JP2598269B2 - 電動式パワーステアリング装置のモータ制御装置 - Google Patents
電動式パワーステアリング装置のモータ制御装置Info
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Description
本発明は、車両の操舵系にモータ駆動による補助操舵
力(パワーアシスト)を与える電動式パワーステアリン
グ装置のモータ制御装置に関するものである。
力(パワーアシスト)を与える電動式パワーステアリン
グ装置のモータ制御装置に関するものである。
上述のような電動式パワーステアリング装置のモータ
制御装置としては、操舵系の捩りトルクを検出する捩り
トルクセンサの他に車速を検出する車速センサと舵角を
検出する舵角センサとを設け、捩りトルクセンサの出力
に基づく指令信号を、上記車速センサの出力に基づき車
速の増大に伴って減少するよう補正すると共に、上記舵
角センサの出力から舵角の増大に伴って増大する戻し信
号を加算して、電動モータの回転方向,回転トルクを制
御するようにしたものが本件出願人により既に提案され
ている(特開昭61−98675号公報参照)。
制御装置としては、操舵系の捩りトルクを検出する捩り
トルクセンサの他に車速を検出する車速センサと舵角を
検出する舵角センサとを設け、捩りトルクセンサの出力
に基づく指令信号を、上記車速センサの出力に基づき車
速の増大に伴って減少するよう補正すると共に、上記舵
角センサの出力から舵角の増大に伴って増大する戻し信
号を加算して、電動モータの回転方向,回転トルクを制
御するようにしたものが本件出願人により既に提案され
ている(特開昭61−98675号公報参照)。
ところで上述のような従来の電動式パワーステアリン
グ装置のモータ制御装置では、直進走行時にパワーアシ
ストは不要であるとの認識から、舵角または捩りトルク
の小さい範囲をパワーアシストの不感帯としている。こ
のため、きわめて緩いカーブを走行する場合のように微
小舵角で保舵する時にはパワーアシストが全く得られ
ず、パワーアシストの機能を充分に発揮できないという
問題があった。 本発明は、上記のような問題点を解決するためになさ
れたもので、微小舵角の保舵の際にも適切なパワーアシ
ストが得られるようにした電動式パワーステアリング装
置のモータ制御装置を提供することを目的とする。
グ装置のモータ制御装置では、直進走行時にパワーアシ
ストは不要であるとの認識から、舵角または捩りトルク
の小さい範囲をパワーアシストの不感帯としている。こ
のため、きわめて緩いカーブを走行する場合のように微
小舵角で保舵する時にはパワーアシストが全く得られ
ず、パワーアシストの機能を充分に発揮できないという
問題があった。 本発明は、上記のような問題点を解決するためになさ
れたもので、微小舵角の保舵の際にも適切なパワーアシ
ストが得られるようにした電動式パワーステアリング装
置のモータ制御装置を提供することを目的とする。
この目的のため、本発明は、操舵系の捩りトルクを検
出する捩りトルクセンサの出力信号に基づくアシスト信
号に応じて駆動制御部により電動モータの回転方向,回
転トルクを制御する電動式パワーステアリング装置にお
いて、 上記捩りトルクセンサの出力に基づき所定の微小捩り
トルク内では出力せず、所定値を越えると絶対値が増大
し一定値となる捩りトルク対応アシスト付加信号を出力
する捩りトルク対応付加トルク値指示部と、 舵角を検出する舵角センサの出力に基づき微小舵角内
では所定の一定値を保ち、この微小舵角を越えると漸減
する舵角対応アシスト付加信号を出力する舵角対応付加
トルク値指示部と、 上記捩りトルク対応アシスト付加信号と上記舵角対応
アシスト付加信号とを比較し、絶対値の小さい方の信号
をアシスト付加信号として出力する比較部とからなる保
舵指令部と、 上記アシスト信号と上記アシスト付加信号を加算して
上記電動モータの指令信号を求める加算部とを設けたこ
とを特徴とする。
出する捩りトルクセンサの出力信号に基づくアシスト信
号に応じて駆動制御部により電動モータの回転方向,回
転トルクを制御する電動式パワーステアリング装置にお
いて、 上記捩りトルクセンサの出力に基づき所定の微小捩り
トルク内では出力せず、所定値を越えると絶対値が増大
し一定値となる捩りトルク対応アシスト付加信号を出力
する捩りトルク対応付加トルク値指示部と、 舵角を検出する舵角センサの出力に基づき微小舵角内
では所定の一定値を保ち、この微小舵角を越えると漸減
する舵角対応アシスト付加信号を出力する舵角対応付加
トルク値指示部と、 上記捩りトルク対応アシスト付加信号と上記舵角対応
アシスト付加信号とを比較し、絶対値の小さい方の信号
をアシスト付加信号として出力する比較部とからなる保
舵指令部と、 上記アシスト信号と上記アシスト付加信号を加算して
上記電動モータの指令信号を求める加算部とを設けたこ
とを特徴とする。
このような手段では、微小舵角の保舵走行により保舵
指令部からは、捩りトルクに応じて絶対値が所定値まで
漸増する特性のアシスト付加信号が出力し、このアシス
ト付加信号により保舵操作力のアシストが連続的になめ
からに行われる。 舵角が上記微小舵角を越えるとアシスト付加信号の絶
対値は漸減するので、ハンドルの軽すぎはなく、転舵の
際に適度な手応えが得られる。
指令部からは、捩りトルクに応じて絶対値が所定値まで
漸増する特性のアシスト付加信号が出力し、このアシス
ト付加信号により保舵操作力のアシストが連続的になめ
からに行われる。 舵角が上記微小舵角を越えるとアシスト付加信号の絶
対値は漸減するので、ハンドルの軽すぎはなく、転舵の
際に適度な手応えが得られる。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて具体的に説
明する。 第1図において符号1はパワーアシスト用の電動モー
タであり、図示省略した操舵系のラック・ピニオン機構
のピニオン軸に減速機,ジョイントなどを介して連結さ
れ、上記操舵系にアシスト力を付与できるようになって
いる。このような電動モータ1は、正負判別部21,絶対
値変換部22,デューティ制御部23,電機子電流検出部24,
電動モータ駆動部25などを備える駆動制御部2により、
後述の指令信号に基づいて回転方向,回転トルクが制御
される。すなわち、指令信号は正負判別部21と絶対値変
換部22とに入力され、正負判別部21の判別信号が電動モ
ータ駆動部25に入力されることでモータ電流の方向が指
令信号に応じて切換え制御されると共に、絶対値変換部
22の出力信号がデューティ制御部23に入力してデューテ
ィ比が定められ、これが電動モータ駆動部25に入力する
ことで指令信号の大きさに応じた回転トルクが設定され
るようになっている。なお、上記電動モータ1の回転ト
ルクは、電機子電流検出部24が電動モータ1の電機子電
流を検出し、その検出値をデューティ制御部23にフィー
ドバックすることで一定の指示値に収束するように制御
される。 ここで、前記駆動部制御2へ指令信号を出力するもの
として、本実施例では、アシスト指令部3,戻し指令部4,
位相補償指令部5,舵角位相補償指令部6,保舵指令部7が
設けられている。 アシスト指令部3は、基本的には操舵系の捩りトルク
の大きさおよび方向に応じたアシスト信号を発生するも
ので、ステアリング系(操舵系)のピニオンに設置され
てその捩りトルクの方向および大きさを検出する捩りト
ルクセンサ31と、この捩りトルクセンサ31の出力電圧信
号(第2図参照)に基づいて、基本的には第3図のグラ
フの実線で示すような特性のアシスト信号、すなわち、
捩りトルクの大きさが所定値以下では出力せず、所定値
を越えると捩りトルクの方向に応じた極性で捩りトルク
の値に応じて増減するアシスト信号を出力するアシスト
トルク値指令関数部32とを備える。 また、アシスト指令部3には、車両の速度を検出する
車速センサ33が設けられると共に、この車速センサ33の
出力電圧信号に基いて、第4図のグラフに示すように車
速の増大に伴い減少する特性の加算定数信号Svを発生す
る加算定数関数部34、およびこの加算定数信号Svと前記
捩りトルクセンサ31の出力信号とを入力してアシストト
ルク値指示関数部32へ出力する加算演算部35が設けられ
る。そして、この加算演算部35が捩りトルクセンサ31の
出力信号の極性に合わせてこれに加算定数信号Svを加減
算処理することで、第3図のグラフに示す特性は車速を
パラメータとしてX軸方向に平行移動されるようになっ
ている。すなわち右切りの場合の特性を例示すれば、第
5図に示すようにアシストトルク値指示関数部32の出力
は、同一捩りトルクにおいて車速の増大に伴い絶対値が
減少し、同一車速では捩りトルクの絶対値の増加に伴い
出力の絶対値が増大する。そしてこのような出力特性
を、車速に応じて第5図の破線に示すように補正すべ
く、乗算定数関数部36,乗算演算部37が設けられてい
る。この乗算定数関数36は、車速センサ33の出力電圧信
号に基いて第6図に示す特性の乗算定数信号、すなわ
ち、車速が0では乗算定数が1であり、車速の増大に伴
って次第に定数が0に近づいて減少する特性の乗算定数
信号を発生するものである。また、乗算演算部37は、前
記アシストトルク値指示関数部32の出力に上記乗算定数
を乗算処理するものであり、この乗算演算部37からのア
シスト信号itは、車速に応じて、第5図の破線に示すよ
うになる。 次に、戻し指令部4は、操舵系の転舵角に応じて舵角
を中立(直進)位置に戻す方向の戻し信号を発生するも
のであり、操舵系のたとえば、ラック・ピニオン機構に
おけるラックの移動量に基いて転舵角を検出する舵角セ
ンサ41,およびこの舵角センサ41の出力電圧信号に基い
て第7図のグラフに示す特性の戻し信号iθを出力する
戻しトルク値指示関数部42を備えている。 位相補償指令部5は、前記捩りトルクセンサ31の出力
信号を入力し、その微分値に比例する信号を発する位相
補償部51,およびこの位相補償部51の出力信号に基いて
例えば第8図のグラフに示すような特性のアシスト補助
信号iaを出力する位相補償指示関数部52を備え、本実施
例では位相補償部51の出力信号が、さらに捩りトルクセ
ンサ31の出力信号に加えられて加算演算部35に入力さ
れ、アシストトルク値指示関数部32への入力信号に影響
を与える。 さらに舵角位相補償指令部6は、転舵操作の速度に応
じて舵の進む方向と逆方向の減衰信号を発生するもので
あり、前記舵角センサ41の出力信号を入力し、その微分
値に比例する信号を発する舵角位相補償部61と、この舵
角位相補償部61の出力信号に基いて、例えば第9図のグ
ラフに示す特性の減衰信号iを出力する舵角位相補償
指示関数部62とを備えてなる。 ここで保舵指令部7は、直進走行付近の微小転舵角で
の保舵状態でこれをアシストするためのアシスト付加信
号を発生するものであり、前記舵角センサ41の出力電圧
信号が入力される舵角対応付加トルク値指示部71と、前
記捩りトルクセンサ31の出力電圧信号が入力される捩り
トルク対応付加トルク値指示部72と、これらの指示部7
1,72から信号入力する比較部73とを備えると共に、前記
車速センサ33の出力電圧信号が入力される車速補正係数
指示部74と、この車速補正係数指示部74および上記比較
部73から信号入力する車速補正演算部75とを備えてな
る。 舵角対応付加トルク指示部71は、絶対値が第10図
(a)のグラフに示すように舵角が10度程度までの微小
舵角内では所定の一定値を保ち、この微小舵角を越える
と漸減して舵角が60度程度で出力ゼロとなる特性の舵角
に対応したアシスト付加信号を出力する。また捩りトル
ク対応付加トルク値指示部72は、第10図(b)に示すよ
うな特性,すなわち捩りトルクが微小転舵角での保舵状
態に対応するような所定値に至るまでは出力せず、所定
値を越えると絶対値が比較的急激に漸増して一定値とな
る特性の捩りトルクに対応したアシスト付加信号を出力
する。そして比較部73では、これらの舵角に対応したア
シスト付加信号と捩りトルクに対応したアシスト付加信
号とを比較して、そのうちの絶対値が小さい方の信号を
アシスト付加信号ihとして出力するようになっている。 一方、車速補正係数指示部74は、第11図に示すように
車速がゼロから60km/h程度までは1,それ以上車速が増加
すると漸減して0に近づく特性の車速補正係数を出力す
るものである。また車速補正演算部75は、前記比較部73
の出力に上記車速補正係数を乗算処理するものであり、
この車速補正演算部75からのアシスト付加信号ihは、高
速時に車速の増大に応じて出力を減少する。 また本実施例においては、前記戻し指令部4からの戻
し信号iθおよび舵角位相補償指令部6からの減衰信号
iの出力を規制する車速判別部8が設けられる。この
車速判別部8は、上記戻し信号iθと減衰信号iとの
加算信号を入力し、前記車速センサ33の出力信号に基づ
いて車速が例えば5km/h以上では上記加算信号をそのま
ま出力するが、車速が5km/h以下では加算信号の出力を
規制するようになっている。 そして、上記車速判別部8の規制をうけた状態で、ア
シスト指令部3からのアシスト信号itと、戻し指令部4
からの戻し信号iθと、位相補償指令部5からのアシス
ト補助信号iaと、舵角位相補償指令部6からの減衰信号
iと、保舵指令部7からのアシスト付加信号ihとの加
算信号が指令信号として駆動制御部2へ出力されるよう
構成してある。なおアシスト信号itとアシスト付加信号
ihとの加算信号it′は、アシスト信号itと同じ符号(正
負)で大きさは|it|+ihとする。 以上のような構成では、転舵操作に伴い操舵系に捩り
トルクが発生すると、捩りトルクセンサ31がこれを検出
して出力信号を発生するが、この時、車速センサ33およ
び舵角センサ41からの各情報によって、上記出力信号に
基づくアシスト信号itに補正を加える。そしてこのアシ
スト信号itの正負判別および絶対値に応じたデューティ
比制御を通じて、電動モータ1の回転方向,回転トルク
が制御される。ここで捩りトルクとアシスト信号itとの
関係をみると、基本的には、第3図のグラフに示すとお
りである。例えば右切りの際の捩りトルクに対しては正
のアシスト信号が捩りトルクの増加に伴い増大するよう
に出力する。従って、電動モータ1は、右切りを補助す
る回転方向に捩りトルクの大きさに応じた出力トルクで
回転駆動され、右切りの際の操舵力が軽減される。な
お、左切りの際には負のアシスト信号に基いて電動モー
タ1が左切りを補助する回転方向に制御されることで、
右切りの場合と同様に作用する。 ここで捩りトルクとアシスト信号との関数特性は、本
実施例では車速センサ33の出力信号に基づいて変化す
る。例えば、右切りの捩りトルクに対するアシスト信号
の特性グラフを示す第5図において、車速0の状態をM0
で示すと、車速がV1,V2と増加するにつれ、加算定数関
数部34からの加算定数信号Svの加算処理に基づいて特性
グラフはM1,M2と第5図のX軸方向へ平行移動して変化
する。そして乗算定数信号の乗算処理により特性グラフ
M1はm1に、M2はm2に傾きを小さくするように変化する。
従って、捩りトルクの大きさが同一の場合、アシスト信
号の大きさは車速の増大に伴って減少する。このこと
は、同一捩りトルクに対する電動モータ1の出力トルク
が車速の増加に従って減少することを意味し、車両の低
速走行時には、充分なパワーアシストが得られるもので
ありながら、高速走行時には、操舵力過剰となることが
なく、従って、転舵時にハンドルが軽すぎて不安感を持
つということがなくなる。 一方、転舵操作に伴い、舵角センサ41が転舵角を検出
し、これに基づいて第7図に示す特性、すなわち、舵角
0の中立位置の近傍では出力せず、この範囲を越えて左
右の転舵角±θ0の範囲では比例的に増大し、±θ0を
越えると一定値となり、右転舵領域では負の値(左切り
方向)、左転舵領域では正の値(右切り方向)となる戻
し信号iθを出力する。 また、車両が半径の小さなカーブを急ハンドルで走行
するなど、転舵速度が速いとき、転舵角θが急激に変化
することから、そのことが舵角位相補償部61で検出さ
れ、その検出信号に基いて減衰信号iが舵角位相補償
指示関数部62から出力される。これは、第9図に示す特
性となる。 ここで車速5km/h以上では、車速判別部8の作用によ
り上記戻し信号iθ,減衰信号iは、アシスト信号it
を減少するように加えられる。そのため急転舵の際にハ
ンドルが軽すぎて不安感を持つということがなくなる。
また、例えば、右転舵角θ1で保舵している場合には、
前述した捩りトルクセンサ31の出力信号に基く正のアシ
スト信号itと、舵角センサ41の出力信号に基づく負の戻
し信号iθ1との加算信号により電動モータ1の制御が
行なわれる。ここでアシスト信号itのグラフを第3図の
実線で示すとすれば、上記加算信号は破線で示すように
なる。従って、受転舵角θ1の保舵状態を解除すると、
捩りトルクTが激減することで加算信号は第3図の破線
に沿って直ちに負の値(左切り方向)になる。これによ
り電動モータ1に左切り方向のトルクが発生して減速機
などの摩擦力や、モータの慣性モーメントなどを相殺す
ることになり、このため車両の走行時(5km/h以上)に
はキャスタ効果などにより操舵系は直進状態へスムーズ
に復元し得るなどハンドル戻り動作が良好となる。そし
て、転舵角θの減少に伴い戻し信号iθの大きさは次第
に0に近づくべく減少し、転舵角が中立位置に戻ると、
電動モータのトルクは消失する。 一方、急旋回(高G旋回)からのハンドル戻り時に
は、モータ慣性のためハンドルが中立を越える場合もあ
る。しかし、舵角位相補償指令部6から減衰信号iが
出力すると、この減衰信号はハンドルの回転方向と逆の
出力トルクを指令するためハンドルが戻り過ぎることも
なく、高速走行時などにおけるハンドル手放し状態から
の収束性も向上する。 次に、車両の停止状態などにおける転舵操作、すなわ
ち据切り操舵について説明すると、この場合、接地抵抗
が大きいことから転舵操作に伴い捩りトルクが急増し、
捩りトルクセンサ31の出力電圧もそれに比例して急増す
る。すると、この捩りトルクの急増傾向が位相補償指令
部5の位相補償部51で検出され、捩りトルクの増加度に
応じた出力信号が捩りトルクセンサ31の出力信号に加算
されるようになる。従って、捩りトルクTが小さく、こ
れに伴うアシスト信号itが未だ発生しない段階において
も、捩りトルクの変化度合が大きければアシスト信号it
が直ちに出力されるようになり、据切り操舵に際しては
電動モータ1は応答遅れなく直ちに起動するようにな
り、自励振動の発生が防止される。 そして据切り操舵時には、車速が5km/h以下であっ
て、戻し指令部4の戻し信号iθおよび舵角位相補償指
令部6からの減衰信号iが車速判別部8により規制さ
れることから、エネルギの労費がなく軽快な操舵が実現
される。 また、前記位相補償部51から出力信号が発せられる
と、位相補償指示関数部52からは第8図に示す特性のア
シスト補助信号iaが出力される。すなわち捩りトルクの
変化度合が所定値内では比例的に増減し、所定値を越え
ると一定値となるアシスト補助信号iaが捩りトルクの変
化の方向に応じて直ちに出力されるのである。従って左
右転舵を繰返す場合などにおいては、アシスト補助信号
iaが直ちに出力して電動モータ1の起動,停止時の慣性
力を吸収するようになっている。 さてここで、車両が極めて緩いカーブを連続走行する
ような微小舵角での保舵時について説明する。このとき
舵角センサ41,捩りトルクセンサ31が共に出力している
ことから、舵角対応付加トルク値指示部71および捩りト
ルク対応付加トルク値指示部72は、それぞれアシスト付
加信号を出力しており、それうち絶対値の小さい方の信
号値がアシスト付加信号ihとして比較部73から出力す
る。この場合、車速が例えば60km/h以下であれば、車速
補正係数は1で車速補正演算部75は上記アシスト付加信
号ihをそのまま出力し、これが指令信号となって保舵操
作力のアシストが行われる。また車速が60km/hを越えて
高速となるとそれに応じて車速補正係数が小さくなり、
車速補正演算部75を通過するアシスト付加信号ihは漸減
するから、高速走行時に保舵操作力が過剰とならず、保
舵操作に安定性が得られる。 前述の微小舵角での走行時において、捩りトルクが所
定値以下の場合はアシスト付加信号ihは出力せず、捩り
トルクが所定値を越えるとアシスト付加信号ihは漸次増
大するので、保舵操作力のアシストはショックを伴わず
に滑らかに行われる。 また、微小舵角の保舵状態からさらに転舵して舵角が
大きくなると、アシスト付加信号ihの絶対値は漸減する
ので、ハンドルの軽すぎはなく、転舵の際に適度な手応
えが得られる。
明する。 第1図において符号1はパワーアシスト用の電動モー
タであり、図示省略した操舵系のラック・ピニオン機構
のピニオン軸に減速機,ジョイントなどを介して連結さ
れ、上記操舵系にアシスト力を付与できるようになって
いる。このような電動モータ1は、正負判別部21,絶対
値変換部22,デューティ制御部23,電機子電流検出部24,
電動モータ駆動部25などを備える駆動制御部2により、
後述の指令信号に基づいて回転方向,回転トルクが制御
される。すなわち、指令信号は正負判別部21と絶対値変
換部22とに入力され、正負判別部21の判別信号が電動モ
ータ駆動部25に入力されることでモータ電流の方向が指
令信号に応じて切換え制御されると共に、絶対値変換部
22の出力信号がデューティ制御部23に入力してデューテ
ィ比が定められ、これが電動モータ駆動部25に入力する
ことで指令信号の大きさに応じた回転トルクが設定され
るようになっている。なお、上記電動モータ1の回転ト
ルクは、電機子電流検出部24が電動モータ1の電機子電
流を検出し、その検出値をデューティ制御部23にフィー
ドバックすることで一定の指示値に収束するように制御
される。 ここで、前記駆動部制御2へ指令信号を出力するもの
として、本実施例では、アシスト指令部3,戻し指令部4,
位相補償指令部5,舵角位相補償指令部6,保舵指令部7が
設けられている。 アシスト指令部3は、基本的には操舵系の捩りトルク
の大きさおよび方向に応じたアシスト信号を発生するも
ので、ステアリング系(操舵系)のピニオンに設置され
てその捩りトルクの方向および大きさを検出する捩りト
ルクセンサ31と、この捩りトルクセンサ31の出力電圧信
号(第2図参照)に基づいて、基本的には第3図のグラ
フの実線で示すような特性のアシスト信号、すなわち、
捩りトルクの大きさが所定値以下では出力せず、所定値
を越えると捩りトルクの方向に応じた極性で捩りトルク
の値に応じて増減するアシスト信号を出力するアシスト
トルク値指令関数部32とを備える。 また、アシスト指令部3には、車両の速度を検出する
車速センサ33が設けられると共に、この車速センサ33の
出力電圧信号に基いて、第4図のグラフに示すように車
速の増大に伴い減少する特性の加算定数信号Svを発生す
る加算定数関数部34、およびこの加算定数信号Svと前記
捩りトルクセンサ31の出力信号とを入力してアシストト
ルク値指示関数部32へ出力する加算演算部35が設けられ
る。そして、この加算演算部35が捩りトルクセンサ31の
出力信号の極性に合わせてこれに加算定数信号Svを加減
算処理することで、第3図のグラフに示す特性は車速を
パラメータとしてX軸方向に平行移動されるようになっ
ている。すなわち右切りの場合の特性を例示すれば、第
5図に示すようにアシストトルク値指示関数部32の出力
は、同一捩りトルクにおいて車速の増大に伴い絶対値が
減少し、同一車速では捩りトルクの絶対値の増加に伴い
出力の絶対値が増大する。そしてこのような出力特性
を、車速に応じて第5図の破線に示すように補正すべ
く、乗算定数関数部36,乗算演算部37が設けられてい
る。この乗算定数関数36は、車速センサ33の出力電圧信
号に基いて第6図に示す特性の乗算定数信号、すなわ
ち、車速が0では乗算定数が1であり、車速の増大に伴
って次第に定数が0に近づいて減少する特性の乗算定数
信号を発生するものである。また、乗算演算部37は、前
記アシストトルク値指示関数部32の出力に上記乗算定数
を乗算処理するものであり、この乗算演算部37からのア
シスト信号itは、車速に応じて、第5図の破線に示すよ
うになる。 次に、戻し指令部4は、操舵系の転舵角に応じて舵角
を中立(直進)位置に戻す方向の戻し信号を発生するも
のであり、操舵系のたとえば、ラック・ピニオン機構に
おけるラックの移動量に基いて転舵角を検出する舵角セ
ンサ41,およびこの舵角センサ41の出力電圧信号に基い
て第7図のグラフに示す特性の戻し信号iθを出力する
戻しトルク値指示関数部42を備えている。 位相補償指令部5は、前記捩りトルクセンサ31の出力
信号を入力し、その微分値に比例する信号を発する位相
補償部51,およびこの位相補償部51の出力信号に基いて
例えば第8図のグラフに示すような特性のアシスト補助
信号iaを出力する位相補償指示関数部52を備え、本実施
例では位相補償部51の出力信号が、さらに捩りトルクセ
ンサ31の出力信号に加えられて加算演算部35に入力さ
れ、アシストトルク値指示関数部32への入力信号に影響
を与える。 さらに舵角位相補償指令部6は、転舵操作の速度に応
じて舵の進む方向と逆方向の減衰信号を発生するもので
あり、前記舵角センサ41の出力信号を入力し、その微分
値に比例する信号を発する舵角位相補償部61と、この舵
角位相補償部61の出力信号に基いて、例えば第9図のグ
ラフに示す特性の減衰信号iを出力する舵角位相補償
指示関数部62とを備えてなる。 ここで保舵指令部7は、直進走行付近の微小転舵角で
の保舵状態でこれをアシストするためのアシスト付加信
号を発生するものであり、前記舵角センサ41の出力電圧
信号が入力される舵角対応付加トルク値指示部71と、前
記捩りトルクセンサ31の出力電圧信号が入力される捩り
トルク対応付加トルク値指示部72と、これらの指示部7
1,72から信号入力する比較部73とを備えると共に、前記
車速センサ33の出力電圧信号が入力される車速補正係数
指示部74と、この車速補正係数指示部74および上記比較
部73から信号入力する車速補正演算部75とを備えてな
る。 舵角対応付加トルク指示部71は、絶対値が第10図
(a)のグラフに示すように舵角が10度程度までの微小
舵角内では所定の一定値を保ち、この微小舵角を越える
と漸減して舵角が60度程度で出力ゼロとなる特性の舵角
に対応したアシスト付加信号を出力する。また捩りトル
ク対応付加トルク値指示部72は、第10図(b)に示すよ
うな特性,すなわち捩りトルクが微小転舵角での保舵状
態に対応するような所定値に至るまでは出力せず、所定
値を越えると絶対値が比較的急激に漸増して一定値とな
る特性の捩りトルクに対応したアシスト付加信号を出力
する。そして比較部73では、これらの舵角に対応したア
シスト付加信号と捩りトルクに対応したアシスト付加信
号とを比較して、そのうちの絶対値が小さい方の信号を
アシスト付加信号ihとして出力するようになっている。 一方、車速補正係数指示部74は、第11図に示すように
車速がゼロから60km/h程度までは1,それ以上車速が増加
すると漸減して0に近づく特性の車速補正係数を出力す
るものである。また車速補正演算部75は、前記比較部73
の出力に上記車速補正係数を乗算処理するものであり、
この車速補正演算部75からのアシスト付加信号ihは、高
速時に車速の増大に応じて出力を減少する。 また本実施例においては、前記戻し指令部4からの戻
し信号iθおよび舵角位相補償指令部6からの減衰信号
iの出力を規制する車速判別部8が設けられる。この
車速判別部8は、上記戻し信号iθと減衰信号iとの
加算信号を入力し、前記車速センサ33の出力信号に基づ
いて車速が例えば5km/h以上では上記加算信号をそのま
ま出力するが、車速が5km/h以下では加算信号の出力を
規制するようになっている。 そして、上記車速判別部8の規制をうけた状態で、ア
シスト指令部3からのアシスト信号itと、戻し指令部4
からの戻し信号iθと、位相補償指令部5からのアシス
ト補助信号iaと、舵角位相補償指令部6からの減衰信号
iと、保舵指令部7からのアシスト付加信号ihとの加
算信号が指令信号として駆動制御部2へ出力されるよう
構成してある。なおアシスト信号itとアシスト付加信号
ihとの加算信号it′は、アシスト信号itと同じ符号(正
負)で大きさは|it|+ihとする。 以上のような構成では、転舵操作に伴い操舵系に捩り
トルクが発生すると、捩りトルクセンサ31がこれを検出
して出力信号を発生するが、この時、車速センサ33およ
び舵角センサ41からの各情報によって、上記出力信号に
基づくアシスト信号itに補正を加える。そしてこのアシ
スト信号itの正負判別および絶対値に応じたデューティ
比制御を通じて、電動モータ1の回転方向,回転トルク
が制御される。ここで捩りトルクとアシスト信号itとの
関係をみると、基本的には、第3図のグラフに示すとお
りである。例えば右切りの際の捩りトルクに対しては正
のアシスト信号が捩りトルクの増加に伴い増大するよう
に出力する。従って、電動モータ1は、右切りを補助す
る回転方向に捩りトルクの大きさに応じた出力トルクで
回転駆動され、右切りの際の操舵力が軽減される。な
お、左切りの際には負のアシスト信号に基いて電動モー
タ1が左切りを補助する回転方向に制御されることで、
右切りの場合と同様に作用する。 ここで捩りトルクとアシスト信号との関数特性は、本
実施例では車速センサ33の出力信号に基づいて変化す
る。例えば、右切りの捩りトルクに対するアシスト信号
の特性グラフを示す第5図において、車速0の状態をM0
で示すと、車速がV1,V2と増加するにつれ、加算定数関
数部34からの加算定数信号Svの加算処理に基づいて特性
グラフはM1,M2と第5図のX軸方向へ平行移動して変化
する。そして乗算定数信号の乗算処理により特性グラフ
M1はm1に、M2はm2に傾きを小さくするように変化する。
従って、捩りトルクの大きさが同一の場合、アシスト信
号の大きさは車速の増大に伴って減少する。このこと
は、同一捩りトルクに対する電動モータ1の出力トルク
が車速の増加に従って減少することを意味し、車両の低
速走行時には、充分なパワーアシストが得られるもので
ありながら、高速走行時には、操舵力過剰となることが
なく、従って、転舵時にハンドルが軽すぎて不安感を持
つということがなくなる。 一方、転舵操作に伴い、舵角センサ41が転舵角を検出
し、これに基づいて第7図に示す特性、すなわち、舵角
0の中立位置の近傍では出力せず、この範囲を越えて左
右の転舵角±θ0の範囲では比例的に増大し、±θ0を
越えると一定値となり、右転舵領域では負の値(左切り
方向)、左転舵領域では正の値(右切り方向)となる戻
し信号iθを出力する。 また、車両が半径の小さなカーブを急ハンドルで走行
するなど、転舵速度が速いとき、転舵角θが急激に変化
することから、そのことが舵角位相補償部61で検出さ
れ、その検出信号に基いて減衰信号iが舵角位相補償
指示関数部62から出力される。これは、第9図に示す特
性となる。 ここで車速5km/h以上では、車速判別部8の作用によ
り上記戻し信号iθ,減衰信号iは、アシスト信号it
を減少するように加えられる。そのため急転舵の際にハ
ンドルが軽すぎて不安感を持つということがなくなる。
また、例えば、右転舵角θ1で保舵している場合には、
前述した捩りトルクセンサ31の出力信号に基く正のアシ
スト信号itと、舵角センサ41の出力信号に基づく負の戻
し信号iθ1との加算信号により電動モータ1の制御が
行なわれる。ここでアシスト信号itのグラフを第3図の
実線で示すとすれば、上記加算信号は破線で示すように
なる。従って、受転舵角θ1の保舵状態を解除すると、
捩りトルクTが激減することで加算信号は第3図の破線
に沿って直ちに負の値(左切り方向)になる。これによ
り電動モータ1に左切り方向のトルクが発生して減速機
などの摩擦力や、モータの慣性モーメントなどを相殺す
ることになり、このため車両の走行時(5km/h以上)に
はキャスタ効果などにより操舵系は直進状態へスムーズ
に復元し得るなどハンドル戻り動作が良好となる。そし
て、転舵角θの減少に伴い戻し信号iθの大きさは次第
に0に近づくべく減少し、転舵角が中立位置に戻ると、
電動モータのトルクは消失する。 一方、急旋回(高G旋回)からのハンドル戻り時に
は、モータ慣性のためハンドルが中立を越える場合もあ
る。しかし、舵角位相補償指令部6から減衰信号iが
出力すると、この減衰信号はハンドルの回転方向と逆の
出力トルクを指令するためハンドルが戻り過ぎることも
なく、高速走行時などにおけるハンドル手放し状態から
の収束性も向上する。 次に、車両の停止状態などにおける転舵操作、すなわ
ち据切り操舵について説明すると、この場合、接地抵抗
が大きいことから転舵操作に伴い捩りトルクが急増し、
捩りトルクセンサ31の出力電圧もそれに比例して急増す
る。すると、この捩りトルクの急増傾向が位相補償指令
部5の位相補償部51で検出され、捩りトルクの増加度に
応じた出力信号が捩りトルクセンサ31の出力信号に加算
されるようになる。従って、捩りトルクTが小さく、こ
れに伴うアシスト信号itが未だ発生しない段階において
も、捩りトルクの変化度合が大きければアシスト信号it
が直ちに出力されるようになり、据切り操舵に際しては
電動モータ1は応答遅れなく直ちに起動するようにな
り、自励振動の発生が防止される。 そして据切り操舵時には、車速が5km/h以下であっ
て、戻し指令部4の戻し信号iθおよび舵角位相補償指
令部6からの減衰信号iが車速判別部8により規制さ
れることから、エネルギの労費がなく軽快な操舵が実現
される。 また、前記位相補償部51から出力信号が発せられる
と、位相補償指示関数部52からは第8図に示す特性のア
シスト補助信号iaが出力される。すなわち捩りトルクの
変化度合が所定値内では比例的に増減し、所定値を越え
ると一定値となるアシスト補助信号iaが捩りトルクの変
化の方向に応じて直ちに出力されるのである。従って左
右転舵を繰返す場合などにおいては、アシスト補助信号
iaが直ちに出力して電動モータ1の起動,停止時の慣性
力を吸収するようになっている。 さてここで、車両が極めて緩いカーブを連続走行する
ような微小舵角での保舵時について説明する。このとき
舵角センサ41,捩りトルクセンサ31が共に出力している
ことから、舵角対応付加トルク値指示部71および捩りト
ルク対応付加トルク値指示部72は、それぞれアシスト付
加信号を出力しており、それうち絶対値の小さい方の信
号値がアシスト付加信号ihとして比較部73から出力す
る。この場合、車速が例えば60km/h以下であれば、車速
補正係数は1で車速補正演算部75は上記アシスト付加信
号ihをそのまま出力し、これが指令信号となって保舵操
作力のアシストが行われる。また車速が60km/hを越えて
高速となるとそれに応じて車速補正係数が小さくなり、
車速補正演算部75を通過するアシスト付加信号ihは漸減
するから、高速走行時に保舵操作力が過剰とならず、保
舵操作に安定性が得られる。 前述の微小舵角での走行時において、捩りトルクが所
定値以下の場合はアシスト付加信号ihは出力せず、捩り
トルクが所定値を越えるとアシスト付加信号ihは漸次増
大するので、保舵操作力のアシストはショックを伴わず
に滑らかに行われる。 また、微小舵角の保舵状態からさらに転舵して舵角が
大きくなると、アシスト付加信号ihの絶対値は漸減する
ので、ハンドルの軽すぎはなく、転舵の際に適度な手応
えが得られる。
以上説明したとおり本発明によれば、微小舵角の保舵
走行時には、保舵指令部からアシスト付加信号が出力
し、このアシスト付加信号により保舵操作力のアシスト
が行われるので、きわめて緩いカーブの連続走行の際に
も軽い保舵力で運転ができる。 上記アシスト付加信号は、微小舵角においてはその絶
対値が所定値まで漸増するので、保舵操作力のアシスト
は連続的で滑らかになる。 また、舵角が上記微小舵角を越えると、アシスト付加
信号の絶対値は漸減するので、転舵の際にはハンドルの
軽すぎはなく、適度の手応えが得られる。
走行時には、保舵指令部からアシスト付加信号が出力
し、このアシスト付加信号により保舵操作力のアシスト
が行われるので、きわめて緩いカーブの連続走行の際に
も軽い保舵力で運転ができる。 上記アシスト付加信号は、微小舵角においてはその絶
対値が所定値まで漸増するので、保舵操作力のアシスト
は連続的で滑らかになる。 また、舵角が上記微小舵角を越えると、アシスト付加
信号の絶対値は漸減するので、転舵の際にはハンドルの
軽すぎはなく、適度の手応えが得られる。
第1図は本発明の一実施例を示す構成ブロック図、第2
図は捩りトルクセンサの出力信号の特性グラフ、第3図
はアシスト信号の基本特性グラフ、第4図は加算定数信
号の特性グラフ、第5図はアシスト信号の特性変化を示
すグラフ、第6図は乗算定数信号の特性グラフ、第7図
は戻し信号の特性グラフ、第8図はアシスト補助信号の
特性グラフ、第9図は減衰信号の特性グラフ、第10図
(a)(b)はそれぞれ舵角および捩りトルクに対応し
たアシスト付加信号の特性グラフ、第11図は車速補正係
数の特性グラフである。 1……電動モータ 2……駆動制御部 21……正負判別部、22……絶対値変換部 23……デューティ制御部、24……電機子電流検出部 25……電動モータ駆動部 3……アシスト指令部 31……捩りトルクセンサ、32……アシストトルク値指示
関数部、33……車速センサ、34……加算定数関数部、35
……加算演算部、36……乗算定数関数部、37……乗算演
算部 4……戻し指令部 41……舵角センサ、42……戻しトルク値指示関数部 5……位相補償指令部 51……位相補償部、52……位相補償指示関数部 6……舵角位相補償指令部 61……舵角位相補償部、62……舵角位相補償指示関数部 7……保舵指令部 71……舵角対応付加トルク値指示部、72……捩りトルク
対応付加トルク値指示部、73……比較部、74……車速補
正係数指示部、75……車速補正演算部 8……車速判別部
図は捩りトルクセンサの出力信号の特性グラフ、第3図
はアシスト信号の基本特性グラフ、第4図は加算定数信
号の特性グラフ、第5図はアシスト信号の特性変化を示
すグラフ、第6図は乗算定数信号の特性グラフ、第7図
は戻し信号の特性グラフ、第8図はアシスト補助信号の
特性グラフ、第9図は減衰信号の特性グラフ、第10図
(a)(b)はそれぞれ舵角および捩りトルクに対応し
たアシスト付加信号の特性グラフ、第11図は車速補正係
数の特性グラフである。 1……電動モータ 2……駆動制御部 21……正負判別部、22……絶対値変換部 23……デューティ制御部、24……電機子電流検出部 25……電動モータ駆動部 3……アシスト指令部 31……捩りトルクセンサ、32……アシストトルク値指示
関数部、33……車速センサ、34……加算定数関数部、35
……加算演算部、36……乗算定数関数部、37……乗算演
算部 4……戻し指令部 41……舵角センサ、42……戻しトルク値指示関数部 5……位相補償指令部 51……位相補償部、52……位相補償指示関数部 6……舵角位相補償指令部 61……舵角位相補償部、62……舵角位相補償指示関数部 7……保舵指令部 71……舵角対応付加トルク値指示部、72……捩りトルク
対応付加トルク値指示部、73……比較部、74……車速補
正係数指示部、75……車速補正演算部 8……車速判別部
Claims (2)
- 【請求項1】操舵系の捩りトルクを検出する捩りトルク
センサの出力信号に基づくアシスト信号に応じて駆動制
御部により電動モータの回転方向,回転トルクを制御す
る電動式パワーステアリング装置において、 上記捩りトルクセンサの出力に基づき所定の微小捩りト
ルク内では出力せず、所定値を越えると絶対値が増大し
一定値となる捩りトルク対応アシスト付加信号を出力す
る捩りトルク対応付加トルク値指示部と、 舵角を検出する舵角センサの出力に基づき微小舵角内で
は所定の一定値を保ち、この微小舵角を越えると漸減す
る舵角対応アシスト付加信号を出力する舵角対応付加ト
ルク値指示部と、 上記捩りトルク対応アシスト付加信号と上記舵角対応ア
シスト付加信号とを比較し、絶対値の小さい方の信号を
アシスト付加信号として出力する比較部とからなる保舵
指令部と、 上記アシスト信号と上記アシスト付加信号を加算して上
記電動モータの指令信号を求める加算部とを設けたこと
を特徴とする電動式パワーステアリング装置のモータ制
御装置。 - 【請求項2】保舵指令部は、車速センサの出力信号に基
づき、車速の増大に伴ってアシスト付加信号を減少補正
することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の電動
式パワーステアリング装置のモータ制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15911887A JP2598269B2 (ja) | 1987-06-26 | 1987-06-26 | 電動式パワーステアリング装置のモータ制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15911887A JP2598269B2 (ja) | 1987-06-26 | 1987-06-26 | 電動式パワーステアリング装置のモータ制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS644573A JPS644573A (en) | 1989-01-09 |
JP2598269B2 true JP2598269B2 (ja) | 1997-04-09 |
Family
ID=15686631
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15911887A Expired - Fee Related JP2598269B2 (ja) | 1987-06-26 | 1987-06-26 | 電動式パワーステアリング装置のモータ制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2598269B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4959212B2 (ja) * | 2006-03-30 | 2012-06-20 | 株式会社ショーワ | 電動パワーステアリング装置 |
JP4959217B2 (ja) * | 2006-04-28 | 2012-06-20 | 株式会社ショーワ | 電動パワーステアリング装置 |
-
1987
- 1987-06-26 JP JP15911887A patent/JP2598269B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPS644573A (en) | 1989-01-09 |
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