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JP2778124B2 - 水性樹脂組成物 - Google Patents

水性樹脂組成物

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JP2778124B2
JP2778124B2 JP16251589A JP16251589A JP2778124B2 JP 2778124 B2 JP2778124 B2 JP 2778124B2 JP 16251589 A JP16251589 A JP 16251589A JP 16251589 A JP16251589 A JP 16251589A JP 2778124 B2 JP2778124 B2 JP 2778124B2
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義正 田中
隆司 渡辺
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規な水性樹脂組成物に関するものであっ
て、詳しくは耐アルカリ性,耐溶剤性,耐水性の極めて
良好なコアーシュル構造を有する水性樹脂組成物に関す
るものである。
〔従来の技術〕
高分子水分散体(エマルジョン,ラテックス)は有機
溶剤を含有しないので、火災の危険性がなく、また作業
環境が悪化する問題も少ないため各分野に応用されてい
る。
しかしながらスチレン−ブタジエン共重合体ラテック
ス,アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ラテックス
等の合成ゴム系ラテックスやエチレン−(メタ)アクリ
ル酸共重合体エマルジョンは、例えばパルプ,アスベス
ト等への湿部添加、ビーター添加あるいは繊維及び類似
物質へのコーティングや含浸加工を行なった場合、満足
のいく耐溶剤性と耐アルカリ性が発現しなかった。
この様な合成ゴムラテックスやアクリル系樹脂エマル
ジョンの欠点を解決するべく種々の試みが行われてい
る。
例えば、特開昭63−99363号公報には、エポキシ樹脂
の存在下で(メタ)アクリル酸を含む単量体混合物を重
合することにより得られる、カルボキシル基をグラフト
鎖に含んだエポキシ樹脂又はその塩、あるいはカルボキ
シル基含有アクリル系樹脂をアミンエステル化触媒の存
在下でエポキシ樹脂とエステル化した樹脂又はその塩
(以下、併せてカルボキシル基を有する変性エポキシ樹
脂という。)の水性媒体中で、共役ジエン化合物及び/
又はモノエチレン性不飽和単量体を重合して得られる樹
脂を含んでなる水性樹脂組成物が示されている。
又、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の水性媒
体中で、共役ジエン及び/又はモノエチレン性不飽和単
量体を重合して得られる樹脂を含んでなる水性樹脂組成
物が特開昭57−137339号公報、特開昭61−268349号公報
に示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、特開昭63−99363号公報、特開昭57−1
37339号公報および特開昭61−268349号公報に記載され
ている様な水性樹脂組成物はいずれも耐アルカリ性、耐
水性および耐溶剤性が未だ不充分であった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、上記実情に鑑み鋭意検討したところ、
カルボキシル基を有する変性エポキシ樹脂とエチレン−
(メタ)アクリル酸共重合体の両方を含有する水性媒体
中で、共役ジエン化合物及び/又はモノエチレン性不飽
和単量体を重合せしめた樹脂を含有してなる水性樹脂組
成物が、上記3つの耐久性いずれにも優れていることを
見い出し本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、[I]オレフィン−エチレン性不飽和
カルボン酸共重合体(A)と、アニオン性基を有する変
性エポキシ樹脂(B)を含有してなる水性媒体中で、共
役ジエン化合物(C)及び/又はモノエチレン性不飽和
単量体(D)を重合せしめた樹脂(I)を含有してなる
水性樹脂組成物を提供するものである。
また本発明は、[II]上記アニオン性基を有する変性
エポキシ樹脂(B)が、エポキシ樹脂のモノエチレン性
不飽和カルボン酸グラフト共重合体(B1)、又はエポキ
シ樹脂とそのエポキシ基より過剰のカルボキシル基を有
するアクリル系樹脂との反応生成物(B2)である上記
[I]記載の水性樹脂組成物を提供するものである。
さらに[III]該アニオン性基を有する変性エポキシ
樹脂(B)の使用量が、共役ジエン化合物(C)及び/
又はモノエチレン性不飽和単量体(D)の全重量の4〜
20重量%となる量である上記[I]記載の水性樹脂組成
物を提供するものである。
そして[IV]該共役ジエン化合物(C)とモノエチレ
ン性不飽和単量体(D)の重量比率[該化合物(C)と
該単量体(D)]が、95/5〜20/80である上記[I]記
載の水性樹脂組成物を提供するものである。
本発明に係る樹脂(I)は、該共重合体(A)及び該
樹脂(B)を含有してなる水性媒体中で、通常ラジカル
重合開始剤を用いて、該化合物(C)及び/又は該単量
体(D)を重合せしめることにより得られるもので、該
樹脂(I)は、通常該化合物(C)及び/又は該単量体
(D)の重合体のコアが該共重合体(A)及び該樹脂
(B)のシェルにより覆われた二層構造を有する粒子で
ある。
本発明に係るオレフィン−エチレン性不飽和カルボン
酸共重合体(A)とは、オレフィン系炭化水素とエチレ
ン性不飽和カルボン酸との共重合体又はその塩であり、
その他の共重合可能なモノエチレン性不飽和単量体成分
を含有する共重合体又はその塩であってもよい。
該共重合体(A)はどの様な方法で製造されたもので
あってもよいが、例えばオートクレーブ中、有機溶剤の
存在下オレフィンガスを充填し、ラジカル重合開始剤と
モノエチレン性不飽和カルボン酸を有機溶剤とともにオ
ートクレーブ中に圧入し、30分〜6時間反応させた後溶
剤を留去して得られるオレフィン−モノエチレン性不飽
和カルボン酸共重合体が挙げられる。
通常このオレフィン−モノエチレン性不飽和カルボン
酸共重合体は、40〜150℃で撹拌しながら蒸留水及び水
酸化ナトリウムを加えて、共重合体塩の水分散液として
用いられる。
該共重合体(A)のオレフィン系炭化水素とエチレン
性不飽和カルボン酸の共重合割合は特に限定されるもの
ではないが、共重合体(A)を構成する単量体全重量中
モノエチレン性不飽和カルボン酸又はその塩が1〜10モ
ル%含有されているものが好ましい。
上記共重合体(A)を構成するオレフィン系炭化水素
としては、例えばエチレン、プロピレン、ブテン、ペン
テン等が、エチレン性不飽和カルボン酸としては、(メ
タ)アクリル酸、フマール酸、イタコン酸、マレイン
酸、アゼライン酸等が、その塩を形成する原子団として
は、ナトリウム、カリウム、リチウム等の金属の他アン
モニウム塩等が、その他の共重合可能なモノエチレン性
不飽和単量体成分としては、例えばアクリル酸メチル、
メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸
エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、
アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸ペ
ンチル、メタクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、
メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、メタクリ
ル酸ヘプチル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オク
チル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸オクタデ
シル等で例示されるアクリル酸アルキルエステルおよび
メタクリル酸アルキルエステル;スチレン、α−メチル
スチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン、2,4−ジ
ブロムスチレン等で例示されるエチレン性不飽和芳香族
単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不
飽和ニトリル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸、マレイン酸およびその無水物、フマル酸、イタコン
酸、並びに不飽和ジカルボン酸モノアルキルエステル、
例えばマレイン酸モノメチル、フマル酸モノエチル、イ
タコン酸モノn−ブチル等のモノエチレン性不飽和カル
ボン酸;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の如きビニ
ルエステル;塩化ビニリデン、臭化ビニリデン等の如き
ビニリデンハライド;アクリル酸−2−ヒドロキシエチ
ル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル
酸−2−ヒドロキシエチル等の如きエチレン性不飽和カ
ルボン酸のヒドロキシアルキルエステル;アクリル酸グ
リシジル、メタクリル酸グリシジル等の如きエチレン性
不飽和カルボン酸のグリシジルエステル;およびアクリ
ルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリル
アミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−ブトキ
シメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等
のラジカル重合可能な単量体が挙げられる。
共重合体(A)としては、モノエチレン性不飽和カル
ボン酸またはその塩が、1〜15モル%含有するエチレン
−モノエチレン性不飽和カルボン酸の共重合体が好まし
く、中でも重量平均分子量50000〜150000で水溶性ない
しは水分散性を有するものが好ましい。
本発明に係るアニオン性基を有する変性エポキシ樹脂
(B)とは、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸基お
よびリン酸基に代表されるアニオン性基を有する変性さ
れたエポキシ樹脂又はその塩であり、中でもカルボキシ
ル基を有する変性されたエポキシ樹脂のアルカリ金属塩
又はアンモニウム塩が、自己分散性を有しかつ後記する
共役ジエン化合物(C)及び/又はモノエチレン性不飽
和単量体(D)を乳化できるので好ましい。
この様な好ましい該樹脂(B)としては例えば、親水
性有機溶媒中エポキシ樹脂の存在下、60〜150℃で全モ
ノエチレン性不飽和単量体の10モル%以上のモノエチレ
ン性不飽和カルボン酸と、必要に応じてその他の共重合
可能なモノエチレン性不飽和単量体とをベンゾイルパー
オキサイドの様なラジカル重合開始剤を上記全単量体の
3〜12重量%に相当する量使用してグラフト重合させて
製造されるエポキシ樹脂のモノエチレン性不飽和カルボ
ン酸グラフト共重合体の第3級アミン塩ないしはアルカ
リ金属塩や、モノエチレン性不飽和カルボン酸を少なく
とも20重量%含有するモノエチレン性不飽和単量体を有
機溶媒中50〜150℃で重合して得られるカルボキシル基
を有する数平均分子量5000〜20000のアクリル系樹脂
と、数平均分子量1500〜6000のビスフェノールA型エポ
キシ樹脂とをそのオキシラン基/カルボキシル基の当量
比が1/2〜1/20となる割合で50〜150℃で反応させて得ら
れる反応物の第3級アミンとの塩が挙げられる。この様
な市販品としてはディックファインGN−0280(大日本イ
ンキ化学工業(株)製がある。
本発明に係る共役ジエン化合物(C)としては、例え
ばブタジエン−1,3、2−メチル−ブタジエン−1,3、2
−クロルブタジエン−1,3等が挙げられるが、他の単量
体との共重合性および経済性を考慮すればブタジエン−
1,3を使用するのが好ましい。
本発明に係るモノエチレン性不飽和単量体(D)とし
ては前記オレフィン−エチレン性不飽和カルボン酸共重
合体(A)におけるその他の共重合可能なモノエチレン
性不飽和単量体がいずれも使用できる。
該共重合体(A)と該樹脂(B)の存在下で反応させ
る該化合物(C)及び/又は単量体(D)は、該化合物
(C)または該単量体(D)のいずれか一方のみを用い
てもよいが、通常該化合物(C)と該単量体(D)を併
用する。該単量体(D)に対する該化合物(C)の重合
割合〔(C)/(D)〕が、95/5〜20/80であると特に
ラテックスの有する特性が発揮されるので好ましい。
更に、該化合物(C)と該単量体(D)の合計重量に
対する該樹脂(B)の重量の比率[(B)/(C)+
(D)]は、該樹脂(I)の製造時の重合安定性に優
れ、かつ重合率が高く耐久性に優れた樹脂(I)が得ら
れる点で、[(B)/(C)+(D)]=4/96〜20/80
であることが好ましい。
又、該樹脂(I)の製造時における該化合物(C)と
該単量体(D)の合計重量に対する該共重合体(A)と
該樹脂(B)の合計重量の比率〔(A)+(B)/
(C)+(D)〕は特に限定されないが、〔(A)+
(B)/(C)+(D)〕=70/30〜30/70であることが
該樹脂(I)のコアーシェル構造形成上好ましい。
本発明に係る該樹脂(I)の製造方法は、該共重合体
(A)と該樹脂(B)を含有する水性媒体中で該化合物
(C)及び/又は該単量体(D)を重合せしめればよ
く、その他の反応条件等は特に限定されるものではない
が、例えば、該共重合体(A)と該樹脂(B)を混合し
た水性媒体中で該化合物(C)及び/又は該単量体
(D)を水中に分散させ、ラジカル重合開始剤、例えば
過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウ
ム、過酸化水素水等の水性開始剤、ベンゾイルパーオキ
サイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、t−ブチ
ルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサ
イド等の油性開始剤により、室温〜150℃好ましくは40
〜90℃でラジカル重合を行えばよい。
本発明に係る樹脂(I)は、該共重合体(A)および
該樹脂(B)に該化合物(C)及び/又は該単量体
(D)がグラフト重合した構造の樹脂を主成分として含
有していてもよいが、グラフト重合した構造の樹脂に比
べて耐アルカリ性、耐水性および耐溶剤性が優れる点で
グラフト重合した構造を有さない樹脂を主成分とする該
樹脂(I)であることが好ましい。
上記ラジカル重合時に用いるラジカル重合開始剤の使
用量は通常、該化合物(C)及び/又は該単量体(D)
の合計重量の0.1〜0.5重量%であるが、該樹脂(I)を
その主成分がグラフト重合した構造を有さない樹脂とす
るために、使用する開始剤とその使用量は必要に応じて
適宜選択することが好ましい。
更に該樹脂(I)の製造時には、乳化剤は使用せず水
相の該共重合体(A)と該樹脂(B)の安定化効果を利
用してラジカル重合を進めるのが得られる該樹脂(I)
の性能上好ましいが、必要に応じて通常ラジカル乳化重
合を行う際に用いる公知慣用の乳化剤を用いてもよい。
この様にして得られる該樹脂(I)を含有してなる水性
樹脂組成物は、pH8〜10、粘度30〜1000cps程度のもので
ある。
また、本発明においては、乳化重合に通常用いられる
添加剤、たとえば連鎖移動剤、重合安定剤や緩衝効果を
目的としたエチレンジアミン四酢酸等を必要に応じて使
用することは何ら差しつかえない。
本発明の該樹脂(I)を含有してなる水性樹脂組成物
は、例えばストリッピング等の方法によって、必要とさ
れる固形分含量に濃縮することもできる。
本発明の水性樹脂組成物には目的や必要に応じて、ポ
リイソシアネート化合物、尿素樹脂、メラミン樹脂およ
びエポキシ樹脂等の架橋剤、塩化アンモニウム、パラト
ルエンスルホン酸アンモニウム等の架橋用触媒、界面活
性剤、着色剤、防腐剤、難燃剤、撥水撥油剤、柔軟剤並
びに螢光染料等の公知慣用の添加剤を併用することもで
きる。
本発明の水性樹脂組成物は、更に強度や各種基材への
含浸あるいはスプレー塗布の安定性にも優れているの
で、紙、合成繊維、天然繊維、ガラス繊維および炭素繊
維等各種基材のバインダー用樹脂として有用である。
例えば本発明の水性樹脂組成物をベースに不織布加工
用バインダーを配合することができ、このバインダーで
加工した不織布は、該樹脂(I)の該アルカリ性、耐水
性および耐溶剤性に起因する耐洗濯性および耐ドライク
リーニング性が良好である。
次に本発明を実施例により具体的に説明する。なお、
文中に表示した部数は重量部を示す。以下「水性樹脂組
成物」を「ラテックス」という。
実施例1 エチレン−メタアクリル酸共重合体の水分散液の製
造 窒素置換した内容積5オートクレーブ中にt−ブタ
ノール1500部を入れ、エチレンを100atmになるまで充填
した。撹拌下アゾビスイソブチロニトリル3部及びメタ
アクリル酸20部をt−ブタノール900部と共にオートク
レーブ中に供給した。
約4時間撹拌し反応の後、t−ブチルアルコールを留
去し共重合体(a)を得た。この共重合体(a)を120
℃で強く撹拌しながら水及び水酸化ナトリウムを加え、
エチレン−メタアクリル酸共重合体(a)のナトリウム
塩の水分散液を製造した。この水分散液は固形分20%、
粘度1080cps、pH9.0であった。
カルボキシル基を有する変性エポキシ樹脂の合成 (1) n−ブタノール 120部 (2) エピコート1010 150部 (3) メタアクリル酸 25部 (4) スチレン 10部 (5) エチルアクリレート 2部 (6) 過酸化ベンゾイル 3部 (7) n−ブタノール 10部 窒素ガス置換した4つ口フラスコに(1)〜(2)を
仕込み、加熱溶解した。この溶液に、(3)〜(7)を
均一に混合したものをフラスコ内を100℃に保ちながら
撹拌しつつ2時間かけて徐々に滴下した。滴下終了後、
更に同温度で4時間撹拌し、固形分58%のカルボキシル
基を有する変性エポキシ樹脂(b)のn−ブタノール溶
液を得た。
カルボキシル基を有する変性エポキシ樹脂の水分散
液の調製 (8) カルボキシル基を有する変性エポキシ樹脂
(b)のn−ブタノール溶液 100部 (9) ジメチルエタノールアミン 4部 (10) イオン交換水 260部 窒素ガスを封入した4つ口フラスコに(8)を仕込
み、これを100℃まで加熱し、(9)(10)の混合液を
撹拌しながら30分かけて滴下し、カルボキシル基を有す
る変性エポキシ樹脂(b)のジメチルエタノールアミン
塩の水性分散液を得た。さらに、減圧下にてn−ブタノ
ールと水を共沸蒸留により130部留去し、不揮発分25%
のn−ブタノールを含まないカルボキシル基を有する変
性エポキシ樹脂(b)のジメチルエタノールアミン塩の
水分散液を得た。
ラテックスの合成 窒素置換した撹拌機付オートクレーブにカルボキシル
基を有する変性エポキシ樹脂(b)のジメチルエタノー
ルアミン塩の水分散液を固形分として5部、エチレン−
メタアクリル酸共重合体(a)のナトリウム塩の水分散
液を固形分として50部、イオン交換水100部、ブタジエ
ン50部、メチルメタクリレート10部、アクリロニトリル
40部、過硫酸カリウム0.5部を仕込み、60℃で撹拌しな
がら重合率95%以上になるまで重合を行った。
重合反応は凝集物の生成もなく順調に進行した。
次いで水蒸気蒸留により未反応モノマーの除去および
濃縮を行い、pH8.1、固形分50.0%、粘度142cpsのラテ
ックスAを得た。
ラテックスAの粒子を水に分散している状態のままオ
スミウム酸およびルテニウム酸で固定し、ポリビニルア
ルコールで処理した後、オスミウム酸で染色を行い、超
薄切片の試料を作成した。
この試料を透過型電子顕微鏡(倍率100000倍)で観察
したところ、ラテックスAの粒子はブタジエン、メチル
メタクリレートおよびアクリロニトリルの共重合体を核
として、その外側がカルボキシル基を有する変性エポキ
シ樹脂とエチレン−エチレン性不飽和カルボン酸共重合
体で覆われた2層構造を有する粒子であることがわかっ
た。
次にラテックスAを乾燥膜厚が0.1〜0.2mmになるよう
にガラス板に流延し、20℃で48時間自然乾燥して得た皮
膜を140℃で5分間加熱した後、JIS 1号ダンベルで打抜
いて試片を作成し、テンシロンにて引張り速度500mm/mi
nの条件で皮膜の強伸度を測定した。皮膜は弾性、強靭
性に富み、引張強度250kg/cm2、伸び700%であった。
次に皮膜から5cm×5cm、10cm×3cmおよび5cm×5cmの
試片を作成し、それぞれ0.05規定水酸化ナトリウム水溶
液、蒸留水、パークレンにそれぞれ60℃×10日間浸漬し
て、それぞれ0.5規定水酸化ナトリウム水溶液浸漬によ
る面積膨潤率(%)(耐アルカリ性)、水中浸漬による
寸法変化率(%)(耐水性)およびパークレン浸漬によ
る面積膨潤率(%)(耐溶剤性)を測定した。その結果
を第1表に示した。第1表から明らかな様にラテックス
Aは非常に優れた耐アルカリ性、耐水性、耐溶剤性を有
していることがわかる。
比較例1 カルボキシル基を有する変性エポキシ樹脂(b)のジ
メチルエタールアミン塩の水分散液とエチレン−メタア
クリル酸共重合体(a)のナトリウム塩の水分散液を使
用せず、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダを1部使用
すること以外は実施例1と同様の方法にて乳化重合を行
い、次いで未反応モノマーの除去、濃縮を行ってpH8.
0、固形分50.0%、粘度500cpsのラテックスaを得た。
次に、実施例1と同様の方法で皮膜を調製し、皮膜の
強度、耐アルカリ性、耐水性、耐溶剤性を測定した。そ
の結果を第1表に示した。
比較例2 エチレン−メタアクリル酸共重合体(a)の水分散液
50部(固形分)とドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ5
部を使用すること以外は実施例1と同様な方法にて乳化
重合を行い、次いで未反応モノマーの除去、濃縮を行っ
てpH9.5、固形分50.0%、粘度250cpsのラテックスa′
を得た。
次に、実施例1と同様の方法で皮膜を調製し、皮膜の
強度、耐アルカリ性、耐水性および耐溶剤性を測定し
た。その結果を第1表に示した。
比較例3 エチレン−メタアクリル酸共重合体(a)の水分散液
を用いない以外は実施例1と同様な方法にて重合を行
い、次いで未反応モノマーの除去、濃縮を行ってpH8.
0、固形分50.0%、粘度200cpsのラテックスa″を得
た。
次に実施例1と同様の方法で皮膜を調製し、皮膜の強
度、耐アルカリ性、耐水性および耐溶剤性を測定した。
その結果を第1表に示した。
比較例4 比較例1で得たラテックスaカルボキシル基を有する
変性エポキシ樹脂(b)のジメチルエタノールアミン塩
の水分散液とエチレン−メタアクリル酸共重合体(a)
のナトリウム塩の水分散液をそれぞれの固形分重量比で
100:4:50になるように混合してラテックスA′を得た。
次いで実施例1と同様の方法で皮膜を調製し、皮膜の
強伸度、耐水性、耐溶剤性を測定した。その結果を第1
表に示した。
実施例2 窒素置換した撹拌機、コンデンサ、温度計および滴下
ロートの付いたステンレス製反応容器に下記組成の原料
を仕込んだ。
イオン交換水 140部 カルボキシル基を有する変性エポキシ樹脂(b)のジメ
チルエタノールアミン塩の水分散液 10部 (固形分) エチレン−メタアクリル酸共重合体(a)のナトリウム
塩の水分散液 50部 (固形分) 次いで容器内の液温を60±2℃に保持したまま、撹拌
しつつアクリル酸n−ブチル86部、アクリロニトリル10
部、N−メチロールアクリルアミド2部、メタクリル酸
2部からなる単量体混合物ならびに10部の脱イオン水に
過硫酸アンモニウム0.3部を溶解した触媒溶液を180分か
けて滴下して重合させ、滴下終了後も同温度にて60分撹
拌を続けた。
撹拌終了後、内容物を30℃に冷却して、固形分45.1
%、pH8.3、粘度470cpsの安定なラテックスBを得た。
次いで実施例1と同様な方法で皮膜を調製し、皮膜の
強伸度、耐水性、耐溶剤性を測定した。その結果を第1
表に示した。
応用例 ラテックスA,a,a′,a″、ラテックスBをそれぞれ水
で希釈して固形分10%に調整した後、目付40g/m2のポリ
エチレン製ウェブに含浸して80℃で5分間乾燥後、80℃
で1分間ベーキングすることにより、樹脂固形分/繊維
=25/100(重量比)の不織布を得た。次いで、不織布し
ん地試験方法(JIS L−1085)に従って不織布のドライ
クリーニング強さおよび洗濯強さ試験における不織布の
形態変化の評価を行った。その結果を第2表に示した。
評価基準は下記の通りである。
〔発明の効果〕 本発明の水性樹脂組成物から得られる皮膜は、従来の
水性樹脂組成物のそれに比べて、耐アルカリ性、耐水性
および耐溶剤性のいずれの点でも優れており、かつ従来
の樹脂では高度の接着性が望めなかったポリエチレン、
ポリプロピレン等の極性を有さない基材に対して驚くべ
き接着性を有している。
従って本発明の水性樹脂組成物は、不織布用バインダ
ーのみならず、発泡体用バインダー、ガラス繊維用バイ
ンダー、プライマーコート剤、コーティング剤、水性塗
料等各種の分野で利用できる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オレフィン−エチレン性不飽和カルボン酸
    共重合体(A)と、アニオン性基を有する変性エポキシ
    樹脂(B)を含有してなる水性媒体中で、共役ジエン化
    合物(C)及び/又はモノエチレン性不飽和単量体
    (D)を重合せしめた樹脂(I)を含有してなる水性樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】アニオン性基を有する変性エポキシ樹脂
    (B)が、エポキシ樹脂のモノエチレン性不飽和カルボ
    ン酸グラフト共重合体(B1)、またはエポキシ樹脂とそ
    のエポキシ基より過剰のカルボキシル基を有するアクリ
    ル系樹脂との反応生成物(B2)である請求項1記載の組
    成物。
  3. 【請求項3】アニオン性基を有する変性エポキシ樹脂
    (B)の使用量が、共役ジエン化合物(C)及び/又は
    モノエチレン性不飽和単量体(D)の全重量の4〜20重
    量%となる量である請求項1記載の組成物。
  4. 【請求項4】共役ジエン化合物(C)とモノエチレン性
    不飽和単量体(D)の重量比率[該化合物(C)/該単
    量体(D)]が、95/5〜20/80である請求項1記載の組
    成物。
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