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JP2687144B2 - 導電性ポリオレフィン発泡体の製造方法 - Google Patents

導電性ポリオレフィン発泡体の製造方法

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JP2687144B2
JP2687144B2 JP63212388A JP21238888A JP2687144B2 JP 2687144 B2 JP2687144 B2 JP 2687144B2 JP 63212388 A JP63212388 A JP 63212388A JP 21238888 A JP21238888 A JP 21238888A JP 2687144 B2 JP2687144 B2 JP 2687144B2
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kneading
polyolefin
conductive
foam
product
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善昭 増子
和史 飯尾
洋 清水
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Sanwa Kako Co Ltd
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Sanwa Kako Co Ltd
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、導電性ポリオレフィン発泡体の製造方法に
関し、さらに詳しくは、例えば通常の帯電防止性の包装
材などとしての用途の他、特に電波吸収材として有用な
導電性ポリオレフィン発泡体の製造方法に関する。
〔従来の技術〕 近年、電子部品使用の各種機器類の包装、輸送、保存
用材料や静電防止性マット等、導電性発泡体の用途が広
範に拡大されている。
そして、従来より導電性を有するプラスチックフォー
ムとしてはウレタンフォームが知られているが(例えば
特公昭52−36902号)、カーボンの脱落や色落ち等の問
題があり、また基材がウレタンであるため耐候性が非常
に悪いなどの問題がある。
このため、耐候性や耐薬品性、耐水性等に優れたポリ
オレフィンを基材とした導電性発泡体の製造方法が種々
開発され、本出願人も既に特許出願している(特開昭58
−198537号、特開昭58−198538号)。しかしながら、基
材となるポリオレフィン系樹脂に導電性カーボンと共に
発泡剤等を加えて混練し、導電性ポリオレフィン発泡体
を製造する場合、カーボン練り込み時の導電性カーボン
の飛散が多く、発泡体の表面抵抗値が安定しないという
問題があった。また、導電性カーボンと共に発泡剤を混
練する場合、導電性カーボンの剪断発熱が大きくなり、
発泡剤の分解が起こり易くなる結果、発泡前のシートに
気泡が発生すると共に押出性が悪化するというような問
題も指摘されている。
このため、予めポリオレフィン系樹脂と導電性カーボ
ンを溶融、混練したマスターバッチ品を製造する工程を
含む方法、特に溶融している状態のポリオレフィン系樹
脂に導電性カーボンを混練し、ペレット状に成形してマ
スターバッチ品を製造する工程を含む方法など、種々開
発されている(特開昭59−129237号、特開昭60−81237
号、特開昭61−31440号、特公昭59−25815号)。
〔発明が解決しようとする課題〕
前記のような予めマスターバッチ品を製造し、これを
発泡させる従来の導電性ポリオレフィン発泡体の場合、
マスターバッチ品をつくる工程において、所謂高い剪断
力の作用が可能な混練機、例えばミキシングロール、押
出機、特に二軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダ
ー等が使用されている。
しかし、このような混練機を使用する従来の方法で
は、せいぜい表面抵抗値が103Ω以上の発泡体しか得ら
れない。この理由としては、上記ような混練機の剪断力
によって導電性カーボンとして必要な鎖状構造がある程
度失われ、このため導電性が低下するものと思われる。
また、上記のような混練機では、概して混練時のカーボ
ンの飛散が大きく、品質が安定しないという問題もあ
る。
本出願人は先に、前記のような従来法の欠点を解消
し、表面抵抗値が低く、しかも品質の安定した導電性ポ
リオレフィン発泡体を提供すべく、マスターバッチ品を
つくる段階において、充填剤を添加すること及び混合機
として実質的に高い剪断力が付加されないような粉粒体
混合機を用いることを特徴とする導電性ポリオレフィン
発泡体の製造方法を開発し、既に特許出願している。
しかしながら、この方法においても、マスターバッチ
品にポリオレフィン系樹脂及び/又は配合剤を添加する
工程において、所謂高い剪断力の作用が可能な混練機、
例えばミキシングロール、押出機、特に二軸の押出機、
バンバリーミキサー、ニーダー等を使用してマスターバ
ッチ品の溶融及びポリオレフィン系樹脂及び/又は配合
剤の添加混練を行なう必要がある。従って、この方法で
は、表面抵抗値500Ω以下の電気特性値を得ようとすれ
ば、発泡倍率15倍以下の発泡体しか得られず、逆に発泡
倍率を上げようとすれば表面抵抗値を下げることが困難
であるという問題がある。この理由としては、上記のよ
うな混練機の剪断力によって導電性カーボンとして必要
な鎖状構造がある程度失われ、この状態は発泡倍率が高
い程、特に15倍以上の高発泡倍率になる程表面抵抗値に
及ぼす影響が顕著となり、このため発泡倍率が15倍を超
えると導電性が明瞭に低下するものと判断される。
従って、本発明の目的は、前記のような欠点を解消
し、表面抵抗値が低く、しかも発泡倍率の高い導電性ポ
リオレフィン発泡体の製造方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の方法によれば、前記目的を達成するため、基
本的には、マスターバッチ品をつくる段階において、充
填剤を添加すること及び混合機として実質的に高い剪断
力が付加されないような粉粒体混合機を用いること、並
びにマスターバッチ品にポリオレフィン系樹脂及び/又
は配合剤を添加、混練する段階において、該マスターバ
ッチ品を予備加熱後混練機に投入し、ポリオレフィン系
樹脂及び/又は配合剤と短時間で混練することを特徴と
している。
すなわち、本発明による第1の方法は、ポリオレフィ
ン系樹脂と充填剤を粉粒体混合機中で溶融し、これに導
電性カーボンを添加混合してマスターバッチ品をつくる
工程、上記マスターバッチ品を予備加熱後、混練機で配
合剤と短時間に混練して発泡性組成物を得る工程、及び
上記発泡性組成物を加熱発泡する工程からなることを特
徴とする方法である。
また、本発明による第2の方法は、ポリオレフィン系
樹脂と充填剤を粉粒体混合機中で溶融し、これに導電性
カーボンを添加混合してマスターバッチ品をつくる工
程、上記マスターバッチ品を予備加熱後、混練機でポリ
オレフィン系樹脂及び配合剤と短時間に混練して発泡性
組成物を得る工程、及び上記発泡性組成物を加熱発泡す
る工程からなることを特徴とする方法であり、マスター
バッチ品のポリオレフィン系樹脂の希釈によってカーボ
ン濃度の調整を行なえる方法である。
〔作 用〕
一般に導電性カーボンブラックが複合されたポリオレ
フィン系樹脂中での電子の移動は、カーボンブラックの
持つ擬似グラフィイト構造中のπ電子連鎖中の移動、及
び絶縁体であるポリオレフィンマトリックス中のカーボ
ンブラック粒子間の電子の移動によってなされると推測
されている(参照:山田久志、成田道郎「導電性カーボ
ンブラック<ケッチエンブラックEC>と樹脂の導電
化」、プラスチックエージ、34[4]、(1988))。
しかし、混練時に高い剪断力がかかると、カーボンの
連鎖が切断されて導電性の機能が低下してしまう。逆
に、剪断力をかけない混合機によれば、溶融したポリオ
レフィン系樹脂同士がくっついて大きな塊になってしま
うので、カーボンブラックを均一に分散することができ
ない。
本発明は、まず第一に、マスターバッチ品をつくる段
階において、ポリオレフィン系樹脂の溶融を充填剤の存
在下で行なうこと、および溶融混合を実質的に高い剪断
力を付加しない粉粒体混合機で行なうことによって、前
記相反するする要求を同時に満足させるものである。
すなわち、ポリオレフィン系樹脂を充填剤と共に溶融
混合すれば、ポリオレフィン系樹脂のペレットが溶融す
る際にその表面に充填剤が付着し、大きな塊になるのを
防ぐことができる。したがって、これに導電性カーボン
を添加混合してマスターバッチ品をつくる場合に、従来
のような高い剪断力を付加する混練機を用いなくとも、
粉粒体混合機で充分に導電性カーボンを分散させること
ができる。その結果、カーボンの連鎖が切断されること
なく、導電性を大巾に向上させることができる。
このような方法によって導電性に優れたマスターバッ
チ品が得られるが、このようなマスターバッチ品にポリ
オレフィン系樹脂及び/又は配合剤を添加混練する段階
においては、どうしても混練機を使用する必要があり、
前記したような問題を生ずる。
そこで、本発明ではさらに、マスターバッチ品にポリ
オレフィン系樹脂及び/又は配合剤を添加混練する段階
において、マスターバッチ品を予め予備加熱した後に混
練機でポリオレフィン系樹脂及び/又は配合剤と短時間
に混練することによって、表面抵抗値が低く、かつ発泡
倍率の高い導電性ポリオレフィン発泡体を得るものであ
る。
すなわち、マスターバッチ品を予備加熱すれば、マス
ターバッチ品の温度が上昇し、混練機中でのマスターバ
ッチ品の溶融時間を短縮することができる。従って、高
い剪断力のかかる時間が短くなり、カーボンの連鎖の切
断される程度が少なくなり、高発泡倍率の発泡体を製造
する場合にも充分な導電性を具有する発泡体が得られ
る。
このように、本発明の方法によれば、マスターバッチ
品をつくる段階において、ポリオレフィン系樹脂を充填
剤と共に粉粒体混合機を用いて溶融混合し、また、マス
ターバッチ品にポリオレフィン系樹脂及び/又は配合剤
を添加混練する段階において、該マスターバッチ品を予
備加熱後混練機に投入し、ポリオレフィン系樹脂及び/
又は配合剤と短時間で混練するという極めて簡単な方法
により、驚くべきことに従来の方法では得られなかった
102Ωのオーダーの表面抵抗値を有し、しかも発泡倍率1
5倍を超える高発泡倍率の導電性ポリオレフィン発泡体
を得ることができた。
〔発明の態様〕
以下、本発明に係る導電性ポリオレフィン発泡体の製
造方法の各工程について具体的に説明する。
まず、第1の方法及び第2の方法のいずれにおいて
も、ポリオレフィン系樹脂を充填剤と共に粉粒体混合機
中で溶融混合する。
これに所定量の導電性カーボンを加え、充分に混合し
た後、冷却用ミキサーを通して排出し、粒状のマスター
バッチ品を得る。あるいは、混合物を例えばシート状に
押出した後、ペレタイザーによって切断する等のペレッ
ト化工程によってペレット状のマスターバッチ品が得ら
れる。
マスターバッチ品を得るための混合機としては、剪断
力ができるだけかからないこと、言い換えれば練り効果
のないことが必要である。一般に混合混練機は練り効果
の有無、大小によって混練機と粉粒体混合機に分けるこ
とができるが、本発明の方法においては、練り効果が殆
ど無いか、有っても実質的に分散した導電性カーボンの
連鎖に影響を及ぼさないようなもの、所謂粉粒体混合機
を用いる必要があり、従来用いられているようなニーダ
ー、バンバリーミキサー、ミキシングロール等は不適当
である。このような粉粒体混合機としては、容器回転
形、容器固定形等種々のタイプのものが知られており、
例えばリボン形ミキサー等の粉粒体混合機が使用できる
が、高速流動形ミキサーが好ましく、その中でもヘンシ
ェルミキサーが特に好ましい。
マスターバッチ品の製造においては、ポリオレフィン
系樹脂100重量部に対し充填剤を2〜20重量部、好まし
くは3〜10重量部、導電性カーボンを5〜30重量部、好
ましくは10〜20重量部添加する。
前記したように、充填剤は、溶融したポリオレフィン
系樹脂同士がくっつき合って大きな塊になるのを防止す
る効果を有する。充填剤の添加量が2重量部未満になる
と上記効果を充分に発揮できず、溶融ポリオレフィン系
樹脂が大きな塊になり、剪断力の殆どない粉粒体混合機
では導電性カーボンを分散させることができない。一
方、充填剤の添加量が20重量部を超えると、後の発泡工
程に悪影響を及ぼすので好ましくない。
また、マスターバッチ品の導電性カーボンの添加量が
30重量部を超えると、樹脂の伸びが低下し、良好な発泡
体を得ることができなくなるので好ましくなく、一方、
3重量部未満では充分な導電機能が得られなくなるので
好ましくない。
本発明の第1の方法では、上記のようにして得られた
マスターバッチ品を予備加熱した後、発泡剤や架橋剤、
発泡助剤、他の添加剤等所要の配合剤と混練機で短時間
に混練して発泡性組成物を得る。
予備加熱をする手段としては、エアーオーブン、外壁
に加熱用熱媒体導管(熱媒:スチーム、温水等)又は電
気ヒーターが設けられている加熱箱等が適用できる。予
備加熱の温度は、好ましくは70〜115℃、特に好ましく
は90〜110℃、加熱時間は、好ましくは1〜10時間、特
に好ましくは2〜7時間である。
混練機としては、所謂高い剪断力の作用が可能な混練
機、例えばミキシングロール、押出機、特に二軸の押出
機、バンバリーミキサー、ニーダー等が使用できるが、
加圧式ニーダー、バンバリーミキサー等の容器固定・水
平複軸形の混練機が好ましい。混練機による全混練時間
は、好ましくは10〜17分、特に好ましくは12〜16分であ
る。尚、容器固定・水平複軸形の混練機を使用する場
合、ミキシングロールで仕上練り、シーティング等がな
されるが、この時間はここでいう混練時間に含まれな
い。混練時間が10分未満では充分な分散がなされず、一
方、17分を超えるとカーボンの鎖が切断され、導電性が
低下するので好ましくない。
次に、上記のようにして得られた発泡性組成物を加熱
発泡させて導電性ポリオレフィン発泡体を得る。発泡方
法としては従来公知の種々の方法が利用でき、例えば発
泡剤等を前記のように混練して得られた発泡性組成物に
電子線を照射して架橋したり、あるいは架橋剤、発泡剤
等を前記のように混練して得られた架橋性、発泡性組成
物を加圧下金型中にて発泡剤が実質的に分解しない温度
に加熱することによって該組成物を架橋せしめ、次いで
得られた架橋発泡性組成物を急激に発泡もしくは膨脹さ
せないように発泡させ、例えば一段階でもしくは二段階
に分けて常圧下で加熱発泡させる。このような方法によ
って高発泡倍率の導電性発泡体が得られるが、もちろん
通常の一段常圧もしくは加圧発泡法、二段加圧発泡法な
ども採用可能である。このようなバッチ方法の加熱条件
は従来と同様でよく(特開昭58−198537号公報、特開昭
58−198538号公報参照)、例えば130〜200℃の範囲で使
用する方法に応じて適宜設定すればよいが、例えば上記
好適な方法における加熱条件は、加圧下加熱を発泡剤の
種類によって130〜160℃の範囲に、また加熱発泡を145
〜200℃の範囲に設定すればよい。
上記のようなバッチ方式に好適に用いられる架橋剤と
しては、ポリオレフィン系樹脂の流動開始温度以上の分
解温度を有するものであって、加熱により分解され、遊
離ラジカルを発生してその分子間もしくは分子内に架橋
結合を生ぜしめるラジカル発生剤であるところの有機過
酸化物、例えばジクミルパーオキサイド、1,1−ジ−t
−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘ
キサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキ
シヘキシン、α、α′−ビス(t−ブチルパーオキシ)
ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルパーオキシケト
ン、t−ブチルパーオキシベンゾエートなどがあり、ま
た発泡剤としてはポリオレフィン系樹脂の溶融温度以上
の分解温度を有する化学発泡剤であり、例えばアゾ系化
合物のアゾジカルボンアミド、バリウムアゾジカルボキ
シレート等;ニトロソ系化合物のジニトロソペンタメチ
レンテトラミン、トリニトロソトリメチルトリアミン
等;ヒドラジッド系化合物のp,p′−オキシビスベンゼ
ンスルホニルヒドラジッド等;スルホニルセミカルバジ
ッド系化合物のp,p′−オキシビスベンゼンスルホニル
セミカルバジッド、トルエンスルホニルセミカルバジッ
ド等、などがある。また、発泡助剤を発泡剤の種類に応
じて添加することができる。発泡助剤としては尿素を主
成分とした化合物、酸化亜鉛、酸化鉛等の金属酸化物、
サリチル酸、ステアリン酸等を主成分とする化合物、即
ち高級脂肪酸あるいは高級脂肪酸の金属化合物などがあ
る。
本発明の第2の方法は、前記第1の方法と同様にして
得られたマスターバッチ品を予備加熱後、適宜の量の希
釈用ポリオレフィン系樹脂を添加することなく特徴とす
るものであり、予備加熱の手段及び条件、他の配合剤、
発泡方法は第1の方法と全く同様である。希釈後のマス
ターバッチ品を好ましくは90重量%、特に好ましくは95
重量%にすることによって、マスターバッチ品を製造し
た後に導電性カーボンの量を調整することができ、また
一定の品質の導電性発泡体が得られる。
なお、希釈用のポリオレフィン系樹脂を添加するの
で、導電性は若干低下するが、マスターバッチ品に導電
性のバラツキがあっても、最終の発泡体の導電性のバラ
ツキを緩和することができる。
この第2の方法において使用する希釈用ポリオレフィ
ン系樹脂は、一般にマスターバッチ品に使用したポリオ
レフィン系樹脂と同じ物を使用する。しかし、マスター
バッチ品に使用したポリオレフィン系樹脂と相溶性の高
い他のポリオレフィン系樹脂を希釈用に用いることもで
きる。
本発明でいうポリオレフィン系樹脂とは、オレフィン
の単独もしくは共重合体の他、他のモノマーとの共重合
体などを含み、例えば通常市販の高、中、低圧法により
製造されたポリエチレン、ポリ−1,2−ブタジエン、エ
チレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレンとメチル
−、エチル−、プロピル−、ブチル−の各アクリレート
もしくはメタクリレートとの共重合体、またはこれらを
それぞれ塩素化したもの、あるいはこれらの2種以上の
混合物またはこれらとアタクチックもしくはアイソタク
チック構造を有するポリプロピレンとの混合物などであ
る。
本発明で用いられる導電性カーボンとは、ゴム及びプ
ラスチック等に充填することにより、高い導電性を付与
することが可能な炭素状物質であれば良く、天然黒鉛、
人造黒鉛、カーボンブラック、炭素繊維等があるが、一
般にファーネスブラック、アセチレンブラック等のカー
ボンブラック、特に比表面積が900m2/g以上で中空シェ
ル構造を有する導電性のファーネスブラックが最も好ま
しい。
本発明で用いられる充填剤としては、無機系充填剤、
難燃剤等が使用できる。無機系充填剤としては、軽質あ
るいは重質の炭酸カルシウム、石膏、クレー、タルク、
ケイソウ土等が好適に用いられるが、これらの中でも表
面処理された重質の炭酸カルシウムが発泡への悪影響が
なく最適である。難燃剤としては、リン化合物、臭素化
合物、塩素化合物等がある。
本発明の組成物には、滑材としてステアリン酸亜鉛の
ような金属石けん、あるいはワックス類を少量添加する
ことができる。また、場合によっては紫外線劣化防止
剤、酸化安定剤等の添加も可能である。
〔実 施 例〕
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明す
るが、本発明は下記実施例により何ら限定されるもので
ないことはもとよりである。
実施例1 ポリエチレン樹脂(商品名「ノバテックL−300」三
菱化成工業(株)製)100重量部、難燃剤としてエチレ
ンビステトラブロモフタルイミド3.0重量部及び三酸化
アンチモン0.5重量部を140℃に加熱したヘンシェルミキ
サーに装入し、溶融混合した。次いで、これにファーネ
スブラック(商品名「ケッチエンブラックEC」ケッチェ
ン・ブラック インターナショナル(株)製)16重量部
を加えてよく混合した後、溶融混合物を冷却用ミキサー
に通した後、排出し、粒状のマスターバッチ品を得た。
次に、得られたマスターバッチ品を100℃のエアーオ
ーブン中で4時間予備加熱した後、予備加熱されたマス
ターバッチ品100重量部にアゾジカルボンアミド(商品
名「ビニホールAC50S」永和化成工業(株)製)9.2重量
部、亜鉛華0.1重量部、α、α′−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)ジイソプロピルベンゼン(商品名「パーカド
ックス−14/P40」化薬ヌーリー(株)製)0.56重量部、
尿素系発泡助剤0.04重量部、トリアリルイソシアヌレー
ト(商品名「TAIC」日本化成(株)製)0.17重量部を加
え、110℃に加熱された加圧式ニーダーにて14分間で混
練し、ミキシングロールにてシートにし、145℃に加熱
されたプレス内の金型(770×365×36mm)に上記混練物
を充填し、40分間加圧下で加熱し、架橋した発泡性シー
トを得た。
次いで、この発泡性シートを160℃に加熱された密閉
系でない金型(その外壁に加熱用熱媒体導管が設けられ
ており、キャビティサイズは1900×900×90mmである)
に入れ、150分間加熱して、冷却した後取り出し、導電
性発泡体を得た。
得られた発泡体は、厚み90mm、見掛け密度0.05g/cm3
であり、その表面抵抗値を測定したところ350Ωであ
り、外観共に良好な導電性発泡体であった。
なお、電気抵抗値は、米国John.Fluke.Mfg.Co,Inc.製
の“8060A TRUE RMS MULTIMETER"を使用し、端子2cm
間で端子を発泡体に突刺した後30秒後の値を測定した数
値である。
また、燃焼試験の結果、得られた導電性発泡体は自己
消化性を有していた。
実施例2 実施例1と全く同様にして得られたマスターバッチ品
を、ポリエチレン樹脂(商品名「ノバテック L−30
0」前掲)で希釈し、マスターバッチ品の使用量を98%
にした。このようにして得られた組成物100重量部に、
実施例1と同じ配合剤を同じ割合で添加し、全く同じ方
法で発泡成形した。その結果、得られた導電性発泡体の
表面抵抗値は350Ωであり、外観も良好であった。ま
た、燃焼試験の結果、自己消火性を有していた。
比較例1 実施例1と全く同様にして得られたマスターバッチ品
を、予備加熱することなく、実施例1と同じ配合剤を添
加して、110℃に加熱された加圧式ニーダーにて18分間
かけて混練し、後は実施例1と全く同様にして導電性発
泡体を得た。その結果、得られた導電性発泡体の表面抵
抗値は600〜700Ωであり、表面抵抗値が高く、バラツキ
も大きいので、電波吸収用として使えるものではなかっ
た。
比較例2 実施例1と全く同様にして得られたマスターバッチ品
を予備加熱することなく、実施例2と同様にポリエチレ
ン樹脂及び配合剤を添加し、実施例1と全く同様にして
導電性発泡体を得た。その結果、得られた導電性発泡体
の表面抵抗値は600〜700Ωであり、表面抵抗値が高く、
バラツキが大きいので、電波吸収用として使えるもので
はなかった。
実施例3 ポリエチレン樹脂(商品名「ノバテックL−300」前
掲)100重量部と重質炭酸カルシウム4重量部を140℃に
加熱したヘンシェルミキサーに装入し、溶融混合した。
次いで、実施例1と全く同様にしてファーネスブラッ
クを加えてマスターバッチ品を得、実施例1と全く同様
にして混練し、発泡成形した。
得られた導電性発泡体は、実施例1と同じ寸法、見掛
け密度、表面抵抗値を有していた。
実施例4 実施例3と全く同様にして得られたマスターバッチ品
を、実施例1と全く同様にして混練、発泡成形した。
得られた導電性発泡体は、実施例2と同じ寸法、見掛
け密度、表面抵抗値を有していた。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明の方法(第1の方法及び第2の
方法)によれば、マスターバッチ品をつくる段階におい
て、ポリオレフィン系樹脂を充填剤と共に粉粒体混合機
を用いて溶融混合しし、しかもマスターバッチ品にポリ
オレフィン系樹脂及び/又は配合剤を添加混練する段階
において、該マスターバッチ品を予備加熱後混練機に投
入し、ポリオレフィン系樹脂及び/又は配合剤と短時間
で混練するものであるため、ポリオレフィン系樹脂溶融
物への導電性カーボンの分散性に優れ、また混合の際の
導電性カーボンの飛散も殆どないと共に、導電性カーボ
ンの連鎖の切断が著しく低減され、従って最終発泡体の
表面抵抗値が均質で安定していると共に、表面抵抗値が
極めて低く(102Ωオーダー)、しかも高発泡倍率の導
電性発泡体が得られる。このような発泡体は電波吸収体
用として用いることができ、実用上極めて高い価値を有
する。
また、本発明の第2の方法によれば、マスターバッチ
品をポリオレフィン系樹脂で希釈した後、加熱発泡させ
るものであるため、マスターバッチ品を製造した後に導
電性カーボンの量を調整でき、またマスターバッチ品に
導電性のバラツキがあっても、最終発泡体の導電性のバ
ラツキを緩和することができ、安定した均一な品質の導
電性ポリオレフィン発泡体が得られる。
さらに、請求項(5)に記載のように充填剤として難
燃剤を用いることにより、自己消化性に優れた導電性ポ
リオレフィン発泡体が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:16 507:04 C08L 23:02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィン系樹脂と充填剤を粉粒体混
    合機中で溶融し、これに導電性カーボンを添加混合して
    マスターバッチ品をつくる工程、上記マスターバッチ品
    を予備加熱後、混練機で配合剤と短時間に混練して発泡
    性組成物を得る工程、及び上記発泡性組成物を加熱発泡
    する工程からなることを特徴とする導電性ポリオレフィ
    ン発泡体の製造方法。
  2. 【請求項2】ポリオレフィン系樹脂と充填剤を粉粒体混
    合機中で溶融し、これに導電性カーボンを添加混合して
    マスターバッチ品をつくる工程、上記マスターバッチ品
    を予備加熱後、混練機でポリオレフィン系樹脂及び配合
    剤と短時間に混練して発泡性組成物を得る工程、及び上
    記発泡性組成物を加熱発泡する工程からなることを特徴
    とする導電性ポリオレフィン発泡体の製造方法。
  3. 【請求項3】粉粒体混合機が高速流動形である請求項1
    又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】混練機が容器固定・水平複軸形である請求
    項1,2または3記載の方法。
  5. 【請求項5】充填剤が難燃剤である請求項1乃至4のい
    ずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】混練機中での混練時間が10〜17分間である
    請求項1乃至5のいずれかに記載の方法。
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