JP2673987B2 - 膜の引剥し方法 - Google Patents
膜の引剥し方法Info
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Landscapes
- Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
- Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野
この発明は基板上に製膜された膜を引剥す方法及びそ
の方法で使用する治具に関する。 従来技術 近年フォトマスクやレチクル等(以下単にマスクとい
う)にマスクパターン面の保護や塵埃等の異物が付着す
るのを防止する目的でペリクルに代表される保護膜の設
置がなされつゝある。ペリクルの製法は通常、基板上に
スピンコート法等によって製膜したのちこれを剥してペ
リクル枠の一側面に張設することにより行われ、基板よ
り膜を剥離するには従来は伸びの少ない巾広の粘着テー
プを膜の周縁に井桁状に貼付し、一側より粘着テープを
摘んで手作業にて慎重に引剥していた。そして剥離後両
側の粘着テープを掴み、側端面に接着剤を塗布したペリ
クル枠に被せ貼着していたが、膜は薄いために剥離する
際、一定速度でかつ剥離方向と直交する方向の各部で均
一に剥さないと局部的に膜が伸びて破傷し易く、破れを
生じないように一定速度で均一に剥離するのは容易でな
かった。しかも膜をペリクル枠に貼着したときには膜面
に皺ができたり、局部的な引きつりや弛みが生じ易く、
膜面を平らにして波立つことのないように膜を支持して
取付けることは容易でなかった。特開昭58−196501号に
は、基板上に製膜した膜に閉リング又は枠体を接着して
剥離する方法が開示されている。 保護膜の製法として、基板上にゾル−ゲル変換が可能
な材料で分離膜を形成し、その上に更に薄膜を形成した
のち温水中に浸漬し、分離膜をゾル−ゲル変換させて薄
膜を温水中に浮上させ、次いでこれを枠により温水中か
ら掬い上げて加熱、乾燥する方法(特開昭59−182730
号)、基板上に塗膜を形成したのちこの上より接着剤を
塗布した枠を載せて接着したものを水中に浸漬して基板
と膜を分離し、次いで膜を固着した枠を水中より引上げ
乾燥する方法(特開昭60−237450号)なども提案されて
いるが、いづれも水中から回収したのちに乾燥が必要で
あるうえ膜が水溶性である場合や膜表面を水溶性物質で
表面処理したものには適用することができず、しかも水
中に浮遊する薄膜を枠によって掬い上げる前者の方法に
よる場合ことに膜面にしわができたり、弛みが生じ易
い。 発明が解決しようとする問題点 基板上に塗布された膜を剥す際には基板端面より剥す
ことが重要で、基板端面の内側より剥離しようとすると
基板と膜との間が真空状態となるため比較的強い力を要
し、空気が入って真空状態が解消されたときに急激な剥
離を生じ、その結果膜を損傷し亀裂を生じ易い。 上述の閉リング又は枠体よりなる剥離治具を用いて剥
離する場合には、接着剤を塗布して基板上の薄膜に押し
当てゝ接着するが、接着剤の接着箇所や接着剤の粘性に
よっては、剥離治具を押付けても接着剤が基板端面まで
押し拡がらないことがあり、したがってこの場合、引剥
しが基板端面の内側より行われ、上記問題が生じ易くな
る。接着剤を剥離治具の周縁寄りに塗布したり、或いは
流動性の良好な接着剤を塗布して治具を押し当てたとき
接着剤を端面にまで十分に行き渡らせるようにすること
は可能であるが、この場合、往々にして接着剤が端面に
はみ出るようになり、基板端面にくっ付いて引剥すのに
強い力を要するようになる。そのため急激な剥離を生じ
膜を損傷し易い。したがって治具を接着するに当っては
接着剤が端面際まで達し、しかもこれよりはみ出ること
のないように位置合せをして接着しなければならない
が、こうした位置合せは非常に微妙であり困難である。 本発明は上記の問題を解消し、薄膜を塗布した基板上
への治具の接着箇所が多少ずれていても薄膜を端面から
確実に剥離することができる方法を提供しようとするも
のである。 問題点の解決手段 本発明によればそのため基板上に塗布された薄膜の周
縁部における引剥がし開始箇所に接着テープを基板より
はみ出すようにして貼付し、ついで接着剤を塗布した可
撓性を有する環状枠よりなる剥離治具を接着テープにか
ゝるようにして基板に製膜された薄膜上に押し当てゝ接
着したのち接着テープ外側に突出する剥離治具の一部を
掴み、基板より引剥すことにより薄膜を基板より剥離す
る方法が提供される。 本発明において、使用される剥離治具を可撓性とした
のは、剛体で形成すると引剥すとき剥離が膜全面に亘っ
て一度で行われ、引剥しに強い力を要するため膜が破傷
し易いためであるが、治具は弾力性が大で撓み易くても
逆に弾力性が小さくて撓み難くても好ましくない。弾性
性が大で撓み易いと、ロボットを使用して治具の一部を
掴み持ち運びする際、自由端が垂れ下がって基板上の膜
にうまく載せることができず、接着箇所がずれたり、全
体をうまく接着することができなかったりし、また治具
を接着させて基板上より剥離した薄膜を次工程を枠に接
着する際、治具の撓みに伴って捩れたり弛みを生じたり
し、枠にうまく張設することができないなどハンドリン
グ悪化をもたらす。一方弾力性が少なく撓み難いと、膜
の引剥しが連続的に行えないので断続的となる傾向があ
り、そのため剥離方法と直交する方向に折り目が多数付
された膜が得られがちとなる。 本発明者は種々実験を重ねた結果、ヤング率が15、00
0〜35、000kg/cm2、曲げ特性が50〜120g/10cm程度の材
質のものが膜に傷を生じさせないでハンドリングにも適
するという結論に到達した。 ここで曲げ特性とは、第4図に示すように、内径が18
0mmφ、外径が220mmφ、両側に突出形成した耳1までの
長さ300mm、厚さ1.5mmの円環状をなす枠2において、第
5図に示すようにその一方の耳1を固定し、かつ長さ60
0mmの糸3の一端を他方の耳1に連結するとともに他端
を第6図に示すように、固定点の鉛直線上で引張り、a
点での撓みが100mmとなる張力をいう。 実施例 第1、2図に示すように、先ずガラス基板5上にスピ
ンコート法等によって製膜したニトロセルロース膜6上
の引剥がし箇所に幅20mm、長さ10〜100mmの接着テープ
7を周縁よりはみ出すようにして貼付する。ついでその
うえより第4図に示されるような枠2よりなり、接着剤
10を一面の円周上に塗布した剥離治具8の一側の耳9を
ロボット(その一部を符号11で示す)により掴んで、基
板上まで持ち運び接着剤の塗布される側を下向きにして
ニトロセルロース膜上に一方の耳9が接着テープ7より
突き出るようにして置き接着する。その後接着テープ7
より突き出る側の耳9をロボットにより掴み一定速度で
引剥す(第3図)。 本実施例による剥離を150回行ったところニトロセル
ロース膜が破れることなく剥離することのできた回数は
145回で、成功率は96.7%であった。因みに接着テープ
を使用しないで上記実施例と同様にして剥離を行ったと
ころ100回の剥離に対し成功数は25回で、成功率は25%
に過ぎなかった。 なお本実施例において、剥離治具はヤング率が15、00
0〜35、000kg/cm2、曲げ性が50〜120g/10cmの材質のも
のが使用される。これによれば剥離方向と直交する方向
に折り目の入ったニトロセルロース膜が得られることも
なく、また剥離され、四囲を治具により支持されるニト
ロセルロース膜は治具の一端が片持ばり状に支持されて
いてもほゞ平面状をなし、そのため次工程の枠に被せ張
設する際のハンドリングが容易であった。 次に上記材質以外の剥離治具を使用した比較例を以下
に示す。 比較例1. ヤング率40、000kg/cm2、曲げ特性150g/10cmの金属製
治具を用いてガラス基板上に製膜された厚さ2.65μのニ
トロセルロース膜を10mm/secの速度で引剥したところ、
膜の引剥しが連続的に行えず、断続的に引剥されるよう
な状態となり、そのため剥離方向に直角の折り目が多数
入った膜が得られた。 比較例2. ヤング率5000kg/cm2、曲げ特性20g/10cmの合成樹脂製
治具を使用したところ、治具の一方の耳を掴んでロボッ
トで持ち運びする際、自由端が垂れ下がって接着位置が
ずれたり、基板上の膜に全体をぴったりと接着できなか
ったりし、また次工程の枠へ張設するのもうまくできな
い等のハンドリング悪化をもたらした。 発明の効果 本発明によれば、剥離治具を環状で可撓性を有し、一
部を掴んで引剥せば片持ばり状に撓んで剥離するので、
剥離を徐々に行うことができ、一度に強く引剥すと破れ
易いような薄膜でも破れることなく引剥すことができる
こと、接着テープ外側に突出する治具の一部を掴んで引
剥すだけで剥離方向と直交する左右の接着箇所で剥離を
均一に行うことができ、同時に複数箇所より引剥さなく
ても各部で比較的均一に剥離することができるため膜面
に局部的な弛みや引きつりが生じにくいと、基板より剥
取られて治具に接着し、支持される膜は治具が捩れたり
撓んだりしないかぎり平面状態に維持され、皺や弛みが
生じないためハンドリングが容易であること、更には以
上の点によりロボットなど機械的手段による剥離が可能
となるため省力化はもとより作業能率も向上し、しかも
一定速度での剥離が容易に行えるようになって膜に破れ
を生じにくいこと、剥離治具を接着剤が基板端面に一致
するように正確に位置合せをして接着する必要がなく、
単に引剥し開始位置に接着された接着テープにかゝるよ
うに基板上に適当に置いて接着するだけで位置が多少ず
れていても端面からの膜引剥しが可能となり、その結果
引剥し時における膜の破傷が大巾に少なくなって歩留り
が向上することなどの効果を有する。
の方法で使用する治具に関する。 従来技術 近年フォトマスクやレチクル等(以下単にマスクとい
う)にマスクパターン面の保護や塵埃等の異物が付着す
るのを防止する目的でペリクルに代表される保護膜の設
置がなされつゝある。ペリクルの製法は通常、基板上に
スピンコート法等によって製膜したのちこれを剥してペ
リクル枠の一側面に張設することにより行われ、基板よ
り膜を剥離するには従来は伸びの少ない巾広の粘着テー
プを膜の周縁に井桁状に貼付し、一側より粘着テープを
摘んで手作業にて慎重に引剥していた。そして剥離後両
側の粘着テープを掴み、側端面に接着剤を塗布したペリ
クル枠に被せ貼着していたが、膜は薄いために剥離する
際、一定速度でかつ剥離方向と直交する方向の各部で均
一に剥さないと局部的に膜が伸びて破傷し易く、破れを
生じないように一定速度で均一に剥離するのは容易でな
かった。しかも膜をペリクル枠に貼着したときには膜面
に皺ができたり、局部的な引きつりや弛みが生じ易く、
膜面を平らにして波立つことのないように膜を支持して
取付けることは容易でなかった。特開昭58−196501号に
は、基板上に製膜した膜に閉リング又は枠体を接着して
剥離する方法が開示されている。 保護膜の製法として、基板上にゾル−ゲル変換が可能
な材料で分離膜を形成し、その上に更に薄膜を形成した
のち温水中に浸漬し、分離膜をゾル−ゲル変換させて薄
膜を温水中に浮上させ、次いでこれを枠により温水中か
ら掬い上げて加熱、乾燥する方法(特開昭59−182730
号)、基板上に塗膜を形成したのちこの上より接着剤を
塗布した枠を載せて接着したものを水中に浸漬して基板
と膜を分離し、次いで膜を固着した枠を水中より引上げ
乾燥する方法(特開昭60−237450号)なども提案されて
いるが、いづれも水中から回収したのちに乾燥が必要で
あるうえ膜が水溶性である場合や膜表面を水溶性物質で
表面処理したものには適用することができず、しかも水
中に浮遊する薄膜を枠によって掬い上げる前者の方法に
よる場合ことに膜面にしわができたり、弛みが生じ易
い。 発明が解決しようとする問題点 基板上に塗布された膜を剥す際には基板端面より剥す
ことが重要で、基板端面の内側より剥離しようとすると
基板と膜との間が真空状態となるため比較的強い力を要
し、空気が入って真空状態が解消されたときに急激な剥
離を生じ、その結果膜を損傷し亀裂を生じ易い。 上述の閉リング又は枠体よりなる剥離治具を用いて剥
離する場合には、接着剤を塗布して基板上の薄膜に押し
当てゝ接着するが、接着剤の接着箇所や接着剤の粘性に
よっては、剥離治具を押付けても接着剤が基板端面まで
押し拡がらないことがあり、したがってこの場合、引剥
しが基板端面の内側より行われ、上記問題が生じ易くな
る。接着剤を剥離治具の周縁寄りに塗布したり、或いは
流動性の良好な接着剤を塗布して治具を押し当てたとき
接着剤を端面にまで十分に行き渡らせるようにすること
は可能であるが、この場合、往々にして接着剤が端面に
はみ出るようになり、基板端面にくっ付いて引剥すのに
強い力を要するようになる。そのため急激な剥離を生じ
膜を損傷し易い。したがって治具を接着するに当っては
接着剤が端面際まで達し、しかもこれよりはみ出ること
のないように位置合せをして接着しなければならない
が、こうした位置合せは非常に微妙であり困難である。 本発明は上記の問題を解消し、薄膜を塗布した基板上
への治具の接着箇所が多少ずれていても薄膜を端面から
確実に剥離することができる方法を提供しようとするも
のである。 問題点の解決手段 本発明によればそのため基板上に塗布された薄膜の周
縁部における引剥がし開始箇所に接着テープを基板より
はみ出すようにして貼付し、ついで接着剤を塗布した可
撓性を有する環状枠よりなる剥離治具を接着テープにか
ゝるようにして基板に製膜された薄膜上に押し当てゝ接
着したのち接着テープ外側に突出する剥離治具の一部を
掴み、基板より引剥すことにより薄膜を基板より剥離す
る方法が提供される。 本発明において、使用される剥離治具を可撓性とした
のは、剛体で形成すると引剥すとき剥離が膜全面に亘っ
て一度で行われ、引剥しに強い力を要するため膜が破傷
し易いためであるが、治具は弾力性が大で撓み易くても
逆に弾力性が小さくて撓み難くても好ましくない。弾性
性が大で撓み易いと、ロボットを使用して治具の一部を
掴み持ち運びする際、自由端が垂れ下がって基板上の膜
にうまく載せることができず、接着箇所がずれたり、全
体をうまく接着することができなかったりし、また治具
を接着させて基板上より剥離した薄膜を次工程を枠に接
着する際、治具の撓みに伴って捩れたり弛みを生じたり
し、枠にうまく張設することができないなどハンドリン
グ悪化をもたらす。一方弾力性が少なく撓み難いと、膜
の引剥しが連続的に行えないので断続的となる傾向があ
り、そのため剥離方法と直交する方向に折り目が多数付
された膜が得られがちとなる。 本発明者は種々実験を重ねた結果、ヤング率が15、00
0〜35、000kg/cm2、曲げ特性が50〜120g/10cm程度の材
質のものが膜に傷を生じさせないでハンドリングにも適
するという結論に到達した。 ここで曲げ特性とは、第4図に示すように、内径が18
0mmφ、外径が220mmφ、両側に突出形成した耳1までの
長さ300mm、厚さ1.5mmの円環状をなす枠2において、第
5図に示すようにその一方の耳1を固定し、かつ長さ60
0mmの糸3の一端を他方の耳1に連結するとともに他端
を第6図に示すように、固定点の鉛直線上で引張り、a
点での撓みが100mmとなる張力をいう。 実施例 第1、2図に示すように、先ずガラス基板5上にスピ
ンコート法等によって製膜したニトロセルロース膜6上
の引剥がし箇所に幅20mm、長さ10〜100mmの接着テープ
7を周縁よりはみ出すようにして貼付する。ついでその
うえより第4図に示されるような枠2よりなり、接着剤
10を一面の円周上に塗布した剥離治具8の一側の耳9を
ロボット(その一部を符号11で示す)により掴んで、基
板上まで持ち運び接着剤の塗布される側を下向きにして
ニトロセルロース膜上に一方の耳9が接着テープ7より
突き出るようにして置き接着する。その後接着テープ7
より突き出る側の耳9をロボットにより掴み一定速度で
引剥す(第3図)。 本実施例による剥離を150回行ったところニトロセル
ロース膜が破れることなく剥離することのできた回数は
145回で、成功率は96.7%であった。因みに接着テープ
を使用しないで上記実施例と同様にして剥離を行ったと
ころ100回の剥離に対し成功数は25回で、成功率は25%
に過ぎなかった。 なお本実施例において、剥離治具はヤング率が15、00
0〜35、000kg/cm2、曲げ性が50〜120g/10cmの材質のも
のが使用される。これによれば剥離方向と直交する方向
に折り目の入ったニトロセルロース膜が得られることも
なく、また剥離され、四囲を治具により支持されるニト
ロセルロース膜は治具の一端が片持ばり状に支持されて
いてもほゞ平面状をなし、そのため次工程の枠に被せ張
設する際のハンドリングが容易であった。 次に上記材質以外の剥離治具を使用した比較例を以下
に示す。 比較例1. ヤング率40、000kg/cm2、曲げ特性150g/10cmの金属製
治具を用いてガラス基板上に製膜された厚さ2.65μのニ
トロセルロース膜を10mm/secの速度で引剥したところ、
膜の引剥しが連続的に行えず、断続的に引剥されるよう
な状態となり、そのため剥離方向に直角の折り目が多数
入った膜が得られた。 比較例2. ヤング率5000kg/cm2、曲げ特性20g/10cmの合成樹脂製
治具を使用したところ、治具の一方の耳を掴んでロボッ
トで持ち運びする際、自由端が垂れ下がって接着位置が
ずれたり、基板上の膜に全体をぴったりと接着できなか
ったりし、また次工程の枠へ張設するのもうまくできな
い等のハンドリング悪化をもたらした。 発明の効果 本発明によれば、剥離治具を環状で可撓性を有し、一
部を掴んで引剥せば片持ばり状に撓んで剥離するので、
剥離を徐々に行うことができ、一度に強く引剥すと破れ
易いような薄膜でも破れることなく引剥すことができる
こと、接着テープ外側に突出する治具の一部を掴んで引
剥すだけで剥離方向と直交する左右の接着箇所で剥離を
均一に行うことができ、同時に複数箇所より引剥さなく
ても各部で比較的均一に剥離することができるため膜面
に局部的な弛みや引きつりが生じにくいと、基板より剥
取られて治具に接着し、支持される膜は治具が捩れたり
撓んだりしないかぎり平面状態に維持され、皺や弛みが
生じないためハンドリングが容易であること、更には以
上の点によりロボットなど機械的手段による剥離が可能
となるため省力化はもとより作業能率も向上し、しかも
一定速度での剥離が容易に行えるようになって膜に破れ
を生じにくいこと、剥離治具を接着剤が基板端面に一致
するように正確に位置合せをして接着する必要がなく、
単に引剥し開始位置に接着された接着テープにかゝるよ
うに基板上に適当に置いて接着するだけで位置が多少ず
れていても端面からの膜引剥しが可能となり、その結果
引剥し時における膜の破傷が大巾に少なくなって歩留り
が向上することなどの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は製膜された基板上の膜に剥離治具を接着した平
面図、第2図は同断面図、第3図は引剥し時の断面図で
ある。第4〜6図は剥離治具の曲げ特性の試験方法を示
す図で、第4図は試験片の平面図、第5図は引張り前、
第6図は引張後の状態を示す断面図である。 5……ガラス基板、6……ニトロセルロース膜 7……接着テープ、8……剥離治具、9……耳
面図、第2図は同断面図、第3図は引剥し時の断面図で
ある。第4〜6図は剥離治具の曲げ特性の試験方法を示
す図で、第4図は試験片の平面図、第5図は引張り前、
第6図は引張後の状態を示す断面図である。 5……ガラス基板、6……ニトロセルロース膜 7……接着テープ、8……剥離治具、9……耳
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.基板に製膜された薄膜の周縁部における引剥がし開
始箇所に接着テープを基板よりはみ出すようにして貼付
し、ついで接着剤を塗布した可撓性を有する環状枠より
なる剥離治具を接着テープにかゝるようにして基板に製
膜された薄膜上に押し当てゝ接着したのち、接着テープ
外側に突出する剥離治具の一部を掴み、基板より引き剥
がすことにより薄膜を基板より剥離するようにしたこと
を特徴とする膜の引剥がし方法。 2.上記剥離治具は、ヤング率が15、000〜35、000Kg/c
m2、曲げ特性が50〜120g/10cmの環状枠よりなる特許請
求の範囲第1項記載の膜の引剥がし方法。
Priority Applications (11)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13435887A JP2673987B2 (ja) | 1987-05-28 | 1987-05-28 | 膜の引剥し方法 |
US07/197,964 US4828640A (en) | 1987-05-28 | 1988-05-24 | Method of producing films using a peeling jig |
CA000567814A CA1300857C (en) | 1987-05-28 | 1988-05-26 | Method of producing films and jig for producing the same |
AT92112828T ATE168789T1 (de) | 1987-05-28 | 1988-05-27 | Filmherstellungsverfahren und einstellvorrichtung dazu |
AT88304851T ATE96235T1 (de) | 1987-05-28 | 1988-05-27 | Filmherstellungverfahren und einstellvorrichtung dazu. |
EP88304851A EP0293239B1 (en) | 1987-05-28 | 1988-05-27 | Method of producing films and jig for producing the same |
DE3856223T DE3856223T2 (de) | 1987-05-28 | 1988-05-27 | Filmherstellungsverfahren und Einstellvorrichtung dazu |
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