JP2642860B2 - 無機キセロゲル膜およびその製造方法ならびに無機キセロゲル膜からなる気体分離膜 - Google Patents
無機キセロゲル膜およびその製造方法ならびに無機キセロゲル膜からなる気体分離膜Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無機キセロゲル膜およ
びその製造方法ならびに無機キセロゲル膜からなる気体
分離膜に関する。
びその製造方法ならびに無機キセロゲル膜からなる気体
分離膜に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】金属アルコキシドの溶液を無
機多孔体上に塗布し、600℃程度の温度で焼成して、
無機キセロゲル膜を製造する方法は、公知である。しか
しながら、この様な公知の方法で得られる無機キセロゲ
ルにおいては、焼成中にゲルの二次粒子が発達し、粒間
空隙としての大きな細孔が形成されるので、均一な微小
細孔を有する構造的に連続した膜は得られない。
機多孔体上に塗布し、600℃程度の温度で焼成して、
無機キセロゲル膜を製造する方法は、公知である。しか
しながら、この様な公知の方法で得られる無機キセロゲ
ルにおいては、焼成中にゲルの二次粒子が発達し、粒間
空隙としての大きな細孔が形成されるので、均一な微小
細孔を有する構造的に連続した膜は得られない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、均
一な微小細孔を有する構造的に連続した無機キセロゲル
膜を得ることを主な目的とする。
一な微小細孔を有する構造的に連続した無機キセロゲル
膜を得ることを主な目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来技術の
問題点を解消乃至軽減するために、研究を重ねた結果、
金属アルコキシドの溶液を無機多孔体上に塗布して無機
キセロゲル膜を製造するに際し、塗膜を特定の条件で熟
成させる場合には、二次粒子の発生を抑制することが可
能となり、上記の目的を達成しうることを見出した。
問題点を解消乃至軽減するために、研究を重ねた結果、
金属アルコキシドの溶液を無機多孔体上に塗布して無機
キセロゲル膜を製造するに際し、塗膜を特定の条件で熟
成させる場合には、二次粒子の発生を抑制することが可
能となり、上記の目的を達成しうることを見出した。
【0005】即ち、本発明は、下記の無機キセロゲル膜
の製造方法およびそれにより得られる無機キセロゲル膜
を提供するものである; 1.金属アルコキシドの少なくとも1種を含む溶液を無
機多孔体の表面に塗布し、乾燥し、0〜100℃で1時
間乃至2週間で熟成させることを特徴とする無機キセロ
ゲル膜の製造方法。
の製造方法およびそれにより得られる無機キセロゲル膜
を提供するものである; 1.金属アルコキシドの少なくとも1種を含む溶液を無
機多孔体の表面に塗布し、乾燥し、0〜100℃で1時
間乃至2週間で熟成させることを特徴とする無機キセロ
ゲル膜の製造方法。
【0006】2.上記項1に記載の方法により得られた
無機キセロゲル膜。
無機キセロゲル膜。
【0007】3.上記項1に記載の方法により得られた
無機キセロゲル膜からなる気体分離膜。
無機キセロゲル膜からなる気体分離膜。
【0008】4.金属アルコキシドの少なくとも1種と
金属イオンの少なくとも1種を含む溶液を無機多孔体の
表面に塗布し、乾燥し、0〜100℃で1時間乃至2週
間で熟成させることを特徴とする無機キセロゲル膜の製
造方法。
金属イオンの少なくとも1種を含む溶液を無機多孔体の
表面に塗布し、乾燥し、0〜100℃で1時間乃至2週
間で熟成させることを特徴とする無機キセロゲル膜の製
造方法。
【0009】5.上記項4に記載の方法により得られた
無機キセロゲル膜。
無機キセロゲル膜。
【0010】6.上記項4に記載の方法により得られた
無機キセロゲル膜からなる気体分離膜。
無機キセロゲル膜からなる気体分離膜。
【0011】本発明において使用する金属アルコキシド
としては、特に限定されるものではないが、テトラメチ
ルシリケート、テトラエチルシリケート、ジルコニウム
テトラプロポキシド、チタンテトラブトキシド、アルミ
ニウムイソプロポキシド、アルミニウムブトキシド、ト
リメチルボラート、トリエチルボラートなどが例示され
る。これらの金属アルコキシドは、単独或いは2種以上
を混合して、溶液の状態で使用する。
としては、特に限定されるものではないが、テトラメチ
ルシリケート、テトラエチルシリケート、ジルコニウム
テトラプロポキシド、チタンテトラブトキシド、アルミ
ニウムイソプロポキシド、アルミニウムブトキシド、ト
リメチルボラート、トリエチルボラートなどが例示され
る。これらの金属アルコキシドは、単独或いは2種以上
を混合して、溶液の状態で使用する。
【0012】金属アルコキシド溶液として水系溶液を使
用する場合には、金属アルコキシド1モルに対し、通常
水1〜5モル程度、アルコール10〜30モル程度、酸
0.01〜0.1モル程度を配合して調製する。
用する場合には、金属アルコキシド1モルに対し、通常
水1〜5モル程度、アルコール10〜30モル程度、酸
0.01〜0.1モル程度を配合して調製する。
【0013】金属アルコキシド水系溶液の調製に使用す
るアルコールとしては、特に限定されないが、メチルア
ルコール、エチルアルコール、プロパノールなどが挙げ
られる。酸としても、特に限定されないが、硝酸、塩酸
などが挙げられる。
るアルコールとしては、特に限定されないが、メチルア
ルコール、エチルアルコール、プロパノールなどが挙げ
られる。酸としても、特に限定されないが、硝酸、塩酸
などが挙げられる。
【0014】金属アルコキシド溶液として非水系溶液を
使用する場合には、テトラヒドロフラン、クロロホル
ム、アセトンなどの有機溶媒に金属アルコキシドを溶解
させて使用する。非水系溶液を使用する場合には、金属
アルコキシド1モルに対し、有機溶媒10〜30モル程
度を配合して調製する。
使用する場合には、テトラヒドロフラン、クロロホル
ム、アセトンなどの有機溶媒に金属アルコキシドを溶解
させて使用する。非水系溶液を使用する場合には、金属
アルコキシド1モルに対し、有機溶媒10〜30モル程
度を配合して調製する。
【0015】金属アルコキシドの溶液には、金属イオン
を配合しておくことにより、無機キセロゲル膜の構造を
より強固なものとすることができ、膜の耐久性を高める
ことができる。また、金属イオンを配合しておく場合に
は、膜の耐久性が改善されるとともに、無機多孔体から
なる基板上に無機キセロゲル膜を形成させた複合状態で
使用する際に、基板と無機キセロゲル膜との密着性も、
改善される。この様な金属としては、具体的にクロム、
マンガン、鉄、コバルト、銅、亜鉛、ランタン、マグネ
シウムなどが例示される。溶液中での金属イオンの濃度
は、金属アルコキシド1モルに対し、0.1〜1モル程
度である。
を配合しておくことにより、無機キセロゲル膜の構造を
より強固なものとすることができ、膜の耐久性を高める
ことができる。また、金属イオンを配合しておく場合に
は、膜の耐久性が改善されるとともに、無機多孔体から
なる基板上に無機キセロゲル膜を形成させた複合状態で
使用する際に、基板と無機キセロゲル膜との密着性も、
改善される。この様な金属としては、具体的にクロム、
マンガン、鉄、コバルト、銅、亜鉛、ランタン、マグネ
シウムなどが例示される。溶液中での金属イオンの濃度
は、金属アルコキシド1モルに対し、0.1〜1モル程
度である。
【0016】本発明による無機キセロゲル膜は、上記の
様な金属アルコキシドの溶液を無機多孔体の表面に塗布
し、乾燥し、熟成させることにより、製造される。
様な金属アルコキシドの溶液を無機多孔体の表面に塗布
し、乾燥し、熟成させることにより、製造される。
【0017】無機多孔体の材質としては、シリカ系セラ
ミックス、シリカ系ガラス、アルミナ系セラミックスな
どが挙げられる。無機多孔体における細孔径は、特に限
定されないが、平均細孔径として、通常1nm〜1μm
程度であることが好ましく、4nm〜0.2μm程度で
あることがより好ましくい。
ミックス、シリカ系ガラス、アルミナ系セラミックスな
どが挙げられる。無機多孔体における細孔径は、特に限
定されないが、平均細孔径として、通常1nm〜1μm
程度であることが好ましく、4nm〜0.2μm程度で
あることがより好ましくい。
【0018】無機多孔体に対する金属アルコキシドの塗
布方法は、均一な塗膜が形成される限り、特に限定され
ないが、通常ディッピング法、スプレー法、スピン法な
どが採用される。塗膜の均一性の観点からは、ディッピ
ング法がより好ましい。
布方法は、均一な塗膜が形成される限り、特に限定され
ないが、通常ディッピング法、スプレー法、スピン法な
どが採用される。塗膜の均一性の観点からは、ディッピ
ング法がより好ましい。
【0019】無機多孔体に対する金属アルコキシド溶液
の塗布厚さは、膜の用途などにより適宜決定すればよい
が、通常0.1〜10μm程度であり、より好ましくは
1〜5μm程度である。
の塗布厚さは、膜の用途などにより適宜決定すればよい
が、通常0.1〜10μm程度であり、より好ましくは
1〜5μm程度である。
【0020】無機多孔体表面に金属アルコキシド溶液の
塗膜を形成した後、乾燥する。乾燥は、塗膜表面が接触
により大きく変形しない程度まで行えば良い。乾燥条件
は、溶液の種類、濃度、塗膜の厚さなどにより変わりう
るので、特に限定されるものではないが、通常室温乃至
50℃程度で1〜10分間程度である。
塗膜を形成した後、乾燥する。乾燥は、塗膜表面が接触
により大きく変形しない程度まで行えば良い。乾燥条件
は、溶液の種類、濃度、塗膜の厚さなどにより変わりう
るので、特に限定されるものではないが、通常室温乃至
50℃程度で1〜10分間程度である。
【0021】本発明においては、次いで無機多孔体上に
形成した塗膜を熟成させる。この塗膜の熟成工程は、均
一な微小細孔を有し、構造的に連続した均質な無機キセ
ロゲル膜を形成させるための必須の要件である。より具
体的には、上記の様にして乾燥した塗膜を0℃程度から
100℃程度の温度で1時間〜2週間程度保持する。熟
成は、温度が高いほど短時間で終了する。一般的には、
100℃では1〜2時間程度で終了し、室温近傍では1
〜2週間程度を要する。従って、金属アルコキシドの種
類、無機キセロゲル膜の用途などに応じて、上記の範囲
内で適切な条件を採用すればよい。
形成した塗膜を熟成させる。この塗膜の熟成工程は、均
一な微小細孔を有し、構造的に連続した均質な無機キセ
ロゲル膜を形成させるための必須の要件である。より具
体的には、上記の様にして乾燥した塗膜を0℃程度から
100℃程度の温度で1時間〜2週間程度保持する。熟
成は、温度が高いほど短時間で終了する。一般的には、
100℃では1〜2時間程度で終了し、室温近傍では1
〜2週間程度を要する。従って、金属アルコキシドの種
類、無機キセロゲル膜の用途などに応じて、上記の範囲
内で適切な条件を採用すればよい。
【0022】上記の様にして得られた無機キセロゲル膜
は、無機多孔体上に塗膜として存在する複合材料として
使用することが可能であり、また無機多孔体から分離し
て単独の膜として使用することも可能である。前者の場
合には、無機多孔体が基板としての機能を発揮する。後
者の場合には、さらに他の基材と複合化して使用しても
良い。
は、無機多孔体上に塗膜として存在する複合材料として
使用することが可能であり、また無機多孔体から分離し
て単独の膜として使用することも可能である。前者の場
合には、無機多孔体が基板としての機能を発揮する。後
者の場合には、さらに他の基材と複合化して使用しても
良い。
【0023】本発明による無機キセロゲル膜は、三次元
の金属−酸素結合からなるネットワーク構造を有してい
る。この様な無機キセロゲル膜は、気体の選択的透過
膜、パーベイパレーション膜などとして有用である。
の金属−酸素結合からなるネットワーク構造を有してい
る。この様な無機キセロゲル膜は、気体の選択的透過
膜、パーベイパレーション膜などとして有用である。
【0024】本発明による無機キセロゲル膜を気体の選
択的透過膜として使用する場合には、二酸化炭素、二酸
化硫黄、二酸化窒素、硫化水素などの酸性ガス類、水
素、ヘリウムなどの分子径の小さなガスの分離に好適で
ある。
択的透過膜として使用する場合には、二酸化炭素、二酸
化硫黄、二酸化窒素、硫化水素などの酸性ガス類、水
素、ヘリウムなどの分子径の小さなガスの分離に好適で
ある。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、下記の様な顕著な効果
が達成される。
が達成される。
【0026】(1)従来法による無機キセロゲル膜に比
して、より均一な微小細孔を有する構造的に連続した均
質な無機キセロゲル膜が得られる。
して、より均一な微小細孔を有する構造的に連続した均
質な無機キセロゲル膜が得られる。
【0027】(2)得られる無機キセロゲル膜は、強固
である。
である。
【0028】(3)無機多孔体を基材とする複合体とし
ての形態で使用する場合には、基材と無機キセロゲル膜
との密着性が高い。
ての形態で使用する場合には、基材と無機キセロゲル膜
との密着性が高い。
【0029】(4)金属イオンを併用する場合には、上
記(2)および(3)の効果がより一層改善される。
記(2)および(3)の効果がより一層改善される。
【0030】(5)本発明による無機キセロゲル膜は、
気体分離膜として、公知の無機気体分離膜に比して、気
体分離性能が著しく高い。例えば、二酸化炭素一窒素の
分離において、従来の無機気体分離膜の透過速度比(P
CO2/PN2)は、2程度であったのに対し、本発明
による無機キセロゲル膜の透過速度比(PCO2/PN
2)は、100程度にも達した。 (6)本発明による無機キセロゲル膜は、炭素−炭素結
合からなる高分子系気体分離膜に比して、耐熱性に優れ
ている。
気体分離膜として、公知の無機気体分離膜に比して、気
体分離性能が著しく高い。例えば、二酸化炭素一窒素の
分離において、従来の無機気体分離膜の透過速度比(P
CO2/PN2)は、2程度であったのに対し、本発明
による無機キセロゲル膜の透過速度比(PCO2/PN
2)は、100程度にも達した。 (6)本発明による無機キセロゲル膜は、炭素−炭素結
合からなる高分子系気体分離膜に比して、耐熱性に優れ
ている。
【0031】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明の特徴とすると
ころをより一層明確にする。
ころをより一層明確にする。
【0032】なお、以下の実施例において、各種ガスの
透過性試験は、室温で供給ガス圧1気圧の条件下に膜を
透過してくる気体の流量を質量流量計により測定し、透
過速度を求めることにより行った。
透過性試験は、室温で供給ガス圧1気圧の条件下に膜を
透過してくる気体の流量を質量流量計により測定し、透
過速度を求めることにより行った。
【0033】実施例1 テトラエチルシリケート1モルに対し、水1モル、硝酸
0.01モルおよびエタノール20モルを加えて調製し
た溶液100mlを室温で8時間撹拌して、均一な溶液
を得た。
0.01モルおよびエタノール20モルを加えて調製し
た溶液100mlを室温で8時間撹拌して、均一な溶液
を得た。
【0034】得られた溶液に多孔質ガラス管(SiO2
約97%−B2O3約3%、外径5mm、内径4mm、平
均細孔径4nm〜0.1μm)をディップコーティング
し、室温で3分間乾燥した後、得られた塗膜を100℃
で2時間熟成させた。同様の操作を6回繰り返すことに
より、多孔質ガラス管表面に厚さ約2μmのキセロゲル
膜を形成させた。
約97%−B2O3約3%、外径5mm、内径4mm、平
均細孔径4nm〜0.1μm)をディップコーティング
し、室温で3分間乾燥した後、得られた塗膜を100℃
で2時間熟成させた。同様の操作を6回繰り返すことに
より、多孔質ガラス管表面に厚さ約2μmのキセロゲル
膜を形成させた。
【0035】得られた膜は、均質で且つ透明であった。
【0036】この膜による室温での二酸化炭素、窒素、
ヘリウムおよび二酸化硫黄の透過速度は、それぞれ1.
14×10-5、1.33×10-7、1.08×10-6お
よび1.11×10-5(cm3(STP)・cm-2・c
mHg-1・s-1)であり、透過速度比は、PCO2/PN2
=85.1、PHe/PN2=8.1およびPSO2/PN2=
83.4であった。
ヘリウムおよび二酸化硫黄の透過速度は、それぞれ1.
14×10-5、1.33×10-7、1.08×10-6お
よび1.11×10-5(cm3(STP)・cm-2・c
mHg-1・s-1)であり、透過速度比は、PCO2/PN2
=85.1、PHe/PN2=8.1およびPSO2/PN2=
83.4であった。
【0037】実施例2 テトラエチルシリケート1モルに対し、水1モル、硝酸
0.01モル、エタノール20モルおよび硫酸銅0.2
5モルを加えて調製した溶液100mlを室温で8時間
撹拌して、均一な溶液を得た。
0.01モル、エタノール20モルおよび硫酸銅0.2
5モルを加えて調製した溶液100mlを室温で8時間
撹拌して、均一な溶液を得た。
【0038】得られた溶液に多孔質ガラス管(SiO2
約97%−B2O3約3%、外径5mm、内径4mm、平
均細孔径4nm〜0.1μm)をディップコーティング
し、室温で3分間乾燥した後、得られた塗膜を100℃
で2時間熟成させた。同様の操作を6回繰り返すことに
より、多孔質ガラス管表面に厚さ約2μmのキセロゲル
膜を形成させた。形成された膜には、銅イオンが均一に
分散しており、青色で透明であった。
約97%−B2O3約3%、外径5mm、内径4mm、平
均細孔径4nm〜0.1μm)をディップコーティング
し、室温で3分間乾燥した後、得られた塗膜を100℃
で2時間熟成させた。同様の操作を6回繰り返すことに
より、多孔質ガラス管表面に厚さ約2μmのキセロゲル
膜を形成させた。形成された膜には、銅イオンが均一に
分散しており、青色で透明であった。
【0039】この膜による室温での二酸化炭素、窒素、
ヘリウムおよび二酸化硫黄の透過速度は、それぞれ1.
27×10-5、1.29×10-7、1.26×10-6お
よび1.17×10-5(cm3(STP)・cm-2・c
mHg-1・s-1)であり、透過速度比は、PCO2/PN2
=98.7、PHe/PN2=9.8およびPSO2/PN2=
90.6と高い値を示した。
ヘリウムおよび二酸化硫黄の透過速度は、それぞれ1.
27×10-5、1.29×10-7、1.26×10-6お
よび1.17×10-5(cm3(STP)・cm-2・c
mHg-1・s-1)であり、透過速度比は、PCO2/PN2
=98.7、PHe/PN2=9.8およびPSO2/PN2=
90.6と高い値を示した。
【0040】実施例3 実施例1および実施例2で得られた2種の無機キセロゲ
ル膜を使用して、実施例1と同様にして二酸化炭素と窒
素との分離を行った。透過速度比と製造後経過日数との
関係を図1に示す。
ル膜を使用して、実施例1と同様にして二酸化炭素と窒
素との分離を行った。透過速度比と製造後経過日数との
関係を図1に示す。
【0041】図1から明らかな様に、銅イオンを含む場
合(実施例2;○で示す)には、銅イオンを含まない場
合(実施例1;●で示す)に比して、膜の耐久性が高ま
り、長期にわたって高い気体分離能を維持することが明
らかである。
合(実施例2;○で示す)には、銅イオンを含まない場
合(実施例1;●で示す)に比して、膜の耐久性が高ま
り、長期にわたって高い気体分離能を維持することが明
らかである。
【0042】実施例4 ジルコニウムテトラプロポキシド1モルに対しテトラヒ
ドロフラン20モルを加えた溶液100mlを0℃で8
時間撹拌した後、多孔質ガラス管(実施例1で使用した
ものと同様)にディップコートし、冷蔵庫中で2週間保
持し、加水分解させて、無機キセロゲル膜を形成させ
た。
ドロフラン20モルを加えた溶液100mlを0℃で8
時間撹拌した後、多孔質ガラス管(実施例1で使用した
ものと同様)にディップコートし、冷蔵庫中で2週間保
持し、加水分解させて、無機キセロゲル膜を形成させ
た。
【0043】この膜による室温での二酸化炭素、窒素、
ヘリウムおよび二酸化硫黄の透過速度は、それぞれ1.
28×10-5、1.31×10-7、1.27×10-6お
よび1.17×10-5(cm3(STP)・cm-2・c
mHg-1・s-1)であり、透過速度比は、PCO2/PN2
=97.6、PHe/PN2=9.7およびPSO2/PN2=
89.4であった。
ヘリウムおよび二酸化硫黄の透過速度は、それぞれ1.
28×10-5、1.31×10-7、1.27×10-6お
よび1.17×10-5(cm3(STP)・cm-2・c
mHg-1・s-1)であり、透過速度比は、PCO2/PN2
=97.6、PHe/PN2=9.7およびPSO2/PN2=
89.4であった。
【図1】実施例1および実施例2で得られた2種の無機
キセロゲル膜の経時的な耐久性を示すグラフである。
キセロゲル膜の経時的な耐久性を示すグラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】金属アルコキシドの少なくとも1種を含む
溶液を無機多孔体の表面に塗布し、乾燥し、0〜100
℃で1時間乃至2週間で熟成させることを特徴とする無
機キセロゲル膜の製造方法。 - 【請求項2】請求項1に記載の方法により得られた無機
キセロゲル膜であって、三次元の金属−酸素結合からな
り且つ均一な微小細孔を有する連続したネットワーク構
造を有する均質なキセロゲル膜。 - 【請求項3】請求項1に記載の方法により得られた無機
キセロゲル膜からなる気体分離膜。 - 【請求項4】金属アルコキシドの少なくとも1種と金属
イオンの少なくとも1種を含む溶液を無機多孔体の表面
に塗布し、乾燥し、0〜100℃で1時間乃至2週間で
熟成させることを特徴とする無機キセロゲル膜の製造方
法。 - 【請求項5】請求項4に記載の方法により得られた無機
キセロゲル膜であって、三次元の金属−酸素結合からな
り且つ均一な微小細孔を有する連続したネットワーク構
造を有する均質なキセロゲル膜。 - 【請求項6】請求項4に記載の方法により得られた無機
キセロゲル膜からなる気体分離膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6032885A JP2642860B2 (ja) | 1994-02-04 | 1994-02-04 | 無機キセロゲル膜およびその製造方法ならびに無機キセロゲル膜からなる気体分離膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6032885A JP2642860B2 (ja) | 1994-02-04 | 1994-02-04 | 無機キセロゲル膜およびその製造方法ならびに無機キセロゲル膜からなる気体分離膜 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07213877A JPH07213877A (ja) | 1995-08-15 |
JP2642860B2 true JP2642860B2 (ja) | 1997-08-20 |
Family
ID=12371339
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6032885A Expired - Lifetime JP2642860B2 (ja) | 1994-02-04 | 1994-02-04 | 無機キセロゲル膜およびその製造方法ならびに無機キセロゲル膜からなる気体分離膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2642860B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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