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JP2911819B2 - コンクリートブロックを連結してなる箱状構造物の構築工法及びそれに用いるコンクリート製箱形ブロック - Google Patents

コンクリートブロックを連結してなる箱状構造物の構築工法及びそれに用いるコンクリート製箱形ブロック

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JP2911819B2
JP2911819B2 JP14827096A JP14827096A JP2911819B2 JP 2911819 B2 JP2911819 B2 JP 2911819B2 JP 14827096 A JP14827096 A JP 14827096A JP 14827096 A JP14827096 A JP 14827096A JP 2911819 B2 JP2911819 B2 JP 2911819B2
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box
air vent
vent hole
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hole
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志伸 小林
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Hokukon Co Ltd
Original Assignee
Hokukon Co Ltd
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Publication date
Application filed by Hokukon Co Ltd filed Critical Hokukon Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連通状態に配置さ
れたコンクリート製箱形ブロックの複数個の全体を線状
の緊締材で連結一体化することにより、暗渠や共同溝、
地下道等の箱状構造物を構築する構築工法に関するもの
である。又、連通状態に配置されたコンクリート製箱形
ブロックの複数個とその両端に配置されるコンクリート
製端面板の全体を線状の緊締材で連結一体化することに
より、貯水槽や地下室等の容器状をなす箱状構造物を構
築する構築工法に関するものである。更に、これらの構
築工法に用いるコンクリート製箱形ブロックに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】コンクリート製箱形ブロック相互を線状
の緊締材を用いて連結する従来工法の一例は、箱形ブロ
ックの四隅部に貫設された挿通孔に緊締材を挿通せし
め、所要箱形ブロックの隅部内面側に凹設された凹陥部
において該緊締材の端部を定着せしめ、然る後、該凹陥
部にモルタルを充填して該充填部を型板で塞ぎ、モルタ
ル硬化後にその型板を除去していた。
【0003】しかしながら、かかる従来の連結工法によ
るときは、箱形ブロックの内部でモルタル充填作業を行
うため、この充填の際にモルタルが凹陥部の周辺に付着
することが多く、特に、上側2個の凹陥部に充填する際
には塗着モルタルの一部が落下しやすく、これらによっ
て箱形ブロックの内面が汚れる問題があった。加えて、
上部の凹陥部にモルタル充填する作業は、上向き姿勢と
なって施工性が著しく悪い問題もあった。又、端部が開
放された水路を構築する場合はまだしも、防火水槽や地
下室等の両端が閉塞された箱状構造物を構築する場合に
は、吸管投入孔(図1に符号aで示す)や階段形成用の
開口部を通して箱状構造物内部にモルタルや充填用具等
を持ち運ぶ必要があるために、その持ち運びに面倒さが
伴い且つ作業性が悪かった。取り分け防火水槽の場合
は、吸管投入孔の直径が60cm程度で、人が入るには
窮屈で、水槽内部にモルタル等を運搬するのに非常な困
難が伴った。
【0004】かかる問題点を解決せんとして、実公平8
−6859号公報が開示するブロック相互の連結工法が
提案されている。この連結工法で用いるコンクリート製
箱形ブロックは、その四隅部分の内面に凹陥部が設けら
れ、その内の上側の2個に、上方に延びる2個の流出孔
が設けられてなる。そして、前記緊締材を該凹陥部にお
いて定着させた後、該凹陥部を蓋板で閉塞し、その後、
一方の流通孔から凹陥部内にグラウトを注入し、それに
伴い他方の流通孔から凹陥部内の空気を排出せしめ、該
他方の流通孔からグラウトが溢流したことを以て、凹陥
部内へのグラウト充填を確認していた。
【0005】かかる工法によるときは、ブロックの外面
側より凹陥部へのグラウト充填を行い得るため、凹陥部
にモルタルを充填して型板で塞ぐ前記連結工法による場
合のように、凹陥部周辺へのモルタルの付着によって箱
状構造物内部を汚すことがない他、防火水槽におけるよ
うに狭い吸管投入孔を通してモルタル等を箱状構造物内
に運搬しなければならないといった困難もなく、該工法
は、施工性の面において改良されたものと言える。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
構築工法によるときにも次のような問題点があり、更に
改良の余地があった。以下これを具体的に説明する。
【0007】前記のように、流通孔は間隔をおいて2個
設けられている。今、一方の流通孔よりグラウトを注入
すると、グラウトが上から注入されるために、注入液面
に波立ちが生じてグラウトが飛び跳ねやすく、この飛び
跳ねたグラウトが排気用の流通孔に進入する場合があ
る。このように進入すると、排気の円滑性が損なわれ
て、グラウト充填部内に気泡が残存する恐れがあった。
特にモルタル等の粘性の大きい液体を注入した場合に
は、排気用の流通孔がグラウトで詰まりやすく、別途空
気抜き孔を現場形成しなければならないことにもなる。
又、流通孔内に進入したグラウトがブロック外に溢流し
たときには、これをもって、凹陥部内がグラウトで充填
されたとの誤認が生ずる恐れもあり、凹陥部内への充填
が不完全となることがあった。又、定着用のアンカープ
レートや固定具、キャップ等からなる突起物が存する凹
陥部内にグラウト等を上から注入することから、この突
起物の下側(定着部下側)に空洞が生じやすかった。こ
れがために、定着部の腐食や充填部の強度低下を招く恐
れがあったのである。
【0008】前記のような排気効率の低下や排気用の流
通孔が詰まる恐れを回避する必要から、更には、凹陥部
内へのグラウトの注入状態を目視で確認する必要から、
流通孔の径を極力大きくせざるを得なかったのである
が、流通孔を大きく形成することは、箱形ブロックの補
強のために配筋される鉄筋を凹陥部で途切れさせる等、
箱形ブロックの構造的な弱化等を招く原因ともなる。そ
れ故、流通孔の径には限度があり、従って、前記問題点
を回避しにくかったのである。
【0009】このように従来の上側注入方式によるとき
は、気泡を残存させることなく凹陥部内をグラウト等で
密実に充填できないという問題があったのである。
【0010】又前記連結工法によるときは、箱形ブロッ
ク毎に、その凹陥部にグラウト充填を行わなければなら
ず、施工能率が悪い問題もあった。
【0011】本発明は、かかる問題点を解決して、凹陥
部内へのグラウト充填を確実に行ってブロック相互を連
結できる、コンクリートブロックを連結してなる箱状構
造物の構築工法の提供を目的とするものである。又、該
構築工法に用いるコンクリート製箱形ブロックの提供を
目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明は以下の手段を採用する。即ち、本発明に係
るコンクリートブロックを連結してなる箱状構造物の構
築工法(以下構築工法という)の一は、前後端が開放さ
れたコンクリート製箱形ブロックの複数個を、その端部
相互を連通状態に配置し、線状の緊締材でその全体を連
結一体化する工程を経る箱状構造物の構築工法である。
【0013】そして、前記箱形ブロックの周縁部の、所
要間隔をおいた複数個所において、前記緊締材の挿通孔
が、配置された箱形ブロックの全体について、その配置
方向に連通した状態に貫設されると共に、前記箱形ブロ
ックの所要のものには、その内面側で且つブロック長さ
方向の中間部位において連結用の凹陥部が設けられ、該
凹陥部に前記挿通孔が開口されてなり、又、所要の凹陥
部の頂部には、上方に延びてブロック外に開放する空気
抜き孔が連通せしめられ、該空気抜き孔の上端が栓体に
より閉止可能とされている。
【0014】又、前記連通した挿通孔に前記緊締材を挿
通し、これを緊張状態にしてその端部を前記凹陥部に定
着させた後、該凹陥部の前記開口を蓋板で閉塞し、その
後、前記連通した挿通孔の一端側からグラウトを注入
し、前記所要の凹陥部においては、挿通孔の下側から凹
嵌部内にグラウトを流入させるものとし、該凹陥部内へ
のグラウトの流入に伴って前記空気抜き孔から排気せし
め、流入グラウトが前記空気抜き孔から流出した後に該
空気抜き孔を前記栓体で封止することを特徴とするもの
である。
【0015】又本発明に係る構築工法の他は、前後端が
開放されたコンクリート製箱形ブロックの複数個を、そ
の端部相互を連通状態に配置すると共に、その両端を閉
塞するようにコンクリート製端面板を配置し、線状の緊
締材でその全体を連結一体化する工程を経る箱状構造物
の構築工法である。
【0016】そして、前記端面板及び箱形ブロックの周
縁部の、所要間隔をおいた複数個所において、前記緊締
材の挿通孔が、この端面板及び配置された箱形ブロック
の全体について、その配置方向に連通した状態に貫設さ
れると共に、前記箱形ブロックの所要のものには、その
内面側で且つブロック長さ方向の中間部位には連結用の
凹陥部が設けられ、該凹陥部に前記挿通孔が開口されて
なり、又、所要の凹陥部の頂部には、上方に延びてブロ
ック外に開放する空気抜き孔が連通せしめられ、該空気
抜き孔の上端が栓体により閉止可能とされてなる。
【0017】又、前記連通した挿通孔に前記緊締材を挿
通し、これを緊張状態にしてその端部を前記凹陥部に定
着させた後、該凹陥部の前記開口を蓋板で閉塞し、その
後、前記連通した挿通孔の一端側(一方の端面板側)か
らグラウトを注入し、前記所要の凹陥部においては、挿
通孔の下側から凹嵌部内にグラウトを流入させるものと
し、該凹陥部内へのグラウトの流入に伴って前記空気抜
き孔から排気せしめ、流入グラウトが前記空気抜き孔か
ら流出した後に該空気抜き孔を前記栓体で封止すること
を特徴とするものである。
【0018】又本発明に係る構築工法のより好ましい態
様は、前後端が開放されたコンクリート製箱形ブロック
の複数個を、その端部相互を連通状態に配置すると共
に、その両端を閉塞するようにコンクリート製端面板を
配置し、線状の緊締材でその全体を連結一体化する工程
を経る箱状構造物の構築工法である。
【0019】そして、前記端面板及び箱形ブロックの四
隅部において、前記緊締材の挿通孔が、配置された箱形
ブロックの全体についてその配置方向に連通した状態に
貫設されると共に、前記箱形ブロックの所要のものに
は、その四隅部の内面側で且つブロック長さ方向の中間
部位には連結用の凹陥部が設けられ、該凹陥部に前記挿
通孔が開口されてなり、又、四隅部の凹陥部のうち上側
の2個は下方に開口(斜め下方や真下に開口する)し、
その頂部には、上方に延びてブロック外に開放する空気
抜き孔が連通せしめられ、該空気抜き孔の上端が栓体に
より閉止可能とされてなる。
【0020】又、前記連通した挿通孔に前記緊締材を挿
通し、これを緊張状態にしてその端部を前記凹陥部に定
着させた後、該凹陥部の前記開口を蓋板で閉塞し、その
後、前記連通した挿通孔の一端側(一方の端面板側)か
らグラウトを注入し、前記の上側2個の凹陥部において
は、挿通孔の下側から凹嵌部内にグラウトを流入させる
ものとし、該凹陥部内へのグラウトの流入に伴って前記
空気抜き孔から排気せしめ、流入グラウトが前記空気抜
き孔から流出した後に該空気抜き孔を前記栓体で封止す
ることを特徴とするものである。
【0021】前記構築工法で用いる、空気抜き孔付きの
凹陥部が設けられた箱形ブロックとしては、次の構成の
ものを用いるのがよい。該箱形ブロックは、凹陥部と空
気抜き孔とを、ブロック成形時にコンクリートに埋設さ
れた型枠で形成してなり、該型枠は、下方に開口する中
空箱状体の頂部に筒体を立設してなり、該筒体の下端が
前記箱状体の内部に連通されると共に、その上端がブロ
ック外に開放されてなる。
【0022】前記各構築工法において、緊締材の定着の
ために、次の構成を有する支持プレートを用いるとよ
い。この支持プレートは、線状の緊締材を挿通する透孔
に、グラウト流出用の長孔を連設してなる。その使用に
際しては、凹陥部に突出した緊締材の端部分を前記透孔
に挿通せしめ且つ前記長孔が下向きとなるように該支持
プレートを配置し、該緊締材の端部分を、このように配
置された支持プレートを介して凹陥部に定着せしめ、こ
の定着状態で、前記長孔により、箱形ブロックの挿通孔
と凹陥部とを連通させる。
【0023】前記各構築工法において、栓体として、空
気抜き孔の上部内面に設けた雌ネジ部に螺合しうるボル
トとして形成されたものを用いるのがよい。該栓体のボ
ルトのネジ軸には、その軸線に沿って延び且つ下端がネ
ジ軸の下端で開口すると共に上端がネジ軸の周面で開口
する通気孔が設けられており、ボルトを緩めた状態で
は、ネジ軸の周面の開口がブロック外に露出し、空気抜
き孔がこの通気孔を通してブロック外に開放する一方、
ボルトを締め付けた状態では、ネジ軸の周面の開口が空
気抜き孔の内周面で閉じられて、空気抜き孔がボルトで
封止状態となるように構成されている。
【0024】栓体をボルトとして構成する場合、そのネ
ジ軸の周面部に、その中間部位からネジ軸の下端に向か
って連続する所要幅の溝部又は所要幅の平坦面を設け、
ボルトを緩めた状態では、該溝部又は平坦面と空気抜き
孔の内周面との間で形成された通気孔がブロック外に開
放する一方、ボルトを締め付けた状態では、空気抜き孔
がボルトで封止されるように構成することもできる。
【0025】前記構築工法で用いる、空気抜き孔付きの
凹陥部が設けられた箱形ブロックとしては、次の構成の
ものを用いるのがよい。該箱形ブロックは、前後端が開
放されたコンクリート製箱形ブロックであって、その上
下左右の四隅部において、線状の緊締材を挿通させうる
挿通孔がブロック長さ方向に貫設されており、四隅部の
内面側で且つブロック長さ方向の中間部位には連結用の
凹陥部が設けられ、上側に位置する2個の凹陥部は下方
に開口(斜め下方や真下に開口)し、その頂部には、上
方に延びてブロック外に開放する空気抜き孔が連通され
てなり、該凹陥部と空気抜き孔は、ブロック成形時にコ
ンクリートに埋設された型枠で形成されており、該型枠
は、下方に開放する箱状体の頂部に筒体を立設してな
り、該筒体の下端が前記箱状体の内部に連通されると共
に、その上端がブロック外に開放され、該筒体の上端が
栓体により閉止可能とされていることを特徴とするもの
である。
【0026】又本発明に係る箱形ブロックの他の態様
は、前後端が開放されたコンクリート製箱形ブロックで
あって、その周縁部の、所要間隔をおいた複数個所にお
いて、線状の緊締材を挿通させうる挿通孔がブロック長
さ方向に貫設されると共に、ブロック内面側で且つブロ
ック長さ方向の中間部位には連結用の凹陥部が設けら
れ、該凹陥部に前記挿通孔が開口されてなり、又、所要
の凹陥部の頂部には、上方に延びてブロック外に開放す
る空気抜き孔が連通せしめられ、該空気抜き孔の上端が
栓体により閉止可能とされている。そして前記栓体は、
空気抜き孔の上部内面に設けた雌ネジ部に螺合しうるボ
ルトとして形成されており、該ボルトのネジ軸には、そ
の軸線に沿って延び且つ下端がネジ軸の下端で開口する
と共に上端がネジ軸の周面で開口する通気孔が設けられ
ており、ボルトを緩めた状態では、ネジ軸の周面の開口
がブロック外に露出し、空気抜き孔がこの通気孔を通し
てブロック外に開放する一方、ボルトを締め付けた状態
では、ネジ軸の周面の開口が空気抜き孔の内周面で閉じ
られて、空気抜き孔がボルトで封止状態となることを特
徴とするものである。
【0027】又本発明に係る箱形ブロックのその他の態
様は、前後端が開放されたコンクリート製箱形ブロック
であって、その上下左右の四隅部において、線状の緊締
材を挿通させうる挿通孔がブロック長さ方向に貫設され
ており、四隅部の内面側で且つブロック長さ方向の中間
部位には連結用の凹陥部が設けられ、上側に位置する2
個の凹陥部は下方に開口(斜め下方や真下に開口)し、
その頂部には、上方に延びてブロック外に開放する空気
抜き孔が連通されてなり、該凹陥部と空気抜き孔は、ブ
ロック成形時にコンクリートに埋設された型枠で形成さ
れており、該型枠は、下方に開放する箱状体の頂部に筒
体を立設してなり、該筒体の下端が前記箱状体の内部に
連通されると共に、その上端がブロック外に開放され、
該筒体の上端が栓体により閉止可能とされている。又前
記栓体は、空気抜き孔の上部内面に設けた雌ネジ部に螺
合しうるボルトとして形成されており、該ボルトのネジ
軸には、その軸線に沿って延び且つ下端がネジ軸の下端
で開口すると共に上端がネジ軸の周面で開口する通気孔
が設けられており、ボルトを緩めた状態では、ネジ軸の
周面の開口がブロック外に露出し、空気抜き孔がこの通
気孔を通してブロック外に開放する一方、ボルトを締め
付けた状態では、ネジ軸の周面の開口が空気抜き孔の内
周面で閉じられて、空気抜き孔がボルトで封止状態とな
ることを特徴とするものである。
【0028】又本発明に係る箱形ブロックのその他の態
様は、前後端が開放されたコンクリート製箱形ブロック
であって、その上下左右の四隅部において、線状の緊締
材を挿通させうる挿通孔がブロック長さ方向に貫設され
ており、四隅部の内面側で且つブロック長さ方向の中間
部位には連結用の凹陥部が設けられ、上側に位置する2
個の凹陥部は下方に開口(斜め下方や真下に開口)し、
その頂部には、上方に延びてブロック外に開放する空気
抜き孔が連通されてなり、該凹陥部と空気抜き孔は、ブ
ロック成形時にコンクリートに埋設された型枠で形成さ
れており、該型枠は、下方に開放する箱状体の頂部に筒
体を立設してなり、該筒体の下端が前記箱状体の内部に
連通されると共に、その上端がブロック外に開放され、
該筒体の上端が栓体により閉止可能とされている。そし
て前記栓体は、空気抜き孔の上部内面に設けた雌ネジ部
に螺合しうるボルトとして形成されており、該ボルトの
ネジ軸の周面部には、その中間部位からネジ軸の下端に
向かって連続する所要幅の溝部又は所要幅の平坦面を設
け、ボルトを緩めた状態では、該溝部又は平坦面と空気
抜き孔の内周面との間で形成された通気孔がブロック外
に開放する一方、ボルトを締め付けた状態では、空気抜
き孔がボルトで封止されることを特徴とする特徴とする
ものである。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明に係る構築工法を
防火水槽1の構築に応用した場合を示すものであり、前
後端が開放された横断面外形が矩形状を呈するコンクリ
ート製箱形ブロック2の複数個を、その端部相互を連通
状態に配置すると共に、その両端を閉塞するようにコン
クリート製端面板3,3を配置し、線状の緊締材5を用
いてその全体を連結一体化するものである。
【0030】前記箱形ブロック2は、緊締材5を挿通さ
せるための挿通孔6が4隅部に貫設されており、特に、
中間に位置する箱形ブロック2aには、図2〜3に示す
ように、入り隅部分の中央部位に位置させて、矩形状に
開口する連結用の凹陥部7が凹設され、前記挿通孔6
が、この凹陥部7の長さ方向の両端面8,8の中央部位
で開口せしめられている。
【0031】前記凹陥部7は本実施の形態においては、
図4〜5に示すような、下方に開口9する鋼製箱状体1
0をブロック成形時に埋設して形成されており、その開
口端周縁の各辺の中央部外面には、インサートとなるナ
ット11が固着されている。かかる箱状体10の埋設に
よって形成された凹陥部7の周縁部分には、矩形板状の
蓋板12(図5)を嵌着させるための嵌合凹部13が形
成されている。そして該嵌合凹部13に嵌め込まれた蓋
板12は、その周縁部に穿孔されたボルト孔15を挿通
する固定ボルト16が前記ナット11に螺合され緊締さ
れることによって、凹陥部7を閉塞する。
【0032】そして、下側に位置する2個の凹陥部7
a,7aは、図3に示すように、その深さ方向を斜め4
5度下方に向けて設けられている。一方、上側に位置す
る2個の凹陥部7b,7bは、その深さ方向を斜め45
度上方に向けて設けられており、凹陥部7bの頂部の水
平面部17において、上方に延びてブロック外に開放す
る空気抜き孔19が連通されてなる。この空気抜き孔1
9は、本実施の形態においては、前記箱状体10の形成
する前記水平面部17に穿孔した透孔20に貫通孔21
を合致させて、例えば樹脂製の筒体22を垂直に立設し
て形成されている。
【0033】該筒体22の上端は、図5〜6に示すよう
に、ブロック外面に設けた凹部23の底面25で開放し
ており、その貫通孔21の上端側の部分には、図5〜6
に示すように、ボルト26aを以てなる栓体26をねじ
込み可能とする雌ネジ部27が設けられている。このボ
ルト26aのネジ軸29には、図6〜7に示すように、
その軸線に沿って延び且つ下端がネジ軸の下端で開口3
0すると共に上端がネジ軸の長さ方向の中央部位の周面
で開口31するL字状の通気孔32が設けられている。
【0034】そして該ボルト26aを緩めた状態では、
図6に示すように、ネジ軸29の周面における開口31
がブロック外に露出し、前記空気抜き孔19がこの通気
孔32を通してブロック外に開放する。一方栓体26を
締め付けた状態では、図5に示すように、ネジ軸の周面
の開口31が空気抜き孔の内周面33で閉塞されて該空
気抜き孔19が閉止される。この状態で、前記凹部23
にボルト頭35が納まる。
【0035】又前記端面板3は、矩形板状をなし、その
四隅部には、前記箱形ブロック2の四隅部に設けた挿通
孔6に連通せしめられ且つ緊締材5を挿通させるための
挿通孔6が設けられると共に、その外端面には、挿通孔
6を底部中央に位置させた状態で連結用凹部37が凹設
されている。この連結用凹部37は、図8に示すように
カバー板39で閉塞可能となされ、その周縁部が固定ボ
ルト40で端面板3に固定される。そして、一方のカバ
ー板39aには、グラウト注入部41を挿入させうる注
入口41aが設けられ、他方のカバー板39bには、ネ
ジ式栓42により封止可能の排気孔42aが設けられて
いる。又前記線状の緊締材5としては、鋼棒や鋼の撚り
線を用いることができる。
【0036】然して、前記箱形ブロック2及び端面板3
を用いて図1に示す防火水槽1を構築するには、基礎コ
ンクリート43上に、前記箱形ブロック2の複数個をそ
の端部相互を連通状態に配置する。その際、中央に位置
する箱形ブロック2として、前記凹陥部7を具えるもの
を用いる。このように連通状態に配置された箱形ブロッ
ク集合体の両端に端面板3,3を配置して後、緊締材5
としての前記撚り線を用いてその全体を連結一体化す
る。
【0037】この連結一体化は二段階に分けて行う。先
ず、一方の端面板3aとそれに連なる三個の箱形ブロッ
ク2c,2b,2aの連通した挿通孔6,6,6に撚り
線としての緊締材5を挿通し、図8〜9に示すように、
該緊締材5の、前記凹陥部7内に突出した端部分45及
び前記連結用凹部側の部分46に、夫々支持プレート4
7を介してグリップ49を嵌めた後、端面板側でこの緊
締材5を緊張させ、この状態で、外方側の端部分を該グ
リップ49により端面板3に固定する。
【0038】この緊締材5の緊張に伴うブロックの引き
寄せにより、図1に示すように、端面板3及び三個の箱
形ブロック2c,2b,2aは密接状態に連結一体化さ
れることになる。なお、上側の凹陥部の右側に配置され
る支持プレート47a(図9)としては、図10に示す
ような、緊締材5を挿通させうる透孔50に、外周方向
に延び且つ凹陥部7と挿通孔6とを連通させる長孔51
が連設された鍵孔状透孔52を有するものを用い、該支
持プレート47aは、この長孔51を垂下状態にして前
記端部分45に嵌められている。一方、連結用凹部37
内に配置される支持プレート47としては、図8に示す
ように、連結用凹部37と挿通孔6とを連通させる連通
孔53が設けられたものを用いる。
【0039】その後、他方の端面板3b及びそれに連な
る箱形ブロック2e,2d,2aにも緊締材5を挿通せ
しめ、前記と同様に該緊締材5を緊張状態とし、その両
端部分45,46を前記と同様にして凹陥部7及び端面
板3bの連結用凹部37に定着させ、この緊締材5の緊
張に伴うブロックの引き寄せにより、図1に示すよう
に、端面板3b及び三個の箱形ブロック2e,2d,2
aは密接状態に連結一体化されることになる。
【0040】その後、栓体26であるボルト26aを、
図6に示すように、通気孔32の上端開口31がブロッ
ク外に露出するように緩めた状態にすると共に、凹陥部
7及び両端面板3,3に係る連結用凹部37を、夫々、
鋼板や合成樹脂板等としての蓋板12、カバー板39で
閉じ且つボルト固定する。その後、一方の端面板3aに
設けた注入口41aからグラウトを注入すると、グラウ
トは、支持プレート47の連通孔53より図8に矢印で
示すように挿通孔6内に流入し、然る後、前記凹陥部7
内に流入する。
【0041】この凹陥部7内への流入は、図8〜9に示
すように、前記鍵孔状透孔52の長孔51が垂下状態に
配置されていることから、この長孔51より、定着部を
なす突起部55の下側で行われ、それに伴い、凹陥部7
内の空気が前記ボルト(栓体)26aの通気孔32から
順次排出される。なおグラウトの液面56(図5)の上
昇は、グラウトを流通孔を介して上から流入させる従来
工法における場合とは異なり、静かに行われる。そし
て、前記通気孔32の上端よりグラウトが流出したこと
を以て、凹陥部7内がグラウトで充填されたと確認し、
前記ボルト(栓体)26aを締め付けて、図5に示すよ
うに、空気抜き孔の内周面33で通気孔32の上端開口
31を閉じる。
【0042】このようにして空気抜き孔19を封止する
と、凹陥部7内のグラウトの圧力が高まり、その後に注
入されたグラウトが、図9に示す左側の支持プレート4
7bの長孔51を通して次の箱形ブロック2の挿通孔6
に流入し、図8に矢印で示すように、他方の端面板3b
に設けた連結用凹部37内に流入する。それに伴い、該
連結用凹部37内の空気がカバー板の排気口42aより
順次排出され、この排気口42aからグラウトが溢流し
たことを以て、グラウト注入を止める。その後、排気口
42aを前記ネジ式栓42で封止する。これにより、連
通状態の挿通孔6と凹陥部7及び両方の連結用凹部3
7,37の全体にグラウトが充填された状態となしう
る。
【0043】そして、下側に位置する2個の凹陥部7,
7を含む連通状態の挿通孔6,6にも、一方の端面板3
aに係るカバー板の注入口からグラウトを注入し、他方
の端面板3bに係るカバー板の排気口からのグラウト流
出によって、連通状態の挿通孔6と凹陥部7及び両連結
用凹部37,37の全体にグラウトが充填された状態と
する。以上の工程を経ることにより、箱形ブロック2と
端面板3,3の全体が連結一体化される。
【0044】本実施の形態においては、L字状に折曲す
る通気孔32を有するボルトを栓体26としているた
め、ボルトの頭部が庇として機能することにより、例え
雨天時における作業においても、通気孔32から空気抜
き孔19に雨が進入するのを極力防止でき、強度の高い
充填部を形成できることになる。
【0045】このように充填されたグラウトが硬化する
と、挿通孔における硬化物は、緊締材周囲の隙間を埋め
て該緊締材をブロックと一体化させる。これにより、ブ
ロックの接合部分が外力を受けてずれるのを確実に防止
しうると共に、緊締材を剪断補強材として有効に機能さ
せうる。又挿通孔6や凹陥部7、連結用凹部37におけ
るグラウト硬化物は、緊締材5や支持プレート47、グ
リップ49を被覆して防錆機能を発揮すると共に、凹陥
部7や連結用凹部37をコンクリートブロックと一体化
させ、この凹陥部や連結用凹部を補強しうる。
【0046】 〔その他の実施の形態〕 1)図11は、線状の緊締材5の端部分を凹陥部7に定
着させる他の態様を示すものであり、緊締材として、端
部分59がネジ軸として形成された鋼棒を用い、この端
部分59に、凹陥部7と挿通孔6とを挿通させる挿通孔
61を有する支持プレート47を嵌め且つナット60を
螺合しこれを緊締してなる。
【0047】2)本発明においては、挿通孔の下側から
凹陥部内にグラウトを流入させることとしているが、そ
の構成は、前記実施の形態で示した鍵孔状の長孔51を
具える支持プレートを用いる場合の他、図11に示すよ
うに、凹陥部7と挿通孔6とを連通させる連通孔61が
下向き状態で設けられた支持プレートを用いることもで
きる。或いは、図12に示すように、支持プレート47
の周辺部分をなす、凹陥部7の内面部分に、凹陥部7と
挿通孔6とを連通させる連通用の凹溝62を設ける態様
としてもよい。
【0048】3)本発明に係る箱状構造物は、両端が端
面板で閉塞されない暗渠や共同溝、地下道等の箱状をな
す構造物全般を指す他、両端が端面板で閉塞されて内部
空間を有する容器状をなす防火水槽を含む貯水槽一般や
地下室等を指す。
【0049】4)栓体26をボルトを以て形成する場
合、該ボルトのネジ軸29の周面部に、図13に示すよ
うに、その中間部位からネジ軸の下端に向かって連続す
る所要幅の溝部63を設けたり、或いは図14に示すよ
うに、所要幅の平坦面65を設ける構成とすることもあ
る。この場合、ボルトを緩めた状態では、該溝部63又
は平坦面65と空気抜き孔19の内周面33との間で前
記通気孔66を形成する一方、ボルトを締め付けた状態
では、前記空気抜き孔19が該ボルトで封止される。
【0050】5)空気抜き孔を封止する栓体は、前記ネ
ジ式のものの他、圧入式のものであってもよい。
【0051】6)空気抜き孔は、多少斜めの状態で上方
に延設してもよい。
【0052】7)本発明の工法において、構築すべき箱
状構造物の延長方向の長さが大なるときは、凹陥部を有
する箱形ブロックを所要間隔で複数個組み込む。
【0053】8)図15は、箱形ブロック2の他の態様
を示すものであり、上部分がアーチ状に形成されてい
て、その下端、中間及び上端の左右において、線状の緊
締材を挿通させうる挿通孔6が貫設されており、ブロッ
ク内面側で且つブロック長さ方向の中間部位には連結用
の凹陥部7が設けられ、各凹陥部7の頂部には、上方に
延びてブロック外に開放する空気抜き孔19が連通され
てなり、該空気抜き孔19の上端が栓体により閉止可能
とされている。
【0054】9)前記実施の形態において、前記連結用
凹部37に配置される支持プレート47の連通孔53よ
り直接的にグラウトを充填してもよい。
【0055】10)本発明に係る箱形ブロックは、上下
二分割されたブロック体を連結して構成されてもよい。
【0056】11)箱状構造物が地下室である場合、端
面板が、空堀に連通する窓開口部を有するものに構成さ
れることもある。
【0057】
【発明の効果】本発明は以下の如き優れた効果を奏す
る。 本発明は、コンクリートブロック相互を緊締材
で連結した後、凹陥部を蓋板で閉塞し、該凹陥部を介し
て連通した挿通孔の一端からグラウトを充填する構成を
採用する。従って、ブロック相互を連結した後に凹陥部
にモルタルを充填しこれを蓋板で塞ぐ従来工法とは異な
り、箱状構造物内へのモルタル等の運搬が必要でなく連
結施工を能率化できると共に、凹陥部をモルタルで充填
する際にその周辺をモルタルで汚すといった従来の問題
点も解消できる。
【0058】 本発明は、所要凹陥部へのグラウト充
填を、挿通孔の下側から行うこととしている。そのた
め、緊締材の定着部分の下側を含めた凹陥部の全体に密
実にグラウトを充填することができ、安定した強度の充
填部を形成できることになる。又このグラウト充填は、
従来のような上からの充填ではないため、液面を静かに
上昇させつつ行うことができ、凹陥部内の空気を、凹陥
部の頂部に設けた空気抜き孔より円滑に排気させること
ができる。その結果、従来のように、飛び跳ねたグラウ
トが空気抜き孔内に進入して排気を困難としたり或いは
進入したグラウトの流出を以て凹陥部内の充填を誤認し
てしまうといった問題も解消できる。
【0059】 本発明によるときは、連通した挿通孔
の一端からグラウトを注入するため、従来のように、グ
ラウト等の充填と排気のために2個の流通孔を設けると
いった必要がなく、一個の空気抜き孔を設けるだけよ
い。しかも、前記のように空気抜き孔から円滑な排気を
行わせることができ、又従来のように充填状態を目視で
確認する必要もないことから、この空気抜き孔は小径に
形成してよい。かかることから、径の大きい2個の排気
孔を設けることに伴って箱形ブロックの補強用鉄筋の配
置に障害が生ずる恐れのあった従来の問題点を解消でき
ることとなる。又本発明によるときは、連通した挿通孔
と凹陥部の全体に同時にグラウトを充填することがで
き、前記実公平8−6859号におけるように、凹陥部
毎に充填する必要がなく、グラウト充填作業を能率的に
行うことができる。
【0060】 栓体として、通気孔が設けられ或いは
溝部や平坦面が形成されたボルトを用いるときは、雨天
時の施工であってもボルトの頭部が庇となるため、空気
抜き孔に雨水が進入する恐れを極力回避でき、高品質の
グラウト充填部を形成できることになる。又ボルトをね
じ込むことによって空気抜き孔を閉止できるため、充填
グラウトの圧力に逆らって、その閉止を容易に行うこと
ができる。
【0061】 箱形ブロックの上側の凹陥部を、箱状
体の頂部に筒体を立設させた埋め込み式の型枠を用いて
構成するときは、凹陥部に対する空気抜き孔の位置が自
ずから定まるため、空気抜き孔を有する凹陥部を精度よ
く且つ容易に形成できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を応用して構築した防火水槽を示す斜視
図である。
【図2】空気抜き孔が連通された凹陥部を具える箱形ブ
ロックを示す斜視図である。
【図3】その断面図である。
【図4】凹陥部及び空気抜き孔を構成する埋め込み式の
型枠を示す斜視図である。
【図5】凹陥部及び空気抜き孔を説明する断面図であ
る。
【図6】空気抜き孔の閉止手段を説明する断面図であ
る。
【図7】ボルトからなる栓体を示す斜視図である。
【図8】端面板における緊締材の定着状態を説明する断
面図である。
【図9】凹陥部における緊締材の定着状態を説明する断
面図である。
【図10】グラウト流出用の孔を具えた支持プレートの
使用方法を説明する斜視図である。
【図11】凹陥部における緊締材の他の定着状態を説明
する断面図である。
【図12】凹陥部内にグラウトを流出させる他の手段を
説明する斜視図である。
【図13】ボルトからなる栓体の他の例を示す斜視図で
ある。
【図14】ボルトからなる栓体のその他の例を示す斜視
図である。
【図15】箱形ブロックの他の態様を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 防火水槽 2 箱形ブロック 3 端面板 5 緊締材 6 挿通孔 7 凹陥部 9 開口 10 箱状体 12 蓋板 19 空気抜き孔 22 筒体 26 栓体 30 開口 31 開口 32 通気孔 33 内周面 37 連結用凹部 39 カバー板 47 支持プレート 50 透孔 51 長孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E03F 3/04

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前後端が開放されたコンクリート製箱形
    ブロックの複数個を、その端部相互を連通状態に配置
    し、線状の緊締材でその全体を連結一体化する工程を経
    る箱状構造物の構築工法であって、 前記箱形ブロックの周縁部の、所要間隔をおいた複数個
    所において、前記緊締材の挿通孔が、配置された箱形ブ
    ロックの全体について、その配置方向に連通した状態に
    貫設されると共に、前記箱形ブロックの所要のものに
    は、その内面側で且つブロック長さ方向の中間部位にお
    いて連結用の凹陥部が設けられ、該凹陥部に前記挿通孔
    が開口されてなり、又、所要の凹陥部の頂部には、上方
    に延びてブロック外に開放する空気抜き孔が連通せしめ
    られ、該空気抜き孔の上端が栓体により閉止可能とされ
    てなり、 前記連通した挿通孔に前記緊締材を挿通し、これを緊張
    状態にしてその端部を前記凹陥部に定着させた後、該凹
    陥部の前記開口を蓋板で閉塞し、その後、前記連通した
    挿通孔の一端側からグラウトを注入し、前記所要の凹陥
    部においては、挿通孔の下側から凹嵌部内にグラウトを
    流入させるものとし、該凹陥部内へのグラウトの流入に
    伴って前記空気抜き孔から排気せしめ、流入グラウトが
    前記空気抜き孔から流出した後に該空気抜き孔を前記栓
    体で封止することを特徴とする箱状構造物の構築工法。
  2. 【請求項2】 前後端が開放されたコンクリート製箱形
    ブロックの複数個を、その端部相互を連通状態に配置す
    ると共に、その両端を閉塞するようにコンクリート製端
    面板を配置し、線状の緊締材でその全体を連結一体化す
    る工程を経る箱状構造物の構築工法であって、 前記端面板及び箱形ブロックの周縁部の、所要間隔をお
    いた複数個所において、前記緊締材の挿通孔が、この端
    面板及び配置された箱形ブロックの全体について、その
    配置方向に連通した状態に貫設されると共に、前記箱形
    ブロックの所要のものには、その内面側で且つブロック
    長さ方向の中間部位において連結用の凹陥部が設けら
    れ、該凹陥部に前記挿通孔が開口されてなり、又、所要
    の凹陥部の頂部には、上方に延びてブロック外に開放す
    る空気抜き孔が連通せしめられ、該空気抜き孔の上端が
    栓体により閉止可能とされてなり、 前記連通した挿通孔に前記緊締材を挿通し、これを緊張
    状態にしてその端部を前記凹陥部に定着させた後、該凹
    陥部の前記開口を蓋板で閉塞し、その後、前記連通した
    挿通孔の一端側(一方の端面板側)からグラウトを注入
    し、前記所要の凹陥部においては、挿通孔の下側から凹
    嵌部内にグラウトを流入させるものとし、該凹陥部内へ
    のグラウトの流入に伴って前記空気抜き孔から排気せし
    め、流入グラウトが前記空気抜き孔から流出した後に該
    空気抜き孔を前記栓体で封止することを特徴とする箱状
    構造物の構築工法。
  3. 【請求項3】 前後端が開放されたコンクリート製箱形
    ブロックの複数個を、その端部相互を連通状態に配置す
    ると共に、その両端を閉塞するようにコンクリート製端
    面板を配置し、線状の緊締材でその全体を連結一体化す
    る工程を経る箱状構造物の構築工法であって、 前記端面板及び箱形ブロックの四隅部において、前記緊
    締材の挿通孔が、配置された箱形ブロックの全体につい
    てその配置方向に連通した状態に貫設されると共に、前
    記箱形ブロックの所要のものには、その四隅部の内面側
    で且つブロック長さ方向の中間部位において連結用の凹
    陥部が設けられ、該凹陥部に前記挿通孔が開口されてな
    り、又、四隅部の凹陥部のうち上側の2個は下方に開口
    し、その頂部には、上方に延びてブロック外に開放する
    空気抜き孔が連通せしめられ、該空気抜き孔の上端が栓
    体により閉止可能とされてなり、 前記連通した挿通孔に前記緊締材を挿通し、これを緊張
    状態にしてその端部を前記凹陥部に定着させた後、該凹
    陥部の前記開口を蓋板で閉塞し、その後、前記連通した
    挿通孔の一端側(一方の端面板側)からグラウトを注入
    し、前記の上側2個の凹陥部においては、挿通孔の下側
    から凹嵌部内にグラウトを流入させるものとし、該凹陥
    部内へのグラウトの流入に伴って前記空気抜き孔から排
    気せしめ、流入グラウトが前記空気抜き孔から流出した
    後に該空気抜き孔を前記栓体で封止することを特徴とす
    る箱状構造物の構築工法。
  4. 【請求項4】 凹陥部と空気抜き孔は、ブロック成形時
    にコンクリートに埋設された型枠で形成されており、該
    型枠は、下方に開口する中空箱状体の頂部に筒体を立設
    してなり、該筒体の下端が前記箱状体の内部に連通され
    ると共に、その上端がブロック外に開放されてなること
    を特徴とする請求項1〜3の何ずれかに記載の箱状構造
    物の構築工法。
  5. 【請求項5】 線状の緊締材を挿通する透孔に、グラウ
    ト流出用の長孔が連設されてなる支持プレートを用い、
    凹陥部に突出した緊締材の端部分を前記透孔に挿通せし
    め且つ前記長孔が下向きとなるように前記支持プレート
    を配置し、該緊締材の端部分を、このように配置された
    支持プレートを介して凹陥部に定着せしめ、この定着状
    態で前記長孔が、箱形ブロックの挿通孔と凹陥部とを連
    通させるようにしたことを特徴とする請求項1〜4の何
    ずれかに記載の箱状構造物の構築工法。
  6. 【請求項6】 栓体は、空気抜き孔の上部内面に設けた
    雌ネジ部に螺合しうるボルトとして形成されており、該
    ボルトのネジ軸には、その軸線に沿って延び且つ下端が
    ネジ軸の下端で開口すると共に上端がネジ軸の周面で開
    口する通気孔が設けられており、ボルトを緩めた状態で
    は、ネジ軸の周面の開口がブロック外に露出し、空気抜
    き孔がこの通気孔を通してブロック外に開放する一方、
    ボルトを締め付けた状態では、ネジ軸の周面の開口が空
    気抜き孔の内周面で閉じられて、空気抜き孔がボルトで
    封止状態となることを特徴とする請求項1〜5の何ずれ
    かに記載の箱状構造物の構築工法。
  7. 【請求項7】 栓体は、空気抜き孔の上部内面に設けた
    雌ネジ部に螺合しうるボルトとして形成されており、該
    ボルトのネジ軸の周面部には、その中間部位からネジ軸
    の下端に向かって連続する所要幅の溝部又は所要幅の平
    坦面を設け、ボルトを緩めた状態では、該溝部又は平坦
    面と空気抜き孔の内周面との間で形成された通気孔がブ
    ロック外に開放する一方、ボルトを締め付けた状態で
    は、空気抜き孔がボルトで封止されることを特徴とする
    請求項1〜5の何ずれかに記載の箱状構造物の構築工
    法。
  8. 【請求項8】 前後端が開放されたコンクリート製箱形
    ブロックであって、その上下左右の四隅部において、線
    状の緊締材を挿通させうる挿通孔がブロック長さ方向に
    貫設されており、四隅部の内面側で且つブロック長さ方
    向の中間部位には連結用の凹陥部が設けられ、上側に位
    置する2個の凹陥部は下方に開口し、その頂部には、上
    方に延びてブロック外に開放する空気抜き孔が連通され
    てなり、該凹陥部と空気抜き孔は、ブロック成形時にコ
    ンクリートに埋設された型枠で形成されており、該型枠
    は、下方に開放する箱状体の頂部に筒体を立設してな
    り、該筒体の下端が前記箱状体の内部に連通されると共
    に、その上端がブロック外に開放され、該筒体の上端が
    栓体により閉止可能とされていることを特徴とする箱状
    構造物の構築工法に用いるコンクリート製箱形ブロッ
    ク。
  9. 【請求項9】 前後端が開放されたコンクリート製箱形
    ブロックであって、その周縁部の、所要間隔をおいた複
    数個所において、線状の緊締材を挿通させうる挿通孔が
    ブロック長さ方向に貫設されると共に、ブロック内面側
    で且つブロック長さ方向の中間部位には連結用の凹陥部
    が設けられ、該凹陥部に前記挿通孔が開口されてなり、
    又、所要の凹陥部の頂部には、上方に延びてブロック外
    に開放する空気抜き孔が連通せしめられ、該空気抜き孔
    の上端が栓体により閉止可能とされており、前記栓体
    は、空気抜き孔の上部内面に設けた雌ネジ部に螺合しう
    るボルトとして形成されており、該ボルトのネジ軸に
    は、その軸線に沿って延び且つ下端がネジ軸の下端で開
    口すると共に上端がネジ軸の周面で開口する通気孔が設
    けられており、ボルトを緩めた状態では、ネジ軸の周面
    の開口がブロック外に露出し、空気抜き孔がこの通気孔
    を通してブロック外に開放する一方、ボルトを締め付け
    た状態では、ネジ軸の周面の開口が空気抜き孔の内周面
    で閉じられて、空気抜き孔がボルトで封止状態となるこ
    とを特徴とする箱状構造物の構築工法に用いるコンクリ
    ート製箱形ブロック。
  10. 【請求項10】 栓体は、空気抜き孔の上部内面に設け
    た雌ネジ部に螺合しうるボルトとして形成されており、
    該ボルトのネジ軸には、その軸線に沿って延び且つ下端
    がネジ軸の下端で開口すると共に上端がネジ軸の周面で
    開口する通気孔が設けられており、ボルトを緩めた状態
    では、ネジ軸の周面の開口がブロック外に露出し、空気
    抜き孔がこの通気孔を通してブロック外に開放する一
    方、ボルトを締め付けた状態では、ネジ軸の周面の開口
    が空気抜き孔の内周面で閉じられて、空気抜き孔がボル
    トで封止状態となることを特徴とする請求項8記載の箱
    状構造物の構築工法に用いるコンクリート製箱形ブロッ
    ク。
  11. 【請求項11】 栓体は、空気抜き孔の上部内面に設け
    た雌ネジ部に螺合しうるボルトとして形成されており、
    該ボルトのネジ軸の周面部には、その中間部位からネジ
    軸の下端に向かって連続する所要幅の溝部又は所要幅の
    平坦面を設け、ボルトを緩めた状態では、該溝部又は平
    坦面と空気抜き孔の内周面との間で形成された通気孔が
    ブロック外に開放する一方、ボルトを締め付けた状態で
    は、空気抜き孔がボルトで封止されることを特徴とする
    特徴とする請求項8記載の箱状構造物の構築工法に用い
    るコンクリート製箱形ブロック。
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