JP2756033B2 - 錠剤型洗剤 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は溶解性が改良された特に電気洗濯機での衣料
の洗浄に適した錠剤型洗剤に関する。

〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕

通常使用されている洗浄剤の形態としては、液状タイ
プと粒状タイプの２種があり、持ち運びやすさ、収納性
等の使用の簡便性を向上させるために、従来より錠剤化
するための試みが多数提案されている。

それらは陰イオン界面活性剤を主洗浄界面活性剤とし
て配合した錠剤型洗剤が主流であるが、非イオン界面活
性剤を主洗浄界面活性剤とした錠剤型洗剤も例えば、US
3231506号、US3247123号、US3331780号、US3344076号、
US3417024号、US4370250号、US4451386号等で知られて
いる。

これらの錠剤型洗剤は、前記の液状タイプや粒状タイ
プの洗浄剤に比べて利用しやすいという利点がある反
面、取扱い及び運搬中に十分耐えうる強度を有し、かつ
使用時に速やかに溶解する等の性質が要求され、一般的
に成形圧を上げて錠剤の強度を高くすると水中での溶解
性が低下するという欠点を生じる。

このような欠点を克服するために、これまで多くの提
案がなされてきた。それらの中には、例えば分解又は揮
散物質を混合して成形した後加熱処理を施すことによっ
て多孔性とする方法、炭酸塩と固体酸とを配合して、水
中で炭酸ガスを発生させて溶解を促進する方法、薬品の
分野で広く用いられている崩壊剤を配合して水中で錠剤
を崩れ易くする方法（特公昭44−17745号公報、特開昭4
7−27208号公報）等がある。

しかしながら、これらの方法においてはいずれもある
程度水中での溶解性は改善されるものの、実用上十分に
満足しうるものではない。これは、洗剤のように界面活
性剤を多量に含んだ錠剤においては水中で界面活性剤が
水和して、きわめて粘稠な性質を帯びるために錠剤内部
に水が侵入できにくくなるため、溶解促進効果が十分に
発揮されないためである。

〔課題を解決するための手段〕

本発明者らは上記の問題点を解決すべく鋭意研究を重
ねた結果、界面活性剤として非イオン界面活性剤を使用
し、ヒドロキシプロピルセルロースを特定の重量比で配
合することによって溶解性が著しく改善された錠剤型洗
剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。

すなわち本発明は、非イオン界面活性剤を主界面活性
剤として含有する錠剤型洗剤であって、ヒドロキシプロ
ピルセルロースを非イオン界面活性剤に対する重量比で
ヒドロキシプロピルセルロース／非イオン界面活性剤＝
5/1〜1/5の範囲で含有することを特徴とする錠剤型洗剤
を提供するものである。

本発明に使用される非イオン界面活性剤の具体例とし
ては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチ
レンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソ
ルビット脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪
酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
アルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリ
オキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアル
キルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、高級脂肪酸ア
ルカノールアミド、アルキルグルコシド、アルキルアミ
ンオキサイド等である。就中、主非イオン界面活性剤と
して炭素数12〜18の直鎖又は分岐鎖の１級又は２級のア
ルコールのエチレンオキサイド平均付加モル数４〜18の
ポリオキシエチレンアルキルエーテルを使用するのが望
ましい。

非イオン界面活性剤は錠剤型洗剤組成物中に５〜40重
量％、好ましくは10〜30重量％配合される。

陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤等のイオン性界
面活性剤は錠剤の溶解性を低下させるので、これらのイ
オン性界面活性剤の配合量は非イオン界面活性剤に対し
50重量％以下、好ましくは30重量％以下であることが望
ましい。

イオン性界面活性剤の一例としては、アルキルベンゼ
ンスルホン酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルキルエ
ーテル硫酸塩、脂肪酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル
塩、α−スルホ脂肪酸塩等であり、対イオンとしてはナ
トリウム、カリウム、スルホベタイン、ヒドロキシスル
ホベタイン等が挙げられる。

本発明の必須成分であるヒドロキシプロピルセルロー
スは、セルロースの水酸基をヒドロキシプロピル化した
ものであり、ヒドロキシプロピル基の重量％は３重量％
以上75重量％以下、好ましくは３重量％以上40重量％以
下、更に好ましくは３重量％以上20重量％以下である。
また、ヒドロキシプロピルセルロースの分子量は粘度に
よって規定される。つまり20℃、１％水溶液で５センチ
ポイズ（以下cpsと記す）から6000cps、好ましくは5cps
から1000cps、更に好ましくは5cpsから500cpsである。

本発明の錠剤型洗剤には洗浄力増強のために非晶質又
は結晶質の合成アルミノ珪酸塩、ニトリロ三酢酸塩、エ
チレンジアミン四酢酸塩、コハク酸塩、リンゴ酸塩、ク
エン酸塩、ポリアクリル塩、アクリル酸／無水マレイン
酸共重合体、オレフィン／無水マレイン酸共重合体等の
カルボン酸系ポリマーの水溶性塩等の二価金属イオン捕
捉剤及び炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリ
ウム、珪酸ナトリウム等のアルカリ剤を配合するのが一
般的である。特にアルミノ珪酸塩とカルボン酸系ポリマ
ーを併用することが望ましい。二価金属イオン捕捉剤は
本発明の錠剤型洗剤中に総量で10〜60重量％、アルカリ
剤は５〜50重量％配合するのがよい。

その他、本発明の錠剤型洗剤には通常の洗剤に使用さ
れる常用成分、例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム
等の増量剤、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレ
ングリコール等の再汚染防止剤、過炭酸ナトリウム、過
ほう酸ナトリウム１又は４水和物と漂白剤、プロテアー
ゼ、リパーゼ、セルラーズ、アミラーゼ等の酵素、亜硫
酸ナトリウム等の酵素安定化剤、酸化防止剤、蛍光染
料、香料、非晶質シリカ等のノニオン吸油担体等を配合
できる。

また、アルカリ剤として炭酸塩を使用し、クエン酸、
コハク酸、マレイン酸等の有機固体酸を併用し、発泡性
を付与することもできる。

このようにして得られた組成物を通常用いられている
タブレット形成法に従って容易にタブレットに形成でき
る。

〔実施例〕

次に実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本
発明はこれらの実施例によってなんら限定されるもので
はない。

実施例１ 表１に示す配合組成によって、粉末成分を均一に混合
した後、非イオン界面活性剤を溶融混合した。この配合
物15gを内径25mmのシリンダーに採り、50kg/cm²の圧力
を１分間かけて錠剤型洗剤の成形した。

１）溶解性評価 上記によって得られた錠剤型洗剤を、予め20℃、30
の水道水を入れておいた二槽式洗濯機（東芝）に投入す
る。撹拌強度を標準として１分間撹拌した後、脱水を行
い溶解性の評価を行なった。

評価方法 洗濯槽内の錠剤型洗剤の残留の程度によって評価し
た。

○：残留物なし △：半分残る ×：原形のまま これらの結果を表１に示した。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) C11D 1/00 - 3/386 C11D 7/00 - 7/60 C11D 17/00 - 17/06

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】非イオン界面活性剤を主界面活性剤として
   含有する錠剤型洗剤であって、ヒドロキシプロピルセル
   ロースを非イオン界面活性剤に対する重量比でヒドロキ
   シプロピルセルロース／非イオン界面活性剤＝5/1〜1/5
   の範囲で含有することを特徴とする錠剤型洗剤。
2. 【請求項２】非イオン界面活性剤がポリオキシエチレン
   アルキルエーテルである請求項１又は２記載の錠剤型洗
   剤。