JP2859654B2 - アンチスキッド制御装置 - Google Patents
アンチスキッド制御装置Info
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60T—VEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
- B60T8/00—Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force
- B60T8/17—Using electrical or electronic regulation means to control braking
- B60T8/176—Brake regulation specially adapted to prevent excessive wheel slip during vehicle deceleration, e.g. ABS
- B60T8/1764—Regulation during travel on surface with different coefficients of friction, e.g. between left and right sides, mu-split or between front and rear
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60T—VEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
- B60T8/00—Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force
- B60T8/17—Using electrical or electronic regulation means to control braking
- B60T8/1755—Brake regulation specially adapted to control the stability of the vehicle, e.g. taking into account yaw rate or transverse acceleration in a curve
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Transportation (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Regulating Braking Force (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明はアンチスキッド制御装置に係り、特に、スプ
リットμの路面状態下における安定性の向上を図ったア
ンチスキッド制御装置に関するものである。
リットμの路面状態下における安定性の向上を図ったア
ンチスキッド制御装置に関するものである。
「従来の技術」 従来、車両制動時の車輪のロックを防止するアンチス
キッド制御装置として、例えば、特公昭56−28738号公
報、あるいは、特公昭59−19863号公報に記載されたも
のがある。
キッド制御装置として、例えば、特公昭56−28738号公
報、あるいは、特公昭59−19863号公報に記載されたも
のがある。
これらに記載されたアンチスキッド制御装置にあって
は、車輪周速の測定値に基づいて各車輪毎にロック傾向
の有無を判断し、ロック傾向にある車輪のブレーキ配管
系の液圧上昇を規制することによって当該車輪がロック
してしまうのを防止するようになっている。
は、車輪周速の測定値に基づいて各車輪毎にロック傾向
の有無を判断し、ロック傾向にある車輪のブレーキ配管
系の液圧上昇を規制することによって当該車輪がロック
してしまうのを防止するようになっている。
またこれらのアンチスキッド制御装置にあっては、道
路の一部が凍結することなどにより右側の車輪が接する
路面の摩擦係数と左側の車輪が接する路面の摩擦係数と
が大きく異なっている場合に対して、制動力のアンバラ
ンスによる車両のスピンについての対策が採られるよう
になっている。すなわち、アンチスキッド制御されてい
る側の車輪と対をなす車輪(例えば左前輪に対する右前
輪あるいは左後輪に対する右後輪)の制動液圧の上昇を
も制限して、スピンの原因となるヨーモメントの急激な
発生を抑制してやることにより、走行安定性を確保する
ための操舵の余裕をドライバに与える配慮がなされてい
る。
路の一部が凍結することなどにより右側の車輪が接する
路面の摩擦係数と左側の車輪が接する路面の摩擦係数と
が大きく異なっている場合に対して、制動力のアンバラ
ンスによる車両のスピンについての対策が採られるよう
になっている。すなわち、アンチスキッド制御されてい
る側の車輪と対をなす車輪(例えば左前輪に対する右前
輪あるいは左後輪に対する右後輪)の制動液圧の上昇を
も制限して、スピンの原因となるヨーモメントの急激な
発生を抑制してやることにより、走行安定性を確保する
ための操舵の余裕をドライバに与える配慮がなされてい
る。
「発明が解決しようとする課題」 ところで、上記スピン対策は、主として高車格の車両
(一般にホィールベースが長いため直進性に優れてい
る)を対象として開発されたものであるから、近年、ア
ンチスキッド装置の装着が普及しつつある低車格の車両
にそのまま適用することができないという問題があっ
た。
(一般にホィールベースが長いため直進性に優れてい
る)を対象として開発されたものであるから、近年、ア
ンチスキッド装置の装着が普及しつつある低車格の車両
にそのまま適用することができないという問題があっ
た。
すなわち、一般にホィールベースの短い低車格車両
は、ホィールベースの長い高車格の車両に比して直進性
に劣り、また、直進性を保つために重要な役割りを果す
後輪に加わる荷重も低いため、前記従来のアンチスキッ
ド制御における、ヨーモメント発生速度の低下によるス
ピン対策だけでは充分な走行安定性を確保することがで
きない場合がある。
は、ホィールベースの長い高車格の車両に比して直進性
に劣り、また、直進性を保つために重要な役割りを果す
後輪に加わる荷重も低いため、前記従来のアンチスキッ
ド制御における、ヨーモメント発生速度の低下によるス
ピン対策だけでは充分な走行安定性を確保することがで
きない場合がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、適用され
る車両の車格にかかわらず、スプリットμの路面条件下
で走行安定性を確保しつつ確実にアンチスキッド制御を
実行させることを目的とするものである。
る車両の車格にかかわらず、スプリットμの路面条件下
で走行安定性を確保しつつ確実にアンチスキッド制御を
実行させることを目的とするものである。
「課題を解決するための手段」 上記目的を達成するため、特許請求の範囲第1項記載
の発明は、左右の前後輪のそれぞれについてその車輪周
速に基づいてロック傾向の有無を判断し、いずれかの車
輪が所定のしきい値を越えてロック傾向に接近している
と判断された場合に、少なくともロック傾向にある車輪
のブレーキ液圧上昇を規制するようにしたアンチスキッ
ド制御装置において、液圧源から各車輪へ至る配管系に
それぞれに設けられて液圧を制御するモジュレータと、
該モジュレータを制御するコントローラとから構成さ
れ、該コントローラは、左右いずれか一方の側におけ
る、前後いずれか一方の車輪がアンチスキッド制御され
ている場合に、左右いずれか他方の側の前後の車輪のブ
レーキ液圧増加速度を低下させるとともに、スリップ率
と車輪減速度との組み合わせに対応して前記モジュレー
タの増圧、保持、減圧のいずれかの動作モードを記憶し
たテーブルの減圧モードが占める領域を拡大することを
特徴とする。
の発明は、左右の前後輪のそれぞれについてその車輪周
速に基づいてロック傾向の有無を判断し、いずれかの車
輪が所定のしきい値を越えてロック傾向に接近している
と判断された場合に、少なくともロック傾向にある車輪
のブレーキ液圧上昇を規制するようにしたアンチスキッ
ド制御装置において、液圧源から各車輪へ至る配管系に
それぞれに設けられて液圧を制御するモジュレータと、
該モジュレータを制御するコントローラとから構成さ
れ、該コントローラは、左右いずれか一方の側におけ
る、前後いずれか一方の車輪がアンチスキッド制御され
ている場合に、左右いずれか他方の側の前後の車輪のブ
レーキ液圧増加速度を低下させるとともに、スリップ率
と車輪減速度との組み合わせに対応して前記モジュレー
タの増圧、保持、減圧のいずれかの動作モードを記憶し
たテーブルの減圧モードが占める領域を拡大することを
特徴とする。
また特許請求の範囲第2項記載の発明は、左右の前後
輪のそれぞれについてその車輪周速に基づいてロック傾
向の有無を判断し、いずれかの車輪が所定のしきい値を
越えてロック傾向に接近していると判断された場合に、
少なくともロック傾向にある車輪のブレーキ液圧上昇を
規制するようにしたアンチスキッド制御装置において、
液圧源から各車輪へ至る配管系のそれぞれに設けられて
液圧を制御するモジュレータと、該モジュレータを制御
するコントローラとから構成され、該コントローラは、
前後いずれか一方の側の車輪がアンチスキッド制御され
ている場合に、前後いずれか他方の両車輪のブレーキ液
圧増加速度を低下させるとともに、スリップ率と車輪減
速度との組み合わせに対応して前記モジュレータの増
圧、保持、減圧のいずれかの動作モードを記憶したテー
ブルの減圧モードが占める領域を拡大することを特徴と
する。
輪のそれぞれについてその車輪周速に基づいてロック傾
向の有無を判断し、いずれかの車輪が所定のしきい値を
越えてロック傾向に接近していると判断された場合に、
少なくともロック傾向にある車輪のブレーキ液圧上昇を
規制するようにしたアンチスキッド制御装置において、
液圧源から各車輪へ至る配管系のそれぞれに設けられて
液圧を制御するモジュレータと、該モジュレータを制御
するコントローラとから構成され、該コントローラは、
前後いずれか一方の側の車輪がアンチスキッド制御され
ている場合に、前後いずれか他方の両車輪のブレーキ液
圧増加速度を低下させるとともに、スリップ率と車輪減
速度との組み合わせに対応して前記モジュレータの増
圧、保持、減圧のいずれかの動作モードを記憶したテー
ブルの減圧モードが占める領域を拡大することを特徴と
する。
「作用」 特許請求の範囲第1項記載の発明の構成であると、ア
ンチスキッド制御された車輪と反対側の車輪についての
急激な制動力の上昇が抑制されるとともに、当該車輪が
容易にアンチスキッド制御状態となるから、車両の左右
両側について、その制動力に極端な差が生じることがな
い。
ンチスキッド制御された車輪と反対側の車輪についての
急激な制動力の上昇が抑制されるとともに、当該車輪が
容易にアンチスキッド制御状態となるから、車両の左右
両側について、その制動力に極端な差が生じることがな
い。
また特許請求の範囲第2項記載の発明の構成である
と、前後いずれかのアンチスキッド制御されていない側
の、言い換えれば充分な路面摩擦係数を確保し得る車輪
が容易にアンチスキッド制御状態に入ることができるか
ら、より大きなサイドフォースを確保することができ
る。
と、前後いずれかのアンチスキッド制御されていない側
の、言い換えれば充分な路面摩擦係数を確保し得る車輪
が容易にアンチスキッド制御状態に入ることができるか
ら、より大きなサイドフォースを確保することができ
る。
「実施例」 以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明する。
まず、第1図および第2図によりアンチスキッド制御
装置の全体の構成を説明する。
装置の全体の構成を説明する。
符号1はマスターシリンダであって、このマスターシ
リンダ1は、ブレーキペダル2の踏込力によってブレー
キ液圧を発生する。このマスターシリンダ1で発生した
液圧は、モジュレータ3を介して左右の前輪のブレーキ
(のホィールシリンダ)4および5へ供給されるととも
に、液圧制御弁6を介して左右の後輪のブレーキ(のホ
ィールシリンダ)7および8へ供給されるようになって
いる。前記モジュレータ3は、マスターシリンダ1から
各ホィールシリンダ4・5・7・8へ向かう配管系にそ
れぞれ設けられ、コントローラ9から供給される制御信
号により、ブレーキ液圧の上昇を規制し、あるいは、液
圧を回復させる機能を果している。なおモジュレータ3
の詳細は後述する。また前記液圧制御弁6は、マスター
シリンダ1から後輪ブレーキ7・8へ向かう配管系に設
けられて該配管系の液圧を前輪ブレーキ4・5の系統の
液圧以下に制限することにより、制動時に前輪を後輪に
先行してロック傾向とさせる機能を果すようになってい
る。
リンダ1は、ブレーキペダル2の踏込力によってブレー
キ液圧を発生する。このマスターシリンダ1で発生した
液圧は、モジュレータ3を介して左右の前輪のブレーキ
(のホィールシリンダ)4および5へ供給されるととも
に、液圧制御弁6を介して左右の後輪のブレーキ(のホ
ィールシリンダ)7および8へ供給されるようになって
いる。前記モジュレータ3は、マスターシリンダ1から
各ホィールシリンダ4・5・7・8へ向かう配管系にそ
れぞれ設けられ、コントローラ9から供給される制御信
号により、ブレーキ液圧の上昇を規制し、あるいは、液
圧を回復させる機能を果している。なおモジュレータ3
の詳細は後述する。また前記液圧制御弁6は、マスター
シリンダ1から後輪ブレーキ7・8へ向かう配管系に設
けられて該配管系の液圧を前輪ブレーキ4・5の系統の
液圧以下に制限することにより、制動時に前輪を後輪に
先行してロック傾向とさせる機能を果すようになってい
る。
また前記各車輪には、その周速を検知する車輪速セン
サSがそれぞれ設けられており、これらの車輪速センサ
Sから得られた車輪速データに基づいて前記コントロー
ラ9からモジュレータ3に供給される制御信号により、
所定のアンチスキッド制御が実行されるようになってい
る。
サSがそれぞれ設けられており、これらの車輪速センサ
Sから得られた車輪速データに基づいて前記コントロー
ラ9からモジュレータ3に供給される制御信号により、
所定のアンチスキッド制御が実行されるようになってい
る。
次いで、第2図により前記各モジュレータ3の具体的
構成を説明する。
構成を説明する。
符号10は開閉いずれかの位置に切替られる切替弁であ
って、この切替弁10により、マスターシリンダ1から各
ホィールシリンダ4・5・7・8へ向かう配管系が開閉
されるようになっている。また前記切替弁10には逆止弁
11が設けられて、該切替弁10の「閉」状態時にマスター
シリンダ1へ向かう方向への液体の流れを許容するよう
になっている。さらに、前記切替弁10と並列となる位置
には切替弁12が接続されており、この切替弁12は、前記
コントローラ9から供給される制御信号により、ホィー
ルシリンダ4・5・7・8内の液圧をリザーバ13へ放出
すべく開閉動作するようになっている。なお、符号14は
モータ15により駆動されるポンプであって、このポンプ
14は、前記コントローラ9から供給される制御信号によ
り、アンチスキッド制御に際して低下した配管系の液圧
を回復させるべく駆動されるようになっている。そして
上記構成とされることにより、モジュレータ3は、 a.切替弁10が「開」で切替弁12が「閉」とされた増圧モ
ード。
って、この切替弁10により、マスターシリンダ1から各
ホィールシリンダ4・5・7・8へ向かう配管系が開閉
されるようになっている。また前記切替弁10には逆止弁
11が設けられて、該切替弁10の「閉」状態時にマスター
シリンダ1へ向かう方向への液体の流れを許容するよう
になっている。さらに、前記切替弁10と並列となる位置
には切替弁12が接続されており、この切替弁12は、前記
コントローラ9から供給される制御信号により、ホィー
ルシリンダ4・5・7・8内の液圧をリザーバ13へ放出
すべく開閉動作するようになっている。なお、符号14は
モータ15により駆動されるポンプであって、このポンプ
14は、前記コントローラ9から供給される制御信号によ
り、アンチスキッド制御に際して低下した配管系の液圧
を回復させるべく駆動されるようになっている。そして
上記構成とされることにより、モジュレータ3は、 a.切替弁10が「開」で切替弁12が「閉」とされた増圧モ
ード。
b.切替弁10が「閉」で切替弁12が「開」とされた減圧モ
ード。
ード。
あるいは、 c.両切替弁10・12が「閉」とされた保持モード。
のいずれかに設定されて、各ホィールシリンダ4・5・
7・8とマスターシリンダ1との間の管路中の液体の流
れを制御するようになっている。
7・8とマスターシリンダ1との間の管路中の液体の流
れを制御するようになっている。
そして前記コントローラ9によって行われるアンチス
キッド制御は、各車輪速センサSから供給される信号に
基づき、車輪周速度Rω、あるいは、その微分値である
ところの加速度R(ただし減速時は負の値となる)を
算出するとともに、減速中の車輪周速Rωの変化曲線に
基づいて設定された模擬車速Vと前記車輪周速Rωとか
らスリップ率λを算出し、例えば、これらの加減速度R
およびスリップ率λから、後述する第1表のいずれの
条件に制動状況が該当するかを判別した結果に基づい
て、前記モジュレータ3を増圧、減圧、保持のいずれか
のモードに設定する動作を基本としている。
キッド制御は、各車輪速センサSから供給される信号に
基づき、車輪周速度Rω、あるいは、その微分値である
ところの加速度R(ただし減速時は負の値となる)を
算出するとともに、減速中の車輪周速Rωの変化曲線に
基づいて設定された模擬車速Vと前記車輪周速Rωとか
らスリップ率λを算出し、例えば、これらの加減速度R
およびスリップ率λから、後述する第1表のいずれの
条件に制動状況が該当するかを判別した結果に基づい
て、前記モジュレータ3を増圧、減圧、保持のいずれか
のモードに設定する動作を基本としている。
すなわち基本的には、スリップ率λが所定のしきい値
を越えて増大し、あるいは、車輪周速が所定のしきい値
を越えて減少することによりブレーキ液圧を減少させ、
また、スリップ率λの所定のしきい値以下で車輪周速が
加速傾向となることによりブレーキ液圧を増大させるよ
うにしている。
を越えて増大し、あるいは、車輪周速が所定のしきい値
を越えて減少することによりブレーキ液圧を減少させ、
また、スリップ率λの所定のしきい値以下で車輪周速が
加速傾向となることによりブレーキ液圧を増大させるよ
うにしている。
A,Bはいずれも正の値であるから減速度が[−A]の
場合、車輪は+Aなる加速度によって加速される状態に
あることになる。
場合、車輪は+Aなる加速度によって加速される状態に
あることになる。
そして、上記第1表の条件に従うことにより、車輪周
速が所定以上(A以上)の加速度で上昇している場合に
は、車輪周速Rωが回復傾向にあると判断して、スリッ
プ率に拘わらず制動液圧を上昇させ、また、車輪周速が
所定以上(B以上)の減速度で下降している場合には、
車輪周速Rωがロックに近付いていると判断して減圧モ
ードが選択されることになる。すなわち第1表において
は、表中の右下方へ向かうほどロック傾向が著しい危険
な状態にあり、また、左上方へ向かうほどロック傾向か
ら離れた安全な状態にあると判断して、その判断結果に
応じた動作モードが選択される。なお、後輪のホィール
シリンダ7・8の液圧は、それぞれのモジュレータによ
って別個に制御することが可能であるが、実施例の場
合、後輪の内、ロック傾向がある車輪の液圧に従うよう
にしたいわゆるセレクトロー制御よって同一の圧力に制
御されるようになっている。
速が所定以上(A以上)の加速度で上昇している場合に
は、車輪周速Rωが回復傾向にあると判断して、スリッ
プ率に拘わらず制動液圧を上昇させ、また、車輪周速が
所定以上(B以上)の減速度で下降している場合には、
車輪周速Rωがロックに近付いていると判断して減圧モ
ードが選択されることになる。すなわち第1表において
は、表中の右下方へ向かうほどロック傾向が著しい危険
な状態にあり、また、左上方へ向かうほどロック傾向か
ら離れた安全な状態にあると判断して、その判断結果に
応じた動作モードが選択される。なお、後輪のホィール
シリンダ7・8の液圧は、それぞれのモジュレータによ
って別個に制御することが可能であるが、実施例の場
合、後輪の内、ロック傾向がある車輪の液圧に従うよう
にしたいわゆるセレクトロー制御よって同一の圧力に制
御されるようになっている。
次いで、前記コントローラ9において制動時のスピン
対策を目的として行われる制御の内容を説明する。
対策を目的として行われる制御の内容を説明する。
ステップ11 いずれか一方の前輪(実施例では右前輪)がアンチス
キッド制御中であるか否かを判断し、YESの場合にはス
テップ12へ、NOの場合にはステップ15へ進む。なおアン
チスキッド制御中であるか否かの判断は、各車輪毎にな
され、一つの車輪のモジュレータが減圧モードに入る
と、その車輪についてアンチスキッド制御中である旨の
フラグがセットされ、このフラグをチェックすることに
よってアンチスキッド制御中であるか否かが判断され
る。このフラグは、例えば、ブレーキの踏み込みに伴う
ストップスイッチ信号の立ち上がりによってON(セット
可能な状態)とされ、ストップスイッチ信号の消滅、あ
るいは車両の停止(車輪速センサSの速度信号がゼロと
なること)などによって初期状態にリセットされる。な
お、減圧モードに入った場合のみならず、保持モードに
入ったことを条件として、アンチスキッド制御中である
旨のフラグをセットするようにしてもよい。
キッド制御中であるか否かを判断し、YESの場合にはス
テップ12へ、NOの場合にはステップ15へ進む。なおアン
チスキッド制御中であるか否かの判断は、各車輪毎にな
され、一つの車輪のモジュレータが減圧モードに入る
と、その車輪についてアンチスキッド制御中である旨の
フラグがセットされ、このフラグをチェックすることに
よってアンチスキッド制御中であるか否かが判断され
る。このフラグは、例えば、ブレーキの踏み込みに伴う
ストップスイッチ信号の立ち上がりによってON(セット
可能な状態)とされ、ストップスイッチ信号の消滅、あ
るいは車両の停止(車輪速センサSの速度信号がゼロと
なること)などによって初期状態にリセットされる。な
お、減圧モードに入った場合のみならず、保持モードに
入ったことを条件として、アンチスキッド制御中である
旨のフラグをセットするようにしてもよい。
ステップ12 他方の前輪(実施例では左前輪)がアンチスキッド制
御中であるか否かを判断し、NOの場合には次のステップ
13へ、YESの場合には、後述するステップ21へ進む。
御中であるか否かを判断し、NOの場合には次のステップ
13へ、YESの場合には、後述するステップ21へ進む。
ステップ13 切替弁10を断続的に開閉して液圧をステップ状に上昇
させることにより、左前輪のブレーキ力増加速度を低下
させる。なお、既にブレーキ力増加速度が低下されてい
る場合には、その設定がそのまま維持される。
させることにより、左前輪のブレーキ力増加速度を低下
させる。なお、既にブレーキ力増加速度が低下されてい
る場合には、その設定がそのまま維持される。
ステップ14 左前輪の減圧開始条件としてのしきい値(スリップ
率、車輪減速度のいずれか一方、あるいは両方)を下げ
る。また既にしきい値が下げられていれば、その前のス
テップの場合と同様、その値が維持される。
率、車輪減速度のいずれか一方、あるいは両方)を下げ
る。また既にしきい値が下げられていれば、その前のス
テップの場合と同様、その値が維持される。
ステップ15 一方、右前輪がアンチスキッド制御中でない場合に
は、左前輪がアンチスキッド制御中か否かを判断し、YE
Sの場合にはステップ16へ、NOの場合にはステップ18へ
進む。
は、左前輪がアンチスキッド制御中か否かを判断し、YE
Sの場合にはステップ16へ、NOの場合にはステップ18へ
進む。
ステップ16 右前輪のブレーキ力増加速度を低下させる。
ステップ17 右前輪の減圧開始しきい値を下げる。
ステップ18 一方、左右の前輪がいずれもアンチスキッド制御中で
ない場合には、さらに、後輪がアンチスキッド制御中で
あるか否かを判断し、YESの場合にはステップ19へ進
み、NOの場合にはステップ21へ進む。
ない場合には、さらに、後輪がアンチスキッド制御中で
あるか否かを判断し、YESの場合にはステップ19へ進
み、NOの場合にはステップ21へ進む。
ステップ19 両前輪のブレーキ力増加速度を下げる。
ステップ20 両前輪の減圧開始しきい値を下げる。
すなわち上記ステップ11〜ステップ20の処理により、
いずれか一方の前輪がアンチスキッド制御中に他方の前
輪のブレーキ力増加速度を下げる従来の同様の制御に加
えて、このような条件下で減圧開始のしきい値を下げる
とともに、いずれの前輪もアンチスキッド制御されてい
ない場合には、後輪がアンチスキッド制御中であること
を条件として、前輪のブレーキ力増加速度と、減圧開始
しきい値とを下げるように制御されている。
いずれか一方の前輪がアンチスキッド制御中に他方の前
輪のブレーキ力増加速度を下げる従来の同様の制御に加
えて、このような条件下で減圧開始のしきい値を下げる
とともに、いずれの前輪もアンチスキッド制御されてい
ない場合には、後輪がアンチスキッド制御中であること
を条件として、前輪のブレーキ力増加速度と、減圧開始
しきい値とを下げるように制御されている。
ステップ21 さらに、後輪がアンチスキッド制御中であるか否かを
判断し、YESの場合には制御を終了し、NOの場合には次
のステップ22へ進む。
判断し、YESの場合には制御を終了し、NOの場合には次
のステップ22へ進む。
ステップ22 少なくともいずれか一方の前輪がアンチスキッド制御
中であるか否かを判断し、YESの場合には次のステップ2
3へ進み、NOの場合には制御を終了する。
中であるか否かを判断し、YESの場合には次のステップ2
3へ進み、NOの場合には制御を終了する。
ステップ23 両後輪のブレーキ力増加速度を下げる。
ステップ24 両後輪の減圧開始しきい値を下げる。
このように後輪がアンチスキッド制御されていない場
合にも、いずれかの前輪がアンチスキッド制御中の場合
には、両後輪のブレーキ力増加速度と、減圧開始しきい
値が下げられて、後輪が容易にアンチスキッド制御され
得る状態となる。
合にも、いずれかの前輪がアンチスキッド制御中の場合
には、両後輪のブレーキ力増加速度と、減圧開始しきい
値が下げられて、後輪が容易にアンチスキッド制御され
得る状態となる。
次いで、左右の路面の摩擦係数が相異するスプリット
μの条件下でアンチスキッド制御される車両の挙動を第
4図により説明する。
μの条件下でアンチスキッド制御される車両の挙動を第
4図により説明する。
第4図に示す路面状態は、右側が低μの路面(例えば
凍結した路面)、左側が高μの路面(例えば乾燥したア
スファルトの路面)である。このとき、従来の制御(ア
ンチスキッド制御されている側と反対側の前輪のブレー
キ力増加速度を制限する制御)にあっては、第4図
(ロ)に示すように、右前輪の車輪周速の急速な減少を
検出することによってアンチスキッド制御が開始される
と、左前輪のブレーキ液圧が図中符号31で示すようなス
テップ状に徐々に上昇させられて、ブレーキ力の増加速
度が下げられる。しかしながら右前輪および右後輪は、
第4図(ロ)(ハ)に示すように、ブレーキペダル2の
踏み込みに従った速い速度でブレーキ圧が上昇するた
め、第4図(イ)に示すような深いスリップ傾向とな
る。
凍結した路面)、左側が高μの路面(例えば乾燥したア
スファルトの路面)である。このとき、従来の制御(ア
ンチスキッド制御されている側と反対側の前輪のブレー
キ力増加速度を制限する制御)にあっては、第4図
(ロ)に示すように、右前輪の車輪周速の急速な減少を
検出することによってアンチスキッド制御が開始される
と、左前輪のブレーキ液圧が図中符号31で示すようなス
テップ状に徐々に上昇させられて、ブレーキ力の増加速
度が下げられる。しかしながら右前輪および右後輪は、
第4図(ロ)(ハ)に示すように、ブレーキペダル2の
踏み込みに従った速い速度でブレーキ圧が上昇するた
め、第4図(イ)に示すような深いスリップ傾向とな
る。
ところで、一般にタイヤと路面との間には第5図に示
すような関係がある。
すような関係がある。
すなわち、タイヤのころがり方向への摩擦係数(路面
μ)は、スリップ率λが0.05〜0.3となる範囲でピーク
値となるが、タイヤのころがり方向と直交する方向への
摩擦係数(以下サイドフォース係数という)は、スリッ
プ率λの増加に伴って漸減する傾向がある。したがっ
て、第4図のの時点では、各車輪に第6図の矢印40a
・40b・40c・40d(a〜dの添字はそれぞれ左前輪、右
前輪、左後輪、右後輪を示す)で示すようなブレーキ力
が発生し、これらのブレーキ力40a〜40dが偶力として作
用することによって、矢印41で示すようなヨーモーメン
トが車両の重心42を中心として発生する。そして、この
ヨーモーメント41に対抗するサイドフォース(同図中矢
印43a〜43dで示す)が不十分な場合、車両がスピンする
ことになるが、第4図に示すような従来の方式による制
御、すなわちアンチスキッド制御が行われていない側の
ブレーキ液圧上昇を遅らせるだけの制御では、矢印41で
示すモーメントの発生が遅れるに過ぎず、このモーメン
トが発生するまでの間に最適なステアリング操作がなさ
れないとスピンしてしまう可能性がある。また低車格の
車両は、ホィールベースが短く、重量バランスが前寄り
となっているため重心42から後輪の車軸までの距離も短
く、さらに、後輪の荷重が小さいため路面との摩擦力の
絶対値も小さくなり、したがって、ヨーモメト41に対抗
すべく生じる矢印43cおよび43dで示すようなサイドフォ
ースが不十分となって、特にスピンの可能性が高くな
る。
μ)は、スリップ率λが0.05〜0.3となる範囲でピーク
値となるが、タイヤのころがり方向と直交する方向への
摩擦係数(以下サイドフォース係数という)は、スリッ
プ率λの増加に伴って漸減する傾向がある。したがっ
て、第4図のの時点では、各車輪に第6図の矢印40a
・40b・40c・40d(a〜dの添字はそれぞれ左前輪、右
前輪、左後輪、右後輪を示す)で示すようなブレーキ力
が発生し、これらのブレーキ力40a〜40dが偶力として作
用することによって、矢印41で示すようなヨーモーメン
トが車両の重心42を中心として発生する。そして、この
ヨーモーメント41に対抗するサイドフォース(同図中矢
印43a〜43dで示す)が不十分な場合、車両がスピンする
ことになるが、第4図に示すような従来の方式による制
御、すなわちアンチスキッド制御が行われていない側の
ブレーキ液圧上昇を遅らせるだけの制御では、矢印41で
示すモーメントの発生が遅れるに過ぎず、このモーメン
トが発生するまでの間に最適なステアリング操作がなさ
れないとスピンしてしまう可能性がある。また低車格の
車両は、ホィールベースが短く、重量バランスが前寄り
となっているため重心42から後輪の車軸までの距離も短
く、さらに、後輪の荷重が小さいため路面との摩擦力の
絶対値も小さくなり、したがって、ヨーモメト41に対抗
すべく生じる矢印43cおよび43dで示すようなサイドフォ
ースが不十分となって、特にスピンの可能性が高くな
る。
これに対して、本実施例の制御装置においては、同一
の路面状態において、第7図に示すように、右前輪の減
圧開始とともに左前輪のブレーキ圧の増加を制限すると
いう従来と同様の制御を行うとともに、このような制御
と同時に、左前輪の減圧開始しきい値を低下させするこ
とによって左前輪が容易にアンチスキッド制御状態とな
るため、そのスリップが小さく押えられる。さらに、右
前輪の減圧開始にともない、後輪に関しても、ブレーキ
圧をステップ状に上昇させることによりその増加速度を
低下させるとともに、減圧開始のしきい値を低下させて
いるので、右後輪についても容易にアンチスキッド制御
に入り得る状態となって、そのスリップを従来の制御の
場合より小さくすることができる。
の路面状態において、第7図に示すように、右前輪の減
圧開始とともに左前輪のブレーキ圧の増加を制限すると
いう従来と同様の制御を行うとともに、このような制御
と同時に、左前輪の減圧開始しきい値を低下させするこ
とによって左前輪が容易にアンチスキッド制御状態とな
るため、そのスリップが小さく押えられる。さらに、右
前輪の減圧開始にともない、後輪に関しても、ブレーキ
圧をステップ状に上昇させることによりその増加速度を
低下させるとともに、減圧開始のしきい値を低下させて
いるので、右後輪についても容易にアンチスキッド制御
に入り得る状態となって、そのスリップを従来の制御の
場合より小さくすることができる。
したがって、第7図に符号で示す時点では、第6図
符号44a〜44dで示すようなブレーキ力が各車輪に作用す
ることとなって、従来のヨーモーメント42とほぼ等しい
ヨーモーメント45が発生するが、上記制御を実行するこ
とにより他の三つの車輪に生じる、増加されたサイドフ
ォースによって、特に左前輪と右後輪とに符号46aある
いは符号46dで示すような大きなサイドフォースを生じ
させ、これらのサイドフォース46aあるいは46dによって
容易に上記ヨーモーメント45を打ち消すことができる。
符号44a〜44dで示すようなブレーキ力が各車輪に作用す
ることとなって、従来のヨーモーメント42とほぼ等しい
ヨーモーメント45が発生するが、上記制御を実行するこ
とにより他の三つの車輪に生じる、増加されたサイドフ
ォースによって、特に左前輪と右後輪とに符号46aある
いは符号46dで示すような大きなサイドフォースを生じ
させ、これらのサイドフォース46aあるいは46dによって
容易に上記ヨーモーメント45を打ち消すことができる。
さらに上記制御によれば、左右の前輪がロックするこ
となく、後輪(例えば右後輪)がロック傾向となったい
わゆる後輪先行ロックの場合に両前輪の減圧開始しきい
値が下げられることになるため、少なくとも高いμの路
面に接している側の前輪のサイドフォースが確保される
こととなり、したがって、ヨーモーメントに対抗して車
両のスピンを防止することができる。
となく、後輪(例えば右後輪)がロック傾向となったい
わゆる後輪先行ロックの場合に両前輪の減圧開始しきい
値が下げられることになるため、少なくとも高いμの路
面に接している側の前輪のサイドフォースが確保される
こととなり、したがって、ヨーモーメントに対抗して車
両のスピンを防止することができる。
「変形実施例」 上記実施例では、第1表の条件にしたがって『増圧』
『保持』『減圧』を切り替える場合について説明した
が、これと異なる条件で切り替えが行われる場合にも本
発明を適用することができるのはもちろんである。ま
た、しきい値に関しては、前記第1表に示される車輪減
速度のしきい値、スリップ率のしきい値のいずれか一方
を下げる場合、あるいは両方を下げる場合のいずれも場
合にも所定のサイドフォース確保の目的を果すことがで
き、この場合、例えば、第1表に示す各モード選択の条
件としてのしきい値が、以下の第2表〜第4表に示すよ
うに変えられることになる。
『保持』『減圧』を切り替える場合について説明した
が、これと異なる条件で切り替えが行われる場合にも本
発明を適用することができるのはもちろんである。ま
た、しきい値に関しては、前記第1表に示される車輪減
速度のしきい値、スリップ率のしきい値のいずれか一方
を下げる場合、あるいは両方を下げる場合のいずれも場
合にも所定のサイドフォース確保の目的を果すことがで
き、この場合、例えば、第1表に示す各モード選択の条
件としてのしきい値が、以下の第2表〜第4表に示すよ
うに変えられることになる。
すなわち、第2表にあっては、車輪減速度およびスリ
ップ率の両方について、減圧モードに入る条件としての
しきい値が小さくされているから、これらの両方の条件
について、アンチスキッド制御に入る条件が緩和される
こととなり、また、第3表にあっては、スリップ率のし
きい値が小さくされているから、このスリップ率に関し
て、アンチスキッド制御に入る条件が緩和されることと
なり、さらに、第4表においては、車輪減速度について
のしきい値が小さくされているから、この車輪減速度に
関して、アンチスキッド制御に入る条件が緩和されるこ
ととなる。
ップ率の両方について、減圧モードに入る条件としての
しきい値が小さくされているから、これらの両方の条件
について、アンチスキッド制御に入る条件が緩和される
こととなり、また、第3表にあっては、スリップ率のし
きい値が小さくされているから、このスリップ率に関し
て、アンチスキッド制御に入る条件が緩和されることと
なり、さらに、第4表においては、車輪減速度について
のしきい値が小さくされているから、この車輪減速度に
関して、アンチスキッド制御に入る条件が緩和されるこ
ととなる。
上記制御ではステップ14・17・20、あるいは24におい
て、アンチスキッド制御としての減圧モードに入るため
の判断のしきい値を下げるようにしたが、保持モードに
入るためのしきい値を下げるようにしてもよい。そして
このような場合、保持開始のしきい値または減圧開始の
しきい値のいずれか一方、あるいはこれらの両方のしき
い値を所定の条件で小さくするよう、前記14・17・20あ
るいは24のステップを実行させればよい。要は、アンチ
スキッド制御として、制動力が上昇することのない動作
モードに入るためのしきい値を下げることによって所定
の効果を得ることができる。また選択すべき動作モード
を「増圧」「減圧」の二つにして、動作モードに単純化
するとともに、所定の条件にて、「減圧」に入るための
しきい値を下げるようにしておき「増圧」〜「減圧」の
切替時に必ず「保持」モードを経るよう制御することに
よっても同様の効果を期待することができる。
て、アンチスキッド制御としての減圧モードに入るため
の判断のしきい値を下げるようにしたが、保持モードに
入るためのしきい値を下げるようにしてもよい。そして
このような場合、保持開始のしきい値または減圧開始の
しきい値のいずれか一方、あるいはこれらの両方のしき
い値を所定の条件で小さくするよう、前記14・17・20あ
るいは24のステップを実行させればよい。要は、アンチ
スキッド制御として、制動力が上昇することのない動作
モードに入るためのしきい値を下げることによって所定
の効果を得ることができる。また選択すべき動作モード
を「増圧」「減圧」の二つにして、動作モードに単純化
するとともに、所定の条件にて、「減圧」に入るための
しきい値を下げるようにしておき「増圧」〜「減圧」の
切替時に必ず「保持」モードを経るよう制御することに
よっても同様の効果を期待することができる。
上記実施例では、13・16・19、あるいは23のステップ
においてブレーキ力増加速度を低下させる制御を行うよ
うにしたが、この低下の度合は必ずしも一定である必要
はなく、例えば、車輪加減速度の大小、あるいはこれに
基づいて算出される種々のデータに応じて低下度合を適
宜調整するようにしてもよい。
においてブレーキ力増加速度を低下させる制御を行うよ
うにしたが、この低下の度合は必ずしも一定である必要
はなく、例えば、車輪加減速度の大小、あるいはこれに
基づいて算出される種々のデータに応じて低下度合を適
宜調整するようにしてもよい。
上記実施例では後輪をセレクトロー制御する場合につ
いて説明したが、セレクトロー制御しない場合にも本発
明の制御が有効なのはもちろんである。
いて説明したが、セレクトロー制御しない場合にも本発
明の制御が有効なのはもちろんである。
低車格車両では前輪の荷重配分が高い場合が多く、第
3図のステップ19を実施するとブレーキ力不足となるこ
とがあり得るので、ブレーキ力を確保すべくステップ19
を省略するようにしてもよい。
3図のステップ19を実施するとブレーキ力不足となるこ
とがあり得るので、ブレーキ力を確保すべくステップ19
を省略するようにしてもよい。
「発明の効果」 以上の説明で明らかなように、本願の特許請求の範囲
第1項記載の発明によれば、車両の左右一方の側の車輪
が低μの路面に接触し、また、他方の側の車輪が高μの
路面に接触しているスプリットμの路面状態において、
左右一方の側の車輪がロック傾向となった場合、左右他
方の側において前後いずれかの車輪のブレーキ力増加速
度を低下させるようにしたから、車両をスピンから回復
させるために必要なステアリング操作の時間的な余裕を
ドライバに与えることができ、さらに、左右他方の側に
おいて、前後いずれかの車輪がアンチスキッド制御に入
るための判断のしきい値を下げて、容易にアンチスキッ
ド制御に入ることができるようにしたから、他方の側の
車輪のサイドフォースが確保されることとなり、したが
って、このサイドフォースにより、左側もしくは右側の
車輪についての進行方向への摩擦係数の相異によって発
生するヨーモーメントを打ち消し、車両のスピンを確実
に防止することができるという効果を奏する。
第1項記載の発明によれば、車両の左右一方の側の車輪
が低μの路面に接触し、また、他方の側の車輪が高μの
路面に接触しているスプリットμの路面状態において、
左右一方の側の車輪がロック傾向となった場合、左右他
方の側において前後いずれかの車輪のブレーキ力増加速
度を低下させるようにしたから、車両をスピンから回復
させるために必要なステアリング操作の時間的な余裕を
ドライバに与えることができ、さらに、左右他方の側に
おいて、前後いずれかの車輪がアンチスキッド制御に入
るための判断のしきい値を下げて、容易にアンチスキッ
ド制御に入ることができるようにしたから、他方の側の
車輪のサイドフォースが確保されることとなり、したが
って、このサイドフォースにより、左側もしくは右側の
車輪についての進行方向への摩擦係数の相異によって発
生するヨーモーメントを打ち消し、車両のスピンを確実
に防止することができるという効果を奏する。
また特許請求の範囲第2項記載の発明によれば、まだ
ロック傾向に至っていない前後いずれか反対側の両車輪
について、ブレーキ力増加速度を低下させるとともに、
これらの車輪が容易にアンチスキッド制御状態となるこ
とができるから、これらロック傾向にない車輪によって
確保されたサイドフォースにより、前記第1項記載の発
明よりもさらに確実に車両のスピンを防止することがで
きるという効果を奏する。
ロック傾向に至っていない前後いずれか反対側の両車輪
について、ブレーキ力増加速度を低下させるとともに、
これらの車輪が容易にアンチスキッド制御状態となるこ
とができるから、これらロック傾向にない車輪によって
確保されたサイドフォースにより、前記第1項記載の発
明よりもさらに確実に車両のスピンを防止することがで
きるという効果を奏する。
図面は本発明の一実施例を示すもので、第1図はブレー
キ液圧系統の配管図、第2図はモジュレータの具体的構
成を示す配管図、第3図はスピンの防止を目的として行
われる処理のフローチャート、第4図は従来装置による
アンチスキッド制御中における車輪周速と前輪ブレーキ
圧と後輪ブレーキ圧との変化を示す図表、第5図は路面
摩擦係数およびサイドフォース係数とスリップ率との関
係を示す図表、第6図は制動時に車両に作用するヨーモ
ーメントとこれに抗するサイドフォースとの関係を示す
平面図、第7図は本願装置によるアンチスキッド制御中
における車輪周速と前輪ブレーキ圧と後輪ブレーキ圧と
の変化を示す図表である。 1……マスターシリンダ、3……モジュレータ、4〜8
……ホィールシリンダ、9……コントローラ、10……切
替弁、12……切替弁、S……車輪速センサ。
キ液圧系統の配管図、第2図はモジュレータの具体的構
成を示す配管図、第3図はスピンの防止を目的として行
われる処理のフローチャート、第4図は従来装置による
アンチスキッド制御中における車輪周速と前輪ブレーキ
圧と後輪ブレーキ圧との変化を示す図表、第5図は路面
摩擦係数およびサイドフォース係数とスリップ率との関
係を示す図表、第6図は制動時に車両に作用するヨーモ
ーメントとこれに抗するサイドフォースとの関係を示す
平面図、第7図は本願装置によるアンチスキッド制御中
における車輪周速と前輪ブレーキ圧と後輪ブレーキ圧と
の変化を示す図表である。 1……マスターシリンダ、3……モジュレータ、4〜8
……ホィールシリンダ、9……コントローラ、10……切
替弁、12……切替弁、S……車輪速センサ。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60T 8/58 - 8/86
Claims (2)
- 【請求項1】左右の前後輪のそれぞれについてその車輪
周速に基づいてロック傾向の有無を判断し、いずれかの
車輪が所定のしきい値を越えてロック傾向に接近してい
ると判断された場合に、少なくともロック傾向にある車
輪のブレーキ液圧上昇を規制するようにしたアンチスキ
ッド制御装置において、液圧源から各車輪へ至る配管系
にそれぞれに設けられて液圧を制御するモジュレータ
と、該モジュレータを制御するコントローラとから構成
され、該コントローラは、左右いずれか一方の側におけ
る、前後いずれか一方の車輪がアンチスキッド制御され
ている場合に、左右いずれか他方の側の前後の車輪のブ
レーキ液圧増加速度を低下させるとともに、スリップ率
と車輪減速度との組み合わせに対応して前記モジュレー
タの増圧、保持、減圧のいずれかの動作モードを記憶し
たテーブルの減圧モードが占める領域を拡大することを
特徴とするアンチスキッド制御装置。 - 【請求項2】左右の前後輪のそれぞれについてその車輪
周速に基づいてロック傾向の有無を判断し、いずれかの
車輪が所定のしきい値を越えてロック傾向に接近してい
ると判断された場合に、少なくともロック傾向にある車
輪のブレーキ液圧上昇を規制するようにしたアンチスキ
ッド制御装置において、液圧源から各車輪へ至る配管系
のそれぞれに設けられて液圧を制御するモジュレータ
と、該モジュレータを制御するコントローラとから構成
され、該コントローラは、前後いずれか一方の側の車輪
がアンチスキッド制御されている場合に、前後いずれか
他方の両車輪のブレーキ液圧増加速度を低下させるとと
もに、スリップ率と車輪減速度との組み合わせに対応し
て前記モジュレータの増圧、保持、減圧のいずれかの動
作モードを記憶したテーブルの減圧モードが占める領域
を拡大することを特徴とするアンチスキッド制御装置。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1222728A JP2859654B2 (ja) | 1989-08-29 | 1989-08-29 | アンチスキッド制御装置 |
DE19904027356 DE4027356C2 (de) | 1989-08-29 | 1990-08-29 | Blockiergeschütztes hydraulisches Kraftfahrzeugbremssystem |
US07/926,551 US5286100A (en) | 1989-08-29 | 1992-08-06 | Antiskid control apparatus |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1222728A JP2859654B2 (ja) | 1989-08-29 | 1989-08-29 | アンチスキッド制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0386665A JPH0386665A (ja) | 1991-04-11 |
JP2859654B2 true JP2859654B2 (ja) | 1999-02-17 |
Family
ID=16786969
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1222728A Expired - Lifetime JP2859654B2 (ja) | 1989-08-29 | 1989-08-29 | アンチスキッド制御装置 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
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DE (1) | DE4027356C2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
JP2661311B2 (ja) * | 1990-02-26 | 1997-10-08 | 日産自動車株式会社 | アンチスキッド制御装置 |
US5063514A (en) * | 1990-06-19 | 1991-11-05 | General Motors Corporation | Abs yaw control |
DE10356673B4 (de) | 2003-12-04 | 2008-10-02 | Knorr-Bremse Systeme für Nutzfahrzeuge GmbH | Anordnung zur Beeinflussung des Giermoments |
JP7175596B2 (ja) * | 2017-09-28 | 2022-11-21 | ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング | 右前輪、左前輪、及び中央後輪を有する三輪式モータサイクルのブレーキシステムに生じさせるブレーキ力を制御する制御装置、及び、制御方法 |
EP3546312B1 (en) * | 2018-03-26 | 2025-01-15 | Polestar Performance AB | Method and system for handling conditions of a road on which a vehicle travels |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE2812000A1 (de) * | 1978-03-18 | 1979-09-27 | Bosch Gmbh Robert | Antiblockierregelsystem |
JPS5628738A (en) * | 1979-08-17 | 1981-03-20 | Olympus Optical Co | Endoscope |
JPS5919863A (ja) * | 1982-07-23 | 1984-02-01 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 固体電気化学素子 |
DE3602432A1 (de) * | 1986-01-28 | 1987-07-30 | Bosch Gmbh Robert | Antiblockierregelsystem |
-
1989
- 1989-08-29 JP JP1222728A patent/JP2859654B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1990
- 1990-08-29 DE DE19904027356 patent/DE4027356C2/de not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
DE4027356C2 (de) | 1995-06-29 |
DE4027356A1 (de) | 1991-03-14 |
JPH0386665A (ja) | 1991-04-11 |
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