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JP2645616B2 - 磁気テープ - Google Patents

磁気テープ

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Publication number
JP2645616B2
JP2645616B2 JP8626191A JP8626191A JP2645616B2 JP 2645616 B2 JP2645616 B2 JP 2645616B2 JP 8626191 A JP8626191 A JP 8626191A JP 8626191 A JP8626191 A JP 8626191A JP 2645616 B2 JP2645616 B2 JP 2645616B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
magnetic tape
tape
parts
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP8626191A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04219620A (ja
Inventor
克己 両毛
雅樹 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP8626191A priority Critical patent/JP2645616B2/ja
Publication of JPH04219620A publication Critical patent/JPH04219620A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2645616B2 publication Critical patent/JP2645616B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非磁性支持体と磁性層
及びもしくはバック層よりなる磁気テープの改良に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術とその問題点】一般にオーディオ用、ビデ
オ用、コンピュータ用(メモリーテープ)等の磁気テー
プとして、強磁性粉末を結合剤( バインダー) 中に分散
させた磁性層を非磁性支持体上に設けた磁気テープが用
いられている。近年、これらの磁気テープは高密度記録
が要求され、強磁性粉末の微粒子化、合金粉末化、高充
填化、磁気テープの超平滑表面化などにより信号/雑音
の高信号化や低雑音化が達成されている。
【0003】しかしこれらの技術をもってしてもテープ
の高出力、RF出力の平坦度を充分満足することは極め
て困難であった。この原因は記録の書き込み呼出しを行
うヘリカルスキャンヘッドがシリンダードラムを1回転
する時に、ヘッドと磁気テープとの当たり(以下、ヘッ
ド当たりと言う)が均一でなければならず、このヘッド
当たりの均一性を得る事が困難であるところに原因して
いる。この理由はヘッド当たりの不均一性の原因が明確
にされていなかったこと、また判明したようにみえても
要因の制御が極めて困難であることによる。
【0004】即ち、実際の現象を例示すれば、ヘッドス
キャンの出口側、即ち、テープ上面側で出力が乱れ、オ
シロスコープでみた出力波形(エンベロープ)が、理想
的にはヘッドスキャンにおけるテープ入口側から出口側
に渡って一様に高く維持されねばならないが、出口側で
出力が低下し、肩が丸くなってしまうという問題があっ
た。
【0005】このような問題に対処すべく、例えば、シ
リンダードラムの入口及び出口のガイドの傾斜によって
ヘッド当たりを調整しようとすると、磁気テープのエッ
ジダメージ等が起り易いという問題があった。
【0006】本発明者らは、ヘッド当たりの要因を解明
し、対策することの技術を確立し、ヘッド当たりを良化
させRF出力の平坦度を飛躍的に向上せしめ得ることに
より本発明を考案するに到った。
【0007】
【発明の目的】本発明の目的は、磁気テープのシリンダ
ードラムに搭載されたビデオヘッドのヘッド当たりを良
好にして出力波形の平坦度を良好ならしめて、アナログ
記録にあってはS/Nを、ディジタル記録にあっては、
BER(ブロックエラーレート)を良好にすることにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、サプラ
イ・リールに巻かれたヘリカルスキャン方式記録再生用
磁気テープにおいて、前記サプライ・リールより引き出
した前記磁気テープ1m当たりの反りが回転ヘッドの出口
側の方向に+0.1 〜2.0mm であることを特徴とする磁気
テープにより達成される。
【0009】本発明におけるヘリカルスキャン方式と
は、磁気テープの幅方向に斜めに磁気ヘッドがスキャン
され、かつそのヘッドのスキャン方向は常にテープの幅
方向に関し、横おき(据置き)VTRの場合、下から上
である。
【0010】本発明は、サプライリールから引き出した
時のテープの反りを上に凸となるようにテープの湾曲度
を調整することによって、前記従来の欠点を克服するこ
とができた。
【0011】即ち、テープに張力が掛けられて、張られ
た時にはむしろテープの上側即ち磁気ヘッドの出口側で
たるみが大きくなるようにすることによって、そのメカ
ニズムの詳細は不明であるが、磁気ヘッドのテープの当
たりが改善されたためか、前記エンベロープの形状を改
善することができた。
【0012】言い換えれば、本発明は、ヘリカルスキャ
ン方式の磁気テープにおいては、本来、スキャン始めの
磁気ヘッドの入口側(テープ下面)では、テープの寸度
変化の影響が大きく、その寸度変化の影響は出口側で小
さくなるという性質が有るということを見出したもので
あり、磁気ヘッドの入口側のテープの端のたるみが大き
く成らないようにして、出口側に弛みを持たせることに
より従来の欠点を克服することができた。
【0013】即ち、本発明は、前記サプライ・リールよ
り引き出した磁気テープ1m当たり、回転ヘッドの出口側
の方向に磁気テープに+0.1 〜2.0mm の反りを設けるこ
とによりヘッド当たりがよくなってRF出力の平坦度お
よびS/Nを改善したものである。
【0014】本発明が適用されるヘリカルスキャン方式
と反りとの関係を模式的に示した図を参照して更に具体
的に説明すれば、以下の通りである。サプライ・リール
から引き出され、走行され、ヘッドスキャンされるテー
プは、サプライ・リールが右か左かによって2種類あ
る。第1図において、試料の磁性層は紙面に対して上側
にあると仮定して説明する。
【0015】紙面に対し左側にサプライ・リールがある
とすれば、テープ上面からみるとテープは反時計方向で
引き出され、走行方向は、D1であり、ヘッドはテープ下
面からテープ上面にR1またはC1の方向で走行される。
【0016】一方、紙面に対し右側にサプライ・リール
があるとすれば、テープ上面からみるとテープは時計方
向で引き出され、走行方向は、D2であり、ヘッドはテー
プ下面からテープ上面にR2またはC2の方向で走行され
る。
【0017】そして、本発明における反りの値+0.1〜+
2.0mmとは、フレシュな磁気テープをD1またはD2の方向
に引き出した時の試料を平面上に自然に置き長さ1mの定
規をあて、ヘッドの出口側の方向、即ち、テープ下面と
定規から形成される空間S における定規からテープ下面
への方向の距離L の最大値L MAX を意味する。これを本
発明では、+0.1〜+2.0mmに制御するものである。一方、
同図において、反りが逆でテープ上面と定規とで空間が
出来る場合( 後述の実施例の比較例で記載) は、空間に
おける定規からテープ上面への距離の方向の最大値L を
意味し、符号を−とした。
【0018】尚、この場合、該空間S の面積は、50〜
1200mm2 が好ましく、該空間S の形状は、L MAX が1個
のみ存在する様な弓形が好ましいが、その他の形状も許
容され得る。
【0019】次に、ヘッド当たりは、通常、磁気テープ
の厚さが低下する程、悪化するので、本発明の磁気テー
プは特に、厚さの薄いものに効果的で、特に、その厚さ
が13μm以下あるいは20〜28μmであることが望ま
しい。
【0020】本発明の場合、バック層のない磁気テープ
の場合は、磁性層の厚さは、0.5〜5μmの範囲、非
磁性支持体の厚さは、4〜12.5μmの範囲が望まし
く、バック層を設けた場合は、磁性層の厚さは、0.5
〜5μmの範囲、非磁性支持体の厚さは、4〜12.5
μmの範囲、バック層の厚さは、0.1〜6μmの範囲
から選択される。
【0021】また、総厚みが20〜28μmテープの場
合は、磁性層厚さは0.5〜6μm、非磁性支持体の厚
さは14〜27μm、バック層は0〜6μmの範囲から
選択されて、この時の磁気テープの長手方向のヤング率
は600kg/mm2 以上、1500kg/mm2 以下が好まし
い。
【0022】又、ヘッド当たりを尚一層改善するため
に、磁気テープの長手方向のヤング率を700 kg/mm2
上、そして望ましくは1500kg/mm2 以下にすると良く、
バインダー組成、非磁性支持体材料等を適宜選定して調
整される。特に、非磁性支持体材料として、ポリエチレ
ンナフタレート(ポリエチレン-2,6- ナフタレン- ジカ
ルボキシレート) 、ポリアラミド、ビスマレイミド等が
好ましい。もし、該ヤング率が700 kg/mm2 未満である
とテープの腰が柔らか過ぎて一時的にS/Nは高くなる
ものの平坦度の優れる磁気テープを得ることはできな
い。
【0023】本発明は、ヘリカルスキャン方式記録が使
用されるが、アナログ記録でもディジタル記録でもよ
く、特に、本発明はヘッド当たりの影響が出易いディジ
タル記録に効果的である。
【0024】又、本発明において、磁気テープが巻かれ
るサプライ・リールの形態は、特に限定されず、例え
ば、カセットの形態でもオープンリールの形態でも良
い。本発明における反りの制御は、例えば、 塗布済
バルクのスリット時に左端と右端の張力を変更するこ
と、 塗布時に厚み調整を行い左端から右端へ或いは
右端から左端へ厚みを一定に増加すること、 塗布時
に中央部分を厚く塗布し両端へ厚みを一定に減少するこ
と、 塗布済バルクのスリット時にスリット刃をバル
ク左端から右端へ移動するかあるいは右端から左端へ移
動すること、 塗布済バルクのスリット品を巻き取る
円筒状の芯に左端と右端で径を変更すること、等の方法
があり、これらのいずれか或いは組合せにより制御する
ことができる。
【0025】本発明に使用する強磁性粉末としては、特
に、制限はなく、金属酸化物系、例えば、γ−Fe2
3 、Co含有(被着、変成、ドープ)のγ−Fe
2 3 、Fe3 4 、Co含有(被着、変成、ドープ)
のFe3 4 、FeOx、Co含有(被着、変成、ドー
プ)のFeOx(X=1.33〜1.50)、CrO2
やRn、Te、Sb、Sr、Fe、Ti、V、Mn、C
2 3 の少なくとも一種類を含むCrO2 等、合金あ
るいは金属単体系、例えば、金属分が60重量%以上で
あり、そして金属分の60重量%以上が少なくとも1種
類の強磁性金属あるいは合金(例、Fe、Co、Ni、
Fe−Co、Fe−Ni、Co−Ni、Co−Ni−F
e、Co−Ni−P、Co−Ni−Fe−B、Fe−N
i−Zn、Fe−Co−Cr )であり、該金属分の20
重量%以下の範囲内で他の成分(例、Al、Si、S、
Sc、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、Y、Mo、
Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、
W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、P
r、Nd、B、P)を含むことのある合金等、その他の
金属系、例えば、窒化鉄、あるいは合金系に少量の水、
水酸化物または酸化物を含むもの等、更に、これら系の
混合系が挙げられる。
【0026】これら強磁性粉末の粒子サイズは約0.0
05〜1μmの長さで、軸長/軸幅の比は、1/1〜5
0/1程度である。又、これらの強磁性粉末の比表面積
は、1m2 /g〜70m2 /g程度である。これらの強
磁性粉末の含水率は、0.2〜2.0wt%である。こ
れらの強磁性粉末の表面に、後に述べる分散剤、潤滑
剤、帯電防止剤等をそれぞれの目的の為に分散に先だっ
て溶剤中で含浸させて、吸着させてもよい。これらの強
磁性粉末は、1wt%以内でSr、Pb、Mn、Ni、
Cd、Cr、Al、Si、Ti、Cu、Zn等の重金属
を含む事が好ましい。これらの強磁性粉末にアルミナ等
を被着、溶融させてもよい。
【0027】また本発明に使用する強磁性粉末として
は、板状六方晶のバリウムフェライトも使用できる。バ
リウムフェライトの粒子サイズは約0.001〜1ミク
ロンの直径で厚みが直径の1/2〜1/20である。バ
リウムフェライトの比重は4〜6g/ccで、比表面積は
1m2 /g〜70m2 /gである。これらの強磁性粉末
の表面には後で述べる分散剤、潤滑剤、帯電防止剤等を
それぞれの目的の為に分散に先立って溶剤中で含浸させ
て、吸着させてもよい。
【0028】特に、本発明において、強磁性粉末として
用いられる強磁性合金粉末の製造方法の例としては、下
記の方法を挙げることができる。 (a)複合有機酸塩(主としてシュウ酸塩)を水素など
の還元性気体で還元する方法: (b)酸化鉄を水素などの還元性気体で還元してFeあ
るいはFe−Co粒子などを得る方法: (c)金属カルボニル化合物を熱分解する方法: (d)強磁性金属の水溶液に水素化ホウ素ナトリウム、
次亜リン酸塩あるいはヒドラジンなどの還元剤を添加し
て還元する方法: (e)水銀陰極を用い強磁性金属粉末を電解析出させた
のち水銀と分離する方法: (f)金属を低圧の不活性気体中で蒸発させて微粉末を
得る方法:強磁性合金粉末を使用する場合に、その形状
にとくに制限はないが通常は針状、粒状、サイコロ状、
米粒状および板状のものが使用される。この強磁性合金
粉末の比表面積(SBET )は35m2 /g以上、好まし
くは、40m2 /g以上、更に好ましくは、45m2
g以上である。
【0029】本発明の磁性層あるいは更に所望により設
けられるバック層に使用されるバインダーとしては従来
公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれ
らの混合物が使用される。
【0030】熱可塑性樹脂としては軟化温度が150℃
以下、平均分子量が10000〜300000、重合度
が約50〜2000程度のもので、例えば塩化ビニル酢
酸ビニル共重合体、塩化ビニル重合体、塩化ビニル塩化
ビニリデン共重合体、塩化ビニルアクリロニトリル共重
合体、アクリル酸エステルアクリロニトリル共重合体、
アクリル酸エステル塩化ビニリデン共重合体、アクリル
酸エステルスチレン共重合体、メタクリル酸エステルア
クリロニトリル共重合体、メタクリル酸エステル塩化ビ
ニリデン共重合体、メタクリル酸エステルスチレン共重
合体、ウレタンエラストマー、ナイロン−シリコン系樹
脂、ニトロセルロース−ポリアミド樹脂、ポリフッカビ
ニル、塩化ビニリデンアクリロニトリル共重合体、ブタ
ジエンアクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポ
リビニルブチラール、セルロース誘導体(セルロースア
セテートブチレート、セルロースダイアセテート、セル
ローストリアセテート、セルロースプロピオネート、ニ
トロセルロース、エチルセルロース、メチルセルロー
ス、プロピルセルロース、メチルエチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、アセチルセルロース等)、
スチレンブタジエン共重合体、ポリエステル樹脂、クロ
ロビニルエーテルアクリル酸エステル共重合体、アミノ
樹脂、各種の合成ゴム系の熱可塑性樹脂及びこれらの混
合物等が使用される。
【0031】熱硬化性樹脂又は反応型樹脂としては塗布
液の状態では200000以下の分子量であり、塗布、
乾燥後に加熱することにより、縮合、付加等の反応によ
り分子量は無限大のものとなる。又、これらの樹脂のな
かで、樹脂が熱分解するまでの間に軟化又は溶融しない
ものが好ましい。具体的には例えばフェノール樹脂、フ
ェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコ
ン樹脂、アクリル系反応樹脂、エポキシ−ポリアミド樹
脂、ニトロセルロースメラミン樹脂、高分子量ポリエス
テル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、メタ
クリル酸塩共重合体とジイソシアネートプレポリマーの
混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネート
との混合物、尿素ホルムアルデヒド樹脂、低分子量グリ
コール/高分子量ジオール/トリフェニルメタントリイ
ソシアネートの混合物、ポリアミン樹脂、ポリイミン樹
脂及びこれらの混合物等である。
【0032】これらの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反
応型樹脂は、主たる官能基以外に官能基としてカルボン
酸、スルフィン酸、スルフェン酸、スルホン酸、燐酸、
硫酸、ホスホン、ホスフィン、ホウ酸、硫酸エステル
基、燐酸エステル基、これらのアルキルエステル基等の
酸性基(これらの酸性基は、Na塩などの形でもよ
い);アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコ
ールの硫酸または燐酸エステル類、アルキルベタイン型
等の両性類基、アミノ基、イミノ基、イミド基、アミド
基、エポキシ基、等また、水酸基、アルコキシル基、チ
オール基、ハロゲン基、シリル基、シロキサン基を通常
1種以上6種以内含み、各々の官能基は樹脂1gあたり
1×10-6eq〜1×10-2eq含む事が好ましい。
【0033】これらの結合剤の単独又は組合わされたも
のが使われ、ほかに添加剤が加えられる。磁性層の強磁
性粉末と結合剤との混合割合は重量比で強磁性粉末10
0重量部に対して結合剤5〜300重量部の範囲で使用
される。バック層の粉末と結合剤の混合割合は重量比で
粉末100重量部に対して結合剤30〜300重量部の
範囲で使用される。添加剤は分散剤、潤滑剤、研磨剤、
帯電防止剤、酸化防止剤、溶剤等がくわえられる。
【0034】本発明にもちいるポリイソシアネートとし
ては、イソシアネート基を1分子中に2以上有する化合
物であれば、特に限定されることはなく、例示すれば、
トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5
−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタン
トリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の
イソシアネート類、又当該イソシアネート類とポリアル
コールとの生成物、又イソシアネート類の縮合に依って
生成した2〜15量体のポリイソシアネート等を使用す
ることができる。これらポリイソシアネート類の平均分
子量は、100〜20000のものが好適である。これ
らポリイソシアネート化合物の市販されている商品名と
しては、コロネートL、コロネートHL、コロネート2
030、コロネート2031、ミリオネートMR、ミリ
オネートMTL (日本ポリウレタン(株)、タケネー
トD−102、タケネートD−110N、タケネートD
−200、タケネートD−202、タケネート300
S、タケネート500(武田薬品(株)製)、スミジュ
ールT−80、スミジュール44S、スミジュールP
F、スミジュールL、スミジュールN、デスモジュール
L、デスモジュールIL、デスモジュールN、デスモジ
ュールHL、デスモジュールT65、デスモジュール1
5、デスモジュールR、デスモジュールRF、デスモジ
ュールSL、デスモジュールZ4273(住友バイエル
社製)等があり、これらを単独若しくは硬化反応性の差
を利用して二つ若しくはそれ以上の組み合わせによって
使用することができる。又、硬化反応を促進する目的
で、水酸基(ブタンジオール、ヘキサンジオール、分子
量が1000〜10000のポリウレタン、水 等)、
アミノ基(モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメ
チルアミン等)を有する化合物や金属酸化物の触媒を併
用する事も出来る。これらの水酸基やアミノ基を有する
化合物は多官能である事が望ましい。これらのポリイソ
シアネートはバインダー総量の5〜40wt%で用いる
ことが好ましい。
【0035】本発明に使用する分散剤としては、カプリ
ル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミ
チン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エライ
ジン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアロール酸等の
炭素数10〜26個の脂肪酸(R1 COOH、R1 は炭
素数9〜25個のアルキル基)、前記の脂肪酸のアルカ
リ金属(Li、Na、K等)またはアルカリ土類金属
(Mg、Ca、Ba等)、NH4 + 、Cu、Pb等から
成る金属石鹸、上記脂肪酸の脂肪酸アミド;レシチン等
が使用される。この他に炭素数4以上の高級アルコール
(ブタノール、オクチルアルコール、ミリスチルアルコ
ール、ステアリルアルコール)及びこれらの硫酸エステ
ル、燐酸エステル、アミン化合物等も使用可能である。
また、ポリアルキレンオキサイド及びこれらの硫酸エス
テル、燐酸エステル、アミン化合物等やスルホ琥珀酸、
スルホ琥珀酸エステル等も使用可能である。これらの化
合物にはバインダーとの相溶性や特性を変えることから
Si、Fの置換基を導入することも可能である。これら
の分散剤は通常一種類以上で用いられ、一種類の分散剤
は結合剤100重量部に対して0.005〜20重量部
の範囲で添加される。これら分散剤の使用方法は、強磁
性粉末や非磁性粉末の表面に予め被着させても良く、ま
た分散途中で添加してもよい。このようなものは、例え
ば特公昭39−28369号、特公昭44−17945
号、特公昭48−15001号、米国特許338799
3号、同3470021号等に於いて示されている。
【0036】このほかに分散剤として好ましい化合物と
しては、カルボン酸、燐酸エステル等の界面活性剤やフ
ッ素系界面活性剤フロラードFC95、FC129、F
C430、FC431を用いる事ができる。
【0037】本発明の磁性層及び/またはバック層に使
用される潤滑剤、酸化防止剤としては、二硫化モリブデ
ン、窒化硼酸、弗化黒鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、酸化硅素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、二硫化
タングステン等の無機微粉末、アクリルスチレン系樹脂
微粉末、ベンゾグアナミン系樹脂微粉末、メラミン系樹
脂微粉末、ポリオレフィン系樹脂微粉末、ポリエステル
系樹脂微粉末、ポリアミド系樹脂微粉末、ポリイミド系
樹脂微粉末、ポリ弗化エチレン系樹脂微粉末等の樹脂微
粉末、シリコンオイル、脂肪酸変性シリコンオイル、グ
ラファイト、弗化アルコール、ポリオレフィン(ポリエ
チレンワックス等)、ポリグリコール(ポリエチレンオ
キシドワックス等)、テトラフルオロエチレンオキシド
ワックス、天然ワックス(ろう、モンタンロウ等)、油
脂(鯨油、トリグリセリド等)、ポリテトラフルオログ
リコール、パーフルオロ脂肪酸、パーフルオロ脂肪酸エ
ステル、パーフルオロアルキル硫酸エステル、パーフル
オロアルキル燐酸エステル、アルキル燐酸エステル、ポ
リフェニルエーテル、炭素数10〜40の分岐もしくは
直鎖の一塩基性脂肪酸と炭素数3〜40個の分岐もしく
は直鎖の一価のアルコールもしくは二価のアルコール、
三価のアルコール、四価のアルコール、六価のアルコー
ルのいずれか1つもしくは2つ以上とから成る脂肪酸エ
ステル類、炭素数10個以上の一塩基性脂肪酸と該脂肪
酸の炭素数と合計して炭素数が11〜28個と成る一価
〜六価のアルコールから成る脂肪酸エステル類等の有機
化合物潤滑剤が使用できる。又、炭素数8〜22の脂肪
酸或いは脂肪酸アミド、脂肪族アルコールも使用でき
る。これら有機化合物潤滑剤の具体的な例としては、カ
プリル酸ブチル、カプリル酸オクチル、ラウリン酸エチ
ル、ラウリン酸ブチル、ラウリン酸オクチル、ミリスチ
ン酸エチル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチ酸オクチ
ル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸ブチル、パルミ
チン酸オクチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸ブ
チル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミル、ア
ンヒドロソルビタンモノステアレート、アンヒドロソル
ビタンジステアレート、アンヒドロソルビタントリステ
アレート、アンヒドロソルビタンテトラステアレート、
アンヒドロソルビタンエチレンオキシドモノステアレー
ト、オレイルオレート、オレイルアルコール、ラウリル
アルコール、カルナウバワックス、密ロウ等が有り単独
若しくは組合わせ使用出来る。また本発明に使用される
潤滑剤としては所謂潤滑油添加剤も単独若しくは組合わ
せで使用出来、酸化防止剤(アルキルフェノール等)、
錆どめ剤(ナフテン酸、アルケニルコハク酸、ジラウリ
ルフォスフェート等)、油性剤(ナタネ油、ラウリルア
ルコール等)、極圧剤(ジベンジルスルフィド、トリク
レジルフォスフェート、トリブチルホスファイト等)、
清浄分散剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、泡どめ剤
等がある。これらの潤滑剤は結合剤100重量部に対し
て0.05〜20重量部の範囲で添加される。
【0038】また、酸化防止剤としてはベンゾトリアジ
ン、ベンゾチアゾール、ベンゾジアジン、EDTA等の
複素環化合物、複素化合物を用いる事ができる。 本発
明に用いる帯電防止剤としてはグラファイト、カーボン
ブラック、カーボンブラックグラフトポリマー、酸化錫
−酸化アンチモン、酸化錫、酸化チタン−酸化錫−酸化
アンチモン、等の導電性粉末;サポニン等の天然界面活
性剤;アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシ
ドール系、多価アルコール、多価アルコールエステル、
アルキルフェノールEO付加体等のノニオン界面活性
剤;高級アルキルアミン類、環状アミン、ヒダントイン
誘導体、アミドアミン、エステルアミド、第四級アンモ
ニウム塩類、ピリジンそのほかの複素環類、ホスホニウ
ムまたはスルホニウム類、等のカチオン界面活性剤;カ
ルボン酸、スルホン酸、燐酸、硫酸エステル基、燐酸エ
ステル基などの酸性基を含むアニオン界面活性剤;アミ
ノ酸類;アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸
または燐酸エステル類、アルキルベタイン型等の両性界
面活性剤等が使用される。これらの界面活性剤は単独ま
たは混合して添加しても良い。また、これらの界面活性
剤は磁気記録媒体の表面に1mg/m2 〜550mg/
2 オーバーコートしても良い。磁気記録媒体におけ
る、これらの界面活性剤の使用量は、強磁性粉末100
重量部当たり0.01〜10重量部である。これらは帯
電防止剤として用いられるものであるが、時としてその
ほかの目的、例えば分散、磁気特性の改良、潤滑性の改
良、塗布助剤として適用される場合もある。
【0039】本発明に使用されるカーボンブラックとし
てはゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラ
ック等を挙げることができる。カーボンブラックの米国
における略称の具体例をしめすと、SAF 、ISAF、IISAF
、T 、HAF 、SPF 、FF、FEF 、HMF 、GPF 、APF 、SRF
、MPF 、ECF 、CF、FT、MT 、HCC 、MCF 、LFF 、RCF
等があり、米国のASTM規格のD-1765-82aに分類されて
いるものを使用することができる。本発明に使用される
これらカーボンブラックの平均粒子サイズは5 〜1000nm
( 電子顕微鏡) 、窒素吸着法比表面積は1〜1500m2
g、pHは2 〜13(JIS規格K-6221-1982 法) 、ジブチルフ
タレート(DBP) 給油量は5 〜2000mL(ミリリットル)
/100g(JIS 規格K-6221-1982 法) である。本発明に使用
されるカーボンブラックの含水率は0.00〜20wt% であ
る。本発明に使用されるカーボンブラックのサイズは、
塗布膜の表面電気抵抗を下げる目的で5 〜100nm のカー
ボンブラックを、また塗布膜の強度を制御するときに50
〜1000nmのカーボンブラックを使用することができる。
また塗布膜の表面粗さを制御する目的でスペーシングロ
ス減少のための平滑化のためにより微粒子のカーボンブ
ラック(100nm以下) を、粗面化して摩擦係数を下げる目
的で粗粒子のカーボンブラック(50nm 以上) 用いること
ができる。このようにカーボンブラックの種類と添加量
は磁気記録媒体に要求される目的に応じて使い分けられ
る。
【0040】また、これらのカーボンブラックを、後述
の分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して
使用してもよい。また、カーボンブラックを製造すると
きの炉の温度を2000℃以上で処理して表面の一部をグラ
ファイト化したものも使用できる。また、特殊なカーボ
ンブラックとして中空カーボンブラックを使用すること
もできる。
【0041】これらのカーボンブラックは磁性層の場
合、強磁性粉末100 重量部に対して0.1 〜20重量部で用
いることが望ましく、また、バック層の場合は、バック
層真上に存在する同一塗布面積の強磁性粉末重量に対し
0.05〜20% の範囲、バック層バインダー重量に対
し30〜250% の範囲が望ましい。
【0042】本発明に使用できるカーボンブラックは、
例えば、『カーボンブラック便覧』、カーボンブラック
協会編(昭和46年発行) を参考にすることができる。本
発明においては、バック層及び/または磁性層には研磨
剤を使用することができる。本発明に用いる研磨剤とし
ては一般に使用される研磨作用若しくは琢磨作用をもつ
材料で、熔融アルミナ、α−アルミナ、γ−アルミナ、
α,γ,δ−アルミナ、炭化硅素、酸化クロム、酸化セ
リウム、コランダム、人造ダイヤモンド、α−酸化鉄、
ザクロ石、エメリー(主成分:コランダムと磁鉄鉱)、
ガーネット、硅石、窒化硅素、窒化硼素、炭化モリブデ
ン、炭化硼素、炭化タングステン、チタンカーバイド、
クオーツ、トリポリ、珪藻土、ドロマイト等で、主とし
てモース硬度6以上より好ましくはモース硬度8以上の
材料が1内至4種迄の組合わせで使用される、これらの
研磨剤は平均粒子サイズが0.005〜5ミクロンの大
きさのものが使用され、特に好ましくは0.01〜2ミ
クロンである。これらの研磨剤は結合剤100重量部に
対して0.01〜20重量部の範囲で添加される。
【0043】本発明の分散、混練、塗布の際に使用する
有機溶媒としては、任意の比率でアセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン、イソホロン、テトラヒドロフラン等のケトン系;メ
タノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イ
ソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチル
シクロヘキサノールなどのアルコール系;酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプ
ロピル、乳酸エチル、酢酸グリコールモノエチルエーテ
ル等のエステル系;ジエチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエ
チルエーテル、ジオキサンなどのエーテル系;ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼ
ン、スチレンなどのタール系(芳香族炭化水素);メチ
レンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、ク
ロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼ
ン等の塩素化炭化水素、N,N−ジメチルホルムアルデ
ヒド、ヘキサン等のものが使用できる。
【0044】分散、混練の方法には特に制限はなく、ま
た各成分の添加順序などは上記本発明に反しない範囲で
適宜設定することができる。磁性塗料およびバック層塗
料の調製には通常の混練機、例えば、二本ロールミル、
三本ロールミル、ボールミル、ペブルミル、トロンミ
ル、サンドグラインダー、ゼグバリ(Szegvar
i)、アトライター、高速インペラー、分散機、高速ス
トーンミル、高速度衝撃ミル、ディスパー、ニーダー、
高速ミキサー、リボンブレンダー、コニーダー、インテ
ンシブミキサー、タンブラー、ブレンダー、ディスパー
ザー、ホモジナイザー、単軸スクリュー押し出し機、二
軸スクリュー押し出し機、及び超音波分散機などを用い
ることができる。混練分散に関する技術の詳細は、T.
C.PATTON著(テー.シー.パットン)“ Paint
Flow and Pigment Dispersion" (ペイント フロー
アンドピグメント ディスパージョン)1964年John
Wiley & Sons 社発行(ジョン ウイリー アンド サ
ンズ)や田中信一著「工業材料」25巻37(197
7)などや当該書籍の引用文献に記載されており、連続
処理の為これらの混練分散機を適宜組み合わせ混練、分
散、混合、送液し塗布する。また、米国特許第2581
414号及び同第2855156号などの明細書にも記
載がある。本発明においても上記の書籍や当該書籍の引
用文献などに記載された方法に準じて混練分散を行い磁
性塗料およびバック層塗料を調製することができる。磁
性層の形成は上記の組成などを本発明に反しない範囲で
任意に組合せて有機溶媒に溶解し、本発明に使用する磁
性層塗布液を調製して支持体上に塗布・乾燥する。支持
体の厚みは、2.5〜100ミクロン程度、好ましくは
4〜27ミクロン程度が良い。
【0045】素材としてはポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類、ポ
リプロピレン、ポリエチレン等ポリオレフィン類、セル
ローストリアセテート、セルロースダイアセテート等の
セルロース誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン等のビニル系樹脂類、ポリカーボネート、ポリアミ
ド、ポリスルホン等のブラスチックのほかにアルミニウ
ム、銅等の金属、ガラス等のセラミックス等も使用出来
る。これらの支持体は塗布に先立って、コロナ放電処
理、プラズマ処理、下塗処理、熱処理、除塵埃処理、金
属蒸着処理、アルカリ処理をおこなってもよい。これら
支持体に関しては例えば西独特許3338854A、特
開昭59−116926号、米国特許4388368
号;三石幸夫著、「繊維と工業」31巻 p50〜5
5、1975年などに記載されている。
【0046】支持体上へ前記の磁性層及び/またはバッ
ク層を塗布する方法としてはエアードクターコート、ブ
レードコート、エアナイフコート、スクイズコート、含
浸コート、リバースロールコート、トランスファーロー
ルコート、グラビアコート、キスコート、キャストコー
ト、スプレイコート、バーコート、スピンコート等が利
用出来、その他の方法も可能であり、これらの具体的説
明は浅倉書店発行の「コーテイング工業」253頁〜2
77頁(昭和46.3.20.発行)に詳細に記載され
ている。
【0047】このような方法により、支持体上に塗布さ
れた磁性層は必要により層中の強磁性粉末を直ちに乾燥
しながら所望の方向へ配向させる処理を施したのち、形
成した磁性層を乾燥する。このときの支持体の搬送速度
は、通常10m/分〜1000m/分でおこなわれ、乾燥温度
が20℃〜130℃で制御される。又必要により表面平
滑化加工を施したり、所望の形状に裁断したりして、本
発明の磁気テープを製造する。これらの製造方法はフイ
ラーの表面処理、混練・分散、塗布、熱処理、カレンダ
ー、放射線照射(EB)処理、表面研磨処理、裁断の工
程を連続して行う事が好ましい。また必要に応じて幾つ
かに工程を分ける事ができる。
【0048】このように作成した磁気記録媒体を裁断し
た後、所望のプラスチックや金属のリールに巻き取る。
巻き取る直前ないしはそれ以前の工程において、磁気記
録媒体(磁性層、バック層、エッジ端面、ベース面)を
バーニッシュおよび/またはクリーニングを行うことが
望ましい。バーニッシュは磁気記録媒体を具体的にサフ
ァイア刃、剃刀刃、超硬材料刃、ダイヤモンド刃、セラ
ミックス刃のような硬い材料により磁気記録媒体表面の
突起部分をそぎおとし平滑にする。これら材料のモース
硬度は8以上が好ましいが、特に制限はなく突起を除去
できるものであれば良い。これら材料の形状は特に、刃
である必要はなく、角型、丸型、ホイール(回転する円
筒形状の周囲にこれらの材質を付与しても良い)のよう
な形状でも使用できる。また、磁気記録媒体のクリーニ
ングは、磁気記録媒体表面の汚れや余分な潤滑剤を除去
する目的で磁気記録媒体表層を不織布などで磁性層面、
バック層面、エッジ端面、バック側のベース面をワイピ
ングすることにより行う。このようなワイピングの材料
としては、例えば、日本バイリーン製の各種バイリーン
や東レ製のトレシー、エクセーヌ、商品名キムワイプ、
富士写真フィルム製各種研磨テープ、また不織布はナイ
ロン製不織布、ポリエステル製不織布、レーヨン製不織
布、アクリロニトリル製不織布、混紡不織布など、ティ
ッシュペーパー等が使用できる。これらは例えば特公昭
46-39309号、特公昭58-46768号、特開昭56-90429号、特
公昭58-46767号、特開昭63-259830 号、特開平1-201824
号等にも記載されている。
【0049】これらの工程においては、温度、湿度が制
御され、温度は10℃〜130゜、湿度は空気中の水分
量で表すと、5g/kg乾燥空気〜20g/kg乾燥空
気である。これらは、例えば、特公昭40−23625
号公報、特公昭39−28368号公報、米日特許第3
473960号明細書、等にしめされている。又、特公
昭41−13181号公報にしめされる方法はこの分野
における基本的、且つ重要な技術と考えられている。
【0050】又、本発明は、磁性層、バック層が多層構
造の場合も包含され、この場合、各層の塗布液は、本発
明に従うように各々調製されるが、塗布法としては各塗
布液を湿潤状態重畳して塗布するいわゆるウエットオン
ウエット塗布方式が好ましい。
【0051】ウエットオンウエット方式としては特開昭
61−139929号公報に記載の塗布方法を用いるこ
とができる。
【0052】
【発明の効果】本発明は、回転ヘッドの出口側の方向に
+0.1 〜+2.0mm の反りを設けたためヘリカルスキャン
方式を採用するとヘッドと磁気テープとの密着性、即
ち、ヘッド当たりが大幅に改善され、スペーシングロス
が極力小さくなるためRF出力の平坦度およびS/Nが
顕著に改善される。
【0053】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に具体的に説
明する。ここに示す成分、割合、操作順序等は本発明の
精神から逸脱しない範囲において変更しうるものである
ことは本業界に携わるものにとっては容易に理解される
ことである。
【0054】従って、本発明は下記の実施例に制限され
るべきではない。尚、実施例及び比較例中の部は重量部
をしめす。 〔実施例1〕下記磁性層組成物の〔A〕をニーダーに入
れ充分混練した後、〔B〕を追加投入し、充分混練し、
塗布前に〔C〕を入れ混合分散して磁性塗料を作成し
た。 磁性層組成物 〔A〕Co含有γ−Fe2 3 粉末 100部 (窒素吸着比表面積35m2 /g、Fe2+=7atom% 、粉末Hc=700 Oe ) 塩化ビニル酢酸ビニル樹脂(400×110A、日本ゼオン社製) 12部 ポリウレタン樹脂(クリスボン7209、大日本インキ社製) 5部 カーボンブラック( コンダクテックスSC、コロンビアン社製) 6部 研磨剤: α−Al2 3 (住友化学社製、HIT50) 8部 塩化ビニル酢酸ビニル樹脂 5部 酢酸ブチル 90部 〔B〕ポリウレタン樹脂(クリスボン7209、大日本インキ社製) 3部 酢酸ブチル 260部 ステアリン酸イソヘプチル 2部 〔C〕ポリイソイアネート(コロネート3040、日本ポリウレタン社製) 8部 ステアリン酸 1部 オレイン酸 1部 酢酸ブチル 100部 この磁性層塗布液を粘度調整した後、厚さ19μmのポ
リエチレンテレフタレート(PET) 上に乾燥膜厚が、5.0
μmで塗布し、塗布幅方向に30nm/10cm の厚み差をつけ
て塗布し、その儘3000ガウスの磁石で磁場配向した後乾
燥し、引き続きカレンダーをかけて磁性層を作成した。
引き続き磁性層を設けた非磁性支持体の裏側に、下記バ
ック組成物〔D〕をボールミルで混練分散し、続いて
〔E〕を加えて混合攪拌してバック液を調整し、乾燥厚
み2.0 μm、塗布幅方向にXμm/10cm の厚み差(表1
記載)をつけて塗布してバック層を設けた。厚め方向
は、磁性層、バック層とも同じである。
【0055】 バック層塗布液 〔D〕カーボンブラック 15部 ( レーベンMTP 、窒素吸着比表面積:10 m2 /g、平均粒子サイズ250 nm、キャボット社製) カーボンブラック 15部 ( バルカンXC72、平均粒子サイズ 30 nm、キャボット社製) ポリウレタンポリカーボネート樹脂(FJ2、大日精化社製) 40部 フェノキシ樹脂(PKHH 、ユニオンカーバイド社製) 15部 オレイン酸銅 0.1部 メチルエチルケトン 700部 シクロヘキサノン 300部 〔E〕ポリイソイアネート (コロネート3040、日本ポリウレタン社製)8部 潤滑剤(シリコーン、KF69、信越化学社製) 0.1部 潤滑剤(オレイン酸) 1部 メチルエチルケトン 100部 この後、3/4インチ幅にスリットして、ビデオ・テー
プを製造した。 〔実施例2〜3、比較例1〜4〕実施例1において、幅
方向の厚み差Xを代えてテープを作成し、他は実施例1
と同様にサンプルを作成した。
【0056】〔比較例5〕実施例1において、磁性層塗
布液に水を添加し、塗布液の含水率を0.1 wt%から
0.6 wt%とし実施例1と同様にサンプルを作成した。
このサンプルの反りは3mmで、テープヤング率は400 あ
った。
【0057】得られた上記実施例1〜3、比較例1〜5
のサンプルのテープヤング率、RF出力差、Y S/N
を評価し、その結果も合わせて表1に示した。 〔評価方法〕反り:室温(23℃、50%RH)におい
て、磁気テープを1m切り取り直線を書いた定盤の上に
両端を直線にあわせて置き、中央部分のL MAX を顕微鏡
で読み取った。符号の意味は上記した通りである。
【0058】テープヤング率:動的粘弾性測定装置を用
い、テープ厚みの各測定値から、換算して求めた。この
方法はテープの一端から振動を印加し、他の端に伝播す
る振動を測定するものであり、kg/mm2 で示した。
【0059】RF出力差 :BVU−800Pソニー
社製装置にてVTR記録後再生した時のRF波形をオシ
ロスコープに表示させRF出力の最大値と最小値の差を
dBで示した。
【0060】Y S/N :上記装置にてVTR記録
後再生した時のY S/Nを測定しdBで示した。 本発明の磁気記録媒体は、表1の実施例のから明らか
のように、RF出力差、Y S/Nに優れた特性を示し
ている。比較例1〜4の場合は、反りの大きさにより、
RF出力の平坦度が阻害されていると考えられ磁気記録
媒体として不適切であることが認められる。比較例5か
らテープヤング率が低下するとRF出力差が生じてくる
ことがわかる。Y S/Nの低下は水を添加した事によ
り磁性層の平滑が失われたためと思われる。
【0061】〔実施例4〜6〕下記磁性層組成物の
〔F〕をニーダーに入れ充分混練した後、〔G〕を追加
投入し、充分混練し、塗布前に〔H〕を入れ混合分散し
て磁性塗料を作成した。 磁性層組成物 〔F〕強磁性金属粉末(Fe−Ni−Co) 100部 (窒素吸着比表面積60m2 /g、粉末Hc:1700 Oe) 塩化ビニル酢酸ビニル樹脂(MR110、日本ゼオン社製) 8部 塩化ビニル酢酸ビニル樹脂(400X、日本ゼオン社製) 4部 ポリウレタン樹脂(UR8600、東洋紡) 5部 カーボンブラック(コンダクテックス975 、コロンビアン社製)3部 カーボンブラック(HS100、デンカ社製) 0.2部 研磨剤: α−Al2 3 (住友化学社製、HIT100) 4部 研磨剤: 酸化クロム(日本化学工業、S1) 2部 酢酸ブチル 90部 〔G〕ポリウレタン樹脂(クリスボン7209、大日本インキ社製) 3部 酢酸ブチル 260部 ステアリン酸イソヘプチル:ステアリン酸ブチル:オレイン酸オレート (1:1:1) 2部 〔H〕ポリイソイアネート(コロネート3040、日本ポリウレタン社製) 8部 パルミチン酸:ステアリン酸ブチル:ベヘン酸(1:1:1) 1部 オレイン酸 0.5部 酢酸ブチル 100部 この磁性塗料を粘度調整した後、厚さ6μmの非磁性
支持体のポリエチレンナフタレート(PEN) 上に乾燥膜厚
4.0μm、塗布幅方向に0.03μm/10cmの厚
み差をつけて塗布し、その儘3000ガウスの磁石で磁場配
向した後乾燥し、引き続きカレンダーをかけて磁性層を
作成した。引き続き磁性層を設けた非磁性支持体の裏面
側に、下記バック組成物〔I〕をボールミルで混練分散
し、続いて〔J〕を加えて混合攪拌してバック液を調整
し、乾燥厚み0.4μm、塗布幅方向にXμm/10cm の
厚み差(表2記載)をつけて塗布してバック層を設け
た。厚め方向は、磁性層、バック層とも同じである。
【0062】 バック層塗布液 〔I〕カーボンブラック 5部 (レーベンMTP 、平均粒子サイズ250mμ、キャボット社製) カーボンブラック 95部 (BP1100、平均粒子サイズ15mμ、キャボット社製) ポリウレタンポリカーボネート樹脂(FJ2、大日精化社製) 60部 フェノキシ樹脂(PKHH 、ユニオンカーバイド社製) 10部 ニトロセルロース樹脂(FM200、ダイセル工業社製) 5部 オレイン酸銅 0.1部 メチルエチルケトン 700部 シクロヘキサノン 300部 〔J〕ポリイソイアネート (コロネート3040、日本ポリウレタン社製)8部 潤滑剤(シリコーン、KF69、信越化学社製) 0.1部 潤滑剤(オレイン酸) 0.1部 メチルエチルケトン 100部 この後、1/2インチ幅にスリットして、ビデオ・テー
プを製造した。 〔比較例6〜9〕実施例4において、幅方向厚み差の無
い場合等のテープを作製し、他は実施例4と同様にサン
プルを作成した。
【0063】〔比較例10〕実施例4において、非磁性
支持体を6μmのテンシライズドポリエチレンテレフタ
レートとし実施例4と同様にサンプルを作製した。
【0064】〔比較例11〕実施例4において、非磁性
支持体を10μmのテンシライズドポリエチレンテレフ
タレートとし実施例4と同様にサンプルを作製した。
【0065】上記サンプルを下記方法にて評価し、その
結果を表2に示した。 〔評価方法〕反り:室温(23℃、50%RH)におい
て、磁気テープを1m切り取り直線を書いた定盤の上に
両端を直線にあわせて置き、中央部分の直線から離れた
間隔を顕微鏡で読み取った。サプライリールフランジ上
側に凸を+湾曲(mm)、下側に凸を−湾曲(mm)と
した。
【0066】出力波形:デジタルVTR記録後再生した
時の出力波形をオシロスコープに表示させエンベロープ
の最大値と最小値の差をdBで示した。エラーレート:
VTR記録後再生した時のエラーレートを測定し示し
た。 本発明の磁気記録媒体は表2の実施例から明らかなよ
うに、出力波形、ブロックエラーレートに優れた特性を
示している。比較例6〜10の場合はテープの反りによ
り出力波形の平坦度が阻害されていると考えられる磁気
記録媒体として不適切であり、またブロックエラーレー
トとも不適当と認められる。比較例11から厚手ベース
を用いると出力波形、ブロックエラーレートは若干劣る
が、厚みによる障害は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に適用されるヘリカルスキャン方式記録
と反りとの関係を説明するための模式的な図である。
【符号の説明】
D1 テープ走行方向 D2 テープ走行方向 R1 ヘッドの走行方向 R2 ヘッドの走行方向 C1 ヘッドの走行方向 C2 ヘッドの走行方向

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サプライ・リールに巻かれたヘリカルス
    キャン方式記録再生用磁気テープにおいて、前記サプラ
    イ・リールより引き出した前記磁気テープ1m当たりの反
    りが回転ヘッドの出口側の方向に+0.1 〜2.0mm である
    ことを特徴とする磁気テープ。
  2. 【請求項2】 前記磁気テープの厚さが13μm以下であ
    り、非磁性支持体の厚さは4〜12.5μmであり、か
    つ前記磁気テープの長手方向のヤング率が700kg/
    mm2 以上であることを特徴とする請求項1記載の磁気
    テープ。
  3. 【請求項3】 前記磁気テープの厚さが20〜28μm
    であり、非磁性支持体の厚さは14〜27μmであり、
    かつ前記磁気テープの長手方向のヤング率が600 kg/
    mm2 以上であることを特徴とする請求項1記載の磁気
    テープ。
  4. 【請求項4】 前記磁気テープの前記非磁性支持体がポ
    リエチレンナフタレートであることを特徴とする請求項
    2または請求項3記載の磁気テープ。
  5. 【請求項5】 ヘリカルスキャン方式記録がディジタル
    記録であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項
    記載の磁気テープ。
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