JP2920477B2 - ゴム補強用スチールコード及びラジアルタイヤ - Google Patents
ゴム補強用スチールコード及びラジアルタイヤInfo
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Description
ベルト等の補強に用いられるスチールコード及びこれを
補強材として使用したラジアルタイヤに関する。
補強材として複数本の素線を撚り合せたスチールコード
が使われている。このスチールコードは高強度や高耐久
性が要求されるが、さらにコード表面とゴム間でよく接
着しているだけでなく、コード内部までゴムがよく浸透
してコード内外面とゴム間で十分接着した複合体となる
ことが要求される。その理由は、車両走行中にタイヤが
石や金属片を踏み込んだりして傷が付き、この傷がスチ
ールコードにまで達すると、この傷から水が浸入してス
チールコードを錆びさせるが、スチールコードの内部に
ゴムの浸透していない中空部が連続していると、この中
空部を水が伝播して錆が広がり、タイヤ中でコードとゴ
ム間のセパレーション現象が発生してタイヤの機能を大
きく低下させたり、その寿命を低下させてしまうからで
ある。
コードとしては、図1(a)(b)(c)に示すように
3〜5本の素線を同一ピッチで同方向に同時にタイトに
撚り合せた1×n構造(特に1×4、1×5が大勢を占
めている)が一般的であった。しかし、これらスチール
コードは、その断面形状から明らかなように素線間に隙
間がほとんどないため、タイヤ成形後の加硫工程におい
てゴムがコード内部まで浸透することが困難で、内部に
中空部が連続して残ってしまう。このため前述したよう
な問題を生じさせていた。この問題を解決するため、全
素線に100%を越える過大な型付けを施し、それら素
線をルーズに撚り合せたいわゆる1×nのオープン撚り
構造のスチールコードが提案されており、それらは図2
(a)(b)(c)のような断面をなしている。しかしなが
ら、この構造は素線同士をルーズに撚り合せており、ま
たゴム浸透を確保するため型付け率を過大にしてルーズ
度を大きくしていることもあって、低荷重時の伸び量が
タイト撚りに比べて大きくなってしまう。
工程において低荷重時伸びの均一なコードにコントロー
ルすることがが難しいという基本的問題がある。さら
に、タイヤ製造工程においては、カレンダー工程で多本
数のコードを所定の張力(低荷重)をかけながら平行に
引き揃えてロールを用いて上下からゴムコンパウンドを
圧力を掛けながらシート状に張りつけてコード入りゴム
シートを製作し、その後、このカレンダーシートを一定
間隔で裁断し、バイアスになるようつなぎあわされる。
この裁断時にコードに残っている張力が開放されてコー
ドが縮むためこの縮み量が大きく、またスチールコード
1本1本の縮み量にバラツキがあると裁断面が不揃いに
なったり、裁断したゴムシートが凸凹状となってしま
い、裁断シートのつなぎ合わせが正確にできなくなり、
ラジアルタイヤになった時に転がりのバランスが悪くな
ったりする等の欠点が生じやすい。
に一対の歯車を用い、この間に素線を通過させてジグザ
ク状にする方法が取られることが多いが、この方法によ
ると、図3(b)のように波の頂点部が鋭角的にくせが付
き、またその部分に傷が発生しやすい。このため、バン
チャー式撚線機などによりコードを製作した場合、素線
が何度も捻じられることにより波の頂点部に応力が集中
して断線が生じたり、コードの耐疲労性も悪くなるとい
う問題があった。
ン撚り構造のスチールコードの欠点を解消するために研
究して創案されたもので、その第1の目的は、ゴム浸透
性が安定して良好であり、しかも低荷重時の伸びが少な
く耐疲労性も問題なく、また取扱いが容易でタイヤ製造
時の加工もしやいスチールコードを提供することにあ
る。本発明の第2の目的は、バランスが良好で、寿命が
長いラジアルタイヤを提供することにある。
るため本発明は、1本の直線状の芯素線の周りに2本の
側素線を螺旋状に巻き付けてなる1+2構造のスチール
コードにおいて、芯素線は型付け率Aが80.0〜9
5.0%であり、前記側素線のうち少なくとも1本の素
線が、波ピッチpが巻き付けピッチPとの関係において
p/P=0.30〜0.60の範囲にあり、波高さhが
素線径dとの比においてh/d=1.05〜1.85の
範囲にあり、かつ波の頂部の曲率半径rが3.50d以
上の連続的な波くせを巻き付け前において有しており、
コードの0.30kgfと1.63kgf負荷間での伸
びが0.15%以下となっている構成としたものであ
る。前記仕様の波くせ付けは、各歯先部に表面が平滑な
円柱状のピンを回転方向と直交状に設けた1対の歯車状
部材によって得ることが好適である。また、第2の目的
を達成するため本発明は、前記いずれかのスチールコー
ドをベルト部の補強材として使用した構成としたもので
ある。
素線を中央部に配し、この周りに2本の素線を螺旋状に
撚り合せた1+2構造としているため、この基本構成に
より3本の素線が隣接しあった閉鎖輪郭部分が生じな
い。しかも、この1+2構造において、側素線のうち少
なくとも1本の素線は、巻き付け前の状態で巻き付けピ
ッチPとの関係においてp/P=0.30〜0.60の
範囲の波ピッチpと、素線径dとの比においてh/d=
1.05〜1.85の範囲の波高さhを有し、かつ波の
曲率半径rが3.50d以上の波くせを連続的に有して
いる。このため、こうした特定範囲の短いピッチの波く
せにより芯素線と側素線間だけでなく、2本の側素線間
にも隙間が形成される。したがって、コード内部にゴム
がよく浸透できるようになり、耐食性が向上する。そし
て、芯素線は型付け率Aが80.0〜95.0%であ
り、波くせを施さないため、外力を受けたときに芯の素
線と側の素線が同一挙動を示さず、加硫時などにおいて
スチールコードに張力がかかったときに、芯素線により
スチールコード全体の伸び、特に低荷重時伸びを低く抑
えることができ、素線間の隙間がしっかり確保される。
また、側素線の撚り込み長さのバランスがよいとともに
コード長手において互いに離間する部分が必ず生ずる。
このため素線間の隙間が安定しており、芯素線と側素線
のそれぞれの周りにゴムがよく行き渡り、ゴムとの付着
面積が大きくすることができ、耐食性、耐セパレーショ
ン性にすぐれたものとなる。また、側素線は波くせの頂
部が鋭角的でなく、曲率半径rが3.50d以上の滑ら
かなものとなっているため、撚り線工程で捻じられたと
きに波頂部に応力が過度に集中せず、したがって撚り線
性がよく断線が生じず、また傷の問題も解消されるため
耐疲労性も良好なものになる。コードの低荷重時の伸び
(0.30kgf-1.63kgf負荷間の伸び量)が低く抑えられてい
るため、取扱い性のよいものとなる。
pとして巻き付けピッチPとの関係においてp/P=
0.30〜0.60の範囲となっているため、くせ付け
加工性がよく、素線強度の低下も抑えられ、またゴム加
硫時などにおいてコードに張力がかかったときに素線間
の隙間が狭くなり過ぎることがない。また、波高さhを
素線径dとの比においてh/d=1.05〜1.85の
範囲としているため、ゴム浸透性がよいとともに、低荷
重時の伸びを大きくしない利点がある。波の曲率半径r
が素線径dとの関係において3.50d以上であるた
め、応力集中をよく防止できるとともに傷の発生を回避
することができる。
明する。図4ないし図7は本発明によるゴム補強用スチ
ールコードの一例を模式的に示している。1aは1本の
芯素線、1b,1bは2本の側素線であり、芯素線1a
を中心部に配し、これの周りに側素線1b,1bを所定
のピッチで螺旋状に巻き付けた1+2構造となってい
る。この例では各素線は直径0.20〜0.40mm程度
の範囲で同一径となっている。しかし本発明は必ずしも
これに限定されるものではなく、たとえば芯素線1aが
側素線1b,1bよりも相対的に細径あるいは太径とい
うように異なる径となっていてもよく、これも本発明に
含まれる。巻き付け方向はS方向、Z方向のいずれでも
よく、巻き付けピッチPは通常40〜60d(dは素線
径)程度とすることが好ましい。
ず、型付け率Aが80.0〜95.0%のほぼ直線状と
なっている。なお、「型付け率」とは、スチールコード
を解いて図5に示すように素線の山高さHを測定し、1
×3タイト撚りコードの直径(外接円径)をDとしたと
きの、H/D×100(%)のことである。型付け率を
限定したのは、芯素線Waについてはその型付け率が8
0%未満であるとゴム浸透性が不安定域になって悪くな
り、一方、型付け率が95%を越えると低荷重時の伸び
が急に高くなってしまうからである。
または1本が、巻き付け前に予め巻き付け波と異なる短
いピッチpで連続的に波付け加工が施され、この状態で
芯素線1aの周りに螺旋状に巻き付けられることでコー
ドとなっている。側素線1b,1bの波くせを詳述する
と、図6と図7のようにコードを分解したときに素線に
付いている波の状態において、ピッチをpとし、波高さ
をhとすると、巻き付けピッチP、素線径dとの関係に
おいて、下記式を満たす範囲となっている。 0.30≦p/P≦0.60 1.05≦h/d≦1.85 その理由は、波くせ加工性をよくし、また素線強度の低
下を抑えるためにp/Pは0.30以上が必要である
が、タイヤ成形後の加硫時にコードに張力がかかった場
合に素線間の隙間が狭くなり過ぎぬようにするため0.
60以下とするのである。また、波高さhはゴム浸透性
が安定して良好な状態を維持するため1.05以上が必
要であるが、あまり波が高いと低荷重時の伸びが大きく
なってしまうため1.85以下とするのである。
よび芯素線の型付け率の規定により、芯素線1aと側素
線1b,1bは外力を受けたときに同一挙動を示さず、
低荷重付加時すなわち0.30kgfと1.63kgf
間のスチールコードの伸びは0.10〜0.15%程度
になり、オープン撚りコードに比べて非常に低く抑える
ことができる。このため、タイヤ成形時の加硫工程でス
チールコードに張力がかかってもコード素線間の隙間が
的確に確保され、安定なゴム浸透性を実現することがで
きる。また、タイヤ構造においても安定した寸法精度の
バランスのよいタイヤが得られるものである。
の1ピッチ分を4分割した各位置での断面形状を模式的
に示している。単純に3本の素線を一度に撚り合わせた
場合には図1に示すような断面形状になるが、本発明で
は1本の芯素線1aの周りに2本の側素線1b,1bを
螺旋状に巻き付けているため、いずれの断面位置におい
ても3本の素線1a,1b,1bが隣接しあった閉鎖輪
郭部分が生じておらず、必ず1か所以上に隙間sが形成
される。しかも、少なくとも1本の側素線1bは予め上
記範囲のピッチと高さで波くせを施しているため、図示
のようにコード長手方向においても互いに離間する部分
が生じ、これによって隙間sが創成される。したがっ
て、芯素線1aと側素線1b,1bの間、あるいは2本
の側素線1b,1bの間も大部分が離間して隙間sが形
成されている。
図7のようにアール部10が形成されている。このアー
ル部10の曲率半径rは、応力集中の防止と傷の発生の
防止の観点から素線直径dとの関係で3.50d以上と
することが好ましい。かかるアール部を有する波くせ形
状を得る手段としては、図8のような歯車状部材3,3
を用いればよい。すなわち、一対の歯車状部材3,3の
外周に互いに噛み合う歯部30,30を定間隔で設けて
おり、しかもそれら歯部30,30はそれぞれ一対のプ
レート部30a,30aを有し、対向するプレート部3
0a,30aの先端部(歯先部)に表面の滑らかな金属
製たとえば超硬合金からなる円柱状のピン31を横架し
ている。前記波ピッチpは歯車の円ピッチで設定され、
波高さhは一対の歯車の間隔により設定される。ピン3
1は前記曲率半径rを得るために、3.35d以上の半
径を持つ太さとすることが好適である。ピン31はプレ
ート部30a,30aに対してねじなどにより交換可能
に固定されていてもよいが、好ましくは軸受により自転
可能となっている。このようなピン31,31を歯先に
有する一対の歯車状部材3,3を用いた場合には、素線
1bはピン31,31により長手方向に対し周期的に曲
げ変形を受けるため、頂部にアール部10を持った波く
せが連続的に付けられる。しかもピン31,31の太さ
の選定や各種径のものとの交換により任意の曲率半径の
アール部10を得ることができる。さらに、従来のよう
な歯車と異なりピンだけに耐摩耗性を持たせればよいた
め安価であり、ピンに超硬合金等を用いることにより摩
耗に対しても超寿命とすることができる。
1b,1bは、C量が0.80〜0.95重量%の炭素
鋼線材を使用し、これを所定中間径に伸線し、熱処理・
めっき・めっき拡散を施した後乾式伸線を行い、次いで
目的線径まで湿式伸線を行なって得られた超高強度素線
が適している。具体的な化学的成分組成としては、C:
0.80〜0.95%、Si:0.15〜0.35%、
Mn:0.3〜0.9%、残部鉄および不可避的不純物
からなるものであるが、前記基本成分組成にCrやNi
などを合金元素として所定量添加していてもよい。
ー式撚線機でも製造できるが、バンチャー式撚線機によ
っても製造できる。図9はこの例を示しており、撚り線
装置は、撚り線装置本体23の回転の中心軸線上にガイ
ドロール11、12、13、14が設けられており、ま
た、ディスクロールより内側にはディスクロールの回転
とは無関係に定位置を保つ2個の側素線供給ボビン1
9,19’が配置されている。そして、それら側素線供
給ボビン19,19’とボイス21の間には側素線に波
くせを付けるための波くせ付け装置18が設けられてお
り、この波くせ付け装置18は前記図8に示す構造とな
っている。この例では波くせ付け装置18は各側素線供
給ボビン19,19’の経路に設けられているが、片方
の側素線だけに波くせ付けをする場合には、波くせ付け
装置18を1つとするかあるいは波くせ付け装置18を
設けておいて一対の歯車状部材3,3と噛み合わないよ
うに離間させておけばよい。撚り線装置本体23外に
は、1個の芯素線供給ボビン20が設けられている。
ン20から芯素線1aが引き出され、この芯素線1aは
ガイドロール11→ガイドロール12→ボイス21→ガ
イドロール13→→ガイドロール14を通過して巻取り
ボビン22に巻き取られる。また、この例では側素線ボ
ビン19、19’から巻き付け用の側素線1bが引き出
され、それら素線1b,1bはそれぞれ波くせ付け装置
18,18→ボイス21→ガイドロール13→ガイドロ
ール14を通過して巻取りボビン22に巻取られる。
引き出された芯素線1aはガイドロール11及びガイド
ロール12を通過することにより捻じられ、一方、側素
線供給ボビン19,19’から引き出されは素線1b,
1bは、それぞれ一対の歯車状部材3,3の噛み合い回
転に伴いピン31,31によりアール部10,10の付
いたしかも前記のようにピッチと高さの規定された短い
ピッチの波くせが連続的に付けられ、その状態でボイス
21において1本の芯素線1a上に引き合わされる。1
本の芯素線1aはガイドロール13、14を通過するま
でに逆方向に捻じり戻されるため、素線1aはほとんど
直線状になる。2本の側素線1b,1bはガイドロール
13、14を通過する際に芯素線1aの周りに巻き付け
られ、1+2構造のスチールコードBとしてボビン22
に巻き取られる。
び側素線として直径0.28mmのものを使用し、図9
に示すバンチャー式撚り線機を用いて、1+2(巻き付
け方向:S、ピッチP:16mm)構造のスチールコー
ドを製作した。側素線の波くせ付けは、図8に示すよう
に歯先に超硬合金製で直径2.0mm(約7.14d)の
ピンを取り付けた一対の歯車状部材を有する装置を使用
して行なった。実施例1,2は1本の側素線のみに波く
せを付け、実施例3は2本の側素線に波くせを付けた。
また比較例1〜3は2本の側素線に波くせを付け、その
波付けピッチp/P又は波高さh/dを本発明規定外に
したものであり、比較例4は側素線2本を図3に示す歯
車を用いて鋭角的な波付けを行なったものである。従来
例は実施例1と同じ素線を使用し、波付けをしないで1
×3構造のオープンコードとしたものである。以上の実
施例、比較例および従来例の製造諸元とコード特性を表
1に示す。
問題なし、△は断線ありを示している。「低荷重伸び」
0.30kgfと1.63kgf負荷間の伸びである。
「ゴム浸透性」は直線状にしたコードを100gfの張
力下でゴム中に加硫してサンプルを作製した後、このコ
ードを長手方向で分解し、ゴムの浸透度を目視で観察
し、コード中心部までゴムが完全に覆われているものを
100%として判定した。「耐疲労性指数」はスチール
コードをゴム中で加硫した帯状のサンプルを千鳥状に配
置した一定直径の3ケのロールにコード破断荷重の10
%の負荷の下に張り渡し、このロールを左右に繰り返し
往復させてサンプルに繰り返し曲げを与えてコードが破
断するまでの繰り返し数を判定した結果であり、それぞ
れの表について従来例を100として指数で表した。
「曲げ剛性指数」は長さ70mmのコードサンプルにつ
いて一定角度の曲げを与え、これに要する曲げモーメン
トの大きさを求めるものでそれぞれの表について従来例
を100として指数で表した。
実施例3はゴム浸透性が良好であり、しかも低荷重時の
伸びが小さくて良好である。これはコード構造によりコ
ードに張力がかかっても型付け率の小さい芯素線がコー
ドの伸びを低く抑えるため素線間の隙間を確保でき、か
つ側素線が適正なピッチと高さの波くせを有しているこ
とにより隙間が安定した最適範囲に収まっためである。
しかも、実施例1ないし実施例3は撚り線性と耐疲労性
も良好である。これは波付け加工により波の曲率半径が
3.50d以上であるためである。これに対して、比較
例1は波付けピッチが過大なためゴム浸透性の改良が不
十分であり、比較例2は波付け高さが過大なため低荷重
時伸びが大である。比較例3は波付け高さが小さく、ゴ
ム浸透性が劣っている。比較例4は、波付けが鋭角的で
あるため、撚り線性および耐疲労性が不十分である。従
来例は低荷重時の伸びが大きく、耐疲労性においても劣
っている。
きには、1本の直線状の芯素線の周りに2本の側素線を
螺旋状に巻き付けてなる1+2構造のスチールコードに
おいて、芯素線は型付け率Aが80.0〜95.0%で
あるため、ゴム浸透性が不安定域にならずかつ低荷重時
の伸びを抑えることができ、このような芯素線に対し
て、側素線のうち少なくとも1本の素線が、波ピッチp
が巻き付けピッチPとの関係においてp/P=0.30
〜0.60の範囲、波高さhが素線径dとの比において
h/d=1.05〜1.85の範囲、かつ頂部の曲率半
径rが3.50d以上の連続的な波くせを巻き付け前に
おいて有しており、コードの0.30kgfと1.63
kgf負荷間での伸びが0.15%以下であるため、素
線間に確実で安定した隙間を有してゴム浸透性が安定し
ており、また、低荷重時の伸びも少ないためゴムとの複
合作業時の取扱いが容易であり、さらに波くせは頂部の
曲率半径rが3.50d以上の曲率を持っているため、
撚り線性がよく、耐疲労性も良好であるというすぐれた
効果が得られる。請求項2よれば、波くせが、各歯先部
に表面が平滑な円柱状のピンを回転方向と直交状に設け
た1対の歯車状部材によって施されているので、安定し
た曲率の連続的な波くせとすることができ、しかもピン
径により所望の曲率半径の波形状を自在かつ容易に形成
できるというすぐれた効果が得られる。請求項3によれ
ば、耐食性が良好で寿命が長くしかもバランスのよいラ
ジアルタイヤを提供できるというすぐれた効果が得られ
る。
用装置の部分的断面図、(b)は波付け状態を示す拡大
側面図である。
に示す拡大側面図、(b)は図4のスチールコードの1
ピッチ分を4分した各位置の断面図である。
側面図である。
分的断面図、(b)は同じくその斜視図である。
式的に示す説明図である。
Claims (3)
- 【請求項1】1本の直線状の芯素線の周りに2本の側素
線を螺旋状に巻き付けてなる1+2構造のスチールコー
ドにおいて、芯素線は型付け率Aが80.0〜95.0
%であり、前記側素線のうち少なくとも1本の素線が、
波ピッチpが巻き付けピッチPとの関係においてp/P
=0.30〜0.60の範囲にあり、波高さhが素線径
dとの比においてh/d=1.05〜1.85の範囲に
あり、かつ波の頂部の曲率半径rが3.50d以上の連
続的な波くせを巻き付け前において有しており、コード
の0.30kgfと1.63kgf負荷間での伸びが
0.15%以下となっていることを特徴とするゴム補強
用スチールコード。 - 【請求項2】波くせが、各歯先部に表面が平滑な円柱状
のピンを回転方向と直交状に設けた1対の歯車状部材に
よって施されている請求項1に記載のゴム補強用スチー
ルコード。 - 【請求項3】請求項1ないし請求項2のいずれかに記載
のスチールコードをベルト部補強に用いたことを特徴と
するラジアルタイヤ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP7148145A JP2920477B2 (ja) | 1995-05-23 | 1995-05-23 | ゴム補強用スチールコード及びラジアルタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP7148145A JP2920477B2 (ja) | 1995-05-23 | 1995-05-23 | ゴム補強用スチールコード及びラジアルタイヤ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08325963A JPH08325963A (ja) | 1996-12-10 |
JP2920477B2 true JP2920477B2 (ja) | 1999-07-19 |
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KR100916917B1 (ko) * | 2007-11-06 | 2009-09-09 | 주식회사 효성 | 단선 스틸코드 |
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CN115323816B (zh) * | 2022-08-31 | 2023-05-16 | 江苏兴达钢帘线股份有限公司 | 一种钢丝变形装置、其使用方法及帘线生产装置 |
-
1995
- 1995-05-23 JP JP7148145A patent/JP2920477B2/ja not_active Expired - Fee Related
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