JP2678665B2 - ジアリールホスフィンハライドの製造法 - Google Patents
ジアリールホスフィンハライドの製造法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 イ)発明の目的 産業上の利用分野 本発明は、単独あるいはホスホニウム化合物や遷移金
属錯体に導かれ、反応試薬や触媒等の用途で広く用いら
れているアリールアルキルホスフィン等の非対称ホスフ
ィン化合物、ポリスチレンペンダントホスフィン化合
物、ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンおよびビス
(ジフェニルホスフィノ)プロパン等の2座配位型ホス
フィン化合物の原料として有用なジアリールホスフィン
ハライドの製造法に関する。
属錯体に導かれ、反応試薬や触媒等の用途で広く用いら
れているアリールアルキルホスフィン等の非対称ホスフ
ィン化合物、ポリスチレンペンダントホスフィン化合
物、ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンおよびビス
(ジフェニルホスフィノ)プロパン等の2座配位型ホス
フィン化合物の原料として有用なジアリールホスフィン
ハライドの製造法に関する。
従来の技術 ジフェニルホスフィンクロライドの合成には、三塩化
リンとベンゼンのフリーデルクラフト反応によって得ら
れるフェニルジクロルホスフィンの再分配反応がよく利
用されるが、再分配反応自体の収率が低く、70%程度で
あり、操作も煩雑である〔(ケミッシュ ベルヒテ(Ch
em.Ber)第94巻2122頁(1961年)〕。また、トリフェニ
ルホスフィンを用い、高温条件で塩素を作用させる方法
もあるが、不純物の生成も多く、一般的ではない〔オー
ガニック リアクションズ(Organic Reaction)第6巻
第321頁(1951年)〕。さらに、実験室的にはテトラ
ヒドロフラン溶媒中でトリフェニルホスフィンに金属リ
チウムを反応させた後、ホスゲンによりクロル化する方
法も簡便で有用であるが、工業的な価値に乏しい〔ケミ
カル アブストラクト(Chemical Abstruct)第57巻 2
256e〕。また、ジフェニルホスフィンハイドロオキシド
に無溶媒で、三塩化リンを作用させる方法もあるが、反
応収率は59%程度と低く、工業的規模での実用性に欠け
る〔ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー
(Journal of Organic Chemistry)第30巻 第2393頁
(1965年)〕。
リンとベンゼンのフリーデルクラフト反応によって得ら
れるフェニルジクロルホスフィンの再分配反応がよく利
用されるが、再分配反応自体の収率が低く、70%程度で
あり、操作も煩雑である〔(ケミッシュ ベルヒテ(Ch
em.Ber)第94巻2122頁(1961年)〕。また、トリフェニ
ルホスフィンを用い、高温条件で塩素を作用させる方法
もあるが、不純物の生成も多く、一般的ではない〔オー
ガニック リアクションズ(Organic Reaction)第6巻
第321頁(1951年)〕。さらに、実験室的にはテトラ
ヒドロフラン溶媒中でトリフェニルホスフィンに金属リ
チウムを反応させた後、ホスゲンによりクロル化する方
法も簡便で有用であるが、工業的な価値に乏しい〔ケミ
カル アブストラクト(Chemical Abstruct)第57巻 2
256e〕。また、ジフェニルホスフィンハイドロオキシド
に無溶媒で、三塩化リンを作用させる方法もあるが、反
応収率は59%程度と低く、工業的規模での実用性に欠け
る〔ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー
(Journal of Organic Chemistry)第30巻 第2393頁
(1965年)〕。
発明が解決しようとする課題 ジアリールホスフィンハライドの合成法は前記したよ
うに種々の方法が提案されており、工業的規模での製造
も行なわれているが、いずれも工業的規模で実施するに
は、操作性や経済性に難点がある。したがって、これに
代る有効な製造法の開発が切望されている。
うに種々の方法が提案されており、工業的規模での製造
も行なわれているが、いずれも工業的規模で実施するに
は、操作性や経済性に難点がある。したがって、これに
代る有効な製造法の開発が切望されている。
本発明は、工業的に容易な操作で目的とするジアリー
ルホスフィンハライドを高純度、高収率で得る製造法を
提供することにある。
ルホスフィンハライドを高純度、高収率で得る製造法を
提供することにある。
ロ)発明の構成 課題を解決するための手段 本発明者らは、かかる問題点を解決すべく鋭意な検討
を重ねた。その結果、工業的に極めて有利なジアリール
ホスフィンハライドの製造法を見出すに至った。すなわ
ち、本発明は、 一般式 (式中、Rは、水素原子、低級アルキル基または低級ア
ルコキシ基を示す。)で示されるジアリールホスフィン
ハイドロオキシドを、不活性溶媒で希釈した 一般式 PX3 (III) (式中、Xはハロゲン原子を示す。)で示されるハロゲ
ン化リン中に滴下して反応させることを特徴とする、 一般式 (式中、R、Xは、前記に同じ。)で示されるジアリー
ルホスフィンハライドの製造法に関する。
を重ねた。その結果、工業的に極めて有利なジアリール
ホスフィンハライドの製造法を見出すに至った。すなわ
ち、本発明は、 一般式 (式中、Rは、水素原子、低級アルキル基または低級ア
ルコキシ基を示す。)で示されるジアリールホスフィン
ハイドロオキシドを、不活性溶媒で希釈した 一般式 PX3 (III) (式中、Xはハロゲン原子を示す。)で示されるハロゲ
ン化リン中に滴下して反応させることを特徴とする、 一般式 (式中、R、Xは、前記に同じ。)で示されるジアリー
ルホスフィンハライドの製造法に関する。
本発明におけるジアリールホスフィンハライドの合成
法を反応式により次に示す。
法を反応式により次に示す。
(式中、R、Xは、前記に同じ。)以下、本発明の製造
法をさらに詳しく説明する。
法をさらに詳しく説明する。
a)式(II)化合物の合成 式(I)化合物の原料化合物である公知の式(II)の
ジアリールホスフィンハイドロオキシドは下記の反応式
に示すとおり、一般式(RO)2POHで示されるジアルキル
ホスファイトに一般式 で示されるグリニヤール試薬、もしくは一般式 で示されるリチウム試薬等の有機金属試薬を作用させる
ことによって、容易に、しかも高純度で得られる。この
式(II)化合物は、精製処理をすることなくハロゲン化
反応に供することができるため、その意義は極めて大き
い。
ジアリールホスフィンハイドロオキシドは下記の反応式
に示すとおり、一般式(RO)2POHで示されるジアルキル
ホスファイトに一般式 で示されるグリニヤール試薬、もしくは一般式 で示されるリチウム試薬等の有機金属試薬を作用させる
ことによって、容易に、しかも高純度で得られる。この
式(II)化合物は、精製処理をすることなくハロゲン化
反応に供することができるため、その意義は極めて大き
い。
(式中、Rは、水素原子、低級アルキル基または低級ア
ルコキシ基を示し、Xはハロゲン原子をす。) b)式(I)化合物の合成 式(I)化合物を得るには、こうして得た式(II)の
ジアリールホスフィンハイドロオキシドに直接、式(II
I)のハロゲン化リンを作用させればよい。式(III)の
ハロゲン原子としては、塩素、臭素が挙げられ、式(II
I)化合物としては三塩化リンや三臭化リンが好まし
い。この反応は発熱を伴なうので、発熱を円滑に制御す
るために式(II)化合物を、不活性の有機溶媒で希釈し
た式(III)化合物中に滴下して反応させることが不可
欠である。このような操作が必須条件であり、逆に式
(III)化合物を滴下した場合は、後記の比較例1のと
おり副反応を伴って、前記の従来技術のごとく収率が低
下する。
ルコキシ基を示し、Xはハロゲン原子をす。) b)式(I)化合物の合成 式(I)化合物を得るには、こうして得た式(II)の
ジアリールホスフィンハイドロオキシドに直接、式(II
I)のハロゲン化リンを作用させればよい。式(III)の
ハロゲン原子としては、塩素、臭素が挙げられ、式(II
I)化合物としては三塩化リンや三臭化リンが好まし
い。この反応は発熱を伴なうので、発熱を円滑に制御す
るために式(II)化合物を、不活性の有機溶媒で希釈し
た式(III)化合物中に滴下して反応させることが不可
欠である。このような操作が必須条件であり、逆に式
(III)化合物を滴下した場合は、後記の比較例1のと
おり副反応を伴って、前記の従来技術のごとく収率が低
下する。
ここで使用される溶媒としては、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族系、ヘキサン、ペンタン、オク
タン等の脂肪系族、ジクロロメタン、クロロホルム、ジ
クロルエタン等の不活性な有機溶媒より任意に選ぶこと
ができる。本発明のハロゲン化反応で使用される反応剤
としては、前記した三塩化リンや三臭化リンの他に五塩
化リン、オキシ塩化リン、アセチルクロライドおよびチ
オニルクロライドなどが考えられる。しかしながら五塩
化リンは錯体形成のために収率が劣り、オキシ塩化リン
は全く反応せず、アセチルクロライドは、高沸点物を異
常に生成し、目的物の収率もきわめて悪い。またチオニ
ルクロライドは、高沸点の異常生成物のみが生成する。
したがって、これらは使用しがたい。
ン、キシレン等の芳香族系、ヘキサン、ペンタン、オク
タン等の脂肪系族、ジクロロメタン、クロロホルム、ジ
クロルエタン等の不活性な有機溶媒より任意に選ぶこと
ができる。本発明のハロゲン化反応で使用される反応剤
としては、前記した三塩化リンや三臭化リンの他に五塩
化リン、オキシ塩化リン、アセチルクロライドおよびチ
オニルクロライドなどが考えられる。しかしながら五塩
化リンは錯体形成のために収率が劣り、オキシ塩化リン
は全く反応せず、アセチルクロライドは、高沸点物を異
常に生成し、目的物の収率もきわめて悪い。またチオニ
ルクロライドは、高沸点の異常生成物のみが生成する。
したがって、これらは使用しがたい。
本発明の式(II)のジアリールホスフィンハイドロオ
キシドの式(III)のハロゲン化リンによるハロゲン化
反応は、激しい発熱をともなうため、ジアリールホスフ
ィンハイドロオキシドを徐々に加えて、反応温度を制御
する必要があり、一般的には0〜100℃、好ましくは10
〜30℃程度に保つことがよい。
キシドの式(III)のハロゲン化リンによるハロゲン化
反応は、激しい発熱をともなうため、ジアリールホスフ
ィンハイドロオキシドを徐々に加えて、反応温度を制御
する必要があり、一般的には0〜100℃、好ましくは10
〜30℃程度に保つことがよい。
次に本発明のハロゲン化反応の操作例を示す。
窒素雰囲気中で0.67モル〜1.5モル倍のハロゲン化リ
ンを単独あるいは例えばベンゼン、トルエン、ヘキサン
などの溶媒に希釈して、フラスコ中に入れておき、反応
液を冷却下に撹拌しながら10〜20℃の温度に保ち、式
(II)のジアリールホスフィンハイドロオキシドを同容
量から3倍量のベンゼン、トルエン、ヘキサン等の溶媒
であらかじめ希釈して滴下する。そして反応を熟成して
完結させるために、さらに0.5〜2時間撹拌を続ける。
この時点で本反応のハロゲン化への転化率はほぼ100%
である。
ンを単独あるいは例えばベンゼン、トルエン、ヘキサン
などの溶媒に希釈して、フラスコ中に入れておき、反応
液を冷却下に撹拌しながら10〜20℃の温度に保ち、式
(II)のジアリールホスフィンハイドロオキシドを同容
量から3倍量のベンゼン、トルエン、ヘキサン等の溶媒
であらかじめ希釈して滴下する。そして反応を熟成して
完結させるために、さらに0.5〜2時間撹拌を続ける。
この時点で本反応のハロゲン化への転化率はほぼ100%
である。
反応後はそのまま溶媒を留去して減圧蒸留により、式
(I)のジアリールホスフィンハライドを得ることがで
きるが、反応溶媒を留去後、n−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、n−オクタン等を加えると、反応で生成したオイル
状のポリリン酸様物質が沈降するため、これを除去し
て、式(I)のジアリールホスフィンハライドを得るこ
ともできる。この反応では、上記以外の副生物がないた
めに、ポリリン酸様物質を除去した後、減圧下に単蒸留
することによって、ほぼ純品で式(I)のジアリールホ
スフィンハライドを得ることができる。次に実施例を示
して本発明の製造法を具体的に説明する。
(I)のジアリールホスフィンハライドを得ることがで
きるが、反応溶媒を留去後、n−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、n−オクタン等を加えると、反応で生成したオイル
状のポリリン酸様物質が沈降するため、これを除去し
て、式(I)のジアリールホスフィンハライドを得るこ
ともできる。この反応では、上記以外の副生物がないた
めに、ポリリン酸様物質を除去した後、減圧下に単蒸留
することによって、ほぼ純品で式(I)のジアリールホ
スフィンハライドを得ることができる。次に実施例を示
して本発明の製造法を具体的に説明する。
実施例1 ジフェニルホスフィンハライドの製造法 ベンゼン200mlに溶解した三塩化リン68.7g(0.5モ
ル)を窒素置換した1容量の4口フラスコに仕込み、
撹拌しながら10℃まで冷却した。この反応溶液に20〜30
℃に保ちながらベンゼン300mlに溶解したジフェニルホ
スフィンハイドロオキサイド101g(0.5モル)を滴下し
た。滴下終了後、さらに30分間撹拌して反応を完了させ
た。そして、反応液中に沈降した不溶物をデカンテーシ
ョンにより除去し、上澄みの反応液を減圧蒸留すること
によって、沸点が135〜140℃/2mmHgの留分で、目的とす
るジフェニルホスフィンクロライド104.5g(ガスクロマ
トグラフィーによる純度99.3%)を得た。この反応の収
率は、三塩化リンに対して94.0%であった。また単離し
たジフェニルホスフィンクロライドは、次に示すように
元素分析によって目的とする化合物であることを確認し
た。
ル)を窒素置換した1容量の4口フラスコに仕込み、
撹拌しながら10℃まで冷却した。この反応溶液に20〜30
℃に保ちながらベンゼン300mlに溶解したジフェニルホ
スフィンハイドロオキサイド101g(0.5モル)を滴下し
た。滴下終了後、さらに30分間撹拌して反応を完了させ
た。そして、反応液中に沈降した不溶物をデカンテーシ
ョンにより除去し、上澄みの反応液を減圧蒸留すること
によって、沸点が135〜140℃/2mmHgの留分で、目的とす
るジフェニルホスフィンクロライド104.5g(ガスクロマ
トグラフィーによる純度99.3%)を得た。この反応の収
率は、三塩化リンに対して94.0%であった。また単離し
たジフェニルホスフィンクロライドは、次に示すように
元素分析によって目的とする化合物であることを確認し
た。
分析値 C:64.4 H: 4.3 P:14.5 Cl:16.7 計算値 C:65.32 H: 4.57 P:14.04 Cl:16.07 実施例2 ビス(パラ−トリル)ホスフィンクロライド
の製造法 ベンゼン100mlに溶解した三塩化リン34.4g(0.25モ
ル)を窒素置換した500ml容量の4口フラスコに仕込
み、撹拌しながら10℃まで冷却した。この反応溶液に10
〜20℃に保ちながらトルエン150mlに溶解したビス(パ
ラ−トリル)ホスフィンハイドロオキサイド57.6g(0.2
5モル)を滴下した。滴下終了後、さらに30分間撹拌し
て反応を完了させた。実施例1と同様に不溶物を除去し
た反応液を減圧蒸留し、沸点が145〜150℃/2mmHgの留分
で目的とするビス(パラ−トリル)ホスフィンクロライ
ド57.2g(ガスクロマトグラフィーによる純度98.1%)
を得た。この反応の収率は、三塩化リンに対して90.2%
であった。またこのものの元素分析値は、次のとおりで
ある。
の製造法 ベンゼン100mlに溶解した三塩化リン34.4g(0.25モ
ル)を窒素置換した500ml容量の4口フラスコに仕込
み、撹拌しながら10℃まで冷却した。この反応溶液に10
〜20℃に保ちながらトルエン150mlに溶解したビス(パ
ラ−トリル)ホスフィンハイドロオキサイド57.6g(0.2
5モル)を滴下した。滴下終了後、さらに30分間撹拌し
て反応を完了させた。実施例1と同様に不溶物を除去し
た反応液を減圧蒸留し、沸点が145〜150℃/2mmHgの留分
で目的とするビス(パラ−トリル)ホスフィンクロライ
ド57.2g(ガスクロマトグラフィーによる純度98.1%)
を得た。この反応の収率は、三塩化リンに対して90.2%
であった。またこのものの元素分析値は、次のとおりで
ある。
元素分析値 C:67.0 H: 5.3 P:12.8 Cl:14.9 計算値 C:67.62 H: 5.67 P:12.45 Cl:14.26 実施例3 ビス(パラ−メトキシフェニル)ホスフィン
クロライドの製造法 ジクロロエタン100mlに溶解した三塩化リン34.4g(0.
25モル)を窒素置換した500ml容量の4口フラスコに仕
込み、撹拌しながら10℃まで冷却した。この反応溶液に
10〜20℃に保ちながらトルエン150mlに溶解したビス
(パラ−トリル)ホスフィンハイドロオキシド65.6g
(0.25モル)を滴下した。滴下終了後、さらに30分間撹
拌して反応を完了させた。実施例1と同様に不溶物を除
去した反応液を減圧蒸留し、沸点が185〜190℃/2mmHgの
留分で目的とするビス(パラ−メトキシフェニル)ホス
フィンクロライド63.2g(ガスクロマトグラフィーによ
る純度98.6%)を得た。この反応の収率は、三塩化リン
に対して88.8%であった。またこのものの元素分析値
は、次のとおりである。
クロライドの製造法 ジクロロエタン100mlに溶解した三塩化リン34.4g(0.
25モル)を窒素置換した500ml容量の4口フラスコに仕
込み、撹拌しながら10℃まで冷却した。この反応溶液に
10〜20℃に保ちながらトルエン150mlに溶解したビス
(パラ−トリル)ホスフィンハイドロオキシド65.6g
(0.25モル)を滴下した。滴下終了後、さらに30分間撹
拌して反応を完了させた。実施例1と同様に不溶物を除
去した反応液を減圧蒸留し、沸点が185〜190℃/2mmHgの
留分で目的とするビス(パラ−メトキシフェニル)ホス
フィンクロライド63.2g(ガスクロマトグラフィーによ
る純度98.6%)を得た。この反応の収率は、三塩化リン
に対して88.8%であった。またこのものの元素分析値
は、次のとおりである。
元素分析値 C:58.8 H: 4.6 P:11.7 Cl:13.0 計算値 C:59.91 H: 5.03 P:11.03 Cl:12.63 実施例4 ジフェニルホスフィンブロマイドの製造法 ベンゼン200mlに溶解した三臭化リン135.35g(0.5モ
ル)を窒素置換した1容量の4口フラスコに仕込み、
撹拌しながら10℃まで冷却した。反応溶液に20〜30℃に
保ちながらベンゼン300mlに溶解したジフェニルホスフ
ィンオキシド101g(0.5モル)を滴下した。滴下終了
後、さらに30分間撹拌して反応を完了させた。そして、
反応液中に沈降した不溶物をデカンテーションにより除
去し、上澄みの反応液を減圧蒸留することによって、沸
点が145〜150℃/2mmHgの留分で、目的とするジフェニル
ホスフィンブロマイド124.0g(ガスクロマトグラフィー
による純度99.1%)を得た。この反応の収率は、三臭化
リンに対して92.7%であった。また単離したジフェニル
ホスフィンブロマイドは、次に示すように元素分析によ
って目的とする化合物であることを確認した。
ル)を窒素置換した1容量の4口フラスコに仕込み、
撹拌しながら10℃まで冷却した。反応溶液に20〜30℃に
保ちながらベンゼン300mlに溶解したジフェニルホスフ
ィンオキシド101g(0.5モル)を滴下した。滴下終了
後、さらに30分間撹拌して反応を完了させた。そして、
反応液中に沈降した不溶物をデカンテーションにより除
去し、上澄みの反応液を減圧蒸留することによって、沸
点が145〜150℃/2mmHgの留分で、目的とするジフェニル
ホスフィンブロマイド124.0g(ガスクロマトグラフィー
による純度99.1%)を得た。この反応の収率は、三臭化
リンに対して92.7%であった。また単離したジフェニル
ホスフィンブロマイドは、次に示すように元素分析によ
って目的とする化合物であることを確認した。
分析値 C:53.9 H: 4.0 P:11.2 Br:30.9 計算値 C:54.37 H: 3.80 P:11.68 Br:30.14 比較製造例1 ジフェニルホスフィンクロライドの製造
法 ベンゼン300mlに溶解したジフェニルホスフィンハイ
ドロオキシド101g(0.5モル)を窒素置換した1容量
の4口フラスコに仕込み、撹拌しながら10℃まで冷却し
た。この反応溶液に20〜30℃に保ちながらベンゼン200m
lに溶解した三塩化リン68.7g(0.5モル)を滴下した。
滴下終了後、さらに30分間撹拌して反応を完了させた。
そして、反応液中に沈降した不溶物をデカンテーション
により除去し、上澄みの反応液を減圧蒸留することによ
って、沸点が135〜140℃/2mmHgの留分で、目的とするジ
フェニルホスフィンハライド74.5g(ガスクロマトグラ
フィーによる純度94.4%)を得た。この反応の収率は、
三塩化リンに対して63.7%であった。
法 ベンゼン300mlに溶解したジフェニルホスフィンハイ
ドロオキシド101g(0.5モル)を窒素置換した1容量
の4口フラスコに仕込み、撹拌しながら10℃まで冷却し
た。この反応溶液に20〜30℃に保ちながらベンゼン200m
lに溶解した三塩化リン68.7g(0.5モル)を滴下した。
滴下終了後、さらに30分間撹拌して反応を完了させた。
そして、反応液中に沈降した不溶物をデカンテーション
により除去し、上澄みの反応液を減圧蒸留することによ
って、沸点が135〜140℃/2mmHgの留分で、目的とするジ
フェニルホスフィンハライド74.5g(ガスクロマトグラ
フィーによる純度94.4%)を得た。この反応の収率は、
三塩化リンに対して63.7%であった。
ハ)発明の効果 本発明の製造法は、従来の製造法に比べて工業的規模
での実施場面で、特に操作性、収率、純度の点で勝って
いる。すなわち、本発明の方法によれば、工業薬品とし
て入手の容易な原料の式(II)の化合物を用いることが
でき、反応操作も特別の注意を払うことなく行うことご
できる。また、不純物の生成もほとんどなく、しかも精
製、単離操作が容易である。また目的とするジアリール
ホスフィンハライドを高収率、高純度で得ることができ
る。
での実施場面で、特に操作性、収率、純度の点で勝って
いる。すなわち、本発明の方法によれば、工業薬品とし
て入手の容易な原料の式(II)の化合物を用いることが
でき、反応操作も特別の注意を払うことなく行うことご
できる。また、不純物の生成もほとんどなく、しかも精
製、単離操作が容易である。また目的とするジアリール
ホスフィンハライドを高収率、高純度で得ることができ
る。
したがって本発明は、工業的規模でのジアリールホス
フィンハライドの製造法として有用である。
フィンハライドの製造法として有用である。
Claims (1)
- 【請求項1】一般式 (式中、Rは、水素原子、低級アルキル基または低級ア
ルコキシ基を示す。)で示されるジアリールホスフィン
ハイドロオキシドを、不活性溶媒で希釈した 一般式 PX3 (式中、Xはハロゲン原子を示す。)で示されるハロゲ
ン化リン中に滴下して反応させることを特徴とする、 一般式 (式中、R、Xは、前記に同じ。)で示されるジアリー
ルホスフィンハライドの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18476489A JP2678665B2 (ja) | 1989-07-19 | 1989-07-19 | ジアリールホスフィンハライドの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18476489A JP2678665B2 (ja) | 1989-07-19 | 1989-07-19 | ジアリールホスフィンハライドの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0352894A JPH0352894A (ja) | 1991-03-07 |
JP2678665B2 true JP2678665B2 (ja) | 1997-11-17 |
Family
ID=16158921
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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