JP2837419B2 - 不織布及び吸収性物品 - Google Patents
不織布及び吸収性物品Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、熱接着性に優れた不織布及びこの不織布を
使用した吸収性物品、特に、生理用ナプキン、紙おむ
つ、化粧用シート等の使い捨て可能な吸収性物品に関す
るものである。
使用した吸収性物品、特に、生理用ナプキン、紙おむ
つ、化粧用シート等の使い捨て可能な吸収性物品に関す
るものである。
従来の吸収性物品、例えば、生理用ナプキン、紙おむ
つは、基本的に、綿状パルプ、吸収紙等からなる吸収
体、その下面及び側面に配される防漏材、そして表面に
載置される表面材から構成されている。
つは、基本的に、綿状パルプ、吸収紙等からなる吸収
体、その下面及び側面に配される防漏材、そして表面に
載置される表面材から構成されている。
近年、吸収性物品は高分子材料の高度な発達に伴い、
高吸収性ポリマー、乾式不織布等の新しい素材が導入さ
れ吸収性能は大幅に改善されている。特に、不織布につ
いては、合成繊維が、それ自身の柔軟性、疎水的性質に
より、装着感及び液の透過性の向上をはかるのに極めて
有効であることから、従来広く使用されていたセルロー
ス系再生繊維に代わり、不織布の構成材として主流にな
っている。また、このような合繊乾式不織布は、吸収性
物品において、表面材として広く使用されるばかりでな
く、従来、湿式紙で構成されてきた台紙、防漏紙基台に
も適用されつつある。現在も、不織布に限らず、吸収性
物品の素材は、多様な機能発現が可能で安価な高分子材
料へ急速に置き換わりつつある。
高吸収性ポリマー、乾式不織布等の新しい素材が導入さ
れ吸収性能は大幅に改善されている。特に、不織布につ
いては、合成繊維が、それ自身の柔軟性、疎水的性質に
より、装着感及び液の透過性の向上をはかるのに極めて
有効であることから、従来広く使用されていたセルロー
ス系再生繊維に代わり、不織布の構成材として主流にな
っている。また、このような合繊乾式不織布は、吸収性
物品において、表面材として広く使用されるばかりでな
く、従来、湿式紙で構成されてきた台紙、防漏紙基台に
も適用されつつある。現在も、不織布に限らず、吸収性
物品の素材は、多様な機能発現が可能で安価な高分子材
料へ急速に置き換わりつつある。
しかし、個々には優れた機能を持つ高分子材料を組み
合わせた吸収性物品も実際の使用時においては本来の機
能を十分に発揮しているとは言えない。これは、例え
ば、生理用ナプキン、紙おむつ等の吸収性物品に対する
最大の不満点が依然として着用者の股間部からの漏れで
あることからも明らかである。
合わせた吸収性物品も実際の使用時においては本来の機
能を十分に発揮しているとは言えない。これは、例え
ば、生理用ナプキン、紙おむつ等の吸収性物品に対する
最大の不満点が依然として着用者の股間部からの漏れで
あることからも明らかである。
この漏れの最も大きな原因は、着用者の股間部の運動
に伴い吸収性物品に不規則な応力が加わり、各構成素材
が分離したり、吸収性物品に大きなよれやしわが生じた
りするためである。その中でも、特に表面材として用い
る不織布は着用者の肌と直に接するため受ける応力も大
きく、防水紙や吸収体と分離を起こしやすいので、これ
らを何らかの方法で一体化することが強く望まれる。
に伴い吸収性物品に不規則な応力が加わり、各構成素材
が分離したり、吸収性物品に大きなよれやしわが生じた
りするためである。その中でも、特に表面材として用い
る不織布は着用者の肌と直に接するため受ける応力も大
きく、防水紙や吸収体と分離を起こしやすいので、これ
らを何らかの方法で一体化することが強く望まれる。
不織布と防水紙や吸収体とを一体化する手段として
は、粘着剤、ホットメルト接着剤等を用いて両者を接着
することが考えられる。しかし、このような手段を用い
ると、工程が極めて繁雑となり、生産に要するコストの
大幅な上昇は必死である。これに対して、単純な熱圧で
不織布を溶かして対象物と接着させるいわゆる熱接着方
式が実施できれば、工程の繁雑化は少なく高速生産が可
能となりそれに要するコストの上昇も少ない。
は、粘着剤、ホットメルト接着剤等を用いて両者を接着
することが考えられる。しかし、このような手段を用い
ると、工程が極めて繁雑となり、生産に要するコストの
大幅な上昇は必死である。これに対して、単純な熱圧で
不織布を溶かして対象物と接着させるいわゆる熱接着方
式が実施できれば、工程の繁雑化は少なく高速生産が可
能となりそれに要するコストの上昇も少ない。
以上のことから、あまりコストを上げることなく吸収
性物品の特に着用者の運動条件下での防漏性を向上させ
るには、熱接着性の良い不織布がどうしても必要であ
る。更に、このような吸収性物品を高速生産するには不
織布に対して熱接着性以外にも優れた加工性が要求され
る。更に、このような熱加工性に優れた合成繊維系不織
布は、吸収性物品ばかりでなく、衣料の芯地、ワイパー
用基台、靴・スリッパ等のパッキング材、各種ラミネー
ト材等でも同様の理由からその必要性が強まっている。
性物品の特に着用者の運動条件下での防漏性を向上させ
るには、熱接着性の良い不織布がどうしても必要であ
る。更に、このような吸収性物品を高速生産するには不
織布に対して熱接着性以外にも優れた加工性が要求され
る。更に、このような熱加工性に優れた合成繊維系不織
布は、吸収性物品ばかりでなく、衣料の芯地、ワイパー
用基台、靴・スリッパ等のパッキング材、各種ラミネー
ト材等でも同様の理由からその必要性が強まっている。
しかし、近年の合成繊維系不織布は、柔らかさ、ドレ
ープ性、吸収性能などには優れているものの熱加工性を
含む加工性は甚だ不十分と言わざるを得ない。その問題
点は大きく次の2つにまとめられる。以下、吸収性物品
を例にとり説明する。
ープ性、吸収性能などには優れているものの熱加工性を
含む加工性は甚だ不十分と言わざるを得ない。その問題
点は大きく次の2つにまとめられる。以下、吸収性物品
を例にとり説明する。
第1の問題点は不織布の構成繊維を指定すると、接着
対象によっては、極めて接着の困難な素材があり、吸収
性物品全体を構成する上で不織布と接着する素材の選択
幅が限定されることである。
対象によっては、極めて接着の困難な素材があり、吸収
性物品全体を構成する上で不織布と接着する素材の選択
幅が限定されることである。
吸収性物品の各素材(表面材、吸収体、防漏材、ずれ
止め材等)はそれぞれ要求される機能が異なり、要求機
能に対して最適な物性の材料が選択される。この中で、
防漏材は、防水性が要求され、フィルム単体か基台をラ
ミネート加工したラミネート材が多く使用される。ま
た、防水性に加えて、風合いを重視する時にはラミネー
ト樹脂として、エチレン共重合体がよく使用され、強度
を重視する場合は例えばポリエステル系樹脂が選ばれる
こともある。吸収体を効率良く使用するため、防漏材は
吸収性物品の外側に近い部位に設置され、表面材のすぐ
内側から、表面材と貼り合わせになる形で裏面材として
使用されることが多い。そのため、表面材には特に防漏
材(のラミネート樹脂)との接着性が要求される。とこ
ろが、一方では、表面材不織布も用途によって、要求機
能が異なり、当然、その要求に対して最適な繊維が選ば
れる。吸収性物品では、例えば、柔軟性を重視する用途
ではポリオレフィン系繊維を、弾性を重視する用途では
ポリエステル系繊維を主体にするような使い分けが多く
の場合に行われている。従って、不織布にポリオレフィ
ン系繊維のものを選ぶと、防漏材のラミネート樹脂とし
てはポリオレフィンと接着しにくいポリエステル系樹脂
は使えないし、逆に、不織布にポリエステル系の繊維を
選ぶと、防漏材のラミネート樹脂としてはポリオレフィ
ン系樹脂が使えないか、又は、非常に接着力の制限され
た範囲でしか使用できない。また、不織布に極性のない
ポリエチレン樹脂を使用すると、防漏材には極性の高い
エチレン共重合体、例えば、アイオノマー樹脂等では接
着強度が不十分で使用することができない場合も生じ
る。
止め材等)はそれぞれ要求される機能が異なり、要求機
能に対して最適な物性の材料が選択される。この中で、
防漏材は、防水性が要求され、フィルム単体か基台をラ
ミネート加工したラミネート材が多く使用される。ま
た、防水性に加えて、風合いを重視する時にはラミネー
ト樹脂として、エチレン共重合体がよく使用され、強度
を重視する場合は例えばポリエステル系樹脂が選ばれる
こともある。吸収体を効率良く使用するため、防漏材は
吸収性物品の外側に近い部位に設置され、表面材のすぐ
内側から、表面材と貼り合わせになる形で裏面材として
使用されることが多い。そのため、表面材には特に防漏
材(のラミネート樹脂)との接着性が要求される。とこ
ろが、一方では、表面材不織布も用途によって、要求機
能が異なり、当然、その要求に対して最適な繊維が選ば
れる。吸収性物品では、例えば、柔軟性を重視する用途
ではポリオレフィン系繊維を、弾性を重視する用途では
ポリエステル系繊維を主体にするような使い分けが多く
の場合に行われている。従って、不織布にポリオレフィ
ン系繊維のものを選ぶと、防漏材のラミネート樹脂とし
てはポリオレフィンと接着しにくいポリエステル系樹脂
は使えないし、逆に、不織布にポリエステル系の繊維を
選ぶと、防漏材のラミネート樹脂としてはポリオレフィ
ン系樹脂が使えないか、又は、非常に接着力の制限され
た範囲でしか使用できない。また、不織布に極性のない
ポリエチレン樹脂を使用すると、防漏材には極性の高い
エチレン共重合体、例えば、アイオノマー樹脂等では接
着強度が不十分で使用することができない場合も生じ
る。
吸収性物品の吸収体の中でクッション層は、液の高速
吸収、使用中の液戻り抑制等の役割を担い、従来、レー
ヨンが多く使用されてきた。しかし、レーヨンは液の吸
収に伴いバルキー性を失い、クッション機能に永続性が
ないため、やはり、合成繊維化するほうが好ましく、特
にバルキー性に富むポリエチレンテレフタレートが良好
である。しかし、合成繊維はレーヨンに比べ摩耗係数が
低く、使用中にクッション層自体がよれてしまうという
欠点を持っていた。そこでこの場合も、表面材とクッシ
ョン材とが接着により一体化していることが望ましい。
吸収、使用中の液戻り抑制等の役割を担い、従来、レー
ヨンが多く使用されてきた。しかし、レーヨンは液の吸
収に伴いバルキー性を失い、クッション機能に永続性が
ないため、やはり、合成繊維化するほうが好ましく、特
にバルキー性に富むポリエチレンテレフタレートが良好
である。しかし、合成繊維はレーヨンに比べ摩耗係数が
低く、使用中にクッション層自体がよれてしまうという
欠点を持っていた。そこでこの場合も、表面材とクッシ
ョン材とが接着により一体化していることが望ましい。
第2の問題点は不織布の熱加工が難しいことである。
不織布がアクリル繊維のような熱溶融しない繊維から
なる場合、不織布を溶融することができないため全く対
象物と接着しない。また、ポリエステルやナイロンのよ
うにたとえ熱溶融しても溶融温度が高い場合は、加工温
度が極めて高くなり温度コントロールが難しく、他の素
材に接触した場合に与えるダメージが大きい等の問題点
がある。更に、不織布を溶融するように加工しても、次
に延べる困難を生じる。
なる場合、不織布を溶融することができないため全く対
象物と接着しない。また、ポリエステルやナイロンのよ
うにたとえ熱溶融しても溶融温度が高い場合は、加工温
度が極めて高くなり温度コントロールが難しく、他の素
材に接触した場合に与えるダメージが大きい等の問題点
がある。更に、不織布を溶融するように加工しても、次
に延べる困難を生じる。
即ち、熱溶融によりヒートシーラーへ溶融した繊維が
付着し、不織布の熱接着部分が破れたり加工機に樹脂が
付着しシーラーの機能が低下したりするという困難であ
る。加工温度を低いレベルに設定するために、不織布中
に低溶融温度の繊維を一部混綿することを行っても低溶
融温度繊維全体が溶融してしまえば事情は全く同様であ
る。この場合に使用される低溶融温度の繊維は、多くの
場合、ポリプロピレン繊維のように全成分が同じ溶融温
度であるか、ポリエチレン/ポリプロピレン複合繊維の
ように熱溶融温度差の小さい成分からなり、十分な熱接
着力を与えるだけの温度で加工すると、全成分が同時に
溶融してしまい、溶融成分が瞬間的にシーラーに移行
し、シーラーの機能が低下したり、熱接着部分に破れを
生じたりする。不織布中の低溶融温度繊維の混率が高い
ほどこの問題は大きくなる。低溶融温度の繊維の混率が
低ければ加熱により低溶融温度繊維の全成分が融けても
高溶融温度繊維が繊維形態を保持している温度範囲では
これらの繊維との接着や絡合により溶融成分のシーラー
への移行をある程度防ぐことができるが、溶融成分の混
率が小さいために熱接着の効果がでにくいばかりでな
く、シーラーへの溶融成分の移行は依然として残り、不
織布の熱接着部の破れや加工機を特に長時間運転した場
合にシーラーに蓄積する溶着物によるダメージを本質的
には解決できない。また、低溶融温度の繊維として熱溶
融温度差の大きい低融点ポリエステル/ポリエステル複
合繊維を用いて上記の問題点を改善しようとしたものも
みられるが、この場合、従来の低融点ポリエステル成分
が非晶性のため厳密には溶融温度を持たず(軟化点を有
する)、たとえ軟化点以上の加工温度でも対象物との接
着性が低く、十分なシール強度が得られなかった。
付着し、不織布の熱接着部分が破れたり加工機に樹脂が
付着しシーラーの機能が低下したりするという困難であ
る。加工温度を低いレベルに設定するために、不織布中
に低溶融温度の繊維を一部混綿することを行っても低溶
融温度繊維全体が溶融してしまえば事情は全く同様であ
る。この場合に使用される低溶融温度の繊維は、多くの
場合、ポリプロピレン繊維のように全成分が同じ溶融温
度であるか、ポリエチレン/ポリプロピレン複合繊維の
ように熱溶融温度差の小さい成分からなり、十分な熱接
着力を与えるだけの温度で加工すると、全成分が同時に
溶融してしまい、溶融成分が瞬間的にシーラーに移行
し、シーラーの機能が低下したり、熱接着部分に破れを
生じたりする。不織布中の低溶融温度繊維の混率が高い
ほどこの問題は大きくなる。低溶融温度の繊維の混率が
低ければ加熱により低溶融温度繊維の全成分が融けても
高溶融温度繊維が繊維形態を保持している温度範囲では
これらの繊維との接着や絡合により溶融成分のシーラー
への移行をある程度防ぐことができるが、溶融成分の混
率が小さいために熱接着の効果がでにくいばかりでな
く、シーラーへの溶融成分の移行は依然として残り、不
織布の熱接着部の破れや加工機を特に長時間運転した場
合にシーラーに蓄積する溶着物によるダメージを本質的
には解決できない。また、低溶融温度の繊維として熱溶
融温度差の大きい低融点ポリエステル/ポリエステル複
合繊維を用いて上記の問題点を改善しようとしたものも
みられるが、この場合、従来の低融点ポリエステル成分
が非晶性のため厳密には溶融温度を持たず(軟化点を有
する)、たとえ軟化点以上の加工温度でも対象物との接
着性が低く、十分なシール強度が得られなかった。
不織布の熱加工が困難な例として、ラミネート基台に
不織布を使用した時のラミネート適性に関する制限があ
げられる。例えば、ラミネート基台の不織布がポリエチ
レン/ポリプロピレン複合繊維のようにどちらも融点が
低く、融点差の小さい場合、高温度で押し出された樹脂
をラミネートすると、基台不織布が溶けてしまうことが
あること。更に、この場合も第1の問題点に係わること
が生じる。即ち、基台不織布とラミネート樹脂とが、相
溶しにくい樹脂からなる場合に、ラミネート樹脂/基台
不織布間に層剥離が生じやすくなる。
不織布を使用した時のラミネート適性に関する制限があ
げられる。例えば、ラミネート基台の不織布がポリエチ
レン/ポリプロピレン複合繊維のようにどちらも融点が
低く、融点差の小さい場合、高温度で押し出された樹脂
をラミネートすると、基台不織布が溶けてしまうことが
あること。更に、この場合も第1の問題点に係わること
が生じる。即ち、基台不織布とラミネート樹脂とが、相
溶しにくい樹脂からなる場合に、ラミネート樹脂/基台
不織布間に層剥離が生じやすくなる。
以上のことから、第1の問題点に記したように、従来
の合成繊維主体の不織布に対する熱加工は接着対象が非
常に制限された範囲でしか実施できず、第2の問題点に
記したように、特に、吸収性物品に広く使用される乾式
熱接着不織布のようなバインダーとして使用される低溶
融温度繊維の混率の極めて高い不織布に対して安定した
効果を発現するような熱加工は不可能であり、従って、
不織布及び他素材、特に防漏材の機能を十分に生かし、
且つ、吸収性物品全体として、よれやしわがよりにく
く、防漏性に富む吸収性物品を得ることができなかっ
た。
の合成繊維主体の不織布に対する熱加工は接着対象が非
常に制限された範囲でしか実施できず、第2の問題点に
記したように、特に、吸収性物品に広く使用される乾式
熱接着不織布のようなバインダーとして使用される低溶
融温度繊維の混率の極めて高い不織布に対して安定した
効果を発現するような熱加工は不可能であり、従って、
不織布及び他素材、特に防漏材の機能を十分に生かし、
且つ、吸収性物品全体として、よれやしわがよりにく
く、防漏性に富む吸収性物品を得ることができなかっ
た。
本発明者らが上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ね
た結果、広範囲に接着対象を選択でき、かつ、工業的に
十分な熱加工性を持ち、しかも、本来要求される機能で
ある強度、吸収性能、風合い、ドレープ性等の良好な不
織布を見出し、更にこの不織布を用いて、よれの小さ
い、吸収性の良い吸収性物品を見出して、本発明を完成
するに到った。
た結果、広範囲に接着対象を選択でき、かつ、工業的に
十分な熱加工性を持ち、しかも、本来要求される機能で
ある強度、吸収性能、風合い、ドレープ性等の良好な不
織布を見出し、更にこの不織布を用いて、よれの小さ
い、吸収性の良い吸収性物品を見出して、本発明を完成
するに到った。
即ち、本発明は、下記の(A),(B)の性質を満た
す第1及び第2の部分から成り、第2の部分が繊維の表
面の少なくとも一部を形成している複合繊維を含むこと
を特徴とする不織布及びこの不織布を用いてなることを
特徴とする吸収性物品を提供するものである。
す第1及び第2の部分から成り、第2の部分が繊維の表
面の少なくとも一部を形成している複合繊維を含むこと
を特徴とする不織布及びこの不織布を用いてなることを
特徴とする吸収性物品を提供するものである。
(A)第1の部分は溶融温度が200℃以上の樹脂を主成
分とする。
分とする。
(B)第2の部分は溶融温度が第1の部分の主成分樹脂
よりも50℃以上低い樹脂(以下主成分と記す)と、接着
対象物と相溶性の高い樹脂(以下ブレンド成分と記す)
とが均一分散しており、この主成分とブレンド成分と
が、主成分/ブレンド成分で記述すると、HDPE/lmpPE
T、HDPE/EEA、HDPE/EVA、HDPE/EAA、HDPE/アイオノマー
樹脂、lmpPET/EAA、LLDPE/lmpPET、LDPE/lmpPET、MDPE/
lmpPET、PP/lmpPETの組み合わせから選ばれるものであ
る。
よりも50℃以上低い樹脂(以下主成分と記す)と、接着
対象物と相溶性の高い樹脂(以下ブレンド成分と記す)
とが均一分散しており、この主成分とブレンド成分と
が、主成分/ブレンド成分で記述すると、HDPE/lmpPE
T、HDPE/EEA、HDPE/EVA、HDPE/EAA、HDPE/アイオノマー
樹脂、lmpPET/EAA、LLDPE/lmpPET、LDPE/lmpPET、MDPE/
lmpPET、PP/lmpPETの組み合わせから選ばれるものであ
る。
本発明の不織布は熱加工に対して少なくとも次の条件
を満たさねばならない。
を満たさねばならない。
即ち、熱圧により不織布の少なくとも一部分が溶融し
対象物と効率よく接着することである。本発明の不織布
の「第2の部分」がこの熱圧により溶融するという役割
を担う。これは、本目的を考えた場合自明のことである
が、前項の第1の問題点を考慮すると、やや詳細には次
のように考えを進めねばならない。
対象物と効率よく接着することである。本発明の不織布
の「第2の部分」がこの熱圧により溶融するという役割
を担う。これは、本目的を考えた場合自明のことである
が、前項の第1の問題点を考慮すると、やや詳細には次
のように考えを進めねばならない。
不織布の少なくとも一部が溶融し、対象物と熱接着す
る機構は下記に示す2つの効果が複合したものである。
る機構は下記に示す2つの効果が複合したものである。
(1) 不織布の溶融した樹脂、あるいは共に溶融した
対象物の一部とが互いのシート骨格(不織布側は溶融し
ていない繊維集合部分、対象物側、例えばラミネート紙
の場合は基台の繊維集合シート部分)に流動拡散して食
い込むいわゆる「投錨効果」。
対象物の一部とが互いのシート骨格(不織布側は溶融し
ていない繊維集合部分、対象物側、例えばラミネート紙
の場合は基台の繊維集合シート部分)に流動拡散して食
い込むいわゆる「投錨効果」。
(2) 不織布の溶融した樹脂が、対象物に対して分子
レベルの強い親和力をもち、対象物の表面でよく濡れ
る、あるいは共に溶融した対象物とよく混ざる、更に程
度が進めば分子レベルで互いに溶融する「相溶効果」。
レベルの強い親和力をもち、対象物の表面でよく濡れ
る、あるいは共に溶融した対象物とよく混ざる、更に程
度が進めば分子レベルで互いに溶融する「相溶効果」。
効率の良い接着をするにはこれら2つの効果が同時に
発現しなければならない。上記効果のうち、投錨効果は
不織布側の樹脂が溶融さえすれば必ず生じるが、相溶効
果が有効に作用するのは、不織布側の繊維樹脂が決まる
と極めて限定された範囲の接着対象物との間だけであ
る。従って、この限られた範囲以外の材料に対しては効
率の良い接着が行われず、前項で指摘した第1の問題点
が生ずるのである。
発現しなければならない。上記効果のうち、投錨効果は
不織布側の樹脂が溶融さえすれば必ず生じるが、相溶効
果が有効に作用するのは、不織布側の繊維樹脂が決まる
と極めて限定された範囲の接着対象物との間だけであ
る。従って、この限られた範囲以外の材料に対しては効
率の良い接着が行われず、前項で指摘した第1の問題点
が生ずるのである。
そこで、本発明者らは、不織布が熱接着する際に投錨
効果と相溶効果の2つが同時に有効に作用することが第
1の問題点を解決するための指針であると考え、以下の
ような解決策を見出した。
効果と相溶効果の2つが同時に有効に作用することが第
1の問題点を解決するための指針であると考え、以下の
ような解決策を見出した。
即ち、接着対象物と相溶性の高い樹脂(以下ブレンド
成分と記す)をブレンドした樹脂成分(以下複合樹脂と
記す。本発明の不織布の「第2の部分」を意味する)を
少なくとも一部に含む繊維で不織布を構成することであ
る。ブレンド成分は加熱の際、複合樹脂のブレンド成分
を除いた成分(以下、主成分と記す)と同時に溶融して
いることが好ましいので、ブレンド成分の溶融温度は複
合樹脂の主成分の溶融温度より30℃以上高くなってはい
けない。望ましくは、複合樹脂の主成分の溶融温度とほ
ぼ同じかあるいはそれ以下がよい。ただし、ここにいう
溶融温度とは、樹脂が加熱により実質的に接着効果の生
じ始める温度をいい、結晶性の樹脂ならば融点、非晶性
の樹脂ならば熱軟化点に対応する。ブレンド成分は対象
物に接着面積の大きい状態で相溶することが必要である
ので、複合樹脂の中でできる限り均一且つ微小に分散し
ていなければならない(以下、この状態を均一分散状態
と記す)。分散の程度はブレンド成分の相の大きさが繊
維に垂直な方向の相断面の垂直直径が1μm以下になっ
ていることが望ましく、場合によっては相分離構造のほ
とんど認められないところまで相溶していても良い。複
合樹脂中のブレンド成分の混率は少なくとも5重量%あ
れば効果を発現する場合が多いが、用途によって最適値
を決めることができる。あまり、混率が大きくなると主
成分の樹脂のもつ本来の機能が阻害されるので、45重量
%を超えないことが望ましい。
成分と記す)をブレンドした樹脂成分(以下複合樹脂と
記す。本発明の不織布の「第2の部分」を意味する)を
少なくとも一部に含む繊維で不織布を構成することであ
る。ブレンド成分は加熱の際、複合樹脂のブレンド成分
を除いた成分(以下、主成分と記す)と同時に溶融して
いることが好ましいので、ブレンド成分の溶融温度は複
合樹脂の主成分の溶融温度より30℃以上高くなってはい
けない。望ましくは、複合樹脂の主成分の溶融温度とほ
ぼ同じかあるいはそれ以下がよい。ただし、ここにいう
溶融温度とは、樹脂が加熱により実質的に接着効果の生
じ始める温度をいい、結晶性の樹脂ならば融点、非晶性
の樹脂ならば熱軟化点に対応する。ブレンド成分は対象
物に接着面積の大きい状態で相溶することが必要である
ので、複合樹脂の中でできる限り均一且つ微小に分散し
ていなければならない(以下、この状態を均一分散状態
と記す)。分散の程度はブレンド成分の相の大きさが繊
維に垂直な方向の相断面の垂直直径が1μm以下になっ
ていることが望ましく、場合によっては相分離構造のほ
とんど認められないところまで相溶していても良い。複
合樹脂中のブレンド成分の混率は少なくとも5重量%あ
れば効果を発現する場合が多いが、用途によって最適値
を決めることができる。あまり、混率が大きくなると主
成分の樹脂のもつ本来の機能が阻害されるので、45重量
%を超えないことが望ましい。
次に、前項でまとめた第2の問題点を考察すると、本
発明の吸収性物品に使用する不織布は熱加工に対して更
に次の条件を満たさねばならないことがわかる。
発明の吸収性物品に使用する不織布は熱加工に対して更
に次の条件を満たさねばならないことがわかる。
第1の条件は、熱圧により溶融した不織布成分がシー
ラーへ移行しないことである。そして第2の条件は、上
記2つの条件が広い温度範囲で実施できることである。
特に、前項の第2の問題点で詳述したように、第1及び
第2の条件は実生産において安定な熱加工を実施する上
で極めて重要な用件である。
ラーへ移行しないことである。そして第2の条件は、上
記2つの条件が広い温度範囲で実施できることである。
特に、前項の第2の問題点で詳述したように、第1及び
第2の条件は実生産において安定な熱加工を実施する上
で極めて重要な用件である。
本発明者らはこれらの条件についてさらに詳細に考察
した結果、以下の方法により、上述の条件を不織布に付
与することができることを見出した。
した結果、以下の方法により、上述の条件を不織布に付
与することができることを見出した。
不織布成分のシーラーへの移行や接着部分の破れを防
止する方法を述べる。これは熱圧により全ての樹脂成分
が溶融してしまうことのない繊維を用いればよい。即
ち、熱接着時に第2の部分は適度な流動性をもって溶融
するが、第1の部分は溶融することなく全体として繊維
形成を保ち不織布の骨格の役割を果たすような複合繊維
を使用することである。そしてこの様な効果を実生産の
際の熱接着温度やラインのばらつきの範囲内で確実に実
現するためには、第1の部分の主成分樹脂と第2の部分
の主成分樹脂の溶融温度差が少なくとも50℃以上、望ま
しくは100℃以上あることが必要である。また、このよ
うな複合繊維において第1の部分の主成分樹脂の溶融温
度が高いほど、広い温度範囲で熱加工を実施することが
できる。以上のことから、前記第1の条件を満たすに
は、第1の部分と第2の部分からなる複合繊維が少なく
とも不織布の1つの層に含まれていることが必要であ
り、できれば、不織布の表面層には含まれていることが
望ましい。また、その混率が増加する程熱加工接着部の
破れやシーラーへの溶着を生じることなく接着強度は増
加し、不織布の熱加工性が向上する。
止する方法を述べる。これは熱圧により全ての樹脂成分
が溶融してしまうことのない繊維を用いればよい。即
ち、熱接着時に第2の部分は適度な流動性をもって溶融
するが、第1の部分は溶融することなく全体として繊維
形成を保ち不織布の骨格の役割を果たすような複合繊維
を使用することである。そしてこの様な効果を実生産の
際の熱接着温度やラインのばらつきの範囲内で確実に実
現するためには、第1の部分の主成分樹脂と第2の部分
の主成分樹脂の溶融温度差が少なくとも50℃以上、望ま
しくは100℃以上あることが必要である。また、このよ
うな複合繊維において第1の部分の主成分樹脂の溶融温
度が高いほど、広い温度範囲で熱加工を実施することが
できる。以上のことから、前記第1の条件を満たすに
は、第1の部分と第2の部分からなる複合繊維が少なく
とも不織布の1つの層に含まれていることが必要であ
り、できれば、不織布の表面層には含まれていることが
望ましい。また、その混率が増加する程熱加工接着部の
破れやシーラーへの溶着を生じることなく接着強度は増
加し、不織布の熱加工性が向上する。
本発明の不織布が熱加工に必要な第2の条件を満たす
には、できるだけ低い温度で熱加工接着し、できるだけ
高い温度までシーラーへの溶着がなければよい。即ち、
本発明に係わる複合繊維の第1の部分の溶融温度はでき
るだけ高くかつ第2の部分の溶融温度はできるだけ低い
ほうが良く、望ましくは第1の部分の溶融温度が200℃
以上であり、第2の部分の溶融温度が第1の部分の溶融
温度より50℃以上低いことが必要である。
には、できるだけ低い温度で熱加工接着し、できるだけ
高い温度までシーラーへの溶着がなければよい。即ち、
本発明に係わる複合繊維の第1の部分の溶融温度はでき
るだけ高くかつ第2の部分の溶融温度はできるだけ低い
ほうが良く、望ましくは第1の部分の溶融温度が200℃
以上であり、第2の部分の溶融温度が第1の部分の溶融
温度より50℃以上低いことが必要である。
ここで、本発明に係わる複合繊維の第1の部分につい
て補足する。この第1の部分は前述した熱特性、即ち、
溶融温度が望ましくは200℃以上で、第2の部分より少
なくとも50℃以上高いことを満たしていれば良いのであ
るが、第1の部分が2種類以上の樹脂成分のブレンドで
あることを否定するものではない。ただし、少なくとも
主成分となる樹脂がこの熱特性を満たしており熱加工後
も第1の部分が繊維骨格を残し上記第1,第2の条件を満
たしている範囲内にブレンドの程度を抑えなければなら
ない。そのためには、第1の部分中の主成分樹脂の重量
割合は少なくとも50%以上あることが望ましく、熱加工
的には100%であることが最も良い。
て補足する。この第1の部分は前述した熱特性、即ち、
溶融温度が望ましくは200℃以上で、第2の部分より少
なくとも50℃以上高いことを満たしていれば良いのであ
るが、第1の部分が2種類以上の樹脂成分のブレンドで
あることを否定するものではない。ただし、少なくとも
主成分となる樹脂がこの熱特性を満たしており熱加工後
も第1の部分が繊維骨格を残し上記第1,第2の条件を満
たしている範囲内にブレンドの程度を抑えなければなら
ない。そのためには、第1の部分中の主成分樹脂の重量
割合は少なくとも50%以上あることが望ましく、熱加工
的には100%であることが最も良い。
本発明に係わる複合繊維中の第1の部分と第2の部分
との配合割合は重量比で3:7〜6:4が好ましい。
との配合割合は重量比で3:7〜6:4が好ましい。
次に、本発明に係わる複合繊維を構成する樹脂の具体
例を挙げる。
例を挙げる。
第1の部分の主成分樹脂としては、ポリエステル系樹
脂[ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレ
ンテレフタレート(PBT)等]、ポリアミド系樹脂(6,6
6−ナイロン等)、ポリアクリル系樹脂などを選ぶこと
ができる。
脂[ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレ
ンテレフタレート(PBT)等]、ポリアミド系樹脂(6,6
6−ナイロン等)、ポリアクリル系樹脂などを選ぶこと
ができる。
第2の部分の主成分樹脂とブレンド成分とは、主成分
/ブレンド成分で記述すると、高密度ポリエチレン系樹
脂(HDPE)/低融点ポリエステル樹脂(lmpPET)、HDPE
/エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、HDPE/
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、HDPE/エチレン
−アクリル酸共重合体(EAA)、HDPE/アイオノマー樹
脂、lmpPET/EAA、直鎖低密度ポリエチレン系樹脂(LLDP
E)/lmpPET、低密度ポリエチレン系樹脂(LDPE)/lmpPE
T、中密度ポリエチレン系樹脂(MDPE)/lmPET、ポリプ
ロピレン樹脂(PP)/lmpPETの組み合わせから選ばれ
る。
/ブレンド成分で記述すると、高密度ポリエチレン系樹
脂(HDPE)/低融点ポリエステル樹脂(lmpPET)、HDPE
/エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、HDPE/
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、HDPE/エチレン
−アクリル酸共重合体(EAA)、HDPE/アイオノマー樹
脂、lmpPET/EAA、直鎖低密度ポリエチレン系樹脂(LLDP
E)/lmpPET、低密度ポリエチレン系樹脂(LDPE)/lmpPE
T、中密度ポリエチレン系樹脂(MDPE)/lmPET、ポリプ
ロピレン樹脂(PP)/lmpPETの組み合わせから選ばれ
る。
以上のような複合繊維で不織布を構成する方法は、特
に限定されない。代表的な方法としては、繊維ウェブを
絡合することで安定なシートにするエアーニードリン
グ、ウォータニードリング、ニードルパンチ方式、繊維
を接着剤あるいは繊維自身の溶融によりウェブを固定す
るバインダ接着、熱接着方式、フィラメント繊維により
シート化するスパンボンド方式、抄紙によりシート化す
る湿式法などが挙げられる。
に限定されない。代表的な方法としては、繊維ウェブを
絡合することで安定なシートにするエアーニードリン
グ、ウォータニードリング、ニードルパンチ方式、繊維
を接着剤あるいは繊維自身の溶融によりウェブを固定す
るバインダ接着、熱接着方式、フィラメント繊維により
シート化するスパンボンド方式、抄紙によりシート化す
る湿式法などが挙げられる。
通常これらの方法で構成される不織布は1層又は多層
構造となるが、少なくとも1つの層に本発明に係る複合
繊維が含まれていれば、この不織布の熱接着性は向上す
るが、接着対象側と向き合う層には含まれていることが
好ましく、各層に必ず含まれることが最も望ましい。
構造となるが、少なくとも1つの層に本発明に係る複合
繊維が含まれていれば、この不織布の熱接着性は向上す
るが、接着対象側と向き合う層には含まれていることが
好ましく、各層に必ず含まれることが最も望ましい。
不織布中の複合繊維の重量割合は10%以上あれば効果
を発現するが、より望ましくは平均して30〜100%の範
囲にあることである。不織布の坪量は、例えば、生理用
ナプキンの用途に使用する場合は、全体として10〜40g/
m2、そのうち表面層は5〜15g/m2、紙おむつに使用する
場合は、全体として15〜50g/m2、そのうち表面層は7〜
20g/m2の範囲にあることが望ましい。
を発現するが、より望ましくは平均して30〜100%の範
囲にあることである。不織布の坪量は、例えば、生理用
ナプキンの用途に使用する場合は、全体として10〜40g/
m2、そのうち表面層は5〜15g/m2、紙おむつに使用する
場合は、全体として15〜50g/m2、そのうち表面層は7〜
20g/m2の範囲にあることが望ましい。
最後に、吸収性物品が適度な吸収性をもつには不織布
に適性な親水性が付与されていることが好ましく、その
ためにも本発明に係わる複合繊維の少なくとも表面は親
水性であるほうがより望ましい。表面親水化法として
は、例えば、複合繊維の表面を界面活性剤処理により親
水化したり、あるいは、親水基を持つモノマーあるいは
親水基を持つポリマーなど親水基を持つ化学物質を化学
結合させる化学的表面改質、あるいは、プラズマ加工、
親水基を持つ化学物質の練込み等による物理的表面改質
を施して、表面を親水化してもよい。なお、化学的表面
改質は、親水基を持つ化学物質が繊維表面と化学結合し
てもよいし、親水基をもつ化学物質同士が結合して架橋
し繊維表面を覆っていてもよい。以上のように繊維の製
造工程で親水化する方法が一般的であるが、他の例とし
ては、不織布をつくり、後加工として前述の化学的、物
理的表面改質または界面活性剤処理を施して本発明に係
わる複合繊維の表面に親水性を付与してもよい。
に適性な親水性が付与されていることが好ましく、その
ためにも本発明に係わる複合繊維の少なくとも表面は親
水性であるほうがより望ましい。表面親水化法として
は、例えば、複合繊維の表面を界面活性剤処理により親
水化したり、あるいは、親水基を持つモノマーあるいは
親水基を持つポリマーなど親水基を持つ化学物質を化学
結合させる化学的表面改質、あるいは、プラズマ加工、
親水基を持つ化学物質の練込み等による物理的表面改質
を施して、表面を親水化してもよい。なお、化学的表面
改質は、親水基を持つ化学物質が繊維表面と化学結合し
てもよいし、親水基をもつ化学物質同士が結合して架橋
し繊維表面を覆っていてもよい。以上のように繊維の製
造工程で親水化する方法が一般的であるが、他の例とし
ては、不織布をつくり、後加工として前述の化学的、物
理的表面改質または界面活性剤処理を施して本発明に係
わる複合繊維の表面に親水性を付与してもよい。
本発明の不織布を実施例で詳述するように使い捨ての
吸収性物品に構成すると、従来になくよれの小さい従っ
て吸収性の非常に良好な性能を発現する。
吸収性物品に構成すると、従来になくよれの小さい従っ
て吸収性の非常に良好な性能を発現する。
本発明の不織布は、生理用ナプキン、紙おむつ、化粧
用シート等の使い捨て吸収性物品だけでなく、衣料の芯
地、ワイパー用基台、靴・スリッパ等のパッキング材、
各種ラミネート材等への応用すると、より広い範囲の材
料の選択が可能となり各製品の品質が大幅に向上するこ
とがわかった。
用シート等の使い捨て吸収性物品だけでなく、衣料の芯
地、ワイパー用基台、靴・スリッパ等のパッキング材、
各種ラミネート材等への応用すると、より広い範囲の材
料の選択が可能となり各製品の品質が大幅に向上するこ
とがわかった。
次に、実施例により、本発明に係わる不織布を用いて
熱加工した吸収性物品について更に詳細に説明する。
熱加工した吸収性物品について更に詳細に説明する。
実施例1〜17及び比較例1〜11 表1に示す各種複合繊維を用い、表2〜4に示す不織
布を製造し、更に得られた不織布を用いて吸収性物品を
製造した。
布を製造し、更に得られた不織布を用いて吸収性物品を
製造した。
不織布は第2の部分の繊維をバインダー繊維とした熱
接着方式(カードウェブに140℃の熱風を通し、第2の
部分の繊維を他の繊維と融着させることにより固定)に
より製造した。対象物の不織布Aはポリエステル繊維か
らなるカードウェブにニードルパンチを施してシート状
にしたもの、ラミネート紙A〜Fは撥水紙と各種樹脂フ
ィルムとのラミネート紙である。
接着方式(カードウェブに140℃の熱風を通し、第2の
部分の繊維を他の繊維と融着させることにより固定)に
より製造した。対象物の不織布Aはポリエステル繊維か
らなるカードウェブにニードルパンチを施してシート状
にしたもの、ラミネート紙A〜Fは撥水紙と各種樹脂フ
ィルムとのラミネート紙である。
吸収性物品は、実施例1〜9、実施例16、比較例1〜
3、比較例10では、市販の生理用ナプキン(商品名ロリ
エ(花王(株)製))の不織布及びレーヨン綿を除い
て、代わりに表2及び表4に挙げた不織布及び(レーヨ
ン綿の代わりに)不織布Aを載せて製造した。実施例10
〜15、実施例17、比較例4〜9、比較例11では、市販の
生理用ナプキン(商品名ロリエセフティロング(花王
(株)製))の不織布及び裏面材を除いて、代わりに表
3及び表4に挙げた不織布及びラミネート紙を載せて製
造した。シール加工は下記のように行った。
3、比較例10では、市販の生理用ナプキン(商品名ロリ
エ(花王(株)製))の不織布及びレーヨン綿を除い
て、代わりに表2及び表4に挙げた不織布及び(レーヨ
ン綿の代わりに)不織布Aを載せて製造した。実施例10
〜15、実施例17、比較例4〜9、比較例11では、市販の
生理用ナプキン(商品名ロリエセフティロング(花王
(株)製))の不織布及び裏面材を除いて、代わりに表
3及び表4に挙げた不織布及びラミネート紙を載せて製
造した。シール加工は下記のように行った。
用いた繊維の溶融温度、得られた不織布及び吸収性物
品の物性を下記に示す方法により測定した。その結果も
表1〜4に示す。
品の物性を下記に示す方法により測定した。その結果も
表1〜4に示す。
尚、接着強度、シール加工性は不織布と不織布A又は
不織布とラミネート紙に下記のシール加工をした後に測
定した。また、吸収性物品についても同様なシール加工
を行い、不織布と不織布A又は不織布とラミネート紙を
一体化させてから動的吸収量を測定した。
不織布とラミネート紙に下記のシール加工をした後に測
定した。また、吸収性物品についても同様なシール加工
を行い、不織布と不織布A又は不織布とラミネート紙を
一体化させてから動的吸収量を測定した。
(1) 溶融温度 表1に挙げた繊維について次の方法で測定した。即ち
DSC(示差走査熱量計)を用いて、試料を毎分10℃昇温
する際に認められる吸熱ピークの温度を溶融温度とし
た。明確な溶融温度の存在しない繊維については、TMA
(熱機械試験機)により定荷重下で圧縮し、試料を毎分
5℃昇温する際に認められる熱変形量の時間による最大
微分係数を溶融温度とした。
DSC(示差走査熱量計)を用いて、試料を毎分10℃昇温
する際に認められる吸熱ピークの温度を溶融温度とし
た。明確な溶融温度の存在しない繊維については、TMA
(熱機械試験機)により定荷重下で圧縮し、試料を毎分
5℃昇温する際に認められる熱変形量の時間による最大
微分係数を溶融温度とした。
(2) ブレンド状態 繊維の断面を電子顕微鏡で観察し、第2の部分の樹脂
のブレンド状態を評価する。
のブレンド状態を評価する。
3級…ブレンド成分が均一に分散しており、どの相断面
も1μm以下である。
も1μm以下である。
2級…ブレンド成分が均一に分散しているが、1μm以
上の相断面も存在する。
上の相断面も存在する。
1級…分散が不均一で、相断面のばらつきが大きい。紡
糸が極めて難しい。
糸が極めて難しい。
(3) シール加工 表2又は表4の不織布と不織布A、表3又は表4の不
織布とラミネート紙とを、ライン速度30m/分で流しなが
らシール巾2mmでヒートシールする。
織布とラミネート紙とを、ライン速度30m/分で流しなが
らシール巾2mmでヒートシールする。
(4) シール加工性 シール部分を肉眼で観察することにより評価した。評
価基準は次の通り。
価基準は次の通り。
3級…熱接着部分に破れがなく、シーラーへの付着もな
い。
い。
2級…部分的に破れや接着の不完全なところがあるが、
シーラーへの付着はない。
シーラーへの付着はない。
1級…熱接着部分が破れ、シーラーへの付着が生じ、熱
接着できない。
接着できない。
(5) 接着強度 シール加工後のサンプルから第1図に示すようなシー
ル部分2を含む巾30mmの試験片1を切出し、第2図のよ
うに不織布3の端と不織布A又はラミネート紙4の端の
それぞれをチャック5で把持し引っ張ったときの最大剥
離荷重を接着強度とする。
ル部分2を含む巾30mmの試験片1を切出し、第2図のよ
うに不織布3の端と不織布A又はラミネート紙4の端の
それぞれをチャック5で把持し引っ張ったときの最大剥
離荷重を接着強度とする。
(6) 動的吸収量 第3図に示すような可動式女性腰部モデル6に、吸収
性物品の測定サンプル7を第4図に示すようにセット
し、始動後に歩行運動を続けながら試験液をチューブ8
から15g/分の速度で注入し、漏れを確認した時点での試
験液注入量を動的吸収量とする。動的吸収量が大きいほ
ど漏れにくいといえる。
性物品の測定サンプル7を第4図に示すようにセット
し、始動後に歩行運動を続けながら試験液をチューブ8
から15g/分の速度で注入し、漏れを確認した時点での試
験液注入量を動的吸収量とする。動的吸収量が大きいほ
ど漏れにくいといえる。
(7) 使用後のヨレ状態 表2〜4の吸収性物品を動的吸収量を測定した後に、
クッション材(不織布A)或いはラミネート紙ヨレ状態
を観察した。
クッション材(不織布A)或いはラミネート紙ヨレ状態
を観察した。
3級…ヨレがなく、漏れ難い。
2級…やや漏れているが、大きな吸収量の低下はない。
1級…ヨレており、吸収量が大きく低下している。
〔発明の効果〕 実施例1〜17からわかるように、本発明に係わる不織
布は、複合樹脂からなる繊維を使用することで、接着が
困難であった対象物素材との接着を可能とし、従来ヨレ
易かったPET系クッション材を固定して、ヨレを防ぎ、
吸収力に優れより柔らかでソフトな感触の吸収性物品を
構成することができた。
布は、複合樹脂からなる繊維を使用することで、接着が
困難であった対象物素材との接着を可能とし、従来ヨレ
易かったPET系クッション材を固定して、ヨレを防ぎ、
吸収力に優れより柔らかでソフトな感触の吸収性物品を
構成することができた。
比較例1〜2、比較例4〜11はいずれも、対象物との
接着力が弱く、人体に装着し、歩行させるとシールがと
れ、実用的でないことがわかる。また、比較例3は、F
−20の芯/鞘の溶融温度差が50℃以下のため、シールが
できない。
接着力が弱く、人体に装着し、歩行させるとシールがと
れ、実用的でないことがわかる。また、比較例3は、F
−20の芯/鞘の溶融温度差が50℃以下のため、シールが
できない。
実施例10〜15、実施例17の吸収性物品を、ラミネート
紙を構成する樹脂と相溶性の高い樹脂を不織布の複合繊
維のブレンド成分として選ぶことで、不織布本来の形状
/性能を変えることなく、ラミネート紙との接着力を向
上させ、接着力の不十分な比較例4〜9、11の動的吸収
量を大きく上回った。
紙を構成する樹脂と相溶性の高い樹脂を不織布の複合繊
維のブレンド成分として選ぶことで、不織布本来の形状
/性能を変えることなく、ラミネート紙との接着力を向
上させ、接着力の不十分な比較例4〜9、11の動的吸収
量を大きく上回った。
第1図は接着強度測定用サンプルの斜視図、第2図はそ
の測定時の状態を示す斜視図、第3図は動的吸収量測定
用の可動式女性腰部モデルの斜視図、第4図はそのモデ
ルに測定サンプルをセットした状態を示す図である。 1……試験片、2……シール部分 3……不織布 4……不織布A又はラミネート紙 5……チャック、6……可動式女性腰部モデル 7……測定サンプル、8……チューブ
の測定時の状態を示す斜視図、第3図は動的吸収量測定
用の可動式女性腰部モデルの斜視図、第4図はそのモデ
ルに測定サンプルをセットした状態を示す図である。 1……試験片、2……シール部分 3……不織布 4……不織布A又はラミネート紙 5……チャック、6……可動式女性腰部モデル 7……測定サンプル、8……チューブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 隆俊 栃木県宇都宮市今泉3009―1 (56)参考文献 特開 昭63−147460(JP,A) 特開 昭56−9458(JP,A) 特開 昭63−227814(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】下記の(A),(B)の性質を満たす第1
及び第2の部分から成り、第2の部分が繊維の表面の少
なくとも一部を形成している複会繊維を含むことを特徴
とする不織布。 (A)第1の部分は溶融温度が200℃以上の樹脂を主成
分とする。 (B)第2の部分は溶融温度が第1の部分の主成分樹脂
よりも50℃以上低い樹脂(以下主成分と記す)と、接着
対象物と相溶性の高い樹脂(以下ブレンド成分と記す)
とが均一分散しており、この主成分とブレンド成分と
が、主成分/ブレンド成分で記述すると、HDPE/lmpPE
T、HDPE/EEA、HDPE/EVA、HDPE/EAA、HDPE/アイオノマー
樹脂、lmpPET/EAA、LLDPE/lmpPET、LDPE/lmpPET、MDPE/
lmpPET、PP/lmpPETの組み合わせから選ばれるものであ
る。 - 【請求項2】請求項1記載の不織布を用いてなる吸収性
物品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1023143A JP2837419B2 (ja) | 1989-02-01 | 1989-02-01 | 不織布及び吸収性物品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1023143A JP2837419B2 (ja) | 1989-02-01 | 1989-02-01 | 不織布及び吸収性物品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02210052A JPH02210052A (ja) | 1990-08-21 |
JP2837419B2 true JP2837419B2 (ja) | 1998-12-16 |
Family
ID=12102343
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1023143A Expired - Fee Related JP2837419B2 (ja) | 1989-02-01 | 1989-02-01 | 不織布及び吸収性物品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2837419B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS569458A (en) * | 1979-07-05 | 1981-01-30 | Sanyo Chemical Ind Ltd | Water absorbing nonwoven fabric |
JPH0712371B2 (ja) * | 1986-12-10 | 1995-02-15 | 花王株式会社 | 吸収性物品 |
-
1989
- 1989-02-01 JP JP1023143A patent/JP2837419B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02210052A (ja) | 1990-08-21 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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