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JP2937296B2 - 書き替え可能な相変化型光メモリ媒体の製造方法 - Google Patents

書き替え可能な相変化型光メモリ媒体の製造方法

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Publication number
JP2937296B2
JP2937296B2 JP9216255A JP21625597A JP2937296B2 JP 2937296 B2 JP2937296 B2 JP 2937296B2 JP 9216255 A JP9216255 A JP 9216255A JP 21625597 A JP21625597 A JP 21625597A JP 2937296 B2 JP2937296 B2 JP 2937296B2
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Japan
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atomic
thin film
memory medium
ratio
optical memory
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JP9216255A
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良助 横田
修治 吉田
信二 中澤
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HOOYA KK
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HOOYA KK
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Publication date
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  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、記録された
情報の消去時間が短く、かつ、記録状態が安定である書
き替え可能な相変化型光メモリ媒体を製造できる書き替
え可能な相変化型光メモリ媒体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】書き替え可能な相変化型光メモリ媒体
は、一定の組成を有するガラス材が非晶質状態にあると
きよりも結晶質状態にあるときのほうが光に対する反射
率が大きく、かつ、光エネルギーを印加することにより
非晶質状態と結晶質状態との相変化を可逆的におこなわ
せることができるという性質を示すことを利用し、これ
を、例えば、基板に薄膜状に形成する(以下、これを記
録膜という)ことにより、反射率の小さい非晶質状態に
ある部分をON情報が記録された部分とし、反射率の大
きい結晶状態にある部分をOFF情報が記録された部分
(あるいは、情報が記録されていない部分)とすること
で一定の情報を記録し、あるいは、記録されている情報
を消去して新たな情報を記録するという作用をなすいわ
ゆる書き替え可能な相変化型光メモリ素子(以下、メモ
リ素子という)を構成するために用いられる素材であ
る。
【0003】この書き替え可能な相変化型光メモリ媒体
で構成された前記記録膜に第一に要求されるのは、 (a)前記非晶質状態における反射率と結晶質状態にお
ける反射率との差が十分に大きいことである。すなわ
ち、通常、実用的には変調度(=コントラスト比=非晶
質状態における反射率と結晶質状態における反射率との
差÷結晶質状態における反射率×100 %)が20%以上で
あることが必要とされる。
【0004】次に、前記記録膜を有するメモリ素子が書
き替え可能なメモリ素子として実用に供するためには、 (b)一定の情報を記録し、それを消去して新たな情報
を記録するという操作を繰り返し行なっても所期の性能
を維持できるものでなければならず、実用的には、この
繰り返し回数が106 回以上できるものであることが必
要とされる。
【0005】さらに、メモリ素子としては、 (c)一定の情報を記録したままで長期間の保存に耐え
るものでなければならず、実用的には、通常の保存条件
で10年以上の保存に耐えるものであることが必要とさ
れる。換言すると、情報が記録された非晶質状態が、例
えば、室温で10年間安定に維持できることが必要とさ
れる。これはガラス材の物性面からみると熱的安定性と
いうことになるが、この熱的安定性は結晶化温度(T
x)と結晶化・活性化エネルギー(E)で決まり、前記
程度の安定性を得るためには、Tx=120 ℃以上、E=
2.0 eV以上であることが必要とされる。
【0006】ところで、一般に、前記メモリ素子に情報
を記録するときは、レーザ光を約1μmφに集光して前
記薄膜状に形成された記録膜に照射して該部分を溶融
し、急令して非晶質状態にすることで行なわれ、また、
記録された情報を消去するときは、レーザ光の出力を前
記記録時よりも小さくして前記記録膜に照射し、該記録
膜の融点よりも低温で、かつ、ガラス転移点よりも高い
温度に加熱するとともに、その照射時間を前記記録時よ
りも長くすることにより結晶質状態にすることで行なわ
れる。
【0007】すなわち、このような相変化型光メモリ素
子にあっては、記録時に置けるレーザ光の照射時間は十
分に短時間にすることができるが、消去時におけるレー
ザ光の照射時間は、記録膜が有効に結晶化されるまでに
一定以上の時間を要することから比較的長い時間が必要
である。
【0008】この記録あるいは、消去に要する時間の長
短は、この種の相変化型光メモリ素子の性能を決める極
めて重要な因子の一つであり、消去に要する時間が長い
とそれだけ性能がおちることになるので、この消去時間
をできるだけ短くすることが要請される。例えば、消去
時間として数μsec 以上必要であった従来のものでは、
1μmφに集光される記録専用のレーザ装置と、一つの
部分に照射される時間を長くするためにビームを長楕円
状にした消去専用のレーザ装置(例えば、半導体レーザ
装置が用いられる)との2つのレーザ装置が必要であっ
たが、消去時間を、例えば、0.2 μsec 以下にすること
ができれば、これら記録・消去を1つのレーザ装置で行
なうことができるようになり、光ヘッドの軽量・小形
化、アクセスタイムの短縮化等も可能となる。
【0009】このように、前記記録膜の素材としての書
き替え可能な相変化型光メモリ媒体は、さらに、 (d)消去時間を短くできるもの、換言すると、結晶化
時間の短いものであることも要請される。
【0010】以上のような、条件(a、b、c、d)を
満たすべく、従来から種々の組成の書き替え可能な相変
化型光メモリ媒体の開発が試みられており、 例えば、 (イ)前田佳均らによって、三元化合物であるIn3
bTe2 が、結晶として析出する組成において0.05μse
c の高速消去が可能であることが報告されている(昭和
62年電子通信学会半導体材料部門全国大会講演論文集・
分冊1−39参照)。
【0011】また、そのほかにも、(ロ)Qx Sby
z (但し、QはIn又はGa、x=34〜44原子%、y
=51〜62原子%、z=2 〜9 原子%とする)(特開昭62
-241145 号公報参照)の組成を有するもの、あるいは、
(ハ)In50Sb40Te10という組成を有するもの(S
PIE、VoL529、1985年、P51 〜54参照)、さら
には、(ニ)(In1-x Sbx 1-y (但し、Mの
中にはTe、Seが含まれているとともに、55重量%≦
x≦80重量%、0重量%≦y≦20重量と%する)(特開
昭60-177446 号公報参照)という組成を有するもの等が
提案されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記各従来
例は、前記書き替え可能な相変化型光メモリ媒体として
要請される条件(a、b、c、d)の一部の条件は満た
すものの、これら条件を全て満たすことはできないもの
であった。例えば、前記従来例(イ)のIn3 SbTe
2 にあっては、前記条件(a)である変調度が5.0 %で
あり、実用上必要とされる20%には、はるかに及ばな
い。
【0013】また、前記従来例(ロ)のQx Sby Te
z にあっては、前記条件(c)である繰り返し回数が1
3 回以下であり、実用上必要とされる106 回以上に
ははるかに及ばない。
【0014】本発明の目的は、上述の欠点を除去した書
き替え可能な相変化型光メモリ媒体を製造できる書き替
え可能な相変化型光メモリ媒体の製造方法を提供するこ
とにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、請求項1の発明は、InーSbーTe系の物質、
又は、該InーSbーTe系物質のTeの一部をSeで
置換したInーSbーTeーSe系物質であって、 一般式 (In)a (Sb)b (M)c …(I) (但し、式中、Inの割合を示すaは4 〜28原子%であ
り、Sbの割合を示すbは17〜44原子%であり、MはT
e又はTe+Seであり、Mの割合を示すcは46〜63原
子%であり、M=Te+Seのとき、TeとSeの含量
に対するSeの原子比は0.35原子%以下である。)で表
される組成を有する物質からなる薄膜を基板上に形成
し、次に、この薄膜にレーザパルスを照射してこれを溶
融・急冷して非晶質化し、次に、この非晶質化した薄膜
にさらにパルス幅を順次増加させたレーザパルスを照射
して結晶化する処理を加えることによってこの薄膜をメ
モリ媒体にすることを特徴とする書き替え可能な相変化
型光メモリ媒体の製造方法である。
【0016】請求項2の発明は、InーSbーTe系の
物質、又は、該InーSbーTe系物質のTeの一部を
Seで置換したInーSbーTeーSe系物質であっ
て、 一般式 (In)a (Sb)b (M)c …(I) (但し、式中、Inの割合を示すaは4 〜28原子%であ
り、Sbの割合を示すbは17〜44原子%であり、MはT
e又はTe+Seであり、Mの割合を示すcは46〜63原
子%であり、M=Te+Seのとき、TeとSeの含量
に対するSeの原子比は0.35原子%以下である。)で表
される組成を有する物質からなる薄膜を基板上に形成
し、次に、この薄膜にレーザパルスを照射してこれを溶
融・急冷して非晶質化し、次に、この非晶質化した薄膜
にさらに真空中での加熱処理を施して結晶化する処理を
加えることによってこの薄膜をメモリ媒体にすることを
特徴とする書き替え可能な相変化型光メモリ媒体の製造
方法である。
【0017】請求項3の発明は、InーSbーTe系の
物質、又は、該InーSbーTe系物質のTeの一部を
Seで置換したInーSbーTeーSe系物質であっ
て、三角組成図の三角形の各頂点にそれぞれ(In)、
(Sb)、(Te又はTe+Se)をとったとき、この
三角組成図上で、 一般式 (In Te)x (Sb2 Te3-y Sey ) 1-x …( II) (但し、x=0.2 〜0.7 、y=0 〜1.2 とする)で表わ
される物質を示す直線から2原子%以内の組成領域内に
ある組成を有する物質からなる薄膜を基板上に形成し、
次に、この薄膜を溶融・急冷して非晶質化し、次に、こ
の非晶質化した薄膜に結晶化する処理を加えることによ
ってこの薄膜をメモリ媒体にすることを特徴とする書き
替え可能な相変化型光メモリ媒体の製造方法である。
【0018】請求項4の発明は、請求項1ないし3のい
ずれかに記載の書き替え可能な相変化型光メモリ媒体の
製造方法において、前記薄膜を構成する物質に、該薄膜
を構成する物質1gにつきZr、Mo、Ir又はPtを
0.02〜0.18g添加することを特徴とする書き替え可能な
相変化型光メモリ媒体の製造方法である。
【0019】請求項5の発明は、InーSbーTe系の
物質、又は、該InーSbーTe系物質のTeの一部を
Seで置換したInーSbーTeーSe系物質であっ
て、 一般式 (In)a (Sb)b (M)c …(I) (但し、式中、Inの割合を示すaは4 〜28原子%であ
り、Sbの割合を示すbは17〜44原子%であり、MはT
e又はTe+Seであり、Mの割合を示すcは46〜63原
子%であり、M=Te+Seのとき、TeとSeの含量
に対するSeの原子比は0.35原子%以下である。)で表
される組成を有する物質に、該物質1gにつきZr、M
o、Ir又はPtを0.02〜0.18g含む薄膜を基板上に形
成し、次に、この薄膜を溶融・急冷して非晶質化し、次
に、この非晶質化した薄膜に結晶化する処理を加えるこ
とによってこの薄膜をメモリ媒体にすることを特徴とす
る書き替え可能な相変化型光メモリ媒体の製造方法であ
る。
【0020】請求項6の発明は、請求項1ないし5のい
ずれかに記載の書き替え可能な相変化型光メモリ媒体の
製造方法において、InTeの組成のターゲットと、S
2 Te3 の組成のターゲットを用いて、前記2つのタ
ーゲットの面積比を変えることにより薄膜中のIn、S
b、Teの割合を変えることを特徴とする書き替え可能
な相変化型光メモリ媒体の製造方法である。
【0021】以下、本発明を詳細に説明する。
【0022】本発明の書き替え可能な相変化型光メモリ
媒体において、記録層を構成する材料は、前記の一般式
(1) (In)(Sb)(M)より明らかなよう
に、In−Sb−Teの三元合金又はIn−b−Te−
Seの四元合金からなるものであり、これらの合金にお
いて、それぞれの金属元素の割合は下記の如く限定され
る。
【0023】Inの量(a) =4 〜28原子% Sbの量(b) =17〜44原子% M(Te又はTe+Seの量(c) =46〜63原子% ここにInの量(a) を4 〜28原子%に限定した理由は、
4原子%未満又は28原子%を越えると消去時間が0.2 μ
seより長くなるからである。またSbの量(b) を17〜44
原子%に限定した理由は、17原子%未満又は44原子%を
越えると消去時間が0.2 μsec より長くなるからであ
る。
【0024】さらにM(Te又はTe+Se)の量(c)
を46〜63原子%に限定した理由は、原子%未満又は63原
子%を越えると消去時間が0.2 μsec より長くなるから
である。
【025】またMがTe+Seの場合、TeとSeの合
量に対するSeの原子比は0.35以下に限定される。その
理由は、0.35を越えると、コントラスト比が20%未満と
なるからである。
【0026】さらに、三角組成図で、前記一般式(I
I) (InTe)×(Sb2 Te3-y Sey 1-x (但し、
x=0.2〜0.7 、y=0 〜1.2 とする)で表わされる物質を
示す直線から2原子%以内にある組成を有するIn−S
b−Teの三元合金又はIn−Sb−Te−Seの四元
合金からなる材料が、前記条件(d)である消去時間が
0.2 μsec 以下と短く、かつ、その他の条件(a、b、
c)も十分に満足すること、及び、上記材料に、該材料
1gにつきZr、Mo、Ir又はPtを0.02〜0.18g加
えた材料は、Zr、Mo、Ir、Ptが核化剤として働
き、結晶化速度を速くするだけでなく結晶化時に析出す
る結晶の粒径を小さくそろえる作用をするので、記録の
消し残りの問題が解消し、コントラスト比の低下を防止
することができる。
【0027】本発明の光メモリ媒体において、前記一般
式(I)で表わされる組成の材料からなる材料又は、一
般式、 (InTe)x (Sb2 Te3-y Sey 1-x …(II) で表わされる組成からなる材料、例えば、InSb4
7 、InSb2 Te4 、In2 Sb2 Te5 等の組成
を有すると推定される結晶質状態の物質と非晶質状態の
物質とが共存し、これがため、記録・消去の相変化にお
いて分相を伴わず、その結果、消去時間が極めて短くて
すみ(0.2 μsec 以下)、また、X線回折法による観測
によればこれら結晶の結晶形が全てヘキサゴナル(hexag
onal) であることが確認され、これがため、反射率が高
いこと(変調度20%以上)、さらには、前記組成の材料
は結晶化温度Tx≦120 ℃でかつ結晶化エネルギーE≧
2.0 eVであって極めて安定性に富むこと(繰り返し回
数;106 以上)が確認されている。また、種々の実験
の結果前記一般式(Ι)及び三角組成図において、前記
一般式で表わされる組成の物質を示す直線から2原子%
以内の組成領域内にある組成を有する物質は、互いにほ
ぼ同じ特性を示すことが確認されている。
【0028】そして、前記組成の材料に、該材料1gに
つきZr、Mo、Ir又はPtを0.02〜0.18g加えた組
成を有するガラス材は消去時間がさらに短いとともに他
の特性は前記Zr等を加えない場合とほぼ同じであるこ
とが確認されている。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例によりさら
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
【0030】実施例1 基板として、ガラス基板を用い、この基板上に通常のス
パッタリング法によりSiO2 を2000オングストローム
の厚さにスパッタした。
【0031】次にスパッタターゲットとして、式 In26Sb25Te49(式中の数字は原子%を示す)で表
わされる組成の合金ターゲットを用い、これを高周波マ
グネトロン型スパッタ装置内の所定位置に取り付け、2
×10-6Torr以下の真空度で、Arガスを0.005 T
orrの分圧となるように導入し、30W以下の高周波電
力を印加することにより800 オングストロームの厚さに
成膜し、しかる後、通常のスパッタリング法により、S
iO2 を3000オングストロームの厚さに形成した。
【0032】次に、こうして作成した記録膜の初期化に
ついて説明する。
【0033】上述のようにしてスパッタによって形成し
た膜はそのままでは(すなわち、“as−depo”の
ままでは)、非晶質と結晶質の中間の状態になっている
のが普通である。これは、スパッタ時の電子衝撃の影響
でアモルファス状態が結晶質のほうに移る中間状態で膜
が形成されてしまうためと考えられる。このような状態
は、いわば雑音(ノイズ)が記録されている状態である
から、これを、何も記録されていない状態にしておかな
いと、一定の意味のある情報を記録することができな
い。この何も記録されていない状態にすることを初期化
という。
【0034】この初期化は、要するに、前記中間状態に
ある記録膜を結晶質状態すればよいのであるが、それ
は、以下のようにして行なう。
【0035】まず、前記記録膜に半導体レーザパルスを
照射してこれを溶融・急冷し、非晶質化することによっ
て前記中間状態を解消し、しかる後、これを弱い光で加
熱するか、あるいは、真空中で加熱することによって結
晶化する。結晶化されているか否かの確認は、再生レー
ザパルスの反射光を測定することで容易にできる。
【0036】こうして形成した記録膜の物性は下記の通
り、全ての物性において満足するべきものであった。
【0037】 コントラスト比 20%以上 繰り返し回数 106 回以上 結晶化温度(Tx) 130 ℃ 結晶化の活性化エネルギー(E) 2.0eV 消去時間 0.2 μsec 尚、上述の各種物性の測定方法は下記の通りである。
【0038】コントラスト比…非晶質状態における反射
率(Ra)と結晶質状態における反射率(Rc)とを測
定し、下記式により求めた。
【0039】コントラスト比(%)={(Rc−Ra)
/Rc}×100繰り返し回数 …記録した後、その反射率(Ra)を測定
し、次に消去した後、その反射率(Rc)を測定する。
これを繰り返し、コントラスト比が15%に低下するまで
の回数をもって繰り返し回数とした。
【0040】結晶化温度(Tx)…理学電機(株)製の
高感度示差走査熱量計DSC8240Bにより測定した(昇温度
速度10℃/min)。
【0041】結晶化の活性化エネルギー(E)…5、10
及び20℃/minの3種類の昇温度速度を用いて結晶化
温度を求め、キッシンジャープロットにより算出した。消去時間 …8mWの出力を有するレーザビームを前記記
録膜に照射し、溶融・急冷して非晶質化した後、これに
パルス幅を0.05μsec づつ順次増加させた結晶化(消
去)レーザパルスを照射して各部分を次々と結晶化させ
る。こうして結晶化処理を終わったら、次にこの結晶化
処理を施した部分に0.5 mW、1μseの再生用レーザパ
ルスを順次照射していき、その反射光を測定する。反射
光の強度が飽和する部分における前記結晶化レーザパル
スのパルス幅を求めれば(前記結晶化レーザの照射位置
と再生用レーザの照射位置とを対応ずけておくことによ
り求めることができる)、それがすなわちこの条件下で
の求めるべき消去時間である。
【0042】このような測定をレーザ出力を変えて種々
行ない、各条件下における消去時間を求め、こうして求
めた消去時間のうち最少のものをこの記録膜の消去時間
とした。
【0043】実施例2〜6 In、Sb、Te及びSeを本発明の限定範囲内で別表
−1に示したように種々変動させた以外は実施例1と同
様にして光メモリ媒体を得た。得られた実施例2〜6の
光メモリ媒体は、その各種物性値を別表ー1(図2〜図
7)に示したように、実施例1のメモリ媒体と同等のす
ぐれた性能を有していた。
【0044】実施例7〜22 核化剤として所定量のZr、Mo、Ir及びPtをそれ
ぞれ加えた以外は実施例1〜6と同様にして光メモリ媒
体を得た。
【0045】得られた実施例7〜22の光メモリ媒体
は、その各種物性値を別表ー1に示すように、いずれも
消去時間が0.15μsec と実施例1〜6の光メモリ媒体に
比べてすぐれていた。
【0046】実施例23〜28 図1に示す三角組成図における点Sb2 Te3 とInT
eとを結ぶ直線は、前記請求項3に記載の発明の書き替
え可能な相変化型光メモリ媒体の組成を示すものであ
る。
【0047】ここで、三角組成図とは、正三角形の各辺
と各々の辺に対向する頂点とのなす距離を100 %とし、
前記三角形内に表示される点と前記各辺とのなす距離で
該辺と対向する各頂点に表示される元素の組成%を示す
ことにより、前記各頂点に表示される元素で構成される
種々の組成の物質を前記正三角形内にプロットされる点
で表示するようにした図である。図1の三角組成図は、
前記各頂点に(In)、(Sb)、(Te又はTe+D
e)をとったものである(「図解合金状態図読本」横山
亨著 昭和55年2 月オーム社刊 170 〜171 頁参照)。
【0048】以下に、この図の読み方を簡単に説明す
る。例えば、図における三角形の頂点(In)と頂点
(Te又はTe+Se)とを結ぶ直線(三角形の一辺で
もある)上における点(InTe)(前記頂点を結ぶ直
線の中点でもある)を考える。
【0049】いま、各辺を以下のように定義する。
【0050】第1の辺…頂点(In)と頂点(Te又は
Te+Se)とを結ぶ直線第2の辺 …頂点(In)と頂点(Sb)とを結ぶ直線第3の辺 …頂点(Te又はTe+Se)と頂点(Sb)
とを結ぶ直線 そうすると、前記点(InTe)で表される物質の組成
は以下のようになる。
【0051】In…Inの組成は、前記点(InTe)
と頂点(In)に対向する辺である第3の辺とのなす距
離(%)で表される(ただし、前記頂点(In)と該頂
点(In)に対向する辺である第3の辺とのなす距離を
100 とする)。この場合、前記点(InTe)は前記第
2の辺の中点であるから、前記頂点(In)と該頂点
(In)に対向する辺である第3の辺とのなす距離を10
0 とした場合、前記点(InTe)と頂点(In)に対
向する辺である第3の辺とのなす距離は50となるから、
Inの組成は50%であると読むことができる。
【0052】Te又はTe+Se…Te又はTe+Se
の組成は、前記点(InTe)と頂点(Te又はTe+
Se)に対向する辺である第2の辺とのなす距離(%)
で表される(ただし、前記頂点(Te又はTe+Se)
と該頂点(Te又はTe+Se)に対向する辺である第
2の辺とのなす距離を100 とする)。この場合も前記
(In)の場合と同様に50%であると読むことができ
る。
【0053】Sb…Sbの組成は、前記点(InTe)
と頂点(Sb)に対向する辺である第1の辺とのなす距
離(%)で表される(ただし、前記頂点(Sb)と該頂
点(Sb)に対向する辺である第2の辺とのなす距離を
100 とする)。この場合は、前記点(InTe)と頂点
(Sb)に対向する辺である第1の辺とのなす距離は0
となるから、Sbの組成は0 %であると読むことができ
る。
【0054】すなわち、前記点(InTe)で表される
物質は、Inが50%、Te又はTe+Seが50%、Sb
が0 %の組成を有する物質であると読むことができる。
【0055】なお、図1において、三角形の各辺に表示
してある数字は、以下の意味を持つ。
【0056】すなわち、例えば、前記頂点(Te又はT
e+Se)と頂点(In)とを結ぶ直線(前記第1の
辺)上における数字は、前記頂点(Te又はTe+S
e)から頂点(In)までの距離を100 とした場合に、
前記頂点(Te又はTe+Se)から前記数字で表され
る点までの距離を表したものであって、これにより、こ
の点を通り、前記第3の辺に平行な直線を予定して、こ
の直線上にある点で表される物質の組成のうち、Inの
組成がこの数値で示される組成であることを表してい
る。すなわち、例えば、前記第1の辺上における点(I
nTe)(表示されている数字は50である)を通り、前
記第3の辺に平行な直線上における点は、全て、Inの
組成が50%である物質を表すものである。同様にして、
前記第2の辺及び第3の辺に表示された数字は、それぞ
れSb及びTe又はTe+Seの組成を表しているもの
である。
【0057】図1中、符号A、B、C、D、Eで示され
る各点は、一般式、 (InTe)x (Sb2 Te3-y Sey 1-x …(II) において、y=0としたときの一般式、 (InTe)x (Sb2 Te3 1-x で、それぞれ、x=0.2 、0.33、0.5 、0.666 、0.7 と
した場合の物質の組成比を示す点であり、以下に、これ
ら各xの値における組成について実施例1と同様にして
光メモリ媒体を得た。得られた実施例23〜28の光メ
モリ媒体は、その物性値を別表ー1に示したように実施
例1の光メモリ媒体と同等又はそれ以上のすぐれた性能
を有していた。
【0058】本発明者等の知見によれば、以上の結果が
得られる理由は、以下のようであると推察される。
【0059】実施例23(点A(x=0.2 )の場合) 本実施例の場合を前記一般式(I)にしたがって表す
と、In5 Sb40Te55(原子%)となり、これを結晶
化させると、InSb4 Te7 とSb2 Te3 の組成式
で表わされる結晶の混合したものが析出する。
【0060】InSb4 Te7 は、結晶質状態の物質と
非晶質状態の物質とが共存し、このため、記録・消去の
相変化において分相を伴わないので各原子の必要拡散距
離が短くてすみ、その結果、結晶化に要する時間、すな
わち、消去時間が短くてすむものと考えられる。
【0061】また、三元化合物そのものが結晶及び非晶
質になり、分相を伴わないので相変化が無理なく行なわ
れ、高い繰り返し回数を保持できるものと考察される。
【0062】さらに、X線回折法による観測によれば、
これら結晶の結晶形が全てヘキサゴナル(hexagonal)で
あることが確認されるが、このような結晶形では、Te
が密充填になっている構造であるため屈折率が高く、こ
れがため、反射率が高いのと推察される。
【0063】また、Sb2 Te3 も結晶形がヘキサゴナ
ルであるので、反射率が高く、拡散に必要な時間も短
く、したがって、結晶化に要する時間が短時間ですむも
のと推察される。
【0064】実施例24(点B(x=0.333)の場合) 本実施例を一般式(I)にしたがって表すと、In8.33
Sb33.34 Te58.34、(原子%)となり、これを結晶
化させると、InSb4 Te7 で表される組成の結晶が
析出するが、前記点Aの場合と同じ理由により、同じ特
性が得られるものと考えられる。
【0065】実施例25(点C(x=0.5)の場合) 本実施例を一般式(I)にしたがって表すと、In
14.29 Sb28.57 Te57.1 4 (原子%)となり、これを
結晶化させると、InSb2 Te4 で表される組成の結
晶が析出するが、前記点Aの場合と全く同じ理由によ
り、同じ特性が得られるものと考えられる。
【0066】実施例26(点D(x=0.666 )の場合) 本実施例を一般式(I)にしたがって表すと、In
22.22 Sb22.22 Te55.5 6 (原子%)となり、これを
結晶化させると、In2 Sb2 Te5 で表される組成の
結晶が析出するが、前記点Aの場合と全く同じ理由によ
り、同じ特性が得られるものと考えられる。
【0067】実施例27(点E(x=0.7 )の場合) 本実施例を一般式(I)にしたがって表すと、In
24.14 Sb20.69 Te55.1 7 (原子%)となり、これを
結晶化させると、In2 Sb2 Te5 で表される組成の
結晶が析出するが、前記点Aの場合と全く同じ理由によ
り、同じ特性が得られるものと考えられる。
【0068】実施例28(x=0.4 の場合) 本実施例を一般式(I)にしたがって表すと、In
10.53 Sb31.58 Te57.8 9 (原子%)となり、これを
結晶化させると、x=0.333 のときのInSb4 Te7
の結晶と、x=0.5 のときのInSb2 Te4 の結晶と
が混合して析出する。
【0069】この場合、両者とも互いに類似した原子配
列なので相変化に伴って拡散しなければならない距離も
短くてすみ、前記各点の場合と同様の特性が得られるも
のと考えられる。なお、この組成の物質は前記図1の三
角組成図において点Sb2 Te3 と点InTeとを結ぶ
直線上における点Bと点Cとの間に位置する点で示され
る。
【0070】実施例29〜32 次に、前記一般式(I)におけるTeを一部Seに置き
換えたものを実施例1と同様にして光メモリ媒体を得た
場合の実施例29〜32について述べる。一般にSeは
Teに容易に置き換えることが可能である。そして、あ
る程度までの置換では結晶形は変わらない。
【0071】実施例29(x=0.5 でy=0.5 の場合)
の場合、前記一般式(I)にしたがってその組成を表す
と、 In16.67 Sb33.33 Te41.67 Se8.33 (InSb2 Te2.5 Se0.5 )(原子%)となるが、
析出結晶の結晶形はヘキサゴナルであった。また、Se
は、Teより共有結合強度が大であるので、TeをSe
に置き換えることで非晶質状態の結晶化温度が上昇する
という利点もある。但し、y=1.2 を越すと結晶形が変
化してコントラスト比が減少するので、y=1.2 以下と
する必要があった。
【0072】得られた実施例29〜32の光メモリ媒体
は、その物性値を表−1に示したように、実施例23の
光メモリ媒体と同等のすぐれた性能を有していた。.
【0073】一般に、非晶質状態のものが結晶化するの
に結晶の核となるものがあると早く結晶化することは知
られている。本発明物等はこの事実に着目して種々実験
究明した結果、前記一般式 (InTe)x (Sb2 Te3-y Sey 1-x …(II) で表わされる材料にあっては、Zr、Mo、Ir又はP
tが有効な核になりうることをみいだすことができた。
そして、この場合、添加する量は、前記材料1gにつき
Zr等を0.02〜0.18g加えることが適切であり、それよ
り少ない場合は、核として機能せず、また、多すぎると
他の特性を変える作用をなすことが確認されている。
【0074】そして、これら核物質の有効度合いの優劣
は、Zr>Mo>Ir>Ptであった。消去時間の短縮
効果は、Zrの場合にはZrを加えない場合の消去時間
の1/2〜1/3(0.1μsec 以下)であった。
【0075】実施例33 実施例30の組成の合金ターゲットに、合金ターゲット
1gにつきZrを0.1 g加えた合金ターゲットを作成
し、実施例1と同様にして光メモリ媒体を得た。得られ
た光メモリ媒体の消去時間は0.1 μsec 以下、結晶化温
度(Tx)は130 ℃であった。
【0076】実施例34〜35 実施例34〜35も実施例31と同様に各組成の合金1
gにつき所定量のZr、Mo、Ir及びPtをそれぞれ
加えて、実施例1と同様にして光メモリ媒体を得た。
【0077】得られた実施例34〜35の光メモリ媒体
はその各種物性値を表−1に示したように、いずれも消
去時間が0.1 μsec 以下、結晶化温度(Tx)は125 ℃
以上であった。
【0078】実施例36 In、Sb、Teの合金の組成がそれぞれ8 、32、60原
子%であるが材料1gに対してIrを0.05g 加えたもの
を合成してこれをスパッタタ−ゲットとして用いて前記
実施例1と同様にスパッタタ−ゲットとして用いて前記
実施例1と同様にスパッタ法によって記録膜を形成した
例である。
【0079】これによって形成されるメモリ媒体の組成
は、一般式( II) (InTe)(Sb2 Te3-y Se)1-x (但し、x=0.2 〜0.7 、y=0 〜1.2 とする)で表わ
される物質を示す直線上にはないが、この直線から2 原
子%以内の組成領域内(図1中点線で囲まれる領域内)
にある組成を有するのであり,前記各実施例とほぼ同じ
特性を有している(例えば、消去時間:0.15μsec )こ
とが確認されている。
【0080】比較例 図1におけるF点及びG点は本発明の範囲以外の組成を
有する材料を示すものであり、本発明者等は、比較のた
めに、これらの消去時間を実測してるので、以下に掲げ
る。
【0081】点F 組成(原子%) In17Sb17Te66 消去時間 3μsec
【0082】点G 組成(原子%) In15Sb40Te45 消去時間 1μsec
【0083】相変化型メモリ素子の記録膜形成方法 次に、本発明の実施例にかかる書き替え可能な相変化型
光メモリ媒体を基板上に形成して相変化型メモリ素子の
記録膜を形成する方法について説明する。
【0084】この記録膜の形成は、通常のスパッタ法又
は真空蒸着法によってガラス基板やプラスチック基板表
面に形成される。
【0085】スパッタ法を用いる場合、そのスパッタタ
ーゲットとしては、例えば、以下のようにして合成した
ものを用いる。すなわち、純度5 N以上のインジウム
(In)、アンチモン(Sb)、テルル(Te)、セレ
ン(Se)を、Arで置換した真空グロ−ブボックス中
において、透明石英ガラス製のアンプルの中に所定のガ
ラス組成になるようにして入れ、次に、これを10-5TO
RRの真空に排気して封じる。次いで、これを揺動される
炉で850 ℃で15時間よく混合しながら溶融し、しかる
後、冷却してスパッタターゲット材を得る。
【0086】このようにして得たスパッタターゲット材
をArガス中(Arガス置換した真空グロ−ブボックス
中)にて溶融し、ステンレス製の金型に流し込み、冷却
・固化後研磨して75〜100mm φ、厚さ5mm程度の円盤状
のターゲットを形成してこれを用いるか、あるいは、I
nTeの組成のターゲットと、Sb2 Te3 との2つの
ターゲットを作り、Sb2 Te3 のターゲットの上に適
宜の大きさに形成されたInTeのターゲットをおい
て、複合ターゲットとしてもよい。複合ターゲットにし
た場合、InTeの組成のターゲットと、Sb2 Te3
のターゲットとの面積比を変えることによって、 (InTe)x (Sb2 Te3 1-x のxを変えることができる。
【0087】また、Zrの小さなターゲット(例えば、
内径5 mmφ)を作り、これを3 〜4 ケSb2 Te3
ーゲットの上において基板を回転させながらスパッタを
行なうことにより、Zrをドープすることができる。
【0088】スパッタ法で成膜した膜の組成は光電子分
光分析法(ESCA)によって分析し、目標組成になる
ようにSb又はTeの小円盤ターゲットを用意し、これ
を上述のようにして作成した合金型ターゲットの上にお
いてスパッタを行ない、目標組成になるように補正す
る。
【0089】真空蒸着による場合もほぼ同様であり、あ
らかじめ所定の組成に合成した材料を用いてフラッシュ
蒸着してもよいし、あるいは、In、Sb、Teの3元
蒸発によってもよい。また、Zrを混入する場合は、Z
rを電子ビーム加熱法によって蒸発させればよい。
【0090】実施例の利点 以上詳述した実施例の利点をまとめると以下のようにな
る。 化合物InTe、Sb2 Te3 の融解温度は各々690
℃、616 ℃であるが、これらの化合物化した(InT
e)x (Sb2 Te3 1-x は、x=0.333 で560 ℃、
x=0.5 で565 ℃と低くなっている。すなわち、これに
より、二元化合物よりも小さいレーザパワーで記録でき
ることになり、記録感度がよいという利点がある。
【0091】各頂点に(In)、(Sb)、(Te又
はTe+Se)をとったとき、この三角組成図上で、一
般式(II)(InTe)x (Sb2 Te3-y Sey
1-x (但し、x=0.2 〜0.7 、y=0 〜1.2 とする)で
表わされる物質を示す直線から2原子%以内の組成領域
内にある組成を有するIn−Sb−Te−Se系材料は
消去時間が0.2 μsec 以下と極めて短い。
【0092】前記におけるIn−Sb−Te−Se
4元合金材料に、該材料1gにつきZr、Mo、Ir又
はPtを0.02〜0.18g加えた組成を有する材料は、さら
に消去時間が0.1 μsec 以下と短い。
【0093】記録状態(非晶質状態)の熱的安定性
は、結晶化温度(Tx)と活性化エネルギーEで決まる
が、前記実施例のものは、いずれも、Tx=120 ℃以
上、E=2.0 eV以上であり、極めて安定性に富み、記
録・消去の繰り返し可能回数は106 回以上である。
【0094】
【発明の効果】以上詳述した通り本発明の方法で製造し
た所定割合のInとSbとM(Te又はTe+Se)と
からなる材料で記録層を構成した書き替え可能な相変化
型光メモリ媒体は、 a)記録状態と消去状態における反射率が大きい(20%
以上) b)記録、消去を極めて多数回繰り返して行なうことが
できる(106 回以上) c)記録を長期間に亘り安定
に保存することができる(10年以上) d)記録の消去時間が極めて短い(0.2 μsec 以下) という極めてすぐれた効果を有するものである。
【0095】また前記記録層に必要に応じてZr、M
o、Ir及びPtから選ばれる核化剤を含有させると、
上記a)、b)、c)、d)の利点は更に顕著になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の方法で製造した書き替え可能
な相変化型光メモリ媒体を示す三角組成図である。
【図2】別表ー1を示す図面である。
【図3】別表ー1の続きを示す図面である。
【図4】別表ー1の続きを示す図面である。
【図5】別表ー1の続きを示す図面である。
【図6】別表ー1の続きを示す図面である。
【図7】別表ー1の続きを示す図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G11B 7/00 G11B 7/24 511 7/24 511 B41M 5/26 X (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 7/26 B41M 5/26 C01B 19/04 C23C 14/14 C30B 29/46 G11B 7/00 G11B 7/24

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 InーSbーTe系の物質、又は、該I
    nーSbーTe系物質のTeの一部をSeで置換したI
    nーSbーTeーSe系物質であって、 一般式 (In)a (Sb)b (M)c …(I) (但し、式中、 Inの割合を示すaは4 〜28原子%であり、 Sbの割合を示すbは17〜44原子%であり、 MはTe又はTe+Seであり、 Mの割合を示すcは46〜63原子%であり、 M=Te+Seのとき、TeとSeの含量に対するSe
    の原子比は0.35原子%以下である。)で表される組成を
    有する物質からなる薄膜を基板上に形成し、 次に、この薄膜にレーザパルスを照射してこれを溶融・
    急冷して非晶質化し、 次に、この非晶質化した薄膜にさらにパルス幅を順次増
    加させたレーザパルスを照射して結晶化する処理を加え
    ることによってこの薄膜をメモリ媒体にすることを特徴
    とする書き替え可能な相変化型光メモリ媒体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 InーSbーTe系の物質、又は、該I
    nーSbーTe系物質のTeの一部をSeで置換したI
    nーSbーTeーSe系物質であって、 一般式 (In)a (Sb)b (M)c …(I) (但し、式中、 Inの割合を示すaは4 〜28原子%であり、 Sbの割合を示すbは17〜44原子%であり、 MはTe又はTe+Seであり、 Mの割合を示すcは46〜63原子%であり、 M=Te+Seのとき、TeとSeの含量に対するSe
    の原子比は0.35原子%以下である。)で表される組成を
    有する物質からなる薄膜を基板上に形成し、 次に、この薄膜にレーザパルスを照射してこれを溶融・
    急冷して非晶質化し、 次に、この非晶質化した薄膜にさらに真空中での加熱処
    理を施して結晶化する処理を加えることによってこの薄
    膜をメモリ媒体にすることを特徴とする書き替え可能な
    相変化型光メモリ媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 InーSbーTe系の物質、又は、該I
    nーSbーTe系物質のTeの一部をSeで置換したI
    nーSbーTeーSe系物質であって、 三角組成図の三角形の各頂点にそれぞれ(In)、(S
    b)、(Te又はTe+Se)をとったとき、この三角
    組成図上で、 一般式 (In Te)x (Sb2 Te3-y Sey ) 1-x …( II) (但し、x=0.2 〜0.7 、y=0 〜1.2 とする)で表わ
    される物質を示す直線から2原子%以内の組成領域内に
    ある組成を有する物質からなる薄膜を基板上に形成し、 次に、この薄膜を溶融・急冷して非晶質化し、 次に、この非晶質化した薄膜に結晶化する処理を加える
    ことによってこの薄膜をメモリ媒体にすることを特徴と
    する書き替え可能な相変化型光メモリ媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の書
    き替え可能な相変化型光メモリ媒体の製造方法におい
    て、 前記薄膜を構成する物質に、該薄膜を構成する物質1g
    につきZr、Mo、Ir又はPtを0.02〜0.18g添加す
    ることを特徴とする書き替え可能な相変化型光メモリ媒
    体の製造方法。
  5. 【請求項5】 InーSbーTe系の物質、又は、該I
    nーSbーTe系物質のTeの一部をSeで置換したI
    nーSbーTeーSe系物質であって、 一般式 (In)a (Sb)b (M)c …(I) (但し、式中、 Inの割合を示すaは4 〜28原子%であり、 Sbの割合を示すbは17〜44原子%であり、 MはTe又はTe+Seであり、 Mの割合を示すcは46〜63原子%であり、 M=Te+Seのとき、TeとSeの含量に対するSe
    の原子比は0.35原子%以下である。)で表される組成を
    有する物質に、該物質1gにつきZr、Mo、Ir又は
    Ptを0.02〜0.18g含む薄膜を基板上に形成し、 次に、この薄膜を溶融・急冷して非晶質化し、 次に、この非晶質化した薄膜に結晶化する処理を加える
    ことによってこの薄膜をメモリ媒体にすることを特徴と
    する書き替え可能な相変化型光メモリ媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の書
    き替え可能な相変化型光メモリ媒体の製造方法におい
    て、 InTeの組成のターゲットと、Sb2 Te3 の組成の
    ターゲットを用いて、前記2つのターゲットの面積比を
    変えることにより薄膜中のIn、Sb、Teの割合を変
    えることを特徴とする書き替え可能な相変化型光メモリ
    媒体の製造方法。
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