JP2816908B2 - 六チタン酸カリウム繊維の製造方法 - Google Patents
六チタン酸カリウム繊維の製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、摺動部材料、塗料用添
加剤、光沢顔料等として有用な六チタン酸カリウム繊維
の製造方法に関する。
加剤、光沢顔料等として有用な六チタン酸カリウム繊維
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】六チタン酸カリウム繊維〔K2 Ti6 O
13〕は、耐摩耗性、耐火・耐熱性、断熱性、補強性等を
有する合成無機繊維であり、各種分野においてアスベス
ト代替品として工業的応用が試みられている。その代表
的な製造法として知られている溶融法は、加熱により二
酸化チタン(TiO2 )となるチタン化合物と、加熱に
より酸化カリウム(K2 O)となるカリウム化合物と
を、TiO2 /K2 Oのモル比が約2となるように混合
して出発原料とし、出発原料混合物を加熱溶融したの
ち、その加熱溶融物を冷却用金型に注ぎ込み、指向性冷
却により二チタン酸カリウム結晶〔K2 Ti4 O5 〕の
繊維成長を行なわせる冷却凝固工程、その冷却凝固物
(繊維塊)を、水、酸水溶液等の洗液で処理してK+ イ
オンを溶出させることにより、繊維の組成変換を行う脱
カリウム処理、および繊維の結晶構造を変換する焼成処
理等を経て六チタン酸カリウム繊維を得るものである。
上記工程を経由して得られる六チタン酸カリウム繊維の
サイズは比較的粗大(繊維径:約20〜50μm,長
さ:約100〜300μm)であり、また繊維形態のバ
ラツキも大きく均質性に乏しい。
13〕は、耐摩耗性、耐火・耐熱性、断熱性、補強性等を
有する合成無機繊維であり、各種分野においてアスベス
ト代替品として工業的応用が試みられている。その代表
的な製造法として知られている溶融法は、加熱により二
酸化チタン(TiO2 )となるチタン化合物と、加熱に
より酸化カリウム(K2 O)となるカリウム化合物と
を、TiO2 /K2 Oのモル比が約2となるように混合
して出発原料とし、出発原料混合物を加熱溶融したの
ち、その加熱溶融物を冷却用金型に注ぎ込み、指向性冷
却により二チタン酸カリウム結晶〔K2 Ti4 O5 〕の
繊維成長を行なわせる冷却凝固工程、その冷却凝固物
(繊維塊)を、水、酸水溶液等の洗液で処理してK+ イ
オンを溶出させることにより、繊維の組成変換を行う脱
カリウム処理、および繊維の結晶構造を変換する焼成処
理等を経て六チタン酸カリウム繊維を得るものである。
上記工程を経由して得られる六チタン酸カリウム繊維の
サイズは比較的粗大(繊維径:約20〜50μm,長
さ:約100〜300μm)であり、また繊維形態のバ
ラツキも大きく均質性に乏しい。
【0003】その繊維形態の改良を目的として、特開昭
63−64997号公報には、出発原料の加熱溶融物
を、指向性冷却に代え、双ロール法等による急速冷却に
付して非晶質凝固物(ガラス)となし、ガラスのまゝで
はK+ イオンを溶出させることができないので、これに
短時間の熱処理を施して二チタン酸カリウム結晶に変換
し、更に化学組成の変換、および結晶構造変換等の処理
工程を経て六チタン酸カリウム繊維を製造する方法が開
示されている。その製造法により得られる繊維は、そこ
に記載されているように比較的微細(繊維径:約0.2
〜2μm,長さ:約10〜30μm)である。
63−64997号公報には、出発原料の加熱溶融物
を、指向性冷却に代え、双ロール法等による急速冷却に
付して非晶質凝固物(ガラス)となし、ガラスのまゝで
はK+ イオンを溶出させることができないので、これに
短時間の熱処理を施して二チタン酸カリウム結晶に変換
し、更に化学組成の変換、および結晶構造変換等の処理
工程を経て六チタン酸カリウム繊維を製造する方法が開
示されている。その製造法により得られる繊維は、そこ
に記載されているように比較的微細(繊維径:約0.2
〜2μm,長さ:約10〜30μm)である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
繊維製造法では、非晶質凝固物から二チタン酸カリウム
結晶を析出させる熱処理において、二チタン酸カリウム
結晶を、繊維としてではなく、粒度の揃つた微細粒子と
して析出させることとし、その熱処理物に、K+ イオン
の溶出処理と焼成処理を施して四チタン酸カリウム結晶
〔K2 Ti4 O9 〕と六チタン酸カリウム結晶〔K2 T
i6 O13〕の混相繊維を形成する中間工程を経由した
後、再度K+ イオンの溶出と焼成処理とを行つて六チタ
ン酸カリウム繊維を得るのであり、工程の煩瑣を免れな
い。また、こうして得られる六チタン酸カリウム繊維の
サイズや形態の均質性は、中間工程における四チタン酸
カリウム結晶と六チタン酸カリウム結晶の混相比率や、
反復実施される焼成処理の条件等により異なつたものと
なり、繊維サイズや形態の制御に煩らわしい処理を余儀
なくされる。本発明は、上記に鑑み、より簡素な工程
で、かつ繊維サイズや形態の制御が容易で均質性にすぐ
れた六チタン酸カリウム繊維を製造する方法を提供する
ものである。
繊維製造法では、非晶質凝固物から二チタン酸カリウム
結晶を析出させる熱処理において、二チタン酸カリウム
結晶を、繊維としてではなく、粒度の揃つた微細粒子と
して析出させることとし、その熱処理物に、K+ イオン
の溶出処理と焼成処理を施して四チタン酸カリウム結晶
〔K2 Ti4 O9 〕と六チタン酸カリウム結晶〔K2 T
i6 O13〕の混相繊維を形成する中間工程を経由した
後、再度K+ イオンの溶出と焼成処理とを行つて六チタ
ン酸カリウム繊維を得るのであり、工程の煩瑣を免れな
い。また、こうして得られる六チタン酸カリウム繊維の
サイズや形態の均質性は、中間工程における四チタン酸
カリウム結晶と六チタン酸カリウム結晶の混相比率や、
反復実施される焼成処理の条件等により異なつたものと
なり、繊維サイズや形態の制御に煩らわしい処理を余儀
なくされる。本発明は、上記に鑑み、より簡素な工程
で、かつ繊維サイズや形態の制御が容易で均質性にすぐ
れた六チタン酸カリウム繊維を製造する方法を提供する
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段および作用】本発明の六チ
タン酸カリウム繊維の製造方法は、加熱により二酸化チ
タン(TiO2 )となるチタン化合物と加熱により酸化
カリウム(K2 O)となるカリウム化合物とを、TiO
2 /K2 Oのモル比が1.5〜2.5となるように配合
した混合物の加熱溶融物を、金属双ロール法により急冷
して非晶質凝固物となし、非晶質凝固物を、温度750
〜950℃で熱処理することにより、二チタン酸カリウ
ム結晶繊維を生成させたのち、上記熱処理物を、洗液中
で処理することにより、K+ イオンを溶出させて二チタ
ン酸カリウム結晶繊維を六チタン酸カリウム相当組成の
水和チタン酸カリウム繊維に組成変換すると共に、その
繊維塊を解繊し、脱水、乾燥の後、焼成処理して水和チ
タン酸カリウム繊維を六チタン酸カリウム結晶に構造変
換することを特徴としている。以下、本発明について工
程順に説明する。
タン酸カリウム繊維の製造方法は、加熱により二酸化チ
タン(TiO2 )となるチタン化合物と加熱により酸化
カリウム(K2 O)となるカリウム化合物とを、TiO
2 /K2 Oのモル比が1.5〜2.5となるように配合
した混合物の加熱溶融物を、金属双ロール法により急冷
して非晶質凝固物となし、非晶質凝固物を、温度750
〜950℃で熱処理することにより、二チタン酸カリウ
ム結晶繊維を生成させたのち、上記熱処理物を、洗液中
で処理することにより、K+ イオンを溶出させて二チタ
ン酸カリウム結晶繊維を六チタン酸カリウム相当組成の
水和チタン酸カリウム繊維に組成変換すると共に、その
繊維塊を解繊し、脱水、乾燥の後、焼成処理して水和チ
タン酸カリウム繊維を六チタン酸カリウム結晶に構造変
換することを特徴としている。以下、本発明について工
程順に説明する。
【0006】出発原料の一方の構成成分である加熱によ
り二酸化チタンとなるチタン化合物としては、精製酸化
チタン、合成ルチル、チタンスラグ、天然ルチルサンド
や天然アナターゼサンド等、各種のチタン化合物が用い
られる。チタン化合物に配合されるカリウム化合物は代
表的には炭酸カリウム(K2 CO3 )であり、そのほ
か、水酸化物、硝酸塩などを使用することなどもでき
る。チタン化合物とカリウム化合物との混合比を、Ti
O2 /K2 Oのモル比で1.5〜2.5とするのは、そ
の加熱溶融物を急冷した非晶質凝固物の熱処理において
二チタン酸カリウムを効率良く析出させるためである。
上記出発原料の加熱溶融は、温度:約950〜1100
℃で行うことができる。
り二酸化チタンとなるチタン化合物としては、精製酸化
チタン、合成ルチル、チタンスラグ、天然ルチルサンド
や天然アナターゼサンド等、各種のチタン化合物が用い
られる。チタン化合物に配合されるカリウム化合物は代
表的には炭酸カリウム(K2 CO3 )であり、そのほ
か、水酸化物、硝酸塩などを使用することなどもでき
る。チタン化合物とカリウム化合物との混合比を、Ti
O2 /K2 Oのモル比で1.5〜2.5とするのは、そ
の加熱溶融物を急冷した非晶質凝固物の熱処理において
二チタン酸カリウムを効率良く析出させるためである。
上記出発原料の加熱溶融は、温度:約950〜1100
℃で行うことができる。
【0007】出発原料混合物を加熱溶融したのち、その
溶融物を急冷処理に付し、非晶質凝固物を得る。その急
冷処理は、双ロール法により行われる。向か合う一対の
金属ロールを高速回転させながら、双ロール間隙に溶融
物を流下させることにより、溶融物は金属ロールに接触
して急冷されつつロール間隙を通過し箔片状の凝固物と
して下方に排出される。その急冷効果により、非晶質凝
固物を効率よく得ることができる。
溶融物を急冷処理に付し、非晶質凝固物を得る。その急
冷処理は、双ロール法により行われる。向か合う一対の
金属ロールを高速回転させながら、双ロール間隙に溶融
物を流下させることにより、溶融物は金属ロールに接触
して急冷されつつロール間隙を通過し箔片状の凝固物と
して下方に排出される。その急冷効果により、非晶質凝
固物を効率よく得ることができる。
【0008】上記急冷処理により得られる非晶質凝固物
に熱処理を施して初生相繊維として二チタン酸カリウム
の結晶繊維を生成させる。この熱処理は、非晶質凝固物
を、温度750〜950℃に適当時間(約30〜60
分)加熱保持することにより達成される。処理温度の下
限を750℃とするのは、それより低い温度では二チタ
ン酸カリウムの結晶は生成しても、粒径約0.1μm程
度の微細粒子形態にとどまり、繊維生成を行なわせるこ
とができないからであり、950℃度を上限とするの
は、それを越えると溶融し始めるからである。生成する
二チタン酸カリウム結晶の繊維長は、約2〜50μm、
直径は約0.5〜10μmであり、熱処理温度を高める
につれ、生成する結晶の繊維長およびアスペクト比は大
きくなる。
に熱処理を施して初生相繊維として二チタン酸カリウム
の結晶繊維を生成させる。この熱処理は、非晶質凝固物
を、温度750〜950℃に適当時間(約30〜60
分)加熱保持することにより達成される。処理温度の下
限を750℃とするのは、それより低い温度では二チタ
ン酸カリウムの結晶は生成しても、粒径約0.1μm程
度の微細粒子形態にとどまり、繊維生成を行なわせるこ
とができないからであり、950℃度を上限とするの
は、それを越えると溶融し始めるからである。生成する
二チタン酸カリウム結晶の繊維長は、約2〜50μm、
直径は約0.5〜10μmであり、熱処理温度を高める
につれ、生成する結晶の繊維長およびアスペクト比は大
きくなる。
【0009】上記熱処理につづく脱カリウム処理による
結晶組成の変換、および焼成処理による結晶構造の変換
工程を経て得られる六チタン酸カリウム繊維の繊維形態
は、上記熱処理において初生相繊維として生成させた二
チタン酸カリウム結晶のそれとほゞ同じである。すなわ
ち、本発明方法によれば、非晶質凝固物から初生相二チ
タン酸カリウム結晶繊維を生成させる熱処理での処理温
度によつて、最終目的物である六チタン酸カリウム繊維
の繊維形態を制御することができ、その他の製造条件、
例えば加熱溶融物の急冷凝固における双ロールのクリア
ランスの厳密な制御等を必要とせず、十分な冷却速度で
非晶質化させておけば、熱処理温度の管理だけで、比較
的微細でかつ均質性にすぐれた六チタン酸カリウム繊維
を安定して得ることができる。
結晶組成の変換、および焼成処理による結晶構造の変換
工程を経て得られる六チタン酸カリウム繊維の繊維形態
は、上記熱処理において初生相繊維として生成させた二
チタン酸カリウム結晶のそれとほゞ同じである。すなわ
ち、本発明方法によれば、非晶質凝固物から初生相二チ
タン酸カリウム結晶繊維を生成させる熱処理での処理温
度によつて、最終目的物である六チタン酸カリウム繊維
の繊維形態を制御することができ、その他の製造条件、
例えば加熱溶融物の急冷凝固における双ロールのクリア
ランスの厳密な制御等を必要とせず、十分な冷却速度で
非晶質化させておけば、熱処理温度の管理だけで、比較
的微細でかつ均質性にすぐれた六チタン酸カリウム繊維
を安定して得ることができる。
【0010】上記熱処理が施こされた二チタン酸カリウ
ム結晶からなる繊維塊からのK+ イオンの溶出および解
繊化は、水(常温)、加熱水(約50〜80℃)、また
は各種の酸水溶液、例えば約0.05〜0.3%の硫酸
水溶液、約0.05〜0.3%の塩酸、約0.1〜1%
の酢酸水溶液等を洗液として行うことができる。この脱
カリウム処理により、TiO2 /K2Oのモル比が約6
になるまでK+ イオンを溶出させて初生相の二チタン酸
カリウム結晶を六チタン酸カリウム相当の化学組成を有
する水和チタン酸カリウムに変換する。K+ イオンの溶
出量は、処理液の使用量や処理時間等により調節するこ
とができる。また繊維塊は水和膨潤化により、へき開・
剥離を伴つて解繊化される。この脱カリウムおよび解繊
化の処理効率を高めるために、必要に応じ、プロペラ等
により処理液に攪拌流が加えられる。
ム結晶からなる繊維塊からのK+ イオンの溶出および解
繊化は、水(常温)、加熱水(約50〜80℃)、また
は各種の酸水溶液、例えば約0.05〜0.3%の硫酸
水溶液、約0.05〜0.3%の塩酸、約0.1〜1%
の酢酸水溶液等を洗液として行うことができる。この脱
カリウム処理により、TiO2 /K2Oのモル比が約6
になるまでK+ イオンを溶出させて初生相の二チタン酸
カリウム結晶を六チタン酸カリウム相当の化学組成を有
する水和チタン酸カリウムに変換する。K+ イオンの溶
出量は、処理液の使用量や処理時間等により調節するこ
とができる。また繊維塊は水和膨潤化により、へき開・
剥離を伴つて解繊化される。この脱カリウムおよび解繊
化の処理効率を高めるために、必要に応じ、プロペラ等
により処理液に攪拌流が加えられる。
【0011】上記脱カリウム処理を経て得られた繊維の
化学組成は六チタン酸カリウムのそれに相当している
が、結晶構造は先駆体である二チタン酸カリウムの結晶
構造(層状構造)を帯有しているので、これを六チタン
酸カリウムの結晶構造(トンネル構造)に変換する。こ
の構造変換は、温度約700〜1000℃(好ましくは
約900℃)での焼成処理により達成される。これによ
り、組成的にも構造的にも完全な六チタン酸カリウム繊
維となる。
化学組成は六チタン酸カリウムのそれに相当している
が、結晶構造は先駆体である二チタン酸カリウムの結晶
構造(層状構造)を帯有しているので、これを六チタン
酸カリウムの結晶構造(トンネル構造)に変換する。こ
の構造変換は、温度約700〜1000℃(好ましくは
約900℃)での焼成処理により達成される。これによ
り、組成的にも構造的にも完全な六チタン酸カリウム繊
維となる。
【0012】かくして得られる六チタン酸カリウム繊維
は、非晶質凝固物の熱処理工程で生成させた初生相繊維
とほゞ同じ繊維形態を有する多結晶繊維であり、その繊
維長は約2〜50μm、直径約0.5〜10μm(アス
ペクト比 約2〜6)であり、繊維形態のバラツキが少
なく、均質性にすぐれている。
は、非晶質凝固物の熱処理工程で生成させた初生相繊維
とほゞ同じ繊維形態を有する多結晶繊維であり、その繊
維長は約2〜50μm、直径約0.5〜10μm(アス
ペクト比 約2〜6)であり、繊維形態のバラツキが少
なく、均質性にすぐれている。
【0013】
〔I〕出発原料 チタン化合物として天然ルチルサンド(純度:95.6
%,オーストラリア産)、カリウム化合物として工業用
炭酸カリウム(純度:99.5%)を、TiO2 /K2
Oのモル比が2.0となる割合で混合。 〔II〕加熱溶融 出発原料混合粉末を白金るつぼに入れ、1100℃×4
0分間加熱溶融。 〔III〕急冷処理 加熱溶融物を高速回転する金属製双ロールのロール間隙
に流下させてフレーク状の凝固物を得る。凝固物は完全
な非晶質である(X線回折)。 〔IV〕熱処理 上記フレーク状非晶質凝固物をアルミナるつぼに入れて
熱処理する。 処理温度:750℃,800℃,900℃ 処理時間:40分 〔V〕洗液による脱カリウムおよび解繊処理 水を洗液とし、上記熱処理物を、200倍量の水(常
温)に浸漬し、プロペラ攪拌下、3時間処理。洗液から
回収された繊維は、六チタン酸カリウム相当組成を有す
る水和チタン酸カリウム繊維である(X線回折)。 〔VI〕焼成処理 上記繊維を脱水、乾燥後、アルミナるつぼに入れ900
℃に保持された炉中に3時間保持。 得られた繊維は六チタン酸カリウム多結晶繊維である。
%,オーストラリア産)、カリウム化合物として工業用
炭酸カリウム(純度:99.5%)を、TiO2 /K2
Oのモル比が2.0となる割合で混合。 〔II〕加熱溶融 出発原料混合粉末を白金るつぼに入れ、1100℃×4
0分間加熱溶融。 〔III〕急冷処理 加熱溶融物を高速回転する金属製双ロールのロール間隙
に流下させてフレーク状の凝固物を得る。凝固物は完全
な非晶質である(X線回折)。 〔IV〕熱処理 上記フレーク状非晶質凝固物をアルミナるつぼに入れて
熱処理する。 処理温度:750℃,800℃,900℃ 処理時間:40分 〔V〕洗液による脱カリウムおよび解繊処理 水を洗液とし、上記熱処理物を、200倍量の水(常
温)に浸漬し、プロペラ攪拌下、3時間処理。洗液から
回収された繊維は、六チタン酸カリウム相当組成を有す
る水和チタン酸カリウム繊維である(X線回折)。 〔VI〕焼成処理 上記繊維を脱水、乾燥後、アルミナるつぼに入れ900
℃に保持された炉中に3時間保持。 得られた繊維は六チタン酸カリウム多結晶繊維である。
【0014】表1に、上記工程を経て得られた六チタン
酸カリウム繊維の繊維長測定結果を示す。表中、L(5
0)は、繊維長の重量基準積算分布における積算量50
%に対応する繊維長を意味し、同様にL(25)および
L(75)は、それぞれ積算量25%および75%に対
応する繊維長を意味している。図1は、表1の測定結果
をグラフに示したものである。なお、処理温度750℃
の熱処理を経て得られた六チタン酸カリウム繊維のアス
ペクト比は約2であり、同800℃および900℃の熱
処理を経て得られた六チタン酸カリウム繊維のアスペク
ト比は、それぞれ約3,および約4である。
酸カリウム繊維の繊維長測定結果を示す。表中、L(5
0)は、繊維長の重量基準積算分布における積算量50
%に対応する繊維長を意味し、同様にL(25)および
L(75)は、それぞれ積算量25%および75%に対
応する繊維長を意味している。図1は、表1の測定結果
をグラフに示したものである。なお、処理温度750℃
の熱処理を経て得られた六チタン酸カリウム繊維のアス
ペクト比は約2であり、同800℃および900℃の熱
処理を経て得られた六チタン酸カリウム繊維のアスペク
ト比は、それぞれ約3,および約4である。
【0015】
【表1】
【0016】これより、本発明の六チタン酸カリウム繊
維は、非晶質凝固物から初生相二チタン酸カリウム結晶
の繊維を生成させる熱処理での処理温度によつて、その
繊維形態が制御され、比較的微細で均質な繊維が得られ
ることがわかる。
維は、非晶質凝固物から初生相二チタン酸カリウム結晶
の繊維を生成させる熱処理での処理温度によつて、その
繊維形態が制御され、比較的微細で均質な繊維が得られ
ることがわかる。
【0017】
【発明の効果】本発明方法によれば、六チタン酸カリウ
ム繊維を比較的微細で均質性にすぐれた繊維として得る
ことができ、またその繊維形態は、非晶質凝固物の熱処
理温度により比較的自由にかつ容易に制御することがで
きる。本発明方法により得られる六チタン酸カリウム繊
維は、その繊維形態から湿式ペーパクラツチ等の摺動材
を製造する基材繊維として、あるいは塗料用添加剤、光
沢顔料等として有用である。
ム繊維を比較的微細で均質性にすぐれた繊維として得る
ことができ、またその繊維形態は、非晶質凝固物の熱処
理温度により比較的自由にかつ容易に制御することがで
きる。本発明方法により得られる六チタン酸カリウム繊
維は、その繊維形態から湿式ペーパクラツチ等の摺動材
を製造する基材繊維として、あるいは塗料用添加剤、光
沢顔料等として有用である。
【図1】本発明方法により得られる六チタン酸カリウム
繊維の繊維長と、非晶質凝固物の熱処理温度の関係を示
すグラフである。
繊維の繊維長と、非晶質凝固物の熱処理温度の関係を示
すグラフである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−104522(JP,A) 特開 昭52−37832(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C30B 1/00 - 35/00 C01G 1/00 - 57/00
Claims (1)
- 【請求項1】 加熱により二酸化チタン(TiO2 )と
なるチタン化合物と加熱により酸化カリウム(K2 O)
となるカリウム化合物とを、TiO2 /K2 Oのモル比
が1.5〜2.5となるように配合した混合物の加熱溶
融物を、金属双ロール法により急冷して非晶質凝固物と
なし、 非晶質凝固物を、温度750〜950℃で熱処理するこ
とにより、二チタン酸カリウム結晶繊維を生成させたの
ち、 上記熱処理物を、洗液中で処理することにより、K+ イ
オンを溶出させて二チタン酸カリウム結晶繊維を六チタ
ン酸カリウム相当組成の水和チタン酸カリウム繊維に組
成変換すると共に、その繊維塊を解繊し、 脱水、乾燥の後、焼成処理して水和チタン酸カリウム繊
維を六チタン酸カリウム結晶に構造変換することを特徴
とする六チタン酸カリウム繊維の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3299907A JP2816908B2 (ja) | 1991-10-18 | 1991-10-18 | 六チタン酸カリウム繊維の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3299907A JP2816908B2 (ja) | 1991-10-18 | 1991-10-18 | 六チタン酸カリウム繊維の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05105447A JPH05105447A (ja) | 1993-04-27 |
JP2816908B2 true JP2816908B2 (ja) | 1998-10-27 |
Family
ID=17878373
Family Applications (1)
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