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JP2882786B1 - センサの信号処理回路 - Google Patents

センサの信号処理回路

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Publication number
JP2882786B1
JP2882786B1 JP10102847A JP10284798A JP2882786B1 JP 2882786 B1 JP2882786 B1 JP 2882786B1 JP 10102847 A JP10102847 A JP 10102847A JP 10284798 A JP10284798 A JP 10284798A JP 2882786 B1 JP2882786 B1 JP 2882786B1
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JP
Japan
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sensor
calibration
capacitance
operation unit
coefficient
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JP10102847A
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English (en)
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JPH11295175A (ja
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宗典 土屋
一也 山岸
重光 小川
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Nagano Keiki Co Ltd
Original Assignee
Nagano Keiki Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nagano Keiki Co Ltd filed Critical Nagano Keiki Co Ltd
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Publication of JP2882786B1 publication Critical patent/JP2882786B1/ja
Priority to US09/290,945 priority patent/US6389371B1/en
Publication of JPH11295175A publication Critical patent/JPH11295175A/ja
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01LMEASURING FORCE, STRESS, TORQUE, WORK, MECHANICAL POWER, MECHANICAL EFFICIENCY, OR FLUID PRESSURE
    • G01L27/00Testing or calibrating of apparatus for measuring fluid pressure
    • G01L27/002Calibrating, i.e. establishing true relation between transducer output value and value to be measured, zeroing, linearising or span error determination

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Measuring Fluid Pressure (AREA)

Abstract

【要約】 【課題】 演算処理手段の構造の複雑化を招くことの
なく、かつ当該演算処理手段を無駄なく効率的に利用
し、トータルコストを低減することのできる静電容量型
センサの信号処理回路を提供することを目的とする。 【解決手段】静電容量型圧力センサ1を校正する信号処
理回路の演算処理手段5は、校正値を算出する係数演算
部51と、静電容量型圧力センサ1により検出された静
電容量C1、C2の静電容量比を算出し、この静電容量
比から校正演算を行って圧力換算値を出力する校正演算
部52と、係数演算部51および校正演算部52から入
力される所定の引数X、Y、Z、Wに対して、f=(Z
−W)/(X−Y)で与えられる演算を行い、その演算
結果fを係数演算部51および校正演算部52に出力す
る基本演算部53とを備えている。基本演算部53を備
えているので、係数演算および校正演算の共通化が図ら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被測定物の物理量
の変化を電気的に検出するセンサ素子と、このセンサ素
子の変化を検出して電気信号を出力する信号出力手段と
を備えたセンサの前記電気信号を処理するセンサの信号
処理回路に関する。
【0002】
【背景技術】従来より、被測定物の物理量の変化を電気
的に検出するセンサ素子と、このセンサ素子の変化を検
出して電気信号を出力する信号出力手段とを備えたセン
サが利用されている。例えば、このようなセンサとして
は、被測定物の圧力変化に伴い変形するダイアフラム、
およびこのダイアフラムを支持する基板と、ダイアフラ
ムの変形をダイアフラムおよび基板間の静電容量の変化
として検出するセンサ素子と、このセンサ素子の変化を
検出して静電容量信号を出力する静電容量信号出力手段
とを備えた静電容量型センサが知られている。
【0003】このような静電容量型センサは圧力セン
サ、加速度センサとして利用され、例えば、圧力センサ
であれば、被測定物の圧力変化に伴うダイアフラムの変
形を静電容量の変化として電気的に検出することができ
るので、コンピュータを利用した圧力制御、圧力計測等
に好適である。しかし、上述した静電容量型センサの圧
力変化と静電容量の変化とは、測定範囲全域において直
線的に対応するわけではなく、また、静電容量型センサ
を大量生産する場合、それぞれの製品の間でも微妙な偏
差が生じ得る。
【0004】このため、従来は、どの静電容量型センサ
を用いても、またどの測定範囲でも高精度に測定できる
ように、個々のセンサについてポテンションメータで調
整したり、レーザトリミングで厚膜抵抗または薄膜抵抗
をトリミングするという校正作業を行っていた。しか
し、このような校正作業には、センサ以外に外部の調整
装置が必要となり、個々のセンサについて校正作業を行
わなければならないので、センサの製造後、校正作業に
要するコストが著しく増大するという問題がある。
【0005】このため、調整装置を含む演算処理手段を
備えた信号処理回路を静電容量型センサと一体的に設
け、校正作業をセンサ自身で行う自己校正型のセンサが
提案されている(特許公報第2672959号)。具体
的には、上記公報における演算処理手段による自己校正
方法を要約すると以下のようになる。センサの静電容量
の変化に伴う電圧出力Vと圧力Pとの間には、一般に式
(1)に表される関係があることが知られている。
【0006】
【数3】
【0007】ここで、a、b、cは校正値であり、セン
サの校正とはこの校正値a、b、cに最適値を与えるこ
とと等しい。校正のための基準圧をP0、P1、P2
し、これに対するセンサ出力をV0、V1、V2とする
と、これを式(1)に代入することにより、以下の式
(2)〜(4)が導かれる。
【0008】
【数4】
【0009】演算処理手段では、式(2)〜式(4)の
連立方程式を解いて、校正値a、b、cを算出し、セン
サ上に設けられるE2PROM(Electrical
lyErasable Programmable R
ead Only Memory)等の記録素子に記録
する。実際の測定状態では、検出されたセンサ出力Vを
式(2)〜(4)で求めた校正値a、b、cを用いて出
力補正を行って、圧力Pを求める。具体的には、センサ
に設けられた演算処理手段において、式(1)の2次方
程式の解である式(5)に上述の式(2)〜式(4)の
連立方程式を解いて求められた校正値a、b、cを代入
し、検出されたセンサ出力Vに基づいて出力補正を行っ
ている。
【0010】
【数5】
【0011】そして、このような自己校正型のセンサに
よれば、センサと一体的に設けられる信号処理回路の演
算処理手段により調整が行われるので、静電容量型セン
サの製造後、個々のセンサについて別途調整装置等を用
いて校正作業を行う必要がなく、センサの校正作業に要
するコストを大幅に低減することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た自己校正型のセンサでは以下のような問題がある。す
なわち、上述した自己校正型のセンサでは、式(2)〜
式(4)の連立方程式を用いて校正値a、b、cを算出
した後、式(5)による出力補正を行っている。従っ
て、信号処理回路を構成する演算処理手段は、式(2)
〜式(4)による校正値a、b、cの算出する部分、式
(5)による出力補正を行う部分、両方を備えていなけ
ればならず、演算処理手段の構造の複雑化を招くという
問題がある。また、式(2)〜式(4)による校正値算
出部分は、校正終了後は実際の圧力測定において利用さ
れることはなく、実際の測定時に使用されない無駄な部
分が必然的に生じてしまうという問題がある。従って、
校正作業のコスト低減は図れても、センサの内部の演算
処理手段が複雑化し、部材コストを含むトータルコスト
を低減できるとは必ずしもいい得ない。
【0013】このような問題は、上述した静電容量型セ
ンサの場合に限られず、ダイアフラムの変形を歪ゲージ
の抵抗値の変化として検出する歪ゲージ型センサ等、被
測定物の物理量の変化を電気的に検出し、このセンサ素
子の変化を検出して電気信号を出力するタイプのセンサ
において、このようなセンサを自己校正型のセンサとす
る場合、同様の問題として把握される。
【0014】本発明の目的は、演算処理手段の構造の複
雑化を招くことのなく、かつ当該演算処理手段を無駄な
く効率的に利用し、トータルコストを低減することので
きるセンサの信号処理回路を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために、演算処理手段の校正値を算出する部分
と、出力補正を行う部分とを共通化することにより、演
算処理手段の構造の簡素化を図ることを特徴とする。具
体的には、本発明に係るセンサの信号処理回路は、被測
定物の物理量の変化を電気的に検出するセンサ素子と、
このセンサ素子の変化を検出して電気信号を出力する信
号出力手段とを備えたセンサの前記電気信号を処理する
センサの信号処理回路であって、前記電気信号から得ら
れる検出値kを変換式(6)
【0016】
【数6】
【0017】により校正演算して前記物理量の換算値P
を取得する演算処理手段を備え、この演算処理手段は、
前記センサの測定範囲内の任意の3点における既知の校
正物理量に対応する検出値を取得し、前記変換式に代入
することにより、前記変換式の係数α、β、γを算出す
る係数演算部と、算出された前記係数α、β、γを前記
変換式に代入し、未知の測定物理量に対応して検出され
た検出値kを、この変換式により校正演算して前記物理
量の換算値Pを取得する校正演算部と、前記係数演算部
または前記校正演算部から入力される所定の引数X、
Y、Z、Wに対して次式(7)
【0018】
【数7】
【0019】で与えられる演算を行い、その演算結果f
を前記係数演算部または前記校正演算部に出力する基本
演算部とを備えていることを特徴とする。
【0020】ここで、センサ素子は、要するに被測定物
の物理量の変化を電気的に検出するものをいう。例え
ば、センサとしては、被測定物の物理量の変化に伴い変
形するダイアフラム等を有し、このダイアフラムの変形
を歪みゲージの抵抗値の変化として検出する歪みゲージ
型センサ素子や、静電容量の変化として検出する静電容
量型センサ素子の他、フォトダイオード等を利用して被
測定物の物理量の変化を電気的に検出し、センサ素子自
体の変形を生じないセンサ素子をも含まれる。いずれ
も、被測定物の物理量の変化を電気的に検出するセンサ
素子であり、電気信号に基づく物理量の換算値と、セン
サ素子に作用する実際の物理量との対応をとる校正作業
が必要であり、上述した変換式(6)により校正できる
からである。
【0021】歪みゲージ型センサ素子は、例えば、被測
定物の圧力変化に応じて変形するダイアフラムを備えた
圧力センサであれば、ダイアフラム上に設けられる4つ
の歪みゲージを互いに接続したブリッジ回路を含んで構
成することができる。このような歪みゲージ型センサ素
子では、ブリッジ回路の一対の端部に所定の電圧を印加
しておき、歪みゲージの抵抗値の変化に伴う他の一対の
端部の電位差の変化を取得することにより、ダイアフラ
ムの変形量を電気信号として検出することができる。そ
して、この電位差を検出値kとして採用し、上述した変
換式(6)により校正すればよい。
【0022】また、静電容量型センサ素子は、上述と同
様にダイアフラムを備えた圧力センサであれば、ダイア
フラム上に形成される可動電極と、このダイアフラムを
支持する基板上に形成され、かつ可動電極と対向配置さ
れる第1および第2固定電極とを含んで構成することが
できる。このような静電容量型センサ素子では、可動電
極および第1固定電極の間の第1静電容量信号C1と、
可動電極および第2固定電極の間の第2静電容量信号C
2との変化を取得することにより、ダイアフラムの変形
量を検出することができる。
【0023】ここで、上述した可動電極は、ダイアフラ
ムの一方の面に沿って形成された場合のみならず、ダイ
アフラムの表裏両面に形成された場合を含む概念であ
る。可動電極がダイアフラムの一方に形成されている場
合、第1および第2固定電極は、ダイアフラムを支持
し、かつ前記可動電極と対向する基板上に並列に形成さ
れる。尚、可動電極がダイアフラムの両面に形成されて
いる場合、第1固定電極は可動電極の一方の面に対向配
置され、第2固定電極は可動電極の他方の面に対向配置
され、ダイアフラムで区画された空間の差圧等を検出す
る差動型センサを構成することとなる。また、上述した
静電容量型センサにおいて、上述した検出値kは、静電
容量C1、C2のいずれかを採用してもよく、静電容量
の差C1−C2を採用してもよく、さらには、静電容量
の比C2/C1を採用してもよい。
【0024】以上のような本発明の構成は、静電容量型
のセンサを例にとって説明すれば、次のようにして導か
れる。今、静電容量型センサとして、図1に示すよう
に、圧力Pにより面外方向に変形するダイアフラム11
と、このダイアフラム11を外周部分で支持する基板1
2とを備えた静電容量型圧力センサ1を考える。この静
電容量型圧力センサ1は、ダイアフラム11の前記基板
12と対向する面に形成される可動電極13と、基板1
2上に形成され、この可動電極13と対向配置される第
1固定電極14および第2固定電極15とを備え、これ
らの電極13〜15がセンサ素子を構成する。
【0025】可動電極13は、ダイアフラム11の面外
方向の変形に追従し、ダイアフラム11に圧力Pが作用
することにより、第1固定電極14および第2固定電極
15に接近、離間するように構成されている。また、第
1固定電極14は、図2に示すように、基板12上にダ
イアフラム11の変形中心を中心として略円形状に形成
されているとともに、第2固定電極15は、この第1固
定電極14の外周部分を囲むリング状に形成されてい
る。一方、可動電極13は、ダイアフラム11上に形成
され、第2固定電極15の外周縁に対応する略円形状に
構成されている。
【0026】可動電極13および第1固定電極14、可
動電極13および第2固定電極15は、図3に示すよう
に、それぞれコンデンサを構成する。可動電極13およ
び第1固定電極14の間の静電容量をC1とすると、こ
の静電容量C1とダイアフラム11に作用する圧力Pと
は、一般に式(8)に示す関係が成立する。尚、式
(8)において、圧力Pが作用しない状態における可動
電極13と第1固定電極14および第2固定電極15と
の間の距離をd、可動電極13と第1固定電極14との
間のクリアランスの比誘電率をεS、真空における誘電
率をε0、第1固定電極14の電極面積をS1、ダイア
フラム11の圧力Pによる変位係数をA1とする。
【0027】
【数8】
【0028】また、可動電極13および第2固定電極1
5の間の静電容量をC2とすると、静電容量C2と圧力
Pとは、式(9)に示す関係が成立する。尚、式(9)
において、第2固定電極15の電極面積をS2、ダイア
フラム11の圧力Pによる変位係数をA2とする。
【0029】
【数9】
【0030】従って、式(8)、式(9)のいずれかに
より、静電容量C1、C2を検出すれば、ダイアフラム
11に作用する圧力Pを換算できることがわかる。しか
しながら、このような静電容量型圧力センサ1におい
て、上述した静電容量C1、C2は、初期の静電容量測
定値C10、C20から温度変化、経時変化により誤差が
生じることが知られている。具体的には、ある時点にお
ける静電容量C1、C2は、静電容量の初期測定値C1
0、C20と式(10)、式(11)の関係を有すること
が知られている。尚、式(10)、式(11)におい
て、初期測定値C10、C20の測定時と比較して、ある
時点における時間変化をΔt、温度変化をΔTとする。
また、時間変化Δtおよび温度変化ΔTに伴うコンデン
サの経時変化率をm1、m2、温度変化率をn1、n2
とする。
【0031】
【数10】
【0032】ここで、第1固定電極14および第2固定
電極15を構成する部材は同一であり、可動電極13と
第1および第2固定電極14、15との間のクリアラン
スにおける誘電体は共通と考えられる。すなわち、静電
容量C1を与えるコンデンサと静電容量C2を与えるコ
ンデンサとは同一構造、同一部材により構成されている
と考えられる。従って、式(10)、式(11)におい
てm1m2、n1n2と考えて差し支えない。そこで、
式(12)に示すように、測定される静電容量C1と静
電容量C2との比である静電容量比k(=C2/C1)
を検出すれば、温度変化および経時変化に伴う誤差をキ
ャンセルすることができる。
【0033】
【数11】
【0034】これにより、静電容量C1、C2を検出す
れば、温度変化、経時変化を考慮することなく、式(1
2)により静電容量比kから圧力Pを換算できることが
わかる(第1の補正)。この式(12)を以下の式(1
3)に係数α、β、γに適切な値を与えることで、静電
容量比kから圧力Pを換算することができる(フィード
バック補正)。
【0035】
【数12】
【0036】ここで、式(13)において、係数αはフ
ィードバックゲイン、係数γはオープンループゲイン、
係数βはオフセットであり、それぞれセンサ出力の直線
性、ゲイン、オフセットを校正する校正値とされる。そ
して、静電容量型圧力センサ1の校正とは、係数α、
β、γの校正値を求め、記憶させることに等しい。係数
α、β、γを求めれば、式(13)が温度変化、経時変
化に影響されることなく成立するので、静電容量比kを
測定し、演算処理手段により式(13)を用いて静電容
量比kの換算を行えば、圧力Pを高精度に求めることが
できる。
【0037】係数α、β、γの最適な校正値の導出は、
演算処理手段を構成する係数演算部で行われ、静電容量
型圧力センサ1に既知の校正圧力を印加し、この時の静
電容量比を測定することにより求められる。具体的に
は、まず、静電容量型圧力センサ1のダイアフラム11
に圧力を印加しない状態P0(=0)における静電容量
C1、C2を測定して静電容量比k0を求める。次に、
既知の校正圧力P1、P2を静電容量型圧力センサ1に印
加し、その際の静電容量C1、C2を測定して静電容量
比k1、k2を求める。尚、以下の計算の便宜を図るた
め、校正圧力P1、P2をP2=2P1としている。そし
て、このようにして得られたP0〜P2、k0〜k2を式
(13)に代入し、係数α、β、γについての三元連立
方程式を解くことにより、係数α、β、γの校正値が式
(14)〜式(16)に示すように求めることができ
る。
【0038】
【数13】
【0039】このようにして求められた係数α、β、γ
の校正値は、不図示の不揮発性メモリであるE2PRO
M等に静電容量型圧力センサ1の校正値として記録保存
される。そして、静電容量型圧力センサ1による圧力測
定時には、記録保存された係数α、β、γの校正値が演
算処理手段を構成する校正演算部に呼び出され、式(1
3)に代入される。そして、未知の測定圧力に対して静
電容量C1、C2が検出されると、校正演算部では、静
電容量比kを算出し、式(13)により、圧力Pを校正
演算して出力する。
【0040】このような係数演算部および校正演算部を
備えた演算処理手段において、演算処理手段を構成する
基本演算部は、係数演算部および校正演算部からの所定
の引数X、Y、Z、Wという入力に対して、上述した基
本演算式(17)を演算し、その結果fを係数演算部ま
たは校正演算部に出力するように構成されている。
【0041】
【数14】
【0042】そして、このような基本演算部は、係数
α、β、γを算出する校正時、および静電容量型圧力セ
ンサ1による未知の圧力の測定時に以下のように作用す
る。 係数α、β、γの算出(静電容量型圧力センサ1の
校正) 係数αの算出式(14)は、次式(18)のように変形
することができる。
【0043】
【数15】
【0044】すなわち、係数演算部は、例えば、式(1
8)における第1項のk1、k0、1、0を基本演算式
(17)の引数X、Y、Z、Wとして出力する。基本演
算部では、式(17)で与えられる演算を行い、演算結
果fを係数演算部に出力する。そして、第2項以下、同
様の手順を繰り返して、順次演算結果fを取得すれば係
数αの校正値を算出することができる。係数γの算出式
(15)も同様に、式(19)のように変形することが
でき、上述と同様に、基本演算部で複数回演算させるこ
とにより、係数γの校正値を算出することができる。
【0045】
【数16】
【0046】 静電容量型圧力センサ1による実際の
圧力測定 上述のように静電容量型圧力センサ1の校正終了後、算
出された係数α、β、γは、不揮発性のメモリであるE
2PROMに記録保存される。そして、この係数α、
β、γは、静電容量型圧力センサ1による測定時、校正
演算部に呼び出される。校正演算部は、測定時の静電容
量C1、C2を検出し、静電容量比kを算出し(第1の
補正)、式(13)により圧力Pを換算して出力する
(フィードバック補正)。具体的には、以下のように基
本演算部を利用して算出、換算が行われる。まず、静電
容量C1、C2から静電容量比kを算出する場合、静電
容量比k(=C2/C1)は、式(20)のように変形
できる。
【0047】
【数17】
【0048】すなわち、校正演算部は、C1、0、C
2、0を引数X、Y、Z、Wとし、基本演算部に出力す
ることにより、その演算結果fを静電容量比kとして取
得することができる。次に、式(13)は、式(21)
のように変形することができる。
【0049】
【数18】
【0050】従って、上述と同様に、校正演算部は、式
(21)において、基本演算式(17)に相当する部分
を基本演算部で繰り返し演算させることにより、換算圧
力Pを取得することができる。
【0051】このような本発明によれば、演算処理手段
が基本演算式(17)を演算する基本演算部を備えてい
るので、係数演算部の演算の一部、校正演算部の演算の
一部を、基本演算部で演算させることができ、係数演算
部および校正演算部の構造を簡素化することができる。
また、基本演算部は、センサの校正時および測定時の双
方で利用されているので、演算処理手段において無駄に
なる部分を極力少なくして演算処理手段の効率化を図る
ことができる。従って、演算処理手段全体の構造が簡素
化され、自己校正型センサの校正作業コスト、部材コス
トを含むトータルコストを低減することができる。
【0052】以上において、上述した演算処理手段は、
センサに設けられ、かつCPU(Central Pr
ocessing Unit)を含む集積回路から構成
されているのが好ましい。 すなわち、演算処理手段が
センサに設けられ、かつCPUを含む集積回路から構成
されているので、センサを自己校正型のセンサとするこ
とができ、上述したように、センサの校正作業に要する
コストを大幅に低減することができる。
【0053】また、上述したセンサには、演算処理手段
の他、電源を遮断しても記録情報が失われない不揮発性
のメモリが設けられ、係数演算部により算出された係数
α、β、γは、この不揮発性のメモリに記録されるよう
に構成されているのが好ましい。ここで、不揮発性のメ
モリとしては、記録情報を紫外線により消去することの
できるEPROM(Erasable Program
mable ReadOnly Memory)や、記
録情報を電気的に消去することのできるE2PROMを
採用するのが好ましい。 すなわち、センサがこのよう
な不揮発性メモリを備えているので、自己校正型のセン
サで一旦校正作業を行えば、校正により算出された係数
α、β、γがメモリに恒久的に保存され、以後のセンサ
の使用時に再度の校正作業が不要となる。
【0054】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
面に基づいて説明する。尚、既に説明した部材または部
分と同一または類似の部材等については、その説明を省
略する。図4には、第1実施形態に係るセンサおよび信
号処理回路が示され、上述した図1〜図3に示される静
電容量型圧力センサ1には、信号出力手段となるデジタ
ル変換器3を介して演算処理手段5が設けられ、この演
算処理手段5は、記憶装置7および外部出力用のD/A
コンバータ9と接続されている。
【0055】上述したデジタル変換器3、演算処理手段
5、記憶装置7、およびD/Aコンバータ9は、すべて
ASIC(Application Spesific
Integrated Circuit)から構成さ
れ、前記静電容量型圧力センサ1と一体的に設けられ、
静電容量型圧力センサ1はこのASICにより校正値の
算出および校正演算を行う自己校正型のセンサとして構
成されている。この演算処理手段5は、係数演算部51
と、校正演算部52と、基本演算部53とを含んで構成
される。
【0056】係数演算部51は、既知の校正圧力P0
1、P2と、各校正圧力における静電容量比k0、k1
2とから式(14)〜式(16)により、係数α、
β、γを算出する部分である。校正演算部52は、係数
演算部51により算出されたα、β、γを式(13)に
代入し、未知の測定圧力に対応して検出された静電容量
C1、C2から式(13)により校正演算して圧力換算
値Pを取得し、D/Aコンバータ9に出力する部分であ
る。基本演算部53は、係数演算部51または校正演算
部52から入力される所定の引数X、Y、Z、Wに対し
て基本演算式(17)で与えられる演算を行い、その演
算結果fを係数演算部51、校正演算部52に出力する
部分である。
【0057】また、前記記憶装置7も静電容量型圧力セ
ンサ1と一体的に設けられ、E2PROMから構成され
る不揮発性メモリ71と、第1レジスタ72および第2
レジスタ73とを備えている。この第1レジスタ72お
よび第2レジスタ73は、所定の記憶容量を有するRA
M(Random Access Memory)の内
部記憶領域を分割して構成され、上述した係数演算部5
1および校正演算部52における演算処理において、前
記基本演算部53による演算結果fを一時的にストアす
る部分である。
【0058】以上のような構成を有する信号処理回路お
よび静電容量型圧力センサ1において、校正作業および
実際の圧力測定は次のようにして行われる。 既知の校正圧力の印加および静電容量比の算出 まず、静電容量型圧力センサ1の校正作業を行うため
に、静電容量型圧力センサ1には、既知の校正圧力
0、P1、P2が印加される。各々の印加圧力における
静電容量C1(可動電極13および第1固定電極14か
ら構成されるコンデンサ)、静電容量C2(可動電極1
3および第2固定電極15から構成されるコンデンサ)
は、デジタル変換器3を介して係数演算部51に出力さ
れる。係数演算部51は、検出された静電容量C1、C
2から各印加圧力P0、P1、P2における静電容量比
0、k1、k2を算出し、校正印加圧力P0、P1、P2
よび静電容量比k0、k1、k2を記憶装置7の不図示の
記憶領域に出力して保存する。
【0059】 係数α、β、γの算出 係数α、β、γの算出は、係数演算部51および基本演
算部53間のデータの入出力を複数回行うことにより行
われ、基本演算部53による途中演算結果は、第1レジ
スタ72および第2レジスタ73に一時的にストアされ
る。 (1)係数αの算出 係数αの算出は上述の式(18)に基づいて行われ、基
本演算部53における式(17)の演算は表1に示すよ
うに、3ステップで行われる。
【0060】
【表1】
【0061】すなわち、第1ステップでは、係数演算部
51は、式(18)における第1項のk1をX、k0
Y、1をZ、0をWとして基本演算部53に出力する。
基本演算部53は、係数演算部51から入力されるこれ
らの引数X、Y、Z、Wに基づいて式(17)で与えら
れる演算を行い、その演算結果REG1を第1レジスタ
72に保存する。第2ステップでは、係数演算部51
は、式(18)における第2項のk2をX、k0をY、0
をZ、2をWとして基本演算部53に出力し、基本演算
部53による演算結果REG2を第2レジスタ73に保
存する。
【0062】第3ステップでは、係数演算部51は、2
をX、1をY、第1レジスタ72に保存されたREG1
をZ、第2レジスタ73に保存されたREG2をWとし
て基本演算部53に出力し、上述と同様に基本演算部5
3で演算させる。式(18)からわかるように、この第
3ステップで得られた演算結果は、係数αの校正値であ
り、この演算結果は、係数演算部51を介して不揮発性
メモリ71に記録保存される。尚、この第3ステップに
おいてX=2、Y=1は、X−Y=1となるように便宜
的に設定された値であるので、X=1、Y=0と設定し
てもよい。
【0063】(2)係数βの算出 式(15)からわかるように、β=k0であるから、基
本演算部53により演算させることなく、そのまま係数
演算部51からβ=k0を不揮発性メモリ71に出力し
て記録保存すればよい。尚、係数α、β、γの算出を基
本演算部53で演算させる、という定形処理が設定され
ている場合、式(15)を以下の式(22)に変形し、
基本演算部53による1回の演算結果を不揮発性メモリ
71に出力して記録保存すればよい。
【0064】
【数19】
【0065】(3)係数γの算出 係数γの算出は式(19)に基づいて行われ、基本演算
部53における式(17)の演算は、係数αの算出と同
様に3ステップで行われる。係数演算部51から出力さ
れる引数X、Y、Z、Wには、表2に示す値が設定さ
れ、この3ステップによる演算結果は、係数γの校正値
として不揮発性メモリ71に保存される。
【0066】
【表2】
【0067】 静電容量型圧力センサ1による実際の
圧力測定 上述のように校正作業を終了し、係数α、β、γが求め
られた静電容量型圧力センサ1により、実際に圧力測定
を行う場合、以下のような手順で行われる。 (1)静電容量比kの算出(第1の補正) 静電容量型圧力センサ1からデジタル変換器3を介して
出力された静電容量C1、C2は、校正演算部52にお
いて第1の補正が行われ、静電容量比kが算出される。
具体的な演算処理は、k=C1/C2を上述の式(2
0)のように変形し、表3に示すように、基本演算部5
3で1ステップの演算を行い、その演算結果をREG1
として第1レジスタ72に保存する。
【0068】
【表3】
【0069】(2)圧力Pの校正演算(フィードバック補
正)上述した第1の補正の後、校正演算部52は、第1
の補正により求められた演 算結果REG1、および校正作業により求められた係数
α、β、γの値を、それぞれ第1レジスタ72および不
揮発性メモリ71から呼び出し、式(13)に基づいて
フィードバック補正を行って圧力Pを校正演算する。具
体的には、式(13)を式(21)のように、基本演算
式(17)を要素とする形に変形し、表4に示すような
引数X、Y、Z、Wを校正演算部52から出力し、基本
演算部53で3ステップの演算処理を行うことにより、
圧力Pが求められる。
【0070】
【表4】
【0071】そして、このようにして換算された測定圧
力Pは、D/Aコンバータ9に出力され、このD/Aコ
ンバータ9に接続される種々の外部信号処理手段によっ
て処理される。
【0072】(3)第1の補正およびフィードバック補正
による校正 上述した第1の補正、フィードバック補正により校正す
ると、表5に示すように、高精度化される。尚、表5に
おいて、係数α、β、γの校正値は、別途校正作業を行
うことにより得られた値である。
【0073】
【表5】
【0074】すなわち、上述したように、フィードバッ
ク補正による校正を行うことにより、被測定物の圧力の
実際値と静電容量型センサ1の出力との直線性、ゲイ
ン、オフセットが校正され、未知の測定圧力に対して静
電容量センサ1のセンサ出力が高精度に対応するように
なることがわかる。
【0075】前述の第1実施形態によれば、以下のよう
な効果がある。すなわち、演算処理手段5が基本演算部
53を備えているので、係数演算部51の演算処理の一
部、校正演算部52の演算処理の一部を、基本演算部5
3で演算させることができ、その分、係数演算部51お
よび校正演算部52の構造を簡素化することができる。
【0076】また、基本演算部53は、静電容量型圧力
センサ1の校正作業時、実際の圧力測定時の双方で利用
されているので、演算処理手段5に無駄な部分が生じる
こともない。従って、演算処理手段5の全体の構造が簡
素化され、自己校正型の静電容量型圧力センサ1であっ
ても、校正作業コストを大幅に低減できるうえ、部材コ
ストが大幅に高騰することもなく、これらを含むトータ
ルコストを低減することができる。
【0077】さらに、演算処理手段5がCPUを含むA
SICから構成され、静電容量型圧力センサ1と一体的
に設けられているので、静電容量型圧力センサ1を自己
校正型のセンサとすることができ、センサの校正作業に
要するコストを大幅に低減することができる。そして、
静電容量型圧力センサ1には、記憶装置7を構成する不
揮発性メモリ71が設けられ、この不揮発性メモリ71
が電源を遮断しても記録情報が失われないE2PROM
から構成されているので、自己校正型のセンサにおい
て、一度校正作業を行えば、係数α、β、γの校正値が
恒久的に保存され、以後の静電容量型圧力センサ1の使
用時に再度の校正作業を行う必要がない。
【0078】また、記憶装置7が基本演算部53による
途中演算結果を一時的に保存する第1レジスタ72およ
び第2レジスタ73を備えているので、基本演算式(1
7)による演算を複数回を組み合わせて、式(13)〜
式(16)に示される複雑な演算処理を基本演算部53
という簡単な演算処理で行うことができる。
【0079】次に、本発明の第2実施形態について説明
する。前述の第1実施形態に係る静電容量型圧力センサ
1では、ダイアフラム11の一方の面に可動電極13が
形成され、第1および第2固定電極14、15は、ダイ
アフラム11を支持し、かつ可動電極13と対向する基
板12上に並列的に形成されていた。
【0080】これに対して、第2実施形態に係る静電容
量型圧力センサ101は、図5に示すように、可動電極
113がダイアフラム111の両面に形成されている。
そして、可動電極113の一方の側と対向して第1固定
電極114が形成され、可動電極13の他方の側と対向
して第2固定電極115が形成されている点が相違す
る。すなわち、静電容量型圧力センサ101は、ダイア
フラム111で区画される空間に作用するP1、P2の
圧力差P1−P2によりダイアフラム111が変形する
差圧型圧力センサを構成している。
【0081】また、前述の第1実施形態に係る静電容量
型圧力センサ1と一体的に設けられる演算処理手段5
は、係数演算部51、校正演算部52、および基本演算
部53から構成されていた。 これに対して、第2実施
形態に係る静電容量型圧力センサ101では、図6に示
すように、演算処理手段105が校正演算部52および
基本演算部53から構成され、係数演算部が設けられて
いない点が相違し、係数α、β、γの算出は外部調整装
置であるコンピュータ200によって行われる。すなわ
ち、第2実施形態に係るセンサの信号処理回路は、演算
処理手段105およびコンピュータ200を含んで構成
され、この点が第1実施形態と相違する。従って、図示
を略したが、コンピュータ200は、第1実施形態に係
る演算処理手段5における係数演算部51および基本演
算部53と同様の構造の係数演算部および基本演算部を
備えている。
【0082】図5において、静電容量型圧力センサ10
1は差圧型のセンサであり、差圧型圧力センサでは、第
1実施形態のように、静電容量比kをk=C2/C1と
いう単純な式で求めるのではなく、式(23)により静
電容量比k’を算出することが一般的に知られている。
尚、可動電極113の一方の側113Aおよび第1固定
電極114から構成されるコンデンサの静電容量をC3
とし、可動電極113の他方の側113Bおよび第2固
定電極115から構成されるコンデンサの静電容量をC
4とする。
【0083】
【数20】
【0084】検出された静電容量C3、C4から静電容
量比k’を算出する第1の補正は、式(23)からわか
るように、基本演算部53で演算させることができる。
基本演算部53に入力される引数X、Y、Z、Wは、表
5に示される値であればよく、1ステップの演算で静電
容量比k’を取得することができる。
【0085】
【表6】
【0086】以下、係数α、β、γの校正値を算出する
原理、フィードバック補正を行う原理は第1実施形態と
同様なので、その説明を省略する。ただし、演算処理手
段105が係数演算部を備えていないので、係数α、
β、γの校正値の算出は、図6に基づいて説明すれば、
次のような手順で行われる。 静電容量型圧力センサ101には既知の校正圧力P
0、P1、P2が印加され、その際検出された静電容量C
3、C4から、基本演算部53で静電容量比k0’、
1’、k2’を算出する。これらの校正圧力P0、P1
2および静電容量比k0’、k1’、k2’は、D/Aコ
ンバータ9を介してコンピュータ200に出力する。
【0087】 コンピュータ200は、係数演算部お
よび基本演算部を利用して、第1実施形態で述べた手順
と同様の手順により係数α、β、γを算出する。算出さ
れた係数α、β、γは、シリアルインターフェース20
1を介して不揮発性メモリ71に出力され、不揮発性メ
モリ71に校正値α、β、γとして記録保存される。
【0088】 実際の圧力測定では、コンピュータ2
00で求められた校正値α、β、γに基づいてフィード
バック補正が行われ、高精度の圧力換算値Pが得られ
る。具体的には、式(23)による第1の補正後、実際
の圧力Pと静電容量比k’との関係は、図7のグラフに
示すようになり、式(23)で与えられる第1の補正を
行っただけでは、圧力と静電容量比との直線性が十分に
担保できない。これに対して、式(13)で与えられる
フィードバック補正を行うと、実際の圧力Pとセンサ出
力との関係は、図8のグラフに示すように直線性の高い
グラフとなっていることがわかる。
【0089】以上のような第2実施形態によれば、第1
実施形態で述べた効果に加えて次のような効果がある。
すなわち、係数α、β、γの算出をコンピュータ200
の係数演算部および基本演算部を利用して行っているの
で、演算処理手段105における係数演算部を省略する
ことができ、演算処理手段105の構造の一層の簡素化
が図られる。
【0090】尚、第2実施形態では、校正作業用にコン
ピュータ200が必須となるが、前述の第1実施形態に
おける算出と同様の手順で行われ、定形処理により係数
α、β、γを算出できる。従って、定形処理により校正
作業が煩雑となることもないので、静電容量型圧力セン
サ101のトータルコストが増加することもない。
【0091】尚、本発明は、前述の第1実施形態および
第2実施形態に限定されるものではなく、次に示すよう
な変形をも含むものである。すなわち、前述の各実施形
態では、静電容量型のセンサ1、101は、圧力センサ
であったが、これに限らず、加速度センサ、振動センサ
等であっても本発明を利用することができる。要する
に、被測定物の物理量の変化を電気的に検出し、電気信
号として出力するセンサであれば、本発明を利用するこ
とができる。
【0092】また、前述の各実施形態では、センサの信
号処理回路は、静電容量型センサ1、101の校正値の
算出および校正演算のために用いられていたが、これに
限らず、歪みゲージ型センサに本発明を利用してもよ
い。すなわち、図9に示すように、歪みゲージ型センサ
201は、被測定物の圧力変化に応じて変形するダイア
フラム11と、このダイアフラム11上に設けられ、ダ
イアフラム11の変形を電気的に検出する歪みゲージ型
センサ素子210とを含んで構成される。
【0093】歪みゲージ型センサ素子210は、ピエゾ
抵抗素子からなる4つの歪みゲージ211を電気配線に
より互いに電気的に接続したブリッジ回路212を備
え、このブリッジ回路212の一対の端部間の電位差V
を検出している。ブリッジ回路212には、予め所定の
電圧Vccが印加されていて、センサ素子210は、被測
定物の圧力変化によるダイアフラム11の変形に伴い、
前記歪みゲージ211の抵抗値が変化すると、電位差V
の変化がデジタル変換器3に出力される。センサ素子2
10により検出された電位差Vは、デジタル変換器3に
より、増幅変換され、演算処理手段5に出力される。
尚、信号処理回路を構成する演算処理手段5、記憶手段
7、D/Aコンバータ9等の構造は、前述の第1実施形
態に係る信号処理回路と略同様である。
【0094】このような歪みゲージ型センサ201にお
いて、第1実施形態で説明した変換式(6)による校正
を行うと、表7に示すように、歪みゲージ型センサ20
1の出力Vが実際の測定圧力Pと高精度に対応するよう
になることがわかる。従って、本発明に係るセンサの信
号処理回路は、前記各実施形態で採用した静電容量型の
センサのみならず、歪みゲージ型のセンサ、その他の被
測定物の物理量の変化を電気信号に変換するセンサにお
いて用いることができ、このような他のセンサに採用し
ても、前記各実施形態と同様の効果を享受することがで
きる。
【0095】
【表7】
【0096】さらに、前述の各実施形態では、不揮発性
メモリ71は、E2PROMから構成されていたが、こ
れに限らず、記録情報を紫外線により消去することので
きるEPROMを不揮発性メモリとして採用してもよ
い。要するに、静電容量型センサの電源が遮断され、メ
モリに電力が供給されなくなっても記録情報が失われな
いメモリであればよい。その他、本発明の実施の際の具
体的な構造および形状等は、本発明の目的を達成できる
範囲で他の構造等としてもよい。
【0097】
【発明の効果】前述のような本発明によれば、演算処理
手段が基本演算部を備えているので、演算処理手段の校
正値を算出する部分と、校正値に基づいて実際の測定値
を換算する部分を共通化することができ、校正作業コス
トおよび部材コストを含むセンサのトータルコストを大
幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作用を説明するための静電容量型セン
サの構造を表す垂直断面図である。
【図2】図1のII−II線における切断面図である。
【図3】本発明の作用を説明するための模式図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るセンサの信号処理
回路の構造を表すブロック図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る静電容量型センサ
を表す垂直断面図である。
【図6】前記実施形態におけるセンサの信号処理回路の
構造を表すブロック図である。
【図7】前記実施形態における第1の補正を行った後に
おける圧力と静電容量比との関係を表すグラフである。
【図8】前記実施形態におけるフィードバック補正を行
った後における圧力と静電容量比との関係を表すグラフ
である。
【図9】第1実施形態の変形となるセンサおよびセンサ
の信号処理回路を表すブロック図である。
【符号の説明】
1、101、201 センサ 5、105 演算処理手段 11、111 ダイアフラム 12 基板 13 可動電極 14 第1固定電極 15 第2固定電極 51 係数演算部 52 校正演算部 53 基本演算部 71 不揮発性メモリ C1 第1静電容量 C2 第2静電容量 k 静電容量比 P 物理量の換算値(圧力換算値)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01L 9/12 G01L 9/00 G01L 27/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被測定物の物理量の変化を電気的に検出す
    るセンサ素子と、このセンサ素子の変化を検出して電気
    信号を出力する信号出力手段とを備えたセンサの前記電
    気信号を処理するセンサの信号処理回路であって、 前記電気信号から得られる検出値kを変換式 【数1】 により校正演算して前記物理量の換算値Pを取得する演
    算処理手段を備え、 この演算処理手段は、前記センサの測定範囲内の任意の
    3点における既知の校正物理量に対応する検出値を取得
    し、前記変換式に代入することにより、前記変換式の係
    数α、β、γを算出する係数演算部と、 算出された前記係数α、β、γを前記変換式に代入し、
    未知の測定物理量に対応して検出された検出値kを、こ
    の変換式により校正演算して前記物理量の換算値Pを取
    得する校正演算部と、 前記係数演算部または前記校正演算部から入力される所
    定の引数X、Y、Z、Wに対して次式 【数2】 で与えられる演算を行い、その演算結果fを前記係数演
    算部または前記校正演算部に出力する基本演算部とを備
    えていることを特徴とするセンサの信号処理回路。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のセンサの信号処理回路に
    おいて、 前記センサ素子は、前記被測定物の圧力変化に伴い変形
    するダイアフラムと、当該ダイアフラム上に形成される
    可動電極と、このダイアフラムを支持する基板上に形成
    され、かつ前記可動電極と対向配置される第1および第
    2固定電極とを備え、 前記信号出力手段は、前記可動電極および前記第1固定
    電極の間の第1静電容量信号C1と、前記可動電極およ
    び前記第2固定電極の間の第2静電容量信号C2とを出
    力し、 前記検出値kは、前記第1および第2静電容量信号C
    1、C2の静電容量比であることを特徴とするセンサの
    信号処理回路。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載のセンサの
    信号処理回路において、 前記演算処理手段は、前記センサに設けられ、かつCP
    Uを含む集積回路から構成されていることを特徴とする
    センサの信号処理回路。
  4. 【請求項4】請求項3に記載のセンサの信号処理回路に
    おいて、 前記センサには、電源を遮断しても記録情報が失われな
    い不揮発性のメモリが設けられ、前記係数演算部により
    算出された係数α、β、γは、この不揮発性メモリに記
    録されることを特徴とするセンサの信号処理回路。
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