JP2898897B2 - ガスバリヤー性軟包装袋 - Google Patents
ガスバリヤー性軟包装袋Info
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- JP2898897B2 JP2898897B2 JP4136895A JP4136895A JP2898897B2 JP 2898897 B2 JP2898897 B2 JP 2898897B2 JP 4136895 A JP4136895 A JP 4136895A JP 4136895 A JP4136895 A JP 4136895A JP 2898897 B2 JP2898897 B2 JP 2898897B2
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- Japan
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- packaging bag
- gas barrier
- soft packaging
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高度なガスバリヤー性
を有し、アルミニウム箔を用いない焼却が容易(無公
害)な軟包装袋に関する。
を有し、アルミニウム箔を用いない焼却が容易(無公
害)な軟包装袋に関する。
【0002】
【従来の技術】目ざましい女性の社会進出や、人口の都
市集中化、労働時間の多様化、核家族化、高齢化社会等
への移行に伴う食品の多様化及び食事習慣の変化によっ
て、「美味しい物をいつでも簡単に」食べられることへ
の要求が高まっている。それにつれて食品を長く、美味
しく保存することを強く求めており、これがバリヤー性
包材を必要とする一つの背景となっている。例えば、ポ
テトチップのような油で揚げたスナックは非常に酸化さ
れ易い。酸化速度は酸素濃度に比例し、温度が上昇する
と指数関数的に酸化速度が速くなる。ポテトチップの袋
の大きさ22cm×32cmに184gのポテトチップ
を包装し、25℃、65%RHに於けるシェルライフを
6ケ月に設定し、6ケ月間の酸素透過量を10ppm以
下に抑えようとすると、パウチの酸素透過度は0.3c
c/m2 ・24hrs以下でなければならない。この目
的を達する軟包装袋としては現在ではアルミニウム箔の
使用が殆どである。
市集中化、労働時間の多様化、核家族化、高齢化社会等
への移行に伴う食品の多様化及び食事習慣の変化によっ
て、「美味しい物をいつでも簡単に」食べられることへ
の要求が高まっている。それにつれて食品を長く、美味
しく保存することを強く求めており、これがバリヤー性
包材を必要とする一つの背景となっている。例えば、ポ
テトチップのような油で揚げたスナックは非常に酸化さ
れ易い。酸化速度は酸素濃度に比例し、温度が上昇する
と指数関数的に酸化速度が速くなる。ポテトチップの袋
の大きさ22cm×32cmに184gのポテトチップ
を包装し、25℃、65%RHに於けるシェルライフを
6ケ月に設定し、6ケ月間の酸素透過量を10ppm以
下に抑えようとすると、パウチの酸素透過度は0.3c
c/m2 ・24hrs以下でなければならない。この目
的を達する軟包装袋としては現在ではアルミニウム箔の
使用が殆どである。
【0003】このように酸素ガスバリヤー性を必要とす
る紙製軟包装袋は、紙、プラスチックフィルム等と共に
厚さ7μm位のアルミニウム箔を積層し、製造されてい
るので、廃棄され焼却する時は焼却炉の耐火材にアルミ
ニウムが反応し、焼却炉の寿命を短縮することが知られ
ており、また埋立においても分解性がないような問題の
みならず、最近はアルミニウム自身人体への有害性(例
えば、アルツハイマー等)が警告されている。このため
食品等のための軟包装袋からアルミニウム箔を除いた構
成とした軟包装袋への強い要望がある。
る紙製軟包装袋は、紙、プラスチックフィルム等と共に
厚さ7μm位のアルミニウム箔を積層し、製造されてい
るので、廃棄され焼却する時は焼却炉の耐火材にアルミ
ニウムが反応し、焼却炉の寿命を短縮することが知られ
ており、また埋立においても分解性がないような問題の
みならず、最近はアルミニウム自身人体への有害性(例
えば、アルツハイマー等)が警告されている。このため
食品等のための軟包装袋からアルミニウム箔を除いた構
成とした軟包装袋への強い要望がある。
【0004】従来のアルミニウム箔入りガスバリヤー性
軟包装袋の構成の一例を示せば図2に示す如きもので、
袋の内側より外側に向かってポリエチレン層A/接着層
B/アルミニウム箔層C/ポリエチレン層D/紙層Eの
順に積層している。このようにアルミニウム箔層Cを積
層することにより、酸素ガスバリヤー性、遮光性を保持
させている。
軟包装袋の構成の一例を示せば図2に示す如きもので、
袋の内側より外側に向かってポリエチレン層A/接着層
B/アルミニウム箔層C/ポリエチレン層D/紙層Eの
順に積層している。このようにアルミニウム箔層Cを積
層することにより、酸素ガスバリヤー性、遮光性を保持
させている。
【0005】このようなガスバリヤー性軟包装袋構成か
らアルミニウム箔を除いて同等の酸素ガスバリヤー性を
維持させるため、例えば各種金属の蒸着フィルムやエチ
レン−酢酸ビニル共重合体けん化物(EVOH)等のガ
スバリヤー樹脂をガスバリヤー層として用いる提案がさ
れているが、金属蒸着−プラスチックフィルムでは、蒸
着量を厚くしないとピンホールの生成が避けられず、厚
く蒸着することはコストアップを招く。またEVOH等
のバリヤー性樹脂使用の場合、酸素ガスバリヤー性が環
境湿度に大きく影響され、高湿度の場合にガスバリヤー
性が大幅に低下するため、冷凍保存或いは冷蔵保存等の
場合には有効に使用できても、常温保存を行う軽包装袋
としては不充分であり、その改善が望まれていた。
らアルミニウム箔を除いて同等の酸素ガスバリヤー性を
維持させるため、例えば各種金属の蒸着フィルムやエチ
レン−酢酸ビニル共重合体けん化物(EVOH)等のガ
スバリヤー樹脂をガスバリヤー層として用いる提案がさ
れているが、金属蒸着−プラスチックフィルムでは、蒸
着量を厚くしないとピンホールの生成が避けられず、厚
く蒸着することはコストアップを招く。またEVOH等
のバリヤー性樹脂使用の場合、酸素ガスバリヤー性が環
境湿度に大きく影響され、高湿度の場合にガスバリヤー
性が大幅に低下するため、冷凍保存或いは冷蔵保存等の
場合には有効に使用できても、常温保存を行う軽包装袋
としては不充分であり、その改善が望まれていた。
【0006】一方、積層体中のアルミニウム箔に代え
て、少なくとも片面にけい素酸化物の蒸着薄膜層を有す
るプラスチック層を用いた包材では、酸素ガスバリヤー
性の点のみ考えれば上記の目的を達成する。この場合蒸
着層の厚さは数百オングストロームと非常に薄くてよい
ので、基材としての強度を持たせるためのプラスチック
層(PET、OPPなど)は蒸着薄膜層をつけたままリ
サイクリングできるので有利である。
て、少なくとも片面にけい素酸化物の蒸着薄膜層を有す
るプラスチック層を用いた包材では、酸素ガスバリヤー
性の点のみ考えれば上記の目的を達成する。この場合蒸
着層の厚さは数百オングストロームと非常に薄くてよい
ので、基材としての強度を持たせるためのプラスチック
層(PET、OPPなど)は蒸着薄膜層をつけたままリ
サイクリングできるので有利である。
【0007】しかし、軟包装袋を製造し使用の際に、プ
ラスチックフィルム(PET)に蒸着等により形成した
けい素酸化物の薄膜層は、そのままでは伸びや屈曲に対
して弱く、製袋時、包装時、包装された品物の取扱い等
におけるショックによっても容易に破損、クラックする
ため、軟包装袋として安定したバリヤー性を保持するこ
とはできない。
ラスチックフィルム(PET)に蒸着等により形成した
けい素酸化物の薄膜層は、そのままでは伸びや屈曲に対
して弱く、製袋時、包装時、包装された品物の取扱い等
におけるショックによっても容易に破損、クラックする
ため、軟包装袋として安定したバリヤー性を保持するこ
とはできない。
【0008】アルミニウム箔を含まない積層体から製造
された軟包装袋においては、このように酸素ガスのバリ
ヤー性は不充分であるか或いは取扱いが困難のものであ
って常温保存を要する内容物の軟包装袋としては好まし
いものではない。特にプラスチックフィルムにけい素酸
化物薄膜層を蒸着した軟包装袋においては、該薄膜層が
極めて脆いため、例えば、紙層との貼り合せにポリエチ
レン等の接着層を設ける際の熱ショックによって、或い
はその積層体より紙製軟包装袋を製造する際に外部応力
によって該薄膜に容易にクラックやピンホールが発生
し、高度のバリヤー性は維持できず、アルミニウム箔を
使用した常温保存軟包装袋の如く安定したバリヤー性を
必要とする包装材料としては実用的に使用するには問題
があった。
された軟包装袋においては、このように酸素ガスのバリ
ヤー性は不充分であるか或いは取扱いが困難のものであ
って常温保存を要する内容物の軟包装袋としては好まし
いものではない。特にプラスチックフィルムにけい素酸
化物薄膜層を蒸着した軟包装袋においては、該薄膜層が
極めて脆いため、例えば、紙層との貼り合せにポリエチ
レン等の接着層を設ける際の熱ショックによって、或い
はその積層体より紙製軟包装袋を製造する際に外部応力
によって該薄膜に容易にクラックやピンホールが発生
し、高度のバリヤー性は維持できず、アルミニウム箔を
使用した常温保存軟包装袋の如く安定したバリヤー性を
必要とする包装材料としては実用的に使用するには問題
があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明はアルミニウム
箔を使用しない軟包装袋であって、アルミニウム箔を使
用した常温保存目的の軟包装袋と同様に高度の酸素ガス
バリヤー性を有し、また製袋包装輸送などにおける屈
曲、機械的衝撃、熱的衝撃などによりバリヤー層に破
損、クラックを生じ難く、焼却炉で焼却できる軟包装袋
の提供を目的とする。
箔を使用しない軟包装袋であって、アルミニウム箔を使
用した常温保存目的の軟包装袋と同様に高度の酸素ガス
バリヤー性を有し、また製袋包装輸送などにおける屈
曲、機械的衝撃、熱的衝撃などによりバリヤー層に破
損、クラックを生じ難く、焼却炉で焼却できる軟包装袋
の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、内層から外層
に向かって順にヒートシールができるプラスチック層1
/強度を付与するためのプラスチック層2/けい素酸化
物の蒸着薄膜層/水酸基含有熱可塑性樹脂層/紙層を主
体とする積層体を製袋してなることを特徴とするガスバ
リヤー性軟包装袋を開発することにより上記の目的を達
成した。本発明において、ヒートシールができるプラス
チック層1は、押出しコーティング可能な低密度ポリエ
チレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン
樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのヒートシー
ルが可能な熱可塑性樹脂層で、厚さは約10〜60μm
位に形成される。強度を付与するためのプラスチック層
2は、PET、ON、OPPの如き強度のあるフィルム
からなる層であり、このプラスチックフィルムにけい素
酸化物を蒸着させて用いる。けい素酸化合物は、通常一
般式SiOx (但しx=1.4〜1.9位のものが多
い。)と表されるもので、蒸着膜の厚さとしては約20
0〜2000Å位のもので、普通、プラスチック2層に
蒸着する。
に向かって順にヒートシールができるプラスチック層1
/強度を付与するためのプラスチック層2/けい素酸化
物の蒸着薄膜層/水酸基含有熱可塑性樹脂層/紙層を主
体とする積層体を製袋してなることを特徴とするガスバ
リヤー性軟包装袋を開発することにより上記の目的を達
成した。本発明において、ヒートシールができるプラス
チック層1は、押出しコーティング可能な低密度ポリエ
チレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン
樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのヒートシー
ルが可能な熱可塑性樹脂層で、厚さは約10〜60μm
位に形成される。強度を付与するためのプラスチック層
2は、PET、ON、OPPの如き強度のあるフィルム
からなる層であり、このプラスチックフィルムにけい素
酸化物を蒸着させて用いる。けい素酸化合物は、通常一
般式SiOx (但しx=1.4〜1.9位のものが多
い。)と表されるもので、蒸着膜の厚さとしては約20
0〜2000Å位のもので、普通、プラスチック2層に
蒸着する。
【0011】水酸基含有熱可塑性樹脂としては、酸素バ
リヤー性があるEVOH、ポリビニルアルコール(PV
A)等、分子中に水酸基を多数有する熱可塑性樹脂の少
なくとも一種或いはそれに未けん化のエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体(未けん化のEVA)を配合した樹脂組成
物を用いる。未けん化のEVAの配合量は、樹脂組成物
中多くとも99重量%、好ましくは10〜90重量%で
あることが望ましい。未けん化のEVAを配合すること
によって水酸基含有熱可塑性樹脂層の柔軟性を更に向上
させることができる。EVOHなどはそれ自体酸素バリ
ヤー性があるとされているが、このような樹脂層のみで
は高度の酸素ガスバリヤー性は単独の使用では不充分な
ものしかできない。
リヤー性があるEVOH、ポリビニルアルコール(PV
A)等、分子中に水酸基を多数有する熱可塑性樹脂の少
なくとも一種或いはそれに未けん化のエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体(未けん化のEVA)を配合した樹脂組成
物を用いる。未けん化のEVAの配合量は、樹脂組成物
中多くとも99重量%、好ましくは10〜90重量%で
あることが望ましい。未けん化のEVAを配合すること
によって水酸基含有熱可塑性樹脂層の柔軟性を更に向上
させることができる。EVOHなどはそれ自体酸素バリ
ヤー性があるとされているが、このような樹脂層のみで
は高度の酸素ガスバリヤー性は単独の使用では不充分な
ものしかできない。
【0012】ところが、該樹脂層中の水酸基とけい素酸
化物蒸着膜のSiOx とは水和的な結合によりバリヤー
性において相乗効果が得られるのに加え、該樹脂の柔軟
性はけい素酸化物蒸着膜の脆さを解消し、SiOx 蒸着
膜を含んだ多層体の加工性、耐衝撃性を改良するもので
ある。このため、この樹脂を塗布することにより製袋の
際、或いは包装品の輸送などの時における熱的応力、機
械的なショック等に対してけい素酸化物膜の破損を防止
し、酸素ガスに対する安定したバリヤー性を保持するた
めのものである。この機能を発揮するためには少なくと
も1g/m2 の厚さを必要とし、コスト的な面を考慮す
ると最大20g/m2 以下が好ましい厚さである。
化物蒸着膜のSiOx とは水和的な結合によりバリヤー
性において相乗効果が得られるのに加え、該樹脂の柔軟
性はけい素酸化物蒸着膜の脆さを解消し、SiOx 蒸着
膜を含んだ多層体の加工性、耐衝撃性を改良するもので
ある。このため、この樹脂を塗布することにより製袋の
際、或いは包装品の輸送などの時における熱的応力、機
械的なショック等に対してけい素酸化物膜の破損を防止
し、酸素ガスに対する安定したバリヤー性を保持するた
めのものである。この機能を発揮するためには少なくと
も1g/m2 の厚さを必要とし、コスト的な面を考慮す
ると最大20g/m2 以下が好ましい厚さである。
【0013】水酸基含有熱可塑性樹脂層に隣接する紙層
の紙質は、印刷したり、袋の形状維持の剛性を与えたり
する目的により選べばよく、特に限定されるものでな
く、通常は坪量約30〜80g/m2 程度の上質紙でよ
い。これはSiOx 蒸着層に塗布した水酸基含有熱可塑
性樹脂に貼り合せると容易に積層することができる。
の紙質は、印刷したり、袋の形状維持の剛性を与えたり
する目的により選べばよく、特に限定されるものでな
く、通常は坪量約30〜80g/m2 程度の上質紙でよ
い。これはSiOx 蒸着層に塗布した水酸基含有熱可塑
性樹脂に貼り合せると容易に積層することができる。
【0014】尚、本発明においては包装袋の最外層は紙
層となるが、耐水性、耐汚染性などを付与するため、或
いは商品性を高めるため、印刷し、或いはポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
ワックス類の如き樹脂を押出しコーティング、エマルジ
ョンコーティングした紙を用いてもよく、または製袋後
にコーティング、塗装をしたものであってもよい。
層となるが、耐水性、耐汚染性などを付与するため、或
いは商品性を高めるため、印刷し、或いはポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
ワックス類の如き樹脂を押出しコーティング、エマルジ
ョンコーティングした紙を用いてもよく、または製袋後
にコーティング、塗装をしたものであってもよい。
【0015】以下、図面を参照して本発明を説明する。
図1は本発明の一実施例の断面図である。本発明におい
ては、これらの各層を包装袋の内層から外層に向かっ
て、ヒートシールができるプラスチック層1/強度を付
与するためのプラスチック層2/けい素酸化物の蒸着薄
膜層2a/水酸基含有熱可塑性樹脂層3/紙層4の順に
積層し、製袋した軟包装袋である。袋としては特に制限
がないが、光等で変質する内容物を入れる場合は、積層
体中に紫外線カットフィルム層を設けるか、紫外線カッ
トインキ層を適宜設ければよい。
図1は本発明の一実施例の断面図である。本発明におい
ては、これらの各層を包装袋の内層から外層に向かっ
て、ヒートシールができるプラスチック層1/強度を付
与するためのプラスチック層2/けい素酸化物の蒸着薄
膜層2a/水酸基含有熱可塑性樹脂層3/紙層4の順に
積層し、製袋した軟包装袋である。袋としては特に制限
がないが、光等で変質する内容物を入れる場合は、積層
体中に紫外線カットフィルム層を設けるか、紫外線カッ
トインキ層を適宜設ければよい。
【0016】積層軟包装袋の製造は限定されるわけでは
ないが、例えば次の如く方法により製造するのが便利で
ある。即ち、先ずPET、OPPの如きプラスチックフ
ィルム2の片面に真空蒸着法等によりけい素酸化物の薄
膜層2aを形成する。次に、このフィルムのけい素酸化
物の薄膜層2a面に水酸基含有熱可塑性樹脂溶液を塗布
し、湿潤状態のあいだに紙を貼り合せることにより水酸
基含有熱可塑性樹脂層3及び紙層4を形成する。必要が
あれば更に紙層面に溶融押出しにより低密度ポリエチレ
ンをコートすることにより、ポリエチレン層5を設ける
が、ワックス類樹脂をコーティングすることによりワッ
クス類樹脂層5を設けることができる。最後にプラスチ
ックフィルム2の他の面に接着剤を塗布し、溶融押出し
により低密度ポリエチレンをコートすることにより、ポ
リエチレン層1を形成する。得られた積層体を常法によ
り製袋して軟包装袋とする。
ないが、例えば次の如く方法により製造するのが便利で
ある。即ち、先ずPET、OPPの如きプラスチックフ
ィルム2の片面に真空蒸着法等によりけい素酸化物の薄
膜層2aを形成する。次に、このフィルムのけい素酸化
物の薄膜層2a面に水酸基含有熱可塑性樹脂溶液を塗布
し、湿潤状態のあいだに紙を貼り合せることにより水酸
基含有熱可塑性樹脂層3及び紙層4を形成する。必要が
あれば更に紙層面に溶融押出しにより低密度ポリエチレ
ンをコートすることにより、ポリエチレン層5を設ける
が、ワックス類樹脂をコーティングすることによりワッ
クス類樹脂層5を設けることができる。最後にプラスチ
ックフィルム2の他の面に接着剤を塗布し、溶融押出し
により低密度ポリエチレンをコートすることにより、ポ
リエチレン層1を形成する。得られた積層体を常法によ
り製袋して軟包装袋とする。
【0017】
【作用】本発明においては、積層体中にけい素酸化物の
薄膜層を水酸基含有熱可塑性樹脂とを組合せたため、そ
の相乗効果によりアルミニウム箔を用いた従来の軟包装
袋とほぼ同等のバリヤー性を有し、更にけい素酸化物蒸
着薄膜層の脆さを改善し、充分に成形性が持たされた上
で、別に接着性ポリエチレン等を使わずに紙層との貼り
合せにも可能となった。本発明によって得られた積層体
は、従来の真空蒸着されたけい素酸化物を有する積層体
では屈曲が激しくて製袋不可能とされていた巻取り材料
からの自動製袋も可能となり、ヒートシールや輸送運搬
も勿論のこと全く問題がない。当然ながら、アルミニウ
ムを用いていないので、それにより公害、例えば、廃棄
困難(焼却炉破損、埋立困難)やアルツハイマー(老人
ボケ)の要因等が一掃されるであろう。
薄膜層を水酸基含有熱可塑性樹脂とを組合せたため、そ
の相乗効果によりアルミニウム箔を用いた従来の軟包装
袋とほぼ同等のバリヤー性を有し、更にけい素酸化物蒸
着薄膜層の脆さを改善し、充分に成形性が持たされた上
で、別に接着性ポリエチレン等を使わずに紙層との貼り
合せにも可能となった。本発明によって得られた積層体
は、従来の真空蒸着されたけい素酸化物を有する積層体
では屈曲が激しくて製袋不可能とされていた巻取り材料
からの自動製袋も可能となり、ヒートシールや輸送運搬
も勿論のこと全く問題がない。当然ながら、アルミニウ
ムを用いていないので、それにより公害、例えば、廃棄
困難(焼却炉破損、埋立困難)やアルツハイマー(老人
ボケ)の要因等が一掃されるであろう。
【0018】
【実施例】前記の方法で製造した低密度ポリエチレン層
1(30μm)/PETフィルム層2(12μm)/け
い素酸化物蒸着層2a(500Å)/水酸基含有熱可塑
性樹脂層3(4g/m2 )/紙層4(50g/m2 )か
らなる積層フィルムを用い、シール内側のサイズが縦1
4cm、横11cmの袋をヒートシールにて作製し、テ
スト用の軟包装袋とした。また、水酸基含有熱可塑性樹
脂層3を省いた積層体をも作製し、上記同様にて袋を作
り比較例とした。
1(30μm)/PETフィルム層2(12μm)/け
い素酸化物蒸着層2a(500Å)/水酸基含有熱可塑
性樹脂層3(4g/m2 )/紙層4(50g/m2 )か
らなる積層フィルムを用い、シール内側のサイズが縦1
4cm、横11cmの袋をヒートシールにて作製し、テ
スト用の軟包装袋とした。また、水酸基含有熱可塑性樹
脂層3を省いた積層体をも作製し、上記同様にて袋を作
り比較例とした。
【0019】包装袋のガスバリヤー性測定及び内容物の
保存テストを実施し、その結果を下記表1と表2に示
す。更に実施した焼却テスト結果を表3に示す。 ガスバリヤー性: 軟包装袋 1)本発明の軟包装袋A、水酸基含有熱可塑
性樹脂としてPVAと未けん化のEVAの4:6のブレ
ンド物を用いた。 2)本発明の軟包装袋B、EVOH(部分けん化物) 3)従来の軟包装袋、ポリエチレン(30μm)/アル
ミニウム箔(7μm)/ポリエチレン(15μm)/紙
(50g/m2 )の積層物を製袋した。 4)水酸基有熱可塑性樹脂層なしの軟包装袋(本発明の
軟包装袋Aにおいて水酸基含有熱可塑性樹脂層を除い
た。) 内容物、窒素充填(酸素濃度ほぼゼロ) 密封後室温放置、1週間
保存テストを実施し、その結果を下記表1と表2に示
す。更に実施した焼却テスト結果を表3に示す。 ガスバリヤー性: 軟包装袋 1)本発明の軟包装袋A、水酸基含有熱可塑
性樹脂としてPVAと未けん化のEVAの4:6のブレ
ンド物を用いた。 2)本発明の軟包装袋B、EVOH(部分けん化物) 3)従来の軟包装袋、ポリエチレン(30μm)/アル
ミニウム箔(7μm)/ポリエチレン(15μm)/紙
(50g/m2 )の積層物を製袋した。 4)水酸基有熱可塑性樹脂層なしの軟包装袋(本発明の
軟包装袋Aにおいて水酸基含有熱可塑性樹脂層を除い
た。) 内容物、窒素充填(酸素濃度ほぼゼロ) 密封後室温放置、1週間
【表1】
【0020】内容物保存テスト:軟包装袋、同上 内容物、ほんだし(約50g) 密封後室温、90%RH放置、2週間
【表2】
【0021】焼却テスト:軟包装袋、同上 内容物、空 電気炉(1000℃)にて焼却
【表3】
【0022】
【発明の効果】本発明は、アルミニウム箔に代え、けい
素酸化物蒸着層と水酸基含有熱可塑性樹脂層を用いるた
め、耐熱的応力、耐機械的応力が充分あるため、常温保
存軟包装袋の製造に関して、アルミニウム箔同様の工程
で製造が可能となり、かつ包装袋の後処理(焼却等)が
容易な上、アルミニウムを用いた従来の軟包装袋とほぼ
同等のバリヤー性を有し、食品や菓子類のパッケージと
してその適用範囲は極めて広く、経済的効果も極めて高
い軟包装袋である。
素酸化物蒸着層と水酸基含有熱可塑性樹脂層を用いるた
め、耐熱的応力、耐機械的応力が充分あるため、常温保
存軟包装袋の製造に関して、アルミニウム箔同様の工程
で製造が可能となり、かつ包装袋の後処理(焼却等)が
容易な上、アルミニウムを用いた従来の軟包装袋とほぼ
同等のバリヤー性を有し、食品や菓子類のパッケージと
してその適用範囲は極めて広く、経済的効果も極めて高
い軟包装袋である。
【図1】本発明の一実施例の一部を切り欠いた説明断面
図である。
図である。
【図2】従来の軟包装袋の一部を切り欠いた説明断面図
である。
である。
1 ポリエチレン層 2 ポリエチレンテレフタレート(PET)層 2a けい素酸化物の薄膜層 3 水酸基含有熱可塑性樹脂層 4 紙層 5 ポリエチレン層 A ポリエチレン層 B 接着層 C アルミニウム箔層 D ポリエチレン層またはワックス類樹脂層 E 紙層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−1641(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B65D 81/24 B32B 9/00 B32B 27/06 B65D 65/40
Claims (3)
- 【請求項1】 内層から外層に向かって順にヒートシー
ルができるプラスチック層1/強度を付与するためのプ
ラスチック層2/けい素酸化物の蒸着薄膜層/水酸基含
有熱可塑性樹脂層/紙層を主体とする積層体を製袋して
なることを特徴とするガスバリヤー性軟包装袋。 - 【請求項2】 プラスチック層2が二軸延伸ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(PET)、二軸延伸ポリア
ミドフィルム(ON)または二軸延伸ポリプロピレンフ
ィルム(OPP)である請求項1記載のガスバリヤー性
軟包装袋。 - 【請求項3】 水酸基含有熱可塑性層が、ポリビニルア
ルコール及び/またはエチレン−酢酸ビニル共重合体け
ん化物或いはそれに未けん化のエチレン−酢酸ビニル共
重合体を配合した樹脂組成物である請求項1または2記
載のガスバリヤー性軟包装袋。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP4136895A JP2898897B2 (ja) | 1995-02-06 | 1995-02-06 | ガスバリヤー性軟包装袋 |
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JPH08207966A JPH08207966A (ja) | 1996-08-13 |
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-
1995
- 1995-02-06 JP JP4136895A patent/JP2898897B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH08207966A (ja) | 1996-08-13 |
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