JP2711532B2 - 光記録媒体 - Google Patents
光記録媒体Info
- Publication number
- JP2711532B2 JP2711532B2 JP61313614A JP31361486A JP2711532B2 JP 2711532 B2 JP2711532 B2 JP 2711532B2 JP 61313614 A JP61313614 A JP 61313614A JP 31361486 A JP31361486 A JP 31361486A JP 2711532 B2 JP2711532 B2 JP 2711532B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oxide
- content
- layer
- intermediate layer
- alkali metal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
- Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
I 発明の背景
技術分野
本発明は、レーザー光通の熱および光を用いて情報の
記録、再生を行う光磁気記録媒体等の光記録媒体に関す
る。 先行技術とその問題点 光記録媒体の一つとして、光磁気メモリ媒体がある。 光磁気メモリの記録媒体としては、 MnBi,MnAlGe,MnSb, MnCuBi,GdFe,TbFe, GdCo,PtCo,TbCo, TbFeCo,GbFeCo, TbFeO3,GdIG,GdTbFe, GdTbFeCoBi,CoFe2O4 等の材料が知られている。これらは、真空蒸着法やスパ
ッタリング法等の方法で、プラスチックやガラス等の透
明基板上に薄膜として形成される。これらの光記録媒体
に共通している特性としては、 磁気容易軸が膜面に垂直方向にあり、 さらに、カー効果やファラデー効果が大きいという点
をあげることができる。 このような媒体に要求されることは、 第1に、キューリー点が100〜200℃程度で、補償点が
室温付近であること、 第2に、ノイズとなる結晶粒界などの欠陥が比較的少
ないこと、 第3に、比較的大面積にわたって磁気的、機械的に均
一な膜が得られることがあげられる。 このような要求に答え、上記の材料のなかで、近年、
希土類−遷移金属の非晶質垂直磁性薄膜が大きな注目を
集めている。 しかし、このような希土類−遷移非晶質薄膜からなる
光記録媒体において、記録層は大気に接したまま保存さ
れると、大気中の酸素や水により希土類が選択的に腐食
あるいは酸化されてしまい、情報の記録、再生が不可能
となる。さらには、S/N比を向上させるために、記録の
読み取りの際の回転角をできるだけ大きくする必要があ
る。 そこで、一般には、前記記録層の基板側ないし基板反
対側表面に中間層を設けた構成を有するものが多く研究
されている。 従来、このような防湿性等の耐食性付与のためあるい
は、カー効果に多重干渉の効果やファラデー効果を加え
て回転角を増大させるために中間層としては、一般化ケ
イ素、二酸化ケイ素、窒化アルミ、窒化ケイ素、硫化亜
鉛等の無機系の真空蒸着膜や樹脂膜等を設けることはよ
く知られている(特開昭58−80142号公報、同59−52443
号公報等)。 しかし、これらは、いずれも未だ耐食性等の点で満足
できるものではない。 また、中間層の材質として、酸化物と窒化物との混合
物、特にSi3N4とSiO2との混合物、Si3N4とSiOとの混合
物、またはAlMとAl2O3との混合物を用いることも公知で
ある(特開昭60−145525号公報)。 しかしながら、このものについても、耐食性、C/N
比、膜剥離、クラック、初期の記録媒体のソリ等の変
形、成膜速度等の点で満足できるものとはいえない。 なお、このような問題は、いわゆる相転移タイプの記
録層を有する光記録媒体でも同様である。 II 発明の目的 本発明の目的は、記録層の劣化が防止され、耐食性、
耐久性、C/N比の優れた、また膜剥離、クラック、初期
のソリ等が少なく良好な光記録媒体を提供することにあ
る。 III 発明の開示 このような目的は、以下の本発明によって達成され
る。 すなわち、本発明は、基板上に中間層を有し、この中
間層上に記録層を有し、基板と中間層との間および/ま
たは記録層上に保護層を有する光記録媒体において、 中間層が、40〜80wt%の窒化ケイ素を包含し、さらに
15〜60wt%の窒化アルミニウムおよび酸化アルミニウム
の1または2種を含有し、 保護層が、下記(I)〜(IV)のいずれかで表わされ
る組成を有するガラス質であることを特徴とする光記録
媒体である。 IV 発明の具体的構成 以下、本発明の具体的構成について詳細に説明する。 本発明の光記録媒体のうち光磁気記録媒体の一実施例
が第1図に示されている。 第1図において、本発明の光磁気記録媒体1は、基板
2上に、ガラス質の基板側保護層31を有し、この上に中
間層4を有し、この上に記録層としての磁性薄膜層5が
設けられる。 本発明においては、さらに磁性薄膜層5上に、ガラス
質の基板裏面側保護層35を設けることが好ましい。 本発明に用いられる中間層4は、SiおよびAlを必須元
素として含む。 SiおよびAlは、酸化物、窒化物として含有され、しか
も、窒化ケイを必須とし、これに窒化アルミニウムおよ
び酸化アルミニウムの1種または2種と、必要に応じ酸
化ケイ素を含有する。この際、酸化物と窒化物の組み合
わせであるものが好ましい。 これら各酸化物および窒化物は通常化学量論組成であ
るが、これから偏希したものであってもよい。 この場合、酸化ケイ素量は40〜80wt%とする。多すぎ
ても少なすぎても、記録再生特性や耐久性や耐食性が劣
化する。なお、特開昭61−22458号公報および同61−278
062号公報には、酸化ケイ素Si3N490〜95モル%程度(90
wt%程度以上)と、これに酸化アルミニウムAl2O3や窒
化ケイ素AlN等を含むものが開示されているが、これら
では後記実施例から明らかなようにC/Nや耐久等の点で
不十分である。 なお、酸化物と窒化物との含有量は、窒化物リッチに
することが好ましく、通常、窒素量は酸素量に対して原
子比で1〜20倍程度とすることが好ましい。こうするこ
とにより、優れた記録再生特性を保ち、かつ安定で耐久
性、耐食性に優れた保護層となる。 この範囲未満すなわち0リッチであると出力が低下し
てしまい、また、逆にNリッチであると膜歪が大きくな
り耐久性が低下する。 さらに、このような中間層4においては、厚さ方向に
所定の元素の濃度勾配をつけてもよく、この場合、中間
層31の基板側をN、Oリッチにすることが好ましい。あ
るいは相対的に基板柄をOリッチ、磁性薄膜側をNリッ
チとしてもよい。 こうすることにより、経時劣化が少なく記録再生特性
に優れた記録媒体が得られる。 なお、好ましい態様においては、金属または半金属と
してSiとAlとを用いる場合、これらの量比には特に制限
はないが、通常は原子比でSi/Alは0.5〜20程度とする。 Si/Al比が0.5未満であっても、また20超であっても優
れた耐久性が得られない。 このような中間層4の波長800nmにおける屈折率は、
1.8〜3.0、より好ましくは2.0〜2.5とする。 屈折率が1.8未満であると、カー回転角増幅効果が小
さく、出力が低下する。 また、3.0を超えると、出力が低下し、またノイズが
増加する。 このような中間層4は各種気相成膜法、例えば、スパ
ッタ法、蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマ法
CVD、光CVD特に2種以上の異なる組成からなるターゲッ
トを用いた多元スパッタ法あるいは酸素を用いる反応性
スパッタ法等によって形成される。 そして、このような中間層4の厚さは、300〜3000
Å、特に700〜2000Åとすることが好ましい。 この値が300Å未満であると、カー回転角増大効果が
小さくかつ耐候性が悪く、また3000Åをこえると、感度
が低下し、かつ生産効率も低下する。 また、中間層4中の不純物として、成膜雰囲気中に存
在するAr、N2等が入ってもよい。 その他、Fe、Ni、Cr、Cu、Mn、Mg、Ca、Na、K等の元
素が不純物として入りうる。 本発明においては、このような中間層4の基板2側に
ガラス質の基板側保護層31が形成される。 このような基板側保護層31は、ガラス質であり、下記
(I)〜(II)のいずれかの組成を有する。 (I) 酸化ケイ素と、酸化アルミニウムまたは酸化ホ
ウ素と、アルカリ金属酸化物とを含有するガラス質のも
のであり、酸化ケイ素含有量が40〜60wt%、アルカリ金
属酸化物含有量が0.5〜10wt%であるもの。 (II) 酸化ケイ素と、酸化アルミニウムまたは酸化ホ
ウ素と、アルカリ金属酸化物と、ROで示される金属酸化
物(Rは2価の金属元素)とを含有するガラス質のもの
であり、酸化ケイ素含有量が40〜60wt%、アルカリ金属
酸化物含有量が0.5〜10wt%のもの。 (III) 酸化ケイ素と、酸化ホウ素と酸化アルミニウ
ムと、アルカリ金属酸化物とを含有するガラス質のもの
であり、酸化ケイ素含有量が40〜60wt%、アルカリ金属
酸化物含有量が0.5〜10wt%であるもの。 (IV) 酸化ケイ素と、酸化ホウ素と酸化アルミニウム
と、アルカリ金属酸化物と、ROで示される金属酸化物
(Rは2価の金属元素)とを含有するガラス質のもので
あり、酸化ケイ素含有量が40〜60wt%、アルカリ金属酸
化物含有量が0.5〜10wt%であるもの。 上記(I)〜(IV)を用い、しかも含有量を所定の範
囲内とした場合には、耐久性は格段と向上する。 なお、組成(I)〜(IV)において、酸化ケイ素は通
常、SiO2の形で存在する。 アルカリ金属酸化物としてはLi2O、Na2O、K2O、Rb
2O、Cs2O、Fr2O等が挙げられるが、中でも特にはLi2O、
Na2O、K2Oが好ましい。これらは1種類のみならず、2
種類以上を併用してもよい。 酸化ホウ素および酸化アルミニウムは、通常、それぞ
れB2O3、Al2O3の形で存在する。 ROで示される2価の金属酸化物は、BaO、CaO、MgO、Z
nOである。これらは2種以上併用してもよい。 さらに、組成(I)〜(IV)について記述すれば、 (I)においては、用いる酸化ホウ素または酸化アル
ミニウムを30〜59.5wt%で含有させる。 (II)においては、用いる酸化ホウ素または酸化アル
ミニウムを30〜59.5wt%で含有させ、その含有量の一部
または全部をRO金属酸化物でおきかえ、ROの含有率を層
全体で10〜50wt%、特に10〜35wt%とする。 (III)においては、酸化ホウ素および酸化アルミニ
ウムを総和で30〜59.5wt%含有させる。なお、(III)
〜(IV)において、各々の含有量は、酸化ホウ素1.0〜4
0wt%程度、酸化アルミニウム3.0〜45wt%程度とする。 (IV)においては、酸化ホウ素と酸化アルミニウムと
の総和が10〜49.5wt%、ROで示される金属酸化物の10〜
49.5wt%となるようにする。 このような基板側保護層31の厚さは、300〜1000Å程
度、特に400〜800Åとすることが好ましい。 そして、保護層31の形成は、通常、上記中間層4の場
合と同様に、各種の気相成膜法で行う。 さらに、このようなガラス質の保護層に替え、あるい
はこれに加え、同様の材質のものを後述する磁性薄膜層
5の上に基板裏面側の保護層35として設けてもよい。 基板裏面側保護層35の材質は上記、ガラス質の基板側
保護層の場合の同様に、上述したガラス質のもの、特に
上記(I)〜(IV)の中から適宜選定して用いることが
好ましい。 この場合、保護層31と保護層35との組成は、通常互い
に同一組成とするが、異なっていてもよい。 このようなガラス質の基板裏面側保護層35の形成方法
は上記保護層31の方法に準じて行なえばよい。 またその厚さは、300〜3000Å程度特に500〜2000Åと
することが好ましい。 本発明において記録層として用いる磁性薄膜層5は、
変調された熱ビームあるいは変調された磁界により、情
報が磁気的に記録されるものであり、記録情報は磁気−
光変換して再生するものである。 このような磁性薄膜層5の材質としては、Gd、Tb等の
希土類金属と好ましくはFe、Co等の遷移金属の合金をス
パッタ、蒸着法等により、非晶質膜として形成したもの
である。 この場合、FeとCoの総含有量は、65〜85wt%であるこ
とが好ましい。 そして、残部は実質的に希土類金属、特にGdおよび/
またはTbである。 そして、その好適例としては、TbFeCo、GdFeCo、GdTb
Co等がある。 なお、これら記録層中には10at%以下の範囲でCr、A
l、Ti、Pt、Si、Mo、Mn、V、Ni、Cu、Zn、Ge、Au等が
含有されていてもよい。 また、希土類元素として10at%以下の範囲でSc、Y、
La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu
等を含有してもよい。 このような磁性薄膜層5の厚さは、通常100〜10,000
Å程度である。 この他記録層の材質としては、いわゆる相転移タイプ
のものとして、例えば、 Te−Se、Te−Se−Sn、Te−Ge、Te−In、Te−Sn、Te−
Ge−Sb−S、Te−Ge−As−Si、Te−Si、Te−Ge−Si−S
b、Te−Ge−Bi、Te−Ge−In−Ga、Te−Si−Bi−Tl、Te
−Ge−Bi−In−S、Te−As−Ge−Sb、Te−Ge−Se−S、
Te−Ge−Se、Te−As−Ge−Ga、Te−Ge−S−In、Se−Ge
−Tl、Se−Te−As、Se−Ge−Tl−Sb、Se−Ge−Bi、Se−
S(以上、特公昭54−41902号、特許第1004835号など) TeOx(特開昭58−54338号、特許第974257号記載のTe
酸化物中に分散されたTe)、 TeOx+PbOx(特許第974258号)、 TeOx+VOx(特許第974257号)、その他、Te−Tl、Te
−Tl−Si、Se−Zn−Sb、Te−Se−Ga、TeNx等のTe、Seを
主体とするカルコゲン系 Ge−Sn、Si−Sn等の非晶質−結晶質転移を生じる合金 Ag−Zn、Ag−Al−Cu、Cu−Al等の結晶構造変化によっ
て色変化生じる合金、In−Sb等の結晶粒径の変化を生じ
る合金などがある。 このような記録層は、蒸着法、スパッタ法、イオンプ
レーティング法等のドライコーティング方式等を用いて
設層すればよい。そしてその設層厚さは20nm〜1μm程
度とされる。 本発明で用いられる基板2は、通常ガラスないし樹脂
製であり、好ましい樹脂材質としては、アクリル樹脂、
ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリメチルペン
テン樹脂などがあげられる。 これらの樹脂のうち、耐久性、特にソリなどに対する
耐性等の点でポリカーボネート樹脂が好ましい。 この場合のポリカーボネート樹脂としては、脂肪族ポ
リカーボネート、芳香族−脂肪族ポリカーボネート、芳
香族ポリカーボネートのいずれであってもよいが、特に
芳香族ポリカーボネート樹脂であることが好ましい。こ
れらのうちでは融点、結晶性、とり扱い等の点でビスフ
ェノールからのポリカーボネート樹脂が好ましい。中で
もビスフェノールAタイプのポリカーボネート樹脂は最
も好ましく用いられる。 また、ポリカーボネート樹脂の数平均分子量は、10,0
00〜15,000程度であることが好ましい。 このような基板2の波長830nmの屈折率は通常1.55〜
1.59程度である。 なお、記録は基板2をとおして行うので、書き込みな
いし読み出し光に対する透過率は86%以上とする。 このようなディスク状基板の記録層形成面には、トラ
ッキング用の溝が形成されてもよい。 溝の深さは、λ/8n程度、特にλ/6n〜λ/12n(ここ
に、n基盤の屈折率である)とされる。また、溝の巾
は、0.4〜2.0μm程度とされる。 また、アドレス用のビットが形成されていてもよい。 そして、通常、この溝の凹部に位置する記録層を記録
トラック部として、書き込み光および読み出し光を基板
裏面側から照射することが好ましい。 このように構成することにより、書き込み感度と読み
出しのC/N比が向上し、しかもトラッキングの制御信号
は大きくなる。 また、その他の基板の形状として、テープ、ドラム等
としてもよい。 また、通常磁性薄膜層5上(基板2と反対側)あるい
はこの上に設けられるガラス質の基板裏面保護層35の上
には、有機保護コート層6が設けられる。 有機保護コート層6の材質としては、通常公知の種々
の有機系の物質を用いればよい。 より好ましくは、放射線硬化側化合物を電子線、紫外
線農の放射線で硬化させたものを用いるのがよい。 用いる放射線硬化型化合物としては、イオン化エネル
ギーに適応し、ラジカル重合性を示す不飽和二重結合を
有すアクリル酸、メタクリル酸、あるいはそれらのエス
テル化合物のようなアクリル系二重結合、ジアリルフタ
レートのようなアリル系二重結合、マレイン酸、マレイ
ン酸誘導体等の不飽和二重結合等の放射線照射による架
橋あるいは重合乾燥する基を分子中に含有または導入し
たモノマー、オリゴマーおよびポリマー等を挙げること
ができる。 放射線硬化型モノマーとしては、分子量2000未満の化
合物が、オリゴマーとしては分子量2000〜10000のもの
が用いられる。 これらはスチレン、エチルアクリレート、エチレング
リコールジアクリレート、エチレングリコールジメタク
リレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエ
チレングリコールメタクリレート、1,6−ヘキサングリ
コールジアクリレート、1,6−ヘキサングリコールジメ
タクリレート等も挙げられるが、特に好ましいものとし
ては、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(メタ
クリレート)、ペンタエリスリトールアクリレート(メ
タクリレート)、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート(メタクリレート)、トリメチロールプロパンジア
クリレート(メタクリレート)、多官能オリゴエステル
アクリレート(アロニックスM−7100、M−5400、M−
5500、M−5700、M−6250、M−6500、M−8030、M−
8060、M−8100等、東亜合成)、ウレタンエラストマー
(ニッポラン4040)のアクリル変性体、あるいはこれら
のものにCOOH等の官能基が導入されたもの、フェノール
エチレンオキシド付加物のアクリレート(メタクリレー
ト)、下記一般式で示されるペンタエリスリトール縮合
環にアクリル基(メタクリル基)またはε−カプロラク
トン−アクリル基のついた化合物、 1) (CH2=CHCOOCH2)3−OCH2OH (特殊アクリレートA) 2) (CH2=CHCOOCH2)3−CCH2OH3 (特殊アクリレートB) 3) 〔CH2=CHCO(OC3H6)n−OCH2〕3−CCH2CH3 (特殊アクリレートC) 式中、m=1、a=2、b=4の化合物(以下、特殊
ペンタエリスリトール縮合物Aという)、 m=1、a=3、b=3の化合物(以下、特殊ペンタエ
リスリトール縮合物Bという)、 m=1、a=6、b=0の化合物(以下、特殊ペンタエ
リスリトール縮合物Cという)、 m=2、a=6、b=0の化合物(以下、特殊ペンタエ
リスリトール縮合物Dという)、 および下記式一般式で示される特殊アクリレート類が挙
げられる。 8) CH2=CHCOO−(CH2CH2O)4−COCH=CH2 (特殊アクリレートH) また、放射線硬化型オリゴマーとしては、下記一般式
で示される多官能オリゴエステルアクリレートやウレタ
ンエラストマーのアクリル変性体、あるいはこれらのも
のにCOOH等の官能基が導入されたもの等が挙げられる。 また、熱可塑性樹脂を放射線応変性することによって
得られる放射線硬化型化合物を用いてもよい。 このような放射線硬化性の樹脂の具体例としては、ラ
ジカル重合性を有する不飽和二重結合を示すアクリル
酸、メタクリル酸、あるいはそれらのエステル化合物の
ようなアクリル系二重結合、ジアリルフタレートのよう
なアリル系二重結合、マレイン酸、マレイン酸誘導体等
の不飽和結合等の、放射線照射による架橋あるいは重合
する基を熱可塑性樹脂の分子中に含有、または導入した
樹脂である。 放射線硬化性樹脂に変性できる熱可塑性樹脂の例とし
ては、塩化ビニル系共重合体、飽和ポリエステル樹脂、
ポリビニルアルコール系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノ
キシ系樹脂、繊維素誘導体等を挙げることができる。 その他、放射線感応変性に用いることのできる樹脂と
しては、多官能のポリエステルの樹脂、ポリエーテルエ
ステル樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂および誘導体
(PVPオレフィン共重合体)、ポリアミド樹脂、ポリイ
ミド樹脂、フェノール樹脂、スピロアセタール樹脂、水
酸基を含有するアクリルエステルおよびメタクリルエス
テルを重合成分として少くとも一種含むアクリル系樹脂
等も有効である。 このような放射線硬化型化合物の有機保護コート層6
の膜厚は0.1〜30μm、より好ましくは1〜10μmであ
る。 この膜厚が0.1μm未満になると、一様な膜を形成で
きず、湿度が高い雰囲気中での防湿効果が不十分でな
く、磁性薄膜層5の耐久性が向上しない。また、30μm
をこえると、樹脂膜の硬化の際に伴う収縮により記録媒
体の反りや保護膜中のクラックが生じ、実用に耐えな
い。 このような塗膜は、通常、スピンナーコート、グラビ
ア塗布、スプレーコート、ディッピング等、種々の公知
の方法を組み合わせて設置すればよい。この時の塗膜の
設層条件は、塗膜組成の混合物の粘度、目的とする塗膜
厚さ等を考慮して適宜決定すればよい。 このような塗膜を硬化させて保護層とするには、電子
線、紫外線等の放射線を塗膜に照射すればよい。 電子線を用いる場合、放射線特性としては、加速電圧
100〜750KV、好ましくは150〜300KVの放射線加速器を用
い、吸収線量を0.5〜20メガラッドになるように照射す
るのが好都合である。 一方、紫外線を用いる場合には、前述したような放射
線硬化型化合物の中には、通常、光重合増感剤が加えら
れる。 この光重合増感剤としては、従来公知のものでよく、
例えばベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエ
ーテル、α−メチルデンゾイン、α−クロルデオキシベ
ンゾイン等のベンゾイン系、ベンゾフェノン、アセトフ
ェノン、ビスジアルキルアミノベンゾフェノン等のケト
ン類、アセトラキノン、フェナントラキノン等のキノン
類、ベンジルジスルフィド、テトラメチルチウラムモノ
スルフィド等のスルフィド類等を挙げることができる。
光重合増感剤は樹脂固形分に対し、0.1〜10重量%の範
囲が望ましい。 そして、このような光重合増感剤と放射線硬化型化合
物を含有する塗膜を紫外線によって硬化させるには、公
知の種々の方法に従えばよい。 たとえば、キセノン放電管、水素放電管などの紫外線
電球等を用いればよい。 このような有機保護コート層6の上には、通常接着剤
層7を介して保護板8が設けられる。 すなわち、前記の基板2の裏面(磁性薄膜層5を設け
ていない側の面)側からのみ記録・再生を行う、いわゆ
る片面記録の場合には、この保護板8を用いる。 このような保護板8の樹脂材質は特別に透明性を要求
されることはなく、種々の樹脂、例えば、ポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリプロピレン、
ポリビニルアルコール、メタクリル樹脂、ポリアミド、
ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリアセター
ル、ふっ素樹脂等の各種熱可塑性樹脂、 フェノール樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル、
ポリウレタン、アルキド樹脂、メラミン樹脂、エポキシ
樹脂、ケイ素樹脂等の各種熱可塑性樹脂等が使用可能で
ある。 なお、ガラス、セラミック等の各種無機材質を保護板
8として用いてもよい。 このものの形状、寸法等は上記の基板2のそれとほぼ
同様とされる。 このような保護板8は、前述したように接着剤層7を
介して接着される。接着剤層は、通常、ホットメルト樹
脂等の接着剤であって、この膜厚は1〜100μm程度と
される。 他方、上記の保護板8を用いる代りに、上記の磁性薄
膜層5、中間層4、保護層31,35、有機保護コート層6
等を有する基板をさらに1セット用いて、両記録層を内
側にして対向させて、接着剤層7を用いて貼り合せて、
両基板の裏面側から書き込みを行なう、いわゆる両面記
録タイプとしてもよい。さらに、これらの基板2や保護
板8の裏面(磁性薄膜層5を設けていない側の面)には
各種保護膜としてのコーティングを行うことが好まし
い。 コーティングの材質としては、前述した有機保護コー
ト層6の材質と同様なものとしてもよい。 V 発明の効果 本発明の光記録媒体は、基板上に保護層、所定の組成
からなる中間層、記録層、さらに必要に応じて保護層を
順次有して構成される。 従って、このような構成を有する媒体は耐食性、再生
出力、C/N比がきわめて高く、エラーレートが少ないと
いう効果を有する。 VI 発明の具体的実施例 以下、本発明の実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に
説明する。 [実施例1] 直径13cm、厚さ1.2mmのビスフェノールA系の光ディ
スクグレードポリカーボネート樹脂からなる基板2上
に、ガラス質の基板側保護層31を、さらにこの上に中間
層4をそれぞれスパッタ法、場合により多元スパッタ法
で設層した。膜厚は、それぞれ500Å、800Åとした。な
お、これらの保護層31と中間層4の組成(組成比は、表
記の化合物に換算したものである)および中間層4の波
長800nmにおける屈折率は、下記表1に示されるように
種々のものとした。 なお、屈折率は組成の他、スパッタ条件(ガス圧・ガ
ス組成)により調整した。 さらに中間層4の上に21at%Tb,68at%Fe,7at%Co,4a
t%Cr合金薄膜を、スパッタリングによって厚さ800Åに
設層し、磁性薄膜層5とした。 なお、ターゲットは、FeターゲットにTb、Co、Crチッ
プをのせたものを用いた。 この磁性薄膜層5上に、さらに、種々の組成のガラス
質の基板裏面側保護層35を設層した。 このガラス質の基板裏面側保護層35の組成は、所定の
サンプルに用いたガラス質の基板側保護層31のそれらと
同様のものとした。また、膜厚は800Åとした。 この保護層35の上に、下記の放射線硬化型化合物を含
む塗布組成物を有機保護コート層6として、スピンナー
コートで設層した。 (塗布組成物) 多官能オリゴエステルアクリレート 100重量部 光増管剤 5重量部 このような塗布組成物を設層後、紫外線を15sec照射
し架橋硬化させ、硬化膜とした。 このようにして、下記表1に示されるような種々のサ
ンプルを作製した。 これらについて下記の特性を測定した。 (1)初期のC/N比 線速 4m/sec 搬送周波数 1.0MHz 分解能 30KHz 記録パワー(830nm) 3〜6mW 再生パワー(830nm) 1mW (2)耐久性 ヒートサイクルテスト…IEC−2−38(−10℃〜+65
℃、93%RH) 上記加速試験にてビットエラーレートが2倍となる時
間を測定した。この条件の場合主に膜の剥離、クラック
等がビットエラーレートの増加に寄与していた。 また、60℃90%RHにて1,000hrで保存し、ビットエラ
ーレートの変化、膜の剥離等外観の変化を測定した。 ビットエラーレートが上記の条件にてNRZ信号を記録
し測定した。なお、初期のビットエラーレートは3×10
-6であった。 (3)耐食性 高温高湿(70℃、90%RH)保存テスト上記加速試験に
てビットエラーレートが2倍となる時間を測定した。こ
の条件の場合主に孔食(ピンホール)の発生がビットエ
ラーレートの増加に寄与していた。 結果を表1に示す。 なお、基板側保護層31および中間層4に替えて、厚さ
500Åの誘電体膜を設け、かつ基板裏面側保護層35に替
えて、厚さ800Åの誘電体膜を設け、これら以外は表1
のサンプルと同様にして比較サンプルNo.26を作製し
た。比較サンプルNo.26の両誘電体膜の組成は、 AlN :4.4重量%、 Si3N4:60.0重量%、 Al2O3:22.4重量%、 SiO2 :13.2重量%、 であり、本発明における中間層の組成範囲内のものであ
る。比較サンプルNo.25に対し、他のサンプルと同様な
試験を行なったところ、初期のC/N比は51dBであった。
また、耐久性試験では、ビットエラーレートが2倍にな
るまでの時間は600時間、ビットエラーレートの変化は
4×10-6、外観の変化は、「小剥離あり」であった。ま
た、耐食性試験では、ビットエラーレートが2倍になる
までの時間は1000時間以上であった。 この結果から、比較サンプルNo.26は、本発明サンプ
ルに比べ耐久性が著しく劣ることが明らかであり、所定
組成の中間層に加え、所定組織の保護層を設けるという
本発明の構成による効果が明らかである。 以上の結果より本発明の効果は明らかである。 なお、このような効果は相転移型のTe−Ge、TeOx、Te
−Se等の記録層でも同様に実現した。
記録、再生を行う光磁気記録媒体等の光記録媒体に関す
る。 先行技術とその問題点 光記録媒体の一つとして、光磁気メモリ媒体がある。 光磁気メモリの記録媒体としては、 MnBi,MnAlGe,MnSb, MnCuBi,GdFe,TbFe, GdCo,PtCo,TbCo, TbFeCo,GbFeCo, TbFeO3,GdIG,GdTbFe, GdTbFeCoBi,CoFe2O4 等の材料が知られている。これらは、真空蒸着法やスパ
ッタリング法等の方法で、プラスチックやガラス等の透
明基板上に薄膜として形成される。これらの光記録媒体
に共通している特性としては、 磁気容易軸が膜面に垂直方向にあり、 さらに、カー効果やファラデー効果が大きいという点
をあげることができる。 このような媒体に要求されることは、 第1に、キューリー点が100〜200℃程度で、補償点が
室温付近であること、 第2に、ノイズとなる結晶粒界などの欠陥が比較的少
ないこと、 第3に、比較的大面積にわたって磁気的、機械的に均
一な膜が得られることがあげられる。 このような要求に答え、上記の材料のなかで、近年、
希土類−遷移金属の非晶質垂直磁性薄膜が大きな注目を
集めている。 しかし、このような希土類−遷移非晶質薄膜からなる
光記録媒体において、記録層は大気に接したまま保存さ
れると、大気中の酸素や水により希土類が選択的に腐食
あるいは酸化されてしまい、情報の記録、再生が不可能
となる。さらには、S/N比を向上させるために、記録の
読み取りの際の回転角をできるだけ大きくする必要があ
る。 そこで、一般には、前記記録層の基板側ないし基板反
対側表面に中間層を設けた構成を有するものが多く研究
されている。 従来、このような防湿性等の耐食性付与のためあるい
は、カー効果に多重干渉の効果やファラデー効果を加え
て回転角を増大させるために中間層としては、一般化ケ
イ素、二酸化ケイ素、窒化アルミ、窒化ケイ素、硫化亜
鉛等の無機系の真空蒸着膜や樹脂膜等を設けることはよ
く知られている(特開昭58−80142号公報、同59−52443
号公報等)。 しかし、これらは、いずれも未だ耐食性等の点で満足
できるものではない。 また、中間層の材質として、酸化物と窒化物との混合
物、特にSi3N4とSiO2との混合物、Si3N4とSiOとの混合
物、またはAlMとAl2O3との混合物を用いることも公知で
ある(特開昭60−145525号公報)。 しかしながら、このものについても、耐食性、C/N
比、膜剥離、クラック、初期の記録媒体のソリ等の変
形、成膜速度等の点で満足できるものとはいえない。 なお、このような問題は、いわゆる相転移タイプの記
録層を有する光記録媒体でも同様である。 II 発明の目的 本発明の目的は、記録層の劣化が防止され、耐食性、
耐久性、C/N比の優れた、また膜剥離、クラック、初期
のソリ等が少なく良好な光記録媒体を提供することにあ
る。 III 発明の開示 このような目的は、以下の本発明によって達成され
る。 すなわち、本発明は、基板上に中間層を有し、この中
間層上に記録層を有し、基板と中間層との間および/ま
たは記録層上に保護層を有する光記録媒体において、 中間層が、40〜80wt%の窒化ケイ素を包含し、さらに
15〜60wt%の窒化アルミニウムおよび酸化アルミニウム
の1または2種を含有し、 保護層が、下記(I)〜(IV)のいずれかで表わされ
る組成を有するガラス質であることを特徴とする光記録
媒体である。 IV 発明の具体的構成 以下、本発明の具体的構成について詳細に説明する。 本発明の光記録媒体のうち光磁気記録媒体の一実施例
が第1図に示されている。 第1図において、本発明の光磁気記録媒体1は、基板
2上に、ガラス質の基板側保護層31を有し、この上に中
間層4を有し、この上に記録層としての磁性薄膜層5が
設けられる。 本発明においては、さらに磁性薄膜層5上に、ガラス
質の基板裏面側保護層35を設けることが好ましい。 本発明に用いられる中間層4は、SiおよびAlを必須元
素として含む。 SiおよびAlは、酸化物、窒化物として含有され、しか
も、窒化ケイを必須とし、これに窒化アルミニウムおよ
び酸化アルミニウムの1種または2種と、必要に応じ酸
化ケイ素を含有する。この際、酸化物と窒化物の組み合
わせであるものが好ましい。 これら各酸化物および窒化物は通常化学量論組成であ
るが、これから偏希したものであってもよい。 この場合、酸化ケイ素量は40〜80wt%とする。多すぎ
ても少なすぎても、記録再生特性や耐久性や耐食性が劣
化する。なお、特開昭61−22458号公報および同61−278
062号公報には、酸化ケイ素Si3N490〜95モル%程度(90
wt%程度以上)と、これに酸化アルミニウムAl2O3や窒
化ケイ素AlN等を含むものが開示されているが、これら
では後記実施例から明らかなようにC/Nや耐久等の点で
不十分である。 なお、酸化物と窒化物との含有量は、窒化物リッチに
することが好ましく、通常、窒素量は酸素量に対して原
子比で1〜20倍程度とすることが好ましい。こうするこ
とにより、優れた記録再生特性を保ち、かつ安定で耐久
性、耐食性に優れた保護層となる。 この範囲未満すなわち0リッチであると出力が低下し
てしまい、また、逆にNリッチであると膜歪が大きくな
り耐久性が低下する。 さらに、このような中間層4においては、厚さ方向に
所定の元素の濃度勾配をつけてもよく、この場合、中間
層31の基板側をN、Oリッチにすることが好ましい。あ
るいは相対的に基板柄をOリッチ、磁性薄膜側をNリッ
チとしてもよい。 こうすることにより、経時劣化が少なく記録再生特性
に優れた記録媒体が得られる。 なお、好ましい態様においては、金属または半金属と
してSiとAlとを用いる場合、これらの量比には特に制限
はないが、通常は原子比でSi/Alは0.5〜20程度とする。 Si/Al比が0.5未満であっても、また20超であっても優
れた耐久性が得られない。 このような中間層4の波長800nmにおける屈折率は、
1.8〜3.0、より好ましくは2.0〜2.5とする。 屈折率が1.8未満であると、カー回転角増幅効果が小
さく、出力が低下する。 また、3.0を超えると、出力が低下し、またノイズが
増加する。 このような中間層4は各種気相成膜法、例えば、スパ
ッタ法、蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマ法
CVD、光CVD特に2種以上の異なる組成からなるターゲッ
トを用いた多元スパッタ法あるいは酸素を用いる反応性
スパッタ法等によって形成される。 そして、このような中間層4の厚さは、300〜3000
Å、特に700〜2000Åとすることが好ましい。 この値が300Å未満であると、カー回転角増大効果が
小さくかつ耐候性が悪く、また3000Åをこえると、感度
が低下し、かつ生産効率も低下する。 また、中間層4中の不純物として、成膜雰囲気中に存
在するAr、N2等が入ってもよい。 その他、Fe、Ni、Cr、Cu、Mn、Mg、Ca、Na、K等の元
素が不純物として入りうる。 本発明においては、このような中間層4の基板2側に
ガラス質の基板側保護層31が形成される。 このような基板側保護層31は、ガラス質であり、下記
(I)〜(II)のいずれかの組成を有する。 (I) 酸化ケイ素と、酸化アルミニウムまたは酸化ホ
ウ素と、アルカリ金属酸化物とを含有するガラス質のも
のであり、酸化ケイ素含有量が40〜60wt%、アルカリ金
属酸化物含有量が0.5〜10wt%であるもの。 (II) 酸化ケイ素と、酸化アルミニウムまたは酸化ホ
ウ素と、アルカリ金属酸化物と、ROで示される金属酸化
物(Rは2価の金属元素)とを含有するガラス質のもの
であり、酸化ケイ素含有量が40〜60wt%、アルカリ金属
酸化物含有量が0.5〜10wt%のもの。 (III) 酸化ケイ素と、酸化ホウ素と酸化アルミニウ
ムと、アルカリ金属酸化物とを含有するガラス質のもの
であり、酸化ケイ素含有量が40〜60wt%、アルカリ金属
酸化物含有量が0.5〜10wt%であるもの。 (IV) 酸化ケイ素と、酸化ホウ素と酸化アルミニウム
と、アルカリ金属酸化物と、ROで示される金属酸化物
(Rは2価の金属元素)とを含有するガラス質のもので
あり、酸化ケイ素含有量が40〜60wt%、アルカリ金属酸
化物含有量が0.5〜10wt%であるもの。 上記(I)〜(IV)を用い、しかも含有量を所定の範
囲内とした場合には、耐久性は格段と向上する。 なお、組成(I)〜(IV)において、酸化ケイ素は通
常、SiO2の形で存在する。 アルカリ金属酸化物としてはLi2O、Na2O、K2O、Rb
2O、Cs2O、Fr2O等が挙げられるが、中でも特にはLi2O、
Na2O、K2Oが好ましい。これらは1種類のみならず、2
種類以上を併用してもよい。 酸化ホウ素および酸化アルミニウムは、通常、それぞ
れB2O3、Al2O3の形で存在する。 ROで示される2価の金属酸化物は、BaO、CaO、MgO、Z
nOである。これらは2種以上併用してもよい。 さらに、組成(I)〜(IV)について記述すれば、 (I)においては、用いる酸化ホウ素または酸化アル
ミニウムを30〜59.5wt%で含有させる。 (II)においては、用いる酸化ホウ素または酸化アル
ミニウムを30〜59.5wt%で含有させ、その含有量の一部
または全部をRO金属酸化物でおきかえ、ROの含有率を層
全体で10〜50wt%、特に10〜35wt%とする。 (III)においては、酸化ホウ素および酸化アルミニ
ウムを総和で30〜59.5wt%含有させる。なお、(III)
〜(IV)において、各々の含有量は、酸化ホウ素1.0〜4
0wt%程度、酸化アルミニウム3.0〜45wt%程度とする。 (IV)においては、酸化ホウ素と酸化アルミニウムと
の総和が10〜49.5wt%、ROで示される金属酸化物の10〜
49.5wt%となるようにする。 このような基板側保護層31の厚さは、300〜1000Å程
度、特に400〜800Åとすることが好ましい。 そして、保護層31の形成は、通常、上記中間層4の場
合と同様に、各種の気相成膜法で行う。 さらに、このようなガラス質の保護層に替え、あるい
はこれに加え、同様の材質のものを後述する磁性薄膜層
5の上に基板裏面側の保護層35として設けてもよい。 基板裏面側保護層35の材質は上記、ガラス質の基板側
保護層の場合の同様に、上述したガラス質のもの、特に
上記(I)〜(IV)の中から適宜選定して用いることが
好ましい。 この場合、保護層31と保護層35との組成は、通常互い
に同一組成とするが、異なっていてもよい。 このようなガラス質の基板裏面側保護層35の形成方法
は上記保護層31の方法に準じて行なえばよい。 またその厚さは、300〜3000Å程度特に500〜2000Åと
することが好ましい。 本発明において記録層として用いる磁性薄膜層5は、
変調された熱ビームあるいは変調された磁界により、情
報が磁気的に記録されるものであり、記録情報は磁気−
光変換して再生するものである。 このような磁性薄膜層5の材質としては、Gd、Tb等の
希土類金属と好ましくはFe、Co等の遷移金属の合金をス
パッタ、蒸着法等により、非晶質膜として形成したもの
である。 この場合、FeとCoの総含有量は、65〜85wt%であるこ
とが好ましい。 そして、残部は実質的に希土類金属、特にGdおよび/
またはTbである。 そして、その好適例としては、TbFeCo、GdFeCo、GdTb
Co等がある。 なお、これら記録層中には10at%以下の範囲でCr、A
l、Ti、Pt、Si、Mo、Mn、V、Ni、Cu、Zn、Ge、Au等が
含有されていてもよい。 また、希土類元素として10at%以下の範囲でSc、Y、
La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu
等を含有してもよい。 このような磁性薄膜層5の厚さは、通常100〜10,000
Å程度である。 この他記録層の材質としては、いわゆる相転移タイプ
のものとして、例えば、 Te−Se、Te−Se−Sn、Te−Ge、Te−In、Te−Sn、Te−
Ge−Sb−S、Te−Ge−As−Si、Te−Si、Te−Ge−Si−S
b、Te−Ge−Bi、Te−Ge−In−Ga、Te−Si−Bi−Tl、Te
−Ge−Bi−In−S、Te−As−Ge−Sb、Te−Ge−Se−S、
Te−Ge−Se、Te−As−Ge−Ga、Te−Ge−S−In、Se−Ge
−Tl、Se−Te−As、Se−Ge−Tl−Sb、Se−Ge−Bi、Se−
S(以上、特公昭54−41902号、特許第1004835号など) TeOx(特開昭58−54338号、特許第974257号記載のTe
酸化物中に分散されたTe)、 TeOx+PbOx(特許第974258号)、 TeOx+VOx(特許第974257号)、その他、Te−Tl、Te
−Tl−Si、Se−Zn−Sb、Te−Se−Ga、TeNx等のTe、Seを
主体とするカルコゲン系 Ge−Sn、Si−Sn等の非晶質−結晶質転移を生じる合金 Ag−Zn、Ag−Al−Cu、Cu−Al等の結晶構造変化によっ
て色変化生じる合金、In−Sb等の結晶粒径の変化を生じ
る合金などがある。 このような記録層は、蒸着法、スパッタ法、イオンプ
レーティング法等のドライコーティング方式等を用いて
設層すればよい。そしてその設層厚さは20nm〜1μm程
度とされる。 本発明で用いられる基板2は、通常ガラスないし樹脂
製であり、好ましい樹脂材質としては、アクリル樹脂、
ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリメチルペン
テン樹脂などがあげられる。 これらの樹脂のうち、耐久性、特にソリなどに対する
耐性等の点でポリカーボネート樹脂が好ましい。 この場合のポリカーボネート樹脂としては、脂肪族ポ
リカーボネート、芳香族−脂肪族ポリカーボネート、芳
香族ポリカーボネートのいずれであってもよいが、特に
芳香族ポリカーボネート樹脂であることが好ましい。こ
れらのうちでは融点、結晶性、とり扱い等の点でビスフ
ェノールからのポリカーボネート樹脂が好ましい。中で
もビスフェノールAタイプのポリカーボネート樹脂は最
も好ましく用いられる。 また、ポリカーボネート樹脂の数平均分子量は、10,0
00〜15,000程度であることが好ましい。 このような基板2の波長830nmの屈折率は通常1.55〜
1.59程度である。 なお、記録は基板2をとおして行うので、書き込みな
いし読み出し光に対する透過率は86%以上とする。 このようなディスク状基板の記録層形成面には、トラ
ッキング用の溝が形成されてもよい。 溝の深さは、λ/8n程度、特にλ/6n〜λ/12n(ここ
に、n基盤の屈折率である)とされる。また、溝の巾
は、0.4〜2.0μm程度とされる。 また、アドレス用のビットが形成されていてもよい。 そして、通常、この溝の凹部に位置する記録層を記録
トラック部として、書き込み光および読み出し光を基板
裏面側から照射することが好ましい。 このように構成することにより、書き込み感度と読み
出しのC/N比が向上し、しかもトラッキングの制御信号
は大きくなる。 また、その他の基板の形状として、テープ、ドラム等
としてもよい。 また、通常磁性薄膜層5上(基板2と反対側)あるい
はこの上に設けられるガラス質の基板裏面保護層35の上
には、有機保護コート層6が設けられる。 有機保護コート層6の材質としては、通常公知の種々
の有機系の物質を用いればよい。 より好ましくは、放射線硬化側化合物を電子線、紫外
線農の放射線で硬化させたものを用いるのがよい。 用いる放射線硬化型化合物としては、イオン化エネル
ギーに適応し、ラジカル重合性を示す不飽和二重結合を
有すアクリル酸、メタクリル酸、あるいはそれらのエス
テル化合物のようなアクリル系二重結合、ジアリルフタ
レートのようなアリル系二重結合、マレイン酸、マレイ
ン酸誘導体等の不飽和二重結合等の放射線照射による架
橋あるいは重合乾燥する基を分子中に含有または導入し
たモノマー、オリゴマーおよびポリマー等を挙げること
ができる。 放射線硬化型モノマーとしては、分子量2000未満の化
合物が、オリゴマーとしては分子量2000〜10000のもの
が用いられる。 これらはスチレン、エチルアクリレート、エチレング
リコールジアクリレート、エチレングリコールジメタク
リレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエ
チレングリコールメタクリレート、1,6−ヘキサングリ
コールジアクリレート、1,6−ヘキサングリコールジメ
タクリレート等も挙げられるが、特に好ましいものとし
ては、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(メタ
クリレート)、ペンタエリスリトールアクリレート(メ
タクリレート)、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート(メタクリレート)、トリメチロールプロパンジア
クリレート(メタクリレート)、多官能オリゴエステル
アクリレート(アロニックスM−7100、M−5400、M−
5500、M−5700、M−6250、M−6500、M−8030、M−
8060、M−8100等、東亜合成)、ウレタンエラストマー
(ニッポラン4040)のアクリル変性体、あるいはこれら
のものにCOOH等の官能基が導入されたもの、フェノール
エチレンオキシド付加物のアクリレート(メタクリレー
ト)、下記一般式で示されるペンタエリスリトール縮合
環にアクリル基(メタクリル基)またはε−カプロラク
トン−アクリル基のついた化合物、 1) (CH2=CHCOOCH2)3−OCH2OH (特殊アクリレートA) 2) (CH2=CHCOOCH2)3−CCH2OH3 (特殊アクリレートB) 3) 〔CH2=CHCO(OC3H6)n−OCH2〕3−CCH2CH3 (特殊アクリレートC) 式中、m=1、a=2、b=4の化合物(以下、特殊
ペンタエリスリトール縮合物Aという)、 m=1、a=3、b=3の化合物(以下、特殊ペンタエ
リスリトール縮合物Bという)、 m=1、a=6、b=0の化合物(以下、特殊ペンタエ
リスリトール縮合物Cという)、 m=2、a=6、b=0の化合物(以下、特殊ペンタエ
リスリトール縮合物Dという)、 および下記式一般式で示される特殊アクリレート類が挙
げられる。 8) CH2=CHCOO−(CH2CH2O)4−COCH=CH2 (特殊アクリレートH) また、放射線硬化型オリゴマーとしては、下記一般式
で示される多官能オリゴエステルアクリレートやウレタ
ンエラストマーのアクリル変性体、あるいはこれらのも
のにCOOH等の官能基が導入されたもの等が挙げられる。 また、熱可塑性樹脂を放射線応変性することによって
得られる放射線硬化型化合物を用いてもよい。 このような放射線硬化性の樹脂の具体例としては、ラ
ジカル重合性を有する不飽和二重結合を示すアクリル
酸、メタクリル酸、あるいはそれらのエステル化合物の
ようなアクリル系二重結合、ジアリルフタレートのよう
なアリル系二重結合、マレイン酸、マレイン酸誘導体等
の不飽和結合等の、放射線照射による架橋あるいは重合
する基を熱可塑性樹脂の分子中に含有、または導入した
樹脂である。 放射線硬化性樹脂に変性できる熱可塑性樹脂の例とし
ては、塩化ビニル系共重合体、飽和ポリエステル樹脂、
ポリビニルアルコール系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノ
キシ系樹脂、繊維素誘導体等を挙げることができる。 その他、放射線感応変性に用いることのできる樹脂と
しては、多官能のポリエステルの樹脂、ポリエーテルエ
ステル樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂および誘導体
(PVPオレフィン共重合体)、ポリアミド樹脂、ポリイ
ミド樹脂、フェノール樹脂、スピロアセタール樹脂、水
酸基を含有するアクリルエステルおよびメタクリルエス
テルを重合成分として少くとも一種含むアクリル系樹脂
等も有効である。 このような放射線硬化型化合物の有機保護コート層6
の膜厚は0.1〜30μm、より好ましくは1〜10μmであ
る。 この膜厚が0.1μm未満になると、一様な膜を形成で
きず、湿度が高い雰囲気中での防湿効果が不十分でな
く、磁性薄膜層5の耐久性が向上しない。また、30μm
をこえると、樹脂膜の硬化の際に伴う収縮により記録媒
体の反りや保護膜中のクラックが生じ、実用に耐えな
い。 このような塗膜は、通常、スピンナーコート、グラビ
ア塗布、スプレーコート、ディッピング等、種々の公知
の方法を組み合わせて設置すればよい。この時の塗膜の
設層条件は、塗膜組成の混合物の粘度、目的とする塗膜
厚さ等を考慮して適宜決定すればよい。 このような塗膜を硬化させて保護層とするには、電子
線、紫外線等の放射線を塗膜に照射すればよい。 電子線を用いる場合、放射線特性としては、加速電圧
100〜750KV、好ましくは150〜300KVの放射線加速器を用
い、吸収線量を0.5〜20メガラッドになるように照射す
るのが好都合である。 一方、紫外線を用いる場合には、前述したような放射
線硬化型化合物の中には、通常、光重合増感剤が加えら
れる。 この光重合増感剤としては、従来公知のものでよく、
例えばベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエ
ーテル、α−メチルデンゾイン、α−クロルデオキシベ
ンゾイン等のベンゾイン系、ベンゾフェノン、アセトフ
ェノン、ビスジアルキルアミノベンゾフェノン等のケト
ン類、アセトラキノン、フェナントラキノン等のキノン
類、ベンジルジスルフィド、テトラメチルチウラムモノ
スルフィド等のスルフィド類等を挙げることができる。
光重合増感剤は樹脂固形分に対し、0.1〜10重量%の範
囲が望ましい。 そして、このような光重合増感剤と放射線硬化型化合
物を含有する塗膜を紫外線によって硬化させるには、公
知の種々の方法に従えばよい。 たとえば、キセノン放電管、水素放電管などの紫外線
電球等を用いればよい。 このような有機保護コート層6の上には、通常接着剤
層7を介して保護板8が設けられる。 すなわち、前記の基板2の裏面(磁性薄膜層5を設け
ていない側の面)側からのみ記録・再生を行う、いわゆ
る片面記録の場合には、この保護板8を用いる。 このような保護板8の樹脂材質は特別に透明性を要求
されることはなく、種々の樹脂、例えば、ポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリプロピレン、
ポリビニルアルコール、メタクリル樹脂、ポリアミド、
ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリアセター
ル、ふっ素樹脂等の各種熱可塑性樹脂、 フェノール樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル、
ポリウレタン、アルキド樹脂、メラミン樹脂、エポキシ
樹脂、ケイ素樹脂等の各種熱可塑性樹脂等が使用可能で
ある。 なお、ガラス、セラミック等の各種無機材質を保護板
8として用いてもよい。 このものの形状、寸法等は上記の基板2のそれとほぼ
同様とされる。 このような保護板8は、前述したように接着剤層7を
介して接着される。接着剤層は、通常、ホットメルト樹
脂等の接着剤であって、この膜厚は1〜100μm程度と
される。 他方、上記の保護板8を用いる代りに、上記の磁性薄
膜層5、中間層4、保護層31,35、有機保護コート層6
等を有する基板をさらに1セット用いて、両記録層を内
側にして対向させて、接着剤層7を用いて貼り合せて、
両基板の裏面側から書き込みを行なう、いわゆる両面記
録タイプとしてもよい。さらに、これらの基板2や保護
板8の裏面(磁性薄膜層5を設けていない側の面)には
各種保護膜としてのコーティングを行うことが好まし
い。 コーティングの材質としては、前述した有機保護コー
ト層6の材質と同様なものとしてもよい。 V 発明の効果 本発明の光記録媒体は、基板上に保護層、所定の組成
からなる中間層、記録層、さらに必要に応じて保護層を
順次有して構成される。 従って、このような構成を有する媒体は耐食性、再生
出力、C/N比がきわめて高く、エラーレートが少ないと
いう効果を有する。 VI 発明の具体的実施例 以下、本発明の実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に
説明する。 [実施例1] 直径13cm、厚さ1.2mmのビスフェノールA系の光ディ
スクグレードポリカーボネート樹脂からなる基板2上
に、ガラス質の基板側保護層31を、さらにこの上に中間
層4をそれぞれスパッタ法、場合により多元スパッタ法
で設層した。膜厚は、それぞれ500Å、800Åとした。な
お、これらの保護層31と中間層4の組成(組成比は、表
記の化合物に換算したものである)および中間層4の波
長800nmにおける屈折率は、下記表1に示されるように
種々のものとした。 なお、屈折率は組成の他、スパッタ条件(ガス圧・ガ
ス組成)により調整した。 さらに中間層4の上に21at%Tb,68at%Fe,7at%Co,4a
t%Cr合金薄膜を、スパッタリングによって厚さ800Åに
設層し、磁性薄膜層5とした。 なお、ターゲットは、FeターゲットにTb、Co、Crチッ
プをのせたものを用いた。 この磁性薄膜層5上に、さらに、種々の組成のガラス
質の基板裏面側保護層35を設層した。 このガラス質の基板裏面側保護層35の組成は、所定の
サンプルに用いたガラス質の基板側保護層31のそれらと
同様のものとした。また、膜厚は800Åとした。 この保護層35の上に、下記の放射線硬化型化合物を含
む塗布組成物を有機保護コート層6として、スピンナー
コートで設層した。 (塗布組成物) 多官能オリゴエステルアクリレート 100重量部 光増管剤 5重量部 このような塗布組成物を設層後、紫外線を15sec照射
し架橋硬化させ、硬化膜とした。 このようにして、下記表1に示されるような種々のサ
ンプルを作製した。 これらについて下記の特性を測定した。 (1)初期のC/N比 線速 4m/sec 搬送周波数 1.0MHz 分解能 30KHz 記録パワー(830nm) 3〜6mW 再生パワー(830nm) 1mW (2)耐久性 ヒートサイクルテスト…IEC−2−38(−10℃〜+65
℃、93%RH) 上記加速試験にてビットエラーレートが2倍となる時
間を測定した。この条件の場合主に膜の剥離、クラック
等がビットエラーレートの増加に寄与していた。 また、60℃90%RHにて1,000hrで保存し、ビットエラ
ーレートの変化、膜の剥離等外観の変化を測定した。 ビットエラーレートが上記の条件にてNRZ信号を記録
し測定した。なお、初期のビットエラーレートは3×10
-6であった。 (3)耐食性 高温高湿(70℃、90%RH)保存テスト上記加速試験に
てビットエラーレートが2倍となる時間を測定した。こ
の条件の場合主に孔食(ピンホール)の発生がビットエ
ラーレートの増加に寄与していた。 結果を表1に示す。 なお、基板側保護層31および中間層4に替えて、厚さ
500Åの誘電体膜を設け、かつ基板裏面側保護層35に替
えて、厚さ800Åの誘電体膜を設け、これら以外は表1
のサンプルと同様にして比較サンプルNo.26を作製し
た。比較サンプルNo.26の両誘電体膜の組成は、 AlN :4.4重量%、 Si3N4:60.0重量%、 Al2O3:22.4重量%、 SiO2 :13.2重量%、 であり、本発明における中間層の組成範囲内のものであ
る。比較サンプルNo.25に対し、他のサンプルと同様な
試験を行なったところ、初期のC/N比は51dBであった。
また、耐久性試験では、ビットエラーレートが2倍にな
るまでの時間は600時間、ビットエラーレートの変化は
4×10-6、外観の変化は、「小剥離あり」であった。ま
た、耐食性試験では、ビットエラーレートが2倍になる
までの時間は1000時間以上であった。 この結果から、比較サンプルNo.26は、本発明サンプ
ルに比べ耐久性が著しく劣ることが明らかであり、所定
組成の中間層に加え、所定組織の保護層を設けるという
本発明の構成による効果が明らかである。 以上の結果より本発明の効果は明らかである。 なお、このような効果は相転移型のTe−Ge、TeOx、Te
−Se等の記録層でも同様に実現した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の光記録媒体の1例を示す光磁気記録
媒体の断面図である。 符号の説明 1……光磁気記録媒体、2……基板 31……基板側保護層、4……中間層 5……磁性薄膜層、35……基板裏面側保護層 6……有機保護コート層、7……接着剤層、 8……保護板
媒体の断面図である。 符号の説明 1……光磁気記録媒体、2……基板 31……基板側保護層、4……中間層 5……磁性薄膜層、35……基板裏面側保護層 6……有機保護コート層、7……接着剤層、 8……保護板
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.基板上に中間層を有し、この中間層上に記録層を有
し、基板と中間層との間および/または記録層上に保護
層を有する光記録媒体において、 中間層が、40〜80wt%の窒化ケイ素を含有し、さらに15
〜60wt%の窒化アルミニウムおよび酸化アルミニウムの
1または2種を含有し、 保護層が、下記(I)〜(IV)のいずれかで表わされる
組成を有するガラス質であることを特徴とする光記録媒
体。 (I) 酸化ケイ素と、酸化アルミニウムまたは酸化ホ
ウ素と、アルカリ金属酸化物とを含有するガラス質のも
のであり、酸化ケイ素含有量が40〜60wt%、酸化アルミ
ニウムまたは酸化ホウ素含有量が30〜59.5wt%、アルカ
リ金属酸化物含有量が0.5〜10wt%であるもの。 (II) 酸化ケイ素と、酸化アルミニウムまたは酸化ホ
ウ素と、アルカリ金属酸化物と、ROで示される金属酸化
物(RはBa、Ca、MgおよびZnから選ばれた2価の金属元
素)とを含有するガラス質のものであり、酸化ケイ素含
有量が40〜60wt%、酸化アルミニウムまたは酸化ホウ素
含有量が30〜59.5wt%、アリカリ金属酸化物含有量が0.
5〜10wt%、酸化アルミニウムまたは酸化ホウ素の含有
量の一部をROでおきかえ、RO含有量が10〜50wt%のも
の。 (III) 酸化ケイ素と、酸化ホウ素と、酸化アルミニ
ウムと、アルカリ金属酸化物とを含有するガラス質のも
のであり、酸化ケイ素含有量が40〜60wt%、酸化アルミ
ニウムおよび酸化ホウ素含有量の総和が30〜59.5wt%、
アルカリ金属酸化物含有量が0.5〜10wt%であるもの。 (IV) 酸化ケイ素と、酸化ホウ素と、酸化アルミニウ
ムと、アルカリ金属酸化物と、ROで示される金属酸化物
(RはBa、Ca、MgおよびZnから選ばれた2価の金属元
素)とを含有するガラス質のものであり、酸化ケイ素含
有量が40〜60wt%、酸化アルミニウムおよび酸化ホウ素
含有量の総和が10〜49.5wt%、アリカリ金属酸化物含有
量が0.5〜10wt%、RO含有量が10〜49.5wt%であるも
の。 2.前記中間層がさらに10wt%以下の酸化ケイ素を含有
する特許請求の範囲第1項に記載の光記録媒体。 3.前記中間層の波長800nmにおける屈折率が1.8〜3.0
である特許請求の範囲第1項または第2項に記載の光記
録媒体。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61313614A JP2711532B2 (ja) | 1986-12-24 | 1986-12-24 | 光記録媒体 |
US07/133,876 US4849304A (en) | 1986-12-17 | 1987-12-16 | Optical recording medium |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61313614A JP2711532B2 (ja) | 1986-12-24 | 1986-12-24 | 光記録媒体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63161550A JPS63161550A (ja) | 1988-07-05 |
JP2711532B2 true JP2711532B2 (ja) | 1998-02-10 |
Family
ID=18043437
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61313614A Expired - Fee Related JP2711532B2 (ja) | 1986-12-17 | 1986-12-24 | 光記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2711532B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2770027B2 (ja) * | 1988-07-22 | 1998-06-25 | ティーディーケイ株式会社 | 光磁気記録媒体および光磁気記録方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6350930A (ja) * | 1986-08-19 | 1988-03-03 | Seiko Epson Corp | 光記録媒体 |
-
1986
- 1986-12-24 JP JP61313614A patent/JP2711532B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63161550A (ja) | 1988-07-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4861656A (en) | Optical recording medium | |
US4849304A (en) | Optical recording medium | |
JP2711532B2 (ja) | 光記録媒体 | |
JP2630399B2 (ja) | 光記録媒体 | |
JP2700884B2 (ja) | 光記録媒体 | |
JP2523291B2 (ja) | 光記録媒体 | |
US5571629A (en) | Optical recording medium | |
JP2700883B2 (ja) | 光記録媒体 | |
JP2711533B2 (ja) | 光記録媒体 | |
JP2523300B2 (ja) | 光記録媒体 | |
JP2554482B2 (ja) | 光記録媒体 | |
JP2523327B2 (ja) | 光記録媒体 | |
JP2523329B2 (ja) | 光記録媒体 | |
JP2536819B2 (ja) | 光記録媒体 | |
JP2523301B2 (ja) | 光記録媒体 | |
JP2523328B2 (ja) | 光記録媒体 | |
JPH079715B2 (ja) | 光磁気記録媒体 | |
JP2630400B2 (ja) | 光記録媒体 | |
JP2543836B2 (ja) | 光記録媒体 | |
JP2543832B2 (ja) | 光磁気記録媒体 | |
JPH07107748B2 (ja) | 光記録媒体 | |
JPH07107747B2 (ja) | 光記録媒体 | |
JP2554482C (ja) | ||
JPH079716B2 (ja) | 光磁気記録媒体 | |
JP2543835B2 (ja) | 光記録媒体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |