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JP2888307B2 - ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

ポリカーボネートの製造方法

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JP2888307B2
JP2888307B2 JP12569190A JP12569190A JP2888307B2 JP 2888307 B2 JP2888307 B2 JP 2888307B2 JP 12569190 A JP12569190 A JP 12569190A JP 12569190 A JP12569190 A JP 12569190A JP 2888307 B2 JP2888307 B2 JP 2888307B2
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bisphenol
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健 阪下
智明 下田
アレン・ダブリュ・コー
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NIPPON JII II PURASUCHITSUKUSU KK
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、ポリカーボネートの製造方法に関する。さ
らに詳しくは本発明は、色相、耐熱性、耐水性、耐候性
などに優れたポリカーボネートの製造方法に関する。
発明の技術的背景 ポリカーボネートは、耐衝撃性などの機械的特性に優
れ、しかも耐熱性、透明性などにも優れており、広く用
いられている。このようなポリカーボネートの製造方法
としては、ビスフェノールなどの芳香族有機二水酸基化
合物とホスゲンとを直接反応させる方法(界面法)、あ
るいはビスフェノールなどの芳香族有機二水酸基化合物
とジフェニルカーボネートなどの炭酸ジエステルとを溶
融状態でエステル交換反応(重縮合反応)させる方法な
どが知られている。
このような製造方法の内、芳香族有機二水酸基化合物
と炭酸ジエステルとのエステル交換反応によってポリカ
ーボネートを製造する方法について説明すると、この方
法は、触媒として、金属の有機酸塩、無機酸塩、酸化
物、水酸化物、水素化物あるいはアルコラートなどを使
用して、減圧下に芳香族有機二水酸基化合物と炭酸ジエ
ステルとを、例えば最終的に250〜330℃に加熱して溶融
しながらエステル交換させる方法である。
この方法は、前述の界面法と比較してポリカーボネー
トを安価に製造できるという利点を有しているが、反
面、芳香族系有機二水酸基化合物と炭酸ジエステルとを
溶融状態で反応させているため、生成するポリカーボネ
ートは、長期間、高温に晒されることとなり、得られる
ポリカーボネートが黄色に着色しやすいという問題点を
有している。
このようなポリカーボネートの着色を低減する方法と
しては、例えば、高純度の芳香族有機二水酸基化合物を
使用する方法を利用することができる。工業的に芳香族
有機二水酸基化合物、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン(以下「ビスフェノールA」と記
載することもある)を精製する方法としては、蒸留法、
再結晶法あるいはアダクト法などが知られている。この
内、アダクト法は、ビスフェノールAがフェノールと1:
1の付加体(アダクト)を形成するという性質を利用し
て精製する方法である。すなわち、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン(すなわちビスフェノール
A)および、例えば2−(4−ヒドロキシフェノール)
−2−(2−ヒドロキシフェノール)プロパンのような
不純物を含む混合物に大過剰のフェノールを加えると、
ビスフェノールAはフェノールと付加体を形成して沈澱
するが、不純物はフェノールとは付加体を形成しない。
従って、生成したビスフェノールAとフェノールとの付
加体である沈澱物を溶液から分離した後、分離された沈
澱物をこの付加体を構成するフェノールが蒸散する程度
の温度に加熱することにより(例えば180℃程度の不活
性ガスを長時間吹き付けることにより)、付加体を構成
していたフェノールが除去され、純度の高いビスフェノ
ールAを得ることができる。このようにして得られたビ
スフェノールAは、非常に純度が高く、フェノールがほ
とんど含有されていないことは勿論、ビスフェノールA
を製造する際に副生する2−(4−ヒドロキシフェノー
ル)−2−(2−ヒドロキシフェノール)プロパンもほ
とんど含有されてない。
従って、このように純度の高いビスフェノールAを使
用して、溶融法によりポリカーボネートを調製すること
により、色相あるいは耐熱性などの特性に優れたポリカ
ーボネートを製造することができるはずである。
ところが、本発明者の検討によると、上記のようにし
て得られたビスフェノールAを用いて溶融法によりポリ
カーボネートを製造したとしても、得られるポリカーボ
ネートの色相あるいは耐熱性等の特性が予定している程
度までその特性が向上しない。すなわち、ポリカーボネ
ートを製造するに際しては、高純度のビスフェノールA
を使用してだけでは、得られるポリカーボネートの特性
は必ずしも満足できるものではないことがわかった。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決
しようとするものであって、色相、耐熱性、耐水性およ
び耐候性などの特性に優れたポリカーボネートを溶融重
縮合法で得るための方法を提供することを目的としてい
る。
発明の概要 本発明に係る第1のポリカーボネートの製造方法は、
ビスフェノール類と炭酸ジエステルとを溶融重縮合して
ポリカーボネートを製造する方法において、 ビスフェノール類として、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパンとフェノール類との付加体あるい
は該付加物とフェノール類との混合物を用いることを特
徴としている。
本発明に係る第2のポリカーボネートの製造方法は、
ビスフェノール類と炭酸ジエステルとを溶融重縮合して
ポリカーボネートを製造する方法において、 ビスフェノール類として、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパンとフェノール類との付加体あるい
は該付加物とフェノール類との混合物を、該付加物ある
いは該混合物中に含有される酸性物質の含有率が、p−
スルホン酸換算で0.5ppm以下になるようにアルカリ処理
した付加物あるいは混合物を用いることを特徴としてい
る。
本発明に係るポリカーボネートの製造方法では、ビス
フェノール類として、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパンとフェノール類との付加体、あるいはこ
の付加体にさらにフェノール類を添加した混合物を用い
ているため、色相、耐熱性、耐水性、耐候性などに優れ
たポリカーボネートを製造することができる。
発明の具体的説明 以下、本発明に係るポリカーボネートの製造方法につ
いて具体的に説明する。
本発明のポリカーボネートの製造方法においては、ビ
スフェノールAと炭酸ジエステルとを溶融重縮合してポ
リカーボネートを製造を製造している。
そして、本発明においては、ビスフェノールAとし
て、ビスフェノールAとフェノール類との付加体、ある
いはこの付加体にさらにフェノール類を加えた混合物を
使用する。上述のようにビスフェノールAを工業的に精
製する方法として、例えば、酸性触媒の存在下に、アセ
トンとフェノールとを反応して得られる縮合脱水反応混
合物に、大過剰のフェノールを加えてビスフェノールA
とフェノール類との付加体を選択的に生成させ、ビスフ
ェノールAをフェノール類との付加体として沈澱させ、
反応混合物から沈澱物を分離し、次いでこの付加体に、
加熱した不活性ガスを吹き付けて付加体を構成するフェ
ノール類を除去してビスフェノールAを精製する方法が
利用されている。しかしながら、このようにして精製し
たビスフェノールAは、フェノールを脱離する際の高温
処理などによって生成する微量の着色不純物を含有する
ため、これをそのまま使用しても、得られるポリカーボ
ネートの色調あるいは耐熱性等の特性が予定している程
度にまでは向上しないことが判明した。
本発明のポリカーボネートの製造方法では、ビスフェ
ノールAとして、上記のような付加体からフェノール類
を除去することなく、ビスフェノールAとフェノール類
との付加体自体を使用する。すなわち、本発明者らは、
溶融法によってポリカーボネートを製造する際、2,2−
ビス(4−ヒドロキシ フェニル)プロパンとフェノー
ル類との付加体からフェノール類を除去することなく、
付加体のまま炭酸ジエステルと重縮合させれば、色相や
耐熱性に優れたポリカーボネートが得られることを見出
した。
以下、本発明のポリカーボネートの製造方法について
詳述する。
付加体(アダクト) ポリカーボネートを製造するに際の原料として、ビス
フェノールAと炭酸ジエステルとが用いられる。そし
て、本発明においては、このビスフェノールAとして、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンをその
まま使用するのではなく、この2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパンとフェノール類との付加体を使
用する。この2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパンとフェノール類との付加体は、2,2−ビス(4−
ヒドロキシルフェニル)プロパンとフェノール類とが1:
1のモル比で結合することにより形成されいるが、本発
明においてはフェノール類を過剰に用いることもでき
る。すなわち、本発明においては、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパンとフェノール類とを、例え
ば1:1〜1:50、好ましくは1:1〜1:25のモルで使用して、
余剰のフェノール類を溶媒のように作用させることもで
きる。なお、上記のようは範囲内で過剰にフェノール類
を使用しても、付加体は固体として得られる。
このような付加体は、例えばアセトンとフェノールと
を、カチオン交換樹脂あるいは鉱酸のような酸性触媒の
存在下に脱水縮合させて得られる反応混合物に過剰のフ
ェノール類を加えて、例えば70〜180℃に加熱して均一
溶液を調製し、次いで、通常は30〜70℃に冷却すること
により、溶液中から析出させることにより得ることがで
きる。こうして析出した固体は、濾別してそのまま使用
することができるが、濾別した後、フェノール類で洗浄
して使用することもできる。また、付加体は、上記のよ
うにして形成された付加体に、高温の不活性ガスなどを
吹き付けて、付加体を構成するフェノール類を除去して
精製ビスフェノールAを得た後、このビスフェノールA
にさらに過剰のフェノール類に加えて、付加体を形成す
ることもできる。このように付加体の形成工程を繰り返
すことにより、より純度の高いビスフェノールAとフェ
ノール類との付加体を調製することができる。
本発明において原料として用いられる付加体を形成す
るために使用されるフェノール類としては、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと付加体を形成す
ることができるフェノール類であれば特に限定なく使用
することができるが、本発明で使用される2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパンは、フェノールと
アセトンとから製造されていることから、フェノールを
使用することが好ましい。
本発明において、ビスフェノールAとして、上記のよ
うな2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと
フェノール類との付加体を使用することにより、色相が
良好で、しかも耐熱性に優れたポリカーボネートを得る
ことができるが、本願の第2の発明に従って、このよう
な付加体をアルカリ処理し、生成する塩、錯体等を除去
した後、炭酸ジエステルとの重縮合脱水反応に使用する
ことにより、得られるポリカーボネートの色相、耐熱性
などの特性がさらに向上する。前述のアルカリ処理で生
成する中和塩、錯体などの不純物は重合前に可能な限り
除去することが好ましい。後述のアニオン交換樹脂を用
いることにより、これが容易に達成される。
すなわち、本発明者は、ポリカーボネートの特性に影
響を与える要因について詳細に検討したところ、上記の
ようにして調製された付加体中に非常に微量ながら酸性
物質が含有されることがあり、この酸性物質が付加体か
らフェノールを脱離する際にビスフェノールAの分解触
媒となったり、付加体と炭酸ジエステルとの反応の際に
使用するアルカリ触媒を不活性化するために重合に必要
なアルカリ触媒が多量に使用となり、得られるポリカー
ボネートの色相、耐熱性などを低下させる要因となるこ
とがあるとの知見を得た。この酸性物質の由来について
は、必ずしも明かではないが、本発明者は、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを合成する際に使
用される触媒、例えば鉱酸、カチオン系イオン交換樹脂
などに起因していると考えている。なお、本発明におい
ては、酸性物質とは、pKa値が実質上4以下の化合物を
いう。
本発明において、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンとフェノール類との付加体をアルカリ処理
する。
ここで上記付加体の処理に用いられるアルカリ処理剤
としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化カルシウムのようなアルカリ金属あるいはアルカ
リ土類金属の水酸化物のような塩基性化合物を使用する
こともできるが、窒素原子を有する塩基性化合物を使用
することが好ましい。このような窒素原子を有する塩基
性化合物としては、例えばピリジンあるいはトリメチル
アミンのような有機塩基性化合物を使用することもでき
るが、特に本発明においては、窒素原子を有するアニオ
ン系イオン交換樹脂を使用すると生成する中和塩、錯体
等が自動的に除去できるので好ましい。そして、窒素原
子を有するアニオン系イオン交換樹脂の中でも、第1
級、第2級または第3級アミン、あるいは第4級アンモ
ニウム基を有するゲル型イオン交換樹脂、MR型イオン交
換樹脂が特に好ましく使用される。このようなアニオン
系イオン交換樹脂としては、市販品では、例えばアンバ
ーライトTM、アンバーリストTM(ロームアンドハース社
製)、ダイヤイオンTM(三菱化成(株)製)、ダウエッ
クスTM(ダウケミカル日本社製)などが入手可能であ
る。
このようなアニオン系イオン交換樹脂を用いた上記付
加体の処理は、上記付加体(あるいは付加体とフェノー
ル類との混合物)中における酸性物質の含有率が、p−
トルエンスルホン酸換算値で、0.5ppm以下になるように
行われる。さらに、この含有率が0.3ppm以下、好ましく
は0.1ppm以下になるように処理することにより、色相、
耐熱性等の緒特性に特に優れたポリカーボネートを得る
ことができる。なお、付加体中の酸性物質の含有率は低
いほど好ましく、従ってこの含有率の下限値には特に制
限はないが、作業性と酸性物質の除去に伴う効果との比
較考量すると、一般には0.01ppm程度である。
付加体中の酸性物質の含有率を上記のような値にする
方法については特に制限はなく、通常は付加体と上記ア
ニオン性イオン交換樹脂などとを接触する方法が採用さ
れる。両者の接触条件は、酸性物質の含有率が上記のよ
うに低減される条件であればよく、例えば接触温度は、
室温〜150℃、好ましくは60〜110℃の範囲内であり、こ
のような温度条件における接触時間は通常は1秒間〜10
時間である。
こうして付加体中の酸性物質の含有率を所定の濃度ま
で低減することにより、付加体と炭酸ジエステルとの反
応速度が高くなるため、ポリカーボネートが所望の分子
量に到達するまでの重合時間を短縮することができる。
また系中の塩濃度、触媒濃度も低減でき、その結果、加
熱による原料あるいはポリカーボネートの劣化を有効に
防止することができるので、色調、耐熱性あるいは耐水
性などの緒特性に優れたポリカーボネートを得ることが
できる。
炭酸ジエステル 本発明において、上記付加体と反応させる炭酸ジエス
テルとしては、具体的には、ジフェニルカーボネート、
ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カー
ボネート、m−クレジルカーボネート、ジナフチルカー
ボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジエチル
カーボネート、ジメチルカーボネートあるいはジシクロ
ヘキシルカーボネートなどが用いられる。これらの炭酸
ジエステルは単独で、あるいは組み合わせて使用するこ
とができる。
これらの炭酸ジエステルの中では、特にジフェニルカ
ーボネートが好ましい。
また、本発明において使用される炭酸ジエステルは、
ジカルボン酸あるいはジカルボン酸エステルを含有する
混合物であってもよい。このようにジカルボン酸あるい
はジカルボン酸エスエルを炭酸ジエステルと併用するこ
とにより、ポリエステルポリカーボネートが得られる
が、本発明のポリカーボネートの製造方法には、このポ
リエステルポリカーボネートの製造方法も含まれる。
本発明において、炭酸ジエステルと併用することがで
きるジカルボン酸あるいはジカルボン酸エステルとして
は、テレフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸ジフェ
ニルおよびイソフタル酸ジフェニルなどが例示できる。
触媒 本発明では、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパンとフェノール類との付加体と、炭酸ジエステル
とを溶融重縮合してポリカーボネートを製造するに際し
て、従来から公知の触媒あるいは本発明者らによって新
たに開発された触媒を用いることができる。
このような触媒としては、たとえば、特公昭36−694
号公報あるいは特公昭36−13942号公報に記載されてい
る触媒、具体的には、リチウム、ナトリウムおよびカリ
ウムのようなアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム
およびバリウムのようなアルカリ土類金属;ならびに、
亜鉛、カドミウム、スズ、アンチモン、鉛、マンガン、
コバルトおよびニッケルのようなの金属の酢酸塩、炭酸
塩、ホウ酸塩、酸化物、水酸化物、水素化物あるいはア
ルコラートなどを挙げることができる。また含窒素塩基
性化合物と、ホウ酸またはホウ酸エステル、リン化合物
などとを組合わせた触媒を使用することができる。
本発明では、上記のようなビスフェノール類とフェノ
ール類との付加体と、炭酸ジエステルとを溶融重縮合し
てポリカーボネートを製造するに際して、特に(a)、
(b)および(c)で表されある化合物を組み合わせて
使用することが好ましい。
(a)含窒素塩基性化合物 (b)アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合
物 (c)ホウ酸またはホウ酸エステル そして、本発明において好ましい触媒としては、 (a)と(b)とを組み合わせた触媒、 (a)と(c)とを組み合わせた触媒、 (b)と(c)または(a)とを組み合わせた触媒、 (b)と(c)とを組み合わせた触媒を挙げることがで
きる。
ここで、含窒素塩基性化合物(a)の具体的な例とし
ては、 テトラメチルアンモニウムヒドロオキシド(Me4NO
H)、 テトラエチルアンモニウムヒドロオキシド(Et4NO
H)、 テトラブチルアンモニウムヒドロオキシド(Bu4NO
H)、 および トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド(Ph−
CH2(Me)3NOH)などのテトラアルキル、アリール、ア
ルアリール−アンモニウムヒドロオキシド類、 トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルベン
ジルアミンおよびトリフェニルアミンなどの三級アミン
類、 R2NH(式中、Rは、メチル基およびエチル基などのア
ルキル基、フェニル基およびトルイル基などのアリール
基を表す)で示される二級アミン類、 RNH2(式中Rは上記と同じである)で示される一級ア
ミン類、 あるいは アンモニア、 テトラメチルアンモニウムボロハイドライド(Me4NBH
4)、 テトラブチルアンモニウムボロハイドライド(Bu4NBH
4)、 テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレート
(Bu4NBPh4)、 および テトラメチルアンモニウムテトラフェニルボレート
(Me4NBPh4)のような塩基性塩を挙げることができる。
これらのうち、テトラアルキルアンモニウムヒドロキ
シド類が特に好ましい。
アルカリ金属化合物(b)の具体的な例としては、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭
酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢
酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、ステアリ
ン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸
リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチ
ウムおよびフェニル化ホウ素ナトリウム、 ビスフェノールAとリチウム、ナトリウムあるいはカ
リウムなどとから形成される塩(あるいは化合物)、 安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リ
チウム、リン酸2ナトリウム、リン酸2カリウムおよび
リン酸2リチウムを挙げることができる。
また、アルカリ土類金属化合物(b)の具体的な例と
しては、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マ
グネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウ
ム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水
素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭
酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウ
ム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチ
ウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウ
ム、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸スト
ロンチウムを挙げることができる。
さらに、ホウ酸またはホウ酸エステル(C)の具体的
な例としては、 ホウ酸または一般式 B(OR)n(OH)3-n (式中、Rは、メチル、エチルなどのアルキル基、或
いはフェニルなどのアリール基を表し、nは1、2また
は3である)で示されるホウ酸エステルを挙げることが
できる。
このようなホウ酸エステルの具体的な例としては、ホ
ウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリブチ
ル、ホウ酸トリヘキシル、ホウ酸トリヘプチル、ホウ酸
トリフェニル、ホウ酸トリトリルおよびホウ酸トリナフ
チルを挙げることができる。
溶融重縮合 本発明において、溶融重縮合によりポリカーボネート
を製造するに際して、 炭酸ジエステルは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパンとフェノール類との付加体1モルに対し
て、通常は、1.01〜1.30モル、好ましくは1.02〜1.20モ
ルの量で用いられる。なお、ここで、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパンとフェノール類との付加
体とは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ンとフェノール類とが1:1のモル比で結合している付加
体を意味する。従って、フェノール類を過剰に使用して
付加体を形成した場合には、計算上、過剰のフェノール
類は排除して炭酸ジエステルの使用量が算出される。
本発明の反応において、上記のような触媒は、以下に
記載する量で用いられることが好ましい。
含窒素塩基性化合物(a)を用いる場合には、含窒素
塩基性化合物(a)は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパンとフェノール類との付加体1モルに対
して、通常は10-6〜10-1モル、好ましくは10-5〜10-2
ルの量で用いられる。
アルカリ金属化合物またはアルカリ土類化合物(b)
を用いる場合には、アルカリ金属またはアルカリ土類化
合物(b)は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパンとフェノール類との付加体1モルに対して、通
常は、10-8〜10-3モル、好ましくは10-7〜10-4モル、特
に好ましくは10-7〜10-5モルの量で用いられる。
さらに、ホウ酸またはホウ酸エステル(c)を用いる
場合には、ホウ酸またはホウ酸エステル(c)は、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとフェノー
ル類との付加体1モルに対して、通常は10-8〜10-1
ル、好ましくは10-7〜10-2モル、特に好ましくは10-6
10-4モルの量で用いられる。
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとフ
ェノール類とからなる付加体と、炭酸ジエステルとの溶
融重縮合反応は、従来知られているビスフェノール類と
炭酸ジエステルとの溶融重縮合反応条件と同様な条件下
で行うことができる。殊に本発明においては、多段で両
者を反応させることが好ましく、さらに、常圧で両者を
反応させた後、減圧で反応を行うことが特に好ましい。
具体的には、第一段目の反応を、常圧で、かつ反応温
度を、通常は、80〜250℃、好ましくは100〜230℃、さ
らに好ましくは120〜190℃の範囲内に設定して、0〜5
時間、好ましくは0〜4時間、さらに好ましくは0.25〜
3時間かけて、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパンおよびフェノール類から形成される付加物と炭
酸ジエステルとを反応させる。次いで反応系を減圧しな
がら反応温度を高めて両者の反応を行ない、最終的には
1mmHg以下の減圧条件下で240〜320℃の温度で重縮合反
応を行なう。
上記のような2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパンとフェノール類とから形成される付加物と炭酸
ジエステルとの反応は、連続式で行なってもよくまたバ
ッチ式で行なってもよい。また、上記の反応を行なうに
際して用いられる反応装置に特に制限はなく、例えば槽
型、管型、あるいは塔型などの種々の形態の反応装置を
用いることができる。
上記のようにして反応を行うことにより、原料として
使用される2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パンとフェノール類との付加体は、炭酸ジエステルとの
溶融重縮合の際の加熱によって、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパンとフェノール類とに分解、あ
るいはそのままの状態で炭酸ジエステルと溶融重縮合す
ることによりポリカーボネートが形成されるものと考え
られる。そして、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンよりも付加体あるいはポリカーボネートオ
リゴマーの方が耐熱性が高い。従って、付加体を用いる
ことにより、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパンと炭酸ジエステルとが反応するまでの2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの加熱履歴回数あ
るいは高温下に晒される時間が短縮されるため、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの熱分解が有
効に防止される。
従って、本発明のように、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパンとフェノール類との付加体をその
まま炭酸ジエステルとの溶融重縮合反応に用いているこ
とにより、2,2−ビス(4−ヒドロキシ フェニル)プ
ロパンと炭酸ジエステルとの溶融重縮合反応の場合と比
較して、色相、耐熱性などに優れたポリカーボネートを
得ることができる。
さらに、付加体をアルカリ処理して付加体中に含有さ
れる酸性物質の含有率を特定の値以下にすることによ
り、重合速度を上げることができるとともに使用触媒量
や塩などの不純物量を低減できるので、加熱による原料
あるいはポリカーボネートの熱劣化を有効に防止するこ
とができる。
発明の効果 本発明では、ビスフェノール類と炭酸ジエステルとを
溶融重縮合してポリカーボネートを製造するに際して、
ビスフェノール類として2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパンとフェノール類との付加体を用いてい
るため、色相、耐熱性、耐水性、耐候性の改良されたポ
リカーボネートを得ることができる。
さらに、付加体中の酸性物質の含有率を、アルカリ処
理によって所定の値まで低減することにより、ポリカー
ボネートの色相、耐熱性、耐水性、耐候性などの特性を
改善することができる。
[実施例] 以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこ
れら実施例に限定されるものではない。
なお以下の実施例において得られたポリカーボネート
の物性は、下記のようにして測定した。
極限粘度(IV);塩化メチレン中で20℃でウベローデ
粘度計を用いて測定した。
色相(b値):3mm厚のプレスシートのX値、Y値Z値
を、日本電色工業(株)製のColor and Color Defferen
ce Meter ND−1001 DPを用いて測定し、黄色度の尺度は
YI(イエローインデックス)で示した。
YI値は、 で定義される。
熱老化試験:3mm厚プレスシートを140℃のギヤオーブ
ン(GHPS−212、田葉井製作所(株)製、空気置換率71.
6回/時間)中で1000時間エージングし、色相を測定し
た。
熱水試験:3mm厚プレスシートをオートクレーブ中の蒸
留水に浸漬し、120℃で5日間保持した後、Hazeを測定
した。
実施例1 アセトンとフェノールとからカチオン交換樹脂法で粗
ビスフェノールAを調製した。この粗ビスフェノールA
とフェノールとを1対5(重量比)で混合し、この混合
物を80℃に加熱して均一溶液とした後、42℃に冷却し、
析出してきた固体を窒素雰囲気下濾過した。
次いで、濾取した固体を溶融フェノールで洗浄し、白
色の固体としてビスフェノールAとフェノールとの付加
体を得た(1回アダクト)。
この付加体は、ビスフェノールAとフェノールとが1:
1のモル比で結合した付加体であるが、フェノールをビ
スフェノールA1モルに対して0.58モルだけ過剰に含有す
る混合物の形態を有しており、この混合物中におけるビ
スフェノールAとフェノールとのモル比は、1:1.58であ
った。
このようにして得られたこの付加体(混合物)とジフ
ェニルカーボネート(モル比で、ジフェニルカーボネー
ト/ビスフェノールA付加体=1/1.12)とをガラス製リ
アクター中に混合して加え、さらにテトラメチルアンモ
ニウムヒドロキシド、ホウ酸および水酸化ナトリウムを
1:0.01:0.004のモル比で混合して得られた触媒をビスフ
ェノールA1モルに対して2.5×10-4モルの量で添加し、
窒素雰囲気下、180℃で30分間加熱して、エステル交換
反応を行なった。
次いで得られた反応混合物を210℃に昇温、徐々に200
mmHgまで減圧にして1時間反応させ、つぎに240℃まで
昇温して、200mmHgで20分間反応させ、さらにその温度
で150mmHgまで徐々に減圧して20分間反応させ、次いで1
00mmHgまで減圧して20分間反応させ、その後15mmHgまで
減圧して0.5時間反応させて、270℃まで昇温し、最終的
に0.5mmHgまで減圧して2.5時間反応させてポリカーボネ
ートを得た。
得られたポリカーボネートのIV、色相、耐熱性、耐熱
水性を表1に示す。
実施例2 実施例1で調製したビスフェノールAとフェノールと
の付加体に、180℃の窒素ガスを吹付けて付加体を形成
しているフェノールを除去して精製ビスフェノールAを
得た。
この精製ビスフェノールAを溶融して、次いで5倍量
のフェノールを再び加えた後、42℃に冷却し、析出して
きた固体を濾過した。濾過された固体を溶融フェノール
で洗浄し、白色の固体としてビスフェノールAとフェノ
ールとの付加体を得た(2回アダクト)。
この付加体は、ビスフェノールAとフェノールとが1:
1のモル比で結合した付加体であるが、フェノールをビ
スフェノールA1モルに対して0.52モルだけ過剰に含有す
る混合物の形態を有しており、この混合物中におけるビ
スフェノールAとフェノールとのモル比は、1:1.52であ
った。
実施例1において、上記のようにして得られた付加体
(2回アダクト、混合物)を用いた以外は同様にして溶
融重縮合を行い、ポリカーボネートを得た。
得られたポリカーボネートのIV、色相、耐熱性、耐熱
水性を表1に示す。
比較例1 実施例1で得たビスフェノールAとフェノールとの付
加体に、180℃の窒素ガスを吹付けて付加体を構成して
いるフェノールを除去した精製ビスフェノールAを得
た。この精製ビスフェノールAは実質的にフェノールを
含有していない。
実施例1において、上記のようにして得られた精製ビ
スフェノールAを用いた以外は同様にして溶融重縮合を
行い、ポリカーボネートを得た。
得られたポリカーボネートのIV、色相、耐熱性、耐熱
水性を表1に示す。
比較例2 実施例2で得たビスフェノールAとフェノールとの付
加体(2回アダクト)に、180℃の窒素ガスを吹付けて
付加体を構成しているフェノールを除去した精製ビスフ
ェノールAを得た。この精製ビスフェノールAは実質的
にフェノールを含有していない。
実施例2において、上記のようにして得られた精製ビ
スフェノールAを用いた以外は同様にして溶融重縮合を
行い、ポリカーボネートを得た。
得られたポリカーボネートのIV、色相、耐熱性、耐熱
水性を表1に示す。
実施例3 実施例1において、アセトンとフェノールとから粗ビ
スフェノールAを調製する際に、触媒として塩酸を使用
した以外は同様にして粗ビスフェノールAを調製した。
この粗ビスフェノールAとフェノールとを用いて実施
例1と同様の方法で、ビスフェノールAとフェノールと
の付加体を得た(1回アダクト)。
この付加体は、ビスフェノールAとフェノールとが1:
1のモル比で結合した付加体であるが、フェノールをビ
スフェノールA1モルに対して0.56モルだけ過剰に含有す
る混合物の形態を有しており、この混合物中におけるビ
スフェノールAとフェノールとのモル比は、1:1.56であ
った。
実施例1において、上記のようにして得られた精製ビ
スフェノールAを用いた以外は同様にして溶融重縮合を
行い、ポリカーボネートを得た。
得られたポリカーボネートのIV、色相、耐熱性、耐熱
水性を表2に示す。
実施例4 実施例3で調製したビスフェノールAとフェノールと
の付加体を用いて、実施例2と同様の方法でビスフェノ
ールAとフェノールとの付加体(2回アダクト)を得
た。
この付加体は、ビスフェノールAとフェノールとが1:
1のモル比で結合した付加体であるが、フェノールをビ
スフェノールA1モルに対して0.53モルだけ過剰に含有す
る混合物の形態を有しており、この混合物中におけるビ
スフェノールAとフェノールとのモル比は、1:1.53であ
った。
実施例1において、上記のようにして得られた精製ビ
スフェノールAを用いた以外は同様にして溶融重縮合を
行い、ポリカーボネートを得た。
得られたポリカーボネートのIV、色相、耐熱性、耐熱
水性を表2に示す。
比較例3 実施例3で得たビスフェノールAとフェノールとの付
加体に、180℃の窒素ガスを吹付けて付加体を構成して
いるフェノールを除去した精製ビスフェノールAを得
た。この精製ビスフェノールAは実質的にフェノールを
含有していない。
実施例3において、上記のようにして得られた精製ビ
スフェノールAを用いた以外は同様にして溶融重縮合を
行い、ポリカーボネートを得た。
得られたポリカーボネートのIV、色相、耐熱性、耐熱
水性を表2に示す。
比較例4 実施例4で得たビスフェノールAとフェノールとの付
加体に、180℃の窒素ガスを吹付けて付加体を構成して
いるフェノールを除去した精製ビスフェノールAを得
た。この精製ビスフェノールAは実質的にフェノールを
含有していない。
実施例4において、上記のようにして得られた精製ビ
スフェノールAを用いた以外は同様にして溶融重縮合を
行い、ポリカーボネートを得た。
得られたポリカーボネートのIV、色相、耐熱性、耐熱
水性を表2に示す。
実施例5〜10 実施例2において、実施例2で用いた触媒の種類、量
を表3に示すように変えた以外は、実施例2と同様な方
法でポリカーボネートを調製した。
得られたポリカーボネートのIV、色相、耐熱性、耐熱
水性を表3に示す。
比較例5〜6 比較例1において、触媒の種類、量を変えた以外は、
比較例1の方法に従って溶融重縮合を行ない、ポリカー
ボネートを調製した。
得られたポリカーボネートのIV、色相、耐熱性、耐熱
水性を表3に示す。
実施例11 アセトンとフェノールとからカチオン交換樹脂法で粗
ビスフェノールAを調製した。この粗ビスフェノールA
とフェノールとを1対5(重量比)で混合し、この混合
物を80℃に加熱して均一溶液とした後、42℃に冷却し、
析出してきた固体を窒素雰囲気下濾過した。
次いで、濾取した固体を溶融フェノールで洗浄し、白
色の固体としてビスフェノールAとフェノールとの付加
体を得た(1回アダクト)。
この付加体は、ビスフェノールAとフェノールとが1:
1のモル比で結合した付加体であるが、フェノールをビ
スフェノールA1モルに対して0.58モルだけ過剰に含有す
る混合物の形態を有しており、この混合物中におけるビ
スフェノールAとフェノールとのモル比は、1:1.58であ
った。この付加体(混合物)中における酸性物質(pKa
値4.0以下の酸性物質)の合計量は、p−スルホン酸換
算で1.0ppmであった。
このようにして得られた付加体(混合物)を102℃に
加熱して、窒素原子を有するアニオン性イオン交換樹脂
(アンバーリストTMR−21、ロームアンドハース社製)
を用いて、平均滞留時間を10分間に設定してアルカリ処
理を行った。
こうしてアルカリ処理された付加体中における酸性物
質(pKa値4.0以下の酸性物質)の合計量はp−スルホン
酸換算で0.1ppm以下であった。
このようにして得られたアルカリ処理された付加体
(混合物)とジフェニルカーボネート(モル比でジフェ
ニルカーボネート/ビスフェノールA付加体=1/1.12)
とをガラス製リアクター中に混合して加え、テトラメチ
ルアンモニウムヒドロキシド、ホウ酸および水酸化ナト
リウムを1:0.01:0.004のモル比で混合して得られた触媒
をビスフェノールA1モルに対して2.5×10-4モルの量で
添加し、窒素雰囲気下、180℃で30分間加熱して、エス
テル交換反応を行った。
次いで実施例1と同様に加熱操作および減圧操作を行
ってポリカーボネートを得た。
得られたポリカーボネートのIV、色相、耐熱性、耐熱
水性を表4に示す。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−124934(JP,A) 特開 昭62−89723(JP,A) 特開 昭51−20993(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 64/30

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビスフェノール類と炭酸ジエステルとを溶
    融重縮合してポリカーボネートを製造する方法におい
    て、 ビスフェノール類として、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
    フェニル)プロパンとフェノール類との付加体あるいは
    該付加物とフェノール類との混合物を用いることを特徴
    とするポリカーボネートの製造方法。
  2. 【請求項2】上記付加物あるいは混合物と炭酸ジエステ
    ルとの反応を、 含窒素塩基性化合物、 アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化
    合物、 並びに、 ホウ酸および/またはホウ酸エステルよりなる群から選
    ばれる少なくとも一種類の化合物を含有する触媒を用い
    て行うことを特徴とする請求項第1項記載のポリカーボ
    ネートの製造方法。
  3. 【請求項3】ビスフェノール類と炭酸ジエステルとを溶
    融重縮合してポリカーボネートを製造する方法におい
    て、 ビスフェノール類として、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
    フェニル)プロパンとフェノール類との付加体あるいは
    該付加物とフェノール類との混合物を、該付加物あるい
    は該混合物中に含有される酸性物質の含有率が、p−ス
    ルホン酸換算で0.5ppm以下になるようにアルカリ処理し
    た付加物あるいは混合物を用いることを特徴とするポリ
    カーボネートの製造方法。
  4. 【請求項4】上記アルカリ処理を、窒素原子を有するア
    ニオン交換樹脂を使用して行うことを特徴とする請求項
    第3項記載のポリカーボネートの製造方法。
  5. 【請求項5】上記付加物あるいは混合物と炭酸ジエステ
    ルとの反応を、 含窒素塩基性化合物、 アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化
    合物、 並びに、 ホウ酸および/またはホウ酸エステルよりなる群から選
    ばれる少なくとも一種類の化合物を含有する触媒を用い
    て行うことを特徴とする請求項第3項記載のポリカーボ
    ネートの製造方法。
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