JP2775739B2 - 運動変換機構 - Google Patents
運動変換機構Info
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Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16F—SPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
- F16F2224/00—Materials; Material properties
- F16F2224/02—Materials; Material properties solids
- F16F2224/0283—Materials; Material properties solids piezoelectric; electro- or magnetostrictive
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- Impact Printers (AREA)
- Springs (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
この発明は、ほぼ平行に配置された2枚の板ばねの一
端に傾動部材が固着され、一方の板ばねを他方の板ばね
に対してほぼ平行に変位させることにより、前記傾動部
材を傾動させるようになした運動変換機構に関するもの
である。 (従来の技術) 2枚の板ばねを用いて傾動部材を傾動させる運動変換
機構には、すでに同一出願人によって出願がなされた特
願昭62−143530号のものがある。 すなわち、これにおいては、第8図と第9図に示すよ
うに、フレーム1と可動子5との対向面に基端側がろう
付けによってそれぞれ固着された2枚の板ばね8,9の先
端側に、傾動部材10がろう付けによって固着されてい
る。そして、圧電素子2の伸縮に基づく可動子5 の変位量に対応して、可動子5側の板ばね9がフレーム
1側の板ばね8に対してほぼ平行に変位されながら、前
記2枚の板ばね8,9が弾性変形されることで、傾動部材1
0が傾動されるようになっている。 さらに、前記2枚の板ばね8,9は、第9図に示すよう
に、その一端から他端にわたって略均一な板厚及び板幅
を有する四角形のばね板材より構成されている。 (発明が解決しようとする問題点) ところで、上述したものにおいて、一方の板ばね9が
他方の板ばね8に対してほぼ平行に変位され、これら両
板ばね8,9が弾性変形するときに、両板ばね8,9の応力
は、傾動部材10に対する両板ばね8,9のろう付け部の固
着端にも作用する。両板ばね8,9の弾性変形のくり返し
によって傾動部材10に対する両板ばね8,9の固着端、例
えば第8図において0点付近のろう付け部にクラックが
発生する。すると、前記クラック部分に応力が集中し、
これによって板ばねが折損されるという問題点が生じ
る。 そこでこの発明では、傾動部材に対する両板ばねの固
着端に作用する応力を軽減して、耐久性の向上を図るこ
とを、その解決すべき技術的課題とするものである。 (問題点を解決するための手段) 上記した課題を解決するために、この発明に係る運動
変換機構は、ほぼ平行に配置された2枚の板ばねの一端
に傾動部材が固着され、圧電素子の変位量と略等しい変
位量において一方の板ばねを他方の板ばねに対してほぼ
平行に変位させることにより、前記傾動部材を傾動させ
る運動変換機構において、 前記2枚の板ばねの固着端を除く部分でかつこれら2
枚の板ばねが互いに対向する中間部分において、前記変
位方向とほぼ直交する方向の断面積を、前記固着端の断
面積よりも小さくした箇所を前記2枚の板ばねにそれぞ
れ設けた。 (作 用) 上記の構成によれば、ほぼ平行に配置された2枚の板
ばねのうちの一方の板ばねが圧電素子の変位量と略等し
い変位量において他方の板ばねに対してほぼ平行に変位
され、これら両板ばねが弾性変形するときには、両板ば
ねの応力は、これら板ばねの相対する中間部分の断面積
が小さい箇所に主として作用し、前記両板ばねの固着端
に作用する応力が軽減される。 (実施例1) 以下、この発明の実施例1を第1図〜第4図にしたが
って説明する。この実施例1では印字ヘッドに採用した
ものを例示するものであって、第1図において、電圧の
印加により伸縮する圧電素子2を支持するためのフレー
ム1は、その圧電素子2の伸縮方向とほぼ平行する縦長
四角形で所定板厚の金属板より構成されている。このフ
レーム1の一側下端部には圧電素子2の一端(下端)を
温度補償材3を介して支持する支持部4が横方向に突設
されている。 圧電素子2は、積層状をなす圧電セラミックより構成
されており、電圧の印加によって積層方向(上下方向)
に伸縮される。この圧電素子2の一端面には、温度補償
材3が接着剤等によって固着されている。そして圧電素
子2は、その温度補償材3において、前記支持部4の支
持面4a上に支持されている。なお、前記温度補償材3
は、周囲の温度変化による圧電素子2の収縮を、伸びに
よって修正し、圧電素子2の上面高さを一定高さに保持
している。 圧電素子2の他側面(上端面)には四角形状の可動子
5が接着剤等によって固着されている。この可動子5
は、その一側がフレーム1の一側上部と所定の隙間をも
って対向している。フレーム1と可動子5との対向面に
は、一対をなす第1,第2の両板ばね8,9を固着するため
のばね取付面6,7が、圧電素子2の伸縮方向に平行して
それぞれ平坦面に形成されている。 フレーム1のばね取付面6には、第1板ばね8がその
一側板面が面当りした状態においてろう付け等によって
固着されている。 可動子5のばね取付面7には、第2板ばね9が、その
一側板面が面当りした状態においてろう付け等によって
固着されている。さらに、第2板ばね9は、前記第1板
ばね8とその対向面を互いに接触した状態において移動
可能に重合されている。 前記第1,第2の両板ばね8,9は、その各取付面6,7より
圧電素子2の伸縮方向に所定長さだけ延出されている。
第1,第2の両板ばね8,9の先端部には傾動部材10が固着
され、前記圧電素子2の伸縮に基づいて可動子5を介し
て第2板ばね9を第1板ばね8に対してほぼ平行に変位
させることで傾動部材10を傾動させるようになってい
る。 前記第1,第2の両板ばね8,9は、その変位方向と直交
する方向の断面積において、フレーム1、可動子5及び
傾動部材10に対する各固着端部8a,9aの断面積は大き
く、その中間の弾性変形部8b,9bの断面積は積極的に小
さく形成されている。 この実施例1では第3図と第4図に示すように、第1,
第2の両板ばね8,9には、その対向面と反対側の側面に
おいて、その板幅方向に溝8c,9cが凹設され、その溝8c,
9cによって両板ばね8,9の近接する側に薄肉状の弾性変
形部8b,9bが形成されている。 前記第1,第2の両板ばね8,9の先端部に固着された傾
動部材10は、その基部の剛性の高いホルダ11と、先端側
の軽量なアーム12とを主体として構成されている。 前記ホルダ11は、その下面に凹設された溝13に第1,第
2の両板ばね8,9の先端部がそれぞれ挿入された状態に
おいて、両板ばね8,9の対向面反対側とろう付けによっ
て固着されている。ホルダ11の前側面に凹設された溝14
にはアーム12の基部が挿入されてろう付けによって固着
されている。アーム12の先端には印字ワイヤ15の基端が
ろう付けによって固着されている。 電圧の印加による前記圧電素子2の伸縮方向に可動子
5を平行に移動させるために、フレーム1と可動子5と
の間には弾性変形可能な連結部材16が配設されている。
この連結部材16は、第2図に示すように、前記フレーム
1と反対側において、圧電素子2の積層方向に沿って縦
長で、その下端部がフレーム1の支持部4端面に固着さ
れ、上端部が可動子5の第2の板ばね9と反対側の端面
に固着されている。 さらに、連結部材16は、フレーム1の板面と平行する
平面において板幅を有しそれと直角な方向に薄肉の板材
より構成されている。そして、圧電素子2の伸びにとも
なう可動子5の移動力が第2板ばね9と連結部材16とに
ほぼ均等に作用するように、前記連結部材16の弾性力が
設定され、これによって可動子5が圧電素子2の伸縮方
向に平行移動されるようになっている。 また、この実施例では、前記連結部材16の上端部に、
傾動部材10が傾動復帰したときに、そのアーム12の一側
を当接支持するための低反発ゴムよりなるストッパ17が
配設されている。 さらに、この実施例では、フレーム1と連結部材16と
は線膨脹率が同一の材料より構成され、温度変化に対処
できるようになっている。 この実施例1は上述したように構成される。したがっ
て、圧電素子2の両電極間に電圧が印加されると、圧電
素子2は、その積層方向、すなわち、第2図において矢
印X方向に所定長さだけ伸び、これにともなって可動子
5が移動される。すると、可動子5の移動力を受けて第
2板ばね9が、第1板ばね8に沿って押上げられ、同第
2板ばね9がその薄肉状の弾性変形部9bにおいて湾曲状
に弾性変形される。第2板ばね9の湾曲状の弾性変形に
よって第2図において矢印P方向に回転モーメントが生
じ、これによって、第1板ばね8がその薄肉状の弾性変
形部8bにおいて、若干、弾性変形されるとともに、傾動
部材10が傾動される。そして、傾動部材10先端の印字ワ
イヤ15が、所定数の案内部材21に案内された状態で、そ
の先端が印字位置まで前進される。このようにして、傾
動部材10を傾動させることで、圧電素子2の伸びが著し
く拡大されて印字ワイヤ15に伝達される。 圧電素子2に対する電圧の印加が断たれると、圧電素
子2は元の状態に短縮される。すると、可動子5、第1,
第2の両板ばね8,9及び傾動部材10が元の状態に復帰さ
れ、印字ワイヤ15が後退復帰される。 上述したようにして、圧電素子2の伸縮に基づいて可
動子5を介して第2板ばね9が第1板ばね8に対しほぼ
平行に変位されながら、これら両板ばね8,9が弾性変形
する際、各板ばね8,9の薄肉状とされた弾性変形部8b,9b
にその応力の大部分が作用し、各板ばね8,9の上下部の
ろう付けによる固着端部8a,9aに作用する応力は極めて
小さくすることができる。このため、第1,第2の両板ば
ね8,9の弾性変形のくり返しによって、その固着端部8a,
9aのろう付け部分にクラックが発生することを防止で
き、耐久性の向上を図ることができる。 CAEDS(構造解析)計算によって、第4図に示すこの
実施例1の第1,第2の両板ばね8,9の各部O点、P点、
Q点に作用する応力と、第8図と第9図に示すように、
均一な板幅及び板厚の板ばね(この発明に対する先行技
術のもの)8,9の各部O点、P点、Q点に作用する応力
とをそれぞれ求めた結果、下の表1に示すとおりであっ
た。 また、板ばね8,9は下の表2に示すとおりのものを使
用した。 したがって、表1からも明らかなように、この実施例
1では、板ばね8,9の固着端O点に作用する応力を7.6kg
/mm2に軽減することができ、固着端O点が14.4kg/mm2と
なる先行技術のものと比し、その固着端O点の応力を半
減することができた。 (実施例2) 次に、この発明の実施例2を第5図にしたがって説明
する。この実施例2において、第1,第2の両板ばね8,9
には、その対向面と反対側の側面に、各3個の溝8c,8d,
8e,9c,9d,9eが板ばねの変位方向に所定間隔をおいて、
その板幅方向に凹設されている。これら各3個の溝のう
ち、中央部の溝8c,9cは、その両側溝8d,8e,9d,9eに比
し、溝深さが適宜に深く形成されている。そして、各位
置ばね8,9の応力を、各中央部の溝8c,8dによる薄肉部分
に集中して作用させることなく、その両側の溝8d,8e,9
d,9eによる薄肉部分にも分散して作用させるように構成
したものである。その他の部分は、実施例1とほぼ同様
である。 (実施例3) 次に、この発明の実施例3を第6図にしたがって説明
する。この実施例3において、第1,第2の両板ばね8,9
には、その対向面と反対側の側面に、各2個の溝8c,8d,
9c,9dが板ばねの変位方向に所定間隔をおいて板幅方向
に凹設されている。これらの各2個の溝8c,8d,9c,9d
は、それぞれ同一の溝幅及び溝深さに形成され、各板ば
ね8,9の応力を各2個の溝8c,8d,9c,9dによる各薄肉部分
にほぼ均等に分散して作用させるように構成したもので
ある。その他の部分は、実施例1とほぼ同様である。 (実施例4) 次に、この発明の実施例4を第7図にしたがって説明
する。この実施例4において、第1,第2の両板ばね8,9
の弾性変形部8b,9bの板幅を、その固着端部8a,9aの板幅
よりも小さく形成したものである。さらに、この実施例
では、板ばね8,9の固着端部8a,9aには切欠き部8f,9fが
形成されている。これに対しフレーム1のばね取付面
6、可動子5のばね取付面7及び傾動部材7の基部のホ
ルダ11の溝14に、前記切欠き部8f,9fと嵌合する嵌合部6
a,7a,14aが形成されている。そして、各板ばね8,9の固
着端部8a,9aの切欠き部8f,9fと各嵌合部6a,7a,14aとの
嵌合による位置決め作用によって、各板ばね8,9の固着
端部8a,9aが位置決めされた状態のもとで、各板ばね8,9
の固着端部8a,9aが、フレーム1のばね取付面6、可動
子5のばね取付面7及びホルダ11の溝13に対しろう付け
によって固着される。その他の部分は実施例1とほぼ同
様である。 (発明の効果) 以上述べたように、この発明によれば、圧電素子の変
位量と略等しい変位量において一方の板ばねが他方の板
ばねに対してほぼ平行に変位され、これら両板ばねが弾
性変形するとき作用する両板ばねの応力を、両板ばねの
相対する中間部分にそれぞれ設けた断面積の小さい箇所
に主に作用させ、それよりも断面積の大きい両板ばねの
固着端に作用する応力を軽減することができる。このた
め、両板ばね一端の固着端を傾動部材にろう付けによっ
て固着した場合においても、その固着端のろう付け部分
にクラックが発生することを防止でき、耐久性の向上を
図ることができるという効果がある。
端に傾動部材が固着され、一方の板ばねを他方の板ばね
に対してほぼ平行に変位させることにより、前記傾動部
材を傾動させるようになした運動変換機構に関するもの
である。 (従来の技術) 2枚の板ばねを用いて傾動部材を傾動させる運動変換
機構には、すでに同一出願人によって出願がなされた特
願昭62−143530号のものがある。 すなわち、これにおいては、第8図と第9図に示すよ
うに、フレーム1と可動子5との対向面に基端側がろう
付けによってそれぞれ固着された2枚の板ばね8,9の先
端側に、傾動部材10がろう付けによって固着されてい
る。そして、圧電素子2の伸縮に基づく可動子5 の変位量に対応して、可動子5側の板ばね9がフレーム
1側の板ばね8に対してほぼ平行に変位されながら、前
記2枚の板ばね8,9が弾性変形されることで、傾動部材1
0が傾動されるようになっている。 さらに、前記2枚の板ばね8,9は、第9図に示すよう
に、その一端から他端にわたって略均一な板厚及び板幅
を有する四角形のばね板材より構成されている。 (発明が解決しようとする問題点) ところで、上述したものにおいて、一方の板ばね9が
他方の板ばね8に対してほぼ平行に変位され、これら両
板ばね8,9が弾性変形するときに、両板ばね8,9の応力
は、傾動部材10に対する両板ばね8,9のろう付け部の固
着端にも作用する。両板ばね8,9の弾性変形のくり返し
によって傾動部材10に対する両板ばね8,9の固着端、例
えば第8図において0点付近のろう付け部にクラックが
発生する。すると、前記クラック部分に応力が集中し、
これによって板ばねが折損されるという問題点が生じ
る。 そこでこの発明では、傾動部材に対する両板ばねの固
着端に作用する応力を軽減して、耐久性の向上を図るこ
とを、その解決すべき技術的課題とするものである。 (問題点を解決するための手段) 上記した課題を解決するために、この発明に係る運動
変換機構は、ほぼ平行に配置された2枚の板ばねの一端
に傾動部材が固着され、圧電素子の変位量と略等しい変
位量において一方の板ばねを他方の板ばねに対してほぼ
平行に変位させることにより、前記傾動部材を傾動させ
る運動変換機構において、 前記2枚の板ばねの固着端を除く部分でかつこれら2
枚の板ばねが互いに対向する中間部分において、前記変
位方向とほぼ直交する方向の断面積を、前記固着端の断
面積よりも小さくした箇所を前記2枚の板ばねにそれぞ
れ設けた。 (作 用) 上記の構成によれば、ほぼ平行に配置された2枚の板
ばねのうちの一方の板ばねが圧電素子の変位量と略等し
い変位量において他方の板ばねに対してほぼ平行に変位
され、これら両板ばねが弾性変形するときには、両板ば
ねの応力は、これら板ばねの相対する中間部分の断面積
が小さい箇所に主として作用し、前記両板ばねの固着端
に作用する応力が軽減される。 (実施例1) 以下、この発明の実施例1を第1図〜第4図にしたが
って説明する。この実施例1では印字ヘッドに採用した
ものを例示するものであって、第1図において、電圧の
印加により伸縮する圧電素子2を支持するためのフレー
ム1は、その圧電素子2の伸縮方向とほぼ平行する縦長
四角形で所定板厚の金属板より構成されている。このフ
レーム1の一側下端部には圧電素子2の一端(下端)を
温度補償材3を介して支持する支持部4が横方向に突設
されている。 圧電素子2は、積層状をなす圧電セラミックより構成
されており、電圧の印加によって積層方向(上下方向)
に伸縮される。この圧電素子2の一端面には、温度補償
材3が接着剤等によって固着されている。そして圧電素
子2は、その温度補償材3において、前記支持部4の支
持面4a上に支持されている。なお、前記温度補償材3
は、周囲の温度変化による圧電素子2の収縮を、伸びに
よって修正し、圧電素子2の上面高さを一定高さに保持
している。 圧電素子2の他側面(上端面)には四角形状の可動子
5が接着剤等によって固着されている。この可動子5
は、その一側がフレーム1の一側上部と所定の隙間をも
って対向している。フレーム1と可動子5との対向面に
は、一対をなす第1,第2の両板ばね8,9を固着するため
のばね取付面6,7が、圧電素子2の伸縮方向に平行して
それぞれ平坦面に形成されている。 フレーム1のばね取付面6には、第1板ばね8がその
一側板面が面当りした状態においてろう付け等によって
固着されている。 可動子5のばね取付面7には、第2板ばね9が、その
一側板面が面当りした状態においてろう付け等によって
固着されている。さらに、第2板ばね9は、前記第1板
ばね8とその対向面を互いに接触した状態において移動
可能に重合されている。 前記第1,第2の両板ばね8,9は、その各取付面6,7より
圧電素子2の伸縮方向に所定長さだけ延出されている。
第1,第2の両板ばね8,9の先端部には傾動部材10が固着
され、前記圧電素子2の伸縮に基づいて可動子5を介し
て第2板ばね9を第1板ばね8に対してほぼ平行に変位
させることで傾動部材10を傾動させるようになってい
る。 前記第1,第2の両板ばね8,9は、その変位方向と直交
する方向の断面積において、フレーム1、可動子5及び
傾動部材10に対する各固着端部8a,9aの断面積は大き
く、その中間の弾性変形部8b,9bの断面積は積極的に小
さく形成されている。 この実施例1では第3図と第4図に示すように、第1,
第2の両板ばね8,9には、その対向面と反対側の側面に
おいて、その板幅方向に溝8c,9cが凹設され、その溝8c,
9cによって両板ばね8,9の近接する側に薄肉状の弾性変
形部8b,9bが形成されている。 前記第1,第2の両板ばね8,9の先端部に固着された傾
動部材10は、その基部の剛性の高いホルダ11と、先端側
の軽量なアーム12とを主体として構成されている。 前記ホルダ11は、その下面に凹設された溝13に第1,第
2の両板ばね8,9の先端部がそれぞれ挿入された状態に
おいて、両板ばね8,9の対向面反対側とろう付けによっ
て固着されている。ホルダ11の前側面に凹設された溝14
にはアーム12の基部が挿入されてろう付けによって固着
されている。アーム12の先端には印字ワイヤ15の基端が
ろう付けによって固着されている。 電圧の印加による前記圧電素子2の伸縮方向に可動子
5を平行に移動させるために、フレーム1と可動子5と
の間には弾性変形可能な連結部材16が配設されている。
この連結部材16は、第2図に示すように、前記フレーム
1と反対側において、圧電素子2の積層方向に沿って縦
長で、その下端部がフレーム1の支持部4端面に固着さ
れ、上端部が可動子5の第2の板ばね9と反対側の端面
に固着されている。 さらに、連結部材16は、フレーム1の板面と平行する
平面において板幅を有しそれと直角な方向に薄肉の板材
より構成されている。そして、圧電素子2の伸びにとも
なう可動子5の移動力が第2板ばね9と連結部材16とに
ほぼ均等に作用するように、前記連結部材16の弾性力が
設定され、これによって可動子5が圧電素子2の伸縮方
向に平行移動されるようになっている。 また、この実施例では、前記連結部材16の上端部に、
傾動部材10が傾動復帰したときに、そのアーム12の一側
を当接支持するための低反発ゴムよりなるストッパ17が
配設されている。 さらに、この実施例では、フレーム1と連結部材16と
は線膨脹率が同一の材料より構成され、温度変化に対処
できるようになっている。 この実施例1は上述したように構成される。したがっ
て、圧電素子2の両電極間に電圧が印加されると、圧電
素子2は、その積層方向、すなわち、第2図において矢
印X方向に所定長さだけ伸び、これにともなって可動子
5が移動される。すると、可動子5の移動力を受けて第
2板ばね9が、第1板ばね8に沿って押上げられ、同第
2板ばね9がその薄肉状の弾性変形部9bにおいて湾曲状
に弾性変形される。第2板ばね9の湾曲状の弾性変形に
よって第2図において矢印P方向に回転モーメントが生
じ、これによって、第1板ばね8がその薄肉状の弾性変
形部8bにおいて、若干、弾性変形されるとともに、傾動
部材10が傾動される。そして、傾動部材10先端の印字ワ
イヤ15が、所定数の案内部材21に案内された状態で、そ
の先端が印字位置まで前進される。このようにして、傾
動部材10を傾動させることで、圧電素子2の伸びが著し
く拡大されて印字ワイヤ15に伝達される。 圧電素子2に対する電圧の印加が断たれると、圧電素
子2は元の状態に短縮される。すると、可動子5、第1,
第2の両板ばね8,9及び傾動部材10が元の状態に復帰さ
れ、印字ワイヤ15が後退復帰される。 上述したようにして、圧電素子2の伸縮に基づいて可
動子5を介して第2板ばね9が第1板ばね8に対しほぼ
平行に変位されながら、これら両板ばね8,9が弾性変形
する際、各板ばね8,9の薄肉状とされた弾性変形部8b,9b
にその応力の大部分が作用し、各板ばね8,9の上下部の
ろう付けによる固着端部8a,9aに作用する応力は極めて
小さくすることができる。このため、第1,第2の両板ば
ね8,9の弾性変形のくり返しによって、その固着端部8a,
9aのろう付け部分にクラックが発生することを防止で
き、耐久性の向上を図ることができる。 CAEDS(構造解析)計算によって、第4図に示すこの
実施例1の第1,第2の両板ばね8,9の各部O点、P点、
Q点に作用する応力と、第8図と第9図に示すように、
均一な板幅及び板厚の板ばね(この発明に対する先行技
術のもの)8,9の各部O点、P点、Q点に作用する応力
とをそれぞれ求めた結果、下の表1に示すとおりであっ
た。 また、板ばね8,9は下の表2に示すとおりのものを使
用した。 したがって、表1からも明らかなように、この実施例
1では、板ばね8,9の固着端O点に作用する応力を7.6kg
/mm2に軽減することができ、固着端O点が14.4kg/mm2と
なる先行技術のものと比し、その固着端O点の応力を半
減することができた。 (実施例2) 次に、この発明の実施例2を第5図にしたがって説明
する。この実施例2において、第1,第2の両板ばね8,9
には、その対向面と反対側の側面に、各3個の溝8c,8d,
8e,9c,9d,9eが板ばねの変位方向に所定間隔をおいて、
その板幅方向に凹設されている。これら各3個の溝のう
ち、中央部の溝8c,9cは、その両側溝8d,8e,9d,9eに比
し、溝深さが適宜に深く形成されている。そして、各位
置ばね8,9の応力を、各中央部の溝8c,8dによる薄肉部分
に集中して作用させることなく、その両側の溝8d,8e,9
d,9eによる薄肉部分にも分散して作用させるように構成
したものである。その他の部分は、実施例1とほぼ同様
である。 (実施例3) 次に、この発明の実施例3を第6図にしたがって説明
する。この実施例3において、第1,第2の両板ばね8,9
には、その対向面と反対側の側面に、各2個の溝8c,8d,
9c,9dが板ばねの変位方向に所定間隔をおいて板幅方向
に凹設されている。これらの各2個の溝8c,8d,9c,9d
は、それぞれ同一の溝幅及び溝深さに形成され、各板ば
ね8,9の応力を各2個の溝8c,8d,9c,9dによる各薄肉部分
にほぼ均等に分散して作用させるように構成したもので
ある。その他の部分は、実施例1とほぼ同様である。 (実施例4) 次に、この発明の実施例4を第7図にしたがって説明
する。この実施例4において、第1,第2の両板ばね8,9
の弾性変形部8b,9bの板幅を、その固着端部8a,9aの板幅
よりも小さく形成したものである。さらに、この実施例
では、板ばね8,9の固着端部8a,9aには切欠き部8f,9fが
形成されている。これに対しフレーム1のばね取付面
6、可動子5のばね取付面7及び傾動部材7の基部のホ
ルダ11の溝14に、前記切欠き部8f,9fと嵌合する嵌合部6
a,7a,14aが形成されている。そして、各板ばね8,9の固
着端部8a,9aの切欠き部8f,9fと各嵌合部6a,7a,14aとの
嵌合による位置決め作用によって、各板ばね8,9の固着
端部8a,9aが位置決めされた状態のもとで、各板ばね8,9
の固着端部8a,9aが、フレーム1のばね取付面6、可動
子5のばね取付面7及びホルダ11の溝13に対しろう付け
によって固着される。その他の部分は実施例1とほぼ同
様である。 (発明の効果) 以上述べたように、この発明によれば、圧電素子の変
位量と略等しい変位量において一方の板ばねが他方の板
ばねに対してほぼ平行に変位され、これら両板ばねが弾
性変形するとき作用する両板ばねの応力を、両板ばねの
相対する中間部分にそれぞれ設けた断面積の小さい箇所
に主に作用させ、それよりも断面積の大きい両板ばねの
固着端に作用する応力を軽減することができる。このた
め、両板ばね一端の固着端を傾動部材にろう付けによっ
て固着した場合においても、その固着端のろう付け部分
にクラックが発生することを防止でき、耐久性の向上を
図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
図面の第1図〜第4図はこの発明の実施例1を示すもの
で、第1図は印字ヘッドの要部を示す斜視図、第2図は
側面図、第3図は第1,第2の両板ばねを示す斜視図、第
4図は運動変換機構の要部を示す側面図、第5図はこの
発明の実施例2の要部を示す側面図、第6図はこの発明
の実施例3の要部を示す側面図、第7図はこの発明の実
施例4の要部を分解して示す斜視図である。 第8図と第9図は、先行技術のものを示すもので、第8
図は側面図、第9図は板ばねの斜視図である。 1……フレーム 2……圧電素子 5……可動子 8……第1板ばね 8b……弾性変形部 8c……溝 9……第2板ばね 9b……弾性変形部 9c……溝 10……傾動部材
で、第1図は印字ヘッドの要部を示す斜視図、第2図は
側面図、第3図は第1,第2の両板ばねを示す斜視図、第
4図は運動変換機構の要部を示す側面図、第5図はこの
発明の実施例2の要部を示す側面図、第6図はこの発明
の実施例3の要部を示す側面図、第7図はこの発明の実
施例4の要部を分解して示す斜視図である。 第8図と第9図は、先行技術のものを示すもので、第8
図は側面図、第9図は板ばねの斜視図である。 1……フレーム 2……圧電素子 5……可動子 8……第1板ばね 8b……弾性変形部 8c……溝 9……第2板ばね 9b……弾性変形部 9c……溝 10……傾動部材
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名)
F16H 35/00
B41J 3/10
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.ほぼ平行に配置された2枚の板ばねの一端に傾動部
材が固着され、圧電素子の変位量と略等しい変位量にお
いて一方の板ばねを他方の板ばねに対してほぼ平行に変
位させることにより、前記傾動部材を傾動させる運動変
換機構において、 前記2枚の板ばねの固着端を除く部分でかつこれら2枚
の板ばねが互いに対向する中間部分において、前記変位
方向とほぼ直交する方向の断面積を、前記固着端の断面
積よりも小さくした箇所を前記2枚の板ばねにそれぞれ
設けたことを特徴とする運動変換機構。 2.前記2枚の板ばねは、互いに反対側の側面から切込
まれた溝を有し、互いに近接する側に薄肉状部分を有す
る特許請求の範囲第1項に記載の運動変換機構。 3.前記板ばねは、側面から切込まれた溝を、前記変位
方向に複数個有する特許請求の範囲第1項または第2項
に記載の運動変換機構。 4.前記板ばねは、前記変位方向とほぼ直交しかつ他方
の板ばねとほぼ平行な方向の幅が、前記固着端付近の幅
よりも小さく形成されている特許請求の範囲第1項に記
載の運動変換機構。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62277169A JP2775739B2 (ja) | 1987-10-30 | 1987-10-30 | 運動変換機構 |
US07/202,035 US4874978A (en) | 1987-06-09 | 1988-06-03 | Device for magnifying displacement of piezoelectric element or the like and method of producing same |
EP88305280A EP0295102B1 (en) | 1987-06-09 | 1988-06-09 | Device for magnifying displacement of piezoelectric element or the like |
DE88305280T DE3884281T2 (de) | 1987-06-09 | 1988-06-09 | Vorrichtung zur Vergrösserung der Lageverschiebung eines piezoelektrischen Elementes oder eines ähnlichen Elementes. |
US07/397,751 US4979275A (en) | 1987-06-09 | 1989-08-23 | Device for magnifying displacement of piezoelectric element or the like and method for producing same |
US07/780,099 USRE34823E (en) | 1987-06-09 | 1991-10-17 | Device for magnifying displacement of piezoelectric element or the like and method of producing same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62277169A JP2775739B2 (ja) | 1987-10-30 | 1987-10-30 | 運動変換機構 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01120473A JPH01120473A (ja) | 1989-05-12 |
JP2775739B2 true JP2775739B2 (ja) | 1998-07-16 |
Family
ID=17579766
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62277169A Expired - Fee Related JP2775739B2 (ja) | 1987-06-09 | 1987-10-30 | 運動変換機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2775739B2 (ja) |
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JP2960112B2 (ja) * | 1990-05-28 | 1999-10-06 | 株式会社東芝 | 微小変位装置 |
JPH05147237A (ja) * | 1991-11-18 | 1993-06-15 | Fujitsu Ltd | 印字ヘツド |
JP2806414B2 (ja) * | 1992-08-18 | 1998-09-30 | 富士通株式会社 | 電気機械変換アクチュエータおよび印字ヘッド |
DE102016108690A1 (de) * | 2016-05-11 | 2017-11-16 | Lofelt Gmbh | Vibrierender Aktor |
JP6825830B2 (ja) * | 2016-06-16 | 2021-02-03 | 日本電産コパル株式会社 | 振動モータ |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH043809Y2 (ja) * | 1985-12-25 | 1992-02-05 |
-
1987
- 1987-10-30 JP JP62277169A patent/JP2775739B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH01120473A (ja) | 1989-05-12 |
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