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JP2602567B2 - 光硬化型樹脂組成物 - Google Patents

光硬化型樹脂組成物

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JP2602567B2
JP2602567B2 JP8668790A JP8668790A JP2602567B2 JP 2602567 B2 JP2602567 B2 JP 2602567B2 JP 8668790 A JP8668790 A JP 8668790A JP 8668790 A JP8668790 A JP 8668790A JP 2602567 B2 JP2602567 B2 JP 2602567B2
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JP
Japan
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extinction coefficient
molar extinction
ultraviolet absorber
photopolymerization initiator
wavelength
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JP8668790A
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洋一郎 亀井
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、光を照射すると硬化して、無色透明で耐
候性のよい厚膜を形成することができるような、光硬化
型樹脂組成物に関するものである。
(従来の技術) 光硬化型樹脂組成物は、紫外線により活性化する重合
開始剤によりモノマーが重合を開始し、硬化した皮膜を
形成するものが主流となつている。こうして得られた皮
膜は耐候性に乏しいので、これを改良しようとして紫外
線吸収剤を組成物中に入れると、紫外線吸収剤が紫外線
を吸収するため、重合開始剤の活性化が阻害され、従つ
て硬化が円滑に進まなくなる。そこで、透明で耐候性が
良好な光硬化型樹脂組成物を提供するために、種々の工
夫がなされた。
特開昭56−122840号公報は、特定の重合体を用いるこ
とにより、多量の紫外線吸収剤を配合できるようにし
て、耐候性の良好な硬化型樹脂組成物を提供している。
しかし、この組成物によつては数拾μmまでの厚みの皮
膜を作ることはできるが、500μm以上のような厚い皮
膜を作ることができない。それは、皮膜が厚くなると、
深部硬化が進まなくなるからである。
また、特開昭63−218770号公報は、紫外線吸収剤と光
重合開始剤との両者の構造を限定することによつて、硬
化性が低下しない組成物を提供している。しかし、この
組成物によつても矢張り500μm以上の厚さの平坦な皮
膜を作ることは困難であつた。
また、特開昭62−161868号公報は、可視光線により活
性化する重合開始剤を用い、これに紫外線安定剤を組み
合わせて用いることにより、厚膜の硬化を可能にしてい
る。しかし、可視光線により活性化する重合開始剤は、
着色しているために無色透明な皮膜を得ることができな
かつた。
(発明が解決しようとする課題) この発明は、無色透明で耐候性にすぐれた厚膜を形成
することができる光硬化型樹脂組成物を提供することを
目的とするものである。
(課題解決のための手段) この発明者は、上記課題を解決しようとして、光重合
開始剤と紫外線吸収剤との組み合わせについて種々検討
した。その結果、この発明者は、光重合開始剤と紫外線
吸収剤とが、光に対して特定の性質を示す関係にあると
きに、無色透明で耐候性にすぐれた厚膜を生成するよう
な光硬化型樹脂組成物が得られることを見出した。その
特定の性質とは、光重合開始剤のモル吸光係数が10以上
である波長領域と、紫外線吸収剤のモル吸光係数が1000
以下である領域とが、波長430〜280nmの波長範囲でのみ
重なり合う、という関係である。
ここで、モル吸光係数とは、溶液についてのランバー
ト・ベールの式 log(I0/I)=εcd (式1) によつて定められるε(M-1cm-1)の値を指している。
但し、Iは透過光の強度、I0は純溶媒の透過光の強度、
cはモル濃度(M)、dは溶液層の厚み(cm)を表わし
ている。εは物質と波長だけによつて定まる定数であ
る。
この発明は、アクリル型の硬化性樹脂成分と、光重合
開始剤と、紫外線吸収剤とを含んだ樹脂組成物であつ
て、上記重合開始剤のモル吸光係数が10以上である波長
領域と、上記紫外線吸収剤のモル吸光係数が1000以下で
ある波長領域とが、光の波長430〜280nmの範囲でのみ重
なり合つていることを特徴とする、光硬化型樹脂組成物
を提供するものである。
一般に硬化性樹脂成分と云われるものは、光重合開始
剤が吸光により活性化されるに伴ない、これによつて重
合し硬化する樹脂成分である。それには、不飽和ポリエ
ステル型、アクリル型、チオール・エン型、エポキシ型
など各種のものがあるが、この発明では透明で耐候性の
良好な樹脂を生成することが必要とされるので、アクリ
ル型のものを用いる。
アクリル型の樹脂成分は、ポリエステル型、ウレタン
型、エポキシ型の骨格の末端に、アクリロイルオキシ基
を結合させた分子量数百ないし数千のアクリレートオリ
ゴマーと、それを希釈しまた柔軟性、密着性、速硬化性
などの特性を付与するアクリレートまたはメタクリレー
トモノマーとから成るものである。両者の種類と配合割
合とには格別の限定がない。また、両者はそれぞれ複数
種のものが配合されてもよい。
光重合開始剤は、特定範囲の波長の光を吸収して活性
種を生成し、硬化性樹脂成分の硬化反応を開始させるも
のである。それには、ラジカル重合型、カチオン重合型
のものがあるが、無色透明で耐候性にすぐれたアクリル
型、チオール・エン型の硬化性樹脂に対しては、ラジカ
ル重合型のものを用いるのが好ましい。ラジカル重合型
の開始剤としては、化学構造から云うと、アセトフエノ
ン系、ベンゾイン系、ベンゾフエノン系、チオキサント
ン系のものが多く、そのほかアシルホスフインオキサイ
ド、グリオキシエステル、ジケトン等も用いられてい
る。この発明で用いられる開始剤は、その何れでもよ
く、化学構造には全く関係なく、吸光係数と波長との関
係だけから選択される。
光重合開始剤の配合量は、樹脂成分に対して0.1−10
重量%とするのが好ましい。その理由は、0.1重量%未
満であると、樹脂成分の硬化が満足に進行しなくなるか
らであり、逆に10重量%を超えると、また樹脂成分の硬
化が阻害されたり、樹脂が着色したりするからである。
紫外線吸収剤は、紫外線を吸収して樹脂の劣化を防ぐ
作用をするものである。それには各種の化学構造を持つ
たものがある。例えば、ベンゾトリアゾール系、ベンゾ
フエノン系、ベンゾエート系、サリシレート系、シアノ
アクリレート系等のものがあるが、その何れも用いるこ
とができ、さらにそれ以外のものでもよい。強いて云え
ば、その中ではベンゾトリアゾール系又はベンゾフエノ
ン系の化合物が好ましい。その理由は、これらの化合物
が広い範囲の吸収波長を持ち耐候性にすぐれているから
である。それ以外、この発明での紫外線吸収剤は、専ら
吸光係数と波長との関係だけから選択される。
紫外線吸収剤の配合量は、樹脂成分に対して0.01−5
重量%とするのが好ましい。その理由は、0.01重量%未
満であると、充分な耐候性が得られないからであり、逆
に5重量%を超えると、樹脂成分の硬化が阻害されるか
らである。
この発明では、光重合開始剤と紫外線吸収剤とが、そ
れぞれのモル吸光係数と波長との関係だけから、選択し
て用いられる。ここで、モル吸光係数とは、それぞれの
資剤を溶剤に溶解して溶液とし、この溶液に色々な波長
の光をあてて透過して来る透過光強度Iを測定し、この
測定値Iを前述の式1に入れて算出した値εである。値
εは資剤と波長だけによつて定まる定数である。
この発明では、光重合開始剤と紫外線吸収剤との関係
として、光重合開始剤のモル吸光係数が10以上である波
長領域と、紫外線吸収剤のモル吸光係数が1000以下であ
る波長領域とが、重なり合うことを必要としている。こ
こで、「重なり合う」とはどのようなことを意味するか
をまず説明する。
第1図は、資剤のモル吸光係数が、光の波長とともに
変化する関係を模型的に示したものである。第1図は、
縦軸に資剤のモル吸光係数を取り、横軸に光の波長を取
つて、資剤のモル吸光係数と波長との関係を示してい
る。第1図において、光重合開始剤は曲線Aで示すよう
なモル吸光係数を持ち、紫外線吸収剤は曲線Bで示すよ
うなモル吸光係数を持つているとする。曲線Aのモル吸
光係数εAが10となる波長xと、曲線Bのモル吸光係数
εBが1000となる波長yとの間で、yがxよりも小さい
という関係にあれば、両波長領域はy<λ<xの波長範
囲で重なり合う、と云うのである。
一般に、2つの資剤を混合して用いる場合には、波長
領域の重複する部分が広ければ広いほど、樹脂成分の硬
化に役立つエネルギー量が多くなる。ところが、光重合
開始剤と紫外線吸収剤とを混合して用いる場合には、そ
のような関係が成り立たないという点で特異である。
この発明では、光重合開始剤のモル吸光係数が10以上
である領域と、紫外線吸収剤のモル吸光係数が1000以下
である領域とが、430〜280nmの範囲内の波長でのみ重な
り合つていることが必要とされる。ここで、光重合開始
剤のモル吸光係数を10以上に限定した理由は、この吸光
係数が10以上のものを使用しないと、紫外線を照射した
とき充分に活性化して樹脂成分を満足に重合させるに至
らないからである。また紫外線吸収剤のモル吸光係数を
1000以下としたのは、この吸光係数が1000を超えると、
紫外線吸収剤による光の遮断が大きくなって樹脂成分の
内部まで紫外線が到達しにくくなり、従って樹脂成分を
内部まで充分に重合させることができなくなるからであ
る。さらに、光の波長範囲を430〜280nmとしたのは、重
合によって得られた樹脂が無色透明で耐候性のすぐれた
ものとなるために必要な条件として、この発明者が実験
によって定めた境界の波長である。そのうちでも、重複
波長領域は410nm以下であることが望ましい。また、重
複領域は280nm以上であることを必要とした理由は、280
nm以下の波長の光は、樹脂成分に吸収されるため表面層
付近の硬化には活用されても、内部の硬化には活用され
ないからである。
この発明では、光重合開始剤と紫外線吸収剤のほか
に、必要に応じて種々の成分を添加することができる。
例えば、よりすぐれた耐候性を得るために、ヒンダード
フエノール系、リン系、イオウ系、アミン系等の酸化防
止剤や、ヒンダードアミン系光安定剤を添加することが
できる。また、レベリング剤、増粘剤、充填剤等を添加
することもできる。
この発明の組成物を被覆材として使用する場合には、
刷毛塗り、流し塗り、浸漬など各種の公知方法で塗布す
ることができる。また、この組成物をシート状に成形す
る場合には、この組成物を金属、ガラス又はプラスチツ
ク板等の表面に塗布又は流延し、光を照射して硬化させ
たのち、硬化物を剥ぎ取ることによつて成形することも
できる。
この発明の組成物を硬化させるための光源としては、
おおむね250−450nmの波長の光を発するものであればよ
い。例えば、高圧又は超高圧水銀ランプ、メタルハライ
ドランプ、螢光ランプ、キセノンランプ、太陽光など、
何れも使用することができる。とくに、両波長領域の重
なる波長範囲の光を豊富に発する光源を用いることが好
ましい。
(発明の効果) この発明では、紫外線吸収剤のモル吸光係数の1000以
下である波長領域が、430〜280nmの波長範囲にあるもの
を用いたので、照射した光は0.5−2mm程度の厚膜であつ
てもその底まで充分に到達する。また、光重合開始剤の
モル吸光係数の10以上である波長領域が、430〜280nmの
波長範囲にあるものを用いたので、有効に樹脂成分の硬
化反応を開始させることができる。従つて、両者を混合
した場合、430〜280nmの波長の光の照射によつて、厚膜
の底までも充分に硬化させることができる。さらに、樹
脂成分としてアクリル型の硬化性樹脂を用いたので、無
色透明で耐候性にすぐれた皮膜を形成させることができ
る。こうして、光硬化型の無色の厚膜を形成するような
樹脂組成物を得ることができる。
(実 施 例) 以下に、実施例と比較例とを挙げて、この発明のすぐ
れている所以を具体的に明らかにする。
実施例1 この実施例では、硬化性樹脂成分として、ウレタンア
クリレート(日本合成化学(株)製、ゴーセラック UV
−7500 B)67gに、2−ヒドロキシプロピルアクリレー
ト33gを混合し、加熱溶解し、これにBHT0.2gを加えたも
のを用いた。
光重合開始剤としては、メチルフェニルグリオキシレ
ート1.0gを上記樹脂成分に配合した。この光重合開始剤
は、波長398nm以下、280nm以上の範囲でモル吸光係数が
10以上である。
紫外線吸収剤としては、2−(5−メチル−2−ヒド
ロキシフェニル)ベンゾトリアゾール0.3gを上記樹脂成
分に配合して、光硬化型樹脂組成物とした。この紫外線
吸収剤は、波長381nm以上の範囲で、モル吸光係数が100
0以下である。
従って、この光重合開始剤のモル吸光係数が10以上で
ある波長領域と、紫外線吸収剤のモル吸光係数が1000以
下である波長領域とは381nmないし398nmの波長範囲で重
なり合うものであった。
こうして得た樹脂組成物をガラス板上に1mmの厚さに
流延し、80W/cmの高圧水銀ランプで30秒間照射して硬化
皮膜を得た。この硬化皮膜は底まで充分硬化しており、
従って硬化状態は良好であった。また、この硬化皮膜は
照射1日後に観察したところ、無色透明であった。さら
に、この硬化皮膜をサンシャインウエザロメーターで40
0時間テストしたのち、黄変度ΔYIをJIS K7103の方法
で測定したところ、ΔYIは0.3であって耐候性は良好で
あった。
実施例2 この実施例では、紫外線吸収剤として2−ヒドロキシ
−4−n−オクトキシベンゾフェノンを同量用いること
とした以外は、実施例1と全く同様に処理して、硬化皮
膜を得た。
2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン
は、波長369nm以上の範囲で、モル吸光係数が1000以下
である。従ってこの実施例では、光重合開始剤のモル吸
光係数が10以上である波長領域と、紫外線吸収剤のモル
吸光係数が1000以下である波長領域とは、369nmないし3
98nmの波長範囲で重なり合うものであった。
得られた硬化皮膜は、皮膜の底まで充分硬化してお
り、従って硬化状態は良好であった。また、この硬化皮
膜は照射1日後に観察したところ、無色透明であった。
さらに、この硬化皮膜の黄変度ΔYIは3.1であって、耐
候性良好と認められた。
実施例3 この実施例では、光重合開始剤として2−ヒドロキシ
−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを用
い、紫外線吸収剤として4−t−ブチルフェニルサリシ
レートを用いることとした以外は、実施例1と全く同様
に処理して、硬化皮膜を得た。
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン
−1−オンは、波長357nm以下、280nm以上の範囲で、モ
ル吸光係数が10以上である。また、4−t−ブチルフェ
ニルサリシレートは、波長335nm以上の範囲で、モル吸
光係数が1000以下である。従って、この実施例では、光
重合開始剤のモル吸光係数が10以上である波長領域と、
紫外線吸収剤のモル吸光係数が1000以下である波長領域
とは、335nmないし357nmの波長範囲で重なり合ってい
た。
得られた硬化皮膜は、皮膜の底まで硬化しており、従
って硬化状態は良好であった。また、この硬化皮膜は照
射1日後に観察したところ、無色透明であった。さら
に、この硬化皮膜の黄変度ΔYIは16であって、耐候性良
好と認められた。
比較例1 この比較例では、光重合開始剤として2−ヒドロキシ
−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを用い
たが、紫外線吸収剤を全く用いないこととして実施し
た。言いかえると、この比較例は、実施例3において紫
外線吸収剤を用いないこととした以外は、実施例3と全
く同様に処理して硬化皮膜を作った。
得られた硬化皮膜は、皮膜の底まで硬化しており、従
って硬化状態は良好であった。また、この硬化皮膜は照
射1日後に観察したところ、無色透明であった。さら
に、この硬化皮膜の黄変度を測定したところ、黄変度は
20であったので、耐候性が劣ると認められた。
比較例2 この比較例では、紫外線吸収剤として2−(2′−ヒ
ドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)
−5−クロロベンゾトリアゾールを用いることした以外
は、実施例1と全く同様に処理して硬化皮膜を得た。
2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−
メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールは、
波長401nm以上の範囲でモル吸光係数が1000以下であ
る。また、メチルフェニルグリオキシレートは、実施例
1に記載したように、波長398nm以下、280nm以上の範囲
でモル吸光係数が10以上である。従って、この比較例で
は、光重合開始剤のモル吸光係数が10以上である波長領
域と、紫外線吸収剤のモル吸光係数が1000以下である波
長領域とは、430nm以下の波長範囲では重なり合わなか
った。
硬化皮膜は、皮膜の底に未硬化の液状部分が存在し、
硬化状態は不良であった。
比較例3 この比較例では、光重合開始剤として2−ヒドロキシ
−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを用
い、紫外線吸収剤として2−ヒドロキシ−4−n−オク
トキシベンゾフェノンを用いることした以外は、実施例
1と全く同様に処理して硬化皮膜を得た。言いかえる
と、この比較例は、実施例3において、紫外線吸収剤を
実施例2において用いたものに変えて実施したものに相
当している。
この比較例では、光重合開始剤のモル吸光係数が10以
上である波長領域と、紫外線吸収剤のモル吸光係数が10
00以下である波長領域とは、430nm以下の波長範囲では
重なり合わなかった。
硬化皮膜は、皮膜の底に未硬化モルの液状部分が存在
し、硬化状態が不良であった。
比較例4 この比較例では、光重合開始剤としてベンジル(1重
量部)とN−メチルジエタノールアミン(3重量部)と
の混合物を用い、また紫外線吸収剤として2−(2′−
ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ルを用いることとした以外は、実施例1と全く同様に処
理して、硬化皮膜を得た。
上記の混合物からなる光重合開始剤は、波長439nm以
下、280nm以上の範囲でモル吸光係数が10以上である。
また、上記の紫外線吸収剤は、実施例1で述べたよう
に、波長381nm以上の範囲でモル吸光係数が1000以下で
ある。従って、この比較例では、光重合開始剤のモル吸
光係数が10以上である波長領域と、紫外線吸収剤のモル
吸光係数が1000以下である波長領域とが、381nmないし4
39nmの波長範囲で重なり合うことになった。
得られた硬化皮膜は、硬化状態が良好であった。この
硬化皮膜は照射1日後に微黄色に着色していたので、無
着色性は不良と認められた。
比較例5 この比較例は、特開昭62−161868号公報の指示に従っ
て行ったものである。
光重合開始剤としては、カンファーキノンとN−メチ
ルジエタノールアミンとを重量で1対3の割合に混合し
たものを用いた。この混合物のモル吸光係数が10以上で
ある波長領域は、310nm以下と413nmと495nmとの間にあ
った。
紫外線吸収剤としては、2−(2′−ヒドロキシ−
5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールを用いた。
この紫外線吸収剤は、実施例1で述べたように、モル吸
光係数が1000以下となる波長領域が、381nm以上であっ
た。
従って、この比較例では、光重合開始剤のモル吸光係
数が10以上となる波長領域と、紫外線吸収剤のモル吸光
係数が1000以下となる波長領域とは、波長413nmから495
nmの範囲であった。このような光重合開始剤と紫外線吸
収剤とを用いて、実施例1と全く同様に処理して硬化皮
膜を得た。
得られた硬化皮膜は、硬化状態が良好であったが、照
射1日後に黄色に着色していたので、無着色性は不良と
認められた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、資剤のモル吸光係数が光の波長とともに変化
する関係を模型的に示したグラフである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリル型の硬化性樹脂成分と、光重合開
    始剤と、紫外線吸収剤とを含んだ樹脂組成物であって、
    上記光重合開始剤のモル吸光係数が10以上である波長領
    域と、上記紫外線吸収剤のモル吸光係数が1000以下であ
    る波長領域とが、光の波長430〜280nmの範囲でのみ重な
    り合っていることを特徴とする、光硬化型樹脂組成物。
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