JP2796624B2 - 歯車加工機 - Google Patents
歯車加工機Info
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- JP2796624B2 JP2796624B2 JP62248120A JP24812087A JP2796624B2 JP 2796624 B2 JP2796624 B2 JP 2796624B2 JP 62248120 A JP62248120 A JP 62248120A JP 24812087 A JP24812087 A JP 24812087A JP 2796624 B2 JP2796624 B2 JP 2796624B2
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Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本発明はラック形カッタを有する歯車加工機に関し,
特に,段付歯形,バリアブレシオ歯形等の歯形成形が可
能な歯車加工機に関する。 (従来の技術) ハンドル操作の操作性向上に関し,高速直進走行時で
の操縦安定性をよくし,低速旋回時での操舵力を軽くす
る目的で,ステアリングギアに段付歯車,バリアブルレ
シオ歯車等が使用される。すなわち,段付歯車は車両の
直進時でのガタ付をなくして直進状態を維持する作用を
し,バリアブルレシオ歯車はギア比を変化させて操舵力
を軽減させる。 段付歯車は第4図に示すように,中央歯40の両側面に
一対のコブ形状をなす段付歯40aを形成してなるもので
ある。また,バリアブルレシオ歯車は,第6図に示すよ
うに,ピッチ円径が変化する,すなわち中央歯61の両側
でピッチ円60の直径doが小さくなるように変化し,それ
に伴って歯数Zも減少するように変化する(モジュール
m=do/Zは一定)ものである。 段付歯車の段付歯40aの成形はラックカッタを転位す
ることにより成形が行われる。 従来の歯車加工機として第8図に示すものがある。同
図において、X軸,Y軸及びZ軸は一つの駆動モータM1に
より駆動されていた。すなわち,Y軸はX軸及び2つの歯
車シャフト70,71を介して駆動伝達され,Z軸は歯車機構7
2及び歯車シャフト73を介して駆動伝達され,これらX,
Y,Z3軸は同期伝達されていた。また,X0軸は油圧サーボ7
5により駆動され,この駆動制御は倣い機構74を介して
行われ,他の3軸と同期を画していた。 この従来加工機により段付歯を成形するには,治具ベ
ース76をガイド77に沿ってX0軸方向に摺動させる(ラッ
クカッタ78に対しワーク79を転位させる)ことにより成
形が行われていた。すなわち,X軸の回転によるねじ87の
送り作用によりテンプレート80が軸方向に移動し,この
移動によりテンプレートの倣い型はX軸に直交する触針
81の変位に置き換えられ,この変位はサーボバルブ82を
介してオイルの流量変化に変換される。この流量変化は
油圧サーボ75の油圧シリンダ83に導入されピストン84に
変位を与える。このピストン変位はこのピストンに連動
するくさび形のカム85に伝達され,このカムのシリンダ
軸方向の移動はこのカムに係合するロッド端部86aを介
してロッド86に伝達され,このロッドのX0軸方向移動に
よりストッパ位置決めされ2ヶのシリンダ88の動力によ
り治具ベース76の摺動が行われる。 (発明により解決すべき問題点) 上記従来装置においては,段付歯形を高精度に加工す
ることが困難であった。これは以下の理由による。 (i)オープンループ方式の油圧サーボを使用している
ため,治具ベースの正確な位置決めが困難である。 (ii)大重量の治具ベースを移動させるため,他軸との
同期が困難である。 (iii)油圧サーボにおいて,熱により差圧が不安定に
なり,正確な作動が困難である。 (iv)油圧サーボの連結部において,くさび形カムのく
いつき,あるいは離脱時の負荷抵抗によって,X0軸方向
の位置ずれをおこす。 また,バリアブルレシオ加工のようなワーク仕様に対
しては,従来の装置では適応が困難であった。 更にまた,段取時において,倣い加工用テンプレート
の交換後試加工する際のワーク位置決めが難しいため,
2,3回の試加工が必要とされていた。 よって,本発明は上記問題点を解決する新規な歯車加
工機を提供することを目的とする。 (発明による問題点の解決手段) 本発明の歯車加工機は、歯車素材を送り回転させるZ
軸モータと、前記歯車素材の回転円接線方向(Y軸方
向)にラック形カッタのピッチ線を位置決めすると共に
該カッタに該歯車素材の軸方向(Z軸方向)に往復切削
運動を与えるカッタアセンブリと、前記カッタアセンブ
リを介して前記カッタを前記接線方向に送り運動させる
Y軸モータと、前記Y軸モータ及び前記カッタアセンブ
リを搭載するコラムを前記歯車素材のラジアル方向に移
動させて該歯車素材と該カッタとの相対位置を変位させ
るX軸モータと、これらX軸、Y軸及びZ軸モータを駆
動制御するサーボ装置とを有し、前記サーボ装置は、少
なくとも前記Y軸モータ及び前記Z軸モータを駆動制御
して、前記カッタと前記歯車素材とがすべりなく転がり
接触するように該カッタのY軸方向の送り運動を速度制
御し且つ該歯車素材の回転運動を等加減速度制御を含ん
で速度−時間制御し、前記X軸モータを速度制御して該
カッタをX軸方向に移動し該歯車素材と該カッタとの相
対位置を一時的に変位させることにより、該歯車素材に
非完全対称性の歯形である段付バリアブルレシオ歯形を
創成することを特徴とする。 (実施例) 以下,本発明の一実施例を図面に基づき説明する。第
1図は本実施例に係る歯車加工機の正面図,第2図は同
平面図,第3図は同加工機の部分斜視図,を夫々示す。
歯車素材,すなわちセクタギアワークWの一端は,治具
プレート6の一端に形成された台6aに回転可能に支持さ
れている治具7にクランプ固定され位置決めがされてい
る。また,セクタギアワークWの他端は,治具プレート
6の他端に形成された台6b上を摺動可能に配されている
テールストック8のセンタ8aによりZ軸38方向に押圧さ
れている。治具7は,Z軸NCモータ22に連結されているウ
ォームギア18とこのウォームギア18とかみ合うギア13を
介して駆動され,ワークWはこのモータ22の回転に同期
して回転する。 ラック形カッタ10は,複数の切刃を有し,各切刃は横
方向に並列してくし形に形成されている。このくし形ラ
ックカッタ10は刃物ホルダ15に固定され,この刃物ホル
ダ15はY軸スライドテーブル39に摺動可能に配されてい
る。Y軸スライドテーブル39は,その外部に前記刃物ホ
ルダ15と主軸モータ5を配すると共に,その内部に,こ
の主軸モータ5に連結するギア23と,このギア23とかみ
合うギア24と,このギア24に連結するクランク機構14と
を有している。このクランク機構14は刃物ホルダ15に連
結している。主軸モータ5の回転はギア23,24及びクラ
ンク機構14を介して刃物ホルダ15に伝達されこの刃物ホ
ルダ15を前記ワークWの軸方向に往復運動させる。この
往復運動の切削行程でカッタ10による歯切が行われる。 この主軸モータ5からラックカッタ10に連なる一連の
アセンブリ25は,Y軸NCモータ26によりY軸30方向,すな
わち上下方向に駆動され,そのラックカッタ10のピッチ
線は前記セクタギアワークWのピッチ円接線位置に配さ
れてこの接線方向に上下運動する。すなわち,ギアボッ
クス4の上側外部4aにナット20が固定され,このナット
20の内部にボールネジ部が形成されている。このナット
20はこのボールネジ部を介してボールネジ19に螺合され
ている。ボールネジ19の一端はY軸モータ26に連結さ
れ,このY軸モータ26はコラム9に固定されている支持
部材27を介して回転可能にコラム9に支持されている。
Y軸モータ26の回転はこれに連結するボールネジ19を回
転させ,この回転によるネジの送り作用によりこれに螺
合するナット20は軸方向に移動する。このナット20の移
動を介してアセンブリ25は上下方向に駆動される。 このアセンブリ25は,ナット20,ボールネジ19,Y軸モ
ータ26及び支持部材27を介してコラム9に支持されてい
る。このコラム9はX軸32方向,すなわちセクタギアワ
ークのラジアル方向に配されているスライドベース2上
をX軸NCモータ28により駆動される(このX軸32は,前
記Y軸30と直交している)。すなわち,ナット17がコラ
ム9に固定され,このナット17の内部にはボールネジ部
が形成され,このナット17はこのボールネジ部を介して
ボールネジ16に螺合されている。このボールネジ16の一
端はX軸モータ28に連結され,このX軸モータ28はスラ
イドベース2に固定されている支持部材29を介して回転
可能にスライドベース2に支持されている。X軸モータ
28の回転はこれに連結するボールネジ16を回転させ,こ
の回転によるネジの送り作用によりこれに螺合するナッ
ト17は軸方向に移動する。このナット17の移動を介して
コラム9はスライドベース2上を摺動し,これによりカ
ッタとワークとの相対位置を変位させている。 これらX軸,Y軸及びZ軸モータはこれらモータを駆動
制御するサーボ装置29に連結されている。このサーボ装
置29は数値制御(NC)によるセミクローズドループ方式
のサーボ制御装置である。サーボ装置29は,NCコントロ
ーラ12を有し,このNCコントローラ12と各軸モータとは
エンコーダ12a及びデコーダ12bを介してそれぞれ連結し
ている。NCコントローラ12よりの指令はデコーア12bを
介して出力信号として各軸モータに送られ,各軸モータ
からの制御量(回転角等)はエンコーダ12aを介してNC
コントローラ12にフィードバックされる。 第5図に示すものは各種歯形を創成するための各軸NC
モータにおける速度−時間関係図である。5−1図は段
付歯形を創成するための各モータの駆動関係を示す。Y
軸モータとZ軸モータとは,これらモータにより送り運
動が与えられるカッタと歯車素材とが理想的にかみ合う
ような運動,すなわち転がり接触運動をするように速度
−時間制御される。すなわち,Y軸モータを介してカッタ
の直線送り運動が,またZ軸モータを介して歯車素材の
回転送り運動がそれぞれ与えられる。コブ状の段付歯形
は,X軸モータの一時的な駆動制御,すなわちカッタの歯
車素材に対するX軸方向の一時的な後退(駆動制御31)
及びリターン(後退位置から元にもどる駆動制御32)に
より達成される。 5−2図は段付バリアブルレシオ歯形を創作するため
の各モータの駆動関係を示す。ここでは,Z軸モータの回
転速度を等加速,あるいは等減速制御する。すなわち,Y
軸モータとの間に転がり接触運動の制御関係を与えつ
つ,Z軸モータを削り始め33より,等減速制御34,等速制
御35プラスX軸モータ制御37,及び等加速制御36して目
的の創成歯を創成する。 なお,本発明においては,5−3図に示すように,Z軸モ
ータの制御において,等加減速域を微小分割37し,第5
−2図に示す等加減速度制御と類似の制御を行い目標精
度を満足させる。 (実施例の作用) サーボ装置29において,指示数値データが書かれたプ
ログラムが読み込まれ,このプログラムデータがNCコン
トローラ12に送られると,このプログラムに沿って回転
速度等の指令がNCコントローラ12により発せられる。こ
の指令はデコーダ12bを介して各軸NCモータに出力信号
として送られ,これらモータを駆動制御する。また,各
軸モータの制御量(回転角度等)は,エンコーダ12aを
介してNCコントローラ12にフィードバックされ、更に目
標値に一致するように制御が行われる。 ラックカッタ10とセクタギアワークWとは,それぞ
れ,カッタアセンブリ25及び治具7を介して位置決めが
され,それぞれにY軸モータ26及びZ軸モータ22を介し
て送り運動が与えられ,これら両者はころがり接触する
運動を行う。ラックカッタ10は,主軸モータ5により駆
動されるクランク機構14を介して,セクタギアワークW
のZ軸38方向に往復運動を行っている。カッタ10とワー
クWとの間にはこれらが理想的にかみ合う送りが与えら
れており,この理想回転にじゃまになるワークの部分
は,このカッタの切削行程で削り取られ,歯形が形成さ
れる。 上記駆動制御を基本として,更に,X軸モータを駆動制
御することにより段付コンスタントレシオ歯形が,X軸モ
ータ及びZ軸モータを駆動制御することにより段付バリ
アブルレシオ歯形が,それぞれ創成される。 (効果) 本発明は,以上述べた通り,オープンループ方式の油
圧サーボ機構を廃止し,代わりにセミクローズドループ
方式のサーボ装置によりX,Y,Z3軸NCモータを駆動制御し
これらを同期化する。更に,作動不安定な油圧サーボ機
構を介して大重量の治具ベースを移動させる代わりに,
軽量のコラムを作動安定なNCモータを介して移動させ
る。その結果,段付歯形等高精度の歯形加工が可能とな
る。 また,Z軸モータの微小分割による等加減速度運動に対
する近似動作制御により,バリアブルレシオ歯形加工が
可能となる。 更にまた,複雑で大きなスペースを要するメカ機構が
省け,コンパクトな3軸NCモータ構成により設備のコン
パクト化,簡素化が図られ,設備スペースの縮小等イニ
シャルコストが低減されると共に段取時のテンプレート
交換,試加工等が省略され,段取工数が低減される。 従来の機械で,ラックカッタ刃部をコブ形状段付歯加
工用に歯を薄くするものがある。しかしながら,このも
のは歯形状の変更に対応できないばかりでなく、バリア
ブルレシオ創成にも対応できない。本発明は,カッタ形
状を変更することなく,一つのカッタを用いてNC制御に
より各種歯形を創成できるものである。
特に,段付歯形,バリアブレシオ歯形等の歯形成形が可
能な歯車加工機に関する。 (従来の技術) ハンドル操作の操作性向上に関し,高速直進走行時で
の操縦安定性をよくし,低速旋回時での操舵力を軽くす
る目的で,ステアリングギアに段付歯車,バリアブルレ
シオ歯車等が使用される。すなわち,段付歯車は車両の
直進時でのガタ付をなくして直進状態を維持する作用を
し,バリアブルレシオ歯車はギア比を変化させて操舵力
を軽減させる。 段付歯車は第4図に示すように,中央歯40の両側面に
一対のコブ形状をなす段付歯40aを形成してなるもので
ある。また,バリアブルレシオ歯車は,第6図に示すよ
うに,ピッチ円径が変化する,すなわち中央歯61の両側
でピッチ円60の直径doが小さくなるように変化し,それ
に伴って歯数Zも減少するように変化する(モジュール
m=do/Zは一定)ものである。 段付歯車の段付歯40aの成形はラックカッタを転位す
ることにより成形が行われる。 従来の歯車加工機として第8図に示すものがある。同
図において、X軸,Y軸及びZ軸は一つの駆動モータM1に
より駆動されていた。すなわち,Y軸はX軸及び2つの歯
車シャフト70,71を介して駆動伝達され,Z軸は歯車機構7
2及び歯車シャフト73を介して駆動伝達され,これらX,
Y,Z3軸は同期伝達されていた。また,X0軸は油圧サーボ7
5により駆動され,この駆動制御は倣い機構74を介して
行われ,他の3軸と同期を画していた。 この従来加工機により段付歯を成形するには,治具ベ
ース76をガイド77に沿ってX0軸方向に摺動させる(ラッ
クカッタ78に対しワーク79を転位させる)ことにより成
形が行われていた。すなわち,X軸の回転によるねじ87の
送り作用によりテンプレート80が軸方向に移動し,この
移動によりテンプレートの倣い型はX軸に直交する触針
81の変位に置き換えられ,この変位はサーボバルブ82を
介してオイルの流量変化に変換される。この流量変化は
油圧サーボ75の油圧シリンダ83に導入されピストン84に
変位を与える。このピストン変位はこのピストンに連動
するくさび形のカム85に伝達され,このカムのシリンダ
軸方向の移動はこのカムに係合するロッド端部86aを介
してロッド86に伝達され,このロッドのX0軸方向移動に
よりストッパ位置決めされ2ヶのシリンダ88の動力によ
り治具ベース76の摺動が行われる。 (発明により解決すべき問題点) 上記従来装置においては,段付歯形を高精度に加工す
ることが困難であった。これは以下の理由による。 (i)オープンループ方式の油圧サーボを使用している
ため,治具ベースの正確な位置決めが困難である。 (ii)大重量の治具ベースを移動させるため,他軸との
同期が困難である。 (iii)油圧サーボにおいて,熱により差圧が不安定に
なり,正確な作動が困難である。 (iv)油圧サーボの連結部において,くさび形カムのく
いつき,あるいは離脱時の負荷抵抗によって,X0軸方向
の位置ずれをおこす。 また,バリアブルレシオ加工のようなワーク仕様に対
しては,従来の装置では適応が困難であった。 更にまた,段取時において,倣い加工用テンプレート
の交換後試加工する際のワーク位置決めが難しいため,
2,3回の試加工が必要とされていた。 よって,本発明は上記問題点を解決する新規な歯車加
工機を提供することを目的とする。 (発明による問題点の解決手段) 本発明の歯車加工機は、歯車素材を送り回転させるZ
軸モータと、前記歯車素材の回転円接線方向(Y軸方
向)にラック形カッタのピッチ線を位置決めすると共に
該カッタに該歯車素材の軸方向(Z軸方向)に往復切削
運動を与えるカッタアセンブリと、前記カッタアセンブ
リを介して前記カッタを前記接線方向に送り運動させる
Y軸モータと、前記Y軸モータ及び前記カッタアセンブ
リを搭載するコラムを前記歯車素材のラジアル方向に移
動させて該歯車素材と該カッタとの相対位置を変位させ
るX軸モータと、これらX軸、Y軸及びZ軸モータを駆
動制御するサーボ装置とを有し、前記サーボ装置は、少
なくとも前記Y軸モータ及び前記Z軸モータを駆動制御
して、前記カッタと前記歯車素材とがすべりなく転がり
接触するように該カッタのY軸方向の送り運動を速度制
御し且つ該歯車素材の回転運動を等加減速度制御を含ん
で速度−時間制御し、前記X軸モータを速度制御して該
カッタをX軸方向に移動し該歯車素材と該カッタとの相
対位置を一時的に変位させることにより、該歯車素材に
非完全対称性の歯形である段付バリアブルレシオ歯形を
創成することを特徴とする。 (実施例) 以下,本発明の一実施例を図面に基づき説明する。第
1図は本実施例に係る歯車加工機の正面図,第2図は同
平面図,第3図は同加工機の部分斜視図,を夫々示す。
歯車素材,すなわちセクタギアワークWの一端は,治具
プレート6の一端に形成された台6aに回転可能に支持さ
れている治具7にクランプ固定され位置決めがされてい
る。また,セクタギアワークWの他端は,治具プレート
6の他端に形成された台6b上を摺動可能に配されている
テールストック8のセンタ8aによりZ軸38方向に押圧さ
れている。治具7は,Z軸NCモータ22に連結されているウ
ォームギア18とこのウォームギア18とかみ合うギア13を
介して駆動され,ワークWはこのモータ22の回転に同期
して回転する。 ラック形カッタ10は,複数の切刃を有し,各切刃は横
方向に並列してくし形に形成されている。このくし形ラ
ックカッタ10は刃物ホルダ15に固定され,この刃物ホル
ダ15はY軸スライドテーブル39に摺動可能に配されてい
る。Y軸スライドテーブル39は,その外部に前記刃物ホ
ルダ15と主軸モータ5を配すると共に,その内部に,こ
の主軸モータ5に連結するギア23と,このギア23とかみ
合うギア24と,このギア24に連結するクランク機構14と
を有している。このクランク機構14は刃物ホルダ15に連
結している。主軸モータ5の回転はギア23,24及びクラ
ンク機構14を介して刃物ホルダ15に伝達されこの刃物ホ
ルダ15を前記ワークWの軸方向に往復運動させる。この
往復運動の切削行程でカッタ10による歯切が行われる。 この主軸モータ5からラックカッタ10に連なる一連の
アセンブリ25は,Y軸NCモータ26によりY軸30方向,すな
わち上下方向に駆動され,そのラックカッタ10のピッチ
線は前記セクタギアワークWのピッチ円接線位置に配さ
れてこの接線方向に上下運動する。すなわち,ギアボッ
クス4の上側外部4aにナット20が固定され,このナット
20の内部にボールネジ部が形成されている。このナット
20はこのボールネジ部を介してボールネジ19に螺合され
ている。ボールネジ19の一端はY軸モータ26に連結さ
れ,このY軸モータ26はコラム9に固定されている支持
部材27を介して回転可能にコラム9に支持されている。
Y軸モータ26の回転はこれに連結するボールネジ19を回
転させ,この回転によるネジの送り作用によりこれに螺
合するナット20は軸方向に移動する。このナット20の移
動を介してアセンブリ25は上下方向に駆動される。 このアセンブリ25は,ナット20,ボールネジ19,Y軸モ
ータ26及び支持部材27を介してコラム9に支持されてい
る。このコラム9はX軸32方向,すなわちセクタギアワ
ークのラジアル方向に配されているスライドベース2上
をX軸NCモータ28により駆動される(このX軸32は,前
記Y軸30と直交している)。すなわち,ナット17がコラ
ム9に固定され,このナット17の内部にはボールネジ部
が形成され,このナット17はこのボールネジ部を介して
ボールネジ16に螺合されている。このボールネジ16の一
端はX軸モータ28に連結され,このX軸モータ28はスラ
イドベース2に固定されている支持部材29を介して回転
可能にスライドベース2に支持されている。X軸モータ
28の回転はこれに連結するボールネジ16を回転させ,こ
の回転によるネジの送り作用によりこれに螺合するナッ
ト17は軸方向に移動する。このナット17の移動を介して
コラム9はスライドベース2上を摺動し,これによりカ
ッタとワークとの相対位置を変位させている。 これらX軸,Y軸及びZ軸モータはこれらモータを駆動
制御するサーボ装置29に連結されている。このサーボ装
置29は数値制御(NC)によるセミクローズドループ方式
のサーボ制御装置である。サーボ装置29は,NCコントロ
ーラ12を有し,このNCコントローラ12と各軸モータとは
エンコーダ12a及びデコーダ12bを介してそれぞれ連結し
ている。NCコントローラ12よりの指令はデコーア12bを
介して出力信号として各軸モータに送られ,各軸モータ
からの制御量(回転角等)はエンコーダ12aを介してNC
コントローラ12にフィードバックされる。 第5図に示すものは各種歯形を創成するための各軸NC
モータにおける速度−時間関係図である。5−1図は段
付歯形を創成するための各モータの駆動関係を示す。Y
軸モータとZ軸モータとは,これらモータにより送り運
動が与えられるカッタと歯車素材とが理想的にかみ合う
ような運動,すなわち転がり接触運動をするように速度
−時間制御される。すなわち,Y軸モータを介してカッタ
の直線送り運動が,またZ軸モータを介して歯車素材の
回転送り運動がそれぞれ与えられる。コブ状の段付歯形
は,X軸モータの一時的な駆動制御,すなわちカッタの歯
車素材に対するX軸方向の一時的な後退(駆動制御31)
及びリターン(後退位置から元にもどる駆動制御32)に
より達成される。 5−2図は段付バリアブルレシオ歯形を創作するため
の各モータの駆動関係を示す。ここでは,Z軸モータの回
転速度を等加速,あるいは等減速制御する。すなわち,Y
軸モータとの間に転がり接触運動の制御関係を与えつ
つ,Z軸モータを削り始め33より,等減速制御34,等速制
御35プラスX軸モータ制御37,及び等加速制御36して目
的の創成歯を創成する。 なお,本発明においては,5−3図に示すように,Z軸モ
ータの制御において,等加減速域を微小分割37し,第5
−2図に示す等加減速度制御と類似の制御を行い目標精
度を満足させる。 (実施例の作用) サーボ装置29において,指示数値データが書かれたプ
ログラムが読み込まれ,このプログラムデータがNCコン
トローラ12に送られると,このプログラムに沿って回転
速度等の指令がNCコントローラ12により発せられる。こ
の指令はデコーダ12bを介して各軸NCモータに出力信号
として送られ,これらモータを駆動制御する。また,各
軸モータの制御量(回転角度等)は,エンコーダ12aを
介してNCコントローラ12にフィードバックされ、更に目
標値に一致するように制御が行われる。 ラックカッタ10とセクタギアワークWとは,それぞ
れ,カッタアセンブリ25及び治具7を介して位置決めが
され,それぞれにY軸モータ26及びZ軸モータ22を介し
て送り運動が与えられ,これら両者はころがり接触する
運動を行う。ラックカッタ10は,主軸モータ5により駆
動されるクランク機構14を介して,セクタギアワークW
のZ軸38方向に往復運動を行っている。カッタ10とワー
クWとの間にはこれらが理想的にかみ合う送りが与えら
れており,この理想回転にじゃまになるワークの部分
は,このカッタの切削行程で削り取られ,歯形が形成さ
れる。 上記駆動制御を基本として,更に,X軸モータを駆動制
御することにより段付コンスタントレシオ歯形が,X軸モ
ータ及びZ軸モータを駆動制御することにより段付バリ
アブルレシオ歯形が,それぞれ創成される。 (効果) 本発明は,以上述べた通り,オープンループ方式の油
圧サーボ機構を廃止し,代わりにセミクローズドループ
方式のサーボ装置によりX,Y,Z3軸NCモータを駆動制御し
これらを同期化する。更に,作動不安定な油圧サーボ機
構を介して大重量の治具ベースを移動させる代わりに,
軽量のコラムを作動安定なNCモータを介して移動させ
る。その結果,段付歯形等高精度の歯形加工が可能とな
る。 また,Z軸モータの微小分割による等加減速度運動に対
する近似動作制御により,バリアブルレシオ歯形加工が
可能となる。 更にまた,複雑で大きなスペースを要するメカ機構が
省け,コンパクトな3軸NCモータ構成により設備のコン
パクト化,簡素化が図られ,設備スペースの縮小等イニ
シャルコストが低減されると共に段取時のテンプレート
交換,試加工等が省略され,段取工数が低減される。 従来の機械で,ラックカッタ刃部をコブ形状段付歯加
工用に歯を薄くするものがある。しかしながら,このも
のは歯形状の変更に対応できないばかりでなく、バリア
ブルレシオ創成にも対応できない。本発明は,カッタ形
状を変更することなく,一つのカッタを用いてNC制御に
より各種歯形を創成できるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本実施例に係る歯車加工機の正面図,第2図は
同平面図,第3図は同加工機の部分斜視図,第4図は段
付歯形の形状を示す図,第5図は各種歯形を創成するた
めの各軸モータにおける速度−時間関係図,第6図はバ
リアブルレシオ歯形の形状を示す図,第7図は各軸モー
タとその制御関係図,第8図は従来の歯車加工機の斜視
図,を夫々示す。 9……コラム 10……ラックカッタ 12……NCコントローラ 22……Z軸モータ 25……カッタアセンブリ 26……Y軸モータ 28……X軸モータ
同平面図,第3図は同加工機の部分斜視図,第4図は段
付歯形の形状を示す図,第5図は各種歯形を創成するた
めの各軸モータにおける速度−時間関係図,第6図はバ
リアブルレシオ歯形の形状を示す図,第7図は各軸モー
タとその制御関係図,第8図は従来の歯車加工機の斜視
図,を夫々示す。 9……コラム 10……ラックカッタ 12……NCコントローラ 22……Z軸モータ 25……カッタアセンブリ 26……Y軸モータ 28……X軸モータ
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フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭54−89394(JP,A)
特開 昭60−80520(JP,A)
特開 昭58−165919(JP,A)
特開 昭56−69027(JP,A)
特公 昭33−549(JP,B1)
(58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名)
B23F
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.歯車素材を送り回転させるZ軸モータと、 前記歯車素材の回転円接線方向(Y軸方向)にラック形
カッタのピッチ線を位置決めすると共に該カッタに該歯
車素材の軸方向(Z軸方向)に往復切削運動を与えるカ
ッタアセンブリと、 前記カッタアセンブリを介して前記カッタを前記接線方
向に送り運動させるY軸モータと、 前記Y軸モータ及び前記カッタアセンブリを搭載するコ
ラムを前記歯車素材のラジアル方向に移動させて該歯車
素材と該カッタとの相対位置を変位させるX軸モータ
と、 これらX軸、Y軸及びZ軸モータを駆動制御するサーボ
装置とを有し、 前記サーボ装置は、少なくとも前記Y軸モータ及び前記
Z軸モータを駆動制御して、前記カッタと前記歯車素材
とがすべりなく転がり接触するように該カッタのY軸方
向の送り運動を速度制御し且つ該歯車素材の回転運動を
等加減速度制御を含んで速度−時間制御し、前記X軸モ
ータを速度制御して該カッタをX軸方向に移動し該歯車
素材と該カッタとの相対位置を一時的に変位させること
により、該歯車素材に非完全対称性の歯形である段付バ
リアブルレシオ歯形を創成することを特徴とする歯車加
工機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62248120A JP2796624B2 (ja) | 1987-10-02 | 1987-10-02 | 歯車加工機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62248120A JP2796624B2 (ja) | 1987-10-02 | 1987-10-02 | 歯車加工機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0192025A JPH0192025A (ja) | 1989-04-11 |
JP2796624B2 true JP2796624B2 (ja) | 1998-09-10 |
Family
ID=17173526
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62248120A Expired - Fee Related JP2796624B2 (ja) | 1987-10-02 | 1987-10-02 | 歯車加工機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2796624B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102962529B (zh) * | 2012-11-25 | 2014-12-17 | 安徽工程大学 | 一种非圆齿轮七轴六联动对角滚切方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CH624325A5 (ja) * | 1977-12-23 | 1981-07-31 | Maag Zahnraeder & Maschinen Ag | |
JPS58165919A (ja) * | 1982-03-24 | 1983-10-01 | Toyota Motor Corp | ホブ盤 |
JPS6080520A (ja) * | 1983-10-05 | 1985-05-08 | Fanuc Ltd | ホブ盤のヘリカルクラウニング切削制御法 |
-
1987
- 1987-10-02 JP JP62248120A patent/JP2796624B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0192025A (ja) | 1989-04-11 |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |