシプロピオン酸ヘキシル、α−またはβ−アクリ
ロイルオキシプロピオン酸オクチルなどを挙げることが
できる。
これらの中でも、α−またはβ−アクリロイルオキシ
プロピオン酸、α−またはβ−アクリロイルオキシプロ
ピオン酸メチル、α−またはβ−アクリロイルオキシプ
ロピオン酸エチル、α−またはβ−アクリロイルオキシ
プロピオン酸プロピル、α−またはβ−アクリロイルオ
キシプロピオン酸イソブチルなどが好ましい。
プロピオン酸、α−またはβ−アクリロイルオキシプロ
ピオン酸メチル、α−またはβ−アクリロイルオキシプ
ロピオン酸エチル、α−またはβ−アクリロイルオキシ
プロピオン酸プロピル、α−またはβ−アクリロイルオ
キシプロピオン酸イソブチルなどが好ましい。
また、これらα−型とβ−型の化合物の中でも、通
常、β−型のものが反応性等の点から好適にであり、α
−型とβ−型の混合物を用いる場合にはβ−型を多く含
有する混合物が好適である。
常、β−型のものが反応性等の点から好適にであり、α
−型とβ−型の混合物を用いる場合にはβ−型を多く含
有する混合物が好適である。
前記一般式[I]で表されるオリゴマー類のうち、n
が2である化合物の具体例としては、α−(α−アクリ
ロイルオキシプロピオニルオキシ)プロピオン酸、α−
(β−アクリロイルオキシプロピオニルオキシ)プロピ
オン酸、β−(α−アクリロイルオキシプロピオニルオ
キシ)プロピオン酸、β−(β−アクリロイルオキシプ
ロピオニルオキシ)プロピオン酸、およびこれら酸型オ
リゴマー類の前記例示の各種のアルキルエステル類を挙
げることができる。
が2である化合物の具体例としては、α−(α−アクリ
ロイルオキシプロピオニルオキシ)プロピオン酸、α−
(β−アクリロイルオキシプロピオニルオキシ)プロピ
オン酸、β−(α−アクリロイルオキシプロピオニルオ
キシ)プロピオン酸、β−(β−アクリロイルオキシプ
ロピオニルオキシ)プロピオン酸、およびこれら酸型オ
リゴマー類の前記例示の各種のアルキルエステル類を挙
げることができる。
前記一般式[I]で表されるオリゴマー類のうち、n
が3、4または5であるそれぞれの化合物の具体例とし
ては、上記に例示のそれぞれの化合物に対応する各種の
酸型オリゴマー類およびこれらの前記例示の各種アルキ
ル基のエステル類を挙げることができる。
が3、4または5であるそれぞれの化合物の具体例とし
ては、上記に例示のそれぞれの化合物に対応する各種の
酸型オリゴマー類およびこれらの前記例示の各種アルキ
ル基のエステル類を挙げることができる。
なお、これらのオリゴマー類は、一種単独で使用して
もよく、二種以上を混合物等として併用してもよい。
もよく、二種以上を混合物等として併用してもよい。
また、本発明の方法において使用する原料には、本発
明の目的に支障のない範囲内で前記nが6以上のアクリ
ル酸オリゴマー類等を含有していてもよい。
明の目的に支障のない範囲内で前記nが6以上のアクリ
ル酸オリゴマー類等を含有していてもよい。
ところで、アクリル酸の製造時、特に工業的に重要な
プロピレンやアクロレインの接触酸化によるアクリル酸
の製造時あるいはアクリル酸のエステル化時さらにはこ
れらの精製時や保存時等には、通常、前記一般式で表さ
れるアクリル酸オリゴマー類のうちnが1または2程度
の重合度の低いオリゴマー類、特にnが1である二量化
物類が多く副生する。
プロピレンやアクロレインの接触酸化によるアクリル酸
の製造時あるいはアクリル酸のエステル化時さらにはこ
れらの精製時や保存時等には、通常、前記一般式で表さ
れるアクリル酸オリゴマー類のうちnが1または2程度
の重合度の低いオリゴマー類、特にnが1である二量化
物類が多く副生する。
このような工業的プロセス等におけるアクリル酸を取
り扱う工程で副生するアクリル酸オリゴマー類は、本発
明の方法における原料として特に好適に使用することが
でき、前記副生物を、本発明の方法により、有用なアク
リル酸類すなわちアクリル酸やそのエステル類として効
率よく回収することができる。
り扱う工程で副生するアクリル酸オリゴマー類は、本発
明の方法における原料として特に好適に使用することが
でき、前記副生物を、本発明の方法により、有用なアク
リル酸類すなわちアクリル酸やそのエステル類として効
率よく回収することができる。
このように、工業的プロセスによって副生する前記ア
クリル酸オリゴマー類に対して本発明の方法を適用する
意義は特に大きく、このことによりアクリル酸やそのエ
ステル類の製造プロセスにおけるそれらの実質的な収率
を向上することができ、原料原単位や製造コストを有効
に低減することができる。
クリル酸オリゴマー類に対して本発明の方法を適用する
意義は特に大きく、このことによりアクリル酸やそのエ
ステル類の製造プロセスにおけるそれらの実質的な収率
を向上することができ、原料原単位や製造コストを有効
に低減することができる。
−固体酸− 本発明の方法においては、前記一般式[I]で表され
るオリゴマー類の一種または二種以上の混合物を原料と
して用い、これを固体酸の存在下で分解し、前記一般式
[II]で表されるアクリル酸類(アクリル酸またはアク
リル酸エステルあるいはこれらの混合物)に転化する。
るオリゴマー類の一種または二種以上の混合物を原料と
して用い、これを固体酸の存在下で分解し、前記一般式
[II]で表されるアクリル酸類(アクリル酸またはアク
リル酸エステルあるいはこれらの混合物)に転化する。
この固体酸は、通常、触媒として作用する。
前記固体酸としては、酸としての性質を有し、かつ固
体状であれば特に制限がない。
体状であれば特に制限がない。
具体的には、たとえば、アルミナ、シリカ−アルミ
ナ、アルミナ−ボリア、シリカ−チタニア、シリカ−マ
グネシア等の非晶質もしくは低結晶性の酸化物や複合酸
化物、ゼオライト類等の結晶性メタロシリケート、ヘテ
ロポリ酸、ヘテロポリ酸含有シリカ、活性白土や酸性粘
土等の天然の酸性鉱物類、固体リン酸、硫酸塩、リン酸
塩などいずれも固体酸として使用することができる。
ナ、アルミナ−ボリア、シリカ−チタニア、シリカ−マ
グネシア等の非晶質もしくは低結晶性の酸化物や複合酸
化物、ゼオライト類等の結晶性メタロシリケート、ヘテ
ロポリ酸、ヘテロポリ酸含有シリカ、活性白土や酸性粘
土等の天然の酸性鉱物類、固体リン酸、硫酸塩、リン酸
塩などいずれも固体酸として使用することができる。
これらの中でも、特に好ましいものとして、たとえ
ば、アルミナ、シリカ−アルミナ、ゼオライト類等の各
種結晶性メタロシリケート(シリカライト、全酸型のも
のも含む。)などを挙げることができる。
ば、アルミナ、シリカ−アルミナ、ゼオライト類等の各
種結晶性メタロシリケート(シリカライト、全酸型のも
のも含む。)などを挙げることができる。
この結晶性メタロシリケートとしては、たとえば、結
晶性アルミノシリケート、結晶性ガロシリケート、結晶
性ボロシリケート等を挙げることができる。なお、これ
らの結晶性メタロシリケートは、酸としての性質を有す
る限り、どのような構造および組成(たとえば、陽イオ
ンの種類や交換率、Si含有率など)であっても良い。
晶性アルミノシリケート、結晶性ガロシリケート、結晶
性ボロシリケート等を挙げることができる。なお、これ
らの結晶性メタロシリケートは、酸としての性質を有す
る限り、どのような構造および組成(たとえば、陽イオ
ンの種類や交換率、Si含有率など)であっても良い。
なお、この酸としての性質は、種々の方法によって発
現もしくは強化することができるが、通常は、常法にし
たがって発現または強化すればよい。
現もしくは強化することができるが、通常は、常法にし
たがって発現または強化すればよい。
十分な酸としての性質を有する結晶性メタロシリケー
トを得る方法としては、たとえば、Na+やK+等を有する
上記の各種の結晶性メタロシリケート中のNa+やK+等の
全部またはその一部を、H+、NH4 +(分解によりH+とな
る。)、La+、Ca2+などの適当なカチオンで、置換する
方法、あるいはこれらのカチオンを含有するように直接
に水熱合成等により調製する方法、さらにはこれらの組
み合わせた方法などを挙げることができる。
トを得る方法としては、たとえば、Na+やK+等を有する
上記の各種の結晶性メタロシリケート中のNa+やK+等の
全部またはその一部を、H+、NH4 +(分解によりH+とな
る。)、La+、Ca2+などの適当なカチオンで、置換する
方法、あるいはこれらのカチオンを含有するように直接
に水熱合成等により調製する方法、さらにはこれらの組
み合わせた方法などを挙げることができる。
前記各種の結晶性メタロシリケートの構造としては、
たとえば、ZSM−5型、ZSM−11型、Y型、A型、X型、
L型、モルデナイトなどのゼオライト構造が好ましく、
特にZSM−5型、Y型などが好ましい。
たとえば、ZSM−5型、ZSM−11型、Y型、A型、X型、
L型、モルデナイトなどのゼオライト構造が好ましく、
特にZSM−5型、Y型などが好ましい。
これらのゼオライト構造を有する固体酸のうち特に好
ましいのは、たとえば、ZSM−5型構造の結晶性アルミ
ノシリケートを置換等によりH+型にしたHZSM−5や、Y
型の結晶性アルミノシリケートをLa+およびH+で置換し
て得られるLa−HYなどである。
ましいのは、たとえば、ZSM−5型構造の結晶性アルミ
ノシリケートを置換等によりH+型にしたHZSM−5や、Y
型の結晶性アルミノシリケートをLa+およびH+で置換し
て得られるLa−HYなどである。
なお、前記各種の固体酸は一種単独で使用してもよ
く、二種以上を混合物もしくは複合物等として併用して
もよい。また、これら固体酸は、必要に応じて本発明の
目的に支障のない範囲内で、他の成分との混合物や組成
物等として使用することもできる。
く、二種以上を混合物もしくは複合物等として併用して
もよい。また、これら固体酸は、必要に応じて本発明の
目的に支障のない範囲内で、他の成分との混合物や組成
物等として使用することもできる。
前記固体酸の形状としては、特に制限はない。必要に
応じて、あるいは場合に応じて、各種の形状の固体酸を
使用することができる。
応じて、あるいは場合に応じて、各種の形状の固体酸を
使用することができる。
たとえば、本発明における固体酸は、粉末状態で使用
することもできるし、また、各種の形状に整形した造粒
物あるいはペレットとして、使用することもできる。な
お、成形に際して、バインダー等の成形材料を適宜に使
用しても良い。
することもできるし、また、各種の形状に整形した造粒
物あるいはペレットとして、使用することもできる。な
お、成形に際して、バインダー等の成形材料を適宜に使
用しても良い。
前記固体酸は、必要に応じて、活性、選択性、寿命等
の触媒特性の向上等を目的として、適宜の変性処理、焼
成処理、活性化処理等の前処理を行ったのち、前記分解
反応に使用してもよい。なお、通常、反応に先立って、
焼成や他の活性化処理を行うことが望ましい。
の触媒特性の向上等を目的として、適宜の変性処理、焼
成処理、活性化処理等の前処理を行ったのち、前記分解
反応に使用してもよい。なお、通常、反応に先立って、
焼成や他の活性化処理を行うことが望ましい。
−オリゴマー類の分解反応− オリゴマー類の分解に際しての温度すなわち反応温度
は、使用する固体酸の種類等によって異なるので一概に
規定することはできないが、通常150〜400℃、好ましく
は250〜350℃の範囲内とするのが適当である。
は、使用する固体酸の種類等によって異なるので一概に
規定することはできないが、通常150〜400℃、好ましく
は250〜350℃の範囲内とするのが適当である。
反応温度が150℃未満では、反応速度が遅くなり、目
的とするアクリル酸類への転化効率が十分に得られない
ことがある。一方、400℃を越えると副反応の惹起によ
る損失が多くなり、経済的に不利である。
的とするアクリル酸類への転化効率が十分に得られない
ことがある。一方、400℃を越えると副反応の惹起によ
る損失が多くなり、経済的に不利である。
前記分解反応は、液相、気相あるいは気液混在状態の
いずれによっても行うことができる。
いずれによっても行うことができる。
反応方式としては、特に制限はなく、連続流通法、半
連続法、回分法などあるいはこれらを適宜組み合わせた
方式などのいずれも採用することができる。
連続法、回分法などあるいはこれらを適宜組み合わせた
方式などのいずれも採用することができる。
連続流通法を採用する場合には、液供給空間速度(LH
SV)を、通常0.0001〜1,000hr-1の範囲内の適当な値に
設定すればよい。
SV)を、通常0.0001〜1,000hr-1の範囲内の適当な値に
設定すればよい。
このLHSVが0.0001hr-1未満であると生産性が低下し経
済的な効率が悪くなり、一方、1,000hr-1を越えると高
い転化率が得られず効率が悪くなる。
済的な効率が悪くなり、一方、1,000hr-1を越えると高
い転化率が得られず効率が悪くなる。
回分法を採用する場合には、上記のLHSVの範囲から換
算される固体酸の使用割合および反応時間を適宜に選定
すればよい。
算される固体酸の使用割合および反応時間を適宜に選定
すればよい。
前記分解反応は、必要に応じて不活性ガス等の希釈ガ
スや不活性溶媒の共存下に行うことができる。通常は、
窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましいが、さ
しさわりがなければいずれの雰囲気下に行ってもよい。
また、必要に応じて、重合抑制効果のあるガス(たとえ
ば、亜硝酸ガスなど)等を添加して反応を行ってもよ
い。
スや不活性溶媒の共存下に行うことができる。通常は、
窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましいが、さ
しさわりがなければいずれの雰囲気下に行ってもよい。
また、必要に応じて、重合抑制効果のあるガス(たとえ
ば、亜硝酸ガスなど)等を添加して反応を行ってもよ
い。
−アクリル酸類− 以上のようにして、前記オリゴマー類を高収率、高選
択率で、前記一般式[II]で表される有用なアクリル酸
類に転化することができる。
択率で、前記一般式[II]で表される有用なアクリル酸
類に転化することができる。
生成するアクリル酸類の種類および組成は使用する原
料の種類および組成等に依存する。
料の種類および組成等に依存する。
たとえば、R1が水素原子である酸型のオリゴマー類の
みを原料にする場合、通常、R2が水素原子であるアクリ
ル酸が生成する。また、原料として、R1が前記アルキル
基であるエステル型のオリゴマー類のみを用いる場合お
よび前記酸型オリゴマー類とエステル型オリゴマー類と
の混合物を用いた場合には、一般にアクリル酸とR2がア
ルキル基であるアクリル酸エステル類の混合物が生成す
る。
みを原料にする場合、通常、R2が水素原子であるアクリ
ル酸が生成する。また、原料として、R1が前記アルキル
基であるエステル型のオリゴマー類のみを用いる場合お
よび前記酸型オリゴマー類とエステル型オリゴマー類と
の混合物を用いた場合には、一般にアクリル酸とR2がア
ルキル基であるアクリル酸エステル類の混合物が生成す
る。
ここで、生成するアクリル酸エステル中のアルキル基
(R2)は、通常、原料中のR1と同様のものとなるが、こ
の場合により異なったものも得られることがある。ま
た、生成するアクリル酸とアクリル酸エステル類の比率
は、使用するオリゴマー類のnの値や原料の混合組成物
あるいは転化率などによって異なる。
(R2)は、通常、原料中のR1と同様のものとなるが、こ
の場合により異なったものも得られることがある。ま
た、生成するアクリル酸とアクリル酸エステル類の比率
は、使用するオリゴマー類のnの値や原料の混合組成物
あるいは転化率などによって異なる。
前記式[I]におけるnが1であり、R1が水素原子で
あるβ−アクリロイルオキシプロピオン酸を原料にする
場合と、nが1であり、R1がエチル基であるβ−アクリ
ロイルオキシプロピオン酸エチルを原料にする場合とに
つき、本発明の方法における前記分解反応の形式をそれ
ぞれ反応式で例示すると、次のとおりになる。
あるβ−アクリロイルオキシプロピオン酸を原料にする
場合と、nが1であり、R1がエチル基であるβ−アクリ
ロイルオキシプロピオン酸エチルを原料にする場合とに
つき、本発明の方法における前記分解反応の形式をそれ
ぞれ反応式で例示すると、次のとおりになる。
CH2=CHCOOCH2CH2COOH→2CH2=CHCOOH CH2=CHCOOCH2CH2COOC2H5→CH2=CHCOOH +CH2=CHCOOC2H5 以上のようにして、目的とするアクリル酸類すなわち
アクリル酸および/またはアクリル酸エステルを高濃度
で含有する反応生成物を得ることができる。また、場合
により上記の反応式のように目的生成物を定量的に得る
こともできる。
アクリル酸および/またはアクリル酸エステルを高濃度
で含有する反応生成物を得ることができる。また、場合
により上記の反応式のように目的生成物を定量的に得る
こともできる。
得られたアクリル酸および/またはアクリル酸エスエ
ルは、公知の精製法などの常法にしたがって所望の純度
の製品として回収することができる。また、必要に応じ
て適宜に、エスエル化やエステル交換を施したのち、所
望のアクリル酸エステルとして回収することもできる。
ルは、公知の精製法などの常法にしたがって所望の純度
の製品として回収することができる。また、必要に応じ
て適宜に、エスエル化やエステル交換を施したのち、所
望のアクリル酸エステルとして回収することもできる。
なお、反応後、未反応のオリゴマー類が残留したり、
本発明の方法を用いて得たアクリル酸類の精製時等に新
たにオリゴマー類が生じた場合には、それらは原料とし
て本発明の方法にリサイクルすることもできる。
本発明の方法を用いて得たアクリル酸類の精製時等に新
たにオリゴマー類が生じた場合には、それらは原料とし
て本発明の方法にリサイクルすることもできる。
[実施例] 次に、本発明を実施例及び比較例によってさらに具体
的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
(実施例1) 石英反応管に、固体酸触媒としてHZSM−5(SiO2/Al2
O3=100mol/mol)2.0gを充填し、空間速度(WHSV)2.5h
r-1、希釈用窒素ガス流量100cc/minの条件で、β−アク
リロイルオキシプロピオン酸(以下、β−APAと略記す
る。)とβ−アクリロイルオキシプロピオン酸エチル
(以下、β−EAPと略記する。)との混合液[ただし、
重量比(β−AP:β−EAP)は、1:1である。]を連続し
て供給し、反応温度220℃で接触分解させた。
O3=100mol/mol)2.0gを充填し、空間速度(WHSV)2.5h
r-1、希釈用窒素ガス流量100cc/minの条件で、β−アク
リロイルオキシプロピオン酸(以下、β−APAと略記す
る。)とβ−アクリロイルオキシプロピオン酸エチル
(以下、β−EAPと略記する。)との混合液[ただし、
重量比(β−AP:β−EAP)は、1:1である。]を連続し
て供給し、反応温度220℃で接触分解させた。
その結果、反応開始後2時間経過時の液回収率は98%
であり、前記液をガスクロマトグラフにより分析したと
ころ、β−APAとβ−EAPとの転化率はともに100%であ
り、アクリル酸3.43gとアクリル酸エチル1.42gとが得ら
れた。また、8時間経過時にあっては、液回収率は100
%、β−APAの転化率は100%、β−EAPの転化率は93%
で、アクリル酸3.43gとアクリル酸エチル1.35gとが得ら
れた。
であり、前記液をガスクロマトグラフにより分析したと
ころ、β−APAとβ−EAPとの転化率はともに100%であ
り、アクリル酸3.43gとアクリル酸エチル1.42gとが得ら
れた。また、8時間経過時にあっては、液回収率は100
%、β−APAの転化率は100%、β−EAPの転化率は93%
で、アクリル酸3.43gとアクリル酸エチル1.35gとが得ら
れた。
(実施例2) 石英反応管に、固体酸触媒としてHZSM−5(SiO2/Al2
O3=1,000mol/mol)2.0gを充填し、空間速度(WHSV)2.
5hr-1、希釈用窒素ガス流量100cc/minの条件で、β−AP
Aとβ−EAPとの混合液[ただし、重量比(β−APA:β−
EAP)は、1:1である。]を連続して供給し、反応温度22
0℃で接触分解させた。
O3=1,000mol/mol)2.0gを充填し、空間速度(WHSV)2.
5hr-1、希釈用窒素ガス流量100cc/minの条件で、β−AP
Aとβ−EAPとの混合液[ただし、重量比(β−APA:β−
EAP)は、1:1である。]を連続して供給し、反応温度22
0℃で接触分解させた。
その結果、反応開始後2時間経過時の液回収率は98%
であり、前記液をガスクロマトグラフにより分析したと
ころ、β−APAとβ−EAPとの転化率はともに100%であ
り、アクリル酸3.43gとアクリル酸エチル1.42gとが得ら
れた。また、8時間経過時においても触媒の劣化は起こ
らず、液回収率は100%、β−APAとβ−EAPとの転化率
はともに100%で、アクリル酸3.49gとアクリル酸エチル
1.45gとが得られた。
であり、前記液をガスクロマトグラフにより分析したと
ころ、β−APAとβ−EAPとの転化率はともに100%であ
り、アクリル酸3.43gとアクリル酸エチル1.42gとが得ら
れた。また、8時間経過時においても触媒の劣化は起こ
らず、液回収率は100%、β−APAとβ−EAPとの転化率
はともに100%で、アクリル酸3.49gとアクリル酸エチル
1.45gとが得られた。
(実施例3) 石英反応管に、固体酸触媒としてLa−HY(SiO2/Al2O3
=7mol/mol)2.0gを充填し、空間速度(WHSV)1.25h
r-1、希釈用窒素ガス流量100cc/minの条件で、β−APA
とβ−EAPとの混合液[ただし、重量比(β−APA:β−E
AP)は、1:1である。]を連続して供給し、反応温度250
℃で接触分解させた。
=7mol/mol)2.0gを充填し、空間速度(WHSV)1.25h
r-1、希釈用窒素ガス流量100cc/minの条件で、β−APA
とβ−EAPとの混合液[ただし、重量比(β−APA:β−E
AP)は、1:1である。]を連続して供給し、反応温度250
℃で接触分解させた。
その結果、反応開始後2時間経過時の液回収率は96%
であり、前記液をガスクロマトグラフにより分析したと
ころ、β−APAとβ−EAPとの転化率はともに100%であ
り、アクリル酸1.75gとアクリル酸エチル0.70gとが得ら
れた。また、8時間経過時においては、液回収率は82
%、β−APAの転化率は92%、β−EAPの転化率は84%
で、アクリル酸1.30gとアクリル酸エチル0.50gとが得ら
れた。
であり、前記液をガスクロマトグラフにより分析したと
ころ、β−APAとβ−EAPとの転化率はともに100%であ
り、アクリル酸1.75gとアクリル酸エチル0.70gとが得ら
れた。また、8時間経過時においては、液回収率は82
%、β−APAの転化率は92%、β−EAPの転化率は84%
で、アクリル酸1.30gとアクリル酸エチル0.50gとが得ら
れた。
(実施例4) 石英反応管に、固体酸触媒としてSiO2・Al2O3(SiO2/
Al2O3=15mol/mol)4.0gを充填し、空間速度(WHSV)0.
5hr-1、希釈用窒素ガス流量100cc/minの条件で、β−AP
Aとβ−EAPとの混合液[ただし、重量比(β−APA:β−
EAP)は、1:1である。]を連続して供給し、反応温度28
0℃で接触分解させた。
Al2O3=15mol/mol)4.0gを充填し、空間速度(WHSV)0.
5hr-1、希釈用窒素ガス流量100cc/minの条件で、β−AP
Aとβ−EAPとの混合液[ただし、重量比(β−APA:β−
EAP)は、1:1である。]を連続して供給し、反応温度28
0℃で接触分解させた。
その結果、反応開始後2時間経過時の液回収率は98%
であり、前記液をガスクロマトグラフにより分析したと
ころ、β−APAとβ−EAPとの転化率はともに100%であ
り、アクリル酸1.37gとアクリル酸エチル0.57gとが得ら
れた。また、8時間経過時においては、液回収率は99
%、β−APAの転化率は85%、β−EAPの転化率は81%
で、アクリル酸1.18gとアクリル酸エチル0.47gとが得ら
れた。
であり、前記液をガスクロマトグラフにより分析したと
ころ、β−APAとβ−EAPとの転化率はともに100%であ
り、アクリル酸1.37gとアクリル酸エチル0.57gとが得ら
れた。また、8時間経過時においては、液回収率は99
%、β−APAの転化率は85%、β−EAPの転化率は81%
で、アクリル酸1.18gとアクリル酸エチル0.47gとが得ら
れた。
(実施例5) 石英反応管に、固体酸触媒としてAl2O34.0gを充填
し、空間速度(WHSV)0.5hr-1、希釈用窒素ガス流量100
cc/minの条件で、β−APAとβ−EAPとの混合液[ただ
し、重量比(β−APA:β−EAP)は、1:1である。]を連
続して供給し、反応温度300℃で接触分解させた。
し、空間速度(WHSV)0.5hr-1、希釈用窒素ガス流量100
cc/minの条件で、β−APAとβ−EAPとの混合液[ただ
し、重量比(β−APA:β−EAP)は、1:1である。]を連
続して供給し、反応温度300℃で接触分解させた。
その結果、反応開始後2時間経過時の液回収率は97%
であり、前記液をガスクロマトグラフにより分析したと
ころ、β−APAの転化率は88%、β−EAPの転化率は82%
であり、アクリル酸1.19gとアクリル酸エチル0.57gとが
得られた。また、8時間経過時においては、液回収率は
100%、β−APAの転化率は82%、β−EAPの転化類は70
%で、アクリル酸1.11gとアクリル酸エチル0.41gとが得
られた。
であり、前記液をガスクロマトグラフにより分析したと
ころ、β−APAの転化率は88%、β−EAPの転化率は82%
であり、アクリル酸1.19gとアクリル酸エチル0.57gとが
得られた。また、8時間経過時においては、液回収率は
100%、β−APAの転化率は82%、β−EAPの転化類は70
%で、アクリル酸1.11gとアクリル酸エチル0.41gとが得
られた。
(実施例6) 石英反応管に、固体酸触媒としてHZSM−5(SiO2/Al2
O3=100mol/mol)1.0gを充填し、空間速度(WHSV)2.5h
r-1、希釈用窒素ガス流量100cc/minの条件で、アクリル
酸類オリゴマーの混合液[CH2=CHCOO−(CH2CH2COO)
n−Rで表されるアクリル酸類オリゴマーを含有し、
(ただし、nは整数を表わしその平均値が3であり、R
は水素原子またはC2H5を表わす。)、CH2=CHCOO(CH2C
H2COO)nHとCH2=CHCOO(CH2CH2COO)nC2H5とを含有す
る混合液でその重量比は3.4:1である。]を連続して供
給し、反応温度250℃で接触分解させた。
O3=100mol/mol)1.0gを充填し、空間速度(WHSV)2.5h
r-1、希釈用窒素ガス流量100cc/minの条件で、アクリル
酸類オリゴマーの混合液[CH2=CHCOO−(CH2CH2COO)
n−Rで表されるアクリル酸類オリゴマーを含有し、
(ただし、nは整数を表わしその平均値が3であり、R
は水素原子またはC2H5を表わす。)、CH2=CHCOO(CH2C
H2COO)nHとCH2=CHCOO(CH2CH2COO)nC2H5とを含有す
る混合液でその重量比は3.4:1である。]を連続して供
給し、反応温度250℃で接触分解させた。
その結果、反応開始後2時間経過時の液回収率は98%
であり、前記液をガスクロマトグラフにより分析したと
ころ、転化率は100%であり、アクリル酸1.92gとアクリ
ル酸エチル0.41gとが得られた。
であり、前記液をガスクロマトグラフにより分析したと
ころ、転化率は100%であり、アクリル酸1.92gとアクリ
ル酸エチル0.41gとが得られた。
また、8時間経過時においては、液回収率は97.4%
で、転化率は100%であり、アクリル酸1.99gとアクリル
酸エチル0.16gとが得られた。
で、転化率は100%であり、アクリル酸1.99gとアクリル
酸エチル0.16gとが得られた。
(比較例1) 石英反応管に、石英砂2.0gを充填し、空間速度(WHS
V)1.0hr-1、希釈用窒素ガス流量100cc/minの条件で、
β−APAとβ−EAPとの混合液[ただし、重量比(β−AP
A:β−EAP)は、1:1である。]を連続して供給し、反応
温度250℃で分解させた。
V)1.0hr-1、希釈用窒素ガス流量100cc/minの条件で、
β−APAとβ−EAPとの混合液[ただし、重量比(β−AP
A:β−EAP)は、1:1である。]を連続して供給し、反応
温度250℃で分解させた。
その結果、反応開始後2時間経過時の液回収率は98%
であったが、前記液をガスクロマトグラフにより分析し
たところ、β−APAとβ−EAPとはいずれもほとんど分解
せず、原料を回収したのみであった。さらに、温度を35
0℃まで昇温したところ、液回収率は100%となったが、
β−APAの転化率は15%、β−EAPの転化率は9%であ
り、アクリル酸0.19gとアクリル酸エチル0.05gとが得ら
れた。
であったが、前記液をガスクロマトグラフにより分析し
たところ、β−APAとβ−EAPとはいずれもほとんど分解
せず、原料を回収したのみであった。さらに、温度を35
0℃まで昇温したところ、液回収率は100%となったが、
β−APAの転化率は15%、β−EAPの転化率は9%であ
り、アクリル酸0.19gとアクリル酸エチル0.05gとが得ら
れた。
(評価) 実施例1〜5によれば、アクリル酸二量化物のオリゴ
マー類から高収率で、効率よくアクリル酸とアクリル酸
エステルを製造することができる。
マー類から高収率で、効率よくアクリル酸とアクリル酸
エステルを製造することができる。
また、実施例6によればアクリル酸四量化物を含有す
るオリゴマー類からも高収率で、効率よくアクリル酸と
アクリル酸エステルを製造することができる。
るオリゴマー類からも高収率で、効率よくアクリル酸と
アクリル酸エステルを製造することができる。
[発明の効果] 本発明によると、アクリル酸のオリゴマー類(酸型ま
たはエステル型あるいはそれらの混合物)から、低温で
しかも高収率で有用なアクリル酸類(アクリル酸および
/またはアクリル酸エステル)を効率よく得ることがで
きる。特に、工業的な規模のアクリル酸製造プロセスや
アクリル酸のエステル化プロセス等において副生するア
クリル酸のオリゴマー類(通常、酸型やエステル型の二
量化物を主成分とする)を効率よく有用なアクリル酸お
よび/またはアクリル酸エステルとして回収することが
できる。
たはエステル型あるいはそれらの混合物)から、低温で
しかも高収率で有用なアクリル酸類(アクリル酸および
/またはアクリル酸エステル)を効率よく得ることがで
きる。特に、工業的な規模のアクリル酸製造プロセスや
アクリル酸のエステル化プロセス等において副生するア
クリル酸のオリゴマー類(通常、酸型やエステル型の二
量化物を主成分とする)を効率よく有用なアクリル酸お
よび/またはアクリル酸エステルとして回収することが
できる。
したがって、本発明の工業的価値は極めて大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 69/54 C07C 69/54 Z // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300
Claims (1)
- 【請求項1】次の一般式 CH2=CH−COO−(−X−COO−)n−R1 [I] {ただし、式[I]中の、nは1〜5の整数を表し、R1
は水素原子またはアルキル基を表し、Xは、−CH2CH2−
または を表す。ただし、nは2以上の場合、式[I]中の全て
のXが同一の基であってもよく、あるいは一部のXが残
りのXと異なるものであってもよい。] で表されるオリゴマー類を固体酸の存在下に分解し、次
の一般式 CH2=CH−COOR2 [II] [ただし、式[II]中のR2は、水素原子またはアルキル
基を表す。] で表されるアクリル酸類を製造することを特徴とするア
クリル酸類の製造方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1-243064 | 1989-09-19 | ||
JP24306489 | 1989-09-19 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03178949A JPH03178949A (ja) | 1991-08-02 |
JP2939890B2 true JP2939890B2 (ja) | 1999-08-25 |
Family
ID=17098260
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24927290A Expired - Fee Related JP2939890B2 (ja) | 1989-09-19 | 1990-09-19 | アクリル酸類の製造方法 |
Country Status (1)
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---|---|
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MY122671A (en) | 1999-03-06 | 2006-04-29 | Basf Ag | Fractional condensation of a product gas mixture containing acrylic acid |
JP4048076B2 (ja) | 2001-07-10 | 2008-02-13 | 株式会社日本触媒 | ミカエル型付加物の分解方法 |
JP4302934B2 (ja) | 2002-04-25 | 2009-07-29 | 株式会社日本触媒 | ミカエル型付加物の分解方法 |
DE102011076931A1 (de) | 2011-06-03 | 2012-12-06 | Basf Se | Wässrige Lösung, enthaltend Acrylsäure und deren konjugierte Base |
CN104350034B (zh) | 2012-06-08 | 2018-07-31 | Cj 第一制糖株式会社 | 可再生丙烯酸生产和自其制备的产物 |
CN109232225B (zh) * | 2017-07-11 | 2021-07-23 | 万华化学集团股份有限公司 | 一种裂解丙烯酸重组分生成丙烯酸的方法 |
-
1990
- 1990-09-19 JP JP24927290A patent/JP2939890B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH03178949A (ja) | 1991-08-02 |
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