JP2793732B2 - 磁気抵抗効果型磁気ヘッドおよびその製造方法、ならびに、磁気信号再生装置 - Google Patents
磁気抵抗効果型磁気ヘッドおよびその製造方法、ならびに、磁気信号再生装置Info
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- Magnetic Heads (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録装置、特に、
磁気ディスク装置に用いられる磁気抵抗効果を利用した
磁気抵抗効果型磁気ヘッドならびにその製造方法に関す
る。
磁気ディスク装置に用いられる磁気抵抗効果を利用した
磁気抵抗効果型磁気ヘッドならびにその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおいて、磁
気抵抗効果膜の上下には、外部からの磁気をシールドす
るための薄膜である下部シールド膜と上部シールド膜と
が設けられている。従来、シールド膜の材質としては、
高い飽和磁束密度、高い透磁率を有する材料が用いられ
ている。最も多く用いられているのは、高い飽和磁束密
度、高い透磁率を有し、低保持力特性、低磁歪特性に優
れているニッケル−鉄合金である。
気抵抗効果膜の上下には、外部からの磁気をシールドす
るための薄膜である下部シールド膜と上部シールド膜と
が設けられている。従来、シールド膜の材質としては、
高い飽和磁束密度、高い透磁率を有する材料が用いられ
ている。最も多く用いられているのは、高い飽和磁束密
度、高い透磁率を有し、低保持力特性、低磁歪特性に優
れているニッケル−鉄合金である。
【0003】また、ニッケル−鉄合金よりもさらに高い
飽和磁束密度、および透磁率のシールド膜の材料の開発
が進められている。たとえば、特開昭59-90222号公報で
は、磁気抵抗効果型磁気ヘッドの磁気シールド膜とし
て、スパッタリング法により作製されるCoとZrとN
bの3成分系の非晶質合金を用いることが開示されてい
る。
飽和磁束密度、および透磁率のシールド膜の材料の開発
が進められている。たとえば、特開昭59-90222号公報で
は、磁気抵抗効果型磁気ヘッドの磁気シールド膜とし
て、スパッタリング法により作製されるCoとZrとN
bの3成分系の非晶質合金を用いることが開示されてい
る。
【0004】同様に、特開昭60-22726号公報、特開昭60
-22727号公報、特開昭60-22728号公報では、それぞれ、
磁気シールド膜として、スパッタリング法により作製さ
れるCoとHfとNbの3成分系、CoとHfとTaの
3成分系、CoとHfとWの3成分系の非晶質合金を用
いることにより、磁気シールド膜の透磁率を、従来のニ
ッケル−鉄合金以上に高められることが開示されてい
る。
-22727号公報、特開昭60-22728号公報では、それぞれ、
磁気シールド膜として、スパッタリング法により作製さ
れるCoとHfとNbの3成分系、CoとHfとTaの
3成分系、CoとHfとWの3成分系の非晶質合金を用
いることにより、磁気シールド膜の透磁率を、従来のニ
ッケル−鉄合金以上に高められることが開示されてい
る。
【0005】また、特開昭59-90222号公報では、Coと
ZrとNbの3成分系の非晶質合金に高い透磁率を持た
せ、かつ、この高い透磁率を熱的に安定な状態に維持す
る方法として、スパッタリング後、回転磁界内で熱処理
する製造方法が開示されている。
ZrとNbの3成分系の非晶質合金に高い透磁率を持た
せ、かつ、この高い透磁率を熱的に安定な状態に維持す
る方法として、スパッタリング後、回転磁界内で熱処理
する製造方法が開示されている。
【0006】さらに、下部シールド膜を目的としたもの
ではないが、特開平2-70042号公報ではCoと少量のZ
rを基本とし、これに少量のCr、Mo、W、V、N
b、およびTaの中から選ばれる何れか1種、または2
種以上よりなる非晶質合金がニッケル-鉄合金以上の飽
和磁束密度、高い透磁率を示し、磁心用材料に有効であ
ることが記載されている。
ではないが、特開平2-70042号公報ではCoと少量のZ
rを基本とし、これに少量のCr、Mo、W、V、N
b、およびTaの中から選ばれる何れか1種、または2
種以上よりなる非晶質合金がニッケル-鉄合金以上の飽
和磁束密度、高い透磁率を示し、磁心用材料に有効であ
ることが記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、磁気抵
抗効果型磁気ヘッドの磁気シールド膜として、高い飽和
磁束密度、高い透磁率を持つ磁性合金を用いた場合、強
い磁気シールド力を有することができるが、その反面、
磁気抵抗効果型磁気ヘッドの再生感度を低下させてしま
うという問題があった。
抗効果型磁気ヘッドの磁気シールド膜として、高い飽和
磁束密度、高い透磁率を持つ磁性合金を用いた場合、強
い磁気シールド力を有することができるが、その反面、
磁気抵抗効果型磁気ヘッドの再生感度を低下させてしま
うという問題があった。
【0008】さらに、特開昭59-90222号公報、特開昭60
-22726号公報、特開昭60-22727号公報、特開昭60-22728
号公報に記載されているシールド膜は、耐食性が好まし
くなく、磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製造時、特に加工
時の高度の腐食環境に耐えることができなかった。
-22726号公報、特開昭60-22727号公報、特開昭60-22728
号公報に記載されているシールド膜は、耐食性が好まし
くなく、磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製造時、特に加工
時の高度の腐食環境に耐えることができなかった。
【0009】本発明は、磁気抵抗効果型磁気ヘッドの再
生感度を低下させることのないシールド膜の材料を提供
することにより、再生感度の高い磁気抵抗効果型磁気ヘ
ッドを提供することを目的とする。
生感度を低下させることのないシールド膜の材料を提供
することにより、再生感度の高い磁気抵抗効果型磁気ヘ
ッドを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明によれば、基板上に、順に、下部シールド膜
と、磁気抵抗効果膜と、上部シールド膜を備えて構成さ
れる磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおいて、前記上部シー
ルド膜および下部シールド膜の少なくとも一方の透磁率
は、前記磁気抵抗効果膜の透磁率より小さいことを特徴
とする磁気抵抗効果型磁気ヘッドが提供される。
に本発明によれば、基板上に、順に、下部シールド膜
と、磁気抵抗効果膜と、上部シールド膜を備えて構成さ
れる磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおいて、前記上部シー
ルド膜および下部シールド膜の少なくとも一方の透磁率
は、前記磁気抵抗効果膜の透磁率より小さいことを特徴
とする磁気抵抗効果型磁気ヘッドが提供される。
【0011】前記下部シールド膜は、さらに非晶質であ
ることができる。また、前記上部シールド膜および下部
シールド膜の耐食性は、前記磁気抵抗効果膜の耐食性よ
りも大きいものであることができる。
ることができる。また、前記上部シールド膜および下部
シールド膜の耐食性は、前記磁気抵抗効果膜の耐食性よ
りも大きいものであることができる。
【0012】上記目的を達成するために本発明の別の態
様によれば、基板上に、順に、下部シールド膜と、磁気
抵抗効果膜と、上部シールド膜を備えて構成される磁気
抵抗効果型磁気ヘッドにおいて、前記下部シールド膜
は、ジルコニウムを6原子%以上、クロムを8原子%以
上含有し、かつ、コバルトとジルコニウムとを合計した
量が18原子%以上であるコバルトを主成分とすること
を特徴とする磁気抵抗効果型磁気ヘッドが提供される。
様によれば、基板上に、順に、下部シールド膜と、磁気
抵抗効果膜と、上部シールド膜を備えて構成される磁気
抵抗効果型磁気ヘッドにおいて、前記下部シールド膜
は、ジルコニウムを6原子%以上、クロムを8原子%以
上含有し、かつ、コバルトとジルコニウムとを合計した
量が18原子%以上であるコバルトを主成分とすること
を特徴とする磁気抵抗効果型磁気ヘッドが提供される。
【0013】
【作用】磁気記録媒体の磁性面から高い感度でデ−タを
読み取ることができる磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、磁
気抵抗効果膜の電気抵抗が、磁化の方向によって変化す
る現象を利用して、記録媒体上の磁気的信号を電気的信
号に変換するものである。磁気抵抗効果型磁気ヘッド
は、基板上に、順に、下部シールド膜と、磁気抵抗効果
膜と、上部シールド膜を備えて構成される。下部シール
ド膜および上部シールド膜は、ヘッドが読み取るべき磁
気信号の磁束以外の、ノイズとなる磁束を吸収する。こ
れにより、磁気抵抗効果膜にノイズとなる磁束が浸入す
るのを防ぐ。
読み取ることができる磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、磁
気抵抗効果膜の電気抵抗が、磁化の方向によって変化す
る現象を利用して、記録媒体上の磁気的信号を電気的信
号に変換するものである。磁気抵抗効果型磁気ヘッド
は、基板上に、順に、下部シールド膜と、磁気抵抗効果
膜と、上部シールド膜を備えて構成される。下部シール
ド膜および上部シールド膜は、ヘッドが読み取るべき磁
気信号の磁束以外の、ノイズとなる磁束を吸収する。こ
れにより、磁気抵抗効果膜にノイズとなる磁束が浸入す
るのを防ぐ。
【0014】下部シールド膜と磁気抵抗効果膜との間
や、磁気抵抗効果膜と上部シールド膜との間には、非磁
性のギャップ膜や、磁気抵抗効果膜に横方向バイアス磁
界を印加するシャント膜およびソフト膜や、磁気抵抗効
果膜を単一磁区状態に維持すべく配置される磁区制御膜
を備えて構成されることもある。このような構成の磁気
抵抗効果型磁気ヘッドは、再生専用の薄膜磁気ヘッドで
あり、通常、記録専用に用いられる電磁誘導型の薄膜磁
気ヘッドと対となって記録再生分離型磁気ヘッドを構成
し、たとえば電子計算機の外部記憶装置に用いられる。
や、磁気抵抗効果膜と上部シールド膜との間には、非磁
性のギャップ膜や、磁気抵抗効果膜に横方向バイアス磁
界を印加するシャント膜およびソフト膜や、磁気抵抗効
果膜を単一磁区状態に維持すべく配置される磁区制御膜
を備えて構成されることもある。このような構成の磁気
抵抗効果型磁気ヘッドは、再生専用の薄膜磁気ヘッドで
あり、通常、記録専用に用いられる電磁誘導型の薄膜磁
気ヘッドと対となって記録再生分離型磁気ヘッドを構成
し、たとえば電子計算機の外部記憶装置に用いられる。
【0015】従来のシールド膜は、磁気シールド力を高
めるために高い飽和磁束密度と高い透磁率を有するもの
が用いられ、またさらに高い飽和磁束密度と高い透磁率
を有するシールド材料が提案されている。発明者らは、
このような高い飽和磁束密度と高い透磁率を有するシー
ルド材料を用いた場合に生じる再生感度の低下は、本来
磁気抵抗効果膜に取り込まれるべき磁束をも、シールド
膜が吸収してしまうことに起因することを見出した。
めるために高い飽和磁束密度と高い透磁率を有するもの
が用いられ、またさらに高い飽和磁束密度と高い透磁率
を有するシールド材料が提案されている。発明者らは、
このような高い飽和磁束密度と高い透磁率を有するシー
ルド材料を用いた場合に生じる再生感度の低下は、本来
磁気抵抗効果膜に取り込まれるべき磁束をも、シールド
膜が吸収してしまうことに起因することを見出した。
【0016】すなわち、通常の磁気抵抗効果型磁気ヘッ
ドを、磁気ディスクの再生に用いる場合、磁気抵抗効果
膜に取り込まれるべき磁束とは、読み取るべきトラック
の磁気信号の磁束であり、ノイズとなる磁束は、読み取
るべきトラックと隣接するとラックの磁気信号の磁束で
ある。シールド膜は、これら隣接するトラックの磁束を
吸収することにより、ノイズとなる磁束が磁気抵抗効果
膜に浸入するのを防ぐが、シールド膜の透磁率が高過ぎ
ると、磁気抵抗効果膜が読み取るべき磁束をも吸収して
しまう。そのため、読み取るべき磁束の一部は透磁率の
高いシールド膜に流れ、磁気抵抗効果膜に流れる磁束は
減少し、これが再生感度を低下させてしまう。 したが
って、本発明者らにより提供される磁気抵抗効果型磁気
ヘッドは、前記上部シールド膜および下部シールド膜の
少なくとも一方の透磁率を、前記磁気抵抗効果膜の透磁
率より小さくした。これにより、読み取るべきトラック
の磁束は、シールド膜より透磁率が高く、読み取るべき
トラックに最も近いところに位置する磁気抵抗効果膜に
流れ、再生感度が低下することはない。また、隣接する
トラックの磁束は、磁気抵抗効果膜に達する前に、隣接
するトラックに近い方のシールド膜が吸収するので、磁
気抵抗効果膜には及ばない。このように、磁気抵抗効果
膜の透磁率より小さい透磁率を有するシールド膜を読み
取るべき磁気抵抗効果型磁気ヘッドの磁気シールド膜に
用いることにより、必要トラック以外からの磁束、すな
わちノイズの原因となる外部磁束のみを効果的に吸収す
ることができる。例えば、磁気抵抗効果膜にNi−Fe
合金を用いた場合、磁気抵抗効果膜が読み取るべき磁束
のみを効果的に取り込むためには、シールド膜の透磁率
は400〜1000が適している。
ドを、磁気ディスクの再生に用いる場合、磁気抵抗効果
膜に取り込まれるべき磁束とは、読み取るべきトラック
の磁気信号の磁束であり、ノイズとなる磁束は、読み取
るべきトラックと隣接するとラックの磁気信号の磁束で
ある。シールド膜は、これら隣接するトラックの磁束を
吸収することにより、ノイズとなる磁束が磁気抵抗効果
膜に浸入するのを防ぐが、シールド膜の透磁率が高過ぎ
ると、磁気抵抗効果膜が読み取るべき磁束をも吸収して
しまう。そのため、読み取るべき磁束の一部は透磁率の
高いシールド膜に流れ、磁気抵抗効果膜に流れる磁束は
減少し、これが再生感度を低下させてしまう。 したが
って、本発明者らにより提供される磁気抵抗効果型磁気
ヘッドは、前記上部シールド膜および下部シールド膜の
少なくとも一方の透磁率を、前記磁気抵抗効果膜の透磁
率より小さくした。これにより、読み取るべきトラック
の磁束は、シールド膜より透磁率が高く、読み取るべき
トラックに最も近いところに位置する磁気抵抗効果膜に
流れ、再生感度が低下することはない。また、隣接する
トラックの磁束は、磁気抵抗効果膜に達する前に、隣接
するトラックに近い方のシールド膜が吸収するので、磁
気抵抗効果膜には及ばない。このように、磁気抵抗効果
膜の透磁率より小さい透磁率を有するシールド膜を読み
取るべき磁気抵抗効果型磁気ヘッドの磁気シールド膜に
用いることにより、必要トラック以外からの磁束、すな
わちノイズの原因となる外部磁束のみを効果的に吸収す
ることができる。例えば、磁気抵抗効果膜にNi−Fe
合金を用いた場合、磁気抵抗効果膜が読み取るべき磁束
のみを効果的に取り込むためには、シールド膜の透磁率
は400〜1000が適している。
【0017】また、本発明において、上部シールド膜お
よび下部シールド膜の少なくとも一方の透磁率を、前記
磁気抵抗効果膜の透磁率より小さくし、かつ、下部シー
ルド膜を非晶質とすることができる。磁気抵抗効果膜の
厚さは、通常400Å以下と非常に薄く、下部シールド
膜の上側に、非磁性である下部ギャップ膜を挟んで形成
される。
よび下部シールド膜の少なくとも一方の透磁率を、前記
磁気抵抗効果膜の透磁率より小さくし、かつ、下部シー
ルド膜を非晶質とすることができる。磁気抵抗効果膜の
厚さは、通常400Å以下と非常に薄く、下部シールド
膜の上側に、非磁性である下部ギャップ膜を挟んで形成
される。
【0018】本発明者らは、磁気抵抗効果膜が、下部シ
ールド膜の凹凸の影響を受け、下部シールド膜に凹凸が
ある場合には、磁気抵抗効果膜に凹凸が生じ、磁気特
性、磁気抵抗変化率が低下することに気付いた。また、
さらに、シールド膜の凹凸が合金のシールド膜中の微結
晶に起因することを見出した。本発明の磁気抵抗効果型
磁気ヘッドでは、下部シールド膜を十分に非晶質状態に
することにより、下部シールド膜を平滑し、磁気抵抗効
果効果膜の磁気特性および磁気抵抗変化率を向上させる
ことができる。また、磁気抵抗効果膜の表面平滑性の向
上に伴い、耐マイグレ-ション性が向上するために、磁
気抵抗効果膜に流すことのできる許容電流密度が向上
し、磁気抵抗効果型磁気ヘッドの再生出力を向上させる
ことができる。 一方、上部シールド膜においては、下
部シールド膜のような表面平滑性を必要としない。磁気
特性を安定にするためには、十分に非晶質状態にするの
が望ましいが、下部シールド膜のように十分に非晶質に
なっていなくても良い。
ールド膜の凹凸の影響を受け、下部シールド膜に凹凸が
ある場合には、磁気抵抗効果膜に凹凸が生じ、磁気特
性、磁気抵抗変化率が低下することに気付いた。また、
さらに、シールド膜の凹凸が合金のシールド膜中の微結
晶に起因することを見出した。本発明の磁気抵抗効果型
磁気ヘッドでは、下部シールド膜を十分に非晶質状態に
することにより、下部シールド膜を平滑し、磁気抵抗効
果効果膜の磁気特性および磁気抵抗変化率を向上させる
ことができる。また、磁気抵抗効果膜の表面平滑性の向
上に伴い、耐マイグレ-ション性が向上するために、磁
気抵抗効果膜に流すことのできる許容電流密度が向上
し、磁気抵抗効果型磁気ヘッドの再生出力を向上させる
ことができる。 一方、上部シールド膜においては、下
部シールド膜のような表面平滑性を必要としない。磁気
特性を安定にするためには、十分に非晶質状態にするの
が望ましいが、下部シールド膜のように十分に非晶質に
なっていなくても良い。
【0019】また、本発明において、下部シールド膜お
よび上部シールド膜は、耐食性が、磁気抵抗効果膜より
高いものとすることができる。従来のシールド膜材料
は、材料を設計する上で高飽和磁束密度および高透磁率
が重視されていたため、耐食性を考慮されておらず、耐
食性が高くなかった。また、どの程度の耐食性が必要で
あるかも知られていなかった。本発明では、磁気抵抗効
果型磁気ヘッドの製造工程を考慮した結果、シールド膜
が磁気抵抗効果膜よりも高い耐食性を有することにより
ヘッドの浮上面の研磨工程においても、シールド膜が腐
食されることのない、耐久性の高い磁気ヘッドを提供す
ることができる。
よび上部シールド膜は、耐食性が、磁気抵抗効果膜より
高いものとすることができる。従来のシールド膜材料
は、材料を設計する上で高飽和磁束密度および高透磁率
が重視されていたため、耐食性を考慮されておらず、耐
食性が高くなかった。また、どの程度の耐食性が必要で
あるかも知られていなかった。本発明では、磁気抵抗効
果型磁気ヘッドの製造工程を考慮した結果、シールド膜
が磁気抵抗効果膜よりも高い耐食性を有することにより
ヘッドの浮上面の研磨工程においても、シールド膜が腐
食されることのない、耐久性の高い磁気ヘッドを提供す
ることができる。
【0020】つぎに、本発明の別の態様の、ジルコニウ
ムを6原子%以上、クロムを8原子%以上含有し、か
つ、コバルトとジルコニウムとを合計した量が18原子
%以上であるコバルトを主成分とするシールド膜の作用
について説明する。Coと少量のZrとCrの3成分か
らなる合金膜において、各元素は以下の働きを示す。C
oは、飽和磁束密度を向上させる。Zrは、非晶質にす
るために不可欠な元素である。Crは合金膜の表面に皮
膜を作り、内部を保護する機能を持っている。また、Z
rとCrは、磁歪を低減するのに有効な働きを示す。
ムを6原子%以上、クロムを8原子%以上含有し、か
つ、コバルトとジルコニウムとを合計した量が18原子
%以上であるコバルトを主成分とするシールド膜の作用
について説明する。Coと少量のZrとCrの3成分か
らなる合金膜において、各元素は以下の働きを示す。C
oは、飽和磁束密度を向上させる。Zrは、非晶質にす
るために不可欠な元素である。Crは合金膜の表面に皮
膜を作り、内部を保護する機能を持っている。また、Z
rとCrは、磁歪を低減するのに有効な働きを示す。
【0021】したがって、本発明のCoと少量のZrと
Crの3成分からなる合金膜は、高い飽和磁束密度を有
し、高い耐食性を示し、かつ非晶質のシールド膜を提供
することができる。さらに、Zr量とCr量の総和を1
8原子%以上にすることにより、飽和磁束密度を減少さ
せ、高すぎる透磁率を下げることができる。このよう
に、本発明のCoと少量のZrとCrの3成分からなる
合金膜を用いることにより、透磁率が磁気抵抗効果膜よ
り低く、かつ非晶質であり、かつ高い耐食性を示すシー
ルド膜を実現できる。透磁率が磁気抵抗効果膜より低
く、かつ非晶質であり、かつ高い耐食性を示すシールド
膜の磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおける作用について
は、上述の本発明の第1の態様の作用ですでに述べたの
で、ここでの説明を省略する。
Crの3成分からなる合金膜は、高い飽和磁束密度を有
し、高い耐食性を示し、かつ非晶質のシールド膜を提供
することができる。さらに、Zr量とCr量の総和を1
8原子%以上にすることにより、飽和磁束密度を減少さ
せ、高すぎる透磁率を下げることができる。このよう
に、本発明のCoと少量のZrとCrの3成分からなる
合金膜を用いることにより、透磁率が磁気抵抗効果膜よ
り低く、かつ非晶質であり、かつ高い耐食性を示すシー
ルド膜を実現できる。透磁率が磁気抵抗効果膜より低
く、かつ非晶質であり、かつ高い耐食性を示すシールド
膜の磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおける作用について
は、上述の本発明の第1の態様の作用ですでに述べたの
で、ここでの説明を省略する。
【0022】Coと少量のZrとCrの3成分からなる
非晶質合金膜において、Zr量を原子比率で6%より少
なくすると、アモルファス状態が不安定になるため、Z
r量は原子比率で6%以上にする。また、Zr量を原子
比率で12%より多くすると、飽和磁束密度が極度に小
さくなり、強磁性が失われて磁気特性が劣化するため、
Zr量は原子比率で12%以下にすることが望ましい。
非晶質合金膜において、Zr量を原子比率で6%より少
なくすると、アモルファス状態が不安定になるため、Z
r量は原子比率で6%以上にする。また、Zr量を原子
比率で12%より多くすると、飽和磁束密度が極度に小
さくなり、強磁性が失われて磁気特性が劣化するため、
Zr量は原子比率で12%以下にすることが望ましい。
【0023】Crは少量でも含まれていると、含まれて
いない合金より耐食性を向上させることができる。本発
明のCo−Zr−Cr3成分系合金において、Cr量を
原子比率で8%よりも少なくすると耐食性が、磁気抵抗
効果を示すNi−Fe合金(パーマロイ)より悪くな
る。このため、磁気抵抗効果膜としてNi−Fe合金を
用いた場合、Cr量は原子比率で8%以上にする。Cr
量を原子比率で8%以上含んでいる場合、PH2〜10
の腐食環境にも十分に耐えられ、高度の腐食環境下の加
工工程に耐えるシールド膜を提供することができる。C
r量を原子比率で14%より多くすると、飽和磁束密度
が極度に小さくなり、強磁性が失われて磁気特性が劣化
するので、Cr量は原子比率で14%以下にすることが
望ましい。また、Zrと類似の物理的、及び化学的特性
を示す元素であるHfをZrの代わりに用い、スパッタ
リング法により作成されるCo−Hf−Cr3成分系の
非晶質合金膜でシールド膜を構成しても同様の作用があ
るものと推定される。
いない合金より耐食性を向上させることができる。本発
明のCo−Zr−Cr3成分系合金において、Cr量を
原子比率で8%よりも少なくすると耐食性が、磁気抵抗
効果を示すNi−Fe合金(パーマロイ)より悪くな
る。このため、磁気抵抗効果膜としてNi−Fe合金を
用いた場合、Cr量は原子比率で8%以上にする。Cr
量を原子比率で8%以上含んでいる場合、PH2〜10
の腐食環境にも十分に耐えられ、高度の腐食環境下の加
工工程に耐えるシールド膜を提供することができる。C
r量を原子比率で14%より多くすると、飽和磁束密度
が極度に小さくなり、強磁性が失われて磁気特性が劣化
するので、Cr量は原子比率で14%以下にすることが
望ましい。また、Zrと類似の物理的、及び化学的特性
を示す元素であるHfをZrの代わりに用い、スパッタ
リング法により作成されるCo−Hf−Cr3成分系の
非晶質合金膜でシールド膜を構成しても同様の作用があ
るものと推定される。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。
る。
【0025】図1、および図2のように、本発明の磁気
抵抗効果型磁気ヘッドは、非磁性の基板1上に、基板1
側からのノイズ磁気をシールドする下部シールド膜10
と、磁気抵抗効果を有する磁気抵抗効果膜40と、基板
と反対側からの外部磁気をシールドする上部シールド膜
80とを順に備えている。下部シールド膜10と磁気抵
抗効果膜40の間には、下部シールド側から順に、非磁
性の下部ギャップ膜20と、磁気抵抗効果膜40に縦方
向のバイアス磁界を印加する一対の磁区制御層30とを
さらに備えている。また、磁気抵抗効果膜40と上部シ
ールド膜80との間には、磁気抵抗効果膜40に横方向
バイアス磁界を印加するシャント膜50と、ソフト膜5
5と、一対の信号取りだし用電極60と、上部ギャップ
膜70とをさらに備えている。一対の磁区制御層30
は、磁気抵抗効果膜40の長手方向に磁束を流し、磁気
的に強い縦バイアスを印加することにより、磁気抵抗効
果膜40の磁気モ−メントの向きを揃えて単一磁区状態
に維持して、バルクハウゼンノイズを防止する。
抵抗効果型磁気ヘッドは、非磁性の基板1上に、基板1
側からのノイズ磁気をシールドする下部シールド膜10
と、磁気抵抗効果を有する磁気抵抗効果膜40と、基板
と反対側からの外部磁気をシールドする上部シールド膜
80とを順に備えている。下部シールド膜10と磁気抵
抗効果膜40の間には、下部シールド側から順に、非磁
性の下部ギャップ膜20と、磁気抵抗効果膜40に縦方
向のバイアス磁界を印加する一対の磁区制御層30とを
さらに備えている。また、磁気抵抗効果膜40と上部シ
ールド膜80との間には、磁気抵抗効果膜40に横方向
バイアス磁界を印加するシャント膜50と、ソフト膜5
5と、一対の信号取りだし用電極60と、上部ギャップ
膜70とをさらに備えている。一対の磁区制御層30
は、磁気抵抗効果膜40の長手方向に磁束を流し、磁気
的に強い縦バイアスを印加することにより、磁気抵抗効
果膜40の磁気モ−メントの向きを揃えて単一磁区状態
に維持して、バルクハウゼンノイズを防止する。
【0026】本実施例の特徴は、下部シールド膜10と
上部シールド膜80として、透磁率が磁気抵抗効果膜4
0より小さい材料を用いたことにある。つまり、下部シ
ールド膜10と上部シールド膜80に要求される磁気特
性としては、従来技術に見られるような高い飽和磁束密
度、高い透磁率を必ずしも必要としない。本来、シール
ド膜10および80は、磁気ヘッドが磁気記録媒体の磁
性面を読み取る際において、必要トラック以外からの磁
束、つまりノイズの要因となる外部磁束を吸収するため
に形成される。本発明者らは、シールド膜10および8
0の透磁率を変えて、再生感度の測定を行ったところ、
磁気シールド膜の透磁率が高すぎる場合、必要トラック
からの、つまり、本来は磁気抵抗効果膜40が読み込む
べき磁束まで、下部シールド膜10と上部シールド膜8
0が吸収して、磁気抵抗効果型磁気ヘッドの再生感度を
低下させてしまうことがわかった。
上部シールド膜80として、透磁率が磁気抵抗効果膜4
0より小さい材料を用いたことにある。つまり、下部シ
ールド膜10と上部シールド膜80に要求される磁気特
性としては、従来技術に見られるような高い飽和磁束密
度、高い透磁率を必ずしも必要としない。本来、シール
ド膜10および80は、磁気ヘッドが磁気記録媒体の磁
性面を読み取る際において、必要トラック以外からの磁
束、つまりノイズの要因となる外部磁束を吸収するため
に形成される。本発明者らは、シールド膜10および8
0の透磁率を変えて、再生感度の測定を行ったところ、
磁気シールド膜の透磁率が高すぎる場合、必要トラック
からの、つまり、本来は磁気抵抗効果膜40が読み込む
べき磁束まで、下部シールド膜10と上部シールド膜8
0が吸収して、磁気抵抗効果型磁気ヘッドの再生感度を
低下させてしまうことがわかった。
【0027】また、下部シールド膜10と上部シールド
膜80が高すぎる透磁率を持つ場合、磁区制御層30
が、磁気抵抗効果膜40の長手方向に流すはずの磁束
が、下部シールド膜10と上部シールド膜80に流れて
しまい、磁気抵抗効果膜40の磁区制御が困難となり、
バルクハウゼンノイズが発生してしまう原因となること
がわかった。このように、下部シールド膜10および上
部シールド膜80には、従来技術や磁心材料のような高
い透磁率は必要とされず、かえって磁気抵抗効果型磁気
ヘッドの再生感度を低下し、信頼性を低下させる原因と
なっていた。
膜80が高すぎる透磁率を持つ場合、磁区制御層30
が、磁気抵抗効果膜40の長手方向に流すはずの磁束
が、下部シールド膜10と上部シールド膜80に流れて
しまい、磁気抵抗効果膜40の磁区制御が困難となり、
バルクハウゼンノイズが発生してしまう原因となること
がわかった。このように、下部シールド膜10および上
部シールド膜80には、従来技術や磁心材料のような高
い透磁率は必要とされず、かえって磁気抵抗効果型磁気
ヘッドの再生感度を低下し、信頼性を低下させる原因と
なっていた。
【0028】本発明者らの実験では、磁気抵抗効果膜4
0としてNi−Fe合金を用いた場合、下部シールド膜
10と上部シールド膜80の透磁率は、磁気抵抗効果膜
40の透磁率の半分以下の約400〜1000が望まし
かった。このような透磁率を有する下部シールド膜10
と上部シールド膜80の材料としては、種々の材料を用
いることが可能であるが、本実施例ではCo−Zr−C
rの3成分系の合金を用いた。以下、下部シールド膜1
0および上部シールド膜80としてCo−Zr−Crの
3成分系の合金膜を用いた磁気抵抗効果型磁気ヘッドに
ついて説明する。
0としてNi−Fe合金を用いた場合、下部シールド膜
10と上部シールド膜80の透磁率は、磁気抵抗効果膜
40の透磁率の半分以下の約400〜1000が望まし
かった。このような透磁率を有する下部シールド膜10
と上部シールド膜80の材料としては、種々の材料を用
いることが可能であるが、本実施例ではCo−Zr−C
rの3成分系の合金を用いた。以下、下部シールド膜1
0および上部シールド膜80としてCo−Zr−Crの
3成分系の合金膜を用いた磁気抵抗効果型磁気ヘッドに
ついて説明する。
【0029】図1の磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製造方
法について説明する。基板1上に、下部シールド膜10
と下部ギャップ膜20と磁区制御層30を順にスパッタ
リング法により形成した。つぎに、フォトリソグラフィ
により磁区制御層30のみをパターニングした。さらに
磁気抵抗効果膜40とシャント膜50とソフト膜55を
スパッタリング法により積層した。磁気抵抗効果膜40
とシャント膜50とソフト膜55をフォトリソグラフィ
法により図1の形状にパターニングした。つぎに、電極
60をスパッタリング法により形成し、フォトリソグラ
フィ法により電極形状にパターニングした。さらにその
上に、上部ギャップ膜70と上部シールド膜80を積層
した。最後に、図1の矢印の方向に研磨を行って、浮上
面を作製した。
法について説明する。基板1上に、下部シールド膜10
と下部ギャップ膜20と磁区制御層30を順にスパッタ
リング法により形成した。つぎに、フォトリソグラフィ
により磁区制御層30のみをパターニングした。さらに
磁気抵抗効果膜40とシャント膜50とソフト膜55を
スパッタリング法により積層した。磁気抵抗効果膜40
とシャント膜50とソフト膜55をフォトリソグラフィ
法により図1の形状にパターニングした。つぎに、電極
60をスパッタリング法により形成し、フォトリソグラ
フィ法により電極形状にパターニングした。さらにその
上に、上部ギャップ膜70と上部シールド膜80を積層
した。最後に、図1の矢印の方向に研磨を行って、浮上
面を作製した。
【0030】Co−Zr−Crの3成分系合金で構成さ
れる下部シールド膜10と上部シールド膜80の、成膜
方法についてさらに詳細に説明する。まず、2×10~6
torrまで、スパッタ装置内を真空排気した後、Ar
ガスを導入し、3×10~3torrのArガス圧で、約
50 Oeの磁界中で基板1を水冷しながらスパッタリ
ングを行なった。スパッタリングのターゲットは、Co
ターゲット上にZrチップとCrチップとを任意の個数
配置して用いた。そしてCoとZrとCrとを同時にス
パッタリングして、任意の組成比のCo−Zr−Cr合
金膜を作製した。つぎに、作製した合金膜を容易軸方向
の50 Oeの外部磁界中で3時間熱処理を施した。C
o−Zr−Crの3成分系合金のキュリー温度は、約5
00℃であったので、熱処理温度は250℃とした。
れる下部シールド膜10と上部シールド膜80の、成膜
方法についてさらに詳細に説明する。まず、2×10~6
torrまで、スパッタ装置内を真空排気した後、Ar
ガスを導入し、3×10~3torrのArガス圧で、約
50 Oeの磁界中で基板1を水冷しながらスパッタリ
ングを行なった。スパッタリングのターゲットは、Co
ターゲット上にZrチップとCrチップとを任意の個数
配置して用いた。そしてCoとZrとCrとを同時にス
パッタリングして、任意の組成比のCo−Zr−Cr合
金膜を作製した。つぎに、作製した合金膜を容易軸方向
の50 Oeの外部磁界中で3時間熱処理を施した。C
o−Zr−Crの3成分系合金のキュリー温度は、約5
00℃であったので、熱処理温度は250℃とした。
【0031】この方法で作製したシールド膜10および
80は、Co−Zr−Crの3成分系で、Zr量とCr
量の総和が原子比率で18%以上の時、望ましい透磁率
の400〜1000となった。そして、このように透磁
率が磁気抵抗効果膜40より小さい膜を下部シールド膜
10および上部シールド膜80に用いることにより、磁
気抵抗効果型磁気ヘッドの読み取るべき磁束を下部シー
ルド膜10および上部シールド膜80が吸収することが
なく、再生感度を高めることができた。
80は、Co−Zr−Crの3成分系で、Zr量とCr
量の総和が原子比率で18%以上の時、望ましい透磁率
の400〜1000となった。そして、このように透磁
率が磁気抵抗効果膜40より小さい膜を下部シールド膜
10および上部シールド膜80に用いることにより、磁
気抵抗効果型磁気ヘッドの読み取るべき磁束を下部シー
ルド膜10および上部シールド膜80が吸収することが
なく、再生感度を高めることができた。
【0032】また、Co−Zr−Cr3成分系合金膜に
おいて、発明者らは、Zr量を種々変えたシールド膜1
0を形成し結晶構造を調べたところ、Zr量が原子比率
で6%以上のとき、非晶質合金膜になることがわかっ
た。さらに、非晶質合金膜と結晶合金膜とは、表面粗さ
が異なり、下部シールド膜10としてこれらを用いた場
合、磁気抵抗効果膜40の磁気特性が変化した。図3
に、従来下部シールド膜10として多く用いられてきた
結晶質のニッケル−鉄合金膜の表面プロファイルと、本
実施例のZr量が、原子比率で6%以上のCo−Zr−
Cr3成分系の非晶質合金膜の表面プロファイルを示
す。膜厚は両者とも2マイクロメ−トルのものを用い
た。図3のように、従来の結晶質のニッケル−鉄合金膜
の表面凹凸が平均150Åであったのに対し、本発明の
Zr量が原子比率が6%以上のCo−Zr−Cr3成分
系非晶質合金膜は、表面の凹凸が平均30Å、最大でも
50Å以下であり、結晶質のニッケル−鉄合金に比べて
平滑な膜表面になっていた。
おいて、発明者らは、Zr量を種々変えたシールド膜1
0を形成し結晶構造を調べたところ、Zr量が原子比率
で6%以上のとき、非晶質合金膜になることがわかっ
た。さらに、非晶質合金膜と結晶合金膜とは、表面粗さ
が異なり、下部シールド膜10としてこれらを用いた場
合、磁気抵抗効果膜40の磁気特性が変化した。図3
に、従来下部シールド膜10として多く用いられてきた
結晶質のニッケル−鉄合金膜の表面プロファイルと、本
実施例のZr量が、原子比率で6%以上のCo−Zr−
Cr3成分系の非晶質合金膜の表面プロファイルを示
す。膜厚は両者とも2マイクロメ−トルのものを用い
た。図3のように、従来の結晶質のニッケル−鉄合金膜
の表面凹凸が平均150Åであったのに対し、本発明の
Zr量が原子比率が6%以上のCo−Zr−Cr3成分
系非晶質合金膜は、表面の凹凸が平均30Å、最大でも
50Å以下であり、結晶質のニッケル−鉄合金に比べて
平滑な膜表面になっていた。
【0033】図1および図2に示すように、磁気抵抗効
果膜40は、下部シールド膜10の上に、下部ギャップ
膜20を介して形成される。通常、下部ギャップ膜20
は表面が平滑なアモルファス酸化物で構成されるため、
下部シールド膜10の表面の凹凸はそのまま下部ギャッ
プ膜20の表面の凹凸に反映される。
果膜40は、下部シールド膜10の上に、下部ギャップ
膜20を介して形成される。通常、下部ギャップ膜20
は表面が平滑なアモルファス酸化物で構成されるため、
下部シールド膜10の表面の凹凸はそのまま下部ギャッ
プ膜20の表面の凹凸に反映される。
【0034】磁気ディスク用磁気抵抗効果型磁気ヘッド
に用いられる磁気抵抗効果膜40の膜厚は、通常、40
0Å以下と非常に薄いため、凹凸のある膜上に形成され
ると、磁気抵抗効果膜自体が凹凸のある膜となる。磁気
抵抗効果膜40に凹凸のある場合、保磁力が高くなり磁
気抵抗効果膜としての磁気特性が劣化する。したがっ
て、従来の結晶質のニッケル−鉄合金膜で構成される下
部シールド膜10の上に、下部ギャップ膜20を介して
形成される磁気抵抗効果膜40の保磁力は大きく、磁気
特性は好ましいものではなかった。しかし、本実施例の
Zr量の原子比率が6%以上のCo−Zr−Cr3成分
系の非晶質合金膜は、表面凹凸が30Åであり、最大で
も50Å以下であるので、磁気抵抗効果膜40の表面凹
凸は小さく、磁気抵抗効果膜40の保磁力は小さく、優
れた軟磁気特性を示した。
に用いられる磁気抵抗効果膜40の膜厚は、通常、40
0Å以下と非常に薄いため、凹凸のある膜上に形成され
ると、磁気抵抗効果膜自体が凹凸のある膜となる。磁気
抵抗効果膜40に凹凸のある場合、保磁力が高くなり磁
気抵抗効果膜としての磁気特性が劣化する。したがっ
て、従来の結晶質のニッケル−鉄合金膜で構成される下
部シールド膜10の上に、下部ギャップ膜20を介して
形成される磁気抵抗効果膜40の保磁力は大きく、磁気
特性は好ましいものではなかった。しかし、本実施例の
Zr量の原子比率が6%以上のCo−Zr−Cr3成分
系の非晶質合金膜は、表面凹凸が30Åであり、最大で
も50Å以下であるので、磁気抵抗効果膜40の表面凹
凸は小さく、磁気抵抗効果膜40の保磁力は小さく、優
れた軟磁気特性を示した。
【0035】このように本実施例のCo−Zr−Cr3
成分系の合金膜において、Zr量とCr量の総和が原子
比率で18%以上で、かつZr量が原子比率で6%以上
の合金膜を用いた場合、透磁率を400〜1000で、
かつ表面が平滑な非晶質合金膜を得ることができた。こ
のような合金膜を下部シールド膜10に用いることによ
り、磁気抵抗効果膜40の保磁力を下げ、かつ、磁気記
録媒体の読み取るべきトラックからの磁束を下部シール
ド膜10が吸収することがないので、再生感度を高める
ことができた。
成分系の合金膜において、Zr量とCr量の総和が原子
比率で18%以上で、かつZr量が原子比率で6%以上
の合金膜を用いた場合、透磁率を400〜1000で、
かつ表面が平滑な非晶質合金膜を得ることができた。こ
のような合金膜を下部シールド膜10に用いることによ
り、磁気抵抗効果膜40の保磁力を下げ、かつ、磁気記
録媒体の読み取るべきトラックからの磁束を下部シール
ド膜10が吸収することがないので、再生感度を高める
ことができた。
【0036】このとき、上部シールド膜は、磁気抵抗効
果膜40の凹凸に影響を与えないので、表面が平滑であ
る必要はなく、透磁率等の磁気特性が下部シールド膜1
0と同等であればよい。したがって、Zr量が原子比率
で6%以上に制限する必要はない。また、下部シールド
膜10および上部シールド膜80において、Zr量を原
子比率で12%より多くすると、飽和磁束密度が極度に
減少し、異方性磁界が増加するため、シールド膜として
好ましくなかった。
果膜40の凹凸に影響を与えないので、表面が平滑であ
る必要はなく、透磁率等の磁気特性が下部シールド膜1
0と同等であればよい。したがって、Zr量が原子比率
で6%以上に制限する必要はない。また、下部シールド
膜10および上部シールド膜80において、Zr量を原
子比率で12%より多くすると、飽和磁束密度が極度に
減少し、異方性磁界が増加するため、シールド膜として
好ましくなかった。
【0037】また、Co−Zr−Cr3成分系非晶質合
金膜のアモルファス状態を安定にするには、下部ギャッ
プ膜20の膜厚は、0.5マイクロメートル以上あるこ
とが望ましかった。Co−Zr−Cr3成分系非晶質合
金膜の膜厚を0.5マイクロメートルより小さくする
と、Co−Zr−Cr3成分系非晶質合金膜のアモルフ
ァス状態が不安定になった。0.5マイクロメ−トルよ
り小さな膜厚を持つCo−Zr−Cr3成分系合金膜で
は、X線回折測定では非晶質に見えるが、膜内に微小な
結晶質の合金が存在しており、この微結晶により表面が
荒れていた。また、微小な結晶質合金の出現に伴い、保
磁力が若干増加し、磁気特性が劣化した。このため、下
部シールド膜10に、Co−Zr−Cr3成分系非晶質
合金膜を用いる場合には、膜厚を0.5マイクロメ−ト
ル以上にすることが望ましい。一方、上部シールド膜に
関しては、下部シールド膜のように表面平滑性に関して
厳しい制限はなく、また、膜厚の減少に伴う磁気特性の
劣化は許容範囲内であるため、材料学的観点で膜厚を規
制する必要はなかった。
金膜のアモルファス状態を安定にするには、下部ギャッ
プ膜20の膜厚は、0.5マイクロメートル以上あるこ
とが望ましかった。Co−Zr−Cr3成分系非晶質合
金膜の膜厚を0.5マイクロメートルより小さくする
と、Co−Zr−Cr3成分系非晶質合金膜のアモルフ
ァス状態が不安定になった。0.5マイクロメ−トルよ
り小さな膜厚を持つCo−Zr−Cr3成分系合金膜で
は、X線回折測定では非晶質に見えるが、膜内に微小な
結晶質の合金が存在しており、この微結晶により表面が
荒れていた。また、微小な結晶質合金の出現に伴い、保
磁力が若干増加し、磁気特性が劣化した。このため、下
部シールド膜10に、Co−Zr−Cr3成分系非晶質
合金膜を用いる場合には、膜厚を0.5マイクロメ−ト
ル以上にすることが望ましい。一方、上部シールド膜に
関しては、下部シールド膜のように表面平滑性に関して
厳しい制限はなく、また、膜厚の減少に伴う磁気特性の
劣化は許容範囲内であるため、材料学的観点で膜厚を規
制する必要はなかった。
【0038】また、非晶質の下部シールド膜10として
用いて、磁気抵抗効果膜40が平滑な膜になった場合、
保磁力が下がるだけではなく、磁気抵抗効果膜のエレク
トロマイグレーション現象を防止することができるとい
う効果もあった。これについて説明する。磁気抵抗効果
膜40が、表面凹凸のある下部シールド膜10上に形成
されていると、図6(b)のように、磁気抵抗効果膜4
0に膜厚の厚い部分t1と薄い部分t2が生じる。磁気
抵抗効果型磁気ヘッドは、高電流密度下で使用した方が
再生出力が大きいので、磁気抵抗効果膜40に高い電流
密度で通電すると、膜厚の薄い部分t2では、局部的に
見かけよりも高い電流密度となる。そのため、膜厚の薄
い部分t2では、大量の電子が、磁気抵抗効果膜40の
原子に衝突して、磁気抵抗効果膜40の原子を陽極側に
叩き出し、最後には陰極側の磁気抵抗効果膜40に穴が
でき、磁気抵抗効果膜40を断線させてしまう。これを
エレクトロマイグレーション現象という。このため、凹
凸のある下部シールド膜10上に形成された磁気抵抗効
果膜40に流すことのできる最大の電流密度すなわち許
容電流密度は、膜厚の薄い部分t2の部分の許容電流密
度に制限されて、小さくなる。
用いて、磁気抵抗効果膜40が平滑な膜になった場合、
保磁力が下がるだけではなく、磁気抵抗効果膜のエレク
トロマイグレーション現象を防止することができるとい
う効果もあった。これについて説明する。磁気抵抗効果
膜40が、表面凹凸のある下部シールド膜10上に形成
されていると、図6(b)のように、磁気抵抗効果膜4
0に膜厚の厚い部分t1と薄い部分t2が生じる。磁気
抵抗効果型磁気ヘッドは、高電流密度下で使用した方が
再生出力が大きいので、磁気抵抗効果膜40に高い電流
密度で通電すると、膜厚の薄い部分t2では、局部的に
見かけよりも高い電流密度となる。そのため、膜厚の薄
い部分t2では、大量の電子が、磁気抵抗効果膜40の
原子に衝突して、磁気抵抗効果膜40の原子を陽極側に
叩き出し、最後には陰極側の磁気抵抗効果膜40に穴が
でき、磁気抵抗効果膜40を断線させてしまう。これを
エレクトロマイグレーション現象という。このため、凹
凸のある下部シールド膜10上に形成された磁気抵抗効
果膜40に流すことのできる最大の電流密度すなわち許
容電流密度は、膜厚の薄い部分t2の部分の許容電流密
度に制限されて、小さくなる。
【0039】しかし、本実施例の平滑なシールド膜10
を用いた場合、図6(a)のように磁気抵抗効果膜40
の膜厚はt3で一定になり、磁気抵抗効果膜40に流せ
る許容電流密度は、大きくなる。したがって、磁気抵抗
効果膜40に高い電流密度で通電することが可能にな
り、磁気抵抗効果型磁気ヘッドの再生出力を大きくする
ことができる。
を用いた場合、図6(a)のように磁気抵抗効果膜40
の膜厚はt3で一定になり、磁気抵抗効果膜40に流せ
る許容電流密度は、大きくなる。したがって、磁気抵抗
効果膜40に高い電流密度で通電することが可能にな
り、磁気抵抗効果型磁気ヘッドの再生出力を大きくする
ことができる。
【0040】また、本実施例のCo−Zr−Crの合金
膜において、Zr量およびCr量を変化させた膜を作製
し、耐食性試験を行った。まず、Zr量およびCr量を
変化させた種々のCo−Zr−Crの合金膜をPH2〜
12の腐食液に浸し、侵食されて残った部分の膜厚と、
腐食液に浸さなかった部分の膜厚とを測定した。つぎ
に、この2つの膜厚の差をもとめ、これを侵食された厚
さとした。この結果を図5に示した。図5から明らかな
ように、原子比率でCrを7%以上含むCo−Zr−C
r3成分系非晶質合金膜では、従来例で磁気シールド膜
に多く用いられてきた結晶質のニッケル−鉄合金膜より
優れた耐食性を示した。この実験では、Zr量を6〜1
0%としたので、実験に用いた本実施例のCo−Zr−
Crの3成分系の合金膜は、非晶質であった。特に、原
子比率でCrを8%以上含むCo-Zr-Cr3成分系非
晶質合金膜は、PH2〜10の範囲で全く腐食されなか
った。
膜において、Zr量およびCr量を変化させた膜を作製
し、耐食性試験を行った。まず、Zr量およびCr量を
変化させた種々のCo−Zr−Crの合金膜をPH2〜
12の腐食液に浸し、侵食されて残った部分の膜厚と、
腐食液に浸さなかった部分の膜厚とを測定した。つぎ
に、この2つの膜厚の差をもとめ、これを侵食された厚
さとした。この結果を図5に示した。図5から明らかな
ように、原子比率でCrを7%以上含むCo−Zr−C
r3成分系非晶質合金膜では、従来例で磁気シールド膜
に多く用いられてきた結晶質のニッケル−鉄合金膜より
優れた耐食性を示した。この実験では、Zr量を6〜1
0%としたので、実験に用いた本実施例のCo−Zr−
Crの3成分系の合金膜は、非晶質であった。特に、原
子比率でCrを8%以上含むCo-Zr-Cr3成分系非
晶質合金膜は、PH2〜10の範囲で全く腐食されなか
った。
【0041】また、下部シールド膜10および上部シー
ルド膜80として、Cr量が原子比率で8%以上のCo
−Zr−Crの3成分系の合金膜を用いたところ、製造
工程における浮上面の研磨時にも腐食されることなく、
優れた耐久性を示した。したがって、本実施例のCo−
Zr−Cr3成分系の合金膜において、Zr量とCr量
の総和が原子比率で18%以上で、かつZr量が原子比
率で6%以上で、かつCr量が原子率で8%以上の合金
膜を用いることにより、透磁率を400〜1000で、
かつ表面が平滑な非晶質合金膜でかつ耐食性の高い合金
膜を得ることができた。
ルド膜80として、Cr量が原子比率で8%以上のCo
−Zr−Crの3成分系の合金膜を用いたところ、製造
工程における浮上面の研磨時にも腐食されることなく、
優れた耐久性を示した。したがって、本実施例のCo−
Zr−Cr3成分系の合金膜において、Zr量とCr量
の総和が原子比率で18%以上で、かつZr量が原子比
率で6%以上で、かつCr量が原子率で8%以上の合金
膜を用いることにより、透磁率を400〜1000で、
かつ表面が平滑な非晶質合金膜でかつ耐食性の高い合金
膜を得ることができた。
【0042】Crを含むCo−Zr−Cr3成分系合金
膜が、腐食環境下で優れた耐食性を示す理由は、Co−
Zr−Cr3成分系合金膜の表面にCrが酸化皮膜を作
り、内部を保護するからであると考えられる。Co−Z
rにCr以外の種々の元素を添加した合金を作製して、
同様の耐食性の測定を行ったが、Crより耐食性を向上
させる元素は他に見つからなかった。また、Cr量が原
子比率で14%を越えると飽和磁束密度の低下が著しく
なる傾向があったので、磁気特性を劣化させないため
に、Cr量は原子比率で14%以下にすることが望まし
い。
膜が、腐食環境下で優れた耐食性を示す理由は、Co−
Zr−Cr3成分系合金膜の表面にCrが酸化皮膜を作
り、内部を保護するからであると考えられる。Co−Z
rにCr以外の種々の元素を添加した合金を作製して、
同様の耐食性の測定を行ったが、Crより耐食性を向上
させる元素は他に見つからなかった。また、Cr量が原
子比率で14%を越えると飽和磁束密度の低下が著しく
なる傾向があったので、磁気特性を劣化させないため
に、Cr量は原子比率で14%以下にすることが望まし
い。
【0043】また、Co−Zr−Crの3成分系で、Z
r量を原子比率で6〜8%に固定し、Cr量を0〜20
%まで変化させたところ、図4に示すように、Crが増
加するにつれ飽和磁束密度が減少し、異方性磁界が減少
し、磁歪が小さくなった。これから、Co−Zr−Cr
3成分系非晶質合金膜において、Crは、異方性磁界を
低減し、磁歪を低減する効果も有することがわかった。
r量を原子比率で6〜8%に固定し、Cr量を0〜20
%まで変化させたところ、図4に示すように、Crが増
加するにつれ飽和磁束密度が減少し、異方性磁界が減少
し、磁歪が小さくなった。これから、Co−Zr−Cr
3成分系非晶質合金膜において、Crは、異方性磁界を
低減し、磁歪を低減する効果も有することがわかった。
【0044】このように、本実施例の磁気抵抗効果型磁
気ヘッドは、磁気抵抗効果膜40よりも透磁率の小さい
下部シールド膜10および上部シールド膜80を用いる
ことにより、記録媒体のヘッドが読み取るべき磁束が、
シールド膜10および80に流れ込むことを防ぎ、磁気
抵抗効果型磁気ヘッドの再生感度を向上させることがで
きる。上述の実施例では、下部シールド膜10および上
部シールド膜80の両方に磁気抵抗効果膜40より小さ
い透磁率の膜を用いたが、下部シールド膜10および上
部シールド膜80の一方を、磁気抵抗効果膜40より小
さい透磁率の膜を用いても良い。この場合にも、従来の
ものより再生感度を向上させることができる。
気ヘッドは、磁気抵抗効果膜40よりも透磁率の小さい
下部シールド膜10および上部シールド膜80を用いる
ことにより、記録媒体のヘッドが読み取るべき磁束が、
シールド膜10および80に流れ込むことを防ぎ、磁気
抵抗効果型磁気ヘッドの再生感度を向上させることがで
きる。上述の実施例では、下部シールド膜10および上
部シールド膜80の両方に磁気抵抗効果膜40より小さ
い透磁率の膜を用いたが、下部シールド膜10および上
部シールド膜80の一方を、磁気抵抗効果膜40より小
さい透磁率の膜を用いても良い。この場合にも、従来の
ものより再生感度を向上させることができる。
【0045】また、磁気抵抗効果型磁気ヘッドの上部シ
ールド膜80の上側には、記録専用の電磁誘導型の薄膜
磁気ヘッドが形成することができる。このような構造に
した場合、電磁誘導型の薄膜磁気ヘッドの残留磁界が、
磁気抵抗効果膜40に及び、磁気抵抗効果型磁気ヘッド
の再生感度が劣化するおそれがある。しかし、上部シー
ルド膜に本発明の透磁率の小さな膜を用いた場合には、
上部シールド膜80が薄膜磁気ヘッドの残留磁界をシー
ルドし、磁気抵抗効果膜40に残留磁界が及ばないの
で、再生感度の劣化を防ぐことができる。また、このよ
うな構造のヘッドの場合、下部シールド膜10及び上部
シールド膜80には、薄膜磁気ヘッドの磁界により大き
な応力がかかる。この応力によって下部シールド膜1
0、及び上部シールド膜80の磁気特性が変化しないた
めには、下部シールド膜10と上部シールド膜80の磁
歪は、10~7台が望ましい。
ールド膜80の上側には、記録専用の電磁誘導型の薄膜
磁気ヘッドが形成することができる。このような構造に
した場合、電磁誘導型の薄膜磁気ヘッドの残留磁界が、
磁気抵抗効果膜40に及び、磁気抵抗効果型磁気ヘッド
の再生感度が劣化するおそれがある。しかし、上部シー
ルド膜に本発明の透磁率の小さな膜を用いた場合には、
上部シールド膜80が薄膜磁気ヘッドの残留磁界をシー
ルドし、磁気抵抗効果膜40に残留磁界が及ばないの
で、再生感度の劣化を防ぐことができる。また、このよ
うな構造のヘッドの場合、下部シールド膜10及び上部
シールド膜80には、薄膜磁気ヘッドの磁界により大き
な応力がかかる。この応力によって下部シールド膜1
0、及び上部シールド膜80の磁気特性が変化しないた
めには、下部シールド膜10と上部シールド膜80の磁
歪は、10~7台が望ましい。
【0046】また、上述のように、シールド膜10およ
び80に、Co−Zr−Crの3成分系合金膜を用いた
場合には、各成分の原子比率を調節することにより、透
磁率が磁気抵抗効果膜より低く、かつ、表面が平滑な非
晶質で、かつ、耐久性が高いシールド膜を提供すること
ができる。したがって、このようなシールド膜を用いる
ことにより、再生感度と耐久性とが高い磁気抵抗効果型
磁気ヘッドを得ることができる。
び80に、Co−Zr−Crの3成分系合金膜を用いた
場合には、各成分の原子比率を調節することにより、透
磁率が磁気抵抗効果膜より低く、かつ、表面が平滑な非
晶質で、かつ、耐久性が高いシールド膜を提供すること
ができる。したがって、このようなシールド膜を用いる
ことにより、再生感度と耐久性とが高い磁気抵抗効果型
磁気ヘッドを得ることができる。
【0047】また、上述の実施例において、磁気抵抗効
果型磁気ヘッド製造工程で熱処理を行ったが、熱処理に
際しては、熱処理前後で透磁率が変動するので、あらか
じめこの変動幅を考慮に入れ、合金の組成を選定する。
原子比率でZr量を6〜12%、Cr量を8〜14%含
み、かつ、Zr量とCr量の総和が18%以上であり、
残部が実質的にCoで構成される合金膜が、熱処理後の
透磁率400〜1000を示し、かつ非晶質であり、か
つ耐食性が高く、これに加えて低保持力、低磁歪特性を
示した。
果型磁気ヘッド製造工程で熱処理を行ったが、熱処理に
際しては、熱処理前後で透磁率が変動するので、あらか
じめこの変動幅を考慮に入れ、合金の組成を選定する。
原子比率でZr量を6〜12%、Cr量を8〜14%含
み、かつ、Zr量とCr量の総和が18%以上であり、
残部が実質的にCoで構成される合金膜が、熱処理後の
透磁率400〜1000を示し、かつ非晶質であり、か
つ耐食性が高く、これに加えて低保持力、低磁歪特性を
示した。
【0048】また、本発明は、透磁率を下げることに主
眼をおいているため、従来技術のように、回転磁界中で
熱処理を行うことは、透磁率が上昇するため望ましくな
い。本実施例では、容易軸方向に磁界を加えて、熱処理
をすることにより、透磁率を上昇させることなく、熱的
に安定なCo−Zr−Cr3成分系合金膜を得ることが
できた。
眼をおいているため、従来技術のように、回転磁界中で
熱処理を行うことは、透磁率が上昇するため望ましくな
い。本実施例では、容易軸方向に磁界を加えて、熱処理
をすることにより、透磁率を上昇させることなく、熱的
に安定なCo−Zr−Cr3成分系合金膜を得ることが
できた。
【0049】本実施例のCo−Zr−Cr合金膜は、熱
処理温度が250℃と低く、熱処理時間が3時間程度の
短い時間でも十分に熱処理の効果があるために、製造コ
ストが安くてすむという利点がある。また、磁気抵抗効
果型磁気ヘッドは多数の膜を積層させて構成されるた
め、300℃を越える製造プロセスが存在する場合、各
膜間、及び各層間での相互拡散が問題になるが、本発明
に係る非晶質合金では熱処理温度が250℃と低く、ま
た短時間ですむため、相互拡散を心配せずに磁気シール
ド膜を製造できるという利点もある。
処理温度が250℃と低く、熱処理時間が3時間程度の
短い時間でも十分に熱処理の効果があるために、製造コ
ストが安くてすむという利点がある。また、磁気抵抗効
果型磁気ヘッドは多数の膜を積層させて構成されるた
め、300℃を越える製造プロセスが存在する場合、各
膜間、及び各層間での相互拡散が問題になるが、本発明
に係る非晶質合金では熱処理温度が250℃と低く、ま
た短時間ですむため、相互拡散を心配せずに磁気シール
ド膜を製造できるという利点もある。
【0050】また、本実施例においてCo−Zr−Cr
合金膜をスパッタリング法で成膜したが、真空蒸着法、
イオンビ−ムスパッタ法によっても製造可能である。真
空蒸着法は、装置が安価であるという利点がある。ま
た、イオンビームスパッタ法は、合金の組成比を高精度
にコントロールすることができる。大量生産時には、組
成変動が少なく、Co−Zr−Cr3成分系非晶質合金
膜を容易に作製できるという点でスパッタが適してい
る。
合金膜をスパッタリング法で成膜したが、真空蒸着法、
イオンビ−ムスパッタ法によっても製造可能である。真
空蒸着法は、装置が安価であるという利点がある。ま
た、イオンビームスパッタ法は、合金の組成比を高精度
にコントロールすることができる。大量生産時には、組
成変動が少なく、Co−Zr−Cr3成分系非晶質合金
膜を容易に作製できるという点でスパッタが適してい
る。
【0051】また、本実施例ではZrを含むCo−Zr
−Cr3成分系合金膜を用いたが、Zrを物理的及び化
学的に類似した元素であるHfに置き換えても、同様の
効果を持つと推定される。
−Cr3成分系合金膜を用いたが、Zrを物理的及び化
学的に類似した元素であるHfに置き換えても、同様の
効果を持つと推定される。
【0052】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の磁気抵抗効
果型磁気ヘッドは、磁気抵抗効果膜より透磁率の小さい
シールド膜を用いることにより、再生感度を向上させる
ことができる。
果型磁気ヘッドは、磁気抵抗効果膜より透磁率の小さい
シールド膜を用いることにより、再生感度を向上させる
ことができる。
【0053】このようなシールド膜としては、例えばC
o−Zr−Cr3成分系合金膜を用いることが可能であ
る。この場合、3成分の組成比を変えることにより、シ
ールド膜の表面平滑性が向上させることが可能であり、
これによりさらに再生感度を向上させることができる。
また、Co−Zr−Cr3成分系合金膜を用いた場合に
は、磁気抵抗効果型磁気ヘッドの耐食性を向上させるこ
ともできる。
o−Zr−Cr3成分系合金膜を用いることが可能であ
る。この場合、3成分の組成比を変えることにより、シ
ールド膜の表面平滑性が向上させることが可能であり、
これによりさらに再生感度を向上させることができる。
また、Co−Zr−Cr3成分系合金膜を用いた場合に
は、磁気抵抗効果型磁気ヘッドの耐食性を向上させるこ
ともできる。
【図1】本発明の磁気抵抗効果型磁気ヘッドの一実施例
の斜視図。
の斜視図。
【図2】図1の磁気抵抗効果型磁気ヘッドの浮上面側の
断面図。
断面図。
【図3】ニッケル−鉄結晶質合金膜と本実施例のCo−
Zr−Cr非晶質合金膜の表面粗さの測定値を立体的に
示すグラフ。
Zr−Cr非晶質合金膜の表面粗さの測定値を立体的に
示すグラフ。
【図4】Co−Zr−Cr非晶質合金膜における磁気特
性のCr量依存性を示すグラフ。
性のCr量依存性を示すグラフ。
【図5】ニッケル−鉄結晶質合金膜およびCo−Zr−
Cr非晶質合金膜の腐食試験結果を示すグラフ。
Cr非晶質合金膜の腐食試験結果を示すグラフ。
【図6】Co−Zr−Cr非晶質合金膜およびニッケル
−鉄結晶質合金膜上に形成した磁気抵抗効果膜の膜厚を
示す断面図。
−鉄結晶質合金膜上に形成した磁気抵抗効果膜の膜厚を
示す断面図。
10…下部シ−ルド膜、20…下部ギャップ膜、30…
磁区制御層、40…磁気抵抗効果膜、50…シャント
膜、55…ソフト膜、60…信号取り出し用電極、70
…上部ギャップ膜、80…上部シ−ルド膜。
磁区制御層、40…磁気抵抗効果膜、50…シャント
膜、55…ソフト膜、60…信号取り出し用電極、70
…上部ギャップ膜、80…上部シ−ルド膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芦田 栄次 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 府山 盛明 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 5/39 G11B 5/31
Claims (11)
- 【請求項1】基板上に、順に、下部シールド膜と、磁気
抵抗効果膜と、上部シールド膜を備えて構成される磁気
抵抗効果型磁気ヘッドにおいて、 前記上部シールド膜および下部シールド膜の少なくとも
一方の透磁率は、前記磁気抵抗効果膜の透磁率より小さ
いことを特徴とする磁気抵抗効果型磁気ヘッド。 - 【請求項2】請求項1において、前記下部シールド膜
は、非晶質であることを特徴とする磁気抵抗効果型磁気
ヘッド。 - 【請求項3】請求項2において、前記上部シールド膜お
よび下部シールド膜の耐食性は、前記磁気抵抗効果膜の
耐食性よりも大きいことを特徴とする磁気抵抗効果型磁
気ヘッド。 - 【請求項4】請求項1において、前記上部シールド膜お
よび下部シールド膜の少なくとも一方の透磁率は、10
00以下であることを特徴とする磁気抵抗効果型磁気ヘ
ッド。 - 【請求項5】請求項1において、前記下部シールド膜
は、クロムとジルコニウムとを合計した量を18原子%
以上含むコバルトを主成分とすることを特徴とする磁気
抵抗効果型磁気ヘッド。 - 【請求項6】請求項2または5において、前記下部シー
ルド膜は、ジルコニウムを6原子%以上含むコバルトを
主成分とすることを特徴とする磁気抵抗効果型磁気ヘッ
ド。 - 【請求項7】請求項3において、前記上部シールド膜お
よび下部シールド膜は、クロムを8原子%以上含むコバ
ルトを主成分とすることを特徴とする磁気抵抗効果型磁
気ヘッド。 - 【請求項8】基板上に、順に、下部シールド膜と、磁気
抵抗効果膜と、上部シールド膜を備えて構成される磁気
抵抗効果型磁気ヘッドにおいて、 前記下部シールド膜は、ジルコニウムを6原子%以上、
クロムを8原子%以上含有し、かつ、コバルトとジルコ
ニウムとを合計した量が18原子%以上であるコバルト
を主成分とすることを特徴とする磁気抵抗効果型磁気ヘ
ッド。 - 【請求項9】請求項1または8において、前記下部シー
ルド膜の膜厚は、0.5マイクロメ−トル以上であるこ
とを特徴とする磁気抵抗効果型磁気ヘッド。 - 【請求項10】基板上に、下部シールド膜と、磁気抵抗
効果膜と、上部シールド膜を備え、前記下部シールド膜
および上部シールド膜の少なくとも一方は、コバルトと
ジルコニウムとクロムとを主成分とする合金膜で構成さ
れる磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製造方法であって、 前記合金膜を成膜した後、前記合金膜の磁化容易軸方向
の磁界中で前記合金膜を熱処理することを特徴とする磁
気抵抗効果型磁気ヘッドの製造方法。 - 【請求項11】磁気記録媒体を支持する支持手段と、基
板上に下部シールド膜と磁気抵抗効果膜と上部シールド
膜を順に備え、前記磁気記録媒体上の磁気信号を再生す
る磁気抵抗効果型磁気ヘッドとを有する磁気信号再生装
置において、 前記上部シールド膜および下部シールド膜の少なくとも
一方の透磁率は、前記磁気抵抗効果膜の透磁率より小さ
いことを特徴とする磁気信号再生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34145691A JP2793732B2 (ja) | 1991-12-24 | 1991-12-24 | 磁気抵抗効果型磁気ヘッドおよびその製造方法、ならびに、磁気信号再生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34145691A JP2793732B2 (ja) | 1991-12-24 | 1991-12-24 | 磁気抵抗効果型磁気ヘッドおよびその製造方法、ならびに、磁気信号再生装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05174334A JPH05174334A (ja) | 1993-07-13 |
JP2793732B2 true JP2793732B2 (ja) | 1998-09-03 |
Family
ID=18346213
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34145691A Expired - Lifetime JP2793732B2 (ja) | 1991-12-24 | 1991-12-24 | 磁気抵抗効果型磁気ヘッドおよびその製造方法、ならびに、磁気信号再生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2793732B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0845027A (ja) * | 1994-07-29 | 1996-02-16 | Fujitsu Ltd | 磁気抵抗効果素子及びその製造方法 |
JP3388685B2 (ja) * | 1996-04-01 | 2003-03-24 | ティーディーケイ株式会社 | 磁気ヘッド |
JP3520170B2 (ja) * | 1996-04-02 | 2004-04-19 | Tdk株式会社 | 複合型薄膜磁気ヘッド |
-
1991
- 1991-12-24 JP JP34145691A patent/JP2793732B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05174334A (ja) | 1993-07-13 |
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