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JP2745839B2 - マルテンサイト系ステンレス鋼鋼片の製造法 - Google Patents

マルテンサイト系ステンレス鋼鋼片の製造法

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JP2745839B2
JP2745839B2 JP3036084A JP3608491A JP2745839B2 JP 2745839 B2 JP2745839 B2 JP 2745839B2 JP 3036084 A JP3036084 A JP 3036084A JP 3608491 A JP3608491 A JP 3608491A JP 2745839 B2 JP2745839 B2 JP 2745839B2
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JP
Japan
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temperature
transformation
less
stainless steel
martensitic stainless
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JP3036084A
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Inventor
光之 森重
裕造 田尻
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般に13Cr系ステ
ンレス鋼と称されるマルテンサイト系ステンレス鋼、さ
らに詳細には、C:0.40%以下、Si:1.0%以
下、Mn:1.0%以下、Cr:10〜15%、Ni:
0.80%以下を含有するマルテンサイト系ステンレス
鋼の鋼片の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にマルテンサイト系ステンレス鋼
は、耐食性高合金シームレス油井管等として広く使用さ
れており、その成分としては上記組成のものが一般的で
ある。また、その製造に際しては、図3に示したよう
に、溶解工程(I)および連続鋳造工程(II) を経て得
た高温鋳片を、約850℃にて均熱炉に装入し、加熱
(III)した後、熱間圧延(IV) を行い、徐冷炉にて約7
50℃から約200℃まで徐冷(V)し、次いで軟化焼
鈍(VI)を施した後、外周切削(VII)し製管(VIII) を
行うという工程を採っていた。
【0003】このように従来法においては軟化焼鈍工程
が必須であった。この理由は、軟化焼鈍を行わないと、
13Cr鋼の焼入性が良好なため、素形材の丸ビレット
製造段階の冷却過程でマルテンサイト変態を起こして変
態割れが生じやすく、またこのマルテンサイトは硬度が
高く、ビレットにした場合、その外周の切削が極めて困
難になるためである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法においては、通常、熱間圧延後1000℃の温度で4
時間および750℃の温度で15時間、軟化焼鈍のため
加熱しなければならないため、処理に時間がかかる上
に、経済的にも消費エネルギーが大きいという問題があ
る。
【0005】そこで本発明の主目的は、熱間圧延後の冷
却過程でフェライト+パーライト組織を十分発達させ、
マルテンサイト変態生成を抑制することにより、上記軟
化焼鈍工程の省略を可能とし、マルテンサイト系ステン
レス鋼を短時間に経済的に製造する方法を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題は、C:0.4
0%以下、Si:1.0%以下、Mn:1.0%以下、
Cr:10〜15%、Ni:0.80%以下を含有する
マルテンサイト系ステンレス鋼を、連続鋳造法により鋳
造後、オーステナイト温度域から、γ組織からα組織へ
の変態温度以下で300℃以上の温度まで、20℃/H
r以下の冷却速度で冷却した後、1200〜1250℃
に加熱し、最終圧延温度が800℃以上として熱間圧延
を行い、次いで10℃/Hr以下の徐冷速度で冷却する
ことで解決できる。
【0007】
【作用】本発明において、上記組成のマルテンサイト系
ステンレス鋼鋳片をオーステナイト温度域から、γ組織
からα組織への変態温度以下で300℃以上の温度ま
で、冷却する。すなわち、本発明は、γ→α変態温度以
下のできるだけ低い温度に冷却することにより変態を起
こさせ、結晶粒を微細化しようとするものである。
【0008】冷却下限温度を300℃としたのは、マル
テンサイト変態開始温度(MS 点)直上としてマルテン
サイト変態割れを防止するためである。この際、冷却速
度が大きい程α核生成場所の増加に伴い、結晶粒の微細
化が得られるが、鋳片内外温度差による熱応力割れ防止
のため、鋳片の冷却速度を20℃/Hr以下とした。
【0009】次に、この鋳片を熱間圧延のために加熱
し、α→γ再変態を起こさせるが、α結晶粒が微細なた
め、γ核生成場所は増加し、γの成長は抑制される。す
なわち、鋳片を一旦γ→α変態温度以下に冷却した後再
加熱する方が、γ→α変態点以上の温度から再加熱され
るのと比較して、結晶粒は微細となる。
【0010】また、鋳片を熱間圧延のために加熱する温
度を、1200℃〜1250℃としたのは、1250℃
を超えると粒界脆化を生じ、割れ発生の原因となり、1
200℃未満の場合は鋳片の変形抵抗が大きく熱間圧延
が困難となり、また最終圧延温度が800℃未満となっ
てしまうからである。
【0011】上記範囲内の温度にすれば、鋳片を熱間圧
延した後徐冷する際に、徐冷前の結晶粒が微細なことに
より、拡散を伴う変態であるγ→α変態の核生成場所で
ある粒界が増加し、γ→α変態が起こりやすく、マルテ
ンサイト変態は抑制される。
【0012】本発明において、最終圧延温度が800℃
以上になるようにしたのは、最終圧延温度が800℃に
満たない場合には、冷却速度を遅くしても、フェライト
+パーライト変態を十分行うことができないためであ
る。また熱間圧延後の鋼片の徐冷速度を10℃/Hr以
下とした理由は、フェライト+パーライト変態を十分に
促進させるためである。
【0013】以上の通り、本発明によれば、連続鋳造法
により得られたマルテンサイト系ステンレス鋼鋳片をγ
→α変態温度以下、マルテンサイト変態開始温度(Ms
点)直上まで冷却することにより、結晶粒の微細化を得
て、熱間圧延後の徐冷過程でフェライト+パーライト変
態を促進し、マルテンサイト変態を抑制することにより
硬度を減じて靱性を改善し、これにより軟化焼鈍工程の
省略が可能となる。
【0014】次に、本発明に係る工程を図面により説明
する。図1において、上記成分のマルテンサイト系ステ
ンレス鋼を溶解(1)後、例えば幅530mm、厚み41
0 mm に連続鋳造(2)し、これを鋳片温度300℃ま
で冷却速度20℃/Hr以下の冷却速度で冷却する。次
いで、この鋳片を1200℃から1250℃の温度で加
熱(3)した後、熱間圧延(4)し、例えば直径187
mmの丸ビレット形状とする。その後10℃/Hr以下の
速度で徐冷(5)し、得られる丸ビレットを外周切削
(6)し製管(7)する。かかる工程を採用することに
より、後述する理由から軟化焼鈍工程を省略できる。
【0015】次に、本発明における各成分の数値限定理
由について説明する。 C:0.40%以下 Cは強度を確保するためには必要であるが、0.40%
を超えると強度が増し、靱性が低下するためである。 Si:1.0%以下 Si は脱酸剤として有効であるが、1.0%を超えると
靱性の低下が著しくなるためである。 Mn:1.0%以下 強度および靱性の向上に有効であるが、上限1.0%を
超えれば機械的性質が劣化するためである。 Cr:上限15%、下限:10% 必要な耐食性を得るために10%以上が必要であり、ま
たマルテンサイト系ステンレス鋼の用途に対する耐食性
は15%以下で十分であるためである。 Ni:0.80%以下 耐食性及び靱性を向上させる元素であるが、高価な元素
であることから、コストとの兼ね合いから上限を0.8
0%とした。
【0016】次に、表1に示す代表成分の鋼について
の、本発明法および従来法におけるヒートパターンによ
り得られたCCT線図を図2に示す。図2において、実
線は本発明例を、破線は従来例を示す。なお、表2は図
2の補足説明である。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】そこで、図2に示すように、本発明法に従
って連続鋳造法により得られた鋳片を、γ→α変態点以
下に冷却することにより徐冷前の結晶粒は微細化し、拡
散変態の開始が短時間側に移行することが判明した。ま
た、表2に示されているように、徐冷速度10℃/Hr
以下では、フェライト+パーライト変態が促進され、マ
ルテンサイト変態が防止され、ビッカース硬度について
も十分低い値が得られている。
【0020】したがって徐冷前の結晶粒を微細化するこ
とにより、マルテンサイト変態は抑制され、硬度は減少
し、軟化焼鈍工程を省略してもマルテンサイト変態割れ
防止および外周切削は可能となる。
【0021】
【実施例】次に、実施例により本発明の効果を明らかに
する。供試鋼として、表3に示すマルテンサイト系ステ
ンレス鋼(実施例:No.1〜5、比較例:No.1〜6、
従来例:No.1〜5)を使用した。
【0022】
【表3】
【0023】実施例および比較例においては、表3に示
す成分のマルテンサイト系ステンレス鋼を、精錬炉にて
溶製後、連続鋳造法により、幅530mm×厚み410mm
ブルームを得た。得られたブルームについて本発明に従
って、20℃/Hr以下の冷却速度で300℃近傍の温
まで冷却した後、1200℃〜1250℃まで加熱し
6時間保持した後、800℃以上の温度で熱間圧延を終
了し直径187mmの丸ビレットとした。その後、10℃
/Hr以下の徐冷速度で200℃まで冷却し、マルテン
サイト系ステンレス鋼を得た。
【0024】従来例においては、連続鋳造法により得ら
れたブルームを850℃の温度から1200℃〜125
0℃まで加熱し6時間保持した後、800℃以上の温度
で熱間圧延を終了し、10℃/Hr以下の徐冷速度で2
00℃まで冷却しマルテンサイト系ステンレス鋼を得
た。
【0025】結果を同じく表3に示した。
【0026】表3において、○はマルテンサイト変態割
れの発生がなく、硬度(ビッカース硬度)が十分低いこ
とを示し、×はマルテンサイト変態割れが発生し、硬度
が高いことを示す。C含有量が1.0%を超える比較例
No.1、Si 含有量1.0%を超える比較例No.2、M
n 含有量が1.0%を超える比較例No.4はそれぞれマ
ルテンサイト変態割れが生じ硬度も高い。また鋳片温度
255℃の比較例No.3、鋼片徐冷速度15℃/Hrの
比較例No.4、および鋼片徐冷速度20℃/Hrの比較
例No.5については、それぞれマルテンサイト変態割れ
が発生した。さらに、鋼片冷却速度が25℃/Hrの比
較例No.3および28℃/Hrの比較例No.6について
もそれぞれマルテンサイト変態割れが生じた。
【0027】また、各実施例と同一の供試鋼について、
従来方法により同条件で製造を行ったところ、従来例N
o.1〜5すべてマルテンサイト変態割れが生じ、高い硬
度を示した。
【0028】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、従来必須
であった軟化焼鈍工程を省略できるため、短時間かつ経
済的にマルテンサイト系ステンレス鋼鋼片を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に係る工程図である。
【図2】本発明に係るステンレス鋼のCCT線図であ
る。
【図3】従来方法に係る工程図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.40%(重量%、以下同じ)以
    下、Si:1.0%以下、Mn:1.0%以下、Cr:
    10〜15%、Ni:0.80%以下を含有するマルテ
    ンサイト系ステンレス鋼を、連続鋳造法により鋳造後、
    オーステナイト温度域から、γ組織からα組織への変態
    温度以下で300℃以上の温度まで、20℃/Hr以下
    の冷却速度で冷却した後、1200〜1250℃に加熱
    、最終圧延温度が800℃以上として熱間圧延を行
    い、次いで10℃/Hr以下の徐冷速度で冷却すること
    を特徴とするマルテンサイト系ステンレス鋼鋼片の製造
    法。
JP3036084A 1991-03-01 1991-03-01 マルテンサイト系ステンレス鋼鋼片の製造法 Expired - Fee Related JP2745839B2 (ja)

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