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JP2917443B2 - 熱可塑性樹脂延伸フイルム - Google Patents

熱可塑性樹脂延伸フイルム

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Publication number
JP2917443B2
JP2917443B2 JP18917290A JP18917290A JP2917443B2 JP 2917443 B2 JP2917443 B2 JP 2917443B2 JP 18917290 A JP18917290 A JP 18917290A JP 18917290 A JP18917290 A JP 18917290A JP 2917443 B2 JP2917443 B2 JP 2917443B2
Authority
JP
Japan
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film
temperature
stretching
cooling
tenter
Prior art date
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Expired - Lifetime
Application number
JP18917290A
Other languages
English (en)
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JPH0474635A (ja
Inventor
千里 野々村
敏郎 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=16236687&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2917443(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP18917290A priority Critical patent/JP2917443B2/ja
Priority to KR1019900012576A priority patent/KR960013068B1/ko
Priority to DE69032307T priority patent/DE69032307T2/de
Priority to EP19900119558 priority patent/EP0423630B1/en
Priority to DE69033968T priority patent/DE69033968T2/de
Priority to EP19960119253 priority patent/EP0764678B1/en
Publication of JPH0474635A publication Critical patent/JPH0474635A/ja
Priority to US08/135,852 priority patent/US5411695A/en
Priority to US08/376,250 priority patent/US5574119A/en
Publication of JP2917443B2 publication Critical patent/JP2917443B2/ja
Application granted granted Critical
Anticipated expiration legal-status Critical
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は幅方向に均一な熱可塑性樹脂フイルムに係わ
る。更に詳しくは、テンターによって横延伸、熱固定さ
れる際に生じるボーイング現象を抑制し、幅方向に均一
な物理的、化学的及び物理化学的性質を有する熱可塑性
樹脂フイルムに関する。
(従来の技術) 熱可塑性樹脂フイルム、特に二軸配向されたポリエス
テル系、ポリアミド系、ポリオレフィン系、ポリビニル
系樹脂、ポリフェニレンサルファイド等のフイルムは、
包装及び工業用途、その他の用途に供せられており、フ
イルムの幅方向のどの部分でも同じ物性値であることが
望ましい。
しかし、従来の製造方法では製品フイルムの幅方向の
物性を均一にすることは極めて困難であった。この理由
は、テンター内においてフイルムの両端はクリップに把
持されていて、延伸工程によって生じる縦方向の延伸応
力や、熱固定工程によって発生する収縮応力は、把持手
段であるクリップによって拘束されているに対し、フイ
ルムの中央部は把持手段の影響が低く拘束力が弱くな
り、上記の応力の影響によってクリップで把持されてい
る端部に対してフイルムの中央部分は遅れが生じること
がわかっている。そして、横延伸と熱固定を連続に同一
のテンターで行う場合において、テンターに入る前のフ
イルムの面上に幅方向に沿って直線を描いておくと、こ
の直線はテンター内で変形してフイルムの進行方向に対
して延伸工程の始めの領域で凸型に変形し、延伸工程の
終わり直前の領域で直線に戻り、延伸工程終了後には凹
型に変形する。さらに熱固定工程の領域の始めで凹型の
変形は最大値に達し、このまま曲線は変化しないでその
後のテンターを通過し、テンターを出たフイルムには凹
型の変形が残る。この現象はボーイング現象と称されて
いるものであるが、このボーイング現象はフイルムの幅
方向の物性値を不均一にする原因になっている。
ボーイング現象によって、フイルムの側端部分ではボ
ーイング線に対して更に縦方向に傾斜した配向主軸が生
じて、幅方向で配向主軸の角度が異なる傾向がある。こ
の結果、例えば縦方向の熱収縮率、熱膨張率、湿潤膨張
率等の物性値がフイルムの幅方向で異なってくる。この
ボーイング現象によって、包装用途の一例として、印刷
ラミネート加工、製袋工程等において印刷ピッチずれ、
斑の発生、カーリング、蛇行などのトラブルの原因にな
っている。また、工業用途の一例として、フロッピーデ
ィスク等のベースフイルムでは面内異方性のため磁気記
録特性の低下などのトラブルの原因になっている。
更に詳しく述べると、横延伸と熱固定間に冷却工程を
設ける従来技術としては、特公昭35−11774号公報には
横延伸と熱固定工程の間に20℃〜150℃の緩和工程を介
在させ、実質冷却工程を設けた製造方法が提案されてい
る。しかし、この冷却工程の長さについては全く記載さ
れていないばかりか、ボーイング現象の減少の効果も全
く不明である。更に、ボーイング現象を減少ないし解消
する技術として、特開昭50−73978号公報には延伸工程
と熱固定工程との間にニップロール群を設置するフイル
ムの製造方法が提案されている。しかし、この技術では
ニップロールを設置する中間帯の温度がガラス転移点温
度以上で、ニップ点でのフイルムの剛性が低いため改良
効果が少ない。また特公昭63−24459号公報には横延伸
完了後のフイルムの両端部を把持しながら中央付近の狭
い範囲のみをニップロールによって強制的な前進をもた
らす工程が提案されている。しかし、この技術ではニッ
プロールをテンター内の高温領域に設置する必要があ
り、ロール及びその周辺装置を冷却する必要があり、ま
たフイルムが高温であるためロールによる傷が発生する
おそれがあり、実用面で制約される。また、特公昭62−
43856号公報には、横延伸直後のフイルムをガラス転移
点温度以下に冷却した後、多段に熱固定を行ない熱固定
と同時に横方向に伸張する技術が提案されている。しか
し、この技術では冷却工程でボーイング現象の減少が少
ないためか、又は熱固定でボーイング現象が再発生しや
すいためか冷却工程に加えて多段に熱固定する工程と再
延伸との複雑な工程となっている。そのためテンター内
の雰囲気温度やフイルム温度を長時間にわたり安定して
制御することが困難ではないかと懸念される。また、本
提案も冷却工程の長さとフイルム幅の関係などは記載さ
れていない。更に、特開昭62−183327号公報には縦延伸
後、テンターで横延伸、熱固定する際に、横延伸ゾーン
と熱固定ゾーンとの間に側端部分のみをガラス転移点温
度以上熱固定温度以下の予熱ゾーンを設置する技術が提
案されている。しかし、この技術では、予熱ゾーンの温
度を幅方向に温度勾配を持たせながら制御しなければな
らないため、フイルム温度を長時間にわたり制御するこ
とが困難ではないかと懸念される。なお、本提案の実施
例ではこの予熱ゾーンの長さがフイルム幅の半分と短い
ことからボーイング現象の減少の効果が少ないと推測さ
れる。また、特開平1−165423号公報には横延伸後のフ
イルムを横延伸温度以下に冷却した後、多段に昇温しな
がら横方向に再度伸張する技術が提案されている。しか
し、この技術では、特公昭62−43856号公報の場合と同
様に冷却工程でのボーイング現象の減少の効果が少ない
ためか、また、熱固定工程でボーイングが発生しすいた
めか、冷却工程に加えて多段に熱固定する工程と再延伸
する工程との複雑な工程となっている。そのためテンタ
ー内の雰囲気温度やフイルム温度を長時間にわたり安定
して制御することが困難ではないかと懸念される。な
お、本提案では、冷却工程の長さがフイルム幅の1/2以
上が好ましいとの記載があるが、この根拠が定かでな
い。また、冷却温度がガラス転移点温度以上延伸温度以
下が好ましいとの記載がある。しかし、この程度の冷却
工程の長さや冷却工程の温度がガラス転移点温度以上で
は、ボーイング現象の減少の効果が少ないことが危惧さ
れ、上記のような複雑な工程を採用せざるを得なかった
と推測される。また、特公平1−25694号公報、特公平
1−25696号公報には、フイルムの走行方向を逆転させ
て横延伸、熱固定をする技術が提案されている。しか
し、この技術ではフイルムの走行方向を逆転させるのに
フイルムを一旦巻き取る必要があり、オフラインでの製
造方法であるため生産性の面で制約を受けるなどの問題
点がある。
このように、ボーイング現象を減少させる試みはこれ
まで行われてきているがこれらの提案は製造方法や装置
に関するもので、フイルムの特性(分子配向状態等)に
注目した発明は行われていない。例えば、特開昭58−21
5318号公報や特開昭61−8326号公報に見られるように、
ボーイング現象の程度に関係なくフイルム中央部では、
フイルムの分子配向状態は配向主軸のずれがほとんど無
いためボーイング現象の程度を知るためにはフイルム全
幅の試料が必要であり、フイルムの任意の場所での試料
からはボーイング現象の大小を判別することは不可能で
あった。
(発明が解決しようとする課題) かかる課題に対し、フイルム幅方向の物性の均一なフ
イルム(特に熱収縮率等の物性値)と、その工業的に有
利な製造方法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、テンター内におけるボーイング線の変
化を観察し、種々の研究からボーイング現象の発生過程
を解明し、このボーイング現象を減少する手段を検討し
て、フイルムの幅方向の物性値を分析して本発明に到達
した。
本発明は少なくとも横方向に延伸され熱固定(加熱体
接触を除く)された熱可塑性樹脂フイルムにおいて、任
意のフイルム幅方向でのマイクロ波によって測定される
分子配向角の変化(異方性指標)が(1)式を満足する
ことを特徴とする熱可塑性樹脂フイルムがボーイングの
少ない均一な物性を有していることを見いだし本発明に
至った。このフイルムの製造方法とは、横延伸工程と熱
固定(加熱体接触を除く)工程との間に(2)式を満足
する冷却工程を設けて、ガラス転移点温度以下に冷却す
る事を特徴とする熱可塑性樹脂フイルムの製造方法であ
る。
Δθor×W/Wf≦64.0 ……(1) L/W≧1.0 ……(2) なお、(1)、(2)式において、ΔθORは任意の2
点でのマイクロ波によって測定される分子配向角の差(
)を、Wfは任意の2点間のフイルム幅(m)を、Wは
テンター出口でのテンターのクリップ間距離(m)を、
Lは冷却工程の長さ(m)を意味する。
ここで、例えば横方向に比べて縦方向に配向が強いフ
イルムの分子配向角は第1図に示すように縦方向に対し
て時計周りの方向をプラス(+)とし、縦方向に対して
反時計周りの方向をマイナス(−)とする。また縦方向
に比べて横方向に配向が強いフイルムの分子配向角は上
記と同様に横方向に対して時計周りの方向をプラスと
し、横方向に対して反時計周りの方向をマイナスとす
る。
また、冷却工程の長さLは、実質的に冷却工程の前工
程の温度以下になる箇所から該冷却工程の温度より実質
的に高い次工程の温度までの最も長い箇所までの長さを
意味するものとする。さらに、横方向とはフイルムの走
行方向に対して直角方向、縦方向とは走行方向を意味す
る。
また、冷却工程の長さLとフイルム幅Wとの比L/Wの
値はテンター速度に本質的には依存しないが、テンター
の速度が増加すると、フイルムの温度が実質的に効果の
ある冷却温度に到達するまでに時間がかかり、本発明の
主旨である冷却工程の長さLとフイルム幅Wとの比L/W
の値は実質的に小さくなる。そこでテンター速度を増加
する場合には、冷却工程の長さLとフイルム幅Wとの比
L/Wの値を大きくするほど効果が向上する。例えば、テ
ンター速度を2倍にした場合には、冷却工程の長さLと
フイルム幅Wとの比L/Wの値は増速前の値の1.5倍以上を
選択することが好ましい。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明では、熱可塑性樹脂をその融点以上の温度に加
熱・溶融し、スリットダイを含む押出し手段から冷却ド
ラム表面へフイルム状に押出し、縦方向にロール速度が
異なるロール群により縦方向に延伸し、テンターで横方
向に延伸し、要すれば熱固定され、フイルムワインダー
等によって巻き取られることは公知である。本発明で
は、製膜・延伸条件として、このような樹脂の溶融・押
出し条件、キャスティング条件、縦方向延伸条件、横方
向延伸条件、熱固定条件、巻き条件等を適宜選択でき
る。
本発明に適用される熱可塑性樹脂としては、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレン2,6−ナフタレー
ト、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフ
タレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン−6、ナ
イロン−66などのポリアミド系樹脂、ポリプロピレン、
ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリフェニ
レンサルファイド、ポリエーテルスルフォン、ポリスル
フォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケ
トンケトン、ポリエチレントリメリテッドイミド、その
他多くの単体、共重合体、混合体、複合体等が挙げられ
る。
本発明の製造方法は熱可塑性樹脂フイルムを横延伸、
熱固定処理する際に、熱固定工程前のフイルムをガラス
転移点温度以下に冷却し、横延伸工程によって発生する
ボーイング現象を減少するものであり、この冷却温度は
低いほどボーイング現象の減少の効果が向上する。冷却
工程の長さLとフイルム幅Wとの比L/Wの値が大きいほ
どボーイング現象の減少の効果が向上し、冷却工程の長
さLとフイルム幅Wとの比をL/W≧2.0で冷却工程の長さ
Lを選択することが好ましい。さらに好ましくは、L/W
≧3.0である。
また、横延伸工程と熱固定工程を行なうテンターを切
り放す場合には、大気中でフイルムを走行させるためフ
イルムはガラス転移点温度以下に冷却され、冷却工程の
長さLとフイルム幅Wとの比L/W≧1.0を満足さえすれば
横延伸工程と熱固定工程を別のテンターで行なうことも
本発明に含まれる。
更に、この冷却工程及び熱固定工程終了後の冷却工程
においては、フイルムを速度制御可能なニップロール群
に通すことが好ましく、その効果は著しく向上する。こ
のニップロールの材質は、金属鏡面とゴム弾性体との組
合せで、ニップロールはテンターのクリップとの相対的
な速度でフイルムを緊張させることから速度制御が容易
であることが条件である。またニップロールは単独でも
あるいは両方相互に制御可能であることが好ましい。
本発明では、横延伸、冷却、熱固定工程が連接してい
る場合や、上記工程間に再延伸及び緩和及び定長工程が
含まれる場合は当然含まれる。更に、縦延伸後横延伸す
る製造方法以外の延伸方式も本発明に含まれる。例え
ば、横延伸後縦延伸する延伸方式、縦横延伸後に再縦延
伸する延伸方式、縦2段延伸を含む延伸方式、横延伸後
のフイルムの両端をトリミングして縦延伸する延伸方式
などその要旨を越えない限り上記に限定されるものでは
ない。
一般的にフイルムの物性はフイルムの結晶部のみでな
く、非晶部の状態によっても規定され、特にフイルムの
熱収縮挙動等はこの非晶部の状態によって左右されると
いわれている。そこで、分子配向状態の測定について
は、マイク口波を利用した非晶鎖の配向性を評価する装
置を用いた。この評価法により、包装用途において印刷
ラミネート加工、製袋工程等での印刷ピッチずれ、斑の
発生、カーリング、蛇行、また、工業用途におけるフロ
ッピーディスク等のベースフイルムでの磁気記録特性の
低下などのトラブルの原因になっている熱収縮率等の物
性値の異方性と、マイクロ波による分子配向状態との関
係を明確にして、ボーイングが少なく幅方向に物性値の
均一なフイルムの分子配向状態を解明して本発明に至っ
た。
本発明において、ボーイング現象の少ないフイルムの
特徴としての理由については、分子配向角はフイルムの
中央部からフイルムの端部にかけて幅方向にほぼ直線的
に変化しているので、フイルムの任意の幅方向における
異方性指標が64.0以下であれば、フイルムの全幅にわた
り分子配向角の変化が少ないフイルムとなるので、物性
値の均一なフイルムの歩留まりが良好となる。また、異
方性指標が64.0を越えると、分子配向状態の歪みが回転
することによって物性値の異方性が問題となる。例え
ば、フイルムの走行方向に対して±45の2方向の物性
値の絶対値の比を算出し、その値が1.0に近いほどフイ
ルムの幅方向での物性差が少ないものと判定基準を定め
た。この一例として熱収縮率、沸水収縮率等の異方性に
関与する製袋時のカールを評価した場合、(1)式を満
足するフイルムがフイルム全幅にわたり製袋カールの少
ないフイルムであることが判った。
さらに、ボーイング現象の少ないフイルムを製造する
に際して工業的に有利な効果が得られる理由について
は、ボーイング現象を減少するのに必要な冷却工程の長
さの決定において、誰もがなしえなかった有限要素法を
適用しうる数式モデルを設定し数値解析によって延伸応
力の伝播を推定可能ならしめ、その結果、冷却工程の長
さLとフイルム幅WとのL/W=1.0で応力伝播は約1/2に
なり、L/W=2.0で応力伝播は約1/10になり、L/W=3.0で
ほとんどゼロになることを計算値より求め、実機で裏付
けし、いかなる場合も適用可能なことを見いだせたため
である。
次に実施例を示す。
(実施例) 本発明において使用される装置の一例について説明す
る。Tダイより押出された熱可塑性樹脂はチルロールに
よって急冷されフイルム状に成形される。
そのフイルムはロール延伸機によって縦方向に延伸さ
れ、ついでテンターのクリップによってその両端を把持
されつつ、予熱ゾーンを通って横延伸ゾーンに入り横延
伸される。さらに、フイルムは冷却ゾーンに入り、熱固
定ゾーンを通り、熱固定された後、クリップから外され
てテンターから出て巻取り機によって巻き取られる。
また、本発明において、製膜工程終了後のフイルムの
マイクロ波による分子配向状態の測定については、神崎
製紙(株)製の分子配向計(MOA−2001A)を用いて分子
配向角(ANGLE)を測定した。この分子配向状態をフイ
ルムの幅方向の任意の位置について測定した。
製袋カールの評価は製袋時、保存中、充填後の熱処理
などによってカールが生じた程度を○、△、×で表わし
た。(表1参照) 以下、いくつかの例を挙げて説明する。
実施例1 ポリエチレンテレフタレート樹脂を溶融してTダイよ
り押出し、チルロール上でフイルム状に成形したのちロ
ール延伸機によって縦方向に3.5倍延伸し、その後テン
ターによって横方向に3.6倍延伸し、熱固定した二軸配
向ポリエチレンテレフタレートフイルムとした。テンタ
ー内における温度は、予熱温度を90℃、延伸温度を100
℃、その後の冷却温度を40℃、熱固定温度を210℃とし
た。その後、通常のようにしてフイルムを巻き取った。
なお、冷却ゾーンの長さLとフイルム幅Wとの比L/W=
1.0とした。
実施例2 実施例1において、冷却ゾーンの長さLとフイルム幅
Wとの比L/W=2.0とする以外は実施例1と同様にして二
軸配向ポリエチレンテレフタレートフイルムを得た。
実施例3 実施例1において、冷却ゾーンの長さLとフイルム幅
Wとの比L/W=3.0とする以外は実施例1と同様にして二
軸配向ポリエチレンテレフタレートフイルムを得た。
実施例4 実施例1において、冷却ゾーンの温度を65℃とする以
外は実施例1と同様にして二軸配向ポリエチレンテレフ
タレートフイルムを得た。
比較例1 実施例1において、冷却工程を行わない以外はすべて
実施例1と同様にして二軸配向ポリエチレンテレフタレ
ートフイルムを得た。
比較例2 実施例1において、冷却ゾーンの温度を100℃とする
以外は実施例1と同様にして二軸配向ポリエチレンテレ
フタレートフイルムを得た。
比較例3 実施例2において、冷却ゾーンの温度を100℃とする
以外は実施例2と同様にして二軸配向ポリエチレンテレ
フタレートフイルムを得た。
比較例4 実施例3において、冷却ゾーンの温度を100℃とする
以外は実施例3と同様にして二軸配向ポリエチレンテレ
フタレートフイルムを得た。
実施例5 ナイロン−6樹脂を溶融してTダイより押出し、チル
ロール上でフイルム状に成形したのちロール延伸機によ
って縦方向に3.3倍延伸し、その後テンターによって横
方向に3.4倍延伸し、熱固定した二軸配向ナイロン−6
フイルムとした。テンター内における温度は、予熱温度
を60℃、延伸温度を90℃、その後の冷却温度を40℃、熱
固定温度を225℃とした。その後、通常のようにしてフ
イルムを巻き取った。なお、冷却ゾーンの長さLとフイ
ルム幅Wとの比L/W=1.0とした。
実施例6 実施例5において、冷却ゾーンの長さLとフイルム幅
Wとの比L/W=2.0とする以外は実施例5と同様にして二
軸配向ナイロン−6フイルムを得た。
実施例7 実施例5において、冷却ゾーンの長さLとフイルム幅
Wとの比L/W=3.0とする以外は実施例5と同様にして二
軸配向ナイロン−6フイルムを得た。
比較例5 実施例5において、冷却工程を行わない以外はすべて
実施例5と同様にして二軸配向ナイロン−6フイルムを
得た。
比較例6 実施例5において、冷却ゾーンの温度を80℃とする以
外は実施例5と同様にして二軸配向ナイロン−6フイル
ムを得た。
比較例7 実施例7において、冷却ゾーンの温度を80℃とする以
外は実施例7と同様にして二軸配向ナイロン−6フイル
ムを得た。
実施例と比較例における製膜条件と異方性指標及び製
袋カールの程度の測定結果を表1に示す。
(発明の効果) 比較例(冷却を行なわないか、冷却工程を有しても冷
却温度がガラス転移点温度以上の場合)は、異方性指標
が大きいが、本発明の実施例では熱可塑性樹脂フイルム
を横延伸、熱固定する工程において発生するボーイング
現象を抑制し、フイルムの幅方向に均一な物性(異方性
指標が小さい)を有するフイルムを製造できることがわ
かる。
【図面の簡単な説明】
第1図は分子配向角の定義を示したものである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも横方向に延伸され熱固定(加熱
    体接触を除く)された熱可塑性樹脂フイルムにおいて、
    任意のフイルム幅方向でのマイクロ波によって測定され
    る分子配向角の変化(異方性指標)が(1)式を満足す
    ることを特徴とする熱可塑性樹脂フイルム。 Δθor×W/Wf≦64.0 ……(1) ((1)式において、Δθorはフイルムの任意の2点で
    のマイクロ波によって測定される分子配向角の差
    (゜)、Wfは任意の2点間のフイルム幅(m)、Wはテ
    ンター出口でのクリップ間距離(m)を意味する。)
JP18917290A 1989-10-16 1990-07-17 熱可塑性樹脂延伸フイルム Expired - Lifetime JP2917443B2 (ja)

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EP19900119558 EP0423630B1 (en) 1989-10-16 1990-10-12 A thermoplastic resin film and a method for producing the same
DE69032307T DE69032307T2 (de) 1989-10-16 1990-10-12 Thermoplastische Kunststoffolie und Verfahren zu ihrer Herstellung
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Cited By (1)

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