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JP2813390B2 - 水晶体摘出者用眼鏡レンズ - Google Patents

水晶体摘出者用眼鏡レンズ

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JP2813390B2
JP2813390B2 JP1282551A JP28255189A JP2813390B2 JP 2813390 B2 JP2813390 B2 JP 2813390B2 JP 1282551 A JP1282551 A JP 1282551A JP 28255189 A JP28255189 A JP 28255189A JP 2813390 B2 JP2813390 B2 JP 2813390B2
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JP
Japan
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lens
transmittance
blue
disperse dye
wavelength
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JP1282551A
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JPH03144416A (ja
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正文 白石
茂治 貞包
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ホーヤ株式会社
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、眼鏡レンズに係り、詳しくは、白内障術後
の無水晶体眼患者に生ずる青視症を補正し、かつ光線障
害から眼を守るのに有効であり、さらに防眩効果、ファ
ッション性を有する水晶体摘出者用眼鏡レンズに関す
る。
[従来の技術] 通常眼に注がれる入射太陽光線のうち、紫外線は感光
性細胞に到達する前に角膜、水晶体等に吸収されるため
網膜組織は有害な紫外線から保護される。紫外線の吸収
は専ら角膜及び水晶体内で行なわれ、角膜は300nmまで
の波長を吸収する。また水晶体は、年令によって異なる
が、例えば50才の人眼水晶体は約400nmまでの波長の光
線を吸収する。水晶体がある種の病的変化、例えば白内
障を患った場合には水晶体は手術によって摘出し、眼鏡
レンズ、眼内レンズまたコンタクトレンズを使用する方
法が一般に普及している。
ところで白内障術後の無水晶体眼患者には青視症が発
症し易いことが知られている。青視症は、水晶体摘出眼
に発生する、白色の物体が青色に見える症状であり、水
晶体が本来黄ないし黄かっ色に着色した透光体である
為、水晶体を除去した状態では青色光が減弱されること
なく網膜に達する結果、正常眼に比べ物体が青く見える
のである。
この青視症を補正する手段として、例えば、特開平1
−204668号公報には、透明レンズ材料に黄色ないしオレ
ンジ色の着色剤を導入することにより得られるコンタク
トレンズが提案されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、特開平1−204668号公報に提案されて
いるコンタクトレンズは、人眼水晶体の透過率曲線に似
せてはいるものの、まだ不充分で、青視症補正に重要な
波長域400nmから450nmまでの透過率カーブの形が異なる
ために、青視症の補正が完全にはなされないという問題
を有している。また、上記コンタクトレンズは、黄色な
いしオレンジ色の着色剤のみを含有させているために、
450nm以上の光を減光する効果が弱いため、職業上やむ
を得ず強い太陽光線に過度にさらされる人々などの目を
痛める可能性がある。また上記コンタクトレンズは、限
定された色調しか出せず、ファッション性に乏しいとい
う問題点を有している。さらに、一般にコンタクトレン
ズは、洗浄などの手入れが大変で、洗浄の手間のかから
ない眼鏡レンズの装用を好む人も多数いる。
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたも
のであり、その目的は、従来の青視症補正用レンズより
もさらに青視症の補正効果を向上させることができ、し
かも防減効果を有し、さらに自由な色調を出すことがで
きる水晶体摘出者用眼鏡レンズを提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上述の目的は、紫外線吸収剤を含有する合成樹脂レン
ズを、3個のベンゼン環と2個のアゾ基とを有し、これ
らのベンゼン環がアゾ基を介してそれぞれ連結されてい
る芳香族化合物からなるイエロー系分散染料と、ブルー
系分散染料とを用いて染色加工してなり、波長400nmで
の透過率の範囲が2〜7%、波長450nmの透過率の範囲
が3〜45%、400nmから450nmでの透過率が波長の増加に
対してほぼ直線的に上昇し、且つ波長450nmから600nmま
での透過率75%以下であることを特徴とする水晶体摘出
用眼鏡レンズによって達成された。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の水晶体摘出者用眼鏡レンズは、白内障手術に
おいて水晶体を摘出し、眼内レンズ、コンタクトレンズ
を挿入した場合に、この眼内レンズ、コンタクトレンズ
とともに用いられる眼鏡レンズであっても良く、また白
内障手術において水晶体を摘出した後、眼内レンズ、コ
ンタクトレンズを挿入せずに用いられるキャタラクトレ
ンズであっても良い。
本発明において、合成樹脂レンズを得るためのモノマ
ーとしては、ジエチレングリコールビスアリルカーボネ
ートを主成分とするものが挙げられるが、重合によりプ
ラスチックレンズを形成するものであれば、アクリル酸
エステル類等の他のモノマーも使用できる。
本発明において、合成樹脂レンズ用モノマーに添加さ
れる紫外線吸収剤としては、種々のものがあるが、2,
2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンが特
に好ましく、その使用量は、合成樹脂レンズ用モノマー
に対し、好ましくは0.01〜4重量%、特に好ましくは0.
1〜2重量%である。その理由は、0.01重量%未満で
は、紫外線の減光効果が弱く、さらに4重量%を超える
と、レンズがもろくなり、成形性において好ましくない
からである。
紫外線吸収剤を含有する合成樹脂レンズは、上記モノ
マーに上記紫外線吸収剤を加えた後、注型重合などの種
々の重合方法で重合することにより得られる。また、上
記モノマーを注型重合などの種々の重合方法で重合して
合成樹脂レンズを得た後、この合成樹脂レンズを紫外線
吸収剤を含む溶液に浸漬して、紫外線を含有する合成樹
脂レンズを得ても良い。
本発明において、イエロー系分散染料として、3個の
ベンゼン環と2個のアゾ基とを有し、これらのベンゼン
環がアゾ基を介してそれぞれ連結されている芳香族化合
物が用いられ、その代表例として、 によって示されるものが挙げられる。イエロー系分散染
料を上述のように定義したものに限定した理由は、後述
する実施例からも明らかなように、上記の特定イエロー
系分散染料を、ブルー系分散染料と共に用いてレンズを
染色処理した場合、波長域380〜450nmの光に対して、人
眼水晶体と同様の吸収カーブを示すからである。
尚、前記した以外のイエロー系分散染料を用いること
は好ましくない。その理由は前記した以外のイエロー系
分散染料を、ブルー系分散染料と共に用いてレンズを染
色処理した場合、波長域420〜450nmの光に対しては、人
眼水晶体と同様の吸収カーブを示すが、波長域380〜420
nmの光に対しては、人眼水晶体と同様の吸収カーブの形
を示さず、そのため青視症の補正が完全にはなされず、
物体の色調を正確に識別できなくなるおそれがあるから
である。
本発明において、ブルー系分散染料を用いる理由は、
前述したイエロー系分散染料と共に用いることによっ
て、380〜450nmの光に対して、人眼水晶体と同様の吸収
カーブの形をもたせ、450nm以上の光に対する防眩効果
を付与させるためである。
本発明に使用されるブルー系分散染料として、モノア
ゾ系、ジスアゾ系、アントラキノン系、ニトロ系、スチ
リル系、メチン系、アロイレンベンズイミダクマリン
系、キノナフタロン系、タマリン系の分散染料が挙げら
れる。
本発明の水晶体摘出者用眼鏡レンズは、その分光透過
率に関して、次の2つの要件を必須要件とする。
(i) 波長400nmでの透過率の範囲が2〜7%、波長4
50nmでの透過率の範囲が30〜45%で、400nmから450nmで
の透過率が波長の増加に対してほぼ直線的に上昇する。
(ii) 波長450nmから600nmまでの透過率が75%以下で
ある。
先ず要件(i)について説明すると、この要件(i)
は青視症の補正に重要な波長域400nmから450nmまでの透
過率曲線を人眼水晶体の同一波長域の透過率曲線に酷似
させて青視症の補正を有効に行ない、かつ短波長の可視
光線からの網膜損傷を防くためのものである。この点に
ついて更に説明すると、波長400nmでの透過率の範囲を
2〜7%に限定したのは、400nmでの透過率が2%未満
又は7%を超えると、同一波長での人眼水晶体の透過率
と異なるものとなり、好ましくないからである。また45
0nmでの透過率の範囲を30〜45%に限定したのは、波長4
50nmでの透過率が45%を超える場合は、人眼水晶体より
も光の吸収機能が劣るために青視症の補正が不完全であ
り、また短波長の可視光線からの網膜損傷を防ぐのに不
充分となり、一方、波長450nmでの透過率が30%未満の
場合は、同一波長での人眼水晶体の透過率よりも低くな
り、好ましくないからである。また波長450nmでの透過
率が30%未満の場合は、限られた色調のものしか得られ
ず、ファッション性に欠ける点でも好ましくない。
さらに400nmから450nmでの透過率が波長の増加に対し
てほぼ連続的に上昇するという限定を行なった理由は、
人眼水晶体の透過率曲線は同一波長域で連続的に上昇し
ており、連続的に上昇しない場合、人眼水晶体の透過率
の上昇と異なるものとなってしまうからである。
次に要件(ii)について説明すると、この要件(ii)
は、450nm以上の光を減光し、防眩効果をもたせるさせ
るためのものである。すなわち、波長450nm〜600nmまで
の透過率を75%以下に限定した理由は、同一波長域での
透過率が75%を超えると450nm以上の光の減光効果、す
なわち防眩効果が弱く職業上やむを得ず強い太陽光線に
過度にさらされる人々などの目を痛める可能性があるか
らである。
本発明の水晶体摘出者用眼鏡レンズにおいては、上記
イエロー系分散染料およびブルー系分散染料とともに、
必要に応じ青視症補正効果を損なわない程度に、レッド
系、ピンク系およびオレンジ系などの分散染料の中から
選ばれる少なくとも1種の分散染料を用いることによ
り、種々の自由な色調を出すことができ、色調のバリエ
ーションをもたせることができる。上記レッド系、ピン
ク系およびオレンジ系などの分散染料として、モノアゾ
系、ジスアゾ系、アントラキノン系、ニトロ系、スチリ
ル系、メチン系、アロイレンベンズイミダクマリン系、
キノナフタロン系、クマリン系の分散染料が挙げられ
る。但し、これらの任意染料を用いる場合にも自由な色
調を出すという意味で、波長450nmから600nmまでの透過
率が75%以下であるという上記要件(ii)を満足させる
必要がある。
レンズを着色する方法は、レンズを着色したとき所望
の色調になるように、あらかじめ数種の分散染料を同一
染色槽に入れレンズを浸漬する方法と、それぞれ1種の
分散染料を入れた数種の染色槽に順次浸漬する方法があ
るが、方法については特に制限を受けない。
本発明の水晶体摘出者用眼鏡レンズの製造において、
レンズの染色条件は、染色濃度、染色温度及び浸漬時間
の各要素技術で異なるが、染色の再現性から、染色濃度
は使用される染料の合量にて0.01〜5重量%、浸漬時間
は30秒〜30分、染色濃度は60〜100℃であるのが好まし
い。
また、得られた眼鏡レンズに表面硬化被膜及びその他
の機能性被膜を形成させることにより表面改質を行なっ
て、新たな性質を付与することもできる。例えば、多官
能アクリレート又はメタクリレート系の紫外線硬化被膜
あるいはシリコーン系、メラミン系の熱硬化被膜により
耐摩耗性を付与したり、SiO、SiO2、TiO、CeF3、CeO2
ZrO2、MgF2、MgOなどを蒸着法により単層又は複数層成
膜して反射防止膜としたり、アクリレート又はメタクリ
レート系エラストマー、スチレン系エラストマーあるい
はウレタン系エラストマーを塗布して耐衝撃性の付与、
更には、公知の方法により防曇性、防汚性、帯電防止性
などを付与することもできる。また、これらの機能を2
種以上組み合せることも可能である。
[実施例] 以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明は
これらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1> 合成樹脂レンズ用モノマーとしてのジエチレングリコ
ールビスアリルカーボネートと、紫外線吸収剤としての
2,2′−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンとを
前者が99.85重量%、後者が0.15重量%となるように撹
拌機で十分に撹拌混合し、重合開始剤としてジイソプロ
ピルパーオキシカーボネート(IPP)を重量でモノマー1
00に対し3の割合で添加撹拌し、混合液を得た。次に、
ガラス型と樹脂製シールによりなるレンズ成形型内に前
記混合液を注入し、電気炉にて加熱重合を行なって、紫
外線吸収剤を含有する合成樹脂レンズ(レンズパラメー
ター −6.00〜+2.00D)を得た。
次に、染料として、 (1)イエロー系分散染料(前記の式(I)の染料) ダイアニックスイエロー5RE(三菱化成(株)製) (2)ブルー系分散染料 ダイアニックスブルーGRE(三菱化成(株)製)をそ
れぞれ3gずつ用い、これらにそれぞれ水1、界面活性
剤(ホーヤ(株)製ホーヤスタビライザー)2gを加えて
2種の染色液を調製した後、上記で得られた、紫外線吸
収剤を含有する合成樹脂レンズをダイアニックスイエロ
ー5RE染色液に染色温度85℃で3分、次にダイアニック
スブルーGRE染色液に染色温度85℃で6分浸漬してブラ
ウン系の色の眼鏡レンズを得た。
ブラウン系の色の本実施例の眼鏡レンズの分光透過率
曲線(日立製作所製の340自記分光光度計を使用して測
定した。以下同様)は第1図の実線aに示す通りであ
る。
第1図の実線aに示す分光透過率曲線により本実施例
の眼鏡レンズの紫外線の遮光性能及び可視光線の減光性
能は、下記の通りである。
すなわち、紫外線領域(約380nm以下)で、ほぼ100%
に近い遮光率を有する。
次に可視光線領域(約380〜780nm)について述べる。
第1図の一点鎖線eは、Ophthalmol.,77(1962年)
に示された53才における人眼水晶体の透過率曲線の一例
である。本実施例の眼鏡レンズについて得られた第1図
の実線aの透過率曲線を、上記人眼水晶体について得ら
れた第1図の一点鎖線eの透過率曲線と比較すると、波
長域400〜450nmにおいて、実線aの透過率カーブの形と
一点鎖線eの透過率カーブの形がほぼ一致しており、ま
た波長域450nmから600nmまでの透過率が70%以下である
ことがわかる。従って50〜55才前後の眼内レンズ、コン
タクトレンズ挿入者が本実施例の眼鏡レンズを着用する
と、眼内レンズ、コンタクトレンズに紫外線吸収剤、色
素が含まれていなくても、紫外線、可視光線から眼が保
護され、さらに青視症を補正することができ、防眩効果
も認められた。
<実施例2> 実施例1と同様のモノマー組成および重合方法で、紫
外線吸収剤を含有する合成樹脂レンズ(レンズパラメー
タ −6.00〜+2.00D)を得た。
次に、染料として (1)イエロー系分散染料(前記の式(I)の染料) ダイアニックスイエロー5RE(三菱化成(株)製) (2)レッド系分散染料 ダイアニックスレッドACE(三菱化成(株)製) (3)オレンジ系分散染料 レゾリンオレンジ3GL(バイエル社製) (4)ブルー系分散染料 ダイアニックスブルーRNE(三菱化成(株)製)をそ
れぞれ3gずつ用い、これらにそれぞれ水1、界面活性
剤(ホーヤ(株)製ホーヤスタビライザー)2gを加えて
4種の染色液を調製した後、上記で得られた紫外線吸収
剤含有合成樹脂レンズをダイアニックスイエロー5RE染
色液に染色温度85℃で3分、次にダイアニックスブルー
RNE染色液に染色温度85℃で4分、さらにダイアニック
スレッドACE染色液に染色温度85℃で3分、次にレゾリ
ンオレンジ3GL染色液に染色温度85℃で1分浸漬して、
ブラウン系の色の本実施例の眼鏡レンズを得た。
この眼鏡レンズの分光透過率曲線は第1図の実線bに
示す通りである。すなわち、紫外線領域で、ほぼ100%
に近い遮光率を有し、波長域400〜450nmにおける、本実
施例の眼鏡レンズについての実線bの透過率カーブの形
の、人眼水晶体についての一点鎖線eの透過率カーブの
形がほぼ一致しており、また波長域450nmから600nmまで
の透過率が60%以下であることがわかる。従って本実施
例の眼鏡レンズは、実施例1の眼鏡レンズと同様に紫外
線、可視光線から眼を保護し、さらに青視症を補正する
ことができ、防眩効果も付与されていることがわかる。
<実施例3> 実施例1と同様のモノマー組成および重合方法で、紫
外線吸収剤含有キャタラクトレンズ(レンズパラメータ
ー +5.00〜+15.00D)を得た。
次に染料として (1)イエロー系分散染料(前記の式(I)の染料) ダイアニックスイエロー5RE(三菱化成(株)製) (2)レッド系分散染料 ダイアニックスレッドACE(三菱化成(株)製) (3)オレンジ系分散染料 ダイアニックスオレンジBSE(三菱化成(株)製) (4)ブルー系分散染料 ダイアニックスブルーACE(三菱化成(株)製)をそ
れぞれ3gずつ用い、これらにそれぞれ水1、界面活性
剤(ホーヤ(株)製ホーヤスタビライザー)2gを加えて
4種の染色液を調製した後、上記で得られた紫外線吸収
剤含有キャタラクトレンズをダイアニックスイエロー5R
E染色液に染色温度85℃で3分、ダイアニックスレッドA
CE染色液に染色温度85℃で2分、ダイアニックスオレン
ジBSE染色液に染色温度85℃で2分、ダイアニックスブ
ルーACE染色液に染色温度85℃で4分30秒浸漬して、グ
リーン系の色のキャタラクトレンズを得た。本実施例の
キャタラクトレンズの分光透過率曲線は第1図の実線c
に示す通りである。すなわち、紫外線領域で、ほぼ100
%に近い遮光率を有し、波長域400〜450nmにおける、本
実施例の眼鏡レンズについての実線cの透過率カーブの
形と人眼水晶体についての一点鎖線eの透過率カーブの
形がほぼ一致しており、また波長域450nmから600nmまで
の透過率が55%以下であることがわかる。従って本実施
例のキャタラクトレンズからなる眼鏡レンズは、実施例
1の眼鏡レンズと同様に、紫外線、可視光線から眼を保
護し、さらに青視症を補正することができ、防眩効果も
付与されていることがわかる。
<実施例4> 実施例1と同様のモノマー組成および重合方法で紫外
線吸収剤含有合成樹脂レンズ(レンズパラメーター −
6.00〜+2.00D)を得た。
次に染料として (1)イエロー系分散染料(前記の式(I)の染料) ダイアニックスイエロー5RE(三菱化成(株)製) (2)レッド系分散染料 ダイアニックスレッドACE(三菱化成(株)製) (3)オレンジ系分散染料 レゾリンオレンジ3GL(バイエル社製) (4)ブルー系分散染料 スミカロンブルーEBL(住友化学(株)製)をそれぞ
れ3gずつ用い、これらにそれぞれ水1、界面活性剤
(ホーヤ(株)製ホーヤスタビライザー)2gを加えて4
種の染色液を調製した後、上記で得られた紫外線吸収剤
含有キャタラクトレンズをダイアニックスイエロー5RE
染色液に染色温度85℃で3分、次にダイアニックスレッ
ドACE染色液に染色温度85℃で2分、さらにレゾリンオ
レンジ3GL染色液に染色温度85℃で1分、次にスミカロ
ンブルーEBL染色液に染色温度85℃で1分30秒浸漬し
て、ブラウン系の色の眼鏡レンズを得た。本実施例の眼
鏡レンズの分光透過率曲線は第1図の実線dに示す通り
である。すなわち、紫外線領域で、ほぼ100%に近い遮
光率を有し、波長域400〜450nmにおける、本実施例の眼
鏡レンズについての実線dの透過率カーブの形の人眼水
晶体についての一点鎖線eの透過率カーブの形がほぼ一
致しており、また波長域450nmから600nmまでの透過率が
75%以下であることがわかる。従って本実施例の眼鏡レ
ンズは、実施例1の眼鏡レンズと同様に、紫外線、可視
光線から眼を保護し、さらに青視症を補正することがで
き、防眩効果も付与されていることがわかる。
<比較例> 実施例1と同一のモノマー組成及び重合方法で実施例
1と同一の紫外線吸収剤含有合成樹脂レンズを得た。
次に染料として、 (1)イエロー系分散染料(本発明において規定された
イエロー系分散染料に含まれない) ダイアニックスイエローYL−SE(三菱化成(株)製) (2)レッド系分散染料 ダイアニックスレッドACE(三菱化成(株)製) (3)オレンジ系分散染料 レゾリンオレンジ3GL(バイエル社製) (4)ブルー系分散染料 ダイアニックスブルーRNE(三菱化成(株)製)をそ
れぞれ3gずつ用い、これらにそれぞれ水1、界面活性
剤(ホーヤ(株)ホーヤスタビライザー)2gを加えて4
種の染色液を調製した後、上記で得られた紫外線吸収剤
含有合成樹脂レンズをダイアニックスイエローYE−SE染
色液に染色温度85℃で3分、次にダイアニックスブルー
RNE染色液に染色温度85℃で4分、さらにダイアニック
スレッドACE染色液に染色温度85℃で3分、次にレゾリ
ンオレンジ3GL染色液に染色温度85℃で1分浸漬して、
ブラウン系の色の眼鏡レンズを得た。ブラウン系の色の
本比較例の眼鏡レンズの分光透過率曲線は第2図の実線
fに示す通りである。
すなわち、紫外線領域では、ほぼ100%に近い遮光率
が得られるが、第2図の一点鎖線eに示す53才における
人眼水晶体の透過率曲線の一例と比較する波長域380nm
から450nmにおいて、透過率カーブの形が異なってお
り、青視症を補正するには不充分であることが判明し
た。
[発明の効果] 以上の通り、本発明によれば、青視症補正に極めて有
効で、防眩効果を有する眼鏡レンズを提供することがで
きた。また本発明の眼鏡レンズは、自由に色を出すこと
が可能でファッション性の面でも優れている。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例の眼鏡レンズの透過率曲線図、
第2図は比較例の眼鏡レンズの透過率曲線である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61F 9/00 G02C 7/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紫外線吸収剤を含有する合成樹脂レンズ
    を、3個のベンゼン環と2個のアゾ基とを有し、これら
    のベンゼン環がアゾ基を介してそれぞれ連結されている
    芳香族化合物からなるイエロー系分散染料と、ブルー系
    分散染料とを用いて染色加工してなり、波長400nmでの
    透過率の範囲が2〜7%、波長450nmの透過率の範囲が3
    0〜45%で、400nmから450nmでの透過率が波長の増加に
    対してほぼ直線的に上昇し、且つ波長450nmから600nmま
    での透過率が75%以下であることを特徴とする水晶体摘
    出者用眼鏡レンズ。
JP1282551A 1989-10-30 1989-10-30 水晶体摘出者用眼鏡レンズ Expired - Lifetime JP2813390B2 (ja)

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