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JP2890650B2 - 電流センサ - Google Patents

電流センサ

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Publication number
JP2890650B2
JP2890650B2 JP2097836A JP9783690A JP2890650B2 JP 2890650 B2 JP2890650 B2 JP 2890650B2 JP 2097836 A JP2097836 A JP 2097836A JP 9783690 A JP9783690 A JP 9783690A JP 2890650 B2 JP2890650 B2 JP 2890650B2
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JP
Japan
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carrier
magnetic
current
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JP2097836A
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English (en)
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JPH04118561A (ja
Inventor
陽一郎 柏木
直 近藤
辰哉 上松
久史 白木
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Jidoshokki Seisakusho KK
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Publication date
Application filed by Toyoda Jidoshokki Seisakusho KK filed Critical Toyoda Jidoshokki Seisakusho KK
Priority to JP2097836A priority Critical patent/JP2890650B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、被測定導体の周囲に対称配置された一対の
インダクタンス素子を用いて被測定導体の電流を非接触
に計測する電流センサに関する。
[従来の技術] 従来、被測定導体を流れる電流を非接触に測定する非
接触型電流センサ(以下、単に電流センサという)とし
て、第21図〜第23図に示す型式のものが知られている。
第21図の電流センサは、被測定導体100が挿通される
磁気コア200にセンスコイル300を巻装し、センスコイル
300両端の誘導電圧により被測定導体100の電流を検出す
るものであり、通常、カレントトランスホーマとして知
られている。
第22図の電流センサは、被測定導体100が挿通される
有ギャップ磁気コア201のギャップ202にホール素子400
を介装し、ホール素子400の出力電圧により被測定導体1
00の電流を検出する。
第23図の電流センサは、2磁心マルチバイブレータ型
式の電流センサとして知られるものであり、例えば、日
本応用磁気学会誌、Vol.12,No.2,1988に記載されてい
る。この電流センサは、被測定導体100を中心として互
いに180度対称となるように配設されるアモルファス芯
材対500にコイル600をそれぞれ巻装し、被測定磁界によ
るアモルファス芯材対500の透磁率変化を、コイル600に
流す交流電流の変調度や変化として検出する。
この電流センサは、ホール素子を用いるものなどに比
較して集磁コアを必要せず小形化できる点や使用温度限
界が高い点で有利であり、各種モータに内蔵してその駆
動制御に用いる場合に好適である。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記した第21図の電流センサは、電磁
誘導原理に基づくので、大型高重量となり、しかも低周
波電流の検出感度が低く、パルス電流のような非正弦波
電流の計測ができない欠点がある。第22図の電流センサ
も大型高重量の集磁コアを必要とし、更に高周波電流の
検出に際し集磁コアの鉄損が大きい欠点がある。
一方、第23図の電流センサは集磁コアを必要としない
ので、小型軽量化が可能であり、低周波から高周波に至
るまで高い感度を維持できるが、例えば隣接電線などを
流れる電流が発生する磁場の影響を受けやすく、そのた
めにSN比が劣化してしまう欠点があった。
本発明はこのような課題に鑑みなされたものであり、
隣接電線に流れる電流による磁界の影響を低減し高いSN
比をもつ電流センサを提供することをその解決すべき課
題としている。
[課題を解決するための手段] 第1発明の電流センサは、高透磁性の芯材対を互いに
被測定導体に対して対称となるように配置し、該各芯材
にそれぞれ巻装されるキャリヤ磁界印加用のキャリヤコ
イル及び芯材内磁束変化検出用のセンスコイルと、前記
各キャリヤコイルに等しい大きさと等しい周波数とをも
つキャリア電流を供給し被測定磁界方向を基準として互
いに逆方向のキャリア磁界を前記各芯材に個別に発生さ
せるキャリヤ電流源と、前記各センスコイルに誘導され
る各誘導電圧中のキャリア電圧成分が互いに打消すよう
に前記各二次電圧を差動増幅する差動増幅回路部とを有
し、前記芯材対および前記各コイルを環状に囲覆する高
透磁性の磁気シールド体とを具備することを特徴として
いる。
第2発明の電流センサは、被測定導体が挿通される導
体挿通孔を有する回路基板と、前記導体挿通孔の孔心を
中心として互いに180度対称となるように前記回路基板
上に配設される高透磁性の芯材対と、該各芯材にそれぞ
れ巻装されるキャリヤ磁界印加用のキャリヤコイル及び
芯材内磁束変化検出用のセンスコイルと、前記各キャリ
ヤコイルに等しい大きさと等しい周波数とをもつキャリ
ア電流を供給し被測定磁界方向を基準として互いに逆方
向のキャリア磁界を前記各芯材に個別に発生させるキャ
リヤ電流源と、前記各センスコイルに誘導される各誘導
電圧中のキャリア電圧成分が互いに打消すように前記各
二次電圧を差動増幅する差動増幅回路部と、前記回路基
板を環状に囲覆する高透磁性の磁気シールド体とを具備
する。
[作用] 各発明の電流センサの測定原理は、被測定導体を流れ
る被測定電流によりその周囲に形成される被測定磁界が
アモルファス芯材対の透磁率を変化させることを利用し
ており、アモルファス芯材対に巻装したコイルに流す交
流電流の変調度変化としてこの透磁率変化を検出してい
る。
更に詳細に説明すれば、キャリア電流源により各芯材
にそれぞれ誘起される2つのキャリア磁界の一方は芯材
中の被測定磁界(被測定電流により誘起される磁界)を
強める方向に作用し、他方はそれを弱める方向に作用す
る。その結果、一方の芯材の透磁率は磁気飽和に近付く
ので減少し、他方の芯材の透磁率は磁気飽和から遠ざか
るので増加し、センスコイルでは上記両透磁率変化によ
り変調されたキャリア変調電圧がそれぞれ生じる。
したがって、これら変調されたキャリア電圧の差は被
測定電流の大きさにほぼ比例するものとみなせるので、
二つのキャリア変調電圧の差により被測定電流を測定す
ることができる。なお、二つのキャリア変調電圧に含ま
れる各キャリア電圧成分は同相に設定されているので、
二つのキャリア変調電圧に含まれる各キャリア電圧成分
の差から除去される。
本発明では特に、磁気シールド体が、センスコイル及
びキャリアコイルが巻装された芯材対及び被測定導体
を、被測定電流の通電方向を軸心として環状に囲覆して
いる。
その結果、この磁気シールド体は、被測定電流がその
周囲に形成する磁束を吸収して芯材中に形成する被測定
磁界を弱化するものの、それ以上に外部磁界をシールド
し、その結果、磁気シールド体を設けると、設けない場
合に比較して総合的なSN比が格段に向上する。
[実施例] (第1実施例) 本発明の電流センサの一実施例を、第1図〜第8図に
より説明する。
この実施例の電流センサは、平行に配設された3本の
銅バー(2本だけを図示)10の一本の電流を検出するも
ので、1本の銅バー(本発明でいう被測定導体)10が挿
通される両端開口の角筒形状を有する磁気シールド体9
と、磁気シールド体9の内部中央に配設された回路基板
8と、回路基板8に装着された芯材1a、1b、キャリヤコ
イル2a、2b、キャリア電流源3、バイアス電流源4、セ
ンスコイル5a、5b、検波(整流)回路6a、6b、差動増幅
回路7、ローパスフィルタ8とからなり、これら検波
(整流)回路6a、6b、差動増幅回路7及びローパスフィ
ルタ8は本発明でいう差動増幅回路部を構成している。
磁気シールド体9は厚さ0.5mmの珪素鋼板を屈曲し両
端をスポット溶接して形成されており、開口は3cm×3cm
で奥行きは2cmに形成されている。
回路基板8は、アルミナ基板からなり表面に配線パタ
ンが設けられている。回路基板8の主面は磁気シールド
体9の開口方向と直交しており、回路基板8の外周縁は
磁気シールド体9の内周縁に密接している。回路基板8
の中央部には銅バー10が挿通する導体挿通孔81が設けら
れており、導体挿通孔81の開口寸法は0.4cm×1.5cmで、
ほぼ銅バー10の最小断面寸法に等しくされている。
回路基板8の主表面にはアモルファス磁性材料からな
る芯材1a、1bが配設されており、芯材1a、1bにはエナメ
ル線からなるキャリアコイル2a、2b、センスコイル5a、
5bが巻装されている。芯材1a、1bは、それぞれ、長さ5m
m、直径0.12mmであるCo−Fe−Si−B系の零磁歪アモル
ファスワイヤ(ユニチカ社製)を3本重ねた後、270℃
で30分間アニールして構成されている。芯材1aと芯材1b
とは、導体挿通孔81の孔心を中心として互いに180度対
称で、かつ、回路基板8の主面と平行(すなわち銅バー
10を流れる電流の方向と直角)で、しかも、前記孔心を
中心とする仮想円の円周方向に配置されている。
キャリアコイル2a及びセンスコイル5aは芯材1aに、同
じくキャリアコイル2b及びセンスコイル5bは芯材1bにそ
れぞれ所定ターンだけ巻回されており、キャリアコイル
2aとキャリアコイル2bは等しいターン数を有し、センス
コイル5aとセンスコイル5bは等しいターン数を有してい
る。キャリアコイル2a、2bは直列に接続されており、そ
の両端は、直列に接続された搬送電流源3及びバイアス
電流源4の両端に接続されている。
キャリア電流源3は所定の大きさをもつ約470kHzの搬
送電流icを供給し、バイアス電流源4は所定の大きさの
直流バイアス電流ibを供給する。
これら電流源3、4から各キャリアコイル2a、2bに供
給される電流i(=ib+ic)により、芯材1aに誘起され
る印加磁界Hm(Hm=Hb+Hc)のベクトルと、芯材1bに誘
起される印加磁界Hm(Hm=Hb+Hc)のベクトルとは、互
いに等しい大きさをもち、かつ、第6図に示すように、
被測定磁界Hexに対して一方は同方向で他方は逆方向と
なっている。
センスコイル5a、5bの各一端は接地され、両他端は個
別に検波回路6a、6bに入力されて直流化され、検波回路
6a、6bで検波された信号電圧は差動増幅回路7で差動増
幅され、ローパスフィルタ8で残留キャリア波成分など
の高周波成分をカットして出力される。
以下、この電流センサの作動原理を詳細に説明する。
キャリア電流源3及びバイアス電流源4から供給され
る電流iにより、キャリアコイル2a、2bに、それぞれ絶
対値が等しい印加磁界Hm(=Hc+Hb)が個別に誘起され
る。なお、Hbは直流バイアス電流ibにより誘起されるバ
イアス磁界、Hcはキャリア電流icにより誘起されるキャ
リア磁界である。上述のように、キャリアコイル2aの磁
界Hmのベクトルと、キャリアコイル2bの磁界Hmのベクト
ルとは、被測定磁界Hexに対し一方は同方向で他方は逆
方向となっている。したがって、芯材1aにおいて被測定
磁界Hexが磁界H1を強める場合には、芯材1bにおいて被
測定磁界Hexは磁界H2を弱める。
各センスコイル5a、5bに誘起される二次電圧をV2a、V
2b、センスコイル5aの相互インダクタンスをMa、センス
コイル5bの相互インダクタンスをMb、芯材1a、1bを貫通
する被測定磁界Hexの磁束をΦx、センスコイルの巻回
ターン数をN2とすれば、 V2a=−Ma・di/dt−N2・dΦx/dt Ma=Mo+ΔMaとすれば、 V2a=−(Mo+ΔMa)・di/dt−N2・dΦx/dt V2b=−Mb・di/dt−N2・dΦx/dt Mb=Mo+ΔMbとすれば、 V2a=−(Mo+ΔMb)・di/dt−N2・dΦx/dt なお、Moは相互インダクタンスMの一定成分値、ΔMb
は相互インダクタンスMの変動成分値、N2・dΦx/dtは
被測定磁界Hexの変化により誘導される電圧である。
したがって、検波回路6a、6bを無視して考えれば、差
動増幅回路7の出力電圧Voは、 Vo=f・(V2a−V2b)=−(ΔMa−ΔMb)となる。fは
比例定数である。
すなわち、出力電圧Voは、各相互インダクタンスMa、
Mbの変化分ΔMaとΔMbとの差に比例し、上述したように
被測定磁界Hexの変化に対してΔMaとΔMbとの符号は逆
となるので、出力電圧Voはほぼ相互インダクタンスMa、
Mbの変化分ΔMaとΔMbの絶対値の和にほぼ比例する。
更に、相互インダクタンスMaの変化分ΔMaは芯材1aの
比透磁率μaの変化にほぼ比例し、比透磁率μaの変化
は、第7図に示す芯材1a、1bの特性図からわかるよう
に、所定の磁界範囲において全磁界H1の変化にほぼ比例
する。同様に、相互インダクタンスMbの変化分ΔMbは芯
材1bの比透磁率μbの変化にほぼ比例し、比透磁率μb
の変化は、全磁界H2の変化にほぼ比例する。
結局、出力電圧Voは、芯材1aの全磁界H1と芯材1aの全
磁界H2との差に比例し、 H1=Hb+Hc+Hex H2=Hb+Hc−Hex であるから、 Voは(H1−H2)にほぼ比例し、(H1−H2)はHexにほ
ぼ比例する。
すなわち、芯材1aでは印加磁界Hm=(Hb+Hc)と被測
定磁界Hexとが互いに加算されて強くなり、強くなった
分だけ相互インダクタンスMaが減少して、2次電圧V2a
が低下する。
一方、芯材1bでは印加磁界Hm=(Hb+Hc)と被測定磁
界Hexとが打消しあって弱くなり、弱くなった分だけ相
互インダクタンスMaが増加して、2次電圧V2bが減る出
力電圧V2bが増加する。
その結果、出力電圧Voは、被測定磁界Hexの変化にぼ
ぼ比例し、被測定磁界Hexは被測定電流iに比例するの
で、出力電圧Voは、被測定電流iにほぼ比例する。
更に、出力電圧Voには直流バイアス磁界Hb及びキャリ
ア磁界Hcは差動増幅回路7において同相成分であるので
キャンセルされ、被測定磁界Hexが0の時には出力電圧V
oは基底レベルとなる。
次に、第8図を参照して磁気シールド体9の作用を定
性的に説明する。
第8図では、電流iaの上下に芯材1a、1bを設け、更に
磁気シールド体9がこれらを囲んでいる。電流iaに平行
に流れる電流ibが誘起する磁束Φbの大部分はアモルフ
ァス磁性材料からなる磁気シールド体9を通り、その分
だけ芯材1a、1bを貫通する磁束が減少する。
一方、被測定電流iaがその周囲に誘起する磁束(図示
せず)もまた、磁気シールド体9に吸収され、その分だ
け芯材1a、1bを貫通する磁束が減少する。
したがって、電流ibによって生じる外部磁界が芯材1
a、1bの透磁率を変調する度合と、電流iaによって生じ
る信号磁界が芯材1a、1bの透磁率を変調する度合とは、
それぞれ減少する。
電流iaと電流ibとを別々に流して第1図の電流センサ
により実験したところ、ia=ib=300A、iaとibとの間隔
を5cmとした場合、磁気シールド体9が無い場合には、
出力電圧Vo(第4図参照)におけるia成分とib成分との
比率は1:0.04であった。そして、磁気シールド体9があ
る場合には、出力電圧Voにおけるia成分とib成分との比
率は1:0.003であった。
すなわち、磁気シールド体9を設けることによって、
SN比を格段に改善できることがわかった。
従来、電流が流れる被測定導体がその周囲に作る誘導
磁界を媒介として非接触に上記電流を測定する場合、ホ
ール素子のような磁界検出素子に上記誘導磁界を集中す
る集磁コアを設けることは考えられても、磁界検出素子
を貫通する誘導磁界を減殺するような磁気シールド体を
設けるなどということは考えられたことはなかった。本
発明者らは、このような一般常識に反して磁気シールド
体9を設けたところ、信号の絶対レベルは低下するもの
のSN比は格段に向上することを発見したものである。
以下、他の実施例を説明する。
(第2実施例) この実施例の電流センサは、第9図に示すように、一
対の芯材1a、1b、キャリアコイル2a、2b、搬送電流源
3、バイアス電流源4、センスコイル5a、5b、差動増幅
回路7、バンドパスフィルタ80、検波(整流)回路6、
ローパスフィルタ8と、第1実施例と同じ回路基板8及
び磁気シールド体9とからなる。
この電流センサは、第1図の電流センサに比較して、
差動増幅した後で検波(整流)する点、及び、差動増幅
回路7から出力されるAM変調電圧を検波前に搬送周波数
を通過中心周波数とするバンドパスフィルタ80を通過さ
せる点が異なっている。
このようにすれば、差動増幅前の回路処理を減らし、
かつ、必要なAM変調帯域だけを検波できるので、SN比を
改善することができる。
(第3実施例) この実施例の電流センサは、第10図に示すように、第
9図の電流センサに負帰還用の反転増幅回路79を付加し
たものである。増幅率がm(m<1)である反転増幅回
路79はローパスフィルタ8から出力された信号電圧をキ
ャリアコイル2a、2bに負帰還して、この電流センサの直
線性を改善している。
なお、第11図に示すように、芯材1a、2aに専用の負帰
還コイル9a、9bを巻回し、これら負帰還コイル9a、9bを
直列接続し、差動増幅器7の出力電流を負帰還されても
よい。
(第4実施例) 本実施例の電流センサは、第1実施例の回路部分を第
12図に示すように、2磁心マルチバイブレータ型式の回
路に置換したものであって、一対の芯材10a、10bに個別
に負荷コイル20a、20bを巻回し、この負荷コイル20a、2
0bをコレクタ負荷とする無安定マルチバイブレータMの
各エミッタ電圧Ve1、Ve2を、それぞれRCローパスフィル
タLPF1、LPF2で平滑化した後、差動増幅回路OPEで差動
増幅している。更に、芯材10a、10bにそれぞれ負帰還コ
イル(図示せず)を巻回し、差動増幅出力Vdを帰還抵抗
Rfを介して帰還してセンサの直線性を改善している。な
お、Eは高位電源、R1、Vrはエミッタ抵抗である。
この電流センサの測定原理を、以下に説明する。
無安定マルチバイブレータMから負荷コイル20a、20b
に通電される電流I1、I2により、芯材10a、10bに互いに
等しいキャリア磁界Hmが誘起される。被測定磁界Hexと
すると、芯材10aを貫通する磁界H1がHm+Hex、芯材10b
を貫通する磁界H2がHm−Hexとなるように、この芯材10
a、10bを被測定磁界Hex中に配置する。このようにすれ
ば、被測定磁界Hexが増加すると、磁界H1は増加し、磁
界H2は減少する。
磁界H1が増加すれば芯材10aは磁気飽和に近付くので
その自己インダクタンスは減少し、磁界H2が減少すれば
芯材10bは磁気飽和から遠ざかるのでその自己インダク
タンスは増加し、その結果、各自己インダクタンスに比
例したエミッタ電圧Ve1、Ve2が2つのエミッタ抵抗RLの
両端に生じ、この電圧差は平滑化された後で差動増幅回
路OPEで差動増幅されて出力される。
すなわち、被測定磁界Hexの大きさにより、各芯材10
a、10bの動作点はそれらのB−Hカーブ上で互いに逆方
向に移動し、各負荷コイル20a、20bの平均インダクタン
ス(線形化インダクタンス)に差が生じ、このインダク
タンス差にほぼ比例する差動増幅回路OPEの出力電圧に
より、被測定電流を測定している。
(第5実施例) 本実施例の電流センサは、第13図に示すように、導体
挿通孔81aを残して磁気シールド体9中にエポキシ樹脂1
9を充填したものである。この種の電流センサでは、銅
バー10に対して芯材1a、1B及び磁気シールド体9がたと
え微小でも変位すると大きな誤差が生じる。この実施例
では導体挿通孔81aの奥行が深いので、銅バー10が挿通
された電流センサを揺動又は振動しにくくすることがで
き、芯材1a、1bと銅バー10と磁気シールド体9との各相
対距離の変化を防止し、誤差を生じにくくできる。ま
た、内蔵する各種部品やコイルなどを保護することがで
きる。
なおこの場合、回路基板8を開口して回路基板8の両
側の樹脂19を一体化すると、より耐振性が改善される。
(第6実施例) 本実施例の電流センサは、第14図に示すように、導体
挿通孔81b、81cをもつ樹脂蓋82、83を磁気シールド体9
に嵌入したものである。この実施例でも、第5実施例と
同様の効果を奏することができる。
(第7実施例) 本実施例の電流センサは、第15図に示すように、モー
ルドされるエポキシ樹脂19中に短い銅バー10zを埋め込
んだものであり、被測定電流が流れる銅バー10dはボル
トによりこの銅バー10zに接続される。
このようにすれば、センスコイル5a、5b(第4図参
照)に最も大きな磁気的影響を与える銅バー10zと芯材1
a、1bとの相対位置関係を予め完全固定することができ
るので、振動などによって生じる上述の相対変位に起因
する誤差を大幅に低減することが可能となる。
(第8実施例) 本実施例の電流センサは、第16図に示すように、回路
基板8eの導体挿通孔82を角溝形とし、磁気シールド体9
c、9dを二つ割りとしたものである。この実施例では予
め配線された銅バー10dに回路基板8eを取付け、その
後、磁気シールド体9c、9dを回路基板8eに被せて接着し
ている。このようにすれば、予め配線された銅バー10d
に電流センサを取付けることができる。なお、磁気シー
ルド体9c、9dの対面する先端部の間に、通電方向に伸び
る狭隙89が形成されている。
また、本実施例によれば、第17図に示すように芯材1
a、1bに対する銅バー10dの電流iaの磁気的影響を殆ど低
下させることなく、隣接する銅バー10eの電流ibによる
芯材1a、1bに対する磁気的影響を低減することができ
る。すなわち、第17図の磁束分布図に示すように、電流
ibによる磁束Φbはほとんど全て第一実施例の場合と同
様に磁気シールド体9c、9dを流れる。それに反して、電
流iaによる磁束に対して、磁気シールド体9c、9dは閉磁
路とならず、ギャップ幅2dにより、磁気シールド体9c、
9dを流れる電流iaによる磁束が例えば数千分の一に激減
するので、それだけ磁気シールド体9c、9dの飽和を防止
できることができ、磁気シールド体9c、9dを薄肉化(例
えばフィルム化)することが可能となる。なお、磁気シ
ールド体9c、9dの飽和防止は前述したように芯材1a、1b
への非線形の磁気的影響を低減する点で非常に重要であ
る。
なおこの実施例で大事なことは、電流ibによる磁束Φ
bの方向と直角方向に伸びる磁気シールド体の表面に狭
隙89を設けることにより、狭隙89が磁束Φbを切断しな
いことである。ただ、第18図に示すように、狭隙89が一
個の場合はどこに設けても有効である。
(第9実施例) 本実施例の電流センサは、第19図に示すように、平行
に流れる3相電流ia、ib、icに対して、芯材1a〜1fの軸
心をそれぞれ、隣接する電流による磁界方向と直角にな
るように配置したものである。もちろん芯材1a〜1fには
第1実施例と同様にキャリアコイル及びセンスコイル
(図示せず)が巻装されており、3組の回路部分(それ
ぞれキャリア電流源及び差動増巾回路部を含む)により
各電流値が測定される。
このようにすれば、芯材1a〜1fを貫通する外部磁界
は、芯材1a〜1fをそれらの軸心と直角の方向に貫通し、
センスコイル(図示せず)の一部のターンとしか鎖交し
ない。それに対し、芯材1a〜1fを貫通する測定すべき被
測定磁界は、芯材1a〜1fをそれらの軸心方向に貫通しセ
ンスコイル(図示せず)の各ターンのぼほ全部と鎖交す
る。したがって、各センスコイルに誘導される誘導電圧
のSN比は大幅に改善される。
もちろん、この実施例では平行に2本または4本以上
の被測定導体が配設される場合にも有効である。
(第10実施例) 本実施例は応用上重要な3相電流センサの改良に関す
るものであり、第20図に示すように、3個の電流センサ
7a、7b、7cを通電方向(図中上下方向)と直角の方向に
一列に配設したものである。このようにすれば、各芯材
は外部磁界に対して二重に磁気シールドされるので、更
に一層SN比を改善することができる。もちろん、2相ま
たは4相の場合でも各電流センサを通電方向と直角方向
に伸びる面上に配列することにより同様の効果を得るこ
とができる。
もちろん、この実施例において3つの磁気シールド体
9にそれぞれ狭隙89(第17図参照)を設けることもで
き、また、各磁気シールド体9を一体に形成することも
可能である。
なお、3対のセンスコイルの出力電圧をマルチプレク
サを介して1個の差動増幅回路部に送り、1個の差動増
幅回路部で各対のセンスコイルの出力電圧を時間順次に
処理することもできる。
また、3対の各キャリアコイルに供給するキャリア電
流を一個のキャリア電流源から並列あるいは直列に供給
することもできる。このように、多相電流センサにおい
て回路を共用すれば小形化、低消費電力化が可能とな
る。
更なる変形態様を以下に説明する。
上記各実施例では、芯材として一対のものを用いた
が、芯材を複数組設けてそれらを銅バー10の周囲に等間
隔に配置することもできる。
磁気シールド体9は、各種形状のアモルファス磁性材
で構成することができる。アモルファス磁性材は保磁力
及びヒステリシスが小さいのでそれを原因として芯材1
a、1bに生じる非線形磁気変化が小さく、その結果、セ
ンスコイルに誘導されるノイズ成分が小さい。テープ状
のアモルファス磁性材を1回以上巻いて磁気シールド体
9を形成してもよく、針状のアモルファス磁性材が混入
した樹脂により磁気シールド体9を成型してもよい。
本発明の電流センサは磁界中における芯材1a、1bの透
磁率変化に基づいて電流を検出するものであるので、光
測定磁界あるいは外部磁界により磁気シールド体9の透
磁率変化(特に飽和)が生じると、SN比が劣化してしま
う。したがって、ヒステリシスカーブが小さく透磁率変
化が小さく飽和しにくい材料が最も好適である。
以上に説明した各実施例の構成上の特徴を以下にまと
める。
(a)孔心から磁気シールド体9までの距離を、孔心か
ら各芯材までの距離の2倍以上に設定すれば、芯材1a、
1bに対する磁気シールド体9の磁気的影響が減り、SN比
が改善される。
(b)キャリヤコイル2a、2bはセンスコイル5a、5bを兼
ねることができる。
(c)磁気シールド体9をアモルファス磁性材で構成す
れば、その高い透磁率と小さいヒステリシスによりSN比
が改善される。
(d)磁気シールド体9を珪素鋼板で構成しても(c)
と同様の効果を得ることができる。
(e)磁気シールド体9は、磁性芯材1a、1bから等距離
にある中心線を中心として鏡面対称形状をもつことが好
ましい。このようにすれば、磁性芯材1a、1bに対する磁
気シールド体9の磁気的影響が等しくなり相殺しやすく
なる。
(f)回路基板8の外周縁を磁気シールド体9の内周面
に当接させると、回路基板8上の芯材1a、1bと磁気シー
ルド体9との相対変位を上記当接により規制することが
でき、誤差を低減することができる。
(g)磁気シールド体9を外殻として磁気シールド体9
内にモールド樹脂を充填すれば、磁気シールド体9がモ
ールドケースとなり、芯材1a、1b、センスコイル5a、5
b、キャリアコイル2a、2bと磁気シールド体9との相対
変位を防止して誤差の増大を防止し、その結果、耐振
性、耐湿性が向上する。
[発明の効果] 以上説明したように各発明の電流センサは、高透磁性
の磁気シールド体により両芯材及び導体挿通孔を囲覆し
ているので、外部磁界、特に隣接電流による外部磁界の
影響を排除し、優れたSN比を有する電流センサを実現す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の電流センサの第1実施例を示す模式斜
視図、第2図はその正面図。第3図は第1図の電流セン
サの断面図、第4図は第1図の電流センサのブロック
図、第5図は芯材1a、b近傍の拡大模式図、第6図は芯
材1a、1b中の磁界の方向を示す説明図、第7図は芯材1
a、1bのB−Hカーブ、第8図は外部磁界Φbの分布
図、第9図は第2実施例を示すブロック図、第10図は第
3実施例を示すブロック図、第11図は第4実施例を示す
ブロック図である、第12図は第4実施例の電流センサを
示すブロック図、第13図は第5実施例を示す断面図、第
14図は第6実施例を示す断面図、第15図は第7実施例を
示す断面図、第16図は第8実施例を示す断面図、第17図
は第8実施例における磁束Φbの分布図、第18図は第8
実施例の変形態様を示す磁束分布図、第19図は第9実施
例を示す磁束分布図、第20図は第10実施例を示す断面
図、第21図〜第23図は従来の電流センサを示す模式図で
ある。 1a、1b…芯材 2a、2b…キャリアコイル 3…キャリア電流源 4…直流バイアス電流源 5a、5b…センスコイル 7…差動増幅回路 8…回路基板 9…磁気シールド体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白木 久史 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式 会社豊田自動織機製作所内 (56)参考文献 特開 平3−162688(JP,A) 特開 昭64−1970(JP,A) 特開 平3−277976(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01R 15/18 G01R 19/00 - 19/32

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高透磁性の芯材対を互いに被測定導体に対
    して対称となるように配置し、 該各芯材にそれぞれ巻装されるキャリヤ磁界印加用のキ
    ャリヤコイル及び芯材内磁束変化検出用のセンスコイル
    と、 前記各キャリヤコイルに等しい大きさと等しい周波数と
    をもつキャリア電流を供給し被測定磁界方向を基準とし
    て互いに逆方向のキャリア磁界を前記各芯材に個別に発
    生させるキャリヤ電流源と、 前記各センスコイルに誘導される各誘導電圧中のキャリ
    ア電圧成分が互いに打消すように前記各二次電圧を差動
    増幅する差動増幅回路部とを有し、前記芯材対および前
    記各コイルを環状に囲覆する高透磁性の磁気シールド体
    と、 を具備することを特徴とする電流センサ。
  2. 【請求項2】被測定導体が挿通される導体挿通孔を有す
    る回路基板と、 前記導体挿通孔の孔心を中心として互いに180度対称と
    なるように前記回路基板上に配設される高透磁性の芯材
    対と、 該各芯材にそれぞれ巻装されるキャリヤ磁界印加用のキ
    ャリヤコイル及び芯材内磁束変化検出用のセンスコイル
    と、 前記各キャリヤコイルに等しい大きさと等しい周波数と
    をもつキャリア電流を供給し被測定磁界方向を基準とし
    て互いに逆方向のキャリア磁界を前記各芯材に個別に発
    生させるキャリヤ電流源と、 前記各センスコイルに誘導される各誘導電圧中のキャリ
    ア電圧成分が互いに打消すように前記各二次電圧を差動
    増幅する差動増幅回路部と、 前記回路基板を環状に囲覆する高透磁性の磁気シールド
    体と、 を具備することを特徴とする電流センサ。
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