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JP2882733B2 - 水性被覆用組成物 - Google Patents

水性被覆用組成物

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Publication number
JP2882733B2
JP2882733B2 JP19362793A JP19362793A JP2882733B2 JP 2882733 B2 JP2882733 B2 JP 2882733B2 JP 19362793 A JP19362793 A JP 19362793A JP 19362793 A JP19362793 A JP 19362793A JP 2882733 B2 JP2882733 B2 JP 2882733B2
Authority
JP
Japan
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polymer
weight
vinyl
water
parts
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Expired - Lifetime
Application number
JP19362793A
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English (en)
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JPH0748538A (ja
Inventor
誠 守屋
誠司 西村
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP19362793A priority Critical patent/JP2882733B2/ja
Publication of JPH0748538A publication Critical patent/JPH0748538A/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、顔料分散性が良好で、
塗装時の不溶解性凝集物の発生が少なく、強靱で、プラ
スチックフィルムへの密着性が良好な塗膜を形成する
性被覆用組成物に関するものであり、水性塗料およびイ
ンク用の組成物として好適に使用されるものである
【0002】
【従来の技術】ビニル系重合体の水溶液を含む被覆用組
成物は、顔料分散性が良好でカスの発生が少ないという
長所を有し、多くの品種が開発されてきた。しかし、充
分に強靱な塗膜を形成するものやプラスチックフィルム
への密着性の良好なものは開発されていない。
【0003】一方、ウレタン系重合体の水性分散液から
なる被覆用組成物は、強靱な塗膜を形成し、かつプラス
チックフィルムに良好に密着するという長所を有し、従
来より多くの品種が開発されてきた。しかし、これまで
開発されたウレタン系重合体の水性分散物は、顔料分散
性が充分良好な条件および塗装時の不溶解性凝集物の発
生が十分低い条件を達成することができなかった。
【0004】ビニル系重合体水溶解物の良好な顔料分散
性および不溶解性凝集物の発生の少なさと、ウレタン系
重合体水性分散物の強靱な塗膜の形成能およびプラスチ
ックフィルムへの良好な密着性とを両立させる検討が種
々なされてきたが、ビニル系重合体とウレタン系重合体
の相溶性が低いため、幅広いブレンド比率で良好に相溶
するものは殆ど得られていない。この点を改良するため
にビニル系単量体の重合過程でウレタン系重合体を存在
させて相溶性が良好な水性組成物を得る方法が開発され
た。例えば特公平4−81447号、特開平4−415
17号、米国特許4198330号などが挙げられる。
【0005】しかし、これらの方法では重合装置など大
規模な装置が必要となるなど、多品種の幅広い商品展開
には不利であり、ウレタン系重合体とビニル系重合体の
単純なブレンドによりウレタン系重合体とビニル系重合
体の特徴を両立させ得る水性組成物の開発が望まれてい
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ビニ
ル系重合体水溶液とウレタン系重合体水性分散液との混
合液からなる水性塗料およびインク用の組成物として好
適に使用されるものであって、顔料分散性が良好で、塗
装時の不溶解性凝集物の発生が少なく、強靱で、プラス
チックフィルムへの密着性が良好な塗膜を形成でき、か
つ幅広い各種のウレタン系重合体の水性分散液が使用可
能な水性被覆用組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
(a)メチルメタクリレート30〜90重量%、(b)
芳香族ビニル化合物0〜30重量%、(c)酸基含有ビ
ニル化合物4〜20重量%および(d)共重合可能な他
のビニル系単量体0〜66重量%からなり、二次転移温
度が10〜150℃、重量平均分子量が6,000〜3
0,000、かつ酸価が35〜200mgKOH/gで
り、懸濁重合法により重合されたビニル系重合体
(I)を塩基で中和し、水に溶解してなるビニル系重合
体溶液と、(e)脂肪族または脂環式ジイソシアネー
ト、(f)数平均分子量が500〜5,000のポリエ
ーテルジオールまたはポリエステルジオールおよび
(g)酸基含有ジオールからなり、かつNCO/OH当
量比が1.1〜1.9であるウレタンプレポリマーを、
3級アミンで中和後または中和しながら水延長またはア
ミン延長し、水中に分散してなるウレタン系重合体(I
I)の水性分散液とを、重合体固形分混合比率で、重合
体(I)/重合体(II)=5/95〜95/5となるよ
混合してなる水性被覆用組成物である。
【0008】
【作用】本発明に用いられるビニル系重合体(I)は、
(a)メチルメタクリレート30〜90重量%、(b)
芳香族ビニル化合物0〜30重量%、(c)酸基含有ビ
ニル化合物4〜20重量%および(d)共重合可能な他
のビニル系単量体0〜66重量%から構成される。
【0009】メチルメタクリレート(a)は、ビニル系
重合体に硬度を付与するための必須成分であり、30〜
90重量%の割合で用いられる。30重量%未満である
と硬度が低下し、一方90重量%を越えると水溶性が低
下する。また、上記範囲外では重合体(II)の水性分散
液との相溶性にも欠ける。
【0010】芳香族ビニル化合物(b)は、塗膜に耐水
性を付与する効果があり、30重量%までの範囲で共重
合され、好ましくは0〜25重量%の範囲で使用され
る。しかし、30重量%を越えると、水溶性が低下する
とともに重合体(II)の水性分散液との相溶性にも欠け
るので適当ではない。芳香族ビニル化合物の具体例とし
ては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチ
レンおよびベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられ
るが、なかでもスチレンが特に好ましい。
【0011】酸基含有ビニル化合物(c)は、ビニル系
重合体に酸基を付与するものであり、カルボン酸または
スルフォン酸等の酸性基を有するビニル化合物である。
酸基含有ビニル化合物は、4〜20重量%の範囲で得ら
れるビニル系重合体(I)の酸価が35〜200mgK
OH/gとなるように用いられる。酸基含有ビニル化合
物の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロ
トン酸等の一塩基酸;フマール酸、マレイン酸、イタコ
ン酸などの二塩基酸;およびこれらの部分エステル等が
挙げられる。これらは二種以上を混合して使用すること
も可能である。なかでもカルボン酸を有するビニル化合
物を共重合した場合には、水溶性および重合体(II)の
水性分散液との相溶性が良好なものが得られる。また、
特にメタクリル酸またはアクリル酸と共重合した場合
に、水溶性および相溶性が極めて良好なものが得られ
る。
【0012】また、上記単量体(a)〜(c)と共重合
可能な他のビニル系単量体(d)は、0〜66重量%の
範囲で用いられ、少なくとも一ケの重合可能なビニル基
を有するものの中から目的に応じて任意に選ぶことがで
きる。ビニル系単量体(d)の具体例としては、エチル
(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレー
ト、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリ
ル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレ
ート等の炭素数1〜18のアルキル基を有する(メタ)
アクリル酸アルキルエステル;2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレート;エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ブチレングリコール(メタ)アクリレート等のグリ
コールジ(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート等のアルキルアミノ(メタ)アク
リレート;およびジメチルアミノエチル(メタ)アクリ
レートメチルクロライド塩、シクロヘキシル(メタ)ア
クリレート、アリル(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリシジル
(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。
【0013】ビニル系重合体(I)の二次転移温度は、
DSC法による測定で10〜150℃である必要があ
り、好ましくは20〜110℃である。10℃未満であ
ると耐汚染性が不足したり、耐ブロッキング性が低下す
る。また、150℃を越えると、塗膜が硬くなり過ぎ密
着性が低下する。ビニル系重合体の分子量はGPC法に
より測定される重量平均分子量が6,000〜30,0
00である必要があり、好ましくは8,000〜25,
000である。6,000未満では、塗膜が脆くなりや
すい等種々の欠点が生ずる。また、30,000を越え
ると、ウレタン系重合体(II)との相溶性にも欠ける。
また、酸価は、フェノールフタレインの変色点を基準と
してビニル系重合体水溶液にエタノールに溶解したKO
Hを滴下して滴定し、ビニル系重合体1gを中和するに
必要なKOHのmg数で示した場合、35〜200mg
KOH/gである必要があり、好ましくは40〜150
mgKOH/gである。35mgKOH/g未満である
と水溶性が低下し、200mgKOH/gを越えると重
合体(II)の水性分散液との相溶性が低下する上に耐水
性が不足する。
【0014】ビニル系重合体(I)を製造する際の重合
方法としては、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法等
が適用できるが、特に懸濁重合法により製造されるもの
、耐水性に優れると同時にウレタン系重合体(II)の
水性分散液との相溶性に優れるので良好である。さら
に、重合を進行させながらモノマーを数度に分割して系
内に投入する方法や重合を進行させながらモノマーを数
時間かけて系内に滴下する重合方法により製造されるも
のよりも、モノマーを一括して系内に投入した後に重合
を開始するモノマー一括仕込み方法により製造されるも
のが好ましい。これらは、主に共重合性の面からの効果
であると考えられる。
【0015】懸濁重合における分散剤としては、70〜
100%の範囲のケン化度のポリビニルアルコール、ポ
リメタクリル酸のソーダー塩等公知の水溶性高分子を用
いることができる。また、溶液重合における溶剤として
は、本発明で用いる単量体および重合体を溶解させるも
のなら特に制限を受けないが、メタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコール、n−ブタノール等のアル
コール類;エチルセロソルブ、セロソルブアセテート、
ブチルカルビトール;プロピレングリコールメチルエー
テル等のグリコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢
酸エステル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン等のケトン類;等が例示される。
【0016】また、重合触媒としては、アゾビスイソブ
チロニトリル等のアゾ系開始剤、ベンゾイルパーオキサ
イド等の過酸化物系開始剤等従来公知の開始剤を目的に
応じて任意に使用することができる。
【0017】更に、ビニル系重合体(I)の分子量調節
用として、必要に応じて上記ビニル系単量体混合物中
に、n−ドデシルメルカプタン、α−メチルスチレンダ
イマー等の連鎖移動剤を添加することができる。
【0018】このようにして得られたビニル系重合体
(I)は、塩基を用いてビニル系重合体(I)中の酸基
を中和して、塩を形成することにより水溶性を付与し、
水中に溶解される。ビニル系重合体(I)の酸基は全て
が中和される必要はなく、通常は酸基の30%以上が中
和される。
【0019】中和に用いる塩基の例としては、アンモニ
ア、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジエチルアミ
ン、トリプロピルアミン、ジブチルアミン、アミルアミ
ン、1−アミノオクタン、2−ジメチルアミノエタノー
ル、エチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタ
ノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−
1−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、1
−ジメチルアミノ−2−プロパノール、3−ジメチルア
ミノ−1−プロパノール、2−プロピルアミノエタノー
ル、エトキシプロピルアミン、アミノベンジルアルコー
ル、モルホリン等の揮発性のものが挙げられる。
【0020】一方、本発明で用いられるウレタン系重合
体(II)の水性分散液は、(e)脂肪族または脂環式ジ
イソシアネート、(f)数平均分子量が500〜500
0のポリエーテルジオールまたはポリエステルジオール
および(g)ジメチロールアルカン酸からなり、かつN
CO/OH当量比が1.1〜1.9であるウレタンプレ
ポリマーを、3級アミンで中和後または中和しながら水
延長またはジもしくはトリアミン延長し、水中に分散化
して得られる自己乳化型のものである。
【0021】脂肪族または脂環式ジイソシアネート
(e)としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、
2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート等の
脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネー
ト、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,
4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の炭
素数4〜18の脂環式ジイソシアネート;およびこれら
ジイソシアネートの変性物(カーボジイミド、ウレトジ
オン、ウレトイミン含有変成物など)が挙げられる。特
に好ましいものとしてはヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネートが挙げられる。これら
は2種以上を併用してもよい。芳香族ジイソシアネート
は、水延長またはアミン延長時に水との反応性が高過ぎ
るため使用できない。
【0022】また、ポリエーテルジオールまたはポリエ
ステルジオール(f)は、500〜5000の数平均分
子量を有し、通常末端にヒドロキシ基を有している化合
物である。数平均分子量が500未満のものでは塗膜が
脆くなり、5000を越えると塗膜の柔軟性に欠ける。
その具体例としては、エチレンオキシド、プロピレンオ
キシド等のアルキレンオキシドやテトラヒドロフラン等
の複素環式エーテルを(共)重合させて得られるもの、
例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘ
キサメチレンエーテルグリコール;ポリエチレンアジペ
ート、ポリブチレンアジペート、ポリネオペンチルアジ
ペート、ポリ−3−メチルペンチルアジペート、ポリエ
チレン/ブチレンアジペート、ポリネオペンチル/ヘキ
シルアジペート;ポリラクトンジオール、例えばポリカ
プロラクトンジオール;ポリカーボネートジオールが挙
げられる。また、ソジウム5−スルホイソフタル酸とジ
エチレングリコールまたはポリエチレングリコールを共
重合させた水性ポリエステルジオールも使用できる。こ
れらは2種以上を併用してもよい。
【0023】また、酸基含有ジオール(g)は、カルボ
ン酸基やスルフォン酸基等の酸性基を有するジオール化
合物であり、その具体例としては、ジメチロール酢酸、
ジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸などが挙
げられ、これらは2種以上を併用してもよい。これらの
うち、特に好ましいものはジメチロールプロピオン酸で
ある。
【0024】これら化合物から合成される、ウレタンプ
レポリマーは、NCO/OH当量比が1.1〜1.9で
ある必要があり、NCO当量比が1.1未満であるとウ
レタンプレポリマーの粘度が高過ぎ、水分散を円滑に行
えず、1.9を超えると水延長またはアミン延長時にゲ
ル化しやすい。
【0025】ウレタンプレポリマーの合成に当っては、
低分子量のポリヒドロキシ化合物を添加使用してもよ
い。低分子量のポリヒドロキシ化合物としては、上記の
ポリエステルジオールの原料として挙げたグリコール及
びアルキレンオキシド低モル付加物;グリセリン、トリ
メチロールエタン、トリメチロールプロパン等の3価ア
ルコール及びそのアルキレンオキシド低モル付加物が挙
げられる。低分子量のポリヒドロキシ化合物の使用量
は、ポリエーテルジオールまたはポリエステルジオール
(f)に対して20重量%以下が適当であり、これを越
える量用いると塗膜が脆くなる。
【0026】このようにして得られたウレタンプレポリ
マーは、ジメチロールアルカン酸に由来する酸基を3級
アミンで中和した後または中和しながら水延長またはジ
もしくはトリアミン延長し、水中に分散化する。
【0027】中和のために使用するアミンは、3級であ
る必要がある。1級または2級であると残存イソシアネ
ートと反応してしまうので適当ではない。3級アミンの
具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン
等のトリアルキルアミン;N−メチルモルホリン等のN
−アルキルモルホリン;N−ジメチルエタノールアミン
等のN−アルキルアルカノールアミン等が挙げられる。
これらは2種以上を併用してもよい。また、これらはウ
レタンプレポリマー中の酸基1当量当り、通常0.5〜
1当量使用される。
【0028】また、アミン延長に使用されるポリアミン
としては、通常ジアミンまたはトリアミンが用いられ
る。また、その具体例としてはヘキサメチレンジアミ
ン、イソホロンジアミン、ヒドラジン、ピペラジンなど
が挙げられ、これらは2種以上を併用してもよい。
【0029】本発明の水性被覆用組成物は、上記のビニ
ル系重合体(I)の水溶液とウレタン系重合体(II)の
水性分散液とを、重合体固形分比率で重合体(I)/重
合体(II)=5/95〜95/5となるような割合で混
合して調製される。ビニル系重合体のブレンド比率が5
%以下であるとビニル系重合体水溶解物の特徴である顔
料分散性またはカス発生少なさが不充分となり、ビニル
系重合体のブレンド比率が95%を越えると、ウレタン
系重合体の水分散物の特徴である強靱な塗膜の形成能ま
たはプラスチックフィルムへの密着性が不充分になる。
ビニル系重合体(I)の水溶液とウレタン系重合体(I
I)の水性分散液との混合方法は特に制限なく、室温下
に両液を混合してもよいし、加温した後両液を混合して
もよい。ビニル系重合体(I)の水溶液は、通常20〜
35重量%の濃度のものが用いられる。また、ウレタン
系重合体(II)の水性分散液は、通常、ウレタン系重合
体(II)の濃度が25〜45重量%のものが用いられ
る。このようにして得られる本発明の水性被覆用組成物
は、塗料およびインクとしての高度の性能を発現させる
ために、消泡剤、顔料分散剤、防腐剤等の添加剤を添加
して用いることも可能である。
【0030】本発明の水性被覆用組成物を用いて各種材
料の表面に塗膜を形成する際の塗布方法としては、噴霧
コート法、ローラーコート法、バーコート法、エアーナ
イフコート法、流延法、刷毛塗り法、ディッピング法等
が挙げられるが特に限定されない。
【0031】本発明の水性被覆用組成物を塗料やインク
として用いる場合には、通常室温〜60℃の温度範囲で
10秒〜10時間乾燥して塗膜が形成される。
【0032】
【実施例】以下に、本発明を実施例により詳細に説明す
る。なお、実施例中の「部」および「%」は、それぞれ
「重量部」および「重量%」を示す。 (1)ビニル系重合体I−1の製造 攪拌機、温度計、還流凝縮器を備えて、加温と冷却がい
ずれも可能である重合装置中に脱イオン水200部にポ
リビニルアルコール(ケン化度80%、重合度1,50
0)0.6部を加え、攪拌を行いポリビニルアルコール
を完全に溶解した後に、一度攪拌を停止し、メチルメタ
クリレート(以下、MMAと略)70部、スチレン(以
下、Stと略)10部、n−ブチルアクリレート(以
下、n−BAと略)10部、メタクリル酸(以下、MA
Aと略)10部を加え再度攪拌を開始し、アゾビスイソ
ブチロニトリル(以下、AIBNと略)0.5部および
n−ドデシルメルカプタン(以下、n−DMと略)4部
を加え75℃に昇温し、反応温度を75〜80℃を維持
するように3時間反応させ、その後95℃に昇温し1時
間維持し反応を終了させた。得られた重合体は、分子量
12,000、酸価65mgKOH/g、二次転移温度
87℃であった。 (2)ビニル系重合体I−2〜I−8の製造 ビニル系重合体I−1の製造方法と同様の操作で、表1
に示すビニル系単量体組成物を表1に示すラジカル開始
剤および連鎖移動剤を用いてそれぞれ重合し、得られた
重合体の特性値を表2に示した。
【0033】
【表1】 記号の説明 BPO:べンゾイルパーオキサイド n−BMA:n−ブチルメタクリレート EHA:エチルヘキシルアクリレート MeSt:α−メチルスチレンダイマー AA:アクリル酸
【0034】
【表2】 (3)ビニル系重合体I−9の製造 攪拌機、温度計、還流凝縮器を備えて、加温と冷却がい
ずれも可能である重合装置中にイソプロピルアルコール
(以下、i−PAと略)100部、MMA65部、St
10部、n−BA12部、MAA13部、AIBN2部
およびn−DM3部を加え攪拌を開始し、80℃に昇温
し重合を開始し、1時間おきにAIBNを0.2部添加
し、9時間温度を維持し重合を終了し、固形分51%、
粘度10,000cpsのビニル系重合体のi−PA溶
液を得た。その後この溶液をバットに入れ、50℃に加
熱した乾燥機中にてi−PAを蒸発させ固形分99.5
%のビニル系重合体の固形物を得た。得られた重合体は
分子量13,000、酸価85.5mgKOH/g、二
次転移温度84℃であった。 (4)ビニル系重合体I−10の製造 攪拌機、温度計、還流凝縮器を備えて、加温と冷却がい
ずれも可能である重合装置中にi−PA100部を加え
攪拌を開始し、80℃に昇温しMMA65部、St10
部、n−BA12部、MAA13部およびAIBN3部
の混合物を4時間かけて滴下し、その後1時間おきにA
IBNを0.1部添加しながら4時間温度を維持して重
合を終了し、固形分50%、粘度2,000cpsのビ
ニル系重合体のi−PA溶液を得た。その後この溶液を
バットに入れ、50℃に加熱した乾燥機中にてi−PA
を蒸発させ固形分99.5%のビニル系重合体の固形物
を得た。得られた重合体は分子量11,000、酸価8
5.5mgKOH/g、二次転移温度84℃であった。 (5)ビニル系重合体の水中ヘの溶解 攪拌機、温度計、還流凝縮器を備えて、加温と冷却がい
ずれも可能である300mlフラスコ中にビニル系重合
体I−1を50gおよび脱イオン水148gを投入し攪
拌を開始し、28%アンモニア水3.5gを徐々に添加
し、その後50℃に昇温し2時間温度を維持し溶解を完
了し、ビニル系重合体I−1の水性溶解物を得た。得ら
れた水性溶解物は固形分25%、粘度500cpsであ
った。
【0035】ビニル系重合体I−2〜I−8も下記の計
算方法に従い28%アンモニア水と脱イオン水の添加量
を計算し、同様の方法で溶解操作を行った。しかし、ビ
ニル系重合体I−5は溶解できなかった。 必要アンモニア水(g)=A÷56.1÷1000×5
0×l7÷0.28 (式中、Aは重合体の酸価(mgKOH/g)を表わ
す。) 必要脱イオン水(g)=150−必要アンモニア水
(g)×0.72 (6)ウレタン系重合体水性分散液II−1の製造 温度計、攪拌機、コンデンサーを備えた1000mlの
反応容器にジメチロールプロピオン酸13部、N−メチ
ル−2−ピロリドン80部、ポリテトラメチレングリコ
ール(数平均分子量1900)を加え90℃に加熱し
た。次にイソホロンジイソシアネート48部を加え、1
0分攪拌後、ジブチル錫ジラウレート0.1部を加え、
95℃まで昇温し1時間反応させた。
【0036】このようにして得た親水基含有ウレタンプ
レポリマーをトリエチルアミン10部で中和した後、脱
イオン水300部を加え、1時間攪拌し水延長した。得
られた組成物は安定な水分散体であり、固形分29.2
%、粘度5,000cpsであった。 (7)ウレタン系重合体水性分散液II−2の製造 上記(6)で用いた反応容器に、ジメチロールプロピオ
ン酸6部、N−メチル−2−ピロリドン40部、ポリプ
ロピレングリコール(数平均分子量1850)を加え9
0℃に加熱した。次にイソホロンジイソシアネート48
部を加え、10分攪拌後、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート35部を加え10分攪拌後、ジブチル錫ジラウレー
ト0.1部を加え、95℃まで昇温し1時間反応させ
た。
【0037】このようにして得た親水基含有ウレタンプ
レポリマーをトリエチルアミン5部で中和した後、脱イ
オン水300部を加え、1時間攪拌し水延長した。得ら
れた組成物は安定な水分散体であり、固形分30.2
%、粘度1,000cpsであった。 (8)ウレタン系重合体水性分散液II−3の製造 上記(6)で用いた反応容器に、ジメチロールプロピオ
ン酸6部、N−メチル−2−ピロリドン40部、ポリプ
ロピレングリコール(数平均分子量2200)を加え9
0℃に加熱した。次にイソホロンジイソシアネート48
部を加え、10分攪拌後、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート35部を加え10分攪拌後、ジブチル錫ジラウレー
ト0.1部を加え、95℃まで昇温し1時間反応させ
た。
【0038】このようにして得た親水基含有ウレタンプ
レポリマーをトリエチルアミン10部で中和した後、脱
イオン水300部を加え、水分散した。これにイソホロ
ンジアミン8部を添加し、1時間攪拌しジアミン延長し
た。得られた組成物は安定な水分散体であり、固形分3
0.2%、粘度1,000cpsであった。
【0039】実施例1 ビニル系重合体I −1の固形分25%水溶液60gおよ
びウレタン系重合体水性分散液II−1を120gをビー
カー内に計り取り、棒で軽く混合し、ブレンド液1を作
成した。この場合、ビニル系重合体I −1とウレタン系
重合体水性分散液II−1の重合体固形分比率は30対7
0である。ブレンドして24時間後に析出物が見られ
ず、溶液としての相溶性が確認できた。またブレンド液
1をガラス板にソリッド膜厚80μmになるよう塗布、
乾燥させたところ透明な塗膜となっており、塗膜として
の相溶性が確認された。Degussa製のカーボンブ
ラック#100をブレンド液1中の重合体100部に対
して20部加え、FRITSCH製遊星ボールミルにて
2時間混合し顔料を分散させた。その後3日間室温にて
放置したところ、顔料の沈降は見られなかった。また、
ブレンド液1をポリエステルフィルム(ルミラーE−3
5、東レ (株) 製)に乾燥膜厚20μmになるよう塗布
し、セロハンテープ(ニチバン (株) 製)を塗膜に押し
つけ、その後剥がしたが、塗膜はセロハンテープの粘着
層に移し取られなかった。
【0040】 実施例2〜および比較例1〜8 実施例1と同様にしてブレンド液を作成し評価した結果
を表3に示した。なお、各評価試験の結果の記号は下記
を意味する。 〔相溶性〕 溶液 S:析出物が見られない。
【0041】IS:析出物有り。 塗膜 C:塗膜が透明であり、相溶性が良好である。
【0042】VSH:塗膜がわずかにやや不透明であ
り、相溶性がやや不良である。
【0043】SH:VSHの段階より塗膜が不透明であ
り、相溶性がVSHの段階より低位である。
【0044】H:SHの段階より塗膜が不透明であり、
相溶性がSHの段階より低位である(実用不可能なレベ
ル)。 〔顔料分散性〕 良好:3日後に顔料の沈降が見られない。 不良:3日後に顔料の沈降が見られる。 〔密着性〕 良好:セロハンテープの粘着層に移し取られない。 不良:セロハンテープの粘着層に移し取られる。
【0045】
【表3】
【0046】
【発明の効果】本発明の水性被覆用組成物は、顔料分散
性が良好で、塗装時の不溶解性凝集物の発生が少なく、
強靱で、プラスチックフィルムへの密着性が良好な塗膜
を形成することができ、水性塗料やインク用の組成物と
して有用である。また、ウレタン系重合体とビニル系重
合体の単純なブレンドにより調製できるので、多品種の
幅広い商品展開が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−233965(JP,A) 特開 平4−25582(JP,A) 特開 平1−301762(JP,A) 特開 平7−48537(JP,A) 特開 平7−26195(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09D 133/04 - 133/14 C09D 175/04 - 175/08 C09D 11/10,5/00 C08L 33/04 - 33/14 C08L 75/04 - 75/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)メチルメタクリレート30〜90
    重量%、(b)芳香族ビニル化合物0〜30重量%、
    (c)酸基含有ビニル化合物4〜20重量%および
    (d)共重合可能な他のビニル系単量体0〜66重量%
    からなり、二次転移温度が10〜150℃、重量平均分
    子量が6,000〜30,000、かつ酸価が35〜2
    00mgKOH/gであり、懸濁重合法により重合され
    ビニル系重合体(I)を塩基で中和し、水に溶解して
    なるビニル系重合体溶液と、(e)脂肪族または脂環式
    ジイソシアネート、(f)数平均分子量が500〜5,
    000のポリエーテルジオールまたはポリエステルジオ
    ールおよび(g)酸基含有ジオールからなり、かつNC
    O/OH当量比が1.1〜1.9であるウレタンプレポ
    リマーを、3級アミンで中和後または中和しながら水延
    長またはアミン延長し、水中に分散してなるウレタン系
    重合体(II)の水性分散液とを、重合体固形分混合比率
    で、重合体(I)/重合体(II)=5/95〜95/5
    となるよう混合してなる水性被覆用組成物。
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