JP2634661B2 - X線用多層膜反射鏡 - Google Patents
X線用多層膜反射鏡Info
- Publication number
- JP2634661B2 JP2634661B2 JP1031933A JP3193389A JP2634661B2 JP 2634661 B2 JP2634661 B2 JP 2634661B2 JP 1031933 A JP1031933 A JP 1031933A JP 3193389 A JP3193389 A JP 3193389A JP 2634661 B2 JP2634661 B2 JP 2634661B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- thickness
- mirror
- layer
- ray
- multilayer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、X線用多層膜反射鏡に関する。
近年、軟X線領域で使用できる多層膜反射鏡が開発さ
れ、直入射でも利用できる反射鏡光学系の開発が始まり
つつある。その代表的なものが、第6図に示したシュワ
ルツシルド光学系である。この光学系は、中央部に開口
を有する凹面鏡1と凸面鏡2とを夫々の反射面を対向さ
せて同軸に配置して成る集光光学系であり、各鏡は特定
の波長の軟X線の反射率を高める為に第7図に示した如
く、その基板3上に2種類の屈折率の大きく異なる物質
a,bを交互に積層して成る多層膜が形成されている。
れ、直入射でも利用できる反射鏡光学系の開発が始まり
つつある。その代表的なものが、第6図に示したシュワ
ルツシルド光学系である。この光学系は、中央部に開口
を有する凹面鏡1と凸面鏡2とを夫々の反射面を対向さ
せて同軸に配置して成る集光光学系であり、各鏡は特定
の波長の軟X線の反射率を高める為に第7図に示した如
く、その基板3上に2種類の屈折率の大きく異なる物質
a,bを交互に積層して成る多層膜が形成されている。
尚、第6図において、(a)はシュワルツシルド光学
系の斜視図、(b)は物点を原点とした座標軸、(c)
は光軸を含む断面図である。図中、Oは物点、θは物点
Oを出射したX線が光軸(y軸)となす角、φは光軸に
垂直にx軸,z軸をとったときの物点Oを通るX線のxz面
への投影像がz軸となす角、θ1はX線の凹面鏡1への
入射角、θ2はX線の凸面鏡2への入射角、Iは像点、
R1及びR2は夫々凹面鏡1及び凸面鏡2の曲率半径、ρ0
は物点Oから凹面鏡1までの光軸上の距離、l0は凹面鏡
1から凸面鏡2までの光軸上の距離、r0は凸面鏡2から
像点Iまでの光軸上の距離である。又、第7図におい
て、d1及びd2は夫々物質a及びbから成る各層の厚さ、
dは両層の厚さの和即ち周期厚、4及び5は夫々入射X
線及び反射X線、は入射角である。
系の斜視図、(b)は物点を原点とした座標軸、(c)
は光軸を含む断面図である。図中、Oは物点、θは物点
Oを出射したX線が光軸(y軸)となす角、φは光軸に
垂直にx軸,z軸をとったときの物点Oを通るX線のxz面
への投影像がz軸となす角、θ1はX線の凹面鏡1への
入射角、θ2はX線の凸面鏡2への入射角、Iは像点、
R1及びR2は夫々凹面鏡1及び凸面鏡2の曲率半径、ρ0
は物点Oから凹面鏡1までの光軸上の距離、l0は凹面鏡
1から凸面鏡2までの光軸上の距離、r0は凸面鏡2から
像点Iまでの光軸上の距離である。又、第7図におい
て、d1及びd2は夫々物質a及びbから成る各層の厚さ、
dは両層の厚さの和即ち周期厚、4及び5は夫々入射X
線及び反射X線、は入射角である。
このX線用多層膜反射鏡の多層膜を構成する物質a/b
の組合わせとしては、波長が100Å以上の領域において
はAu/C,W/C,Mo/Si,W/Si等の物質に実績があり、Mo/Siは
40層で170ÅのX線に対し50%の反射率が確保できてい
る。そして、更に波長の短いX線領域のシュワルツシル
ド光学系を開発して、X線顕微鏡や縮小露光装置の結像
光学系に応用する試みが強まっている。
の組合わせとしては、波長が100Å以上の領域において
はAu/C,W/C,Mo/Si,W/Si等の物質に実績があり、Mo/Siは
40層で170ÅのX線に対し50%の反射率が確保できてい
る。そして、更に波長の短いX線領域のシュワルツシル
ド光学系を開発して、X線顕微鏡や縮小露光装置の結像
光学系に応用する試みが強まっている。
X線顕微鏡においては、より短い波長のX線を結像で
きる結像光学系が必要とされる。特に、生体観察では
「水の窓」と呼ばれれ水による吸収の少ない波長44Å〜
20Åの領域のX線で透過顕微像を撮ればタンパク質の像
が鮮明に得られる。
きる結像光学系が必要とされる。特に、生体観察では
「水の窓」と呼ばれれ水による吸収の少ない波長44Å〜
20Åの領域のX線で透過顕微像を撮ればタンパク質の像
が鮮明に得られる。
特に、このくらいの波長のX線になると、多層膜を構
成する材料が限られてくる。即ち、X線用多層膜反射鏡
においては屈折率の差の大きい2種類の物質(元素)の
薄膜層を交互に積層すれば、高い反射率が得られるが、
44Å〜20ÅのX線に対しては、殆どの物質の屈折率が真
空の値の1に近でき、屈折率の差は小さくなる。従っ
て、この波長領域において多層膜の材料の選定が困難に
なる。
成する材料が限られてくる。即ち、X線用多層膜反射鏡
においては屈折率の差の大きい2種類の物質(元素)の
薄膜層を交互に積層すれば、高い反射率が得られるが、
44Å〜20ÅのX線に対しては、殆どの物質の屈折率が真
空の値の1に近でき、屈折率の差は小さくなる。従っ
て、この波長領域において多層膜の材料の選定が困難に
なる。
又、シュワルツシルド光学系の場合、多層膜を直入射
で使用できるように設計しなくてはいけない。仮に、X
線の波長を40Åとすると、ブラッグの条件即ち、 2dsinω=λ ……(1) (ω:多層膜への斜入射角,d:多層膜の周期厚,λ:X線
の波長) によれば、d〜20Å程度となる。即ち、第7図において
物質aの層厚d1と物質bの層厚d2の和(周期厚d)を20
Åに正確に制御しなくてはいけない。一般に直入射に対
して、周期厚dの誤差を波長の1%以内に抑制しない
と、反射率が30〜40%低下する。周期厚dが20Åの場合
は、周期厚dは0.2Åの誤差に制御する必要がある。従
って、十分な反射率を得る為には、十分な層厚制御と材
料の選定が必要である。
で使用できるように設計しなくてはいけない。仮に、X
線の波長を40Åとすると、ブラッグの条件即ち、 2dsinω=λ ……(1) (ω:多層膜への斜入射角,d:多層膜の周期厚,λ:X線
の波長) によれば、d〜20Å程度となる。即ち、第7図において
物質aの層厚d1と物質bの層厚d2の和(周期厚d)を20
Åに正確に制御しなくてはいけない。一般に直入射に対
して、周期厚dの誤差を波長の1%以内に抑制しない
と、反射率が30〜40%低下する。周期厚dが20Åの場合
は、周期厚dは0.2Åの誤差に制御する必要がある。従
って、十分な反射率を得る為には、十分な層厚制御と材
料の選定が必要である。
そして、「水の窓」の波長領域のうち、波長が20Å程
度の領域になると更に作製条件が難しくなる。もし直入
射であるならば、式(1)よりd〜10Åとなり、物質a
と物質bの層厚の和を10Å程度に制御しなくてはいけな
い。その結果物質a及び物質bの層厚を5Å以下にして
制御しなくてはいけなくなる。これは、物質を構成する
原子の直径が一般に3Å前後であるので、各層とも1原
子層程度の厚さで均一に被覆しなくてはいけないことを
意味する。しかし、現在コーティング技術の主流である
電子ビーム蒸着法やマグネトロンスパッター法などで
は、1原子層を被覆しようとすると島状構造となり安定
した均一膜とはならない。一般に安定した膜を形成する
ためには1層当り3原子層程度は必要である。従って、
層厚が薄い場合多層膜を作製しても、1周期当りの厚さ
が不正確となり、極めて反射率の低い反射鏡となってし
まう。
度の領域になると更に作製条件が難しくなる。もし直入
射であるならば、式(1)よりd〜10Åとなり、物質a
と物質bの層厚の和を10Å程度に制御しなくてはいけな
い。その結果物質a及び物質bの層厚を5Å以下にして
制御しなくてはいけなくなる。これは、物質を構成する
原子の直径が一般に3Å前後であるので、各層とも1原
子層程度の厚さで均一に被覆しなくてはいけないことを
意味する。しかし、現在コーティング技術の主流である
電子ビーム蒸着法やマグネトロンスパッター法などで
は、1原子層を被覆しようとすると島状構造となり安定
した均一膜とはならない。一般に安定した膜を形成する
ためには1層当り3原子層程度は必要である。従って、
層厚が薄い場合多層膜を作製しても、1周期当りの厚さ
が不正確となり、極めて反射率の低い反射鏡となってし
まう。
本発明は、上記問題点に鑑み、多層膜を形成する各層
の層厚が均一膜を形成するのに十分な厚さとなり、波長
44Å以下のX線に対して十分な反射率を確保できるX線
用多層膜反射鏡を提供することを目的としている。
の層厚が均一膜を形成するのに十分な厚さとなり、波長
44Å以下のX線に対して十分な反射率を確保できるX線
用多層膜反射鏡を提供することを目的としている。
多層膜反射鏡の干渉条件は、一般のブラッグ条件即ち 2dsinω=lλ ……(2) (ω:多層膜への斜入射角,d:多層膜の周期厚,λ:X線
の波長,l:正の整数) で決定され、条件式(1)の外にl=2,3,・・・と高次
の干渉条件も含まれ、l=1以外でも十分な反射率が得
られることがわかる。即ち、この場合直入射に対する多
層膜の1周期の厚みdは、 の条件でも設計が可能である。従って、仮りにブラッグ
条件(2)においてl=1として設計した場合に各層の
層厚が非常に薄くなり、実現には作製が不可能になった
としても、条件(3)を採用すれば層厚を厚くできるの
で、均一で安定した膜の形成が可能となる。この方法
は、特に多層膜の周期厚が薄くなる短波長領域で直入射
のX線に対して有効になる。この場合には、条件式
(2)より の範囲で多層膜の1周期厚dを設計することになる。こ
こで、不等式の上限と下限を決定したのは次の理由によ
る。即ち、正確には式(2)のdは光路長を示してい
て、波長20Å以上の軟X線領域においては多層膜内で若
干屈折率が変化する。そのために、実際の多層膜の1周
期の厚みdとその光路長とは異なる。その為に、式
(4)のような範囲の設定が必要となるのである。従っ
て、以上の方法を採用すれば、均一で安定した膜の形成
が行える層厚を確保することができる。
の波長,l:正の整数) で決定され、条件式(1)の外にl=2,3,・・・と高次
の干渉条件も含まれ、l=1以外でも十分な反射率が得
られることがわかる。即ち、この場合直入射に対する多
層膜の1周期の厚みdは、 の条件でも設計が可能である。従って、仮りにブラッグ
条件(2)においてl=1として設計した場合に各層の
層厚が非常に薄くなり、実現には作製が不可能になった
としても、条件(3)を採用すれば層厚を厚くできるの
で、均一で安定した膜の形成が可能となる。この方法
は、特に多層膜の周期厚が薄くなる短波長領域で直入射
のX線に対して有効になる。この場合には、条件式
(2)より の範囲で多層膜の1周期厚dを設計することになる。こ
こで、不等式の上限と下限を決定したのは次の理由によ
る。即ち、正確には式(2)のdは光路長を示してい
て、波長20Å以上の軟X線領域においては多層膜内で若
干屈折率が変化する。そのために、実際の多層膜の1周
期の厚みdとその光路長とは異なる。その為に、式
(4)のような範囲の設定が必要となるのである。従っ
て、以上の方法を採用すれば、均一で安定した膜の形成
が行える層厚を確保することができる。
以下、図示した実施例に基づき本発明を詳細に説明す
る。
る。
実施例1 波長23.6Å,直入射のX線に対する多層膜反射鏡の例 軟X線に対する多層膜反射鏡を設計は、フレネルの漸
化式(浪岡武 昭和60年度科学研究費研究成果報告書
「軟X線リソグラフィ用光学系の開発」)を利用する方
法で行なうことができる。第1図は、波長23.6Å,直入
射のX線に対してこの方法を用いて設計した多層膜反射
鏡の入射角度に対する反射率分布を示している。本設計
によれば、Ni層の厚さを5〜8Å、Sb層の厚さを6.0Å
として201層積層することにより、最大値で20%程度の
反射率を得ている。尚、本設計で必要とされるNiとSbの
複素屈折率は、ヘンケ(Henke)他によって発表されて
いる原子散乱因子の表(B.Henke Atomic data and nucl
ear data tables 27,1−144(1982))を利用して、次
式により算出した。
化式(浪岡武 昭和60年度科学研究費研究成果報告書
「軟X線リソグラフィ用光学系の開発」)を利用する方
法で行なうことができる。第1図は、波長23.6Å,直入
射のX線に対してこの方法を用いて設計した多層膜反射
鏡の入射角度に対する反射率分布を示している。本設計
によれば、Ni層の厚さを5〜8Å、Sb層の厚さを6.0Å
として201層積層することにより、最大値で20%程度の
反射率を得ている。尚、本設計で必要とされるNiとSbの
複素屈折率は、ヘンケ(Henke)他によって発表されて
いる原子散乱因子の表(B.Henke Atomic data and nucl
ear data tables 27,1−144(1982))を利用して、次
式により算出した。
(f1:原子散乱因子の実部,f2:原子散乱因子の虚部,re:
電子古典半径,ni:単位体積当りの原子の数) 本設計は、次(2)において、l=1を満たしている
が、これではNiの原子の直径が3.3Å程度であるからNi
層の厚さは2原子層分にもならず、作製時に非常に均一
でない膜が形成されやすい。従って、もっと安定した均
一の膜を作製するためには、Ni層及びSb層の層厚がより
大きくなる条件で設計することが望ましい。
電子古典半径,ni:単位体積当りの原子の数) 本設計は、次(2)において、l=1を満たしている
が、これではNiの原子の直径が3.3Å程度であるからNi
層の厚さは2原子層分にもならず、作製時に非常に均一
でない膜が形成されやすい。従って、もっと安定した均
一の膜を作製するためには、Ni層及びSb層の層厚がより
大きくなる条件で設計することが望ましい。
そこで、本実施例ではl≠1として多層膜を形成して
いる。
いる。
第2図はl=3として他の条件は第1図の例と同じに
して設計したNi−Sbの多層膜反射鏡の入射角度に対する
反射率分布を示している。第2図によれば、反射率はピ
ーク値で1/3に低下してはいるものの、Ni層の厚さは8.5
Åまで増大し、2原子層分の厚みが確保できている。一
方、Sb層の厚さも26.8Åまで増大し、8原子層分の厚み
が確保できている。
して設計したNi−Sbの多層膜反射鏡の入射角度に対する
反射率分布を示している。第2図によれば、反射率はピ
ーク値で1/3に低下してはいるものの、Ni層の厚さは8.5
Åまで増大し、2原子層分の厚みが確保できている。一
方、Sb層の厚さも26.8Åまで増大し、8原子層分の厚み
が確保できている。
又、第3図は、l=4として同じく他の条件は第1図
の例と同じにして設計したNi−Sbの多層膜反射鏡の入射
角度に対する反射率分布を示している。第3図によれ
ば、やはり反射率はピーク値で1/3に低下しているもの
の、Ni層の厚さは11.7Åまで増大し、3原子層以上の分
の厚みが確保できている。更にSb層の厚さは10原子層分
近くにもなっている。
の例と同じにして設計したNi−Sbの多層膜反射鏡の入射
角度に対する反射率分布を示している。第3図によれ
ば、やはり反射率はピーク値で1/3に低下しているもの
の、Ni層の厚さは11.7Åまで増大し、3原子層以上の分
の厚みが確保できている。更にSb層の厚さは10原子層分
近くにもなっている。
従って、本発明によれば、多層膜反射鏡の反射率1/3
程度(これでも十分である)に低下してはいるものの、
Ni層,Sb層の膜厚さが十分な厚さとなるので、電子ビー
ム蒸着法やマグネトロンスパッター法などの技術でも確
実に均一で安定した膜が形成される。
程度(これでも十分である)に低下してはいるものの、
Ni層,Sb層の膜厚さが十分な厚さとなるので、電子ビー
ム蒸着法やマグネトロンスパッター法などの技術でも確
実に均一で安定した膜が形成される。
実施例2 波長39.8Å,直入射のX線に対する多層膜反射鏡の例 第4図は実施例1と同様な方法により波長39.8Å,直
入射のX線に対してl=1の条件で設計した多層膜反射
鏡の入射角度に対する反射率分布を示している。本設計
によれば、Ni層の厚さを8.2Å、Sc層の厚さを11.8Åと
して201層積層することにより、最大値で24%程度の反
射率を得ている。しかし、本設計ではNi層もSc層も層厚
は2〜3原子分に相当する程度であるので、更に大きな
層厚が確保できることが望ましい。そこで、本実施例で
もl≠1として多層膜を形成している。
入射のX線に対してl=1の条件で設計した多層膜反射
鏡の入射角度に対する反射率分布を示している。本設計
によれば、Ni層の厚さを8.2Å、Sc層の厚さを11.8Åと
して201層積層することにより、最大値で24%程度の反
射率を得ている。しかし、本設計ではNi層もSc層も層厚
は2〜3原子分に相当する程度であるので、更に大きな
層厚が確保できることが望ましい。そこで、本実施例で
もl≠1として多層膜を形成している。
第5図はl=2として他の条件は第4図の例と同じに
して設計したNi−Scの多層膜反射鏡の入射角度に対する
反射率分布を示している。第5図によれば、反射率は1/
2(これでも十分である)に低下しているものの、Ni層
の厚さは12.8Åまで増大し、ほぼ3原子層分まで厚みが
確保できている。一方、Sc層の厚さも27.2Åまで増大
し、9原子層分もの厚みが確保できている。従って、両
層とも均一で十分安定した膜の形成が行える層厚となっ
ている。
して設計したNi−Scの多層膜反射鏡の入射角度に対する
反射率分布を示している。第5図によれば、反射率は1/
2(これでも十分である)に低下しているものの、Ni層
の厚さは12.8Åまで増大し、ほぼ3原子層分まで厚みが
確保できている。一方、Sc層の厚さも27.2Åまで増大
し、9原子層分もの厚みが確保できている。従って、両
層とも均一で十分安定した膜の形成が行える層厚となっ
ている。
上述の如く、本発明によるX線用多層膜反射鏡は、多
層膜を形成する各層の層厚が均一な膜を形成するのに十
分な厚さとなり、波長44Å以下のX線に対して十分な反
射率を確保できるという実用上重要な利点を有してい
る。
層膜を形成する各層の層厚が均一な膜を形成するのに十
分な厚さとなり、波長44Å以下のX線に対して十分な反
射率を確保できるという実用上重要な利点を有してい
る。
第1図は波長23.6Å,直入射のX線に対する多層膜反射
鏡で各層の厚さを薄くした場合の入射角度に対する反射
率分布を示す図、第2図及び第3図は何れも第1実施例
として各層の厚さを厚くして他の条件を第1図の例と同
じにしたものの入射角度に対する反射率分布を示す図、
第4図は波長39.8Å,直入射のX線に対する多層膜反射
鏡で各層の厚さを薄くした場合の入射角度に対する反射
率分布を示す図、第5図は第2実施例として各層の厚さ
を厚くして他の条件を第4図の例と同じにしたものの入
射角度に対する反射率分布を示す図、第6図はシュワル
ツシルド光学系の説明図、第7図は多層膜反射鏡の概略
断面図である。 1……凹面鏡、2……凸面鏡、3……基板。
鏡で各層の厚さを薄くした場合の入射角度に対する反射
率分布を示す図、第2図及び第3図は何れも第1実施例
として各層の厚さを厚くして他の条件を第1図の例と同
じにしたものの入射角度に対する反射率分布を示す図、
第4図は波長39.8Å,直入射のX線に対する多層膜反射
鏡で各層の厚さを薄くした場合の入射角度に対する反射
率分布を示す図、第5図は第2実施例として各層の厚さ
を厚くして他の条件を第4図の例と同じにしたものの入
射角度に対する反射率分布を示す図、第6図はシュワル
ツシルド光学系の説明図、第7図は多層膜反射鏡の概略
断面図である。 1……凹面鏡、2……凸面鏡、3……基板。
Claims (2)
- 【請求項1】基板上に屈折率が異なる2種類の物質を適
当な厚さで交互に積層して多層膜を形成して成るX線用
多層膜反射鏡において、 前記2種類の物質の厚さをd1,d2とした時、44Å以下の
波長λのX線に対して下記条件を満足することを特徴と
するX線用多層膜反射鏡。 0.8lλ/2sinω≦d1+d2≦1.2lλ/2sinω 但し、ωはX線の斜入射角、lは2以上の整数である。 - 【請求項2】光軸を含む中心部に開口を有する凹面鏡と
該凹面鏡に対向して設けられた凸面鏡とから成るシュワ
ルツシルド光学系において、前記凹面鏡及び凸面鏡が請
求項1記載のX線用多層膜反射鏡により構成されるシュ
ワルツシルド光学系。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1031933A JP2634661B2 (ja) | 1989-02-10 | 1989-02-10 | X線用多層膜反射鏡 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1031933A JP2634661B2 (ja) | 1989-02-10 | 1989-02-10 | X線用多層膜反射鏡 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02210300A JPH02210300A (ja) | 1990-08-21 |
JP2634661B2 true JP2634661B2 (ja) | 1997-07-30 |
Family
ID=12344771
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1031933A Expired - Fee Related JP2634661B2 (ja) | 1989-02-10 | 1989-02-10 | X線用多層膜反射鏡 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2634661B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2990232B2 (ja) * | 1990-12-20 | 1999-12-13 | 株式会社半導体エネルギー研究所 | 液晶電気光学装置 |
JP2707157B2 (ja) * | 1990-12-29 | 1998-01-28 | 株式会社半導体エネルギー研究所 | 表示装置 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4675889A (en) * | 1985-07-08 | 1987-06-23 | Ovonic Synthetic Materials Company, Inc. | Multiple wavelength X-ray dispersive devices and method of making the devices |
-
1989
- 1989-02-10 JP JP1031933A patent/JP2634661B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02210300A (ja) | 1990-08-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5646976A (en) | Optical element of multilayered thin film for X-rays and neutrons | |
Aristov et al. | Principles of Bragg-Fresnel multilayer optics | |
WO1995031815A1 (en) | Spherical mirror grazing incidence x-ray optics | |
JP2003506732A (ja) | 調節可能な使用波長を有する多層光学素子 | |
EP1464061B1 (en) | Protective layer for multilayers exposed to hard x-rays | |
US20030147139A1 (en) | Multi-layered film reflector manufacturing method | |
JP2865257B2 (ja) | シュヴアルツシルド光学系 | |
JP3060624B2 (ja) | 多層膜反射鏡 | |
JP2634661B2 (ja) | X線用多層膜反射鏡 | |
US5619382A (en) | Reflection type imaging optical system | |
US5241426A (en) | Condenser optical system | |
JP2569447B2 (ja) | 多層膜反射鏡の製造方法 | |
JP3341403B2 (ja) | 反射型マスクおよびその製造方法 | |
JP2530029B2 (ja) | 多層膜分光器 | |
JP3384055B2 (ja) | 真空薄膜形成装置 | |
JP3230105B2 (ja) | X線用多層膜ミラー、反射型x線マスク、x線用多層膜ミラーの製造方法、露光装置およびパターンを有するシリコンウエハの製造方法 | |
JP2546312B2 (ja) | 反射型マスクおよび該反射型マスクを用いた露光装置と露光方法 | |
JPH02205800A (ja) | X線用多層膜反射鏡及びこれを用いた集光光学系 | |
JP3276691B2 (ja) | 多層膜の形成方法 | |
RU2238576C1 (ru) | Способ фокусировки волнового поля и устройство для его осуществления | |
JP2814595B2 (ja) | 多層膜反射鏡 | |
JPH05180993A (ja) | X線反射鏡 | |
JP2002285331A (ja) | 成膜装置、成膜方法及び多層膜反射鏡の製造方法 | |
JPH0666997A (ja) | 照明光学系 | |
JP3064630B2 (ja) | 多層膜反射鏡 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |