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JP2813423B2 - 電気化学式ガスセンサ - Google Patents

電気化学式ガスセンサ

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JP2813423B2
JP2813423B2 JP2153564A JP15356490A JP2813423B2 JP 2813423 B2 JP2813423 B2 JP 2813423B2 JP 2153564 A JP2153564 A JP 2153564A JP 15356490 A JP15356490 A JP 15356490A JP 2813423 B2 JP2813423 B2 JP 2813423B2
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範行 山鹿
孝啓 井上
繁量 草薙
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、電気化学式ガスセンサに関し、詳しく
は、電気化学反応を利用して、大気中のガス等を検出す
るガスセンサに関するものである。
〔従来の技術〕
電気化学反応を利用してガスセンサの基本的な構造と
しては、複数の電極をイオン伝導体すなわち電解質でつ
ないで電気化学的な反応を起こさせるようになってい
る。イオン伝導体の材料としては、従来、液体電解質や
ゲル状電解質を用いていたが、液漏れや溶媒の蒸発が生
じるために、センサの耐久性や信頼性に劣るという問題
があった。このような問題点を解決するために、無機あ
るいは有機の固体電解質を用いたガスセンサの開発が進
められた。
無機物の固体電解質としては、β−アルミナ、ナシコ
ン、リシコン、安定化ジルコニア等がある。しかし、こ
れらの無機物からなる固定電解質では、常温におけるイ
ンピーダンスが高いため、常温ではイオンが伝導し難い
状態になる。したがって、一般には、前記のような無機
物固体電解質は加熱してインピーダンスが低い状態にし
て利用するが、このことはガスセンサの消費電力が大き
くなることを意味しており、実用上好ましくない。
有機物の固体電解質としては、ポリスチレンスルホネ
ート、ポリビニルスルホネート、パーフルオロスルホネ
ートポリマー、パーフルオロカルボキシレートポリマー
等のカチオン交換樹脂に属するポリマーがある。これら
の樹脂のうち、パーフルオロスルホネートポリマーが、
実用的に最も適したものとして広く使用されており、例
えば、ナフィオン(商品名、ディポン社製)と呼ばれる
ものがある。
上記パーフルオロスルホネートポリマーが好ましい理
由は、カチオンの解離度が大きいこと、すなわちインピ
ーダンスが小さいこと、あるいは、熱的、電気化学的に
比較的安定であること等である。また、パーフルオロス
ルホネートポリマーは、溶媒に可溶であるため、溶液を
キャスティングすることによって、絶縁基板や電極の上
に容易にパーフルオロスルホネートポリマーからなる固
体電解質層を形成することができる。このことは、ガス
センサの製造が容易であることを意味している。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記のようなパーフルオロスルホネートポリマーを電
解質に用いた電気化学式ガスセンサでは、パーフルオロ
スルホネートポリマーの物性値が、温度や湿度等の環境
条件に依存して大きく変動し、また、経時的にも変化す
る。そのため、センサの感度にも、環境条件による変動
や経時変化を生じ、正確な検出結果が得られないという
問題があった。
すなわち、電極間をつなぐ電解質であるパーフルオロ
スルホネートポリマーのインピーダンスやガス透過性等
の物性値は、ガスセンサの感度に非常に大きな影響を与
えるため、環境条件や経時による物性の変動が、そのま
まセンサ感度の変化となって表れるのである。
しかし、ガスセンサとしては、前記のような温度や湿
度の変動あるいは時間の経過に関わらず、一定濃度のガ
スに対して常に一定の感度を示さなければ、正確な検知
情報が得られず、センサとしての機能を充分に果たすこ
とが出来ない。そのため、環境条件や経時によるセンサ
感度の変化を補正して、正確な検出結果が得られるよう
にすることが望まれていた。
そこで、本願発明者らは、センサ内にガスセンサ素子
とは別に湿度センサを組み込んで、湿度変化に対する感
度補正ができるようにした電気化学式ガスセンサを発明
し、先に特願平2−79804号にて特許出願している。し
かし、このセンサの場合、ガスセンサ素子とは構造や動
作の異なる湿度センサを組み込んでいるため、制御回路
等の構造が複雑になって、センサ全体の外形寸法も大き
くなり、コストが高くつく問題がある。また、湿度によ
るセンサ感度の変動は補正できるが、湿度以外の温度そ
の他の環境条件に対する感度補正はでない。
なお、異なる環境条件毎に、それぞれの環境条件の変
動を検知するセンサを組み込んでおけば、それぞれの環
境条件に対する感度補正ができるが、環境条件の数だけ
異なるセンサを組み込むのでは、センサの構造が極めて
複雑になり、コストも非常に高くつくことになる。
さらに、従来のガスセンサでは、センサ素子の経時的
な感度変化を補正することはできなかった。
環境条件の変動または経時に伴う電解質の特性変化に
よるセンサの感度補正が必要なのは、前記したパーフル
オロスルホネートポリマーを用いた場合だけでなく、各
種の固体電解質あるいは液体電解質を用いた場合でも同
様である。
そこで、この発明の課題は、環境条件の変動および経
時に対する感度補正を、簡単かつ確実に行うことができ
る電気化学式ガスセンサを提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するため、この発明にかかる電気化学
式ガスセンサは、複数の電極を電解質でつないで検知作
用を行わせる電気化学式ガスセンサにおいて、一つの素
子内に、使用環境に一定の濃度で存在する基準ガスを検
知する1組の電極および電解質からなる基準ガス検知部
と、前記基準ガスと同じ使用環境中に含まれ基準ガスと
は異なるガス成分であって検知対象となる対象ガスを検
知する1組の電極および電解質からなる対象ガス検知部
とを備え、さらに、基準ガス検知部の出力信号をもとに
対象ガス検知部の出力信号を補正する感度補正手段を備
えている。
電極は、金、白金その他の通常の電極材料からなり、
作用極、対極、参照極等と呼ばれ、それぞれの機能に対
応した形状や配置構造を有する複数の電極を1組にし
て、絶縁基板等の支持部材を支持させておく。そして、
これらの電極の上およびその間をパーフルオロスルホネ
ートポリマー等の高分子固体電解質あるいは無機固体電
解質で覆ったり、液体やゲル状の電解質と電極を接触さ
せたりして、電極同士が電解質でつながれた状態にして
ガスセンサ素子を構成する。これらの、ガスセンサ素子
の基本的な構造については、従来の通常の電気化学式ガ
スセンサと同様の構造が採用できる。
この発明では、一つの素子内に、前記のような電極組
からなる検知部を2組備えている。まず、基準ガス検知
部として、使用環境に一定の濃度で存在する基準ガスを
検知するための1組の電極を備えている。基準ガスとし
ては、例えば、大気中で使用する場合には、酸素ガスが
前記のような条件を満たし、好ましいものとなるが、酸
素ガス以外の大気成分を用いることもでき、使用環境が
違えば、その環境に対応した基準ガスを選択すればよ
い。基準ガス検知部では、上記のような基準ガスを検知
できるように、作用極と参照極の間にかける印加電圧等
を設定しておく。つぎに、対象ガス検知部として、検知
対象となる対象ガスを検知するための1組の電極を備え
ている。検知対象となるガスは、一酸化炭素、アルコー
ル、硫化水素その他、各種のガスであり、検知対象とな
るガスの種類に合わせて、作用極と参照極の間にかける
印加電圧等を設定しておく。基準ガス検知部と対象ガス
検知部は、感度特性が同一もしくはほぼ同等になるよう
に、電極や電解質の材料や構造を設定しておくことが好
ましい。そのためには、基準ガス検知部と対象ガス検知
部とが、全く同一の寸法形状および材料からなるものを
用いればよいが、両方の感度特性に一定の相関関係があ
って実質的に同等の感度特性が発揮できれば、それぞれ
の検知部の機能や検知するガスの種類等に合わせて、電
極の材料等が一部異なるものを採用することもできる。
対象ガス検知部および基準ガス検知部には、通常の電
気化学式ガスセンサと同様に、電圧を印加する電源回路
や作用極と対極の間を流れる電流を検出する検出回路等
からなる電子回路が接続される。これらの電子回路は、
前記したセンサ部分を形成する絶縁基板とは別の基板上
に形成しておき、リード線等でつないでもよいし、同一
基板上にセンサ部分と電子部分の両方を形成しておいて
もよい。
上記電子回路の一部に、基準ガス検知部の出力信号を
もとに対象ガス検知部の出力信号を補正する感度補正回
路を組み込んでおく等して感度補正手段を設けておく。
感度補正手段としては、対象ガス検知部の出力信号から
環境条件や経時の影響を除いて、対象ガスの正確な検知
情報を出力できるように信号を処理できれば、任意の電
子回路等で構成することができ、具体的には、予め基準
ガス検知部に対象ガス検知部の感度特性を測定して、基
準ガス検知部と対象ガス検知部の感度特性の相関関係を
求め、この相関関係をもとにして適切な感度補正が行わ
れるように感度補正回路を設計しておけばよい。
〔作用〕
電気化学式ガスセンサにおいては、ガス成分が作用極
と電解質との界面で電気化学反応を起こすことによっ
て、ガス成分を検出する。したがって、センサ感度が変
化する原因としては、ガス成分が作用極と電解質の界面
まで到達する速度が変化すること、電気化学反応の反応
速度が変化すること、反応でできた生成物が対極まで移
動する速度が変化すること等があり、これらの現象の発
生やその進行は、電極や電解質の構成によって決まって
くる。したがって、電極や電解質の構成をほぼ同じにし
ておく等により、基準ガス検知部の感度特性を対象ガス
検知部の感度特性とほぼ同等にすることが可能である。
このようにすれば、対象ガス検知部と基準ガス検知部
は、種々の環境条件の変動や経時に伴うセンサ感度の変
化が同じように生じる。言い換えれば、対象ガス検知部
と基準ガス検知部は、センサ感度の変化に一定の相関関
係を有することになる。
基準ガス検知部では、使用環境に一定濃度で存在する
基準ガスを検知するので、この一定濃度の基準ガスに対
する基準ガス検知部の出力信号を継続的に監視しておけ
ば、基準ガス検知部の出力信号は、センサ感度の変化を
表すことになり、環境条件や経時によってセンサ感度が
どのように変化するのかを知ることができる。基準ガス
検知部におけるセンサ感度の変化は、前記したように、
対象ガス検知部におけるセンサ感度の変化と相関関係が
あるので、基準ガス検知部における出力信号をもとにし
て対象ガス検知部の出力信号を補正すれば、対象ガス検
知部の出力信号から、環境条件や経時によるセンサ感度
の変化の影響を取り除いて、対象ガスに対する正確な検
知情報を得ることができる。
〔実 施 例〕
ついで、この発明の実施例について、図面を参照しな
がら以下に詳しく説明する。
第1図および第2図は電気化学式ガスセンサの模式的
構造を示しており、絶縁基板10の表面に、白金や金その
他の電極材料からなる複数組の電極が形成されている。
すなわち、検知対象ガスを検知するための作用極20、対
極30および参照極40の3本の矩形状電極からなる対象ガ
ス用の電極組と、この電極組と対照的に向かい合うよう
に配置され、基準ガスである酸素を検知するための作用
極50、対極60および参照極70の3本の矩形状電極からな
る基準ガス用の電極組を備えている。電極の形成はスパ
ッタや蒸着等の通常の電極形成手段が利用され、各電極
の構造は通常のガスセンサと同様でよい。
2組の電極20〜40と電極50〜70には、それぞれの上お
よび間を覆って、パーフルオロスルホネートポリマー等
からなる固体電解質層80、82が形成されている。固体電
解質層80と82とは、互いに分離して形成されている。固
体電解質層80、82の材料や形成材料は、通常のガスセン
サと同様でよい。各電極20〜70の一端は、固体電解質層
80、82の外部まで延長されて露出しており、外部回路へ
の接続用端子部22、32、42、52、62、72となっている。
このようにして、ひとつの絶緑基板10上に、全く構造の
同じ基準ガス検知部Bと対象ガス検知部Aとが並んで設
けられていることになる。
対象ガス検知部Aは、各端子22〜42にリード線102を
介して検出回路部100が接続されており、検出回路部100
は感度補正回路部120に接続されている。基準ガス検知
部Bは、各端子部22〜42にリード線104を介して検出回
路部110が接続されており、検出回路部110は前記感度補
正回路部120に接続されている。検出回路部100,110は、
通常のガスセンサと同様に、対象ガス検知部Aおよび基
準ガス検知部Bに電源を供給したり、作用極20と対極30
または作用極50と対極60の間を流れる電流を検知したり
して、得られた検出信号を感度補正回路部120へと出力
する。感度補正回路部120では、基準ガス検知部Bから
出力信号をもとにして、対象ガス検知部Aの出力信号を
補正し、環境条件や経時によるセンサ感度の変動の影響
を除いた対象ガスの正確な検知情報を出力する。感度補
正回路120は、各種計測装置やセンサ装置に利用されて
いるのと同様の適当な電子回路により構成されている。
以上のような構造を有するガスセンサのセンサ作用を
説明する。検知対象ガスのガス成分は、対象ガス検知部
Aで、固体電解質層80の表面から内部を透過して作用極
20に到達し、ここで電気化学反応を起こす。対極30で
は、上記作用極20と対になる反応が起きる。その結果、
作用極20と対極30の間に検知電流が流れて、ガス成分の
検知および定量が行える。参照極40は、作用極20の電位
を一定に維持するための基準としての機能を果たす。す
なわち、作用極20の電位を、検知対象となるガス成分に
対応して、一定の電位に維持しておくことによって、目
的とする対象ガスのみを検知できるようにする。このよ
うなセンサ作用は、通常のガスセンサの場合と全く同様
である。但し、対象ガス検知部Aの出力信号は、温度や
湿度等の環境条件の変動あるいは経時に伴うセンサ感度
の変化の影響を含んでおり、このままでは、対象ガスの
正確な検知情報とは言えない。
ついて、センサの感度補正作用について説明する。基
準ガス検知部Bでは、固体電解質層82の表面から内部を
透過して作用極50に基準ガスである酸素が到達し、ここ
で電気化学反応を起こす。対極60は、上記作用極50と対
となる反応が起こり、作用極50と対極60の間に酸素検知
電流が流れるのである。なお、この基準ガス検知部Bで
は、作用極50の電位を、参照極70を基準にして、酸素に
対応する一定の電位に維持しておき、酸素のみを検知で
きるようにしておく。すなわち、対象ガス検知部Aと基
準ガス検知部Bでは、作用極20と50の電位設定が異なる
だけで、電気化学反応や検知電流が流れる原理作用は全
く同じである。このようにして得られた基準ガス検知部
Aの出力信号にも、温度や湿度等の環境条件の変動ある
いは経時に伴うセンサ感度の変化の影響を含んでいる。
酸素は、大気中に常に一定濃度で存在しているので、
センサ感度の変化がなければ、基準ガス検知部Bでは常
に一定の検知電流すなわち出力信号が得られるはずであ
る。しかし、前記したように、基準ガス検知部Bのセン
サ感度は環境条件や経時によって変化するので、出力信
号も変化する。すなわち、この基準ガス検知部Bにおけ
る出力信号の変化は、センサ感度の変化をそのまま表し
ていることになる。したがって、基準ガス検知部Bにお
ける出力信号を常時モニターしておき、この基準ガス検
知部Bの出力信号すなわちセンサ感度の変化量をもとに
して、対象ガス検知部Aの出力信号を補正すれば、対象
ガス検知部Aの出力信号からセンサ感度の変化の影響の
みを取り除くことができる。具体的には、例えば、対象
ガス検知部Aの出力値から基準ガス検知部Bの出力値を
差し引いたり、基準ガス検知部Bの出力値に適当な係数
をかけてから対象ガス検知部Aの出力値を割ったり差し
引いたりする等、適当な演算処理を行えばよく、このよ
うな演算処理を前記感度補正回路120で実行させればよ
いのである。
つぎに、上記した構造の電気化学式ガスセンサを製造
して、環境条件の変動や経時に伴う感度変化を測定した
結果について説明する。
−実施例1− 絶縁基板10の材料として10mm角のガラス板を用いた。
但し、基板と電極との密着性を上げるために、ガラス板
の上にスパッタリング厚さ2000Å程度のポリシリコン層
を形成した。この絶縁基板10の上にスパッタリングで白
金からなる作用極20,50、対極30,60および金からなる参
照極40,70を作製した。その後、パーフルオロスルホネ
ートポリマーを5重量%含む溶液を、各電極20〜70およ
び絶縁基板10の上にキャスティングすることにより、厚
さ3μmの固体電解質層80,82を形成した。
このようにして製造されたセンサが、対象ガスに対す
るセンサ機能および感度補正機能を有していることを確
認するために、一酸化炭素と酸素に対するセンサ感度の
変化を測定した。
測定には、第3図に示す試験装置を用いた。測定用チ
ェンバー90内にガスセンサを収容し、各電極20…の端子
部22…をリード線91を介して、対象ガス検知部用と基準
ガス検知部用のそれぞれのポテンショスタット92,93に
接続した。各ポテンショスタット92,93には、それぞれ
レコーダ94,95が接続されている。
上記のような試験装置を用い、一酸化炭素を検知する
対象ガス検知部Aの作用極20と参照極40の間に印加電圧
を0.45Vに設定し、酸素を検知する基準ガス検知部Bの
作用極50と参照極70の間の印加電圧を−0.4Vに設定し
た。そして、基準ガス検知部Bの作用極50と対極60の間
を流れる酸素検知電流は、レコーダ95で常時監視した。
また、チェンバー90内の雰囲気を、空気のみの状態から
一酸化炭素を1000ppm含む空気に置き換え、その際に対
象ガス検知部Aの作用極20と対極30の間を流れる一酸化
炭素検知電流をレコーダ94で測定した。チェンバー90内
に、一定時間毎に一酸化炭素を供給したり、湿度や温度
を様々に変えたりしながら測定を繰り返した。
第4図は湿度を変化させた場合の測定結果、第5図は
温度を変化させた場合の測定結果、第8図は経時変化を
示す測定結果であり、何れの場合も、対象ガス検知部A
における一酸化炭素に対する感度特性と、基準ガス検知
部Bにおける酸素に対する感度特性とは、同じような傾
向を示しており、一定の相関関係があることが判る。上
記試験における対象ガス検知部Aと基準ガス検知部Bの
感度の比率等から感度補正係数その他の条件を決めて感
度補正回路部120を設計したところ、環境条件や経時に
関わらず、一定量の一酸化炭素に対しては常に一定の出
力信号が得られた。このことから、基準ガス検知部Bの
出力信号をもとにして、対象ガス検知部Aの出力信号を
補正すれば、温度や湿度および経時による感度変化の影
響を除いた、対象ガスの正確な検知情報を得られること
が実証された。
−実施例2− 前記実施例1において、基準ガス検知部Bにおける作
用極50の材料として金を用いた以外は、実施例1と同様
の工程を経てガスセンサを製造した。
このようにして製造されたガスセンサについても、前
記実施例1と同様の測定を行った。第6図、第7図およ
び第9図にその測定結果を示している。実施例2の場合
は、実施例1に比べて基準ガス検知部Bの酸素に対する
センサ感度が低いが、感度変化の挙動は、対象ガス検知
部における一酸化炭素に対するセンサ感度の感度変化の
挙動と同様であり、このガスセンサの場合も、基準ガス
検知部Bの検知出力をもとにして感度補正できることが
判る。
〔発明の効果〕
以上に述べた、この発明にかかる電気化学式ガスセン
サによれば、通常のガスセンサと同様の対象ガス検知部
に加えて、使用環境に一定の濃度で存在する基準ガスを
検知する基準ガス検知部を備えていることにより、対象
ガス検知部の出力信号を感度補正し、環境条件や経時に
伴うセンサ感度の変化の影響を取り除いて、対象ガスの
正確な検知情報を得ることができる。しかも、基準ガス
検知部と対象ガス検知部の感度特性の間に相関関係のあ
る全ての環境条件に対して同時にかつ自動的に感度補正
を行うことが可能になる。その結果、使用環境や時間経
過に関わらず常に一定の感度を有し、環境依存性や経時
変化のない信頼性の高いガスセンサを提供できることに
なる。
さらに、基準ガス検知部は、対象ガス検知部と同じ素
子内に設けられているので、基準ガス検知部を対象ガス
検知部と同じ製造工程で同時に作製することが可能であ
り、ガスセンサとは別に湿度センサ等を組み込むのに比
べて、はるかに構造が簡単になり、製造が容易になって
製造コストも削減され、センサ装置全体を小型化するこ
とが可能になる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例を示すガスセンサの全体構成
図、第2図は検知部の断面図、第3図はセンサ感度の試
験装置の概略構成図、第4図は湿度変化に対する測定結
果を示すグラフ図、第5図は温度変化に対する測定結果
を示すグラフ図、第6図は別の実施例の湿度変化に対す
る測定結果を示すグラフ図、第7図は温度変化に対する
測定結果を示すグラフ図、第8図および第9図はそれぞ
れ経時変化に対する測定結果を示すグラフ図である。 A……対象ガス検知部、B……基準ガス検知部、10……
絶縁基板、20,30,40,50,60,70……電極、80,82……固体
電解質、100,110……検出回路部、120……感度補正回路
フロントページの続き (72)発明者 草薙 繁量 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電 工株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−200160(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 27/26

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の電極を電解質でつないで検知作用を
    行わせる電気化学式ガスセンサにおいて、一つの素子内
    に、使用環境に一定の濃度で存在する基準ガスを検知す
    る1組の電極および電解質からなる基準ガス検知部と、
    前記基準ガスと同じ使用環境中に含まれ基準ガスとは異
    なるガス成分であって検知対象となる対象ガスを検知す
    る1組の電極および電解質からなる対象ガス検知部とを
    備え、さらに、基準ガス検知部の出力信号をもとに対象
    ガス検知部の出力信号を補正する感度補正手段を備えて
    いることを特徴とする電気化学式ガスセンサ。
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