JP2700798B2 - 炭素・黒鉛材料の製造方法 - Google Patents
炭素・黒鉛材料の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は熱膨張係数が小さく、且つ熱衝撃強度の大き
い炭素・黒鉛材料の製造方法に関する。
い炭素・黒鉛材料の製造方法に関する。
(従来の技術) 従来より炭素・黒鉛材料はロケットノズル、ガスター
ビン部品などの耐熱材料、航空機や高速車両用のブレー
キ、クラツチなどの摩擦材、電極或は反応装置などの耐
食材料、或は核融合炉壁剤として使用されており、これ
らは黒鉛、假焼コークス、生コークス、カーボンブラッ
ク等の炭素質骨材に石炭系ピッチ或は、ポリ塩化ビニル
などからの合成ピッチ等の熱可塑性結合剤とを混練後成
形し、その後、焼成して黒鉛化を行って製造されてい
る。したがって炭素・黒鉛材料の物理的性質は骨剤の粒
界の状態に大きく依存され、例えば骨材を細かくしその
表面積を大にすることによって骨材と結合剤とが強固に
結合した炭素・黒鉛材料が得られるが骨材の粒径が余り
に細かすぎて例えば1ミクロン以下になると結合剤との
混練時に結合剤の粘度が充分に低下しないので、混練時
不要の揮発成分が除去されず、したがって所期の目的物
が得られない。そのため骨材と結合剤との漏れを改善す
るため溶媒中に分散させた約5μm程度の骨材に結合剤
(ピッチ)をコーテングする方法、骨材を分散させた軟
ピッチをコーテングする方法或は、骨材であるカーボン
ブラツク表面の官能基やラジカルを利用してスチレン或
はメチルメタアクリレート等をグラフト重合する方法等
がある。しかしこれらの方法によって得られた炭素・黒
鉛材料について微視的に観察すると単一の結合材をマト
リツクスとして各骨材料が分散した状態で加熱処理され
ているため各骨材は同じような炭素化及び黒鉛化挙動を
示す単一の層を介して結合されていることとなり、得ら
れた製品の特性は使用する結合剤の性質をそのまま呈す
ることとなる。
ビン部品などの耐熱材料、航空機や高速車両用のブレー
キ、クラツチなどの摩擦材、電極或は反応装置などの耐
食材料、或は核融合炉壁剤として使用されており、これ
らは黒鉛、假焼コークス、生コークス、カーボンブラッ
ク等の炭素質骨材に石炭系ピッチ或は、ポリ塩化ビニル
などからの合成ピッチ等の熱可塑性結合剤とを混練後成
形し、その後、焼成して黒鉛化を行って製造されてい
る。したがって炭素・黒鉛材料の物理的性質は骨剤の粒
界の状態に大きく依存され、例えば骨材を細かくしその
表面積を大にすることによって骨材と結合剤とが強固に
結合した炭素・黒鉛材料が得られるが骨材の粒径が余り
に細かすぎて例えば1ミクロン以下になると結合剤との
混練時に結合剤の粘度が充分に低下しないので、混練時
不要の揮発成分が除去されず、したがって所期の目的物
が得られない。そのため骨材と結合剤との漏れを改善す
るため溶媒中に分散させた約5μm程度の骨材に結合剤
(ピッチ)をコーテングする方法、骨材を分散させた軟
ピッチをコーテングする方法或は、骨材であるカーボン
ブラツク表面の官能基やラジカルを利用してスチレン或
はメチルメタアクリレート等をグラフト重合する方法等
がある。しかしこれらの方法によって得られた炭素・黒
鉛材料について微視的に観察すると単一の結合材をマト
リツクスとして各骨材料が分散した状態で加熱処理され
ているため各骨材は同じような炭素化及び黒鉛化挙動を
示す単一の層を介して結合されていることとなり、得ら
れた製品の特性は使用する結合剤の性質をそのまま呈す
ることとなる。
すなわち、例えば結合剤として、ピッチ等の熱可塑性
材料を使用した場合に得られる黒鉛材料は電気抵抗が小
さく熱伝導性が良好で加工性が優れている反面、炭素化
過程において結合剤が軟化し、成形体の変形、発泡を招
いたり重力方向に特性が分布する欠点があった。他方、
フェノール樹脂等の熱硬化性材料を使用した場合には機
械的強度の大にして等方性の製品が得やすいという長所
を有する反面、炭素化過程において大きな収縮を示すた
めのサイズの大きな成形体は得にくいという短所を有す
る。
材料を使用した場合に得られる黒鉛材料は電気抵抗が小
さく熱伝導性が良好で加工性が優れている反面、炭素化
過程において結合剤が軟化し、成形体の変形、発泡を招
いたり重力方向に特性が分布する欠点があった。他方、
フェノール樹脂等の熱硬化性材料を使用した場合には機
械的強度の大にして等方性の製品が得やすいという長所
を有する反面、炭素化過程において大きな収縮を示すた
めのサイズの大きな成形体は得にくいという短所を有す
る。
(解決すべき課題) 本発明者は上記の欠点を改良し、相矛盾した特性を兼
備する炭素黒鉛材を製造するため種々検討した結果、溶
媒中で骨材表面に異種の芳香族原料をグラフト重合させ
ることによって良品質の炭素・黒鉛材料を得ることを見
出し本発明を完成するに至ったもので、本発明の目的は
例えば熱膨脹係数が小さく且つ熱衝撃強度の大きい炭素
・黒鉛材料のように相矛盾した物理的性質を両立させた
炭素・黒鉛の製造方法を提供するにある。
備する炭素黒鉛材を製造するため種々検討した結果、溶
媒中で骨材表面に異種の芳香族原料をグラフト重合させ
ることによって良品質の炭素・黒鉛材料を得ることを見
出し本発明を完成するに至ったもので、本発明の目的は
例えば熱膨脹係数が小さく且つ熱衝撃強度の大きい炭素
・黒鉛材料のように相矛盾した物理的性質を両立させた
炭素・黒鉛の製造方法を提供するにある。
(課題を解決するための手段) すなわち、本発明は溶媒中において炭素質骨材、芳香
族原料、触媒及び架橋剤を混合攪拌して均一な分散体と
なした後加熱して炭素骨材表面に芳香族原料をグラフト
重合せしめ、得られた反応生成物を再び前記芳香族原料
とは異なる芳香族原料、触媒及び架橋剤とグラフト重合
させ、得られた反応生成物を溶媒より分離、乾燥して粉
末状成形原料となし、該成形原料と成型後焼成すること
を特徴とする炭素・黒鉛材料の製造方法であり、さらに
溶媒中に芳香族原料、触媒及び架橋剤を添加、攪拌して
均一な溶液となし、該溶液に炭素質骨材よりなる成形体
を浸漬含浸せしめた後、加熱して炭素質骨材表面に芳香
族原料をグラフト重合せしめ、得られた成形体を再び前
記芳香族原料とは異なる芳香族原料、触媒及び架橋剤と
反応せしめてグラフト重合させ、得られた成形体を溶液
より取り出し、加熱、加圧して焼成することを特徴とす
る炭素・黒鉛材料の製造方法である。
族原料、触媒及び架橋剤を混合攪拌して均一な分散体と
なした後加熱して炭素骨材表面に芳香族原料をグラフト
重合せしめ、得られた反応生成物を再び前記芳香族原料
とは異なる芳香族原料、触媒及び架橋剤とグラフト重合
させ、得られた反応生成物を溶媒より分離、乾燥して粉
末状成形原料となし、該成形原料と成型後焼成すること
を特徴とする炭素・黒鉛材料の製造方法であり、さらに
溶媒中に芳香族原料、触媒及び架橋剤を添加、攪拌して
均一な溶液となし、該溶液に炭素質骨材よりなる成形体
を浸漬含浸せしめた後、加熱して炭素質骨材表面に芳香
族原料をグラフト重合せしめ、得られた成形体を再び前
記芳香族原料とは異なる芳香族原料、触媒及び架橋剤と
反応せしめてグラフト重合させ、得られた成形体を溶液
より取り出し、加熱、加圧して焼成することを特徴とす
る炭素・黒鉛材料の製造方法である。
更に本発明について詳細に説明する。
本発明において使用する炭素質骨材は従来の炭素・黒
鉛材料において骨材として使用されるものであれば何れ
でもよく、例えば生コークス、メソカーボンマイクロビ
ーズ、假焼コークス、カーボンブラック、人造及び天然
黒鉛等が挙げられ、その粒径としては平均粒径が0.1〜5
00μmの範囲が適しているが特に1μm以下の超微粒子
に対し、本発明は有効な手段である。また、本発明で使
用する骨材の形態は粒状、多孔体状、平板状、短繊維
状、長繊維状等の何れの形態であってもよく、骨材の形
態によっては予め成形体とした後、該成形体に芳香族原
料、触媒及び架橋材よりなる溶液を浸漬含浸させても良
い。
鉛材料において骨材として使用されるものであれば何れ
でもよく、例えば生コークス、メソカーボンマイクロビ
ーズ、假焼コークス、カーボンブラック、人造及び天然
黒鉛等が挙げられ、その粒径としては平均粒径が0.1〜5
00μmの範囲が適しているが特に1μm以下の超微粒子
に対し、本発明は有効な手段である。また、本発明で使
用する骨材の形態は粒状、多孔体状、平板状、短繊維
状、長繊維状等の何れの形態であってもよく、骨材の形
態によっては予め成形体とした後、該成形体に芳香族原
料、触媒及び架橋材よりなる溶液を浸漬含浸させても良
い。
芳香族原料としては従来の炭素・黒鉛材料においてバ
インダーとして使用されている石油系ピッチ、石炭系ピ
ッチは勿論、その他にナフタレン、アントラセン、フエ
ナントレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、チレン、
ペリレン、コロネン、タール、重質油及びこれらを主骨
格とする誘導体の中から選ばれるものを使用することが
できる。また、分子内に酸素、イオウを含む芳香族原料
としてフェノール、ナフトール、レゾルシン、フロログ
ルシン、チオフェノール、酸化ピッチ等が使用できる。
特に本発明においては分子内に酸素、イオウを含む芳香
族原料からなる反応生成物と、これらを含まない芳香族
原料からなる反応生成物の積層が有効である。
インダーとして使用されている石油系ピッチ、石炭系ピ
ッチは勿論、その他にナフタレン、アントラセン、フエ
ナントレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、チレン、
ペリレン、コロネン、タール、重質油及びこれらを主骨
格とする誘導体の中から選ばれるものを使用することが
できる。また、分子内に酸素、イオウを含む芳香族原料
としてフェノール、ナフトール、レゾルシン、フロログ
ルシン、チオフェノール、酸化ピッチ等が使用できる。
特に本発明においては分子内に酸素、イオウを含む芳香
族原料からなる反応生成物と、これらを含まない芳香族
原料からなる反応生成物の積層が有効である。
すなわち、分子内に酸素、イオウを有する芳香族原料
からなる反応生成物は炭素化時に大きな収縮を示し、所
謂難黒鉛化性炭素を与え、含まないものは炭素化時にあ
まり収縮を示さずいわゆる易黒鉛化性炭素を与える。
からなる反応生成物は炭素化時に大きな収縮を示し、所
謂難黒鉛化性炭素を与え、含まないものは炭素化時にあ
まり収縮を示さずいわゆる易黒鉛化性炭素を与える。
本発明ではこれらの炭素化挙動の異なる反応生成物を
骨材表面に積層させることによって、相矛質する物理的
性質−例えば高強度で低熱膨張係数を有する−を示す炭
素・黒鉛材料が製造できる。
骨材表面に積層させることによって、相矛質する物理的
性質−例えば高強度で低熱膨張係数を有する−を示す炭
素・黒鉛材料が製造できる。
芳香族架橋剤には、ヒドロキシメチル基、ハロメチル
基の何れか少なくとも一種の基を二個以上有する一環又
は二環以上の芳香環からなる芳香族化合物、例えばP−
キシリレンジクロライド、P−キシリレングリコール
(1,4−ベンゼンジメタノール)、ジメチル−P−キシ
リレングリコール、ジメチル−m−キシリレングリコー
ル等を使用することができる。この他、アルデヒド基を
少なくとも1個以上有する芳香族化合物、例えばベンズ
アルデヒド、テレフタルアルデヒド等も使用できる。
基の何れか少なくとも一種の基を二個以上有する一環又
は二環以上の芳香環からなる芳香族化合物、例えばP−
キシリレンジクロライド、P−キシリレングリコール
(1,4−ベンゼンジメタノール)、ジメチル−P−キシ
リレングリコール、ジメチル−m−キシリレングリコー
ル等を使用することができる。この他、アルデヒド基を
少なくとも1個以上有する芳香族化合物、例えばベンズ
アルデヒド、テレフタルアルデヒド等も使用できる。
芳香族原料、架橋剤の使用割合については、芳香族原
料/架橋剤の割合(モル比)が1.0〜3.0の範囲、好まし
くは1.25〜2.0である。
料/架橋剤の割合(モル比)が1.0〜3.0の範囲、好まし
くは1.25〜2.0である。
酸触媒には、塩化アルミニウム、弗化ホウ素等のルイ
ス酸或は、硫酸、リン酸、有機スルホン酸、カルボン酸
等のプロトン酸、及びこれらの誘導体の中から選ばれる
一種又は二種以上の混合物を使用することができる。
ス酸或は、硫酸、リン酸、有機スルホン酸、カルボン酸
等のプロトン酸、及びこれらの誘導体の中から選ばれる
一種又は二種以上の混合物を使用することができる。
触媒の使用量は、芳香族原料の反応性に依存するが、
概ね触媒/架橋剤(モル比)は0.01〜0.5の範囲であ
る。
概ね触媒/架橋剤(モル比)は0.01〜0.5の範囲であ
る。
本発明の加熱反応条件としては室温から180℃、特に1
00〜130℃の温度範囲であるので、使用する溶媒として
は少なくとも沸点130℃以上のものが好ましい。そし
て、反応成分を溶解せしめると共に反応生成物中に残留
しにくいものでなければならない。このような要件より
使用する溶媒としてはテトラリン、メチルナフタレン、
アントラセン油、重質油、o−,m−,及びp−キシレン
等であるが、反応収率及び取扱い上の点から見てテトラ
リン、o−及びm−キシレンが好適である。
00〜130℃の温度範囲であるので、使用する溶媒として
は少なくとも沸点130℃以上のものが好ましい。そし
て、反応成分を溶解せしめると共に反応生成物中に残留
しにくいものでなければならない。このような要件より
使用する溶媒としてはテトラリン、メチルナフタレン、
アントラセン油、重質油、o−,m−,及びp−キシレン
等であるが、反応収率及び取扱い上の点から見てテトラ
リン、o−及びm−キシレンが好適である。
使用する溶剤の量としては反応収率(重合物の溶解
度)、生成物の硬化収率、及び炭素化収率を考慮して決
定される。即ち、反応収率は原料濃度(芳香族原料+架
橋剤)の増加にしたがって増加するが、硬化収率及び炭
素化収率は高濃度化側では一般的に減少するので、これ
らの値を勘案して決定されるが、通常、芳香族原料+架
橋剤10重量部、骨剤10重量部に対して溶剤300重量部を
一応の目安として決定する。第二回目の反応時の溶剤の
使用量も同様である。
度)、生成物の硬化収率、及び炭素化収率を考慮して決
定される。即ち、反応収率は原料濃度(芳香族原料+架
橋剤)の増加にしたがって増加するが、硬化収率及び炭
素化収率は高濃度化側では一般的に減少するので、これ
らの値を勘案して決定されるが、通常、芳香族原料+架
橋剤10重量部、骨剤10重量部に対して溶剤300重量部を
一応の目安として決定する。第二回目の反応時の溶剤の
使用量も同様である。
溶媒中の反応時間としては約0.2〜2時間であり、反
応が進行するに従って、微粒状の沈澱物を生ずる。
応が進行するに従って、微粒状の沈澱物を生ずる。
骨剤にコーテングする量として次のようにして決め
る。すなわち、ある反応系におけるコーテング量は芳香
族原料及び架橋剤の合計量から縮合反応によって生ずる
縮合水及び溶剤中に残存する低分子量の分画量を差し引
いたものであるから、同一反応系では上記の値より比例
配分で決めることができる。そして、本発明ではコーテ
ング量としては骨材粒度、含浸の容易性に大きく依存す
るが、概ね骨材100重量部に対して30〜200程度である。
る。すなわち、ある反応系におけるコーテング量は芳香
族原料及び架橋剤の合計量から縮合反応によって生ずる
縮合水及び溶剤中に残存する低分子量の分画量を差し引
いたものであるから、同一反応系では上記の値より比例
配分で決めることができる。そして、本発明ではコーテ
ング量としては骨材粒度、含浸の容易性に大きく依存す
るが、概ね骨材100重量部に対して30〜200程度である。
本発明のグラフト反応を無溶媒の場合と比較するに、
溶媒存在下においてはかなり低い触媒量においても反応
が開始する点を考慮すると溶液中での各反応成分の自由
度の寄与がかなり大きいものと考えられ、又、架橋密度
の低い反応生成物は溶液中に残留することからみて、生
成物への低分子量の反応生成物の混入が避けられ、した
がって、生成物の焼成過程でのガス発生を減少させる効
果を有する。このグラフト反応において特徴の一つとし
て本能を溶液で行うときは、反応中は勿論冷却時には攪
拌を行うことによって、生成物は微粒状となり粉砕、解
砕の必要はない。そして、攪拌条件としては反応器の形
状、攪拌装置の形状に依存するが、概ね300〜1500rpmで
ある。
溶媒存在下においてはかなり低い触媒量においても反応
が開始する点を考慮すると溶液中での各反応成分の自由
度の寄与がかなり大きいものと考えられ、又、架橋密度
の低い反応生成物は溶液中に残留することからみて、生
成物への低分子量の反応生成物の混入が避けられ、した
がって、生成物の焼成過程でのガス発生を減少させる効
果を有する。このグラフト反応において特徴の一つとし
て本能を溶液で行うときは、反応中は勿論冷却時には攪
拌を行うことによって、生成物は微粒状となり粉砕、解
砕の必要はない。そして、攪拌条件としては反応器の形
状、攪拌装置の形状に依存するが、概ね300〜1500rpmで
ある。
上記の芳香族原料、触媒及び架橋剤を目的に応じ適宜
組合せて反応させ、得られたグラフト生成物を溶媒より
分離乾燥せしめて粉末状成形原料とするのであるが、分
離乾燥手段としては通常の濾過のほかスプレードライ、
フリーズドライ等何れの手段でも良い。得られた成形原
料は高い流動性及び成形性を有し、このままの状態でモ
ールド成形或は(CIP(cold isostatic press)によっ
て任意の形状に成形できる。また、本発明の成形材料は
熱硬化性を有するため通常の熱硬化成形やHIP(hot iso
static press)も可能である。
組合せて反応させ、得られたグラフト生成物を溶媒より
分離乾燥せしめて粉末状成形原料とするのであるが、分
離乾燥手段としては通常の濾過のほかスプレードライ、
フリーズドライ等何れの手段でも良い。得られた成形原
料は高い流動性及び成形性を有し、このままの状態でモ
ールド成形或は(CIP(cold isostatic press)によっ
て任意の形状に成形できる。また、本発明の成形材料は
熱硬化性を有するため通常の熱硬化成形やHIP(hot iso
static press)も可能である。
骨材がフエルト状などの一定の形状を呈している場
合、骨材に反応成分を含浸浸透させ、乾燥後反応させる
ことによって容易にグラフト反応生成物が得られ、これ
を成形圧で加圧、焼成することによって目的の成形品が
得られる。
合、骨材に反応成分を含浸浸透させ、乾燥後反応させる
ことによって容易にグラフト反応生成物が得られ、これ
を成形圧で加圧、焼成することによって目的の成形品が
得られる。
次に本発明について実施例をもって更に具体的に説明
する。
する。
実施例1 平均粒径0.5μmに粉砕した市販の天然黒鉛10重量部
を骨材として300重量部のO−キシレン中に分散させ
た。この混合物に軟化点60℃のコールタール系ピッチ5
重量部P−キシレングリコール4.6重量部を加え120℃に
加熱した後、0.5重量部のP−トルエンスルホン酸をメ
タノールに溶解させた溶液を徐々に加え500rpmの回転数
でマグネティックスターラーで攪拌しながら30分間反応
させた。次いで、同混合物を120℃に保ったままフェノ
ール5重量部、ベンズアルデヒド8.5重量部を加えた
後、0.01重量部のP−トルエンスルホン酸をメタノール
に溶解させた溶液を徐々に加え攪拌しながら20分間反応
させた。
を骨材として300重量部のO−キシレン中に分散させ
た。この混合物に軟化点60℃のコールタール系ピッチ5
重量部P−キシレングリコール4.6重量部を加え120℃に
加熱した後、0.5重量部のP−トルエンスルホン酸をメ
タノールに溶解させた溶液を徐々に加え500rpmの回転数
でマグネティックスターラーで攪拌しながら30分間反応
させた。次いで、同混合物を120℃に保ったままフェノ
ール5重量部、ベンズアルデヒド8.5重量部を加えた
後、0.01重量部のP−トルエンスルホン酸をメタノール
に溶解させた溶液を徐々に加え攪拌しながら20分間反応
させた。
この反応物を冷却後、濾過し、固形分をn−ヘキサン
で洗浄し、乾燥後成形原料を得た。この成形原料は、平
均粒径70μmであり、良好な流動性を示した。成形原料
を1000kg/cm2の成形圧でモールドプレスし、50φ、10mm
tの成形体を得た。
で洗浄し、乾燥後成形原料を得た。この成形原料は、平
均粒径70μmであり、良好な流動性を示した。成形原料
を1000kg/cm2の成形圧でモールドプレスし、50φ、10mm
tの成形体を得た。
成形体を200℃、1hrの熱軟化処理の後、不活性雰囲気
中、1000℃まで50℃/hrの昇温速度で焼成し、引き続き1
00℃/hrの昇温速度で2800℃まで昇温し、黒鉛化した。
中、1000℃まで50℃/hrの昇温速度で焼成し、引き続き1
00℃/hrの昇温速度で2800℃まで昇温し、黒鉛化した。
この黒鉛化試料は950kg/cm2の曲げ強度を示し、熱膨
張係数は3.0×10-6/℃であった。
張係数は3.0×10-6/℃であった。
比較例1 実施例1と同様の骨材、溶媒を用い軟化点60℃のコー
ルタールピッチ10重量部を加え、120℃で30分間攪拌し
た後冷却し、固形分を濾別し、n−ヘキサンで洗浄し
た。得られた固形分は塊状であった。この塊を実施例1
と同様に成形し、200℃ 1hrの熱処理を行ったところ、
発泡を示し、後の工程が不可能であった。
ルタールピッチ10重量部を加え、120℃で30分間攪拌し
た後冷却し、固形分を濾別し、n−ヘキサンで洗浄し
た。得られた固形分は塊状であった。この塊を実施例1
と同様に成形し、200℃ 1hrの熱処理を行ったところ、
発泡を示し、後の工程が不可能であった。
実施例2 300重量部のメチルナフタレンを溶媒として軟化点90
℃のコールタール系ピッチ10重量部、P−キシリレング
リコール6.9重量部を120℃で攪拌しながら溶解させた。
この溶液に、予め5重量%のP−トルエンスルホン酸メ
タノール溶液に含浸し、50℃で乾燥した嵩比重0.25のカ
ーボンファイバーフェルト20重量部を浸漬し、120℃で
1時間反応させた。引き続きこの反応溶液にレゾルシン
10重量部テレフタルアルデヒド12重量部を添加し、攪拌
の後0.01重量部のP−トルエンスルホン酸をメタノール
に溶解させた溶液を徐々に加え120℃に保ったまま30分
間反応させた。冷却後、フェルトを引き上げn−ヘキサ
ンで充分に洗浄し、減圧乾燥を行った。乾燥後のフェル
トを200℃150kg/cm2の成形圧で熱硬化成形した。成形体
は不活性雰囲気中50℃/hrの昇温速度で2000℃まで昇温
した。焼成後、成形体の曲げ強度を測定したところ、12
00kg/cm2の値を示した。
℃のコールタール系ピッチ10重量部、P−キシリレング
リコール6.9重量部を120℃で攪拌しながら溶解させた。
この溶液に、予め5重量%のP−トルエンスルホン酸メ
タノール溶液に含浸し、50℃で乾燥した嵩比重0.25のカ
ーボンファイバーフェルト20重量部を浸漬し、120℃で
1時間反応させた。引き続きこの反応溶液にレゾルシン
10重量部テレフタルアルデヒド12重量部を添加し、攪拌
の後0.01重量部のP−トルエンスルホン酸をメタノール
に溶解させた溶液を徐々に加え120℃に保ったまま30分
間反応させた。冷却後、フェルトを引き上げn−ヘキサ
ンで充分に洗浄し、減圧乾燥を行った。乾燥後のフェル
トを200℃150kg/cm2の成形圧で熱硬化成形した。成形体
は不活性雰囲気中50℃/hrの昇温速度で2000℃まで昇温
した。焼成後、成形体の曲げ強度を測定したところ、12
00kg/cm2の値を示した。
実施例3 平均粒径20μmの石油系カルサインコークス20重量部
を300重量部のテトラリン中に分散させた。この混合物
に軟化点65℃のコールタールピッチ5重量部とジメチル
−P−キシレングリコール4.7重量部を加え120℃に加熱
した後、0.6重量部のP−トルエンスルホン酸をメタノ
ールに溶解させた溶液を徐々に加え、800rpmの回転数で
マグネティックスターラーを用い攪拌しながら60分間反
応させた。引き続きこの溶液にレゾルシン5重量部、ベ
ンズアルデヒド6重量部を加えた後、0.005重量部のP
−トルエンスルホン酸をメタノールに溶解させた溶液を
徐々に加え、攪拌しながら20分間反応させた。反応物は
実施例1と同様の処理によって黒鉛化を行った。黒鉛化
後の試料は耐熱衝撃性を測定する目的で高周波誘導炉を
用い、50φ10mmtの外周部を5秒間で2100℃まで急速加
熱したが、変化は認められなかった。比較のため同一寸
法に加工した。イビデン(株)製黒鉛材(商品名T−
6)を同様の寸法に加工し、同一の加熱を行ったとこ
ろ、加熱と同時に破壊飛散した。
を300重量部のテトラリン中に分散させた。この混合物
に軟化点65℃のコールタールピッチ5重量部とジメチル
−P−キシレングリコール4.7重量部を加え120℃に加熱
した後、0.6重量部のP−トルエンスルホン酸をメタノ
ールに溶解させた溶液を徐々に加え、800rpmの回転数で
マグネティックスターラーを用い攪拌しながら60分間反
応させた。引き続きこの溶液にレゾルシン5重量部、ベ
ンズアルデヒド6重量部を加えた後、0.005重量部のP
−トルエンスルホン酸をメタノールに溶解させた溶液を
徐々に加え、攪拌しながら20分間反応させた。反応物は
実施例1と同様の処理によって黒鉛化を行った。黒鉛化
後の試料は耐熱衝撃性を測定する目的で高周波誘導炉を
用い、50φ10mmtの外周部を5秒間で2100℃まで急速加
熱したが、変化は認められなかった。比較のため同一寸
法に加工した。イビデン(株)製黒鉛材(商品名T−
6)を同様の寸法に加工し、同一の加熱を行ったとこ
ろ、加熱と同時に破壊飛散した。
(効果) 本発明で得られた炭素・黒鉛材料はバインダー層とし
ては芳香族原料に架橋剤を反応させて得た熱硬化製樹脂
であるため焼成時に変形が起こりにくいばかりでなく、
芳香族原料と架橋剤の選択により種々の特性を有するも
のに、また、グラフト反応生成物は溶媒によって分子量
分画を受けるため焼成時の発生ガスを低下させ炭素化収
率を向上させることができ、更に乾燥して得た成形原料
は前述したように成形可能な流動性の高い粉末状である
ため、従来の方法のように粉砕工程を必要とせず、しか
もその成形原料は異なる結合剤の積層によって構成され
ているため従来得られない特性を示し、特に焼成黒鉛化
に際してはクラックを生ずることなく昇温速度を大きく
することができるので製造日数が大巾に短縮される。
ては芳香族原料に架橋剤を反応させて得た熱硬化製樹脂
であるため焼成時に変形が起こりにくいばかりでなく、
芳香族原料と架橋剤の選択により種々の特性を有するも
のに、また、グラフト反応生成物は溶媒によって分子量
分画を受けるため焼成時の発生ガスを低下させ炭素化収
率を向上させることができ、更に乾燥して得た成形原料
は前述したように成形可能な流動性の高い粉末状である
ため、従来の方法のように粉砕工程を必要とせず、しか
もその成形原料は異なる結合剤の積層によって構成され
ているため従来得られない特性を示し、特に焼成黒鉛化
に際してはクラックを生ずることなく昇温速度を大きく
することができるので製造日数が大巾に短縮される。
本発明の方法によって得られた炭素・黒鉛材料は、脱
落粒子が小さく、相手材を傷つけにくい摺動材、低消耗
の仕上げ用被電加工用電極及び加工精度の高い治具、精
密加工用材料更に低熱膨張係数を有する耐熱衝撃材料と
して用いられる。
落粒子が小さく、相手材を傷つけにくい摺動材、低消耗
の仕上げ用被電加工用電極及び加工精度の高い治具、精
密加工用材料更に低熱膨張係数を有する耐熱衝撃材料と
して用いられる。
Claims (2)
- 【請求項1】溶媒中において炭素質骨材、芳香族原料、
触媒及び架橋剤を混合、攪拌して均一な分散体となした
後、加熱して炭素質骨材表面に芳香族原料をグラフト重
合せしめ、得られた反応生成物を再び前記芳香族原料と
は異なる芳香族原料、触媒及び架橋剤と反応せしめてグ
ラフト重合させ、得られた反応生成物を溶媒より分離乾
燥せしめて粉末状成形原料となし、該成形原料を成型し
たのち焼成することを特徴とする炭素・黒鉛材料の製造
方法。 - 【請求項2】溶媒中に芳香族原料、触媒及び架橋剤を添
加、攪拌して均一な溶液となし、該溶液に炭素質骨材よ
りなる成形体を浸漬含浸せしめた後、加熱して炭素質骨
材表面に芳香族原料をグラフト重合せしめ、得られた成
形体を再び前記芳香族原料とは異なる芳香族原料、触媒
及び架橋剤と反応せしめてグラフト重合させ、得られた
成形体を溶液より取り出し、加熱、加圧して焼成するこ
とを特徴とする炭素・黒鉛材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63121890A JP2700798B2 (ja) | 1988-05-20 | 1988-05-20 | 炭素・黒鉛材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63121890A JP2700798B2 (ja) | 1988-05-20 | 1988-05-20 | 炭素・黒鉛材料の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01294507A JPH01294507A (ja) | 1989-11-28 |
JP2700798B2 true JP2700798B2 (ja) | 1998-01-21 |
Family
ID=14822440
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63121890A Expired - Lifetime JP2700798B2 (ja) | 1988-05-20 | 1988-05-20 | 炭素・黒鉛材料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2700798B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010059036A (ja) * | 2008-09-08 | 2010-03-18 | Mitsubishi Electric Corp | カーボン凝結体成形品及びカーボン凝結体成形品の製造方法 |
JP4753982B2 (ja) * | 2008-10-06 | 2011-08-24 | 三菱電機株式会社 | カーボン凝結体成形品の製造方法 |
JP4754001B2 (ja) * | 2009-02-05 | 2011-08-24 | 三菱電機株式会社 | 成形材料及び成形品の製造方法 |
JP2010202431A (ja) * | 2009-03-02 | 2010-09-16 | Mitsubishi Electric Corp | カーボン凝結体の製造方法 |
CN117024146B (zh) * | 2023-10-09 | 2024-01-02 | 山西雅盛炭材料科技有限公司 | 一种各向同性核石墨的制备方法 |
-
1988
- 1988-05-20 JP JP63121890A patent/JP2700798B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01294507A (ja) | 1989-11-28 |
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