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JP2615985B2 - 王冠用キャップおよびその製造方法 - Google Patents

王冠用キャップおよびその製造方法

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Publication number
JP2615985B2
JP2615985B2 JP1057530A JP5753089A JP2615985B2 JP 2615985 B2 JP2615985 B2 JP 2615985B2 JP 1057530 A JP1057530 A JP 1057530A JP 5753089 A JP5753089 A JP 5753089A JP 2615985 B2 JP2615985 B2 JP 2615985B2
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JP
Japan
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oxygen
crown
cap
thermoplastic resin
coating layer
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JP1057530A
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勉 沢田
直道 山岸
雅士 長谷川
洋三 小川
太一 井上
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、王冠用キャップおよびその製造法に関す
る。さらに詳しくは、酸素の不存在下に保存されるべき
内容物を入れたびん、チューブ等の口部を密封する王
冠、ねじ栓の内面に装着するキャップおよびその製造法
に係わるものである。
「従来の技術」 従来、容器の口部に取り付けられているキャップは密
封性を目的としており、容器に内容物を充填後、キャッ
プィングされた状態で容器の密封性は保たれる。しか
し、容器内には内容物の表面と口部キャップとの間のヘ
ッドスペースに空気が残存する。また、内容物が液状の
ものである場合にはこれに酸素が溶存している場合があ
り、前記ヘッドスペースに残存する空気中の酸素ととも
に、保存中、内容物に悪影響を与え、内容物の品質劣化
をもたらす。
また、缶ビールや缶ジュースあるいは缶詰等は密封容
器により、内容物を外気と遮断し、内容物の酸化による
劣化や変質腐敗等を防止して長期保存を可能にするもの
であるが、この場合も容器内のヘッドスペースに残存す
る空気や、内容物に溶存する酸素によって変質腐敗が起
る。
これらの問題に対処するために、容器内に内容物とと
もに、通気性の袋に入れた脱酸素剤(酸素吸着剤)を封
入し、容器内の酸素を除去する方法、酸素透過性を有す
る無孔、または有孔のプラスチックフィルム、不織布、
紙等で被覆した脱酸素剤をキャップに組込む方法が提案
されている。また、缶詰等の場合、ヘッドスペースに、
窒素ガスや炭酸ガスのような不活性ガスを封入して、ヘ
ッドスペース中の酸素や内容物中の酸素と置換させる方
法、内容物がビール、サイダー等炭酸飲料の場合、内容
物に衝撃を与え、炭酸ガスを泡立たせ、ヘッドスペース
中に残存する空気を追出し密封する方法等が提案されて
いる。そのほか、内容物自体に抗酸化剤や酸素吸着剤を
含有させる方法、真空パックする方法等も提案されてい
る(実開昭55−110469号、実開昭55−80260号、実開昭6
0−195758号、特開昭62−110725号、特開昭62−234544
号の各公報を参照)。
しかしながら、上記従来公知の方法には次のような欠
点がある。
(1) プラスチック、紙などの脱酸素剤の被覆材が破
損した場合、密封されている内容物に混り、誤食の危険
がある。
(2) 脱酸素剤の大きさには制限があって、極端に小
さいものは、製作が困難なので、組込みスペースの小さ
いキャップに適用するのは困難である。
(3) 脱酸素剤は一般に粉末であるので、キャップの
小さなスペースに収納し、被覆で脱酸素剤で被覆する工
程はコストの上昇を伴なう。
(4) そのほか、炭酸ガス飲料を内容物とする密封容
器における炭酸ガス発泡によるヘッドスペース中に残存
する空気の追出し密封方法では、内容物に溶存する酸素
の除去が不充分である。また、内容物自体に抗酸化剤や
酸素吸着剤を含有させる方法は、それらが内容物そのも
のの味を変化させるので必ずしも好ましい方法とは言え
ない。
「発明が解決しようとする課題」 本発明者等は、密封容器における脱酸素材料につい
て、前記諸問題を解消するべく種々検討を行った。その
結果、酸素透過係数と引張り強度とが特定の範囲にある
脱酸素剤含有熱可塑性樹脂層と、同一の樹脂で脱酸素剤
を含有しない熱可塑性樹脂層とよりなる積層樹脂シート
から打抜かれたキャップを、容器口部を密封する王冠の
内面に装着したときは、密封容器内における酸素除去に
優れた効果を奏することを見出し、本発明に到達した。
「課題を解決するための手段」 すなわち、本発明は、容器の口部を密封する王冠の内
面に装着するキャップにおいて、脱酸素剤および電解質
をそれぞれ5〜50重量%含有し、かつ、酸素透過係数
(Q)と、引張り強度(T)とが、下記式で表わされる
熱可塑性樹脂からなる酸素吸着層に、脱酸素剤と電解質
を含有しない前記と同一の熱可塑性樹脂からなり、か
つ、脱酸素速度(Qv)が下式を満たす被覆層が被覆され
た積層樹脂シートを、王冠の寸法に合わせて打抜いてな
ることを特徴とする王冠用キャップ。
Q(JIS Z 1707)>20×10-10cc・mm/cm2・sec・cmHg T(ASTM D 638)<3.0kg/mm2 Qv>0.5cc/cm2・24H そして、上の王冠用キャップ、次の方法によって好適
に製造することができる。
すなわち、脱酸素剤および電解質をそれぞれ5〜50重
量%含有し、かつ、酸素透過係数(Q)および引張り強
度(T)が下記式で表わされる熱可塑性樹脂と、脱酸素
剤および電解質を含有しない前記と同一の熱可塑性樹脂
とを、共押出しダイよりシート状に押出して、両者を熱
融着させ、後者の脱酸素速度(Qv)が下式を満たすよう
な積層樹脂シートを得、ついで当該積層樹脂シートが軟
化状態にある間に、頭部周縁に打抜きエッジ部を備えた
おす型と、王冠を装着しためす型とからなる成形機によ
り、前記被覆層面から打抜いて、王冠の内面に押着させ
ると同時に、打抜き周縁断面における酸素吸着層に被覆
層を融着させることを特徴とする王冠用キャップの製造
法。
Q(JIS Z 1707)>20×10-10cc・mm/cm2・sec・cmHg T(ASTM D 638)<3.0kg/mm2 Qv>0.5cc/cm2・24H 以下、本発明をさらに詳細に説明するに、本発明にお
いて脱酸素剤とは、酸素吸収能を有する化合物をいう。
この脱酸素剤は、熱可塑性樹脂との混練時に分解しな
い、熱的に比較的安定なものであれば、有機系、無機系
のいずれでも限定されないが、安全性、価格的な観点か
ら、鉄を主成分とするものが好適である。
具体例としては還元鉄、噴霧鉄、電解鉄等の粉末が挙
げられる。鉄粉は、熱可塑性樹脂との混合分散をよくす
るために、粒径が250μ以下、好ましくは150μ以下で、
かつ50μ以下の粒径のものが全鉄粉中50重量%以上、好
ましくは、70重量%含まれるものが好適である。50μ以
下の粒径のものの含有量が50重量%より小さい場合は、
熱可塑性樹脂中での分散不良が発生し易い。
つぎに、本発明において電解質は、前記脱酸素剤の脱
酸素速度を促進させる作用をなすものである。このよう
な作用をなすものの例としては硫酸塩、ハロゲン化物、
炭酸塩または水酸化物等があげられる。より具体的に
は、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグニシウ
ム、塩化鉄または塩化第2塩鉄があげられる。これらの
中で好ましいのは、ハロゲン化物である。
脱酸素剤を含有する酸素吸着層における脱酸素能を充
分発揮させるために、本発明においては、脱酸素剤と電
解質を熱可塑性樹脂に対してそれぞれ5重量%〜50重量
%添加することが必要である。脱酸素剤および電解質の
添加量がこの範囲より少いと脱酸素効果が顕著に表われ
ない。逆に、この範囲を超えると押出成形して得られる
酸素吸着層の表面が平滑とならず、キャップとして適合
しない。なお、脱酸素剤と電解質の混合割合は、脱酸素
剤100重量部に対して、電解質1〜100重量部の範囲とす
るのが好ましい。
本発明に適用される熱可塑性樹脂としては、シート状
に成形し得るものであれば、どのような種類のものでも
よく、具体的にはつぎのようなものがあげられる。
低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポ
リエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−プロピレン
共重合体、エチレン−α−オレフィン(炭素数4〜20)
共重合体、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合
体ケン化物などエチレン成分の含量が50〜100モル%の
ポリエチレン系樹脂又はこれらを不飽和カルボン酸又は
その誘導体でグラフト変性した変性ポリエチレン系樹
脂。
結晶性ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合
体、プロピレン−α−オレフィン(炭素数4〜20)共重
合体などのポリプロピレン系樹脂又はこれらを不飽和カ
ルボン酸又はその誘導体でグラフト変性した変性ポリプ
ロピレン系樹脂。
ポリブデン、ポリペンテン、ポリメチルペンテン、ポ
リヘキセンなどのポリオレフィン又はそのグラフト物。
上記のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂の
塩素化物。
ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合
体ケン化物、α−オレフィン(炭素数3〜30)共重合体
ケン化物、不飽和カルボン酸(部分又は完全エステル、
無水物、塩を含む)−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ア
クリルアミド−酢酸ビニル共重合体ケン化物、アクリロ
ニトリル−酢酸ビニル共重合体ケン化物、不飽和スルホ
ン酸(塩を含む)−酢酸ビニル共重合体ケン化物などケ
ン化前の酢酸ビニル成分の含量が50〜100モル%のビニ
ルアルコール系樹脂。
ポリ酢酸ビニルアルコール、酢酸ビニル−エチレン共
重合体、酢酸ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体など
酢酸ビニル成分の含量が50〜100モル%の酢酸ビニル系
樹脂。
ポリエステル系樹脂(ポリエステルエラストマーを含
む)、ポリアミド系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアセタ
ール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系
樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ
塩化ビニリデン系樹脂、ポリ尿素系樹脂、セルロース系
樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂など上記以外の樹
脂。
しかして、本発明で使用される熱可塑性樹脂は、酸素
透過係数(Q)および引張り強度(T)が次の範囲にあ
るごとく、その物性が調節されてなることが必要であ
る。
Q>20×10-10cc・mm/cm2・sec・cmHg T<3.0kg/mm2 酸素透過係数(Q)が20×10-10cc・mm/cm2・sec・cm
Hg以下であると、密封容器中の酸素が酸素吸着層の脱酸
素剤に吸着されるのに時間を要し、実用的な脱酸素速度
が得られない。また、引張り強度(T)が3.0kg/mm2
上であると、キャップに成形した場合、固すぎて、王冠
を締めつけても、隙間を生じ容器を完全に密封すること
ができず、外気が侵入して容器内の脱酸素効果を充分達
成することができない。
なお、実用的な王冠用キャップとするためには、被覆
層側からの脱酸素速度(Qv)が0.5cc/cm2・24H以上であ
る必要がある。Qvがこの値より小さい場合には、脱酸素
速度が小さすぎて実用性がない。
被覆層のQvは、被覆層の厚さ、脱酸素能を有する樹脂
層の体積、これに配合した脱酸素剤の量、電解質の量等
に左右される。特に、被覆層は脱酸素能を有していない
ので、厚さは薄い方が好ましく、一般には5〜20ミクロ
ンの範囲で選ばれる。また、王冠用キャップの脱酸素能
を有する樹脂層の体積は、王冠の形状によってほぼ決定
され、一般には直径10〜30mm、厚さ1〜5mmの範囲で選
ばれる。
なお、本発明において被覆層の脱酸素速度(Qv)は、
被覆層を有する積層樹脂シートを調製し、被覆層のない
方(被覆層が片面の場合)または被覆層の上に(被覆層
が両面の場合)、厚さ15ミクロンのアルミニウム箔を接
着剤層を介して積層し、容量100ccのガラス製バイヤル
びんの口部にアルミニウム箔を外側にしてかぶせて密封
する。ガラスびんの中の空気中の酸素濃度を経時的に測
定することによって、Qvを求めることができる。
本発明に係るキャップを得るには、先ず、酸素透過係
数(Q)が20×10-10cc・mm/cm2・sec・cmHg以下で、引
張り強度(T)が3.0kg/mm2以下に物性の調整された熱
可塑性樹脂に窒素雰囲気下、好ましい粒径に粒度調整さ
れた脱酸素剤と、ほぼ同様の大きさに粒度調整された電
解質とを添加して、公知の混合機、あるいは定量フィー
ダーで混合する。得られた混合物を押出機に供給して溶
融混練して酸素吸着層形成用とする。
一方、前記脱酸素剤や電解質を添加しない同一樹脂
を、別の押出機で溶融混練して被覆層成形用とする。別
々の押出機で溶融状態にした樹脂を、共押出ダイに導い
て積層樹脂とする。
第1図はその部分拡大断面図の一例で、図中、(1)
は酸素吸着層、(2)は被覆層である。これを王冠用キ
ャップに成形する工程を、第2図以下の図面に基づいて
説明する。前記の積層シートを、第2図に示すように、
天井部に孔(3)を有し、内面に15μのアルミ箔(4)
を装着した金属性の王冠(5)をのせて、該王冠を押え
治具(6)で固定しためす型(7)と先端周縁にそって
打抜きエッジ部(9)を備えたおす型(8)の間に入
れ、おす型(8)を上方に移動させ、打抜く。この場
合、積層樹脂シートは、軟化状態にある間に、おす型
(8)と接する面が被覆層(2)となるようにして、両
型の間に移送する。
つぎに、第3図のように、おす型(8)をさらに上方
に移動させ、打抜いた積層シートをアルミ箔(4)を介
して王冠(5)の内面に密着させキャップとする。これ
により、王冠(5)をめす型(7)から離脱させたとき
第4図に示すように、被覆層(2)が、前記おす型
(8)のエッジ(9)部により、酸素吸着層(1)の打
抜き剪断面を、曲面状に取りかこんで被覆してしまう。
かくして、王冠(5)を密封容器の口部に適用した場
合、酸素吸着層(1)から、そこに含有される脱酸素
剤、その他の添加物が容器内容物中に混入する恐れはな
い。
第5図は、本発明のキャップを内面に装着した王冠
(5)を、びんの本体(10)の口部(11)にはめこみ、
周縁をかしめて、密封した状態の一例の部分断面図を示
す。
「発明の効果」 本発明は、以上のべたように、特定範囲の酸素透過係
数と引張り強度を有する熱可塑性樹脂に脱酸素剤を含有
させた酸素吸着層に、脱酸素剤を含有させない同一樹脂
よりなる被覆層を被覆した王冠用キャップおよびその製
造法を提供するものであり、つぎのような効果を奏し、
その産業上の利用価値は大である。
(1) キャップを構成する酸素吸着層と被覆層との間
に接着層を設ける必要がなく、安価に製造できる。
(2) 打抜きと同時に、王冠の内面に装着することが
できるので、工程がそれだけ簡略である。
(3) 酸素吸着層が打抜き剪断面も含めて、被覆層で
蔽われているので酸素吸着層内の脱酸素剤が密封容器内
容物中に漏れる恐れがない。
(4) 密封容器内ヘッドスペースにおける酸素除去能
が容易に劣化せず、内容物の長期保存が可能である。
「実施例」 以下、本発明を、実施例および比較例を掲げて説明す
るが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例
に限定されることはない。
実施例1 酸素透過係数27×10-10cc・mm/cm2・sec・cmHgで引張
り強さ2.0kg/mm2のポリメチルペンテン(三井石油化学
工業(株)製熱可塑性樹脂、商品名TPX MX020)100重量
部に、窒素雰囲気下で粒径が約50ミクロン以下に粉砕し
た電解鉄(昭和電工(株)製、脱酸素剤。商品名アトミ
ロンパウダーAFP150M)20重量%と、電解質として5μ
以下の粒径に粉砕した無水塩化カルシウム20重量%を添
加し、ブレンダーで混合して樹脂混合物を得た。この樹
脂混合物を、40mmφ押出機(日本製鋼(株)製)で溶融
混練して酸素吸着層形成用とした。一方、電解鉄および
電解質を添加しない上記メチルペンテンを25mmφ押出機
(田辺機械(株)製)で溶融混練して、被覆層形成用と
した。熔融状態にした二種類の樹脂を、共押出しダイに
導いて、酸素吸着層の厚みが3mm、被覆層の厚みが10μ
の第1図に示すような断面構造をした積層樹脂シートを
得た。この積層樹脂シートが軟化状態にある間に、第2
図に示すような、おす型とめす型の組合せよなる打抜き
装置により、被覆層面をおす型側にして、外径が19mmφ
のキャップ状に打抜いた。
つづいて、第3図のように、めす型に固定されてい
て、天井部に小孔を有し、15μ厚のアルミ箔を内側には
りつけた金属製王冠の内面におす型を介してはめ込み、
第4図に示すようなキャップ付き王冠を作成した。
つぎに上記王冠を、あらかじめ水2ccを充填した容量1
0ccのガラス製バイヤルびんの口部に空気中でかぶせた
のち、第5図に示すように、王冠の周囲をバイヤルびん
の口部にかしめて固定することにより密封した。密封し
て48時間経過後、王冠天井部の孔より、アルミ箔および
キャップを貫通して、ガス分析用の針を挿入し、バイヤ
ルびん内のヘッドスペースにおける空気を採取して酸素
濃度をガスクロマトグラフィーにより測定した。結果を
第1表に示す。
実施例2 実施例1に記載の例において、酸素吸着層を被覆する
被覆層の厚みを10μと変更した外は、同例におけると同
様の手順でキャップ付き王冠を得た。これについて、実
施例1におけると同様の手順により、バイヤルびん内の
ヘッドスペースにおける空気中の酸素濃度を測定した。
結果を第1表に示す。
実施例3 実施例1に記載の例において、脱酸素剤としての電解
鉄と無水塩化カルシウムの添加量をそれぞれ10重量%と
した外は、同例におけると同様の手順で、キャップ付き
王冠を得た。これについて、実施例1におけると同様の
手順により、バイヤルびん内のヘッドスペースにおける
空気中の酸素濃度を測定した。結果を第1表に示す。
実施例4 実施例2記載の例において、脱酸素剤としての電解鉄
と無水塩化カルシウムの添加量をそれぞれ5重量%とし
た外は、同例におけると同様の手順で、キャップ付き王
冠を得た。これについて、実施例1におけると同様の手
順により、バイヤルびん内のヘッドスペースにおける空
気中の酸素濃度を測定した。結果を第1表に示す。
実施例5 実施例1に記載の例において、ポリメチルペンテンに
代えて、酸素透過係数200×10-10cc・mm/cm2・sec・cmH
gで、引張り強さ2.9kg/mm2のポリブテン(アデカアーガ
ス社製、熱可塑性樹脂。商品名、ウィトロン1210A)を
用いた外は、同例におけると同様の手順でキャップ付き
王冠を得た。これについて、実施例1におけると同様の
方法により、バイヤルびん内のヘッドスペースにおける
空気中の酸素濃度を測定した。結果を第1表に示す。
実施例6 実施例1に記載の例において、ポリメチルペンテンに
代えて、酸素透過係数50×10-10cc・mm/cm2・sec・cmHg
で、引張り強さ1.1kg/mm2のラバー強化高衝撃ポリスチ
レン(三菱モンサント化成(株)製、熱可塑性樹脂。商
品名、ダイヤレックスHT500)を用いた外は、同例にお
けると同様の手順でキャップ付き王冠を得た。これにつ
いて、実施例1と同様の手順により、バイヤルびん内の
ヘッドスペースにおける空気中の酸素濃度を測定した。
結果を第1表に示す。
比較例1 実施例1に記載の例において、ポリメチルペンテンに
代えて、酸素透過係数16×10-10cc・mm/cm2・sec・cmHg
で、引張り強さ2.8kg/mm2のポリウレタン(日本オイル
シール社製、熱可塑性樹脂。商品名アイアンラバー)を
用いた外は、同例におけると同様の手順でキャップ付き
王冠を得た。これについて、実施例1と同様の手順によ
り、バイヤルびん内のヘッドスペースにおける空気中の
酸素濃度を測定した。結果を第1表に併記する。
比較例2 実施例1に記載の例において、ポリメチルペンテンに
代えて、酸素透過係数24×10-10cc・mm/cm2・sec・cmHg
で、引張り強さ3.5kg/mm2のポリスチレン(三菱モンサ
ント化成(株)製、熱可塑性樹脂。商品名ダイヤレック
スHH102)を用いた外は、同例におけると同様の手順
で、キャップ付き王冠を得た。これについて、実施例1
と同様の手順により、バイヤルびん内のヘッドスペース
における空気中の酸素濃度を測定した。結果を第1表に
併記する。
比較例3 実施例1に記載の例において、酸素吸着層の表面を被
覆する被覆層の厚みを20μとした外は、実施例1と同様
の手順でキャップ付き王冠を得た。これについて、実施
例1と同様の手順により、バイヤルびん内のヘッドスペ
ースにおける空気中の酸素濃度を測定した。結果を第1
表に併記する。
比較例4 実施例1に記載の例において、ポリメチルペンテンに
対する電解鉄と無水塩化カルシウムの添加量をそれぞれ
4重量%とした外は、実施例1と同様の手順でキャップ
付き王冠を得た。これについて、実施例1と同様の手順
により、バイヤルびん内のヘッドスペースにおける空気
中の酸素濃度を測定した。結果を第1表に併記する。
第1表から、本発明に係る王冠用キャップを使用した
場合、比較例に較べて、びんのヘッドスペースにおける
酸素残存濃度は大巾に低下し、脱酸素効果が顕著である
ことが明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る王冠用キャップを構成する積層
樹脂シートの一例を示す拡大断面図、第2〜第3図は前
記積層樹脂シートから王冠用キャップを打抜く工程を示
す、断面略図、第4図は、内面にキャップを装着した王
冠の断面図、第5図は王冠をびん本体に適用して密封し
た状態を示す部分断面図である。 1……酸素吸着層、2……被覆層 3……孔、4……アルミ箔、5……王冠 6……押え治具、7……めす型 8……おす型、9……エッジ部 10……びん本体、11……口部
フロントページの続き (72)発明者 小川 洋三 東京都千代田区丸の内2丁目5番2号 三菱モンサント化成株式会社内 (72)発明者 井上 太一 東京都千代田区丸の内2丁目5番2号 三菱モンサント化成株式会社内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】容器の口部を密封する王冠の内面に装着す
    るキャップにおいて、脱酸素剤および電解質をそれぞれ
    5〜50重量%含有し、かつ、酸素透過係数(Q)と、引
    張り強度(T)とが、下記式で表わされる熱可塑性樹脂
    からなる酸素吸着層に、脱酸素剤と電解質を含有しない
    前記と同一の熱可塑性樹脂からなり、かつ、脱酸素速度
    (Qv)が下式を満たす被覆層が被覆された積層樹脂シー
    トを、王冠の寸法に合わせて打抜いてなることを特徴と
    する王冠用キャップ。 Q(JIS Z 1707)>20×10-10cc・mm/cm2・sec・cmHg T(ASTM D 638)<3.0kg/mm2 Qv>0.5cc/cm2・24H
  2. 【請求項2】脱酸素剤および電解質をそれぞれ5〜50重
    量%含有し、かつ、酸素透過係数(Q)および引張り強
    度(T)が下記式で表わされる熱可塑性樹脂と、脱酸素
    剤および電解質を含有しない前記と同一の熱可塑性樹脂
    とを、共押出しダイよりシート状に押出して、両者を熱
    融着させ、後者の脱酸素速度(Qv)が下式を満たすよう
    な積層樹脂シートを得、ついで当該積層樹脂シートが軟
    化状態にある間に、頭部周縁に打抜きエッジ部を備えた
    おす型と、王冠を装着しためす型とからなる成形機によ
    り、前記被覆層面から打抜いて、王冠の内面に押着させ
    ると同時に、打抜き周縁断面における酸素吸着層に被覆
    層を融着させることを特徴とする王冠用キャップの製造
    法。 Q(JIS Z 1707)>20×10-10cc・mm/cm2・sec・cmHg T(ASTM D 638)<3.0kg/mm2 Qv>0.5cc/cm2・24H
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