JP2869130B2 - 繊維強化熱硬化性樹脂製撚構造体及びその製造方法 - Google Patents
繊維強化熱硬化性樹脂製撚構造体及びその製造方法Info
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- JP2869130B2 JP2869130B2 JP2044437A JP4443790A JP2869130B2 JP 2869130 B2 JP2869130 B2 JP 2869130B2 JP 2044437 A JP2044437 A JP 2044437A JP 4443790 A JP4443790 A JP 4443790A JP 2869130 B2 JP2869130 B2 JP 2869130B2
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- D07B7/02—Machine details; Auxiliary devices
- D07B7/14—Machine details; Auxiliary devices for coating or wrapping ropes, cables, or component strands thereof
- D07B7/145—Coating or filling-up interstices
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Description
【発明の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本発明は、中央の芯ストランドの外周に所定本数の外
周ストランドをスパイラル状に撚合せたタイプの繊維強
化熱硬化性樹脂製撚構造体及びその製造方法に関し、と
りわけ、ロックボルトのごとき引張補強材に好適なる撚
構造体及びその製造方法に関する。
周ストランドをスパイラル状に撚合せたタイプの繊維強
化熱硬化性樹脂製撚構造体及びその製造方法に関し、と
りわけ、ロックボルトのごとき引張補強材に好適なる撚
構造体及びその製造方法に関する。
《従来技術とその欠点》 繊維強化熱硬化性樹脂(以下FRPと称す)の撚構造体
は、軽量性,耐腐蝕性,弾性回復性,可撓性,無誘導
性,絶縁性,易切断性などの特徴を有することから、こ
れらの特性を活かした用途での展開が期待できる。
は、軽量性,耐腐蝕性,弾性回復性,可撓性,無誘導
性,絶縁性,易切断性などの特徴を有することから、こ
れらの特性を活かした用途での展開が期待できる。
上記特性を活かした用途として、トンネル掘削等の土
木工事において、地山の崩壊や剥離を防止するために、
その補強材として使用するロックボルトやアースアンカ
ー等が挙げられる。
木工事において、地山の崩壊や剥離を防止するために、
その補強材として使用するロックボルトやアースアンカ
ー等が挙げられる。
これらの用途にFRP製撚構造体を使用するときは、地
山に掘削した孔部への挿入追随性、モルタルなどの定着
剤を先入れした後での挿入性,挿入定着後のトンネルの
拡径等に伴う切断が従来の金属製のロックボルトに比較
して容易かつ安全であることなどの利点を有し、作業
性,安全性の点からその使用が推奨できる。
山に掘削した孔部への挿入追随性、モルタルなどの定着
剤を先入れした後での挿入性,挿入定着後のトンネルの
拡径等に伴う切断が従来の金属製のロックボルトに比較
して容易かつ安全であることなどの利点を有し、作業
性,安全性の点からその使用が推奨できる。
本出願人は、この種の引張補強材ないしロックボルト
につき、既に実開昭61−33899号,実開昭62−129500号
に開示している。
につき、既に実開昭61−33899号,実開昭62−129500号
に開示している。
しかし、先願のこれらの撚構造体は、複合ストランド
の熱可塑性被覆層同士をその接触点において長手方向に
融着し、かつ、外周ストランドのFRP外周と被覆とがア
ンカー効果的に接着する場合もあって、撚構造体の曲げ
剛性が大となって、撚合せ硬化後に捲取ドラムに捲取る
際に、捲径をかなり大きくしなければならず、長尺状の
ものを捲く場合に、捲取設備,輸送コスト等の点で問題
が生じた。
の熱可塑性被覆層同士をその接触点において長手方向に
融着し、かつ、外周ストランドのFRP外周と被覆とがア
ンカー効果的に接着する場合もあって、撚構造体の曲げ
剛性が大となって、撚合せ硬化後に捲取ドラムに捲取る
際に、捲径をかなり大きくしなければならず、長尺状の
ものを捲く場合に、捲取設備,輸送コスト等の点で問題
が生じた。
そこで、本発明者らは、芯ストランドを中心として、
その外周に外周ストランドを撚合せしたタイプの撚構造
体であって、その取扱い等においてストランドがバラけ
ることがなく、かつ可撓性を有しドラム等に捲き取るこ
とが容易な構造および、その合理的な製造方法について
鋭意検討して本発明を完成した。
その外周に外周ストランドを撚合せしたタイプの撚構造
体であって、その取扱い等においてストランドがバラけ
ることがなく、かつ可撓性を有しドラム等に捲き取るこ
とが容易な構造および、その合理的な製造方法について
鋭意検討して本発明を完成した。
《発明の構成》 本発明に係る撚構造体は、補強用繊維素材に未硬化状
熱硬化性樹脂を含浸し、その後に絞り成形してその外周
に熱可塑性樹脂の被覆層を設けた複合ストランドからな
る芯ストランドおよび外周ストランドを有し、前記芯ス
トランドの外周に前記外周ストランドを撚合わせて硬化
させる撚構造体において、前記芯ストランドの熱可塑性
樹脂は前記外周ストランドの熱可塑性樹脂よりも低軟化
点あるいは低融点であり、かつ、前記外周ストランドの
熱可塑性樹脂と相溶性があり、前記外周ストランドの熱
可塑性樹脂は、前記熱硬化性樹脂の硬化温度において樹
脂同士が融着しない程度の軟化点を有し、前記芯ストラ
ンドの被覆層と前記外周ストランドの被覆層とがその接
触部分においてのみ相互に接着していることを特徴とす
る。
熱硬化性樹脂を含浸し、その後に絞り成形してその外周
に熱可塑性樹脂の被覆層を設けた複合ストランドからな
る芯ストランドおよび外周ストランドを有し、前記芯ス
トランドの外周に前記外周ストランドを撚合わせて硬化
させる撚構造体において、前記芯ストランドの熱可塑性
樹脂は前記外周ストランドの熱可塑性樹脂よりも低軟化
点あるいは低融点であり、かつ、前記外周ストランドの
熱可塑性樹脂と相溶性があり、前記外周ストランドの熱
可塑性樹脂は、前記熱硬化性樹脂の硬化温度において樹
脂同士が融着しない程度の軟化点を有し、前記芯ストラ
ンドの被覆層と前記外周ストランドの被覆層とがその接
触部分においてのみ相互に接着していることを特徴とす
る。
また、上記構成の撚構造体の製造方法として、長繊維
状の補強繊維に未硬化状の熱硬化性樹脂を含浸して所要
の形状に絞り成形した後、これをクロスヘッドダイに挿
通して溶融状の熱可塑性樹脂で環状に被覆した内部が未
硬化の複合ストランドを得、この複合ストランドを撚合
わせて硬化させる撚構造体の製造方法において、前記複
合ストランドを得る工程は、芯ストランドの製造工程と
外周ストランドの製造工程とからなり、前記芯ストラン
ドの製造工程は、硬化温度の近傍に軟化点ないしは融点
を有する熱可塑性樹脂により被覆し、この被覆を冷却固
化するものであり、前記外周ストランドの製造工程は、
前記芯ストランドの熱可塑性樹脂と相溶性を有し、か
つ、その硬化温度よりも高い軟化点を有する熱可塑性樹
脂により被覆し、この被覆を冷却固化するものであり、
これらの各製造工程に連続して前記芯ストランドを中央
に供給し、その外周に所要本数の前記外周ストランドを
撚合わせつつ内部の前記未硬化状の熱硬化性樹脂を硬化
させる撚合せおよび硬化工程を含み、前記硬化工程にお
いて前記芯ストランドの被覆と前記外周ストランドの被
覆とをその接触部分でのみ接着することを特徴とする。
状の補強繊維に未硬化状の熱硬化性樹脂を含浸して所要
の形状に絞り成形した後、これをクロスヘッドダイに挿
通して溶融状の熱可塑性樹脂で環状に被覆した内部が未
硬化の複合ストランドを得、この複合ストランドを撚合
わせて硬化させる撚構造体の製造方法において、前記複
合ストランドを得る工程は、芯ストランドの製造工程と
外周ストランドの製造工程とからなり、前記芯ストラン
ドの製造工程は、硬化温度の近傍に軟化点ないしは融点
を有する熱可塑性樹脂により被覆し、この被覆を冷却固
化するものであり、前記外周ストランドの製造工程は、
前記芯ストランドの熱可塑性樹脂と相溶性を有し、か
つ、その硬化温度よりも高い軟化点を有する熱可塑性樹
脂により被覆し、この被覆を冷却固化するものであり、
これらの各製造工程に連続して前記芯ストランドを中央
に供給し、その外周に所要本数の前記外周ストランドを
撚合わせつつ内部の前記未硬化状の熱硬化性樹脂を硬化
させる撚合せおよび硬化工程を含み、前記硬化工程にお
いて前記芯ストランドの被覆と前記外周ストランドの被
覆とをその接触部分でのみ接着することを特徴とする。
本発明に使用できる補強用繊維素材は、ガラス繊維,
芳香族ポリアミド繊維,炭素繊維,各種合成繊維などの
高強度にして低伸度の長繊維状の繊維が挙げられ、熱硬
化性樹脂としては不飽和ポリエステル樹脂,フェノール
樹脂,等が挙げられる。芯ストランドに使用する熱可塑
性樹脂は熱硬化性樹脂を硬化するために加熱する硬化槽
の設定温度いわゆる硬化温度近傍に軟化点ないし融点を
有する樹脂を使用し、外周ストランドの熱可塑性樹脂に
は、前記硬化温度においては外周ストランドの熱可塑性
樹脂同士が融着することがない程度の軟化点を有し、か
つ芯ストランドに使用する熱可塑性樹脂と相溶性を有す
るものから選択される。
芳香族ポリアミド繊維,炭素繊維,各種合成繊維などの
高強度にして低伸度の長繊維状の繊維が挙げられ、熱硬
化性樹脂としては不飽和ポリエステル樹脂,フェノール
樹脂,等が挙げられる。芯ストランドに使用する熱可塑
性樹脂は熱硬化性樹脂を硬化するために加熱する硬化槽
の設定温度いわゆる硬化温度近傍に軟化点ないし融点を
有する樹脂を使用し、外周ストランドの熱可塑性樹脂に
は、前記硬化温度においては外周ストランドの熱可塑性
樹脂同士が融着することがない程度の軟化点を有し、か
つ芯ストランドに使用する熱可塑性樹脂と相溶性を有す
るものから選択される。
例えば、硬化工程における熱効率等を考慮すると、熱
湯、あるいは蒸気を熱媒とすることが望ましく、これら
の温度を基準とすれば、芯ストランド用の熱可塑性樹脂
として、酢酸ビニル樹脂,エチレンエチルアクリレート
樹脂,接着性ポリエチレン等の変性ポリエチレン系樹脂
が好適であり、これらの単独あるいは混合物が使用され
る。
湯、あるいは蒸気を熱媒とすることが望ましく、これら
の温度を基準とすれば、芯ストランド用の熱可塑性樹脂
として、酢酸ビニル樹脂,エチレンエチルアクリレート
樹脂,接着性ポリエチレン等の変性ポリエチレン系樹脂
が好適であり、これらの単独あるいは混合物が使用され
る。
一方、外周ストランドの熱可塑性樹脂には、上記の樹
脂と相溶性を有するポリエチレン系の樹脂、例えば高密
度ポリエチレン,低密度ポリエチレン,直鎖状低密度ポ
リエチレンなどが使用できる。
脂と相溶性を有するポリエチレン系の樹脂、例えば高密
度ポリエチレン,低密度ポリエチレン,直鎖状低密度ポ
リエチレンなどが使用できる。
外周ストランドにこれらの熱可塑性樹脂を使用し、芯
ストランドの熱可塑性樹脂との接触部のみを融着ないし
接着するときは、硬化温度との関係から外周ストランド
のFRP外周と被覆層の内周とがアンカー効果等で接着す
ることがないので、得られる撚構造体は一層可撓性に富
むものとすることが出来る。
ストランドの熱可塑性樹脂との接触部のみを融着ないし
接着するときは、硬化温度との関係から外周ストランド
のFRP外周と被覆層の内周とがアンカー効果等で接着す
ることがないので、得られる撚構造体は一層可撓性に富
むものとすることが出来る。
本発明の製造方法は、長繊維状の補強繊維に未硬化状
の熱硬化性樹脂を含浸し、これを絞り成形した後、溶融
状の熱可塑性樹脂で環状に被覆した後、直ちにその被覆
層を冷却して内部未硬化状のFRPに熱可塑性樹脂被覆を
施した複合ストランドは、本出願人の先願の特公昭51−
43501号を基本とする公知の方法によることができる
が、前記のごとく芯ストランドと外周ストランドとの被
覆用熱可塑性樹脂が異なるので、被覆工程を並列にする
点に一つの特徴がある。
の熱硬化性樹脂を含浸し、これを絞り成形した後、溶融
状の熱可塑性樹脂で環状に被覆した後、直ちにその被覆
層を冷却して内部未硬化状のFRPに熱可塑性樹脂被覆を
施した複合ストランドは、本出願人の先願の特公昭51−
43501号を基本とする公知の方法によることができる
が、前記のごとく芯ストランドと外周ストランドとの被
覆用熱可塑性樹脂が異なるので、被覆工程を並列にする
点に一つの特徴がある。
また、被覆工程を経た芯ストランドの囲りに外周スト
ランドを撚合せる工程及び硬化工程を被覆工程に直結
し、その硬化を芯ストランドの熱可塑性樹脂と、外周ス
トランドの熱可塑性樹脂とがその接触点においてのみ融
着ないし接着する温度条件下で行なう点に特徴がある。
ランドを撚合せる工程及び硬化工程を被覆工程に直結
し、その硬化を芯ストランドの熱可塑性樹脂と、外周ス
トランドの熱可塑性樹脂とがその接触点においてのみ融
着ないし接着する温度条件下で行なう点に特徴がある。
《作用》 本発明の撚構造体は、芯ストランドと外周ストランド
とは、それらの被覆層がその接触部分においてのみ接合
しているので、曲げた場合において外周ストランドは変
位が自在となって、従来の外周ストランドの接触部分に
おいても接合した構造と比較してより小さな力で曲げる
ことができ、かつその曲げ径も小さくできるので、連続
長のものをドラム等に簡単に捲取ることができる。
とは、それらの被覆層がその接触部分においてのみ接合
しているので、曲げた場合において外周ストランドは変
位が自在となって、従来の外周ストランドの接触部分に
おいても接合した構造と比較してより小さな力で曲げる
ことができ、かつその曲げ径も小さくできるので、連続
長のものをドラム等に簡単に捲取ることができる。
そして、ロックボルト等として使用した場合において
は、外周ストランドの撚構造による凹凸効果によって、
この撚構造体とセメントモルタル等の定着剤との間で有
効な係止力を発現することができる。
は、外周ストランドの撚構造による凹凸効果によって、
この撚構造体とセメントモルタル等の定着剤との間で有
効な係止力を発現することができる。
また、本発明の方法によれば、芯および外周の複合ス
トランドの製造工程と撚工程,硬化工程を直結している
ので、従来のごとく中間の捲取等が不要であり、従来に
おいて問題となっていた未硬化状複合ストランド内の熱
硬化性樹脂のポットライフの問題が解消しつつ効率的
に、本願発明の前記撚構造体を製造できる。
トランドの製造工程と撚工程,硬化工程を直結している
ので、従来のごとく中間の捲取等が不要であり、従来に
おいて問題となっていた未硬化状複合ストランド内の熱
硬化性樹脂のポットライフの問題が解消しつつ効率的
に、本願発明の前記撚構造体を製造できる。
《実施例》 以下、本発明につき好適な実施例により説明する。
*実施例 ロックボルトを目的として複合状の芯ストランドと外
周ストランドとの被覆が異なる1×7タイプの撚構造体
を以下のようにして製造した。
周ストランドとの被覆が異なる1×7タイプの撚構造体
を以下のようにして製造した。
芯ストランドS0の製造工程 棚2上に配置された補強繊維Gとしてガラス繊維ロー
ビング(日東紡績製:RS220)をガイド3で合束した後、
未硬化状の不飽和ポリエステル樹脂(三井東圧化学製:
エスターH−8100)及び硬化用過酸化物触媒を混合した
樹脂浴4に導き、未硬化状樹脂を含浸し、絞りノズル5
で6.5mmの外径に絞り成形し、次いで溶融押出機6のダ
イ部に通して黒色マスターパッチ1部を添加した酢酸ビ
ニル樹脂(以下EVAと称す)(宇部興産製:V−125)で外
径7.5mmの形状に被覆した後、直ちに冷却水槽7に通し
て表面のEVA樹脂被覆層を冷却し、ネルソンローラー8
により引取った。
ビング(日東紡績製:RS220)をガイド3で合束した後、
未硬化状の不飽和ポリエステル樹脂(三井東圧化学製:
エスターH−8100)及び硬化用過酸化物触媒を混合した
樹脂浴4に導き、未硬化状樹脂を含浸し、絞りノズル5
で6.5mmの外径に絞り成形し、次いで溶融押出機6のダ
イ部に通して黒色マスターパッチ1部を添加した酢酸ビ
ニル樹脂(以下EVAと称す)(宇部興産製:V−125)で外
径7.5mmの形状に被覆した後、直ちに冷却水槽7に通し
て表面のEVA樹脂被覆層を冷却し、ネルソンローラー8
により引取った。
外周ストランドS1〜S6の製造工程 外周ストランドS1〜S6用の6本は、上記芯ストランド
S0と同じガラス繊維および不飽和ポリエステル樹脂を使
用し、棚2′上に配置されたガラス繊維Gをガイド
3′,樹脂浴4′に導き、絞りノズル5′で同一寸法に
絞り成形した後、6ケの被覆ダイスが取付けられた溶融
押出機6′に同じく黒色マスターバッチ1部を添加した
低密度ポリエチレン(宇部興産製:B−028)により、外
径7.5mmの環状に被覆し、6本をそれぞれネルソンロー
ラー8′により引取った。
S0と同じガラス繊維および不飽和ポリエステル樹脂を使
用し、棚2′上に配置されたガラス繊維Gをガイド
3′,樹脂浴4′に導き、絞りノズル5′で同一寸法に
絞り成形した後、6ケの被覆ダイスが取付けられた溶融
押出機6′に同じく黒色マスターバッチ1部を添加した
低密度ポリエチレン(宇部興産製:B−028)により、外
径7.5mmの環状に被覆し、6本をそれぞれネルソンロー
ラー8′により引取った。
撚合せ・硬化工程 上記ネルソンローラー8により引取られている芯スト
ランドS0をガイドローラー20を介して、上記外周ストラ
ンドS1〜S6の製造工程に導き、ガイド9aの中央に配置す
る一方、その両側に各3本の外周ストランドS1〜S3,S4
〜S6を配置し、さらに、ガイド9bおよび、95℃の熱湯を
循環した硬化槽10,冷却水槽11,回転引取機12,回転捲取
機13に通し、撚合せつつ硬化させて冷却した後、ドラム
径1200mmのドラムに捲取った。
ランドS0をガイドローラー20を介して、上記外周ストラ
ンドS1〜S6の製造工程に導き、ガイド9aの中央に配置す
る一方、その両側に各3本の外周ストランドS1〜S3,S4
〜S6を配置し、さらに、ガイド9bおよび、95℃の熱湯を
循環した硬化槽10,冷却水槽11,回転引取機12,回転捲取
機13に通し、撚合せつつ硬化させて冷却した後、ドラム
径1200mmのドラムに捲取った。
得られたロックボルト用の撚構造体は、各ストランド
S0,S1〜S6のガラス繊維体積含有率が53%,撚りピッチ2
50mm,引張強力20トンのもので、その断面構造は、第3
図に示す如く、芯ストランドS0のEVA被覆層21と外周ス
トランドS1〜S6のPE被覆面22とがそれぞれの接触部での
み相互に融着し、外周ストランドS1〜S6のPE被覆層22同
士は融着していない状態のものであった。
S0,S1〜S6のガラス繊維体積含有率が53%,撚りピッチ2
50mm,引張強力20トンのもので、その断面構造は、第3
図に示す如く、芯ストランドS0のEVA被覆層21と外周ス
トランドS1〜S6のPE被覆面22とがそれぞれの接触部での
み相互に融着し、外周ストランドS1〜S6のPE被覆層22同
士は融着していない状態のものであった。
なお、外周ストランドS1〜S6のPE被覆層22の内周と繊
維強化熱硬化性樹脂外周とは相互に融着しておらず、こ
の点でも撚構造体の柔軟性は向上できる。
維強化熱硬化性樹脂外周とは相互に融着しておらず、こ
の点でも撚構造体の柔軟性は向上できる。
*比較例 上記実施例と比較して外周ストランドの被覆樹脂にも
芯ストランドS0と同じEVA樹脂を使用して撚構造体を得
たところ、芯ストランドS0および外周ストランドS1〜S6
の被覆部は、芯ストランドS0と外周ストランドS1〜S6と
の接触部だけでなく、外周ストランドS1〜S6同士の接触
部及び各被覆部の内周とFRP外周の一部も相互に融着接
合したものが得られた。
芯ストランドS0と同じEVA樹脂を使用して撚構造体を得
たところ、芯ストランドS0および外周ストランドS1〜S6
の被覆部は、芯ストランドS0と外周ストランドS1〜S6と
の接触部だけでなく、外周ストランドS1〜S6同士の接触
部及び各被覆部の内周とFRP外周の一部も相互に融着接
合したものが得られた。
この比較例における撚構造体は曲げ剛性が著しく大き
くなって、上記の1200mm径のドラムに捲取ることは困難
であった。
くなって、上記の1200mm径のドラムに捲取ることは困難
であった。
《効果》 以上、実施例および比較例により詳細に説明したよう
に、本発明の撚構造体は、繊維強化熱硬化性樹脂の外周
を熱可塑性樹脂で被覆した複合ストランドを使用し、芯
ストランドの熱可塑性樹脂の融点が外周ストランドの熱
可塑性樹脂の融点より低いものであるから外周ストラン
ド同士が融着することがなく、したがって芯ストランド
の外周被覆と外周ストランドの外周被覆とがその接触部
分においてのみ接合しているので、ストランドがバラけ
ることなく撚構造体として一体に挙動できる一方、ドラ
ムへの捲取り等が可能な可撓性を有しているので、不定
尺のロックボルトあるいはアースアンカー等として使用
できる。
に、本発明の撚構造体は、繊維強化熱硬化性樹脂の外周
を熱可塑性樹脂で被覆した複合ストランドを使用し、芯
ストランドの熱可塑性樹脂の融点が外周ストランドの熱
可塑性樹脂の融点より低いものであるから外周ストラン
ド同士が融着することがなく、したがって芯ストランド
の外周被覆と外周ストランドの外周被覆とがその接触部
分においてのみ接合しているので、ストランドがバラけ
ることなく撚構造体として一体に挙動できる一方、ドラ
ムへの捲取り等が可能な可撓性を有しているので、不定
尺のロックボルトあるいはアースアンカー等として使用
できる。
また、本発明の撚構造体の製造方法は、未硬化状複合
ストランドの製造から連続して撚合せ,硬化,捲取を行
なっているので、従来において重要な問題であった未硬
化状態での貯蔵安定性を考慮する必要もなく、効率的に
撚構造体を製造できる。
ストランドの製造から連続して撚合せ,硬化,捲取を行
なっているので、従来において重要な問題であった未硬
化状態での貯蔵安定性を考慮する必要もなく、効率的に
撚構造体を製造できる。
第1図は本発明に係る製造方法の工程を順に示す平面
図、第2図は同方法の部分側面図、第3図は本発明の撚
構造体の一例を示す断面図である。 S0……芯ストランド S1〜S3,S4〜S6……外周ストランド 21,22……熱可塑性樹脂被覆
図、第2図は同方法の部分側面図、第3図は本発明の撚
構造体の一例を示す断面図である。 S0……芯ストランド S1〜S3,S4〜S6……外周ストランド 21,22……熱可塑性樹脂被覆
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−229178(JP,A) 特開 昭61−167093(JP,A) 特開 昭50−153943(JP,A) 特開 昭63−211392(JP,A) 特開 昭46−19968(JP,A) 実開 昭61−33899(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D07B 1/00 - 7/14 B29C 67/14
Claims (3)
- 【請求項1】補強用繊維素材に未硬化状熱硬化性樹脂を
含浸し、その後に絞り成形してその外周に熱可塑性樹脂
の被覆層を設けた複合ストランドからなる芯ストランド
および外周ストランドを有し、前記芯ストランドの外周
に前記外周ストランドを撚合わせて硬化させる撚構造体
において、前記芯ストランドの熱可塑性樹脂は前記外周
ストランドの熱可塑性樹脂よりも低軟化点あるいは低融
点であり、かつ、前記外周ストランドの熱可塑性樹脂と
相溶性があり、前記外周ストランドの熱可塑性樹脂は、
前記熱硬化性樹脂の硬化温度において樹脂同士が融着し
ない程度の軟化点を有し、前記芯ストランドの被覆層と
前記外周ストランドの被覆層とがその接触部分において
のみ相互に接着していることを特徴とする繊維強化熱硬
化性樹脂製撚構造体。 - 【請求項2】前記芯ストランドの熱可塑性樹脂が酢酸ビ
ニル樹脂、エチレンエチルアクリレート樹脂、接着性ポ
リエチレン樹脂等の変性ポリエチレン系樹脂から選択さ
れた1またはこれらの混合物であり、前記外周ストラン
ドの熱可塑性樹脂が高密度ポリエチレン、低密度ポリエ
チレン、直鎖状ポリエチレンなどのポリエチレン系樹脂
から選択されたものからなることを特徴とする請求項1
記載の繊維強化熱硬化性樹脂製撚構造体。 - 【請求項3】長繊維状の補強繊維に未硬化状の熱硬化性
樹脂を含浸して所要の形状に絞り成形した後、これをク
ロスヘッドダイに挿通して溶融状の熱可塑性樹脂で環状
に被覆した内部が未硬化の複合ストランドを得、この複
合ストランドを撚合わせて硬化させる撚構造体の製造方
法において、 前記複合ストランドを得る工程は、芯ストランドの製造
工程と外周ストランドの製造工程とからなり、 前記芯ストランドの製造工程は、硬化温度の近傍に軟化
点ないしは融点を有する熱可塑性樹脂により被覆し、こ
の被覆を冷却固化するものであり、 前記外周ストランドの製造工程は、前記芯ストランドの
熱可塑性樹脂塗と相溶性を有し、かつ、その硬化温度よ
りも高い軟化点を有する熱可塑性樹脂により被覆、この
被覆を冷却固化するものであり、 これらの各製造工程に連続して前記芯ストランドを中央
に供給し、その外周に所要本数の前記外周ストランドを
撚合わせつつ内部の前記未硬化状の熱硬化性樹脂を硬化
させる撚合せおよび硬化工程を含み、 前記硬化工程において前記芯ストランドの被覆と前記外
周ストランドの被覆とをその接触部分でのみを接着する
ことを特徴とする繊維強化熱硬化性樹脂製撚構造体の製
造方法。
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