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JP2630462B2 - 化粧単板プラスチック複合材及びその製造方法 - Google Patents

化粧単板プラスチック複合材及びその製造方法

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JP2630462B2
JP2630462B2 JP1075974A JP7597489A JP2630462B2 JP 2630462 B2 JP2630462 B2 JP 2630462B2 JP 1075974 A JP1075974 A JP 1075974A JP 7597489 A JP7597489 A JP 7597489A JP 2630462 B2 JP2630462 B2 JP 2630462B2
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resin
impregnated
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thermosetting resin
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保 田中
吉武 佐川
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Kanto Jidosha Kogyo KK
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば自動車の内装部品であるセンターク
ラスタ、コンソールアッパーパネル、ドアトリムオーナ
メントパネル等に使用される透明樹脂表面被覆層を有す
る化粧単板プラスチック複合材及びその製造方法に関
し、これは中でも高級車両に使用される天然銘木の木目
の見える透明樹脂表面被覆層を有する化粧単板プラスチ
ック複合材を包含する。
〔従来の技術〕
自動車内装用の天然木化粧単板に透明樹脂表面被覆層
を有する高級装飾複合材は第2図に示す如く、ぶな、し
な、かば、ワラン等の合板を基材4とし、これに木目の
美しいバーズアイメープル、ウォルナット、くす等の天
然銘木を厚さ0.2−1.5mm程度にスライスした化粧単板2
を被せ、この積層物をフェノール樹脂、ユリア樹脂系の
接着剤または樹脂含浸接着フィルム5の使用のもとに熱
プレスして接着一体化した後、内外周のトリミングカッ
トを行ない、次いで透明樹脂塗膜6のスプレーガン7に
よる塗装仕上げ工程を行なうことによって作られてい
る。
最近の一般的経済レベルの向上から、天然素材が見直
され、自動車市場でも天然木化粧単板に透明樹脂塗装を
施して、高級ピアノの如く鏡のように高光沢で、平滑且
つ、透明感を有するものが高級車の内装部品を中心に実
用化されつつある。
しかしその透明樹脂塗装は塗装前の準備として化粧単
板の平滑化と汚れ除去のためのサンデイング、目ヤセや
ヤニ防止と外観色調の均一化のためのポリエステルまた
はウレタン系着色塗料のエアースプレーによる複数回の
下塗り作業、再サンデイング等を行なった上で仕上げ工
程として、肉もち感、深み感、透明感の付与、目ヤセ防
止のためのポリエステルやウレタン系の透明塗料による
中塗り及び上塗り、そして最後にサンデイング及びコン
パウンドワックスによる研磨仕上げが必要である。
またこれらの塗装は一般にエアースプレー塗装で施さ
れるが、塗料の塗着効率が低いため、その損失が多く、
平滑で均一な塗装膜厚に仕上げるのが難かしく、塗装面
に沸き、タレ、色むら、白化、オレンジビール等の表面
欠陥を生じ易い。このため熟練塗装技能者により、注意
深い配慮で且つ、充分時間をかけて、厳重な作業管理を
行なって仕上げていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述のように、化粧単板プラスチック複合材の製造に
おいて、従来の技法による場合は特に透明樹脂塗膜6の
スプレーガン7による塗装工程において高度の熟練技術
及び多数の工程と塗装設備、多くの時間とを要するた
め、生産能率が低く、製造コストへの影響が大きいので
その改善が強く望まれていた。
また、化粧単板には天然銘木を用いるため、そのスラ
イス時に発生する裏割れや木質繊維導管等の微細空隙
部、凹凸部には空気や水分(接着剤に含まれる)が集り
易く、塗膜乾燥時に塗膜内または塗膜と化粧単板界面に
発生する白濁斑や沸き等の表面欠陥の原因ともなり、更
に色むら、オレンジビール、タレ、研ぎ足し、ヤセ等の
塗装時の不具合の解消や、スプレー塗装時の塗料の損
失、及び塗料のスプレーダストや有機溶剤の揮散による
設備や環境等の汚染の防止もまた、塗装仕上げの管理に
おける課題となっている。
本発明は上記の諸課題を解決するためになされたもの
で、高い耐久性と強度とを備えた表面を有し、且つ高強
度、高品質の化粧単板プラスチック複合材、及びこれを
好ましい作業条件で製造するための、複雑な塗装工程を
必要としない製造方法を提供することを目的とするもの
である。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上述の諸課題を解決するために従来の塗
装工程に代えて透明樹脂表面被覆層を別に形成した樹脂
シートの熱プレス硬化によって形成することに着眼して
種々研究を行ない、基材と、化粧単板と、及び透明樹脂
表面被覆層としていずれも熱硬化性樹脂を含浸させたも
のを重ね合わせて、内面の鏡面化されたプレス金型の中
で熱プレスした場合に、美麗な光沢表面を有し、しかも
高強度で耐久性の高い透明樹脂被覆層を備えた3次元曲
面形状の化粧単板プラスチック複合材が複雑な塗装仕上
げ工程を必要とすることがなく、少ない作業工程で経済
的に製造できることを見出し、本出願人が同時出願する
特許出願において提案しているが、本発明者らはまた、
上記の化粧単板としては特に熱硬化性樹脂で含浸されて
いない天然銘木薄板を用いても従来品に匹敵する外観品
質、強度と耐久性とを備えた化粧単板プラスチック複合
材が得られることを見出し、本発明に到達した。
本発明の化粧単板プラスチック複合材は、熱硬化性樹
脂と低収縮剤とを含む樹脂液で無機又は有機の繊維より
なる強化材を含浸して予備硬化させた繊維強化プラスチ
ックよりなるコンパウンドのシート状基材、樹脂含浸さ
れていない化粧単板、及び上記シート状基材の熱硬化性
樹脂と互いに架橋反応し得る熱硬化性樹脂で含浸された
繊維シート材から熱プレスにより一体に硬化形成されて
おり、その際上記樹脂含浸繊維シート材の熱硬化層を透
明樹脂表面被覆層として備えていることを特徴とする。
基材としては上記熱硬化性樹脂のプレポリマー又はモ
ノマー、架橋剤、並びに他の通常的な充填剤、増粘剤、
離型剤、着色剤、触媒、重合安定剤等と低収縮剤として
熱可塑性樹脂を添加、混合してなる混合液を無機または
有機の繊維よりなる補強材に含浸させ、経時的にタッグ
フリー状態まで熟成したシート状コンパウンド(以下、
低収縮SMCと記す)を使用するのが好ましい。
本願明細書において熱硬化性樹脂で含浸したと言う表
現は上記のような混合液で含浸したことを意味する。
本発明による化粧単板プラスチック複合材の製造法に
よれば、熱硬化性樹脂と低収縮剤とを含む樹脂液で無機
又は有機の繊維よりなる強化材を含浸して予備硬化させ
た繊維強化プラスチックよりなるコンパウンドのシート
状基材、樹脂含浸されていない化粧単板、及び上記基材
の熱硬化性樹脂と互いに架橋して熱硬化し得る熱硬化性
樹脂で含浸された繊維シート材を順に重ねて鏡面研磨内
面を有するプレス金型の中にセットし、型締め加圧直前
に金型内部を減圧脱気してワンショットで熱プレスす
る。
上記製造方法の別の態様において、化粧単板の裏面に
繊維質裏打ち補強材を接着剤により接着して用いる。
〔作用〕
本発明に従う化粧単板プラスチック複合材は、強化繊
維材に熱硬化性樹脂を含浸したシート状基材、樹脂含浸
されていない化粧単板、及び上記シート状基材の熱硬化
性樹脂と互いに架橋反応し得る熱硬化性樹脂で含浸され
た繊維シート材から熱プレスにより一体に硬化形成され
ていることによって、全体を通じて架橋反応により強固
に結合しており、従来品にない高い強度を有する。また
上記樹脂含浸繊維シート材の熱硬化層が透明樹脂表面被
覆層として用いられていることにより化粧単板が強く保
護されて高い強度と共に高い耐久性を示す。
基材と透明樹脂表面被覆層用シート材との熱硬化性樹
脂としてはジアリルフタレート樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、アルキッド樹脂等の中から選ばれる互いに架橋
反応可能な少なくとも1種以上が用いられる。
基材として、上記のような熱硬化性樹脂のプレポリマ
ーに加えて、低収縮剤としての熱可塑性樹脂(ポリエチ
レン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、
スチレンブタジエンブロックコポリマー、ポリメタアク
リル酸メチル等)、並びに他の通常的な、例えば充填
材、増粘剤、離型剤、着色剤、触媒、重合安定剤等から
なるコンパウンドをガラス繊維等のシート状強化材に含
浸させ、経時的にタッグフリーの状態まで熟成して得ら
れるシート状の低収縮SMCを用いることにより寸法安定
性の良い高強度の製品が得られる。
化粧単板としてはチーク、ローズウッド、ウオールナ
ット、くす、バーズアイメープル等の天然銘木の板目ま
たは柾目及び杢の薄板が特に樹脂含浸することなくその
まま用いられるが、これは染色または塗装等によって調
色処理されていてもよい。化粧単板に和紙や薄い合成繊
維の不織布等を補強裏打ち材として、耐熱性のよいエラ
ストマー系接着剤で張り付けて用いると熱プレス成形す
るときに化粧単板のワレが防止でき、良好な製品を得る
ことができる。
透明樹脂表面被覆層用のシート材に用いる繊維シート
としては好ましくは目付量20−40g/m2のパルプ紙、種々
の合成繊維の布、中でも不織布が用いられる。
透明樹脂表面被覆層用のシート材(以下樹脂シートと
呼ぶ)としては、前述した熱硬化性樹脂のプレポリマー
を単独で、または混合して、溶剤、触媒、内部離型剤、
重合安定剤等と共に、また必要に応じて他の樹脂或はそ
のモノマーや無機充填材の添加のもとに混合し、この混
合液を上記のような紙又は合成樹脂繊維不織布に含浸、
乾燥させたものを用いる。このようなシート材の1ない
し数枚を上記のような化粧単板の上に載せ、これを基材
と積層して、内面の仕上げ研磨されたプレス金型の中に
セットし、熱プレスすることにより各層内及び層間で熱
硬化性樹脂プレポリマーの架橋反応、即ち熱硬化反応が
活発に行なわれ、得られた製品は高い層間接着力により
結合されていてしかも美しい表面光沢を有する。
本発明の化粧単板プラスチック複合材を製造する方法
において、熱硬化性樹脂と低収縮剤とを含む樹脂液で無
機又は有機の繊維よりなる強化材を含浸して予備硬化さ
せた繊維強化プラスチックよりなるコンパウンドのシー
ト状基材、樹脂含浸されていない化粧単板、及び上記基
材の熱硬化性樹脂と互いに架橋して熱硬化し得る熱硬化
性樹脂で含浸された繊維シート材(樹脂シート)を順に
重ねて鏡面研磨内面を有するプレス金型の中で熱プレス
することにより、上記被覆層用樹脂シートは得られた熱
プレス成形体の表面で特に複雑な塗装仕上げ工程を要せ
ず美麗な表面光沢と内側層の化粧材の木目を明瞭に示す
透明性とを有する透明樹脂表面被覆層を与え、その際こ
の表面被覆層の樹脂と基材層の樹脂とが化粧単板中に浸
透してここで互いに架橋反応を起こし、間挿された化粧
材薄板と一体に強固な接合を形成するので、工程が大幅
に合理化され且つ、従来品にはない高機能性、即ち表面
層強度の大幅な上昇を達成すると共に種々の成形物をワ
ンショットで作り出すことが達成される。
熱プレスに際し、型締めに先立って金型内部を減圧脱
気することにより、塗膜内または塗膜と化粧単板の界面
に微細気泡より発生する白濁斑や塗面のクラック、ハガ
レ、反り、変形等の発生が防止され、品質管理面、生産
性の向上面に大きく寄与する。
上記化粧単板プラスチック複合材の熱プレスに際し
て、化粧単板の裏面に予め和紙や薄い合成繊維の不織布
等を補強裏打ち材として、耐熱性の良いエラストマー系
接着剤で張り付けて用いると成形時に化粧単板のワレが
防止でき、不良品発生率が低下する。
本発明による化粧単板プラスチック複合材の製造方法
において、上述のような樹脂シート及び基材の低収縮SM
Cは樹脂の含まれない化粧単板を挟んで第1図に示すよ
うな積層状態で、内面の仕上げ研磨されたプレス金型の
中で、金型温度140−145℃、圧力100kgf/cm2程度で熱プ
レスされる。その際化粧単板の層内部へ熱と圧力との作
用のもとに樹脂シート及び低収縮SMCから樹脂プレポリ
マーが浸透して、その微細空隙部、凹凸部を充填し、同
時にその上下両界面に可撓性を有する樹脂層が形成され
て接着剤を使用せずとも、耐湿性や耐熱性の劣化による
ハガレ、フクレ、クラック等の表面欠陥の発生が防止さ
れる。また各層内及び各層間では樹脂の架橋反応、即
ち、熱硬化反応が活発に行なわれ、高い層間接着力を達
成すると共に美しい表面光沢が得られる。
得られる化粧単板プラスチック複合材は天然銘木の木
目の美しさの生かされた高光沢で平滑な樹脂シート層
(透明樹脂表面被覆層)を有して高剛性、高強度、薄肉
化、高耐熱性、高耐水性等の優れた性質を示し、また高
い寸法安定性と共に部品組付けの際、ねじ用金具やリテ
ーナ用ボス等を埋込み、これにリテーナ打ち込み金具等
を嵌込むことが可能となるので、デザイン設計の自由度
が向上し、部品取り付けコストも大幅に低減できる。
本発明による化粧単板プラスチック複合材の良好な表
面光沢性、平滑性、成形性、高剛性、高耐水性等はいず
れも上記の本発明に従う透明樹脂表面被覆層用シート材
の樹脂プレポリマーと基材の低収縮SMCの中で用いられ
ている熱硬化性樹脂プレポリマーとの間の架橋反応、及
び基材の高強度、高剛性、高耐水性によるものである。
〔実施例〕
以下本発明を実施例及び比較例に基づき図面の参照の
もとに詳細に説明する。
例 1 平板の金型の投影面積に対して表面積が基材について
は90%、化粧単板及び透明樹脂表面被覆層用の樹脂含浸
シート材については95%になるようにそれぞれ予め裁断
した。
基材11としては、ガラスロービングのチヨップドスト
ランドマット(長さ1/4−2″)を熱可塑性ポリマーよ
りなされる低収縮剤が熱硬化性樹脂に対し5重量部配合
されている不飽和ポリエステル系樹脂混合物で含浸した
低収縮SMC(三井東圧化学社製エスターマットAU−120)
を用いた。
化粧単板12としてはチーク柾目の厚さ0.3mmの薄板を
用い、その裏側に和紙を補強裏打ち材としてスチレンブ
タジエンラバー系接着剤で接着強化した。
樹脂含浸シート材13は目付量25g/m2のパルプ紙にジア
リルフタレートプレポリマー(大阪曹達社製ダップA)
40重量部、不飽和ポリエステル樹脂(富士高分子社製SP
−1)60重量部、及び触媒としてのtert−ブチルパーオ
キサイド5重量部、並びに溶剤、有効量の重合安定剤、
無機充填材、離型材等を含む混合液を含浸させ、乾燥し
て作ったもので、110g/m2の樹脂含有量を有する。この
シート材4枚を重ねて用いた。
第1図に示すように、基材11、化粧単板12、及び樹脂
含浸シート材13はこの順に重ね合わせた後、平板用鏡面
仕上げ金型(300X300X3mm)内に積層セットし、金型温
度を上型145℃、下型140℃に設定し、型締め速度2mm/se
c、圧力100kgf/cm2で10分間熱プレスした。室温まで強
制的に冷し、脱型後表面を800耐水ペーパーで軽く空
研ぎした後、仕上げ用液体コンパウンド(石原薬品社製
FMC−11)にて仕上げた。
成品は化粧単板のワレ、ハガレ、フクレ、泡、白濁、
反り等の問題もなく、天然銘木であるチークの柾目の有
する美しさと豪華さを保持しながら別表に示すように、
従来品と較べ同等以上の光沢感、深み感、透明感、平滑
感等の外観品質に優れたものが得られた。
例 2 例1と同様に裏面に和紙をSBR系接着剤で接着して強
化した板厚0.6mmの杢目のバーズアイメープルの化粧単
板12と、例1に用いたと同じ低収縮剤添加不飽和ポリエ
ステル系SMCで作った基材11と、及び樹脂含浸シート材1
3とを用い、これらを例1と同様に裁断した。樹脂含浸
シート材13はジアリルフタレートプレポリマー(大阪曹
達社成ダップA)60重量部、不飽和ポリエステル樹脂
(三井東圧化学社製エスターD−400)40重量部、触媒
としてのベンゾイルパーオキサイド3重量部、及び有効
量の内部離型材並びに重合安定剤を有機溶剤中で混合し
た混合液を目付け量23g/m2のポリビニルアルコールの不
織布(クラレ社製クラトン)に含浸させ、乾燥した樹脂
量110g/m2のもので、これを4枚重ね合わせて使用し
た。
基材11、化粧単板12、及び樹脂含浸シート材13はこの
順に予め重ね合わせて平板用の鏡面仕上げ金型内にセッ
トし、型締め加圧直前から加圧時まで型内を160mmHgに
減圧脱気し、金型温度を上型145℃、下型140℃に設定し
て型締め速度2mm/sec、圧力100kgf/cm2で10分間熱プレ
スした。脱型後に軽い表面研磨を例1と同様に行った。
得られた成品は例1と同様、表面欠陥がなく、別表に示
すように従来品と較べ同等以上の光沢感、深み感、透明
感、平滑感等の外観品質に優れたものが得られた。
例 3 基材、化粧単板、及び樹脂含浸シート材は例1と同様
に作ったものを用いたが、但し、化粧単板は0.3mmの板
目のウオールナットとし、樹脂含浸シート材は目付け量
38g/m2のアクリル繊維の不織布(日本バイリーン社製OL
−7351)を樹脂量230g/m2となるように含浸したものを
3枚重ねて使用した。
基材11、化粧単板12、及び樹脂含浸シート材13はこの
順に予め重ね合わせて平板用の鏡面仕上げ内面を有する
金型内にセットし、減圧脱気条件以外は例2と同じ条件
で一体に熱プレスし、脱型後の表面仕上げも例1と同様
に施した。減圧脱気条件は真空度を60mmHgとした。
成品は例1のものと同様、表面欠陥なく、天然銘木で
あるウオールナットの板目を有する美しさと豪華さとを
保持し、しかも下表に示すように従来品と較べ同等以上
の光沢感、深み感、透明感、平滑感等の外観品質に優れ
たものが得られた。
試験方法 (1)鮮明度光沢度は日本色彩研究所製 PGD II型試験
機を用いて測定した。
(2)鏡面光沢度はスガ試験機社製のS&Mカラーコン
ピューターMoDel−4により測定した。
(3)平滑性は目視による基準板との比較評価である。
但し、基準板は目視による5段階の官能評価のための基
準として用いるもので下記1から5の段階よりなる。
5はオレンジピール無く、全くの平面。(蛍光灯が真
直ぐに写って見える。) 4はオレンジビールが極く僅かに見える。
3はオレンジビールが若干目立つ。
2はオレンジビームが目立つ。
1はオレンジピールが非常に目立つ。(蛍光灯が著し
くギザギザに写って見える。) 比較品は全て第2図に示す前述した従来の方法で製作
したもので、この内比較品Aは化粧単板にチーク柾目、
比較品Bは化粧単板にバーズアイメープルを用いたもの
である。
〔発明の効果〕
本発明は請求項1に従う化粧単板プラスチック複合材
はその製造に際して、請求項3に記載するように、透明
樹脂表面被覆層として、熱硬化性樹脂で含浸した繊維シ
ートを内面の鏡面仕上げされた金型内で熱プレスし、硬
化成形したものを用いるので、従来の製造法で必要な塗
装のための数多くの工程及びそのための設備、作業時
間、熟練技術が大幅に軽減されて作業能率の向上、製造
コストの大幅な低減に寄与するのみならず、樹脂含浸さ
れていない化粧単板の中にも両側から樹脂が浸透してこ
こで互いに架橋反応のもとに熱硬化するので、全体を通
じて強固に結合した高い強度のものが、高耐久性の高級
感のある仕上げ面と共に得られる。更に、強度や剛性を
補強するためのリブや部品取り付け用のねじ込み金具や
リテーナ打ち込み金具等をインサートするためのボスを
基材に埋め込んで成形することができるので、デザイン
や設計の自由度が大幅に向上するばかりでなく、部品取
り付けコストも大幅に低減できる。
請求項2に従い基材としての低収縮剤を含む熱硬化性
樹脂で含浸されたシート状コンパウンドを用いたとき
は、この複合材に付与される高剛性、高強度、良成形
性、高い寸法安定性、耐熱耐水性等の高機能的特徴によ
って、その付加価値は一層高められる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のプラスチック複合材の材料構成とその
製造工程を示す断面図、第2図は対応する従来の材料構
成とその製造工程を示す断面図である。 2、12……化粧単板、4、11……基材 5……接着剤 6、13……透明樹脂表面被覆層 7……スプレーガン

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と、その上に被せた化粧単板と、及び
    透明樹脂表面被覆層とからなる化粧単板プラスチック複
    合板において、熱硬化性樹脂と低収縮剤とを含む樹脂液
    で無機又は有機の繊維よりなる強化材を含浸して予備硬
    化させた繊維強化プラスチックよりなるコンパウンドの
    シート状基材、樹脂含浸されていない化粧単板、及び上
    記シート状基板の熱硬化性樹脂と互いに架橋反応し得る
    熱硬化性樹脂で含浸された繊維シートから熱プレスによ
    り一体に硬化形成されており、その際上記樹脂含浸繊維
    シート材の熱硬化層を透明樹脂表面被覆層として備えて
    いることを特徴とする、化粧単板プラスチック複合材。
  2. 【請求項2】請求項1記載の化粧単板プラスチック複合
    材を製造するに当り、熱硬化性樹脂と低収縮剤とを含む
    樹脂液で無機又は有機の繊維よりなる強化材を含浸して
    予備硬化させた繊維強化プラスチックよりなるコンパウ
    ンドのシート状基材、樹脂含浸されていない化粧単板、
    及び上記基材の熱硬化性樹脂と互いに架橋して熱硬化し
    得る熱硬化性樹脂で含浸された繊維シート材を順に重ね
    て鏡面研磨内面を有するプレス金型の中にセットし、型
    締め加圧直前に金型内部を減圧脱気してワンショットで
    熱プレスすることを特徴とする、化粧単板プラスチック
    複合材の製造方法。
  3. 【請求項3】化粧単板の裏面に、予め繊維質裏打ち補強
    シートを接着して用いる、請求項2記載の化粧単板プラ
    スチック接着複合材の製造方法。
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