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JP2622145B2 - 徴細凹凸面の転写複製方法 - Google Patents

徴細凹凸面の転写複製方法

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JP2622145B2
JP2622145B2 JP63079916A JP7991688A JP2622145B2 JP 2622145 B2 JP2622145 B2 JP 2622145B2 JP 63079916 A JP63079916 A JP 63079916A JP 7991688 A JP7991688 A JP 7991688A JP 2622145 B2 JP2622145 B2 JP 2622145B2
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water
film
transparent film
polyvinyl alcohol
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JP63079916A
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忠 石田
顕吉 松原
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ポーラ化成工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、皮膚等の微細凹凸面の転写複製方法に関す
る。
〔従来の技術〕
新たな化粧品を開発しようとするような場合、皮膚表
面の皮膚組織に対する化粧品の適合性あるいは皮膚面の
化粧品ののり具合などを視覚的に確認する必要がある。
こうした必要性に対応し、皮膚表面の皮膚組織を精密に
顕微鏡観察するためのいくつかの方法がこれまでにも提
案されている。提案されている方法の多くは皮膚の表面
の微細な皮膚組織の構造を転写する皮膚レプリカ材とよ
ばれる転写材を利用する方法であって、たとえば次のよ
うなものがある。
まず、2段レプリカ法であるが、これは、シリコン樹
脂を皮膚に塗布して皮膚表面の皮膚組織の陰版の転写膜
をまず作り、ついで、その陰版の反転膜をもとに皮膚表
面の皮膚組織の陽版の転写膜を作成してこれを顕微鏡観
察するという方法である。
また、2液混合による方法も提案されている。これは
まず、シリコン樹脂あるいはその他のラバーベースに硬
化剤を混合し、混合したそのシリコン樹脂あるいはラバ
ーベースを皮膚表面に塗布する。その際、中に含まれて
いるその硬化剤のはたらきにより皮膚表面にはシリコン
樹脂あるいはその他のラバーベースが硬化して塗料膜が
形成される。そして、得られたそのシリコン樹脂膜を皮
膚からはがし、顕微鏡観察するものである。
また、他の方法として、セロイジン液といわれるパッ
ク状の透明溶液を皮膚に塗布し、ついで乾燥させ、得ら
れた塗膜を接着剤のついたセロファン紙ではがして顕微
鏡観察するというウルフ法も知られている。また、特開
昭59−43358号公報にはレプリカ材である特定の化合物
を皮膚に塗布して塗膜を作り、その次にポリエステル樹
脂板に粘着性の高いアクリル酸エステル共重合体を塗布
した剥離材を先の塗膜の上から当て、その粘着力を利用
して塗膜を皮膚面からはがし、皮膚に当たっていた塗膜
の表面を顕微鏡観察するという方法が提案されている。
さらに、スンプ板といわれるセルロイド板に酢酸アミ
ルあるいはアセトンを塗付し、そのスンプ板とともに酢
酸アミルあるいはアセトンを皮膚に押し付けて皮膚表面
の皮膚組織の微細な構造を酢酸アミルあるいはアセトン
表面を転写し、つぎに、乾燥後これをはがして顕微鏡観
察するというスンプ法も知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
このような従来の提案の一つ一つについて子細に検討
をおこなうと、つぎのような多くの問題点が認められ
る。
2段レプリカ法には作業が繁雑であって観察までに長
時間を要するという問題点がある。シリコン樹脂に硬化
剤を混合してこれを使用時に塗布するという方法は、常
時2種類の薬剤を準備しておかなければならず、また、
使用にあたってそのつど2つの薬剤を混合しなければな
らず、薬剤の保存と使用時の取り扱いが困難であるとい
う問題点がある。さらに、2つの薬剤を混合するにはそ
のための計量が必要であり、しかも、この方法の場合に
は皮膚表面を塗る時間的余裕は約2分間と限られてお
り、取り扱いに注意が必要である。また、レプリカ法に
用いられるこれらの素材は、皮膚の狭く深い部分には充
分入り込まずそのためそのような部分の正確な転写を得
ることは難しいという問題点があった。また、素材はい
ずれも不透明であり、採取したレプリカの観察には、反
射型の顕微鏡を使用しなければならず、細部の観察がよ
くできないという問題点がある。
ウルフ法は、2つのウルフ法いずれの場合にも、皮膚
表面とそこに形成した塗膜との接着力が強く、皮膚に塗
布して得られた塗膜を皮膚からはがすときの皮膚や肌の
刺激が強すぎるという問題点があった。また、液状の場
合には皮膚に均一に塗布することが難しく、乾燥時間も
長くかかり、はがすときに失敗も多いという問題点があ
った。
このような問題点を考えると、スンプ法が比較的妥当
であって、一般にはスンプ法が広く用いられている傾向
にある。ところが、凹凸の激しい顔面などにおいて凹部
内の皮溝部分のレプリカを作成しようとすると、セルロ
イド板は皮膚の形状に従わず、結局は平面部分もしくは
凸部の皮膚レプリカしか作成できない。凹部が浅ければ
セルロイド板を強く押し付けることにより凹部奥の皮溝
を転写できるが、皮膚に圧力を加えると皮膚表面の皮膚
組織の微細な構造は、一時的に変形してしまう。そのた
め、自然な状態における皮膚表面の皮膚組織の正確な転
写ができないという問題点があった。また酢酸アミルや
アセトンのような、揮発性有機溶剤を使用しているた
め、顔に用いるような場合には溶剤の臭気に悩まされた
り、あるいは溶剤が肌中の脂肪分を溶解し一時的にも肌
を荒らすため、肌がしみたりさらに肌にかゆみや痛みを
感じたりすることもあるという問題点があった。さら
に、スンプ法では皮膚レプリカ作成時にスンプ板を皮膚
から離す際に皮膚角質層をはがすことが多く、このため
皮膚の炎症を引き起こし当面(1ケ月位)の間、同一部
位のレプリカを採取できないという問題点もあった。
本発明はこのような従来の技術的問題点を解決しよう
とするものであって、頬と鼻の境目のように突き出しや
へこみの激しい部分であっても、その部分の皮膚表面の
皮膚組織の微妙な皮丘・皮溝を正確に転写することがで
き、皮膚に対する刺激もなく、しかも、作業には習熟を
要しない皮膚等の微細凹凸面の転写複製方法を提供する
ことを技術的課題とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は前記技術的課題を解決するため次のような手
段をとった。
まず、水溶性透明フィルムを用意する。そして、この
水溶性透明フィルムの一面もしくは複製対象となる微細
凹凸面の少なくとも一方に水を塗布する。その後、水溶
性透明フィルムを前記微細凹凸面に貼り付ける。そし
て、前記水溶性透明フィルムを溶解させ微細凹凸面に浸
透させる。さらに、その上から水を塗布してから乾燥さ
せた後にはがして微細凹凸面を転写複製する。
ここで、水溶性透明フィルムとしては、ポリ酢酸ビニ
ルの部分鹸化物で平均重合度1000〜1500のポリビニルア
ルコールを主要成分とするフィルムが好適である。特
に、ポリ酢酸ビニルの部分鹸化物で平均重合度1000〜15
00のポリビニルアルコールと、ポリ酢酸ビニルの部分鹸
化物で平均重合度が300〜700のポリビニルアルコールと
を含み、そのうち平均重合度が300〜700であるポリビニ
ルアルコールの割合が両者合わせたうちの0.5重量部以
下のポリビニルアルコールを主要成分とするフィルムで
あるとさらに好ましい。
また、塗布すべき水は、純水に限らず、水を主体と
し、これに他の成分を溶解、あるいは混合したものでも
良い。
乾燥手段は、自然乾燥、あるいは、冷風もしくは温風
等による強制乾燥を例示できる。
〔作用〕
本発明の方法を適用する際には、予め目的とする微細
凹凸面を水で洗浄しておくことが好ましい。微細凹凸面
としては、たとえば、皮膚表面を例示できるので、以
下、皮膚表面の凹凸模様の転写複製の場合について本発
明方法の作用を説明する。
第1図のように、水溶性透明フィルム1の一面もしく
は複製対象となる皮膚表面2の少なくとも一方に水また
は化粧水3を塗布して水溶性フィルム1を前記皮膚表面
2に貼り付けると、フィルムの表面は水または化粧水3
で溶解し、皮膚表面2の微細な凹凸に浸透して行き、皮
膚表面2に密着する。
さらに、その上から水または化粧水3を塗布すること
により、フィルム1の上面も溶解し、全体が液体に近い
状態となり(1a)、皮膚表面2により密着する。この場
合、水の量や時間によりフィルム1が完全に溶解する場
合とフィルム1が完全に解けずに芯として残る場合とが
ある。ここで、フィルム1の上面から水または化粧水3
を塗布する意味は、フィルム1の上面から水または化粧
水3を塗布しないでおくと、乾燥したときシワができ、
転写した凹凸模様の観察に支障をきたすおそれがあるか
らである。
その後、乾燥させた後に固化したフィルム1bをはがす
と、皮膚表面2の凹凸模様すなわち皮丘・皮溝を転写複
製した皮膚レプリカができる。そこで、採取した皮膚レ
プリカをプレパラート用基板に貼り着けて、顕微鏡で観
察する。
皮膚表面2からフィルム1bをはがす場合には、第2図
に示したような、窓孔5aを有するとともに、一面に接着
剤を塗布してある台紙6を用い、この台紙6の接着面6a
を皮膚表面3のフィルム1bに押し付け、台紙6とともに
フィルム1bをはがし、さらに前記窓孔5aに対応した窓孔
5bを有するプレパラート用基板7に台紙6とともにフィ
ルム1bを貼り着けると、プレパラート用基板への展張作
業が省略できる。
本発明にかかわる水溶性透明フィルムの主要成分に用
いられるポリビニルアルコールの平均重合度は1000〜15
00、好ましくは1200〜1500の範囲が選択される。平均重
合度が1000未満であると、水溶性透明フィルムの水に対
する親和性は高まるものの、反面保形性が低下し、膨潤
等によりヨレ(シワ)を生じ、良好なレプリカの採取が
困難となる。平均重合度が1500を超えると保形性では優
れるものの、水溶性透明フィルムの水に対する親和性が
低くなりすぎてしまう。そのため、より微細な皮溝部分
あるいはより深い皮溝部分には、粘性が高くなったポリ
ビニルアルコール水溶液が充分深く入りきれず、転写さ
れる皮膚組織の形状は不鮮明になる。すなわち、重合度
が低すぎる場合も高すぎる場合も、皮膚表面の皮膚組織
の微細な構造を水溶性透明フィルムに正確に転写するこ
とが困難になるので好ましくない。
本発明にかかわる水溶性透明フィルムでは、主要成分
に用いられるポリビニルアルコールとして上記した重合
度1000〜1500のものに加えて重合度300〜700のものを一
定割合下で併用すると更に好ましい。
すなわち、上記した水溶性透明フィルムの保形性と水
に対する親和性のバランスをとりつつ、全ポリビニルア
ルコール中の0.5重量倍以下、好ましくは0.4重量倍以下
の割合で重合度300〜700のポリビニルアルコールを含有
せしめることにより、非常にきめの細かい表面層が得ら
れるようになる。
重合度300〜700のポリビニルアルコールの全ポリビニ
ルアルコール中の含有割合が0.5重量倍を超えると、水
に対するフィルムの親和性が優先し、保形性が低下して
良好な水溶性透明フィルムとはかなり得ない。
なお、上記した重合度1000〜1500のポリビニルアルコ
ールまたは重合度300〜700のポリビニルアルコールはい
ずれもポリ酢酸ビニルの部分鹸化物であり、その鹸化度
は87〜89モル%であるとよい。鹸化度が87〜89モル%で
あると、水に対する親和性が最適の状態になる。鹸化度
が87モル%未満、あるいは89モル%を超えると、いずれ
の場合も水に対する親和性が低下してあまり好ましくな
い。
衆知のように皮膚レプリカ作成用の水溶性透明フィル
ムでは、透明性、長期保存性、柔軟性、水に対する親和
性などとともに肌に対する親和性も高いことが要求され
る。この点から、ポリビニルアルコールと同様にシート
状の形成が可能である他の水溶性高分子化合物、たとえ
ば、プルラン、アルギン酸ナトリウム、ガム質、コラー
ゲン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロー
ス、ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸エステル/
メタアクリル酸エステル共重合体、ヒドロキシプロピル
セルロース、ケルトロール、カーボポールなどは、単独
では水溶性透明フィルムに使用し得ないが、本発明の目
的を逸脱しない範囲でポリビニルアルコールとともに使
用することは可能である。
本発明で用いられる水溶性透明フィルムは、さらに、
透明性を害さない程度に微量の色素によって着色されて
いると顕微鏡観察が容易になって好ましい。
本発明にかかわる水溶性透明フィルムの厚さは、30〜
80μm、好ましくは40〜60μmが望ましい。水溶性透明
フィルムの厚さが30μm未満であると、フィルムの機械
的強度が弱くなって好ましくない。反対に80μmを超え
ると、フィルムが柔軟でなくなって起伏の激しい部分の
皮膚の表面の正確な転写が難しくなるので好ましくな
い。
このような本発明にかかわる水溶性透明フィルムは、
吸湿性が低く湿度に伴う変化も比較的小さく長期保存が
可能であり、また、透明性や柔軟性にも優れ、かつ、水
や肌に対する親和性も良好なものである。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例について説明する。
<実施例1> 精製水51重量部に、1,3−ブチレングリコール2重量
部を溶解して得られた多価アルコール水溶液に、酢酸ビ
ニルを87〜89%部分鹸化して得られた平均重合度1500の
ポリビニルアルコールを15重量部と、酢酸ビニルを87〜
89%部分鹸化して得られた平均重合度500のポリビニル
アルコール7重量部とを混合したポリビニルアルコール
を分散した。ついでこれを80℃に加熱して溶解し、つぎ
に40℃まで冷却後、エチルアルコールを25重量部滴下し
て粘度約50000cpのポリビニルアルコール溶液を調整し
た。粘度の確認にはB型粘度計を用い、4号ロータを使
用した。つぎにこのように粘度を調整して得られたポリ
ビニルアルコール溶液をガラス板上に、薄層板作成器を
用い均一な厚さ約0.3mmに引き延ばすようにして塗布し
たのち、乾燥させた。
以上のようにして厚さ50μmの均一な厚さの透明フィ
ルムを得た。
そして、予め頬と鼻の境目部分の凹んだ皮膚表面を水
で洗浄し、ついで、その皮膚表面に水を塗布し、皮膚レ
プリカ作成用フィルムを前記皮膚表面に付着させた。つ
いで、そのフィルムの上から水を塗布し、フィルムの皮
膚に接触していない反対側面も溶解させた。
その後、自然乾燥によって固化したフィルムをはが
し、得られた皮膚レプリカをプレパラート用基板にはり
着けて、顕微鏡で観察した。
顕微鏡観察したところ皮膚表面の皮膚組織の微細な形
状が極めて鮮明に観察された。結果を第3図の写真図に
示す。倍率は15倍とした。
なお、以下ポリビニルアルコールにはすべて、酢酸ビ
ニルを87〜89%部分鹸化して得られたポリビニルアルコ
ールを用いた。顕微鏡写真の倍率はすべて15倍とした。
<実施例2> 精製水を48重量部、平均重合度1300のポリビニルアル
コールを18重量部、粘度を約60000cpとした以外は実施
例1と同一とした。
以上のようにして得た厚さ55μmの、均一な厚さの透
明フィルムを用い、実施例1と同一場所の皮膚レプリカ
を同一方法で形成し、同様に顕微鏡観察したところ皮膚
表面の皮膚組織の微細な形状が実施例1の場合と同様
に、極めて鮮明に観察された。
<実施例3> 精製水を53重量部、平均重合度1500のポリビニルアル
コールを13重量部、1,3−ブチレングリコールの代わり
にプロピレングリコール2重量部、粘度を約30000cpと
した以外は実施例1と同一とした。
以上のようにして得た厚さ45μmの、均一な厚さの透
明フィルムを用い、実施例1と同一場所の皮膚レプリカ
を同一方法で形成し、同様に顕微鏡観察したところ皮膚
表面の皮膚組織の微細な形状が実施例1の場合と同様
に、極めて鮮明に観察された。
<実施例4> 粘度を約50000cpに調整した後、色素カルミン酸を0.0
05重量部加えて赤紫色に着色し、厚さ50μmのシートを
形成した以外は実施例1と同一とした。
以上のようにして得た厚さ50μmの、均一な厚さの赤
紫色の半透明フィルムを用い、実施例1と同一場所の皮
膚レプリカを同一方法で形成し、同様に顕微鏡観察した
ところ皮膚表面の皮膚組織の微細な形状が実施例1の場
合と同様に極めて鮮明に観察された。特に着色剤の作用
により凹凸が顕微鏡下に鮮明に映った。
<実施例5> 精製水を53重量部、ポリビニルアルコールとしては、
平均重合度1200のポリビニルアルコールを20重量部の量
で単独で用いた以外は実施例1と同一とした。
以上のようにして得た厚さ65μmの、均一な厚さの透
明フィルムを用い、実施例1と同一場所の皮膚レプリカ
を同一方法で形成し、同様に顕微鏡観察したところ、皮
膚表面の皮膚組織の微細な形状が実施例1の場合にほぼ
匹敵する程度に鮮明に観察された。
<実施例6> 精製水を57重量部、平均重合度1500のポリビニルアル
コールを16重量部、粘度を30000cpとした以外は、実施
例5と同じにした。
以上のようにして得た厚さ55μmの、均一な厚さの透
明フィルムを用い、実施例1と同一場所の皮膚レプリカ
を同一方法で形成し、同様に顕微鏡観察したところ皮膚
表面の皮膚組織の微細な形状が実施例1の場合にほぼ匹
敵する程度に鮮明に観察された。
<実施例7> 平均重合度1500のポリビニルアルコールを20重量部、
1,3−ブチレングリコールの代わりにグリセリン2重量
部、精製水を53重量部、粘度を70000cpとした以外は、
実施例5と同一とした。
以上のようにして得た厚さ65μmの、均一な厚さの透
明フィルムを用い、実施例1と同一場所の皮膚レプリカ
を同一方法で形成し、同様に顕微鏡観察したところ皮膚
表面の皮膚組織の微細な形状が実施例1の場合にほぼ匹
敵する程度に鮮明に観察された。
<比較例1> ポリビニルアルコールとして平均重合度500のポリビ
ニルアルコールを23重量部の量で単独で用い、精製水を
50重量部とした以外は実施例1と同一とした。
以上のようにして得た厚さ50μmの、均一な厚さの透
明フィルムを用い、実施例1と同一場所の皮膚レプリカ
を同一方法で形成し、同様に顕微鏡観察したところ顕微
鏡に映った皮膚表面の皮膚組織の形状は不鮮明であっ
た。
<比較例2> ポリビニルアルコールを平均重合度1700のポリビニル
アルコール18重量部の量で単独で用い、精製水を55重量
部とした以外は実施例1と同じにした。
以上のようにして得た厚さ40μmの、均一な厚さの透
明フィルムを用い、実施例1と同一場所の皮膚レプリカ
を同一方法で形成し、同様に顕微鏡観察したところ顕微
鏡に映った皮膚表面の皮膚組織の形状は不鮮明であっ
た。
<比較例3> 2液混合による方法として、シリコン系ラバーベース
と硬化剤との2液を混合し、これらの混合液を額部分に
塗布した。硬化して得られた皮膚レプリカは不透明であ
るので反射型顕微鏡を用いて観察を行った。なお、シリ
コン系ラバーベースと硬化剤とは、皮膚レプリカ作成用
に市販されている薬剤(イギリス、FLEXICO DEVELOPME
NTS製、商品名SILFLO)を用いた。結果を第4図の写真
図に示す。
<比較例4> スンプ板に酢酸アミルを塗布し、額部分を転写した皮
膚レプリカを作成した。スンプ板と酢酸アミルとにはス
ンプ法用に市販されている材料(スンプ研究所製)を用
い、スンプ法として提案されている方法に従った。結果
を第5図の写真図に示す。
以上の観察結果を次の第1表に示す。
以上の観察結果から、本発明にかかわる皮膚レプリカ
作成用フィルムから得られる皮膚レプリカは、額部分の
ような比較的凹凸の少ない部分でスンプ法によって得ら
れる皮膚レプリカと同等あるいはそれ以上に鮮明な皮膚
レプリカを、頬と鼻の境目部分のように深く凹んだ部分
でも作成することができることがわかった。2液を混合
して得られる皮膚レプリカは、特に重要な皮溝の深い部
分の状態が不鮮明であった。また、実施例1から実施例
7を通じ、本発明にかかわる皮膚レプリカ作成用フィル
ムから皮膚レプリカを作成する際、被験者には皮膚に対
する激しい刺激や肌荒れが全く認められなかった。これ
に反して比較例4のスンプ法では、被験者には有機溶剤
特有の鼻に対する強い刺激、皮膚に対する強い痛みかゆ
みが認められた。
〔発明の効果〕
本発明によれば、溶媒としてどこでも入手できる水を
用いるため、本発明にかかる水溶性透明フィルムさえあ
れば、容易に微細凹凸面の転写複製を作成できる。ま
た、皮膚表面の凹凸模様を転写複製する場合に、水を溶
媒とするため、かぶれ等皮膚に対する影響を与えない。
また、フィルムを一度溶解して微細凹凸面に浸透させ
るため、微細な凹凸模様を正確に転写複製できる。ま
た、従来の同種の液状のものより乾燥時間が短い。
さらに、操作が簡単であるため、習熟していない者で
も、容易に複製を得ることができる。
また、水溶性透明フィルムを用いたことで、曲がった
凹凸面での転写複製が可能となった。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)〜(c)は、本発明方法により皮膚レプリ
カを作成する方法を示す工程図、第2図は皮膚に付着さ
せた皮膚レプリカ作成用フィルムをはがすときに用いる
プレパラート用基板、第3図は、本発明に係るフィルム
を用いて作成した皮膚レプリカ{皮膚の表面状態(生物
の形態)をあらわす}の顕微鏡写真図、第4図及び第5
図は比較例{皮膚の表面状態(生物の形態)をあらわ
す}の顕微鏡写真図、である。 1……水溶性透明フィルム、1a……水に溶解したフィル
ム、1b……再度固化したフィルム、2……皮膚表面、3
……水または化粧水、5a,5b……窓孔、6……台紙、7
……プレパラート用基板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−106139(JP,A) 特開 昭59−43358(JP,A) 特開 昭63−106558(JP,A) 特開 昭62−66138(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶性透明フィルムを用意し、この水溶性
    透明フィルムの一面もしくは複製対象となる微細凹凸面
    の少なくとも一方に水を塗布した後、水溶性フィルムを
    前記微細凹凸面に貼り付けて前記水溶性透明フィルムを
    溶解させ微細凹凸面に浸透させ、さらに、その上から水
    を塗布してから乾燥させた後にはがすことを特徴とする
    微細凹凸面の転写複製方法。
  2. 【請求項2】前記水溶性透明フィルムがポリ酢酸ビニル
    の部分鹸化物で平均重合度1000〜1500のポリビニルアル
    コールを主要成分とするフィルムであることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項に記載の微細凹凸面の転写複製
    方法。
  3. 【請求項3】前記水溶性透明フィルムが、ポリ酢酸ビニ
    ルの部分鹸化物で平均重合度1000〜1500のポリビニルア
    ルコールと、ポリ酢酸ビニルの部分鹸化物で平均重合度
    が300〜700のポリビニルアルコールとを含み、そのうち
    平均重合度が300〜700であるポリビニルアルコールの割
    合が両者合わせたうちの0.5重量倍以下のポリビニルア
    ルコールを主要成分とするフィルムである特許請求の範
    囲第1項に記載の微細凹凸面の転写複製方法。
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