JP2727391B2 - 高発現ベクター及び該高発現ベクターを保有する微生物並びに該微生物を用いる有用物質の製造法 - Google Patents
高発現ベクター及び該高発現ベクターを保有する微生物並びに該微生物を用いる有用物質の製造法Info
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- JP2727391B2 JP2727391B2 JP4216605A JP21660592A JP2727391B2 JP 2727391 B2 JP2727391 B2 JP 2727391B2 JP 4216605 A JP4216605 A JP 4216605A JP 21660592 A JP21660592 A JP 21660592A JP 2727391 B2 JP2727391 B2 JP 2727391B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バイオテクノロジーに
関するものであり、更に詳細には、本発明は、新規高発
現ベクター及び高発現ベクターに外来遺伝子を結合して
なるベクターをバチルス・ブレビスに保有せしめてなる
微生物、並びに該微生物を培養し、培養物中に外来遺伝
子産物を生成蓄積せしめこれを採取することを特徴とす
る該産物の製造法に関する。
関するものであり、更に詳細には、本発明は、新規高発
現ベクター及び高発現ベクターに外来遺伝子を結合して
なるベクターをバチルス・ブレビスに保有せしめてなる
微生物、並びに該微生物を培養し、培養物中に外来遺伝
子産物を生成蓄積せしめこれを採取することを特徴とす
る該産物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】鵜高らはバチルス・ブレビス(Baci
llus brevis)にはプロテアーゼを生産しな
い菌株が多いことを見いだし、その1菌株バチルス・ブ
レビス47(FERM P−7224:特開昭60−5
8074号公報、特開昭62−201589号公報参
照)の主要菌体外タンパク質(H.Yamagata
ら、J.Bacteriol.,169,1239(1
987);塚越規弘、日本農芸化学会誌、61,68
(1987)および特開昭62−201583号公報に
それぞれ“outer wall protein a
nd middle wall protein”、
“主要菌体外タンパク質”として記載されている。)遺
伝子のプロモーターおよび該主要菌体外タンパク質の1
種であるMWタンパク質(middle wall p
rotein)のシグナルペプチドをコードする領域を
用いて分泌ベクターを作製し、本菌株を宿主としてα−
アミラーゼ(特開昭62−201583号公報、H.Y
amagataら、J.Bacteriol.,16
9,1239(1987)やブタペプシノーゲン(鵜高
重三、日本農芸化学会昭和62年度大会講演要旨集、p
837−838;塚越規弘、日本農芸化学会誌、61、
68(1987))の分泌生産に成功している。
llus brevis)にはプロテアーゼを生産しな
い菌株が多いことを見いだし、その1菌株バチルス・ブ
レビス47(FERM P−7224:特開昭60−5
8074号公報、特開昭62−201589号公報参
照)の主要菌体外タンパク質(H.Yamagata
ら、J.Bacteriol.,169,1239(1
987);塚越規弘、日本農芸化学会誌、61,68
(1987)および特開昭62−201583号公報に
それぞれ“outer wall protein a
nd middle wall protein”、
“主要菌体外タンパク質”として記載されている。)遺
伝子のプロモーターおよび該主要菌体外タンパク質の1
種であるMWタンパク質(middle wall p
rotein)のシグナルペプチドをコードする領域を
用いて分泌ベクターを作製し、本菌株を宿主としてα−
アミラーゼ(特開昭62−201583号公報、H.Y
amagataら、J.Bacteriol.,16
9,1239(1987)やブタペプシノーゲン(鵜高
重三、日本農芸化学会昭和62年度大会講演要旨集、p
837−838;塚越規弘、日本農芸化学会誌、61、
68(1987))の分泌生産に成功している。
【0003】また、高木らはバチルス・ブレビスのプロ
テアーゼを菌体外に生産しない菌株バチルス・ブレビス
HPD31(なお、この菌株はバチルス・ブレビスH1
02(FERM BP−1087)と同一菌株である)
を分離し、これを宿主として耐熱性α−アミラーゼの高
分泌生産(Agric.Biol.Chem.,58,
2779−2380(1989))や、山形らによるヒ
トEGFの高分泌生産(Proc.Nath.Aca
d.Sci.USA,86,3589−3593(19
89))に成功している。
テアーゼを菌体外に生産しない菌株バチルス・ブレビス
HPD31(なお、この菌株はバチルス・ブレビスH1
02(FERM BP−1087)と同一菌株である)
を分離し、これを宿主として耐熱性α−アミラーゼの高
分泌生産(Agric.Biol.Chem.,58,
2779−2380(1989))や、山形らによるヒ
トEGFの高分泌生産(Proc.Nath.Aca
d.Sci.USA,86,3589−3593(19
89))に成功している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】バチルス・ブレビスを
宿主菌とする外来遺伝子産物の生産性については、遺伝
子組換え技術を適用する以前の生産量及び大腸菌を宿主
菌とする系に比べ飛躍的に向上しているが、産業上必要
な量を安価に供給するにはもう一段の技術開発が必要と
されている。従来、バチルス・ブレビスを宿主菌とする
系で使用しているベクターは、Staphylococ
cus aureus由来のpUB110をベースとす
るもので、バチルス・ブレビスとの属の違いなどから菌
体内に安定に保持することが困難であり、その結果、宿
主の能力を十分に引き出すことが出来ず、目的遺伝子産
物の生産が少ないと言うことが頻繁に認められ、より安
定でかつ宿主菌と適合性、調和性のよいベクターの開発
が望まれていた。
宿主菌とする外来遺伝子産物の生産性については、遺伝
子組換え技術を適用する以前の生産量及び大腸菌を宿主
菌とする系に比べ飛躍的に向上しているが、産業上必要
な量を安価に供給するにはもう一段の技術開発が必要と
されている。従来、バチルス・ブレビスを宿主菌とする
系で使用しているベクターは、Staphylococ
cus aureus由来のpUB110をベースとす
るもので、バチルス・ブレビスとの属の違いなどから菌
体内に安定に保持することが困難であり、その結果、宿
主の能力を十分に引き出すことが出来ず、目的遺伝子産
物の生産が少ないと言うことが頻繁に認められ、より安
定でかつ宿主菌と適合性、調和性のよいベクターの開発
が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した業界のニーズに
加え、更に、バチルス・ブレビスが汎用性の高い宿主と
して利用可能であること、また同菌がコンピテントな菌
を冷凍保存できること、そしてまた電気パルス法等によ
り形質転換が容易であること等に鑑み、バチルス・ブレ
ビスの工業的有用性に着目して、バチルス・ブレビスで
安定でかつ高発現のベクターを開発すべく鋭意検討した
結果、バチルス・ブレビス由来のプラスミドを利用し、
且つ、バチルス・ブレビス由来の強力なプロモータ−を
用いて非常に有効なベクターを構築することに成功し本
発明を完成した。
加え、更に、バチルス・ブレビスが汎用性の高い宿主と
して利用可能であること、また同菌がコンピテントな菌
を冷凍保存できること、そしてまた電気パルス法等によ
り形質転換が容易であること等に鑑み、バチルス・ブレ
ビスの工業的有用性に着目して、バチルス・ブレビスで
安定でかつ高発現のベクターを開発すべく鋭意検討した
結果、バチルス・ブレビス由来のプラスミドを利用し、
且つ、バチルス・ブレビス由来の強力なプロモータ−を
用いて非常に有効なベクターを構築することに成功し本
発明を完成した。
【0006】すなわち本発明は、バチルス・ブレビスで
高発現するベクターに関するものである。また更に、本
発明はこのベクターに目的とする外来遺伝子を連結して
なる高発現ベクター、それを保有する形質転換体、及び
この形質転換体を培養することによる外来遺伝子産物の
大量分泌生産方法にも関するものである。以下、本発明
について詳しく説明する。
高発現するベクターに関するものである。また更に、本
発明はこのベクターに目的とする外来遺伝子を連結して
なる高発現ベクター、それを保有する形質転換体、及び
この形質転換体を培養することによる外来遺伝子産物の
大量分泌生産方法にも関するものである。以下、本発明
について詳しく説明する。
【0007】本発明の高発現ベクターの構築に使用する
プラスミドはバチルス・ブレビス由来のプラスミドであ
れば何れでも良いが、例えば、バチルス・ブレビスHP
926(FERM BP−5382)より調製されるプ
ラスミドpHT926が有効に使用される。プラスミド
の調製は既知の方法例えば田中らの方法(J.Bact
eriol.,129,1487−1494(197
7))が挙げられる。
プラスミドはバチルス・ブレビス由来のプラスミドであ
れば何れでも良いが、例えば、バチルス・ブレビスHP
926(FERM BP−5382)より調製されるプ
ラスミドpHT926が有効に使用される。プラスミド
の調製は既知の方法例えば田中らの方法(J.Bact
eriol.,129,1487−1494(197
7))が挙げられる。
【0008】プロモーターとしてはバチルス・ブレビス
で機能するものであれば何れでも良いが、バチルス・ブ
レビス由来のプロモーターが好ましく、例えばバチルス
・ブレビスHPD31(FERM BP−1087)の
主要菌体外タンパク質遺伝子(HWP遺伝子)のプロモ
ーターなどが挙げられる。プロモーター領域を含有する
DNAは上記プロモーター以外にSD配列、翻訳開始コ
ドンなどを有していることが必要である。
で機能するものであれば何れでも良いが、バチルス・ブ
レビス由来のプロモーターが好ましく、例えばバチルス
・ブレビスHPD31(FERM BP−1087)の
主要菌体外タンパク質遺伝子(HWP遺伝子)のプロモ
ーターなどが挙げられる。プロモーター領域を含有する
DNAは上記プロモーター以外にSD配列、翻訳開始コ
ドンなどを有していることが必要である。
【0009】上記のように、バチルス・ブレビスHPD
31のHWPプロモーター領域を含有するDNAは既知
であるので(J.Bacteriol.,172,13
12−1320(1990))、必要部分を制限酵素で
切断しておき、これをサブクローニング用ベクター(形
質転換体としてE.coliを用いる場合には、pUC
118、pUC119等のpUC系プラスミド又はpB
R322系のプラスミドが好適である)に挿入し、その
DNAでE.coliを形質転換しておけば、目的とす
るプロモーター領域を含有するDNAが保存される。し
たがって必要ある場合に、形質転換体からプラスミドを
取り出し、必要あれば更に制限酵素処理、リンカー処理
等を行ってプラスミドを調製しておけば、目的とするプ
ロモーターを含むDNA断片を自由に取り出すことがで
きる。
31のHWPプロモーター領域を含有するDNAは既知
であるので(J.Bacteriol.,172,13
12−1320(1990))、必要部分を制限酵素で
切断しておき、これをサブクローニング用ベクター(形
質転換体としてE.coliを用いる場合には、pUC
118、pUC119等のpUC系プラスミド又はpB
R322系のプラスミドが好適である)に挿入し、その
DNAでE.coliを形質転換しておけば、目的とす
るプロモーター領域を含有するDNAが保存される。し
たがって必要ある場合に、形質転換体からプラスミドを
取り出し、必要あれば更に制限酵素処理、リンカー処理
等を行ってプラスミドを調製しておけば、目的とするプ
ロモーターを含むDNA断片を自由に取り出すことがで
きる。
【0010】また、本発明の高発現ベクターに連結する
外来遺伝子はバチルス・ブレビスで発現可能な遺伝子で
あれば何れでも良く、例えば、Bacillus li
cheniformisのα−アミラーゼ遺伝子、ヒト
EGF遺伝子等が挙げられる。
外来遺伝子はバチルス・ブレビスで発現可能な遺伝子で
あれば何れでも良く、例えば、Bacillus li
cheniformisのα−アミラーゼ遺伝子、ヒト
EGF遺伝子等が挙げられる。
【0011】プラスミドを構築する方法としては、常法
で適宜用いられ、例えばモレキュラー・クローニング,
ア・ラボラトリー・マニュアル,コールド・スプリング
・ハーバー・ラボラトリー(Molecular Cl
oning,A Laboratory Manua
l,Cold Spring Harbor Labo
ratory,1982)に記載の方法などが例示され
る。
で適宜用いられ、例えばモレキュラー・クローニング,
ア・ラボラトリー・マニュアル,コールド・スプリング
・ハーバー・ラボラトリー(Molecular Cl
oning,A Laboratory Manua
l,Cold Spring Harbor Labo
ratory,1982)に記載の方法などが例示され
る。
【0012】バチルス・ブレビス47(FERM P−
7224)のMWPプロモーター領域の下流にバチルス
・リケニフォルミスのα−アミラーゼ(BLA)遺伝子
を連結したDNAフラグメントを保有するプラスミドは
既知であるので(J.Bacteriol.,169,
1239−1245(1987))、これを制限酵素処
理した後、上記によって調製したプラスミドから取り出
したHWPプロモーター領域断片をつないでバチルス・
ブレビスを形質転換して、MWPプロモーターがHWP
プロモーターにかわったプラスミドを得る。このプラス
ミドを制限酵素処理、リガーゼ処理、リンカー処理する
ことによってBLA遺伝子領域を除去した本発明の目的
とする高発現ベクターpHTが得られる。
7224)のMWPプロモーター領域の下流にバチルス
・リケニフォルミスのα−アミラーゼ(BLA)遺伝子
を連結したDNAフラグメントを保有するプラスミドは
既知であるので(J.Bacteriol.,169,
1239−1245(1987))、これを制限酵素処
理した後、上記によって調製したプラスミドから取り出
したHWPプロモーター領域断片をつないでバチルス・
ブレビスを形質転換して、MWPプロモーターがHWP
プロモーターにかわったプラスミドを得る。このプラス
ミドを制限酵素処理、リガーゼ処理、リンカー処理する
ことによってBLA遺伝子領域を除去した本発明の目的
とする高発現ベクターpHTが得られる。
【0013】このようにして調製した高発現ベクターp
HTのHWPプロモーター、シグナルペプチドの下流側
に、目的とする外来遺伝子を常法にしたがってin f
rame挿入し、微生物を形質転換すれば、外来遺伝子
を多量に分泌生産しうる形質転換体を得ることができ
る。
HTのHWPプロモーター、シグナルペプチドの下流側
に、目的とする外来遺伝子を常法にしたがってin f
rame挿入し、微生物を形質転換すれば、外来遺伝子
を多量に分泌生産しうる形質転換体を得ることができ
る。
【0014】外来遺伝子を組み込んだベクターを形質転
換する微生物としては、バチルス・ブレビスに属する微
生物であれば何れでも良く、例えば、バチルス・ブレビ
ス47(FERM P−7224)、バチルス・ブレビ
スHPD31(FERM BP−1087)が挙げられ
るが、好適にはバチルス・ブレビスHPD31が用いら
れる。バチルス・ブレビスを形質転換する方法は、公知
の方法で良く、例えば、Takahashiらの方法
(J.Bacteriol.,156,1130(19
83))またはTakagiらの方法(Agric.B
iol.Chem.,53,3099−3100(19
89))等が例示される。
換する微生物としては、バチルス・ブレビスに属する微
生物であれば何れでも良く、例えば、バチルス・ブレビ
ス47(FERM P−7224)、バチルス・ブレビ
スHPD31(FERM BP−1087)が挙げられ
るが、好適にはバチルス・ブレビスHPD31が用いら
れる。バチルス・ブレビスを形質転換する方法は、公知
の方法で良く、例えば、Takahashiらの方法
(J.Bacteriol.,156,1130(19
83))またはTakagiらの方法(Agric.B
iol.Chem.,53,3099−3100(19
89))等が例示される。
【0015】得られた形質転換体の培養に用いる培地
は、形質転換体が生育して目的とする外来遺伝子産物を
産生しうるものであれば如何なるものでも良い。
は、形質転換体が生育して目的とする外来遺伝子産物を
産生しうるものであれば如何なるものでも良い。
【0016】該培地に含有される炭素源としては、例え
ばグルコース、シュークロース、グリセロール、澱粉、
デキストリン、糖蜜、尿素、有機酸などが考えられる。
該培地に含有させる窒素源としては、カゼイン、ポリペ
プトン、肉エキス、酵母エキス、カザミノ酸、グリシン
などの有機窒素源、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウ
ム、硝酸アンモニウムなどの無機窒素源などが用いられ
る。その他、塩化カリウム、リン酸一カリウム、リン酸
二カリウム、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウムなどの
無機塩が必要に応じて培地に加えられる。また、糖と無
機窒素源を主とする合成培地を用いて培養しても良い。
栄養要求性を示す菌は、その生育に必要な栄養物質を培
地に添加すればよい。該栄養物質としては、アミノ酸
類、ビタミン類、核酸、塩類などが挙げられる。
ばグルコース、シュークロース、グリセロール、澱粉、
デキストリン、糖蜜、尿素、有機酸などが考えられる。
該培地に含有させる窒素源としては、カゼイン、ポリペ
プトン、肉エキス、酵母エキス、カザミノ酸、グリシン
などの有機窒素源、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウ
ム、硝酸アンモニウムなどの無機窒素源などが用いられ
る。その他、塩化カリウム、リン酸一カリウム、リン酸
二カリウム、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウムなどの
無機塩が必要に応じて培地に加えられる。また、糖と無
機窒素源を主とする合成培地を用いて培養しても良い。
栄養要求性を示す菌は、その生育に必要な栄養物質を培
地に添加すればよい。該栄養物質としては、アミノ酸
類、ビタミン類、核酸、塩類などが挙げられる。
【0017】また、培養に際して必要があれば、培地に
抗生物質例えばペニシリン、エリスロマイシン、クロラ
ムフェニコール、バシトラシン、D−サイクロセリン、
アンピシリンなどが加えられる。更に必要により、消泡
剤例えば大豆油、ラード油、各種界面活性剤などを培地
に加えてもよい。
抗生物質例えばペニシリン、エリスロマイシン、クロラ
ムフェニコール、バシトラシン、D−サイクロセリン、
アンピシリンなどが加えられる。更に必要により、消泡
剤例えば大豆油、ラード油、各種界面活性剤などを培地
に加えてもよい。
【0018】培地の初発pHは5.0〜9.0であり、
さらに好ましくは6.5〜7.5である。培養温度は通
常15℃〜42℃、さらに好ましくは24℃〜37℃で
あり、培養時間は通常16〜166時間、さらに好まし
くは24〜96時間である。
さらに好ましくは6.5〜7.5である。培養温度は通
常15℃〜42℃、さらに好ましくは24℃〜37℃で
あり、培養時間は通常16〜166時間、さらに好まし
くは24〜96時間である。
【0019】培養終了後、それ自体公知の方法、例えば
遠心分離、ろ過などで菌体と上清とを分離する。
遠心分離、ろ過などで菌体と上清とを分離する。
【0020】形質転換する微生物として、例えばバチル
ス・ブレビスHPD31等を使用すれば、電気パルス法
等によって容易に形質転換することができるのみでな
く、目的とする産物を菌体外に生産するというすぐれた
性質を有しているので、上記のようにして得られた培養
上清に含まれる外来遺伝子産物は、例えば塩析、等電点
沈澱、ゲル濾過、イオン交換クロマトグラフィー、ハイ
ドロオキシアパタイト、高速液体クロマトグラフィーな
どに従って精製すればよく、このようにして目的とする
外来遺伝子産物を容易に得ることが出来る。
ス・ブレビスHPD31等を使用すれば、電気パルス法
等によって容易に形質転換することができるのみでな
く、目的とする産物を菌体外に生産するというすぐれた
性質を有しているので、上記のようにして得られた培養
上清に含まれる外来遺伝子産物は、例えば塩析、等電点
沈澱、ゲル濾過、イオン交換クロマトグラフィー、ハイ
ドロオキシアパタイト、高速液体クロマトグラフィーな
どに従って精製すればよく、このようにして目的とする
外来遺伝子産物を容易に得ることが出来る。
【0021】以下、本発明を実施例により更に詳しく説
明する。
明する。
【0022】
【実施例1】
【0023】 [(1)プラスミドpHT926の単離(図1)] プラスミドpHT926は、Bacillus bre
visHP926(FERM BP−5382)が保有
する多コピープラスミドである。本菌株をT2液体培地
(Agric.Biol.Chem.,40,523
(1976))中で37℃で1晩振とう培養後、培養液
から菌体を遠心分離にて集め、次いで集菌した菌体より
アルカリ・SDS法(Nucleic Acids R
es.,7,1513(1979))によりプラスミド
pHT926を得た。pHT926は、アガロースゲル
電気泳動上で約1.8Kbのプラスミドであり、その制
限酵素地図を図1に示す。
visHP926(FERM BP−5382)が保有
する多コピープラスミドである。本菌株をT2液体培地
(Agric.Biol.Chem.,40,523
(1976))中で37℃で1晩振とう培養後、培養液
から菌体を遠心分離にて集め、次いで集菌した菌体より
アルカリ・SDS法(Nucleic Acids R
es.,7,1513(1979))によりプラスミド
pHT926を得た。pHT926は、アガロースゲル
電気泳動上で約1.8Kbのプラスミドであり、その制
限酵素地図を図1に示す。
【0024】[(2)pHT926を用いたB.bre
vis47B.brevisHPD31の形質転換(図
2、図3)]プラスミドpE194(J.Bacter
iol.,150,2,804−814(1982))
をSacIとClaIで消化し、エリスロマイシン耐性
遺伝子(Em r遺伝子)を含む960bpのSacI
−ClaI断片を得、プラスミドpUC119のSac
I−AccI部位に挿入、結合した後、E.coliJ
M109を形質転換し、pUC119・Em rプラス
ミドを有する株を選択した。本菌株よりプラスミドpU
C119・Em rを調製し、このプラスミドをEco
RIとHindIIIで処理し、Em r遺伝子を含む
980bpのEcoRI−HindIII断片を得た。
この断片の両端をDNAポリメラーゼ(Klenow
fragment)により平滑化し、pHT926のH
paI部位に挿入、結合し、プラスミド pHT100
を得た。これを用いてB.brevis47をTris
−PEG法(J.Bacteriol.,156,11
30(1983))により、そしてまたB.brevi
sHPD31をエレクトロポレーション法(Agri
c.Biol.Chem.,53,3099(198
9))により、形質転換を試みた。
vis47B.brevisHPD31の形質転換(図
2、図3)]プラスミドpE194(J.Bacter
iol.,150,2,804−814(1982))
をSacIとClaIで消化し、エリスロマイシン耐性
遺伝子(Em r遺伝子)を含む960bpのSacI
−ClaI断片を得、プラスミドpUC119のSac
I−AccI部位に挿入、結合した後、E.coliJ
M109を形質転換し、pUC119・Em rプラス
ミドを有する株を選択した。本菌株よりプラスミドpU
C119・Em rを調製し、このプラスミドをEco
RIとHindIIIで処理し、Em r遺伝子を含む
980bpのEcoRI−HindIII断片を得た。
この断片の両端をDNAポリメラーゼ(Klenow
fragment)により平滑化し、pHT926のH
paI部位に挿入、結合し、プラスミド pHT100
を得た。これを用いてB.brevis47をTris
−PEG法(J.Bacteriol.,156,11
30(1983))により、そしてまたB.brevi
sHPD31をエレクトロポレーション法(Agri
c.Biol.Chem.,53,3099(198
9))により、形質転換を試みた。
【0025】形質転換処理を行った菌体をEmを含むT
2固体培地(プレート)に塗布し、37℃で2日間培養
したところ、プレート上に生育するコロニーが高頻度で
得られた。T2・Emプレート上の生育コロニーを液体
培養し、菌体よりプラスミドを調整した。得られたプラ
スミドは、宿主がB.bevis47、B.brevi
sHPD31のいずれにおいても、pHT926にEm
r遺伝子が挿入された目的どおりのもの(pHT10
0)を有していた(図2、図3)。以上より、pHT9
26はB.brevis47及びB.brevisHP
D31において複製可能なプラスミドであることが立証
された。
2固体培地(プレート)に塗布し、37℃で2日間培養
したところ、プレート上に生育するコロニーが高頻度で
得られた。T2・Emプレート上の生育コロニーを液体
培養し、菌体よりプラスミドを調整した。得られたプラ
スミドは、宿主がB.bevis47、B.brevi
sHPD31のいずれにおいても、pHT926にEm
r遺伝子が挿入された目的どおりのもの(pHT10
0)を有していた(図2、図3)。以上より、pHT9
26はB.brevis47及びB.brevisHP
D31において複製可能なプラスミドであることが立証
された。
【0026】[(3)高分泌発現ベクターpHT110
構築(図4)]pHT100をApaLIで消化後、D
NAポリメラーゼにて切断部分を平滑化し、次いでこの
部分をT4リガーゼにより連結し、ApaLIサイトを
欠失せしめたpHT100Aを得た。そして、B.br
evis HPD31のHWPプロモーター、シグナル
ペプチド及び構造遺伝子の一部を含むファージDNAφ
SK−10(J.Bacteriol.,172,13
12(1990))より、HWPプロモーター及びシグ
ナル部分の500bp PstI−HpaI断片を得
た。一方、図5に示すB.brevis 47のMWP
シグナルペプチドの一部及びマルチクローニングサイト
を含む110bp HpaI−PstI断片を合成し
た。
構築(図4)]pHT100をApaLIで消化後、D
NAポリメラーゼにて切断部分を平滑化し、次いでこの
部分をT4リガーゼにより連結し、ApaLIサイトを
欠失せしめたpHT100Aを得た。そして、B.br
evis HPD31のHWPプロモーター、シグナル
ペプチド及び構造遺伝子の一部を含むファージDNAφ
SK−10(J.Bacteriol.,172,13
12(1990))より、HWPプロモーター及びシグ
ナル部分の500bp PstI−HpaI断片を得
た。一方、図5に示すB.brevis 47のMWP
シグナルペプチドの一部及びマルチクローニングサイト
を含む110bp HpaI−PstI断片を合成し
た。
【0027】pHT100AをPstIで消化した後、
上記によって得た2つの断片をT4リガーゼによって連
結し、目的とする分泌ベクターpHT110を得た。
上記によって得た2つの断片をT4リガーゼによって連
結し、目的とする分泌ベクターpHT110を得た。
【0028】pHT110のマルチクローニングサイト
部分に外来遺伝子をアミノ酸の読み取りが合う様に(i
n frame)挿入し、B.brevis HPD3
1を形質転換することによってプラスミドpHT110
Xを保有し目的遺伝子産物を多量に分泌生産する組換え
体を得た。
部分に外来遺伝子をアミノ酸の読み取りが合う様に(i
n frame)挿入し、B.brevis HPD3
1を形質転換することによってプラスミドpHT110
Xを保有し目的遺伝子産物を多量に分泌生産する組換え
体を得た。
【0029】[(4)高分泌発現ベクターpHT210
の構築(図6、図7)]Bacillus brevi
s47(FERM P−7224)のMWPプロモータ
ー及びシグナルペプチド(J.Bacteriol.,
169,1239−1245(1987))の下流に
B.licheniformisのα−アミラーゼ(B
LA)遺伝子(J.Biochem.,96,1147
−1156(1985))を直結し、B.brevis
481(FERM P−7531)から単離したB.b
revisで安定に保持されるプラスミドpHY481
(Appl.Env.Microbiol.,49,1
076−1079(1985)に挿入し、プラスミドp
HY4831(J.Bacteriol.)169,1
239−1245(1987))を調製した。pHY4
831より特願平3−123183号の方法にしたがっ
て調製したプラスミドpHY4831HをPstIとB
clIで消化し、HWPプロモーターとB.liche
niformisのα−アミラーゼ遺伝子(BLA遺伝
子)が直結した2.2kbのPstI−BclI断片を
得た。
の構築(図6、図7)]Bacillus brevi
s47(FERM P−7224)のMWPプロモータ
ー及びシグナルペプチド(J.Bacteriol.,
169,1239−1245(1987))の下流に
B.licheniformisのα−アミラーゼ(B
LA)遺伝子(J.Biochem.,96,1147
−1156(1985))を直結し、B.brevis
481(FERM P−7531)から単離したB.b
revisで安定に保持されるプラスミドpHY481
(Appl.Env.Microbiol.,49,1
076−1079(1985)に挿入し、プラスミドp
HY4831(J.Bacteriol.)169,1
239−1245(1987))を調製した。pHY4
831より特願平3−123183号の方法にしたがっ
て調製したプラスミドpHY4831HをPstIとB
clIで消化し、HWPプロモーターとB.liche
niformisのα−アミラーゼ遺伝子(BLA遺伝
子)が直結した2.2kbのPstI−BclI断片を
得た。
【0030】次いで、この断片の両端をDNAポリメラ
ーゼを用いて平滑化した。前項で得たpHT100をA
paLIで消化後DNAポリメラーゼにて切断部分を平
滑化し、この部分に先に得た2.2kbのHWPプロモ
ーターBLA遺伝子断片をT4リガーゼを用いて連結
し、pHT200・BLAを得た。pHT200・BL
AをSalIで消化後DNAポリメラーゼで平滑末端化
した後、EcoRIリンカーを付加したpHT200E
を得た。pHT200EをPstIで消化後、DNAポ
リメラーゼにより平滑末端化した後T4リガーゼにてそ
の平滑末端部分を連結し、PstI切断点を無くし、次
いでApaLIとEcoRIで消化して、4.0kbの
ApaLI−EcoRI断片を得た。この4.0kb
ApaLI−EcoRI断片に図8に示す合成ヌクレオ
チド90bp ApaLI−EcoRI断片を連結し、
pHT210を得た(図7)。pHT210のマルチク
ローニングサイト部分に外来遺伝子をアミノ酸の読み取
りが合う様に(in frame)挿入し、B.bre
vis HPD31を形質転換することにより、プラス
ミドpHT210Xを保有し目的遺伝子産物を多量に分
泌生産する組換え体を得た。
ーゼを用いて平滑化した。前項で得たpHT100をA
paLIで消化後DNAポリメラーゼにて切断部分を平
滑化し、この部分に先に得た2.2kbのHWPプロモ
ーターBLA遺伝子断片をT4リガーゼを用いて連結
し、pHT200・BLAを得た。pHT200・BL
AをSalIで消化後DNAポリメラーゼで平滑末端化
した後、EcoRIリンカーを付加したpHT200E
を得た。pHT200EをPstIで消化後、DNAポ
リメラーゼにより平滑末端化した後T4リガーゼにてそ
の平滑末端部分を連結し、PstI切断点を無くし、次
いでApaLIとEcoRIで消化して、4.0kbの
ApaLI−EcoRI断片を得た。この4.0kb
ApaLI−EcoRI断片に図8に示す合成ヌクレオ
チド90bp ApaLI−EcoRI断片を連結し、
pHT210を得た(図7)。pHT210のマルチク
ローニングサイト部分に外来遺伝子をアミノ酸の読み取
りが合う様に(in frame)挿入し、B.bre
vis HPD31を形質転換することにより、プラス
ミドpHT210Xを保有し目的遺伝子産物を多量に分
泌生産する組換え体を得た。
【0031】[実施例2]
【0032】[(5)pHT110・BLAの構築(図
9)]pHY4831をApaLIとBclIで消化し
て、MWPのシグナルペプチドの一部とB.liche
niformisのα−アミラーゼ遺伝子とを含む1.
7kb ApaLI−BclI断片を得た。一方、pH
T110をApaLIとBamHIで消化して、2.8
Kb ApaLI−BamHI断片を得た。この断片と
先に得た1.7Kb断片とをT4リガーゼで連結し、
B.brevisHPD31を形質転換した。組換え体
よりプラスミドpHT110.BLAを得た。
9)]pHY4831をApaLIとBclIで消化し
て、MWPのシグナルペプチドの一部とB.liche
niformisのα−アミラーゼ遺伝子とを含む1.
7kb ApaLI−BclI断片を得た。一方、pH
T110をApaLIとBamHIで消化して、2.8
Kb ApaLI−BamHI断片を得た。この断片と
先に得た1.7Kb断片とをT4リガーゼで連結し、
B.brevisHPD31を形質転換した。組換え体
よりプラスミドpHT110.BLAを得た。
【0033】[(6)pHT210・BLAの構築(図
10)]pHY4831をApaLIとBclIで消化
し、MWPのシグナルペプチドの一部とB.liche
niformisのα−アミラーゼ遺伝子を含み1.7
kb ApaLI−BclI断片を得た。pHT210
をApaLIとBamHIで消化し、3.9kb Ap
aLI−BamHI断片を得、これと先に得た1.7k
b断片をT4リガーゼにて連結し、B.brevis
HPD31を形質転換した。組換え体よりプラスミドp
HT210・BLAを得た。
10)]pHY4831をApaLIとBclIで消化
し、MWPのシグナルペプチドの一部とB.liche
niformisのα−アミラーゼ遺伝子を含み1.7
kb ApaLI−BclI断片を得た。pHT210
をApaLIとBamHIで消化し、3.9kb Ap
aLI−BamHI断片を得、これと先に得た1.7k
b断片をT4リガーゼにて連結し、B.brevis
HPD31を形質転換した。組換え体よりプラスミドp
HT210・BLAを得た。
【0034】[実施例3]
【0035】[(7)pHT110・BLA、pHT2
10・BLAを用いてのBLAの分泌生産]pHT11
0・BLA、pHT210・BLAを保持するB.br
evisHPD31を5′PY培地(Agric.Bi
ol.Chem.,53,2279(1989))に接
種し、30℃で6日間振とう培養した。この培養液を遠
心分離し、その上清のアミラーゼ活性を可溶性澱粉を基
質として斎藤の方法(Arch.Biochem.Bi
ophys.,155,290(1973))を用いて
測定し、下記表1の結果を得た。
10・BLAを用いてのBLAの分泌生産]pHT11
0・BLA、pHT210・BLAを保持するB.br
evisHPD31を5′PY培地(Agric.Bi
ol.Chem.,53,2279(1989))に接
種し、30℃で6日間振とう培養した。この培養液を遠
心分離し、その上清のアミラーゼ活性を可溶性澱粉を基
質として斎藤の方法(Arch.Biochem.Bi
ophys.,155,290(1973))を用いて
測定し、下記表1の結果を得た。
【0036】
【表1】
【0037】培養上清からα−アミラーゼを山形らの方
法(J.Bacteriol.,169,1239〜1
245(1987))に従い、SDS・PAGE上一本
のバンドになるまで精製を行った。本アミラーゼ精製品
の比活性は1×106U/mg proteinであ
り、上記培養液(pHT110・BLA−6日、pHT
210・BLA−6日)にはそれぞれ4.5g/Lのア
ミラーゼが分泌されていることになる。これに対して、
α−アミラーゼ(BLA)の生産量は、従来法(Bac
illus brevis47/pNU100:従来の
技術の項において記載した、塚越規弘、日本農芸化学会
誌、61、68(1987))においては、わずか0.
7g/Lにすぎず、本発明によって予想をはるかにこえ
た格別顕著な効果が奏されることが確認された。
法(J.Bacteriol.,169,1239〜1
245(1987))に従い、SDS・PAGE上一本
のバンドになるまで精製を行った。本アミラーゼ精製品
の比活性は1×106U/mg proteinであ
り、上記培養液(pHT110・BLA−6日、pHT
210・BLA−6日)にはそれぞれ4.5g/Lのア
ミラーゼが分泌されていることになる。これに対して、
α−アミラーゼ(BLA)の生産量は、従来法(Bac
illus brevis47/pNU100:従来の
技術の項において記載した、塚越規弘、日本農芸化学会
誌、61、68(1987))においては、わずか0.
7g/Lにすぎず、本発明によって予想をはるかにこえ
た格別顕著な効果が奏されることが確認された。
【0038】[実施例4]
【0039】[(8)pHT110.EGFの構築(図
12)]図11に示すMWPシグナルペプチドの一部及
びEGF構造遺伝子部分を含む194bp ApaLI
−BamHI断片を合成した。pHT110をApaL
IとBamHIで消化して、3.35kb ApaLI
−BamHI断片を得、これと上記によって合成した1
94bp断片とをT4リガーゼを用いて連結し、B.b
revis HPD31を形質転換した。組換え体より
プラスミドpHT110・EGFを得た。
12)]図11に示すMWPシグナルペプチドの一部及
びEGF構造遺伝子部分を含む194bp ApaLI
−BamHI断片を合成した。pHT110をApaL
IとBamHIで消化して、3.35kb ApaLI
−BamHI断片を得、これと上記によって合成した1
94bp断片とをT4リガーゼを用いて連結し、B.b
revis HPD31を形質転換した。組換え体より
プラスミドpHT110・EGFを得た。
【0040】[実施例5]
【0041】[(9)pHT110・EGFを用いての
h−EGFの生産] pHT110・EGFを保持するB.brevis H
PD31及び対照となるB.brevis HPD31
を5′PY培地を用いて30℃で6日間振とう培養を行
った。その培養液を遠心分離し、上清のヒトEGF濃度
を抗ヒトEGF血清を用いたELISA法により求め
た。その結果を下記の表2に示す。その結果から明らか
なように、本発明によれば、h−EGFの生産量は3.
29g/Lに達する。これに対して、従来法(Baci
llus brevis HPD31/pNU200:
従来の技術の項において記載した、Proc.Nat
h.Acad.Sci.USA,86,3589〜35
93(1989))においては、わずか0.24g/L
にすぎず、これでは工業生産レベルには到底到達し得な
い。このように、本発明によれば、h−EGFといった
ヒト由来のホルモンが工業生産可能なレベルにまで製造
することが可能となり、全く予測し得なかった量の外来
遺伝子の生産量の増加がもたらされ、本発明によって予
想をはるかにこえた格別顕著な効果が奏されることが確
認された。
h−EGFの生産] pHT110・EGFを保持するB.brevis H
PD31及び対照となるB.brevis HPD31
を5′PY培地を用いて30℃で6日間振とう培養を行
った。その培養液を遠心分離し、上清のヒトEGF濃度
を抗ヒトEGF血清を用いたELISA法により求め
た。その結果を下記の表2に示す。その結果から明らか
なように、本発明によれば、h−EGFの生産量は3.
29g/Lに達する。これに対して、従来法(Baci
llus brevis HPD31/pNU200:
従来の技術の項において記載した、Proc.Nat
h.Acad.Sci.USA,86,3589〜35
93(1989))においては、わずか0.24g/L
にすぎず、これでは工業生産レベルには到底到達し得な
い。このように、本発明によれば、h−EGFといった
ヒト由来のホルモンが工業生産可能なレベルにまで製造
することが可能となり、全く予測し得なかった量の外来
遺伝子の生産量の増加がもたらされ、本発明によって予
想をはるかにこえた格別顕著な効果が奏されることが確
認された。
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】本発明により、バチルス・ブレビス由来
の高発現ベクターを開発した。この高発現ベクターは目
的とする外来遺伝子を挿入することが可能であるので、
このベクターにより形質転換した微生物を培養すること
により、目的とする各種の外来遺伝子産物を菌体外に著
量分泌生産することができる。
の高発現ベクターを開発した。この高発現ベクターは目
的とする外来遺伝子を挿入することが可能であるので、
このベクターにより形質転換した微生物を培養すること
により、目的とする各種の外来遺伝子産物を菌体外に著
量分泌生産することができる。
【図1】pHT926の制限酵素地図である。
【図2】pHT100の構築図である。
【図3】pHT100の制限酵素地図である。
【図4】pHT110の構築図である。
【図5】マルチクローニングサイトを有する110bp
合成ヌクレオチドを示す。
合成ヌクレオチドを示す。
【図6】pHT210の構築図である。
【図7】pHT210の制限酵素地図である。
【図8】マルチクローニングサイトを有する194bp
合成ヌクレオチドを示す。
合成ヌクレオチドを示す。
【図9】pHT110 BLAの構築図である。
【図10】pHT210 BLAの構築図である。
【図11】ヒト−EGF構造遺伝子に相当する合成ヌク
レオチドを示す。
レオチドを示す。
【図12】pHT110 EGFの構築図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 21/02 C12R 1:08)
Claims (7)
- 【請求項1】 下記の制限酵素地図で示されるプラスミ
ドpHT926、 HWPプロモーター、及び、下記に示されるマルチクロ
ーニングサイトを有する塩基配列を含有し、 下記の制限酵素地図で示される高発現ベクターpHT1
10。 - 【請求項2】 下記の制限酵素地図で示されるプラスミ
ドpHT926、 HWPプロモーター、及び、下記に示されるマルチクロ
ーニングサイトを有する塩基配列を含有し、 下記の制限酵素地図で示される高発現ベクターpHT2
10。 - 【請求項3】 請求項1に記載の高発現ベクターpHT
110に外来遺伝子を結合してなる高発現ベクターpH
T110X。 - 【請求項4】 請求項2に記載の高発現ベクターpHT
210に外来遺伝子を結合してなる高発現ベクターpH
T210X。 - 【請求項5】 請求項3又は4に記載の高発現ベクター
pHT110X又はpHT210Xを保有するバチルス
・ブレビス(Bacillus brevis)。 - 【請求項6】 バチルス・ブレビス(Bacillus
brevis)が、高発現ベクターpHT110X又
はpHT210Xを保有するバチルス・ブレビスHPD
31(Bacillus brevis HPD31)
であること、を特徴とする請求項5に記載のバチルス・
ブレビス(Bacillus brevis)。 - 【請求項7】 請求項3又は4に記載の高発現ベクター
pHT110X又はpHT210Xを保有するバチルス
・ブレビスを培養することにより外来遺伝子産物を培養
物中に生成、蓄積せしめ、これを採取すること、を特徴
とする該産物の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4216605A JP2727391B2 (ja) | 1992-07-23 | 1992-07-23 | 高発現ベクター及び該高発現ベクターを保有する微生物並びに該微生物を用いる有用物質の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4216605A JP2727391B2 (ja) | 1992-07-23 | 1992-07-23 | 高発現ベクター及び該高発現ベクターを保有する微生物並びに該微生物を用いる有用物質の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06133782A JPH06133782A (ja) | 1994-05-17 |
JP2727391B2 true JP2727391B2 (ja) | 1998-03-11 |
Family
ID=16691048
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4216605A Expired - Lifetime JP2727391B2 (ja) | 1992-07-23 | 1992-07-23 | 高発現ベクター及び該高発現ベクターを保有する微生物並びに該微生物を用いる有用物質の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2727391B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7332331B2 (en) | 2001-02-14 | 2008-02-19 | Higeta Shoyu Co., Ltd. | Plasmid shuttle vector between Escherichia coli and Brevibacillus |
Families Citing this family (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1686170B1 (en) | 2003-11-11 | 2010-03-03 | Higeta Shoyu Co., Ltd. | Novel brevibacillus choshinensis and process for producing protein with use of the microbe as host |
CA2570253A1 (en) | 2004-07-06 | 2006-01-12 | Kaneka Corporation | Process for producing protein a-like protein with use of brevibacillus genus bacaterium |
CN102365361B (zh) | 2009-03-24 | 2015-09-02 | 株式会社钟化 | 对免疫球蛋白具有亲和性的蛋白质和免疫球蛋白结合性亲和配体 |
KR101893225B1 (ko) | 2010-03-24 | 2018-08-29 | 가부시키가이샤 가네카 | 면역 글로불린에 특이적으로 결합하는 단백질 및 면역 글로불린 결합성의 친화성 리간드 |
JP5933526B2 (ja) | 2011-03-25 | 2016-06-08 | 株式会社カネカ | 免疫グロブリン結合性新規ポリペプチド |
EP2690173B1 (en) | 2011-03-25 | 2019-07-03 | Kaneka Corporation | Protein for affinity-separation matrix |
CN104640983A (zh) | 2012-09-21 | 2015-05-20 | 株式会社钟化 | 亲和分离基质用蛋白质配体 |
EP3042954A4 (en) | 2013-09-06 | 2017-03-22 | Kaneka Corporation | Dissociation capacity-boosted ligand for affinity dissociation matrix |
SG11201901093PA (en) | 2016-08-10 | 2019-03-28 | Spiber Inc | Production method for insoluble recombinant protein aggregate |
US20190225646A1 (en) | 2016-10-03 | 2019-07-25 | Spiber Inc. | Method for Purifying Recombinant Protein |
CN111051334A (zh) | 2017-07-26 | 2020-04-21 | 丝芭博株式会社 | 改造丝心蛋白 |
JPWO2020145363A1 (ja) | 2019-01-09 | 2021-11-25 | Spiber株式会社 | 改変フィブロイン |
BR112021014805A2 (pt) | 2019-01-31 | 2022-01-04 | Spiber Inc | Métodos de produção para uma proteína recombinante e para aumentar o volume de produção |
WO2021187502A1 (ja) | 2020-03-16 | 2021-09-23 | Spiber株式会社 | 合成高分子及びその製造方法、成形材料、並びに、成形体 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63294788A (ja) * | 1987-05-27 | 1988-12-01 | Nikka Uisukii Kk | ベクタ−、遺伝子の検出方法及び蛋白質の発現方法 |
-
1992
- 1992-07-23 JP JP4216605A patent/JP2727391B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63294788A (ja) * | 1987-05-27 | 1988-12-01 | Nikka Uisukii Kk | ベクタ−、遺伝子の検出方法及び蛋白質の発現方法 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7332331B2 (en) | 2001-02-14 | 2008-02-19 | Higeta Shoyu Co., Ltd. | Plasmid shuttle vector between Escherichia coli and Brevibacillus |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06133782A (ja) | 1994-05-17 |
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