JP2905684B2 - レ−ヨンとポリエステルの複合糸織物およびその製造法 - Google Patents
レ−ヨンとポリエステルの複合糸織物およびその製造法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は織物、特にレ−ヨンフィ
ラメントを主体とするポリエステルフィラメントとの複
合糸による嵩高で暖かみのある新質感を有する織物とそ
の製造法に関する。
ラメントを主体とするポリエステルフィラメントとの複
合糸による嵩高で暖かみのある新質感を有する織物とそ
の製造法に関する。
【0002】
【従来技術】レ−ヨンフィラメント糸は熱可塑性でない
ために、ポリエステルフィラメントの仮撚加工糸のよう
な捲縮を持つことが出来ない。従ってその織物は嵩高性
に欠け常に偏平であり、衣料用繊維では最も重い比重
1.5と相俟ってドレ−プ性の高いことを特徴とする。
また公定水分率が11%と衣料用繊維中では高い吸湿性
を有する繊維で、その織物もこの吸湿性と前述の偏平性
に起因する冷触感を有している。すなわち従来のレ−ヨ
ンフィラメント織物の風合的特徴は冷触感とドレ−プ性
と言うことが出来る。
ために、ポリエステルフィラメントの仮撚加工糸のよう
な捲縮を持つことが出来ない。従ってその織物は嵩高性
に欠け常に偏平であり、衣料用繊維では最も重い比重
1.5と相俟ってドレ−プ性の高いことを特徴とする。
また公定水分率が11%と衣料用繊維中では高い吸湿性
を有する繊維で、その織物もこの吸湿性と前述の偏平性
に起因する冷触感を有している。すなわち従来のレ−ヨ
ンフィラメント織物の風合的特徴は冷触感とドレ−プ性
と言うことが出来る。
【0003】またレ−ヨンフィラメント糸は水(分)に
対する体積膨潤率が約100%であり、膨潤−脱膨潤に
よる形態変化が激しく、熱セット性も無いので、その織
物は例えば洗濯収縮率が10%以上にもなったりするた
め、衣料用特にアウタ−衣料用には不適格であり、広く
受け入れられるものではなかった。
対する体積膨潤率が約100%であり、膨潤−脱膨潤に
よる形態変化が激しく、熱セット性も無いので、その織
物は例えば洗濯収縮率が10%以上にもなったりするた
め、衣料用特にアウタ−衣料用には不適格であり、広く
受け入れられるものではなかった。
【0004】レ−ヨンフィラメント織物に防縮性を与
え、衣料用、特にアウタ−衣料用として展開する試み
は、樹脂による後加工や熱セット性を有する合成繊維と
の複合糸等でなされている。しかしながら、この樹脂加
工や複合糸による織物は、あくまで収縮安定性等の改良
であり、上述のレ−ヨンフィラメント織物の基本的風合
特徴である冷触感とドレ−プ性を保持しようとするもの
であり、大きく変更しようとするものでは無かった。ま
してや本発明の如く新質感を提供するものではない。
え、衣料用、特にアウタ−衣料用として展開する試み
は、樹脂による後加工や熱セット性を有する合成繊維と
の複合糸等でなされている。しかしながら、この樹脂加
工や複合糸による織物は、あくまで収縮安定性等の改良
であり、上述のレ−ヨンフィラメント織物の基本的風合
特徴である冷触感とドレ−プ性を保持しようとするもの
であり、大きく変更しようとするものでは無かった。ま
してや本発明の如く新質感を提供するものではない。
【0005】
【問題を解決するための手段】本発明は、レ−ヨンフィ
ラメントを主体とする織物に形態安定性を付与するのみ
に止まらず、従来の衣料用繊維には見られなかった新質
感を提供しようとするものである。すなわち本発明は、
25重量%〜50重量%の捲縮の無いポリエステルフィ
ラメントを芯糸とし、75重量%〜50重量%のレ−ヨ
ンフィラメントを側糸とする、糸長差が15%〜25%
のレ−ヨンポリエステル複合糸からなる織物であって、
織物表面に毛羽を100個/cm2 以上有し、比容積が
3.2cm3 /g以上である織物であり、さらにまた毛
羽が1〜3個/mmの巻縮ウエ−ブを有する毛羽であ
り、比容積が4.0cm3 /g〜5.5cm3 /gであ
る織物である。
ラメントを主体とする織物に形態安定性を付与するのみ
に止まらず、従来の衣料用繊維には見られなかった新質
感を提供しようとするものである。すなわち本発明は、
25重量%〜50重量%の捲縮の無いポリエステルフィ
ラメントを芯糸とし、75重量%〜50重量%のレ−ヨ
ンフィラメントを側糸とする、糸長差が15%〜25%
のレ−ヨンポリエステル複合糸からなる織物であって、
織物表面に毛羽を100個/cm2 以上有し、比容積が
3.2cm3 /g以上である織物であり、さらにまた毛
羽が1〜3個/mmの巻縮ウエ−ブを有する毛羽であ
り、比容積が4.0cm3 /g〜5.5cm3 /gであ
る織物である。
【0006】またこれらの織物を得るために、単繊維デ
ニ−ルが4〜6デニ−ルで、最大収縮応力が250mg
/dr以上、最大収縮応力温度が125℃以上、Wsr
が20〜25%、Dsrが30〜40%、100℃での
染着率が80%以上である30dr〜75drの共重合
ポリエステルフィラメントとレ−ヨンマルチフィラメン
トをエア−交絡した複合糸を、経糸あるいは/および緯
糸として製織した後、染色加工工程において生地の縦方
向および横方向共に20%以上収縮させることを特徴と
する織物の製造方法であり、またさらに、単繊維デニ−
ルが4〜6デニ−ルで、最大収縮応力が250mg/d
r以上、最大収縮応力温度が125℃以上、Wsrが2
0〜25%、Dsrが30〜40%、100℃での染着
率が80%以上である30dr〜75drの共重合ポリ
エステルフィラメントとレ−ヨンマルチフィラメントを
300〜800回/mの撚数で合撚した後、追撚方向に
200℃以下の温度で仮撚加工して得られるWsrが5
%〜15%、Dsrが15〜25%の複合糸を、経糸あ
るいは/および緯糸として製織した後、染色加工工程に
おいて生地の縦方向および横方向共に20%以上収縮さ
せることを特徴とする織物の製造方法である。
ニ−ルが4〜6デニ−ルで、最大収縮応力が250mg
/dr以上、最大収縮応力温度が125℃以上、Wsr
が20〜25%、Dsrが30〜40%、100℃での
染着率が80%以上である30dr〜75drの共重合
ポリエステルフィラメントとレ−ヨンマルチフィラメン
トをエア−交絡した複合糸を、経糸あるいは/および緯
糸として製織した後、染色加工工程において生地の縦方
向および横方向共に20%以上収縮させることを特徴と
する織物の製造方法であり、またさらに、単繊維デニ−
ルが4〜6デニ−ルで、最大収縮応力が250mg/d
r以上、最大収縮応力温度が125℃以上、Wsrが2
0〜25%、Dsrが30〜40%、100℃での染着
率が80%以上である30dr〜75drの共重合ポリ
エステルフィラメントとレ−ヨンマルチフィラメントを
300〜800回/mの撚数で合撚した後、追撚方向に
200℃以下の温度で仮撚加工して得られるWsrが5
%〜15%、Dsrが15〜25%の複合糸を、経糸あ
るいは/および緯糸として製織した後、染色加工工程に
おいて生地の縦方向および横方向共に20%以上収縮さ
せることを特徴とする織物の製造方法である。
【0007】さらに本発明を詳しく説明する。本発明の
最大の特徴は、レ−ヨンフィラメント100%あるいは
従来のレ−ヨンフィラメントを主体とする織物が冷触感
とドレ−プ性を有しているのに対し、正反対とも言える
暖かみと嵩高性、軽量感を有していることである。本発
明は染色仕上げ後の織物の構造、ひいてはその織物から
解舒した複合糸の構造が全てである。暖かみと嵩高性は
含気率の高さと、表面の触感である。本発明では糸長差
と比容積および織物表面に突出した捲縮ウエ−ブを持つ
毛羽の数で定量化した。
最大の特徴は、レ−ヨンフィラメント100%あるいは
従来のレ−ヨンフィラメントを主体とする織物が冷触感
とドレ−プ性を有しているのに対し、正反対とも言える
暖かみと嵩高性、軽量感を有していることである。本発
明は染色仕上げ後の織物の構造、ひいてはその織物から
解舒した複合糸の構造が全てである。暖かみと嵩高性は
含気率の高さと、表面の触感である。本発明では糸長差
と比容積および織物表面に突出した捲縮ウエ−ブを持つ
毛羽の数で定量化した。
【0008】まずレ−ヨンフィラメント混率について述
べる。本発明はレ−ヨンフィラメントを主体とするもの
であって、逆のポリエステルフィラメントを主体とする
ものでは無い。従ってポリエステルフィラメントの混率
は50重量%以下である。これはポリエステルフィラメ
ント混率が50重量%を越えると、風合の主体がポリエ
ステルフィラメントとなって、本発明の質感が得られ
ず、むしろポリエステル新合繊の梳毛調風合になってし
まうためである。またポリエステルフィラメント混率が
25重量%未満では本発明の目的の1つである形態安定
性が得られない。形態安定性および新質感を得るための
混率は25重量%〜50重量%であり、より好ましくは
30重量%40重量%である。またこの時ポリエステル
フィラメントが捲縮を持たないことが重要である。ポリ
エステルフィラメントが捲縮を有していると、嵩高性は
高くなるが、混率が25重量%でも風合がポリエステル
に近似する。またポリエステルフィラメントが側糸であ
っても同様に風合がポリエステルに近似する。
べる。本発明はレ−ヨンフィラメントを主体とするもの
であって、逆のポリエステルフィラメントを主体とする
ものでは無い。従ってポリエステルフィラメントの混率
は50重量%以下である。これはポリエステルフィラメ
ント混率が50重量%を越えると、風合の主体がポリエ
ステルフィラメントとなって、本発明の質感が得られ
ず、むしろポリエステル新合繊の梳毛調風合になってし
まうためである。またポリエステルフィラメント混率が
25重量%未満では本発明の目的の1つである形態安定
性が得られない。形態安定性および新質感を得るための
混率は25重量%〜50重量%であり、より好ましくは
30重量%40重量%である。またこの時ポリエステル
フィラメントが捲縮を持たないことが重要である。ポリ
エステルフィラメントが捲縮を有していると、嵩高性は
高くなるが、混率が25重量%でも風合がポリエステル
に近似する。またポリエステルフィラメントが側糸であ
っても同様に風合がポリエステルに近似する。
【0009】次に比容積について述べる。本発明で採用
した比容積の測定方法は、本文末尾に記載した通りであ
るが、荷重は7g/cm2 でありこれは毛織物でよく採
用される。本発明ではこの比容積が3.2cm3 /g以
上であり、さらには4cm3/g〜5.5cm3 /gで
ある。この値は、従来のレ−ヨンフィラメント100%
織物が約1.5cm3 /gであること考えると極めて高
い数値である。この高い比容積(高い含気率)および後
述の毛羽によって初めて、従来のレ−ヨンフィラメント
織物の特徴である冷触感とドレ−プ性のある風合を、本
発明の暖かみと嵩高性、軽量感を持つ新質感織物とする
ことが出来る。
した比容積の測定方法は、本文末尾に記載した通りであ
るが、荷重は7g/cm2 でありこれは毛織物でよく採
用される。本発明ではこの比容積が3.2cm3 /g以
上であり、さらには4cm3/g〜5.5cm3 /gで
ある。この値は、従来のレ−ヨンフィラメント100%
織物が約1.5cm3 /gであること考えると極めて高
い数値である。この高い比容積(高い含気率)および後
述の毛羽によって初めて、従来のレ−ヨンフィラメント
織物の特徴である冷触感とドレ−プ性のある風合を、本
発明の暖かみと嵩高性、軽量感を持つ新質感織物とする
ことが出来る。
【0010】この比容積を達成するためには、まず織物
を構成するレ−ヨンフィラメントを側糸としポリエステ
ルフィラメントを芯糸とする複合糸の糸長差が15%以
上でなければならない。糸長差が15%未満では、本発
明の高い比容積は達成出来ないし、織物表面に100個
/cm2 以上の毛羽も発生しない。一方糸長差が25%
を越えると、収縮後のポリエステルフィラメントのヤン
グ率が低すぎて、織物が外力に対し伸びやすくなった
り、風合がふかつくので好ましくない。
を構成するレ−ヨンフィラメントを側糸としポリエステ
ルフィラメントを芯糸とする複合糸の糸長差が15%以
上でなければならない。糸長差が15%未満では、本発
明の高い比容積は達成出来ないし、織物表面に100個
/cm2 以上の毛羽も発生しない。一方糸長差が25%
を越えると、収縮後のポリエステルフィラメントのヤン
グ率が低すぎて、織物が外力に対し伸びやすくなった
り、風合がふかつくので好ましくない。
【0011】また本発明の4cm3 /g〜5.5cm3
/gとさらに高い比容積を達成するためには、この糸長
差を確保するだけでは不十分であり、さらに側糸である
レ−ヨンフィラメントが捲縮を持たなければならない。
前述の如くレ−ヨンフィラメントは熱可塑性で無いの
で、一見レ−ヨンフィラメントに捲縮を持たせることは
不可能のように思えるが、ポリエステルフィラメントが
本発明の如くレ−ヨンフィラメントより縮み、糸長差を
15%以上も持つ場合は可能となる。
/gとさらに高い比容積を達成するためには、この糸長
差を確保するだけでは不十分であり、さらに側糸である
レ−ヨンフィラメントが捲縮を持たなければならない。
前述の如くレ−ヨンフィラメントは熱可塑性で無いの
で、一見レ−ヨンフィラメントに捲縮を持たせることは
不可能のように思えるが、ポリエステルフィラメントが
本発明の如くレ−ヨンフィラメントより縮み、糸長差を
15%以上も持つ場合は可能となる。
【0012】すなわち、従来のレ−ヨンフィラメント1
00%糸を仮撚した場合、当然レ−ヨンフィラメントは
熱可塑性でないため強固で明確な捲縮は得られない、し
かしながら仮撚による歪み(仮撚捲縮のくせ)は残って
おり、極めて捲縮堅牢性は弱いが熱により捲縮発現す
る。レ−ヨンフィラメント100%の織物の場合、この
捲縮は染色工程において、レ−ヨンフィラメントの膨潤
−脱膨潤および染色張力によって跡形もなく消えてしま
うが、本発明ではポリエステルフィラメントがレ−ヨン
フィラメントよりも十分に収縮しており、染色張力もポ
リエステルフィラメントが吸収してしまうため、仮撚に
よる歪み(仮撚くせ)を捲縮として発現することができ
るのである。
00%糸を仮撚した場合、当然レ−ヨンフィラメントは
熱可塑性でないため強固で明確な捲縮は得られない、し
かしながら仮撚による歪み(仮撚捲縮のくせ)は残って
おり、極めて捲縮堅牢性は弱いが熱により捲縮発現す
る。レ−ヨンフィラメント100%の織物の場合、この
捲縮は染色工程において、レ−ヨンフィラメントの膨潤
−脱膨潤および染色張力によって跡形もなく消えてしま
うが、本発明ではポリエステルフィラメントがレ−ヨン
フィラメントよりも十分に収縮しており、染色張力もポ
リエステルフィラメントが吸収してしまうため、仮撚に
よる歪み(仮撚くせ)を捲縮として発現することができ
るのである。
【0013】本発明ではこの捲縮ウエ−ブが重要な意味
を持つ。1つは前述の高い比容積を確保するためであ
り、もう1つはこの捲縮ウエ−ブが本発明の15%以上
の糸長差と同時に存在する時、織物の表面に1〜3個/
mmの捲縮ウエ−ブを持つ毛羽として、100個/cm
2 以上突出し、独特のタッチを創出するためである。
を持つ。1つは前述の高い比容積を確保するためであ
り、もう1つはこの捲縮ウエ−ブが本発明の15%以上
の糸長差と同時に存在する時、織物の表面に1〜3個/
mmの捲縮ウエ−ブを持つ毛羽として、100個/cm
2 以上突出し、独特のタッチを創出するためである。
【0014】なお本発明を構成する表面に突出した毛羽
はレ−ヨンフィラメントであり、強度が弱い(約1g/
dr)ため、開端毛羽となりやすいが、本発明では開端
しないル−プ毛羽であっても、開端毛羽であっても、あ
るいは両者の混在であっても良い。この毛羽が100個
/cm2 未満では独特のスパンライクな風合効果に乏し
い。
はレ−ヨンフィラメントであり、強度が弱い(約1g/
dr)ため、開端毛羽となりやすいが、本発明では開端
しないル−プ毛羽であっても、開端毛羽であっても、あ
るいは両者の混在であっても良い。この毛羽が100個
/cm2 未満では独特のスパンライクな風合効果に乏し
い。
【0015】またなお、レ−ヨンフィラメントを単独に
仮撚し、本発明に使用の高収縮ポリエステルフィラメン
トとエア−交絡しても本発明の如き構造をなせると思わ
れるが、実際にはレ−ヨンフィラメントは強度が低く、
仮撚毛羽が多発すると同時に断糸が多発し、単独に仮撚
することは極めて至難であり、工業的に量産することは
不可能である。
仮撚し、本発明に使用の高収縮ポリエステルフィラメン
トとエア−交絡しても本発明の如き構造をなせると思わ
れるが、実際にはレ−ヨンフィラメントは強度が低く、
仮撚毛羽が多発すると同時に断糸が多発し、単独に仮撚
することは極めて至難であり、工業的に量産することは
不可能である。
【0016】比容積について本発明者らが検討した結果
(レ−ヨンフィラメントが側糸、ポリエステルフィラメ
ントが芯糸の複合糸による織物)、3.0cm3 /g以
下では従来レ−ヨンフィラメント織物が特徴としたドレ
−プ性があって冷触感を有する風合となり、3.2cm
3 /gを越えると突然暖かみと嵩高性を有する従来に無
い質感を呈するようになる。さらに本発明の如き4.0
cm3 /g以上では全く従来に無い質感を呈する。また
5.5cm3 /gを越えると嵩高性が強すぎてふかつい
て落ち感の無い、アウタ−衣料としては好ましくない風
合となる。
(レ−ヨンフィラメントが側糸、ポリエステルフィラメ
ントが芯糸の複合糸による織物)、3.0cm3 /g以
下では従来レ−ヨンフィラメント織物が特徴としたドレ
−プ性があって冷触感を有する風合となり、3.2cm
3 /gを越えると突然暖かみと嵩高性を有する従来に無
い質感を呈するようになる。さらに本発明の如き4.0
cm3 /g以上では全く従来に無い質感を呈する。また
5.5cm3 /gを越えると嵩高性が強すぎてふかつい
て落ち感の無い、アウタ−衣料としては好ましくない風
合となる。
【0017】次に本発明の織物を得る具体的方法を述べ
る。まず使用するポリエステルフィラメントについて述
べる。レ−ヨンフィラメントは前述の如く強度が低いた
め、製織前に本発明の如き糸長差を持たせると撚糸、サ
イジング等の準備工程で毛羽が発生し、製織性が極めて
悪くなる。従って本発明は製織後の染色工程で糸長差を
発現させる。このためポリエステルフィラメントは高応
力、高収縮糸でなければならない、特に仮撚後も高い収
縮性能を保持していなければならない。本発明に使用の
ポリエステルフィラメントは、最大収縮応力温度が12
5℃以上、好ましくは125℃以上150℃以下(乾
熱)、最大収縮応力が250mg/dr(乾熱)以上の
高応力でかつWsrが20〜25%およびDsrが30
〜40%である共重合高収縮糸であり、さらに100℃
での染着率が80%以上である分散易染糸である。
る。まず使用するポリエステルフィラメントについて述
べる。レ−ヨンフィラメントは前述の如く強度が低いた
め、製織前に本発明の如き糸長差を持たせると撚糸、サ
イジング等の準備工程で毛羽が発生し、製織性が極めて
悪くなる。従って本発明は製織後の染色工程で糸長差を
発現させる。このためポリエステルフィラメントは高応
力、高収縮糸でなければならない、特に仮撚後も高い収
縮性能を保持していなければならない。本発明に使用の
ポリエステルフィラメントは、最大収縮応力温度が12
5℃以上、好ましくは125℃以上150℃以下(乾
熱)、最大収縮応力が250mg/dr(乾熱)以上の
高応力でかつWsrが20〜25%およびDsrが30
〜40%である共重合高収縮糸であり、さらに100℃
での染着率が80%以上である分散易染糸である。
【0018】通常これらの収縮性能および染着率は仮撚
によって変化する。すなわちWsrDsrおよび染着率
は低下し、最大収縮応力およびその温度は高くなる。
によって変化する。すなわちWsrDsrおよび染着率
は低下し、最大収縮応力およびその温度は高くなる。
【0019】本発明に使用の仮撚後の複合糸中のポリエ
ステルフィラメントのWsrは5%〜15%、Dsrは
15〜25%、最大収縮応力は250mg/dr以上、
最大収縮応力温度は130℃以上、染着率は80%以上
である。
ステルフィラメントのWsrは5%〜15%、Dsrは
15〜25%、最大収縮応力は250mg/dr以上、
最大収縮応力温度は130℃以上、染着率は80%以上
である。
【0020】仮撚の有無にかかわらず、高応力かつ高収
縮糸であるのは、前述のごとく製織後に本発明の糸長差
を確保するためである。この時最大収縮応力が250m
g/dr未満では、織物の組織拘束力を上回って収縮す
るだけの力が得られない。また、この時、最大収縮応力
温度が125℃(乾熱)未満では、染色温度が100℃
以上になると収縮しないで、染色張力によって伸びてし
まうのでよくない。
縮糸であるのは、前述のごとく製織後に本発明の糸長差
を確保するためである。この時最大収縮応力が250m
g/dr未満では、織物の組織拘束力を上回って収縮す
るだけの力が得られない。また、この時、最大収縮応力
温度が125℃(乾熱)未満では、染色温度が100℃
以上になると収縮しないで、染色張力によって伸びてし
まうのでよくない。
【0021】一方、本発明の糸長差をえるための収縮率
については複合糸の仮撚の有無によって異なる。すなわ
ち、仮撚をしない場合には、ポリエステルフィラメント
の収縮率はWsrが20〜25%、Dsrが30〜40
%必要である。Wsrが20%未満であったり、Dsr
が30%未満であると、本発明の糸長差が確保できな
い。また、Wsrが25%を越えたり、Dsrが40%
を越えてしまうと、かえって収縮率が高過ぎて染色工程
で収縮コントロールが難しくなり、本発明の糸長差を越
えて風合がふかついてしまう。この点、仮撚した場合の
収縮率は、Wsrが5〜15%、Dsrが15〜25%
であれば、本発明の糸長差を確保できる。これは本発明
の場合、仮撚によって幾分かの糸長差(5%未満)が付
加されるためである。
については複合糸の仮撚の有無によって異なる。すなわ
ち、仮撚をしない場合には、ポリエステルフィラメント
の収縮率はWsrが20〜25%、Dsrが30〜40
%必要である。Wsrが20%未満であったり、Dsr
が30%未満であると、本発明の糸長差が確保できな
い。また、Wsrが25%を越えたり、Dsrが40%
を越えてしまうと、かえって収縮率が高過ぎて染色工程
で収縮コントロールが難しくなり、本発明の糸長差を越
えて風合がふかついてしまう。この点、仮撚した場合の
収縮率は、Wsrが5〜15%、Dsrが15〜25%
であれば、本発明の糸長差を確保できる。これは本発明
の場合、仮撚によって幾分かの糸長差(5%未満)が付
加されるためである。
【0022】本発明に使用するポリエステルフィラメン
トは共重合変性されていなければならない。これは、変
性しない通常のポリエステルでは、収縮糸は得られても
本発明の如き高応力、高収縮糸とならないこと、また、
特に一般的仮撚温度の150℃以上の熱を通過した後
で、本発明に必要な収縮性能を持つことができないため
である。この点本発明に使用の共重合変性したポリエス
テルフィラメントは、仮撚前後で前述の収縮性能を持つ
高応力かつ高収縮糸である。
トは共重合変性されていなければならない。これは、変
性しない通常のポリエステルでは、収縮糸は得られても
本発明の如き高応力、高収縮糸とならないこと、また、
特に一般的仮撚温度の150℃以上の熱を通過した後
で、本発明に必要な収縮性能を持つことができないため
である。この点本発明に使用の共重合変性したポリエス
テルフィラメントは、仮撚前後で前述の収縮性能を持つ
高応力かつ高収縮糸である。
【0023】高応力かつ高収縮糸であるのは、前述の如
く製織後に本発明の糸長差を確保するためである。この
時最大収縮応力が250mg/dr未満では、織物の組
織拘束力を上回って収縮するだけの力が得られないし、
またWsrが5%未満あるいはDsrが15%未満では
本発明に必要な15%以上の糸長差が得られない。また
この時、最大収縮応力温度が130℃(乾熱)未満で
は、染色温度が100℃以上になると収縮しないで、染
色張力によって伸びてしまうので良くないまたWsrが
25%を越えたり、Dsrが40%を越えてしまうと、
かえって収縮率が高すぎて染色工程で収縮コントロ−ル
が難しくなり、本発明の糸長差を越えて、風合がふかつ
いてしまっう。
く製織後に本発明の糸長差を確保するためである。この
時最大収縮応力が250mg/dr未満では、織物の組
織拘束力を上回って収縮するだけの力が得られないし、
またWsrが5%未満あるいはDsrが15%未満では
本発明に必要な15%以上の糸長差が得られない。また
この時、最大収縮応力温度が130℃(乾熱)未満で
は、染色温度が100℃以上になると収縮しないで、染
色張力によって伸びてしまうので良くないまたWsrが
25%を越えたり、Dsrが40%を越えてしまうと、
かえって収縮率が高すぎて染色工程で収縮コントロ−ル
が難しくなり、本発明の糸長差を越えて、風合がふかつ
いてしまっう。
【0024】また本発明に使用の高収縮糸は、100℃
での染着率が80%以上である分散易染糸であるが、こ
れはレ−ヨンは通常100℃以下の染浴中で染色される
ため、上記分散易染であればレ−ヨンとポリエステルの
同時染色が可能となり経済的に有利であるためである。
での染着率が80%以上である分散易染糸であるが、こ
れはレ−ヨンは通常100℃以下の染浴中で染色される
ため、上記分散易染であればレ−ヨンとポリエステルの
同時染色が可能となり経済的に有利であるためである。
【0025】本発明に使用のポリエステル高収縮糸は、
共重合ポリエステルからなることを必須としており、共
重合成分としては、イソフタル酸、5−金属スルホイソ
フタル酸、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加
物、ビスフェノールSアルキレンオキサイド付加物、脂
環骨格を有するジカルボン酸などを単独又は組合わせて
使用することが可能であり、前述の収縮特性を満足する
ように共重合組成や繊維化の際の各種条件を適宜設定す
ればよい。
共重合ポリエステルからなることを必須としており、共
重合成分としては、イソフタル酸、5−金属スルホイソ
フタル酸、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加
物、ビスフェノールSアルキレンオキサイド付加物、脂
環骨格を有するジカルボン酸などを単独又は組合わせて
使用することが可能であり、前述の収縮特性を満足する
ように共重合組成や繊維化の際の各種条件を適宜設定す
ればよい。
【0026】その一例を説明すると、例えば、ビスフェ
ノールAのエチレンオキサイド付加物(BPE)を4モ
ル%共重合変性した「η」が0.65のポリエステルポ
リマ−を紡糸温度290〜295℃、紡糸速度1300
m/分で紡糸し、一旦巻き取る事なく3.3倍延伸し
(温度105℃)巻き取ることで得られる。この時特に
重要なのは、「η」が0.6未満とならないことであ
る。0.6未満では本発明の収縮応力が得られない。ま
たこのポリマ−は紡糸時増粘してゲル化しやすいので
0.7以上での使用は避けるか、使用する場合は減粘剤
を添加する必要がある。また紡速が1200m/分以下
では、本発明の収縮応力が得られない。また延伸温度が
100℃以下では最大応力温度が125℃未満となる。
また変性モル数が4モル未満では本発明の収縮性能が得
られない。また変性モル数が6モルを越えると本発明の
収縮応力が得られなかったり、製糸性が悪くなる。これ
らの条件を満足して初めて本発明の収縮性能を満足する
ことができる。以上BPE変性での例を述べたが、本発
明の収縮性能を満足し、さらに分散易染性を有するポリ
エステルフィラメントであればもちろん変性剤にこだわ
るものでは無いが、すべてを満足する製糸条件は十分に
検討する必要がある。
ノールAのエチレンオキサイド付加物(BPE)を4モ
ル%共重合変性した「η」が0.65のポリエステルポ
リマ−を紡糸温度290〜295℃、紡糸速度1300
m/分で紡糸し、一旦巻き取る事なく3.3倍延伸し
(温度105℃)巻き取ることで得られる。この時特に
重要なのは、「η」が0.6未満とならないことであ
る。0.6未満では本発明の収縮応力が得られない。ま
たこのポリマ−は紡糸時増粘してゲル化しやすいので
0.7以上での使用は避けるか、使用する場合は減粘剤
を添加する必要がある。また紡速が1200m/分以下
では、本発明の収縮応力が得られない。また延伸温度が
100℃以下では最大応力温度が125℃未満となる。
また変性モル数が4モル未満では本発明の収縮性能が得
られない。また変性モル数が6モルを越えると本発明の
収縮応力が得られなかったり、製糸性が悪くなる。これ
らの条件を満足して初めて本発明の収縮性能を満足する
ことができる。以上BPE変性での例を述べたが、本発
明の収縮性能を満足し、さらに分散易染性を有するポリ
エステルフィラメントであればもちろん変性剤にこだわ
るものでは無いが、すべてを満足する製糸条件は十分に
検討する必要がある。
【0027】この時、単繊維デニ−ルは4〜6デニ−ル
である。通常のポリエステルフィラメントにあって、単
繊維デニ−ルが比較的太デニ−ルであるのは比重の高い
レ−ヨンフィラメントを側糸として抱えても、張り腰を
保ち軽量感を得るためである。4dr未満では十分な張
り腰が得られないし、6drを越えるとざらついた粗慌
なタッチとなるし、ぎらついた光沢となるためである。
である。通常のポリエステルフィラメントにあって、単
繊維デニ−ルが比較的太デニ−ルであるのは比重の高い
レ−ヨンフィラメントを側糸として抱えても、張り腰を
保ち軽量感を得るためである。4dr未満では十分な張
り腰が得られないし、6drを越えるとざらついた粗慌
なタッチとなるし、ぎらついた光沢となるためである。
【0028】一方、本発明に使用するレ−ヨンフィラメ
ントについて述べる。本発明では、ケ−ク糸では無く連
紡糸に限定する。ケ−ク糸は内、中、外層で染色性が異
なり、本発明の如く連続してポリエステルフィラメント
と複合加工する場合、糸の選別が実質的に不可能であ
り、染色斑をおこすためである。この時通常衣料用とし
て使用できる範囲であれば、単繊維デニ−ル、断面、光
沢性には特に拘らないが、好ましい単繊維デニ−ルは1
〜3デニ−ルである、単繊維デニ−ルが10デニ−ル以
上になると織物表面の毛羽数が本発明を満足しない場合
があるので注意する必要がある。また本発明には、一般
的連紡糸の収縮性能を有するもの(Wsr6%以下)で
あれば、使用できる。
ントについて述べる。本発明では、ケ−ク糸では無く連
紡糸に限定する。ケ−ク糸は内、中、外層で染色性が異
なり、本発明の如く連続してポリエステルフィラメント
と複合加工する場合、糸の選別が実質的に不可能であ
り、染色斑をおこすためである。この時通常衣料用とし
て使用できる範囲であれば、単繊維デニ−ル、断面、光
沢性には特に拘らないが、好ましい単繊維デニ−ルは1
〜3デニ−ルである、単繊維デニ−ルが10デニ−ル以
上になると織物表面の毛羽数が本発明を満足しない場合
があるので注意する必要がある。また本発明には、一般
的連紡糸の収縮性能を有するもの(Wsr6%以下)で
あれば、使用できる。
【0029】次に、仮撚しない場合の複合法について述
べる。複合化はエア−交絡法を採用する。エア−交絡法
としてはインタ−レ−ス法、タスラン法がある。本発明
の場合この工程は、ポリエステルフィラメントとレ−ヨ
ンフィラメントが分離しないように交絡することがポイ
ントであり、前述の如くここで糸長差をあたえることを
ポイントとするものでは無い。従ってタスラン法よりも
インタ−レ−ス法が望ましい(本発明の場合ポリエステ
ルフィラメントが4〜6デニ−ルと太いため、糸長差を
あたえるタスラン法では、レ−ヨンと分離しやすい)。
この時、レ−ヨンの毛羽発生を押さえるためにエア−圧
は2Kg/cm2 以下にすること、オ−バ−フィ−ド差
は2%以下にすること、レ−ヨンフィラメントのオ−バ
−フィ−ドは−1%〜2%とすることが肝要である。ま
た巻縮の無い、滑りやすい複合糸であるためチ−ズ巻取
よりは、パ−ン巻取の方が形態安定性に優れ望ましい。
べる。複合化はエア−交絡法を採用する。エア−交絡法
としてはインタ−レ−ス法、タスラン法がある。本発明
の場合この工程は、ポリエステルフィラメントとレ−ヨ
ンフィラメントが分離しないように交絡することがポイ
ントであり、前述の如くここで糸長差をあたえることを
ポイントとするものでは無い。従ってタスラン法よりも
インタ−レ−ス法が望ましい(本発明の場合ポリエステ
ルフィラメントが4〜6デニ−ルと太いため、糸長差を
あたえるタスラン法では、レ−ヨンと分離しやすい)。
この時、レ−ヨンの毛羽発生を押さえるためにエア−圧
は2Kg/cm2 以下にすること、オ−バ−フィ−ド差
は2%以下にすること、レ−ヨンフィラメントのオ−バ
−フィ−ドは−1%〜2%とすることが肝要である。ま
た巻縮の無い、滑りやすい複合糸であるためチ−ズ巻取
よりは、パ−ン巻取の方が形態安定性に優れ望ましい。
【0030】次に仮撚について述べる。上述の如く、レ
−ヨンフィラメントの単独仮撚は工業的には不可能であ
り、本発明では以下の方法を採用する。すなわち、ポリ
エステルフィラメントと同時に仮撚すること、さらに撚
数が300〜800回/mの合撚糸とすることによって
量産性に問題のないレベルまで仮撚性を確保できる。仮
撚に際しては、通常のピン仮撚機、フリクション仮撚
機、ニップタイプの仮撚機を使用することが出来るが、
より高い捲縮を確保するためにはフリクション仮撚機は
避けたほうが良い。またピン仮撚機ではピン通過後の張
力(T2 )が高くなって毛羽発生がしやすくなる。これ
を改良するには、ピンに巻き付けないで仮撚する3本ピ
ンによる仮撚が有効である。
−ヨンフィラメントの単独仮撚は工業的には不可能であ
り、本発明では以下の方法を採用する。すなわち、ポリ
エステルフィラメントと同時に仮撚すること、さらに撚
数が300〜800回/mの合撚糸とすることによって
量産性に問題のないレベルまで仮撚性を確保できる。仮
撚に際しては、通常のピン仮撚機、フリクション仮撚
機、ニップタイプの仮撚機を使用することが出来るが、
より高い捲縮を確保するためにはフリクション仮撚機は
避けたほうが良い。またピン仮撚機ではピン通過後の張
力(T2 )が高くなって毛羽発生がしやすくなる。これ
を改良するには、ピンに巻き付けないで仮撚する3本ピ
ンによる仮撚が有効である。
【0031】仮撚に先立ち、前述の様に仮撚工程通過性
を上げるため300〜800回/mの撚数で合撚する
が、この時300回/m未満では毛羽発生や断糸が多
く、800回/mを越えるとトルクが強く熱セットが必
要となり、その後に必要な収縮性能が得られなかった
り、本発明の比容積に到達しない。さらに好ましい範囲
は400〜500回/mである。また解撚方向に仮撚す
ると嵩高性は高くなるが毛羽発生や断糸が多く、追撚方
向に仮撚することが肝要である。
を上げるため300〜800回/mの撚数で合撚する
が、この時300回/m未満では毛羽発生や断糸が多
く、800回/mを越えるとトルクが強く熱セットが必
要となり、その後に必要な収縮性能が得られなかった
り、本発明の比容積に到達しない。さらに好ましい範囲
は400〜500回/mである。また解撚方向に仮撚す
ると嵩高性は高くなるが毛羽発生や断糸が多く、追撚方
向に仮撚することが肝要である。
【0032】仮撚に際しては、前述した収縮性能を確保
することがポイントであり、仮撚温度は高くなりすぎ
て、収縮性能を損なわないよう注意を払う必要がある。
好ましい範囲は150℃〜200℃である。仮撚数は、
通常の範囲であれば特に拘らないが、採用する仮撚数は
1000〜3000回/mである。なおこの仮撚後の段
階ではポリエステルフィラメントは捲縮を有している。
することがポイントであり、仮撚温度は高くなりすぎ
て、収縮性能を損なわないよう注意を払う必要がある。
好ましい範囲は150℃〜200℃である。仮撚数は、
通常の範囲であれば特に拘らないが、採用する仮撚数は
1000〜3000回/mである。なおこの仮撚後の段
階ではポリエステルフィラメントは捲縮を有している。
【0033】またこの段階で糸長差が高いと、続く製織
工程でずれやすくなったり毛羽が発生しやすいので、糸
長差は5%までに押さえる必要がある。従って仮撚工程
中で5%以上のオ−バ−フィ−ドを与える条件は採用出
来ない。本発明に使用する複合糸の具体的仮撚オ−バ−
フィ−ドは−1〜4%である。また通常捲縮セットのた
め10%程度のオ−バ−フィ−ドを与えるいわゆる2ヒ
−タ−仮撚は採用できない。
工程でずれやすくなったり毛羽が発生しやすいので、糸
長差は5%までに押さえる必要がある。従って仮撚工程
中で5%以上のオ−バ−フィ−ドを与える条件は採用出
来ない。本発明に使用する複合糸の具体的仮撚オ−バ−
フィ−ドは−1〜4%である。また通常捲縮セットのた
め10%程度のオ−バ−フィ−ドを与えるいわゆる2ヒ
−タ−仮撚は採用できない。
【0034】製織はレ−ヨン製織の常法によって実施す
るが、必要によってかつ本発明を損なわない範囲で追撚
することは一向に構わない。また水を使用するウオ−タ
−ジェットル−ムを使用できないことは言うまでもな
い。本発明の製織に関するポイントは、密度である。本
発明では、本発明の糸長差を確保するために、染色加工
工程で生機を20%以上も収縮させるため、収縮をみこ
んだ生機密度を設定しないと、固くてつっぱった生地に
しかならない、また本発明の糸長差も得られない。生機
密度は、レ−ヨンフィラメントのみの場合より10〜3
0%ダウンしなければならない。
るが、必要によってかつ本発明を損なわない範囲で追撚
することは一向に構わない。また水を使用するウオ−タ
−ジェットル−ムを使用できないことは言うまでもな
い。本発明の製織に関するポイントは、密度である。本
発明では、本発明の糸長差を確保するために、染色加工
工程で生機を20%以上も収縮させるため、収縮をみこ
んだ生機密度を設定しないと、固くてつっぱった生地に
しかならない、また本発明の糸長差も得られない。生機
密度は、レ−ヨンフィラメントのみの場合より10〜3
0%ダウンしなければならない。
【0035】次に染色加工について述べる。本発明の染
色加工におけるポイントは、加工糸中のポリエステルフ
ィラメントの収縮性能を十分に発揮させることである。
すなわち染色加工工程において、生地の縦方向および横
方向共に20%以上収縮させ、本発明の糸長差を確保す
る事である。この糸長差が15%未満では本発明の比容
積は達成されないし、また表面の突出毛羽も出現しな
い。またこの収縮によって、仮撚によるポリエステルフ
ィラメントの捲縮は消滅し、レ−ヨンフィラメントの捲
縮が発現して、初めて本発明の織物を構成する糸形態と
なる。
色加工におけるポイントは、加工糸中のポリエステルフ
ィラメントの収縮性能を十分に発揮させることである。
すなわち染色加工工程において、生地の縦方向および横
方向共に20%以上収縮させ、本発明の糸長差を確保す
る事である。この糸長差が15%未満では本発明の比容
積は達成されないし、また表面の突出毛羽も出現しな
い。またこの収縮によって、仮撚によるポリエステルフ
ィラメントの捲縮は消滅し、レ−ヨンフィラメントの捲
縮が発現して、初めて本発明の織物を構成する糸形態と
なる。
【0036】なお生地の縦方向および横方向共の20%
以上の収縮は、乾熱あるいは/および湿熱(浴中)で行
う。収縮に際しては、1度に20%以上収縮させるより
は、2段階以上にわたって収縮させる方が風合のコント
ロ−ルがしやすい。本発明では、生機を20%以上収縮
させれば良く、染色加工の各工程での収縮率を特に規定
するものではないが、例えば次の方法を採用するするこ
とができる。80〜100℃での浴中精練(縦横共に生
機よりも5〜10%だけ収縮)、100〜130℃での
浴中リラックス(縦横共に生機より20%以上十分に収
縮)あるいは150〜180℃乾熱でのリラックス(縦
横共に生機より20%以上十分に収縮)、160〜20
0℃乾熱でのプレセット(縦横共にリラックスからの引
き出し率0〜5%に押さえる)、100〜135℃での
浴中染色(縦横共にプレセットからの収縮を0〜5%に
おさえる)、150〜180℃でのファイナルセット
(縦横共に引き出し率は1〜3%)。
以上の収縮は、乾熱あるいは/および湿熱(浴中)で行
う。収縮に際しては、1度に20%以上収縮させるより
は、2段階以上にわたって収縮させる方が風合のコント
ロ−ルがしやすい。本発明では、生機を20%以上収縮
させれば良く、染色加工の各工程での収縮率を特に規定
するものではないが、例えば次の方法を採用するするこ
とができる。80〜100℃での浴中精練(縦横共に生
機よりも5〜10%だけ収縮)、100〜130℃での
浴中リラックス(縦横共に生機より20%以上十分に収
縮)あるいは150〜180℃乾熱でのリラックス(縦
横共に生機より20%以上十分に収縮)、160〜20
0℃乾熱でのプレセット(縦横共にリラックスからの引
き出し率0〜5%に押さえる)、100〜135℃での
浴中染色(縦横共にプレセットからの収縮を0〜5%に
おさえる)、150〜180℃でのファイナルセット
(縦横共に引き出し率は1〜3%)。
【0037】なお表情付けや風合出しのため付帯加工と
して広く行われている、シワ加工、サンデング加工、起
毛加工、バイオ加工等を行うことは一向に構わないが、
苛性ソ−ダによるアルカリ減量加工はレ−ヨンを損傷す
るので避けたほうが良い。また、エア−タンブラ−やテ
ン社製エア−フロ−染色機等の加熱低張力下での収縮お
よび揉み加工も風合出しとして有効である。
して広く行われている、シワ加工、サンデング加工、起
毛加工、バイオ加工等を行うことは一向に構わないが、
苛性ソ−ダによるアルカリ減量加工はレ−ヨンを損傷す
るので避けたほうが良い。また、エア−タンブラ−やテ
ン社製エア−フロ−染色機等の加熱低張力下での収縮お
よび揉み加工も風合出しとして有効である。
【0038】以下実施例によって本発明をさらに詳しく
述べるが、本発明で採用した測定法は次の通りである。 ・比容積(cm3 /g):織物を5cm×5cmの正方
形にカットしたサンプルを10枚用意する。標準状態で
10枚合計の重量を測定する(Wg)。10枚重ねした
サンプルを所定荷重7g/cm2 、面積2cm2 で圧縮
したときの厚さをHcmとし次式により求める。この操
作は標準状態で実施する。 比容積(cm3 /g)=(5×5×H)/W
述べるが、本発明で採用した測定法は次の通りである。 ・比容積(cm3 /g):織物を5cm×5cmの正方
形にカットしたサンプルを10枚用意する。標準状態で
10枚合計の重量を測定する(Wg)。10枚重ねした
サンプルを所定荷重7g/cm2 、面積2cm2 で圧縮
したときの厚さをHcmとし次式により求める。この操
作は標準状態で実施する。 比容積(cm3 /g)=(5×5×H)/W
【0039】・収縮率 Wsr,Dsr:JIS L1
013熱水収縮率B法、乾熱収縮率B法に拠る。但し初
荷重は1/30g/dr、Wsrの温度は100℃、D
srの温度は180℃
013熱水収縮率B法、乾熱収縮率B法に拠る。但し初
荷重は1/30g/dr、Wsrの温度は100℃、D
srの温度は180℃
【0040】・糸長差:生地から複合糸を解除し、撚が
かかっている場合は0.05g/dr荷重下で解撚す
る。解撚した糸をそのまま0.05g/dr荷重下で3
0cm採取する。さらにレ−ヨンフィラメントを分離し
て0.05g/dr荷重下で長さを測定する(L0 ) 糸長差(%)={(L0 −30)/30}×100
かかっている場合は0.05g/dr荷重下で解撚す
る。解撚した糸をそのまま0.05g/dr荷重下で3
0cm採取する。さらにレ−ヨンフィラメントを分離し
て0.05g/dr荷重下で長さを測定する(L0 ) 糸長差(%)={(L0 −30)/30}×100
【0041】・毛羽個数および捲縮ウエ−ブ数:織物表
面の任意の5カ所について、50〜100倍の顕微鏡写
真を撮影し測定する。
面の任意の5カ所について、50〜100倍の顕微鏡写
真を撮影し測定する。
【0042】・100℃での染着率:ポリエステルフィ
ラメントを筒編して編地を作成する。この編み地を次の
条件で染色し求める。 染料:Eastman Polyester Navy Blue 3R−LSW 2%owf 助剤:ニッカサンソルト(日華化学)#700 0.5g/l 硫酸アンモニウム 1g/l 酢酸 1g/l 浴比: 20:1 温度、時間:浴中に編み地を投入し、40℃から30分
かけて100℃まで昇温し、100℃で30分維持す
る。
ラメントを筒編して編地を作成する。この編み地を次の
条件で染色し求める。 染料:Eastman Polyester Navy Blue 3R−LSW 2%owf 助剤:ニッカサンソルト(日華化学)#700 0.5g/l 硫酸アンモニウム 1g/l 酢酸 1g/l 浴比: 20:1 温度、時間:浴中に編み地を投入し、40℃から30分
かけて100℃まで昇温し、100℃で30分維持す
る。
【0043】染色前の染液吸光度「A0 」、および染色
後の残液の吸光度「A」(波長:578nm付近の極大
吸収波長)を測定し、次式により求める。 染着率(%)={(「A0 」−「A」)/「A0 」}×
100
後の残液の吸光度「A」(波長:578nm付近の極大
吸収波長)を測定し、次式により求める。 染着率(%)={(「A0 」−「A」)/「A0 」}×
100
【0044】
実施例1 ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(BPE)
を4モル%共重合変性した「η」が0.65のポリエチ
レンテレフタレート系ポリマ−を紡糸温度293℃、紡
糸速度1300m/分で紡糸し、一旦、巻き取ることな
く3.3倍延伸し(温度105℃)巻き取り、75dr
/16fのフィラメント糸を得た。この糸の単繊維デニ
ールは4.7デニールで、最大収縮応力が330mg/
dr、最大収縮応力温度が129℃、Wsrが22%、
Dsrが35%、100℃での染着率が90%であっ
た。次いでこのフィラメント糸と単繊維デニールが3デ
ニールでWsrが5.2%である120drのレーヨン
フィラメント(連紡糸)を350回/mの撚数で糸速2
3m/分で合撚(S撚)した後、1600回/mの撚数
で追撚方向に160℃の温度で、糸速70m/分、フィ
ード率3.5%で仮撚加工して複合糸を得た。その複合
糸は繊度が204.4デニール、乾強力が2.5g/d
r、乾伸度が21.5%、湿潤強力が2.2g/dr、
湿潤伸度が35.1%、Wsrが8.8%、温度180
℃でのDsrが17.4%、最大収縮応力が350mg
/dr、最大収縮応力温度が140℃であった。
を4モル%共重合変性した「η」が0.65のポリエチ
レンテレフタレート系ポリマ−を紡糸温度293℃、紡
糸速度1300m/分で紡糸し、一旦、巻き取ることな
く3.3倍延伸し(温度105℃)巻き取り、75dr
/16fのフィラメント糸を得た。この糸の単繊維デニ
ールは4.7デニールで、最大収縮応力が330mg/
dr、最大収縮応力温度が129℃、Wsrが22%、
Dsrが35%、100℃での染着率が90%であっ
た。次いでこのフィラメント糸と単繊維デニールが3デ
ニールでWsrが5.2%である120drのレーヨン
フィラメント(連紡糸)を350回/mの撚数で糸速2
3m/分で合撚(S撚)した後、1600回/mの撚数
で追撚方向に160℃の温度で、糸速70m/分、フィ
ード率3.5%で仮撚加工して複合糸を得た。その複合
糸は繊度が204.4デニール、乾強力が2.5g/d
r、乾伸度が21.5%、湿潤強力が2.2g/dr、
湿潤伸度が35.1%、Wsrが8.8%、温度180
℃でのDsrが17.4%、最大収縮応力が350mg
/dr、最大収縮応力温度が140℃であった。
【0045】次ぎに、この複合糸を経糸に1インチ間8
8本引き揃え、同じくこの複合糸を緯糸に1インチ間8
0本打ち込み、ブッチャーアムンゼンの組織で製織した
生機を染色加工に投入、先ず温度98℃で精練、次に温
度120℃でリラックスを行い生地を幅方向に20.4
%、長さ方向に20%収縮させる。次に温度180℃で
プレセットし、次に温度130℃で分散染料を用いポリ
エステルを染め、温度60℃で反応染料を用いてレーヨ
ンを染める。次にテンションレスのもとで乾燥および仕
上加工を行った。このようにして得られた織物の特徴
は、ポリエステルフィラメントが芯糸となり、レーヨン
フィラメントが側糸となって、糸長差が21%の複合糸
となっており、織物表面に巻縮ウエーブ(1.5個/m
m,毛羽20個の平均)を有する毛羽が平均520個/
cm2 あり、比容積が4.8cm3 /gあった。因み
に、レーヨンフィラメント100%の織物の比容積は
1.59cm3 /gあり、本発明で得た織物は3倍の比
容積を持っていた。これらの特徴は暖かみと嵩高性、軽
量感を持つ風合となっている。本発明で得た織物の物性
は、収縮率は(経)0.7%,(緯)0.5%、引裂強
力は(経)6130g,(緯)6170g、防皺率
(経)83%,(緯)83%、ピリングは5級であり、
物性面から見ても安定した織物となっていた。
8本引き揃え、同じくこの複合糸を緯糸に1インチ間8
0本打ち込み、ブッチャーアムンゼンの組織で製織した
生機を染色加工に投入、先ず温度98℃で精練、次に温
度120℃でリラックスを行い生地を幅方向に20.4
%、長さ方向に20%収縮させる。次に温度180℃で
プレセットし、次に温度130℃で分散染料を用いポリ
エステルを染め、温度60℃で反応染料を用いてレーヨ
ンを染める。次にテンションレスのもとで乾燥および仕
上加工を行った。このようにして得られた織物の特徴
は、ポリエステルフィラメントが芯糸となり、レーヨン
フィラメントが側糸となって、糸長差が21%の複合糸
となっており、織物表面に巻縮ウエーブ(1.5個/m
m,毛羽20個の平均)を有する毛羽が平均520個/
cm2 あり、比容積が4.8cm3 /gあった。因み
に、レーヨンフィラメント100%の織物の比容積は
1.59cm3 /gあり、本発明で得た織物は3倍の比
容積を持っていた。これらの特徴は暖かみと嵩高性、軽
量感を持つ風合となっている。本発明で得た織物の物性
は、収縮率は(経)0.7%,(緯)0.5%、引裂強
力は(経)6130g,(緯)6170g、防皺率
(経)83%,(緯)83%、ピリングは5級であり、
物性面から見ても安定した織物となっていた。
【0046】実施例2 実施例1と同様に紡糸して、単繊維デニールが5.0デ
ニール、最大収縮応力が350mg/dr、最大収縮応
力温度が129℃、Wsrが23%、Dsrが35%、
100℃での染着率が90%のポリエステル収縮糸30
dr/6fを得た。該収縮糸と単繊維デニールが3デニ
ールでWsrが5.2%である100drのレーヨンフ
ィラメントをオーバーフィード差を0.3%、レーヨン
フィラメントのオーバーフィード率を0.1%とし、糸
速400m、エアー圧を1.85kg/cm2 でインタ
−レ−ス交絡させ、パーンで巻取った。その複合糸は繊
度が130.0デニール、乾強力が2.3g/dr、乾
伸度が18.7%、温度180℃でのDsrが25.0
%、Wsrが17.2%、最大収縮応力が320g/d
r、最大収縮応力温度が130℃であった。
ニール、最大収縮応力が350mg/dr、最大収縮応
力温度が129℃、Wsrが23%、Dsrが35%、
100℃での染着率が90%のポリエステル収縮糸30
dr/6fを得た。該収縮糸と単繊維デニールが3デニ
ールでWsrが5.2%である100drのレーヨンフ
ィラメントをオーバーフィード差を0.3%、レーヨン
フィラメントのオーバーフィード率を0.1%とし、糸
速400m、エアー圧を1.85kg/cm2 でインタ
−レ−ス交絡させ、パーンで巻取った。その複合糸は繊
度が130.0デニール、乾強力が2.3g/dr、乾
伸度が18.7%、温度180℃でのDsrが25.0
%、Wsrが17.2%、最大収縮応力が320g/d
r、最大収縮応力温度が130℃であった。
【0047】この複合糸を、S方向に1000回/m撚
糸した後、真空度720mmHgで飽和蒸気のもと温度
75℃、40分間撚止めセットした後、経糸に1インチ
間120本引き揃え、同じくこの複合糸をS方向に40
0回/m撚糸した後、緯糸に1インチ間90本打ち込
み、トリコチンの組織で製織した生機を染色加工に投
入、先ず温度98℃で精練、次に温度120℃でリラッ
クスを行い生地を幅方向に生機より24.3%、長さ方
向に21.1%収縮させた。次にサンディング加工、バ
イオ加工を行い、温度130℃で分散染料を用いポリエ
ステルを染め、温度60℃で反応染料を用いてレーヨン
を染めた。最後にエアータンブラーを用いて最終風合出
しを行った。
糸した後、真空度720mmHgで飽和蒸気のもと温度
75℃、40分間撚止めセットした後、経糸に1インチ
間120本引き揃え、同じくこの複合糸をS方向に40
0回/m撚糸した後、緯糸に1インチ間90本打ち込
み、トリコチンの組織で製織した生機を染色加工に投
入、先ず温度98℃で精練、次に温度120℃でリラッ
クスを行い生地を幅方向に生機より24.3%、長さ方
向に21.1%収縮させた。次にサンディング加工、バ
イオ加工を行い、温度130℃で分散染料を用いポリエ
ステルを染め、温度60℃で反応染料を用いてレーヨン
を染めた。最後にエアータンブラーを用いて最終風合出
しを行った。
【0048】このようにして得られた織物の特徴は、ポ
リエステルフィラメントが芯糸となり、レーヨンフィラ
メントが側糸となって、糸長差が22%の複合糸となっ
ており、織物表面に毛羽が平均370個/cm2 あり、
比容積が3.5cm3 /gとなっていた。因みに、レー
ヨンフィラメント100%の織物の比容積は1.59c
m3 あり、本発明で得た織物は2倍の比容積を持ってい
た。また、この織物の風合は嵩高性、軽量感を持ち、張
り、腰があり新しい質感を有していた。
リエステルフィラメントが芯糸となり、レーヨンフィラ
メントが側糸となって、糸長差が22%の複合糸となっ
ており、織物表面に毛羽が平均370個/cm2 あり、
比容積が3.5cm3 /gとなっていた。因みに、レー
ヨンフィラメント100%の織物の比容積は1.59c
m3 あり、本発明で得た織物は2倍の比容積を持ってい
た。また、この織物の風合は嵩高性、軽量感を持ち、張
り、腰があり新しい質感を有していた。
【0049】
【発明の効果】以上述べてきた様に本発明は、優れた物
性を有する有するポリエステルフィラメントと優れた発
色性や吸湿性を有するレ−ヨンフィラメントの複合糸を
使用した素材で有って、双方も優れた性質が優勢的に結
合した性格を有する。すなわち、レ−ヨン100%品で
は不可能であった形態安定性(防縮性、防皺性)、ポリ
エステルには無い制電性、吸湿性を有する。さらに含気
率(比容積)の高いことが加わって、従来のどの繊維の
風合、質感とも異なる(当然ポリエステルでも無く、レ
−ヨンでも無い)、まったく新しい風合、質感を呈す
る。
性を有する有するポリエステルフィラメントと優れた発
色性や吸湿性を有するレ−ヨンフィラメントの複合糸を
使用した素材で有って、双方も優れた性質が優勢的に結
合した性格を有する。すなわち、レ−ヨン100%品で
は不可能であった形態安定性(防縮性、防皺性)、ポリ
エステルには無い制電性、吸湿性を有する。さらに含気
率(比容積)の高いことが加わって、従来のどの繊維の
風合、質感とも異なる(当然ポリエステルでも無く、レ
−ヨンでも無い)、まったく新しい風合、質感を呈す
る。
【0050】さらに本発明の織物は、レ−ヨンの膨潤−
脱膨潤によって、織物中に含む空気を出し入れする(乾
燥状態に含気量高く−濡れ状態に含気量低く、その差約
15%、可逆的)、これは本発明によってはじめて可能
となった。この点、従来のレ−ヨンフィラメントも水分
の有無によって膨潤(濡れた時の断面膨潤率約50%、
体積膨潤率約100%)−脱膨潤するため、糸自身が太
ったり細くなったりしたが、空気の出し入れまでは無か
った。したがって、湿気の少ない冬では、含気量が高く
暖かく、湿気の多い夏では吸湿した水分を放出する時に
気化熱を奪うため、涼しい素材となる。
脱膨潤によって、織物中に含む空気を出し入れする(乾
燥状態に含気量高く−濡れ状態に含気量低く、その差約
15%、可逆的)、これは本発明によってはじめて可能
となった。この点、従来のレ−ヨンフィラメントも水分
の有無によって膨潤(濡れた時の断面膨潤率約50%、
体積膨潤率約100%)−脱膨潤するため、糸自身が太
ったり細くなったりしたが、空気の出し入れまでは無か
った。したがって、湿気の少ない冬では、含気量が高く
暖かく、湿気の多い夏では吸湿した水分を放出する時に
気化熱を奪うため、涼しい素材となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−118989(JP,A) 特開 昭60−110941(JP,A) 特開 平6−136629(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D03D 15/00 D02G 3/04 D02G 3/24 D03D 15/04
Claims (4)
- 【請求項1】 25重量%〜50重量%の捲縮の無いポ
リエステルフィラメントを芯糸とし、75重量%〜50
重量%のレ−ヨンフィラメントを側糸とする糸長差が1
5%〜25%のレ−ヨンポリエステル複合糸からなる織
物であって、織物表面に毛羽を100個/cm2 以上有
し、比容積が3.2cm3 /g以上である織物。 - 【請求項2】 毛羽が1〜3個/mmの巻縮ウエ−ブを
有する毛羽であり、比容積が4.0cm3 /g〜5.5
cm3 /gである請求項1に記載の織物。 - 【請求項3】 単繊維デニ−ルが4〜6デニ−ルで、最
大収縮応力が250mg/dr以上、最大収縮応力温度
が125℃以上、Wsrが20〜25%、Dsrが30
〜40%、100℃での染着率が80%以上である30
dr〜75drの共重合ポリエステルフィラメントとレ
−ヨンマルチフィラメントをエア−交絡した複合糸を、
経糸あるいは/および緯糸として製織した後、染色加工
工程において生地の縦方向および横方向共に20%以上
収縮させることを特徴とする請求項1に記載の織物の製
造方法。 - 【請求項4】 単繊維デニ−ルが4〜6デニ−ルで、最
大収縮応力が250mg/dr以上、最大収縮応力温度
が125℃以上、Wsrが20〜25%、Dsrが30
〜40%、100℃での染着率が80%以上である30
dr〜75drの共重合ポリエステルフィラメントとレ
−ヨンマルチフィラメントを300〜800回/mの撚
数で合撚した後、追撚方向に200℃以下の温度で仮撚
加工して得られるWsrが5%〜15%、Dsrが15
〜25%の複合糸を、経糸あるいは/および緯糸として
製織した後、染色加工工程において生地の縦方向および
横方向共に20%以上収縮させることを特徴とする請求
項2に記載の織物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6038384A JP2905684B2 (ja) | 1994-03-09 | 1994-03-09 | レ−ヨンとポリエステルの複合糸織物およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6038384A JP2905684B2 (ja) | 1994-03-09 | 1994-03-09 | レ−ヨンとポリエステルの複合糸織物およびその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07252743A JPH07252743A (ja) | 1995-10-03 |
JP2905684B2 true JP2905684B2 (ja) | 1999-06-14 |
Family
ID=12523791
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6038384A Expired - Fee Related JP2905684B2 (ja) | 1994-03-09 | 1994-03-09 | レ−ヨンとポリエステルの複合糸織物およびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2905684B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101321569B1 (ko) * | 2012-06-29 | 2013-10-28 | 박창숙 | 벌키 t/r 헤어 복합사의 제조방법 및 이에 의해 제조된 헤어사 편직물 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5154079B2 (ja) | 2005-07-05 | 2013-02-27 | 三菱レイヨン株式会社 | 通気可逆性織編物、およびその製造方法 |
JP2010229568A (ja) * | 2009-03-26 | 2010-10-14 | Asahi Kasei Fibers Corp | セルロース複合糸条及び織編物 |
CN109385728B (zh) * | 2017-08-11 | 2021-08-31 | 东莞超盈纺织有限公司 | 具有环境水分响应能力的纺织面料设计及制备方法 |
KR101883635B1 (ko) * | 2017-09-12 | 2018-07-31 | 주식회사 풍기인견편직 | 강도와 냉감성이 우수한 레이온―폴리에스테르 커버링사의 제조방법 |
-
1994
- 1994-03-09 JP JP6038384A patent/JP2905684B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101321569B1 (ko) * | 2012-06-29 | 2013-10-28 | 박창숙 | 벌키 t/r 헤어 복합사의 제조방법 및 이에 의해 제조된 헤어사 편직물 |
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JPH07252743A (ja) | 1995-10-03 |
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Date | Code | Title | Description |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |