JP2914304B2 - スクータ型車両 - Google Patents
スクータ型車両Info
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- JP2914304B2 JP2914304B2 JP8170432A JP17043296A JP2914304B2 JP 2914304 B2 JP2914304 B2 JP 2914304B2 JP 8170432 A JP8170432 A JP 8170432A JP 17043296 A JP17043296 A JP 17043296A JP 2914304 B2 JP2914304 B2 JP 2914304B2
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、シート前方を下
方へ深く湾入させてステップボードを敷いたスクータ型
車両に関する。 【0002】 【従来の技術】いわゆるスクータに代表されるように、
運転者シート前方を低く湾入させてステップボードを敷
設し、シート下方からエンジンや後輪の上方をボディカ
バーで覆って外装するようにしたスクータ型車両では、
ボディカバー内に燃料タンクやオイルタンクなどの機器
や物入れ用の収納ボックスを配設し、収納ボックスの上
方開口を開閉自在にしたシートを蓋代わりにしたものが
多い。 【0003】この物入れ用の収納ボックスには、ライダ
の着用するヘルメットを常時格納するために比較的収納
容量を大きくする要求がある(例えば特開昭60−15
4964号公報および特開昭61−282178号公
報)。 【0004】しかし、収納ボックスの収納容量を大きく
構成すると、シート下方のボディカバーが大型化して横
巾が増大するばかりでなく、シート高が高くなり、シー
トを低く構えるスクータには採用できないという問題が
ある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】従来のスクータ型車両
のように、シート下に収納ボックスを設けたものでは、
ヘルメットなどを格納できる容量を収納ボックスに確保
するとシート下ボディの大型化、シートの高位置化を招
くという問題があった。 【0006】この発明は、上述した事情を考慮してなさ
れたもので、シート下を避けて収納ボックスを配置する
ことによってシート下のボディを小型・スリム化し、シ
ート高を低くするとともに、乗車姿勢を安定的に保つバ
ックシートを備え、しかも、大容量の収納空間を形成し
た収納ボックスを安定的に確保できるスクータ型車両を
提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明に係るスクータ型車両は、運転者シートの
前方を下方へ深く湾入させてステップ部を設けたスクー
タ型車両において、略水平シリンダのユニットスイング
式エンジンの前部を運転者シート下方のメインフレーム
に揺動自在に支持させ、上記ユニットスイング式エンジ
ンの後端に後輪を一体に支持し、上記ユニットスイング
式エンジンのシリンダ部と運転者シートとの間に燃料タ
ンクを配置し、上記運転者シート下方の燃料タンクをユ
ニットスイング式エンジンの略水平シリンダより前方に
延出させ、上記燃料タンクはシリンダ前方延出部分のボ
リュームを大きく形成する一方、上記燃料タンクの少な
くとも後部壁を後上方に傾斜させ、タンク底部壁を後輪
上端部の高さ位置より下方に位置させ、上記燃料タンク
の前部上壁に燃料注入口を設け、前記運転者用シート後
方に、シート着座面より上方まで収納空間を膨出させた
収納ボックスを設け、上記収納ボックスの底面より燃料
タンクの底面を下方に位置させ、上記運転者シートと収
納ボックスとの間にバックシートを設けたものである。 【0008】このスークタ型車両においては、シート下
に収納ボックスを配置する必要がなく、水平シリンダの
ユニットスイング式エンジンを搭載し、シリンダを前方
にほぼ水平方向に前傾させ、このユニットスイング式エ
ンジンの上方に対向する燃料タンクの少なくとも後部側
を後上方に傾斜させて形成したから、シート下のボディ
の小型・スリム化を図ることができ、運転者シートのシ
ート着座面を下方に下げ、シート高は低く構えることが
できる。また、運転者シート後方に収納ボックスを設
け、この収納ボックスはシート着座面より上方まで収納
空間を膨出させたので、収納ボックスの大容量化を図る
ことができ、ヘルメットを安定的に楽に収納できる。 【0009】また、運転者シートと収納ボックスの間に
バックシートを設けたので、このバックシートにより運
転者の荷重(体重)を背面側にも分散して腰の負担を軽
減し、乗車姿勢を安定的に保つことができ、長距離およ
び長時間運転しても疲れない快適性を得ることができ
る。 【0010】 【発明の実施の形態】以下この発明に係るスクータ型車
両の一実施形態について添付図面を参照して説明する。 【0011】図1はこの発明に係るスクータ型車両の一
実施形態を示す側面図である。 【0012】このスクータ型車両は前輪1の操舵用ハン
ドル2と、運転者シート3との間を下方へ深く湾入させ
た形をとり、このシート3はハンドル2より充分に低く
設置して、シート3後端にはバックレストとしてのバッ
クシート4が立設される。運転者シート3の着座面はヘ
ッドパイプ6の略中央部高さに相当する高さレベルに設
けられる。 【0013】スクータ型車両は車体フレームにヘッドパ
イプ6から後下方に延びるダウンフレームとしてのメイ
ンフレーム5を有する。メインフレーム5はヘッドパイ
プ6から後下方へ下がって後方へ導かれ、足乗せ空間が
形成された後、メインフレーム後部5aは後上方へ屈曲
して例えばシート3後端部下まで斜め上方に延びてい
る。このメインフレーム後端には補助フレーム7の前側
下端が左右両側から固着される。補助フレーム7の中間
部は収納ボックス24の外側方に沿って後方へ斜め上方
に延び、その後端部は左右一対が互いに接続されてルー
プ状に構成される。 【0014】エンジン8は後輪9と一体、あるいは一体
的に構成されたパワーユニットとしてのユニットスイン
グ式エンジンが採用される。このユニットスイング式エ
ンジン8は略水平シリンダ8aを備え、シリンダ8aが
ほぼ水平方向に前傾されている。ユニットスイング式エ
ンジン8はメインフレーム後部5aの前下部から延びる
ブラケット10に枢支されてメインフレーム5に揺動自
在に支持される一方、後部側が緩衝ユニット11によっ
て緩衝懸架される。 【0015】ヘッドパイプ6およびメインフレーム5前
部には湾入形状前部を形成するレッグシールド12が配
置され、メインフレーム5底部にはステップボード13
が敷設される。このステップボード13およびレッグシ
ールド12により足乗せ空間が形成される。そして、シ
ート3の下方およびバックシート4の後方からエンジン
8および後輪9の上方にかけて、ボディカバー14が被
覆される。ボディカバー14は一体成形によりもしくは
数部品を一体的に結合することにより構成され、メイン
フレーム後部5aおよび補助フレーム7に固定される。
15はリヤフェンダを示す。 【0016】ボディカバー14はシート3下に位置する
燃料タンク21を覆うボディカバー前部14aを備え、
このボディカバー前部14aの上面には開口16があ
き、この開口16を運転者シート3が塞いで覆設され
る。このシート3は前端下面がヒンジ17で枢支され、
前部をヒンジ中心として開閉自在な構造となり、前上方
へ開くことができる。 【0017】一方、運転者シート3の後部側にバックシ
ート4が立設されており、このバックシート4の後方に
上方へ隆起したボディカバー後部14bが形成される。
このボディカバー後部14bには、前面に開口18があ
き、バックシート4がこの開口18を塞いで覆設され
る。バックシート4は上端後面がヒンジ19で枢支さ
れ、このヒンジ19を中心として前上方へ直立位置まで
開くことができるようになっている。バックシート4は
少なくともライダの腰部をサポートし、ライダの腰部を
安定させる機能を備えている。バックシート4を閉じた
ときはバックシート4下端がシート3後端上面に重なる
ように設定される。20はバックシート4を閉じた位置
でロックする施錠装置を示す。 【0018】一方、ボディカバー前部14a内には燃料
タンク21、オイルタンク22が、そのキャップ21
a,22bをボディカバー前部14aの上方開口16か
ら露出するように配備される。23はバッテリを示す。
燃料タンク21およびオイルタンク22は図1に示すよ
うに、ユニットスイング式エンジン8の上方に対向して
設置される。すなわち、運転者シート3とユニットスイ
ング式エンジン8の略水平シリンダ部8aの間に燃料タ
ンク21が設けられる一方、燃料タンク21はユニット
スイング式エンジン8の略水平シリンダ部8aやエンジ
ン8の前方支持部より前方に大きく延出させ、ボディカ
バー前部14aに近接せしめられる。燃料タンク21は
シリンダ前方延出部分(前部部分)のボリュームが他の
部分(後部部分)より図1に示すように大きく形成され
る。また、ユニットスイング式エンジン8のシリンダ部
の上方に対向する燃料タンク21は少なくともタンク後
部壁が後上方に傾斜され、タンク底部壁が後輪上端部の
高さ位置より下方に位置させて低位置に形成する一方、
燃料タンク21の前部上壁に燃料注入口が設けられ、こ
の燃料注入口はキャップ21aで閉栓されている。ユニ
ットスイング式エンジン8の前部が運転者シート3の後
部下方位置で図1に示すように支持され、上記エンジン
8の前部と運転者シート3との間に形成される安定した
クリアランスに燃料タンク21が設置される。 【0019】他方、ボディカバー後部14b内には、図
2に示すように、開口18が共通し、ヘルメット等を収
納可能な収納ボックス24が配備される。収納ボックス
24は補助フレーム7に挟持されて挿通され、ボディカ
バー後部14bと2重構造に構成される。収納ボックス
24は左右の補助フレーム7間をブリッジするブラケッ
ト25に支承され、周りを補助フレーム7にサポートさ
れて安定的に保持される。開口18にはゴムシール26
が嵌着される。 【0020】収納ボックス24は、図1に示すように、
運転者シート3後方に設けられる。この収納ボックス2
4には運転者シート3のシート着座面より上方に膨出し
た収納空間を備える。収納ボックス24を運転者シート
3後方に、シート着座面より上方に膨出させて設けるこ
とにより、運転者シート3による高さ方向の拘束を受け
ず、収納ボックス24の大容量化を図ることができる。 【0021】しかして、運転者シート3の後方に、前方
開放口を形成した収納ボックス24が設けられ、この収
納ボックス24の開口(前方開放口)18は蓋体を兼ね
るバックシート4により覆設される。したがって、バッ
クシート4は運転者の腰部を安定化させるバックレスト
としての機能の他に、収納ボックス24やボディカバー
後部14aの共通の開口18を開閉自在に覆う蓋体とし
ての機能を有し、収納ボックス24の専用蓋が不要とな
るので、構造の簡素化が図れる。 【0022】このように、バックシート4を運転者シー
ト3のシート着座面後方に位置させ、運転者シート3と
収納ボックス24との間に設けることにより、運転者の
荷重(体重)を背面側にも分散させることができる。バ
ックシート4を採用することで運転者の腰部を安定的に
保持し、臀部側に集中していた荷重を背面側にも分散さ
せて腰部への荷重負担を軽減させ、腰痛の原因を有効的
に除去できる。したがって、バックーシト4の存在によ
り加減速の繰り返しによる運転者の尻がずれるシートズ
レを防止でき、安定した乗車姿勢を保持でき、長距離・
長時間運転しても疲れにくい快適性が得られるこのスク
ータ型車両においては、運転者シート3の後方に収納ボ
ックス24を設けたので、収納ボックス24の上部側高
さが運転者シート等で拘束されることなく、フリーとな
る。したがって、収納ボックス24は運転者シート3後
方に大きく隆起させることができ、収納ボックス24は
ヘルメットを収納するのに充分な大きさに設定できる。 【0023】ボディカバー前部14aには運転者シート
3のシート着座面下に収納ボックス24を配設する必要
がなく、シート下を避けて配置することにより、スペー
スに余裕ができ、シート下ボディの小型化・スリム化を
図ることができる。また、運転者シート3は、ユニット
スイング式エンジン8に略水平シリンダ8aを採用する
とともに、シート3下方に収納ボックス24を設けない
ので、シート高を低く構えることができ、そのシート着
座面をヘッドパイプ6の略中央部高さ位置に相当する低
レベルに設定することができる。 【0024】運転者シート3を低く構えると、ライダの
姿勢はその分直立または反った状態になり、バックシー
ト4は収納ボックス24の前方開放口(開口)18を覆
う蓋体を兼ねているので、多機能化を図ることができ、
その分、収納ボックス24専用の蓋が不要となり構造を
簡素化することができる。同時に運転シート3の下方に
は燃料タンク21やオイルタンク22などを配し、シー
ト3を開閉して給油できるようになっている。 【0025】一方、ヒンジ17,19廻りに開閉可能な
運転者シート3とバックシート4とは、先端部を互いに
直交させ、接触させることによって、1つの施錠装置2
0により、運転者シート3とバックシート4の双方をロ
ックすることができる。施錠装置20は、開閉頻度の高
い方、上記例ではバックシート4側を直接ロックするよ
うに設けることによって、より実用的になる。 【0026】 【発明の効果】以上に述べたように本発明に係るスクー
タ型車両は、略水平シリンダを備えたユニットスイング
式エンジンを搭載して上述した構成を備えたので、運転
者シートの下方にヘルメット収納高さを必要とする収納
ボックスの配置を不要とし、運転者シートのシート着座
面を下方に下げることができ、シート下ボディの小型・
スリム化を図って、足着き性を改善し、乗り降り性を良
好にし、ゆったりした着座姿勢で安定した走行フィーリ
ングを楽しむことができる。 【0027】また、運転者シートを下方に下げても、ユ
ニットスイング式エンジンに略水平シリンダを採用し、
ユニットスイング式エンジンの前部を運転者シート下方
のメインフレームに揺動自在に支持させたので、エンジ
ン支持位置を後方にシフトさせることができ、ユニット
スイング式エンジンの略水平シリンダ部と運転者シート
との間に安定した大きなクリアランスを確保でき、この
クリアランスを利用して燃料タンクをタンク底部壁が後
輪上端部の高さ位置より下方に位置させる一方、略水平
シリンダ部より前方に燃料タンクを延出させ、この燃料
タンクの前方延出部分のボリュームを大きくしたから、
運転者シート下方空間を有効に利用して燃料タンクを効
率良く配置し、タンク容量を充分に確保することができ
る。 【0028】また、燃料タンク底面を収納ボックス底面
より下方に位置させて運転者シートを下方に下げ、低く
しても、収納ボックスは運転シート下を避けて運転者シ
ート後方側に、シート着座面より上方に膨出させて配置
したので、収納ボックスは運転者シート等による高さ方
向の制限を受けず、収納ボックスの大容量化を図ること
ができ、収納ボックスにヘルメットなどを充分かつ安定
的に収納できる。 【0029】また、運転者シートと収納ボックスの間に
バックシートを設けたので、このバックシートにより運
転車の荷重(体重)を背面側に分散して腰の負担を軽減
し、乗車姿勢を安定的に保つことができ、長距離・長時
間運転しても疲れない快適性を得ることができる。
方へ深く湾入させてステップボードを敷いたスクータ型
車両に関する。 【0002】 【従来の技術】いわゆるスクータに代表されるように、
運転者シート前方を低く湾入させてステップボードを敷
設し、シート下方からエンジンや後輪の上方をボディカ
バーで覆って外装するようにしたスクータ型車両では、
ボディカバー内に燃料タンクやオイルタンクなどの機器
や物入れ用の収納ボックスを配設し、収納ボックスの上
方開口を開閉自在にしたシートを蓋代わりにしたものが
多い。 【0003】この物入れ用の収納ボックスには、ライダ
の着用するヘルメットを常時格納するために比較的収納
容量を大きくする要求がある(例えば特開昭60−15
4964号公報および特開昭61−282178号公
報)。 【0004】しかし、収納ボックスの収納容量を大きく
構成すると、シート下方のボディカバーが大型化して横
巾が増大するばかりでなく、シート高が高くなり、シー
トを低く構えるスクータには採用できないという問題が
ある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】従来のスクータ型車両
のように、シート下に収納ボックスを設けたものでは、
ヘルメットなどを格納できる容量を収納ボックスに確保
するとシート下ボディの大型化、シートの高位置化を招
くという問題があった。 【0006】この発明は、上述した事情を考慮してなさ
れたもので、シート下を避けて収納ボックスを配置する
ことによってシート下のボディを小型・スリム化し、シ
ート高を低くするとともに、乗車姿勢を安定的に保つバ
ックシートを備え、しかも、大容量の収納空間を形成し
た収納ボックスを安定的に確保できるスクータ型車両を
提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明に係るスクータ型車両は、運転者シートの
前方を下方へ深く湾入させてステップ部を設けたスクー
タ型車両において、略水平シリンダのユニットスイング
式エンジンの前部を運転者シート下方のメインフレーム
に揺動自在に支持させ、上記ユニットスイング式エンジ
ンの後端に後輪を一体に支持し、上記ユニットスイング
式エンジンのシリンダ部と運転者シートとの間に燃料タ
ンクを配置し、上記運転者シート下方の燃料タンクをユ
ニットスイング式エンジンの略水平シリンダより前方に
延出させ、上記燃料タンクはシリンダ前方延出部分のボ
リュームを大きく形成する一方、上記燃料タンクの少な
くとも後部壁を後上方に傾斜させ、タンク底部壁を後輪
上端部の高さ位置より下方に位置させ、上記燃料タンク
の前部上壁に燃料注入口を設け、前記運転者用シート後
方に、シート着座面より上方まで収納空間を膨出させた
収納ボックスを設け、上記収納ボックスの底面より燃料
タンクの底面を下方に位置させ、上記運転者シートと収
納ボックスとの間にバックシートを設けたものである。 【0008】このスークタ型車両においては、シート下
に収納ボックスを配置する必要がなく、水平シリンダの
ユニットスイング式エンジンを搭載し、シリンダを前方
にほぼ水平方向に前傾させ、このユニットスイング式エ
ンジンの上方に対向する燃料タンクの少なくとも後部側
を後上方に傾斜させて形成したから、シート下のボディ
の小型・スリム化を図ることができ、運転者シートのシ
ート着座面を下方に下げ、シート高は低く構えることが
できる。また、運転者シート後方に収納ボックスを設
け、この収納ボックスはシート着座面より上方まで収納
空間を膨出させたので、収納ボックスの大容量化を図る
ことができ、ヘルメットを安定的に楽に収納できる。 【0009】また、運転者シートと収納ボックスの間に
バックシートを設けたので、このバックシートにより運
転者の荷重(体重)を背面側にも分散して腰の負担を軽
減し、乗車姿勢を安定的に保つことができ、長距離およ
び長時間運転しても疲れない快適性を得ることができ
る。 【0010】 【発明の実施の形態】以下この発明に係るスクータ型車
両の一実施形態について添付図面を参照して説明する。 【0011】図1はこの発明に係るスクータ型車両の一
実施形態を示す側面図である。 【0012】このスクータ型車両は前輪1の操舵用ハン
ドル2と、運転者シート3との間を下方へ深く湾入させ
た形をとり、このシート3はハンドル2より充分に低く
設置して、シート3後端にはバックレストとしてのバッ
クシート4が立設される。運転者シート3の着座面はヘ
ッドパイプ6の略中央部高さに相当する高さレベルに設
けられる。 【0013】スクータ型車両は車体フレームにヘッドパ
イプ6から後下方に延びるダウンフレームとしてのメイ
ンフレーム5を有する。メインフレーム5はヘッドパイ
プ6から後下方へ下がって後方へ導かれ、足乗せ空間が
形成された後、メインフレーム後部5aは後上方へ屈曲
して例えばシート3後端部下まで斜め上方に延びてい
る。このメインフレーム後端には補助フレーム7の前側
下端が左右両側から固着される。補助フレーム7の中間
部は収納ボックス24の外側方に沿って後方へ斜め上方
に延び、その後端部は左右一対が互いに接続されてルー
プ状に構成される。 【0014】エンジン8は後輪9と一体、あるいは一体
的に構成されたパワーユニットとしてのユニットスイン
グ式エンジンが採用される。このユニットスイング式エ
ンジン8は略水平シリンダ8aを備え、シリンダ8aが
ほぼ水平方向に前傾されている。ユニットスイング式エ
ンジン8はメインフレーム後部5aの前下部から延びる
ブラケット10に枢支されてメインフレーム5に揺動自
在に支持される一方、後部側が緩衝ユニット11によっ
て緩衝懸架される。 【0015】ヘッドパイプ6およびメインフレーム5前
部には湾入形状前部を形成するレッグシールド12が配
置され、メインフレーム5底部にはステップボード13
が敷設される。このステップボード13およびレッグシ
ールド12により足乗せ空間が形成される。そして、シ
ート3の下方およびバックシート4の後方からエンジン
8および後輪9の上方にかけて、ボディカバー14が被
覆される。ボディカバー14は一体成形によりもしくは
数部品を一体的に結合することにより構成され、メイン
フレーム後部5aおよび補助フレーム7に固定される。
15はリヤフェンダを示す。 【0016】ボディカバー14はシート3下に位置する
燃料タンク21を覆うボディカバー前部14aを備え、
このボディカバー前部14aの上面には開口16があ
き、この開口16を運転者シート3が塞いで覆設され
る。このシート3は前端下面がヒンジ17で枢支され、
前部をヒンジ中心として開閉自在な構造となり、前上方
へ開くことができる。 【0017】一方、運転者シート3の後部側にバックシ
ート4が立設されており、このバックシート4の後方に
上方へ隆起したボディカバー後部14bが形成される。
このボディカバー後部14bには、前面に開口18があ
き、バックシート4がこの開口18を塞いで覆設され
る。バックシート4は上端後面がヒンジ19で枢支さ
れ、このヒンジ19を中心として前上方へ直立位置まで
開くことができるようになっている。バックシート4は
少なくともライダの腰部をサポートし、ライダの腰部を
安定させる機能を備えている。バックシート4を閉じた
ときはバックシート4下端がシート3後端上面に重なる
ように設定される。20はバックシート4を閉じた位置
でロックする施錠装置を示す。 【0018】一方、ボディカバー前部14a内には燃料
タンク21、オイルタンク22が、そのキャップ21
a,22bをボディカバー前部14aの上方開口16か
ら露出するように配備される。23はバッテリを示す。
燃料タンク21およびオイルタンク22は図1に示すよ
うに、ユニットスイング式エンジン8の上方に対向して
設置される。すなわち、運転者シート3とユニットスイ
ング式エンジン8の略水平シリンダ部8aの間に燃料タ
ンク21が設けられる一方、燃料タンク21はユニット
スイング式エンジン8の略水平シリンダ部8aやエンジ
ン8の前方支持部より前方に大きく延出させ、ボディカ
バー前部14aに近接せしめられる。燃料タンク21は
シリンダ前方延出部分(前部部分)のボリュームが他の
部分(後部部分)より図1に示すように大きく形成され
る。また、ユニットスイング式エンジン8のシリンダ部
の上方に対向する燃料タンク21は少なくともタンク後
部壁が後上方に傾斜され、タンク底部壁が後輪上端部の
高さ位置より下方に位置させて低位置に形成する一方、
燃料タンク21の前部上壁に燃料注入口が設けられ、こ
の燃料注入口はキャップ21aで閉栓されている。ユニ
ットスイング式エンジン8の前部が運転者シート3の後
部下方位置で図1に示すように支持され、上記エンジン
8の前部と運転者シート3との間に形成される安定した
クリアランスに燃料タンク21が設置される。 【0019】他方、ボディカバー後部14b内には、図
2に示すように、開口18が共通し、ヘルメット等を収
納可能な収納ボックス24が配備される。収納ボックス
24は補助フレーム7に挟持されて挿通され、ボディカ
バー後部14bと2重構造に構成される。収納ボックス
24は左右の補助フレーム7間をブリッジするブラケッ
ト25に支承され、周りを補助フレーム7にサポートさ
れて安定的に保持される。開口18にはゴムシール26
が嵌着される。 【0020】収納ボックス24は、図1に示すように、
運転者シート3後方に設けられる。この収納ボックス2
4には運転者シート3のシート着座面より上方に膨出し
た収納空間を備える。収納ボックス24を運転者シート
3後方に、シート着座面より上方に膨出させて設けるこ
とにより、運転者シート3による高さ方向の拘束を受け
ず、収納ボックス24の大容量化を図ることができる。 【0021】しかして、運転者シート3の後方に、前方
開放口を形成した収納ボックス24が設けられ、この収
納ボックス24の開口(前方開放口)18は蓋体を兼ね
るバックシート4により覆設される。したがって、バッ
クシート4は運転者の腰部を安定化させるバックレスト
としての機能の他に、収納ボックス24やボディカバー
後部14aの共通の開口18を開閉自在に覆う蓋体とし
ての機能を有し、収納ボックス24の専用蓋が不要とな
るので、構造の簡素化が図れる。 【0022】このように、バックシート4を運転者シー
ト3のシート着座面後方に位置させ、運転者シート3と
収納ボックス24との間に設けることにより、運転者の
荷重(体重)を背面側にも分散させることができる。バ
ックシート4を採用することで運転者の腰部を安定的に
保持し、臀部側に集中していた荷重を背面側にも分散さ
せて腰部への荷重負担を軽減させ、腰痛の原因を有効的
に除去できる。したがって、バックーシト4の存在によ
り加減速の繰り返しによる運転者の尻がずれるシートズ
レを防止でき、安定した乗車姿勢を保持でき、長距離・
長時間運転しても疲れにくい快適性が得られるこのスク
ータ型車両においては、運転者シート3の後方に収納ボ
ックス24を設けたので、収納ボックス24の上部側高
さが運転者シート等で拘束されることなく、フリーとな
る。したがって、収納ボックス24は運転者シート3後
方に大きく隆起させることができ、収納ボックス24は
ヘルメットを収納するのに充分な大きさに設定できる。 【0023】ボディカバー前部14aには運転者シート
3のシート着座面下に収納ボックス24を配設する必要
がなく、シート下を避けて配置することにより、スペー
スに余裕ができ、シート下ボディの小型化・スリム化を
図ることができる。また、運転者シート3は、ユニット
スイング式エンジン8に略水平シリンダ8aを採用する
とともに、シート3下方に収納ボックス24を設けない
ので、シート高を低く構えることができ、そのシート着
座面をヘッドパイプ6の略中央部高さ位置に相当する低
レベルに設定することができる。 【0024】運転者シート3を低く構えると、ライダの
姿勢はその分直立または反った状態になり、バックシー
ト4は収納ボックス24の前方開放口(開口)18を覆
う蓋体を兼ねているので、多機能化を図ることができ、
その分、収納ボックス24専用の蓋が不要となり構造を
簡素化することができる。同時に運転シート3の下方に
は燃料タンク21やオイルタンク22などを配し、シー
ト3を開閉して給油できるようになっている。 【0025】一方、ヒンジ17,19廻りに開閉可能な
運転者シート3とバックシート4とは、先端部を互いに
直交させ、接触させることによって、1つの施錠装置2
0により、運転者シート3とバックシート4の双方をロ
ックすることができる。施錠装置20は、開閉頻度の高
い方、上記例ではバックシート4側を直接ロックするよ
うに設けることによって、より実用的になる。 【0026】 【発明の効果】以上に述べたように本発明に係るスクー
タ型車両は、略水平シリンダを備えたユニットスイング
式エンジンを搭載して上述した構成を備えたので、運転
者シートの下方にヘルメット収納高さを必要とする収納
ボックスの配置を不要とし、運転者シートのシート着座
面を下方に下げることができ、シート下ボディの小型・
スリム化を図って、足着き性を改善し、乗り降り性を良
好にし、ゆったりした着座姿勢で安定した走行フィーリ
ングを楽しむことができる。 【0027】また、運転者シートを下方に下げても、ユ
ニットスイング式エンジンに略水平シリンダを採用し、
ユニットスイング式エンジンの前部を運転者シート下方
のメインフレームに揺動自在に支持させたので、エンジ
ン支持位置を後方にシフトさせることができ、ユニット
スイング式エンジンの略水平シリンダ部と運転者シート
との間に安定した大きなクリアランスを確保でき、この
クリアランスを利用して燃料タンクをタンク底部壁が後
輪上端部の高さ位置より下方に位置させる一方、略水平
シリンダ部より前方に燃料タンクを延出させ、この燃料
タンクの前方延出部分のボリュームを大きくしたから、
運転者シート下方空間を有効に利用して燃料タンクを効
率良く配置し、タンク容量を充分に確保することができ
る。 【0028】また、燃料タンク底面を収納ボックス底面
より下方に位置させて運転者シートを下方に下げ、低く
しても、収納ボックスは運転シート下を避けて運転者シ
ート後方側に、シート着座面より上方に膨出させて配置
したので、収納ボックスは運転者シート等による高さ方
向の制限を受けず、収納ボックスの大容量化を図ること
ができ、収納ボックスにヘルメットなどを充分かつ安定
的に収納できる。 【0029】また、運転者シートと収納ボックスの間に
バックシートを設けたので、このバックシートにより運
転車の荷重(体重)を背面側に分散して腰の負担を軽減
し、乗車姿勢を安定的に保つことができ、長距離・長時
間運転しても疲れない快適性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るスクータ型車両の一実施形態を
示す側面図。 【図2】図1のA−A矢視による要部の拡大断面図。 【符号の説明】 3 運転者シート 4 バックシート 5 メインフレーム 6 ヘッドパイプ 7 補助フレーム 8 ユニットスイング式エンジン(パワーユニット) 8a 水平シリンダ 12 レッグシールド 13 ステップボード 14 ボディカバー 14a ボディカバー前部 14b ボディカバー後部 16 開口 17 ヒンジ 18 開口(前方開放口) 19 ヒンジ 20 施錠装置 21 燃料タンク 22 オイルタンク 23 バッテリ 24 収納ボックス
示す側面図。 【図2】図1のA−A矢視による要部の拡大断面図。 【符号の説明】 3 運転者シート 4 バックシート 5 メインフレーム 6 ヘッドパイプ 7 補助フレーム 8 ユニットスイング式エンジン(パワーユニット) 8a 水平シリンダ 12 レッグシールド 13 ステップボード 14 ボディカバー 14a ボディカバー前部 14b ボディカバー後部 16 開口 17 ヒンジ 18 開口(前方開放口) 19 ヒンジ 20 施錠装置 21 燃料タンク 22 オイルタンク 23 バッテリ 24 収納ボックス
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名)
B62J 9/00
B62J 1/28
B62J 35/00
B62K 11/06
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.運転者シートの前方を下方へ深く湾入させてステッ
プ部を設けたスクータ型車両において、略水平シリンダ
のユニットスイング式エンジンの前部を運転者シート下
方のメインフレームに揺動自在に支持させ、上記ユニッ
トスイング式エンジンの後端に後輪を一体に支持し、上
記ユニットスイング式エンジンのシリンダ部と運転者シ
ートとの間に燃料タンクを配置し、上記運転者シート下
方の燃料タンクをユニットスイング式エンジンの略水平
シリンダより前方に延出させ、上記燃料タンクはシリン
ダ前方延出部分のボリュームを大きく形成する一方、上
記燃料タンクの少なくとも後部壁を後上方に傾斜させ、
タンク底部壁を後輪上端部の高さ位置より下方に位置さ
せ、上記燃料タンクの前部上壁に燃料注入口を設け、前
記運転者用シート後方に、シート着座面より上方まで収
納空間を膨出させた収納ボックスを設け、上記収納ボッ
クスの底面より燃料タンクの底面を下方に位置させ、上
記運転者シートと収納ボックスとの間にバックシートを
設けたことを特徴とするスクータ型車両。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8170432A JP2914304B2 (ja) | 1996-06-28 | 1996-06-28 | スクータ型車両 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8170432A JP2914304B2 (ja) | 1996-06-28 | 1996-06-28 | スクータ型車両 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62163095A Division JP2826104B2 (ja) | 1987-06-30 | 1987-06-30 | スクータ型車両 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08324473A JPH08324473A (ja) | 1996-12-10 |
JP2914304B2 true JP2914304B2 (ja) | 1999-06-28 |
Family
ID=15904815
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8170432A Expired - Fee Related JP2914304B2 (ja) | 1996-06-28 | 1996-06-28 | スクータ型車両 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2914304B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59193790U (ja) * | 1983-05-26 | 1984-12-22 | スズキ株式会社 | オ−トバイのオイルタンク |
JP2536735B2 (ja) * | 1985-06-12 | 1996-09-18 | ヤマハ発動機株式会社 | スク−タの収納装置 |
JPH07110625B2 (ja) * | 1985-08-09 | 1995-11-29 | ヤマハ発動機株式会社 | スク−タ型車輛の物入れ装置 |
-
1996
- 1996-06-28 JP JP8170432A patent/JP2914304B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08324473A (ja) | 1996-12-10 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees | ||
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |