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JP2626845B2 - 電解コンデンサ陽極用硬質アルミニウム箔 - Google Patents

電解コンデンサ陽極用硬質アルミニウム箔

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JP2626845B2
JP2626845B2 JP3131968A JP13196891A JP2626845B2 JP 2626845 B2 JP2626845 B2 JP 2626845B2 JP 3131968 A JP3131968 A JP 3131968A JP 13196891 A JP13196891 A JP 13196891A JP 2626845 B2 JP2626845 B2 JP 2626845B2
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JP
Japan
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aluminum foil
anode
etching
electrolytic capacitor
plane
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正晴 倉橋
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Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電解コンデンサ陽極用
のアルミニウム箔、とくに塩酸系電解液に対する化学溶
解性が低く、静電容量が高い低圧用硬質アルミニウム箔
に関する。
【0002】
【従来の技術】電解コンデンサの静電容量は適用電極の
表面積に比例するため、陽極用として用いられるアルミ
ニウム箔には表面積を拡大するためのエッチング処理が
施されている。
【0003】通常、陽極用アルミニウム箔のエッチング
は塩酸系の電解液中で化学的または電気化学的におこな
われるが、電気化学的な処理には最終用途での使用電圧
に応じて直流、交流もしくは交直重畳電流が使い分けら
れている。例えば、陽極用アルミニウム箔の使用電圧が
150V以下の低圧箔に対しては、0.2μm 程度の微細なエ
ッチング孔が得られる交流エッチングが適用される。
【0004】一般に低圧用箔としては厚さ65〜100 μm
の硬質または軟質のアルミニウム箔が使用されるが、交
流エッチングでは直流エッチングとは異なり組織 (結晶
方位) の影響は余り受けないとされてきた。ところが、
厳密には硬質箔は圧延率によって溶解減量および静電容
量に影響を受ける。これは、ラインでのエッチングには
非通電時間が介在する関係で、ビーカーエッチングとは
異なった結果となるためである。
【0005】硬質アルミニウム箔を交流エッチングする
際の溶解減量は、交流電流による反応で生じる電解エッ
チング減量と塩酸系電解液との化学反応に基づく化学溶
解減量の二要因によって発生する。このうち、前者の電
解エッチング減量は通電する電気量に比例した理論値通
りの値を示すが、後者の化学溶解減量はアルミニウム箔
の純度との関係が強く、不純物成分が多いと化学溶解量
が増大することが知られている。このため、従来から可
及的に高純度のアルミニウム箔を使用することが必要条
件とされており、また製造時に不純物成分を熱処理によ
って固溶させてアルミニウム箔を得る方法なども提案さ
れている(特開昭62−63656 号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、不純物
成分量と製造条件を規制して製造されたアルミニウム箔
でも、交流エッチング時の化学溶解量が変動および増大
傾向を示して静電容量のばらつきや減退現象を生じるこ
とがある。
【0007】本発明者は前記溶解量の変動要因について
多面的な究明調査を加えた結果、アルミニウム箔の純度
のほかに圧延集合組織における立方体方位の存在割合が
関与しており、圧延方位(110) 面に対する立方体方位の
(100) 面の比〔(100)/(110)〕が一定値以下の要件を満
たす場合には溶解減量が有意に減少し、静電容量の増大
がもたらされる事実を解明した。
【0008】本発明は上記の知見に基づいて開発された
もので、エッチング処理時の塩酸電解液に対する化学溶
解減量ならびに変動幅を減少させ、安定した高い静電容
量を付与することができる低圧用の電解コンデンサ陽極
用硬質アルミニウム箔を提供することを目的としてい
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による電解コンデンサ陽極用硬質アルミニウ
ム箔は、Si0.0020〜0.0100%、Fe0.0015〜0.0085
%、Cu0.0010〜0.0080%、その他の不可避不純物 0.0
10%以下、残部がAlの成分組成からなり、結晶方位の
(110) 面に対する(100) 面の比〔(100)/(110) 〕が0.05
以下の圧延集合組織を備えることを構成上の特徴とす
る。
【0010】上記の構成において、Si、Fe、Cuお
よび不可避不純物に関する含有範囲の特定化は本発明の
成分組成的な要件となるもので、硬質アルミニウム箔が
この純度水準を満たすことが第1の要件となる。Siは
アルミニウムの自己溶解性を高める機能成分であり、そ
の含有量が0.0100%を越えると溶解減量が増大する。F
eも同様にアルミニウムの自己溶解性を促進させ、また
固溶限が小さいため上限を0.0085%に抑えないと溶解減
量が著増する。これら成分の含有下限については技術的
意味での量限定は要さないが、高純度化の困難性とコス
ト面を考慮してSi0.0020%、Fe0.0015%にそれぞれ
設定した。Cu成分は固溶限は大きいものの電位を貴に
してアルミニウムの自己溶解性を高める挙動を示すた
め、0.0010〜0.0080%の範囲に収める必要がある。ま
た、その他の不可避不純物も 0.010%を越すと化学的溶
解減量を増大させる因となる。
【0011】本発明の第2の要件は、結晶性状として硬
質アルミニウム箔の結晶方位 (110)面に対する (100)面
の比〔(100)/(110) 〕が0.05以下の圧延集合組織を備え
ることである。硬質低圧用として製造されるアルミニウ
ム箔は圧延集合組織であるため、X線回折により測定さ
れる結晶形態は圧延方位の (110)面が大部分を占め、立
方体方位の (100)面は極く僅かしか存在しないが、本発
明においては特に前記の結晶面比を選択することによっ
て塩酸系電解液に対する溶解減量ならびに変動幅を効果
的に減少させ、静電容量を高めることができる。
【0012】電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔は、
選定された純度を有するアルミニウム鋳塊を圧延処理す
る工程によって製造されるが、上記の成分組成的と結晶
性状的な要件を備える低圧用の硬質箔は、不純物成分を
固溶させるために鋳塊段階において540〜620℃の
温度で少なくとも1時間以上の均質化処理をおこない、
ついで不純物が析出せず、立方体方位の(100)面と
圧延方位の(110)面の比〔(100)/(11
0)〕が0.05以下になるような条件を設定して熱間
圧延および冷間圧延することにより製造することができ
る。その条件例として、例えば熱間圧延を400〜45
0℃のような低温で行い、熱間圧延の終了板厚を10m
mにように通常より厚くし、圧延速度や圧下率を低くし
てアルミニウム箔の温度が120℃を越えないようにす
る方法を挙げることができる。
【0013】
【作用】本発明の構成で第1の要件となる不純物含有量
の特定化は、固溶限が小さく、かつアルミニウムの自己
溶解性を高める成分を少なくして化学的な溶解減量を減
少させるための前提的な機能要件となる。第2の要件と
なる結晶面性状に関する特定化は、溶解性の大きな立方
体方位の結晶面(100) を少なくして溶解減量ならびにそ
の変動幅の減少と静電容量の向上に寄与させるための機
能要件となる。
【0014】結晶面性状に基づく前記の作用は、塩酸系
電解液中での溶解性が結晶方位によって異なる現象によ
って生じるものであり、結晶面(110) 、(111) に比べて
原子密度が低く溶解性の大きな (100)面の比率を一定限
度内に低めることによってもたらされる。すなわち、結
晶面の溶解性は(100) >(110) >(111) の関係にあり、
箔組織中における(100) 面の存在が (110)面に対する比
として0.05以下に抑えると拡面率に寄与しない不必要な
溶解(例えばエッチピットセル壁の溶解)の進行が効果
的に阻止され、箔表面積の減少が抑制される。
【0015】このような両要件による作用機能が相乗し
てエッチング時の化学溶解性が効果的に減少し、併せて
溶解量当たりの静電容量が向上した低圧用の電解コンデ
ンサ陽極用アルミニウム箔の提供が可能となる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。
【0017】表1に示した不純物成分および結晶面比
(X線回折強度比)の異なる10種類のアルミニウム鋳
塊を、540〜620℃の温度域で10時間均熱化処理
を施したのち、実施例1〜4および比較例3〜6のもの
については、400〜450℃に加熱して10mm厚さ
まで熱間圧延し、その後材料温度が120℃を越えない
ように冷間圧延し、比較例1〜2のものについては、5
00〜550℃に加熱して3mm厚さまで熱間圧延し、
その後通常の方法で冷間圧延して、厚さ0.1mmのア
ルミニウム箔を製造した。ついで各アルミニウム箔を、
12.5%塩酸、0.6%燐酸および0.5%硝酸から
なる液温45℃の電解液中に浸け、電流密度30A/d
の交流を1分間と6分間に分けて通電してエッチン
グ処理を行った。
【0018】
【表1】
【0019】エッチング処理後における各箔の溶解減量
を測定し、アルミニウム箔の性状と対比させて表2に示
した。引き続き、エッチング処理後の各アルミニウム箔
を15%アジピン酸アンモニウム水溶液中で20V により加
成処理し、LCRメーターで静電容量を測定した。その
結果も表2に併載した。
【0020】
【表2】
【0021】表2の実施例と比較例を対比して明らかな
とおり、本発明の性状要件を満たす実施例1〜4はいず
れも要件を外れる比較例1〜6より溶解減量ならびにそ
の変動幅が減少しており、静電容量も明確に向上してい
ることが認められる。
【0022】
【発明の効果】以上のとおり、本発明に係る電解コンデ
ンサ陽極用硬質アルミニウム箔によればエッチング工程
で塩酸系電解液に対する溶解減量ならびに変動が軽減さ
れ、高水準の静電容量を示す。そのうえ、エッチング効
率が向上するため相対的に芯部のアルミニウム箔の材質
強度が増大する効果も併せてもたらされる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Si0.0020〜0.0100%、Fe0.0015〜0.
    0085%、Cu0.0010〜0.0080%、その他の不可避不純物
    0.010%以下、残部がAlの成分組成からなり、結晶方
    位の (110)面に対する (100)面の比〔(100)/(110)〕が
    0.05以下の圧延集合組織を備えることを特徴とする電解
    コンデンサ陽極用硬質アルミニウム箔。
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