JP2597668B2 - 難燃性ポリエステル組成物 - Google Patents
難燃性ポリエステル組成物Info
- Publication number
- JP2597668B2 JP2597668B2 JP63209339A JP20933988A JP2597668B2 JP 2597668 B2 JP2597668 B2 JP 2597668B2 JP 63209339 A JP63209339 A JP 63209339A JP 20933988 A JP20933988 A JP 20933988A JP 2597668 B2 JP2597668 B2 JP 2597668B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- weight
- polymerization
- phenoxy resin
- parts
- degree
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は難燃性、機械的性質、電気的性質、成形性お
よび耐熱性に優れ、しかもブリードアウトがなく使用時
のガス発生量が少ない難燃性ポリエステル組成物に関す
る。
よび耐熱性に優れ、しかもブリードアウトがなく使用時
のガス発生量が少ない難燃性ポリエステル組成物に関す
る。
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタ
レートなどに代表される芳香族ポリエステルは、その優
れた諸特性を利用して機械機構部品、電気部品、自動車
部品などに用途をひらきつつある。一方これらの工業用
材料には一般の化学的、物理的諸特性のバランス以外に
火炎に対する安全性すなわち難燃性が強く要求されてい
る。また電子コネクターなどの分野においては難燃性を
付与した際にも良好な機械的性質を保有していると共に
難燃剤がブリードアウトしない必要がある。このような
要求に対する難燃剤としては、臭素化ポリカーボネート
オリゴマや臭素化エポキシオリゴマなどが種々検討され
てきた。
レートなどに代表される芳香族ポリエステルは、その優
れた諸特性を利用して機械機構部品、電気部品、自動車
部品などに用途をひらきつつある。一方これらの工業用
材料には一般の化学的、物理的諸特性のバランス以外に
火炎に対する安全性すなわち難燃性が強く要求されてい
る。また電子コネクターなどの分野においては難燃性を
付与した際にも良好な機械的性質を保有していると共に
難燃剤がブリードアウトしない必要がある。このような
要求に対する難燃剤としては、臭素化ポリカーボネート
オリゴマや臭素化エポキシオリゴマなどが種々検討され
てきた。
しかし、臭素化ポリカーボネートオリゴマは、炭酸エ
ステルであるため、同様にエステル結合を有する芳香族
ポリエステルの間にエステル交換反応を起こし、芳香族
ポリエステルの機械的性質を低下させる、成形滞留安定
性が不良となる、あるいは成形品の熱処理時に白粉とし
てブリードアウトしやすいなどの問題があった。
ステルであるため、同様にエステル結合を有する芳香族
ポリエステルの間にエステル交換反応を起こし、芳香族
ポリエステルの機械的性質を低下させる、成形滞留安定
性が不良となる、あるいは成形品の熱処理時に白粉とし
てブリードアウトしやすいなどの問題があった。
また、臭素化エポキシオリゴマについては、成形滞留
時に増粘して流動性が不良になる、耐衝撃性が低い上、
低重合度のものでは白粉は生成しないもののブリードア
ウトが完全にはなくならないなどの問題があった。
時に増粘して流動性が不良になる、耐衝撃性が低い上、
低重合度のものでは白粉は生成しないもののブリードア
ウトが完全にはなくならないなどの問題があった。
このため特開昭58−118849号公報には平均重合度11以
上の臭素化フェノキシ樹脂の適用が開示され、さらに特
開昭62−169847号公報には重合度20以上の高重合度の臭
素化フェノキシ樹脂と重合度0〜10の低重合度の臭素化
エポキシ化合物の併用が開示されている。
上の臭素化フェノキシ樹脂の適用が開示され、さらに特
開昭62−169847号公報には重合度20以上の高重合度の臭
素化フェノキシ樹脂と重合度0〜10の低重合度の臭素化
エポキシ化合物の併用が開示されている。
しかしながら、前記特開昭58−118849号公報記載の組
成物において、臭素化フェノキシ樹脂として平均重合度
11以上20未満のものを使用した場合、耐衝撃性および耐
熱性において、未だ満足できるものではなく、平均重合
度20以上のものを使用した場合には成形流動性が悪い、
滞留安定性が低下するなどの問題がある。
成物において、臭素化フェノキシ樹脂として平均重合度
11以上20未満のものを使用した場合、耐衝撃性および耐
熱性において、未だ満足できるものではなく、平均重合
度20以上のものを使用した場合には成形流動性が悪い、
滞留安定性が低下するなどの問題がある。
また、特開昭62−169847号公報に開示された技術によ
ると、確かに耐衝撃性などの機械的性質と成形滞留安定
性、成形流動性および耐熱性などのバランスが比較的良
好となるものの、低重合度の臭素化エポキシを併用する
ことに起因すると考えられる非白粉状のブリードアウト
物の発生や実使用時におけるガスの発生量が多く、コネ
クタなどの接点を有する部品に対する適用は難しいとい
う問題があった。
ると、確かに耐衝撃性などの機械的性質と成形滞留安定
性、成形流動性および耐熱性などのバランスが比較的良
好となるものの、低重合度の臭素化エポキシを併用する
ことに起因すると考えられる非白粉状のブリードアウト
物の発生や実使用時におけるガスの発生量が多く、コネ
クタなどの接点を有する部品に対する適用は難しいとい
う問題があった。
そこで本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討
した。結果、芳香族ポリエステルに対してアンチモン化
合物と共に特定の重合度範囲、重量平均分子量及び重合
度分布を有するハロゲン化フェノキシ樹脂を特定割合含
有せしめることにより、難燃性、耐衝撃性などの機械的
性質、耐トラッキング性などの電気的性質、成形滞留安
定性、成形流動性および耐熱性に優れ、しかもブリード
アウトがなく、使用時のガス発生量も少ないポリエステ
ル組成物が得られることを見い出し本発明に到達した。
した。結果、芳香族ポリエステルに対してアンチモン化
合物と共に特定の重合度範囲、重量平均分子量及び重合
度分布を有するハロゲン化フェノキシ樹脂を特定割合含
有せしめることにより、難燃性、耐衝撃性などの機械的
性質、耐トラッキング性などの電気的性質、成形滞留安
定性、成形流動性および耐熱性に優れ、しかもブリード
アウトがなく、使用時のガス発生量も少ないポリエステ
ル組成物が得られることを見い出し本発明に到達した。
すなわち本発明は、 (A)芳香族ポリエステル100重量部に対して (B)下記一般式(I)で示される繰り返し単位を有す
るハロゲン化フェノキシ樹脂1〜50重量部および (上記(I)式においてXは塩素原子または臭素原子
を、YはC1〜10のアルキレン基、アルキリデン基、シ
クロアルカン基、カルボニル基、−O−、−S−または
−SO2−を各々示す。) (C)アンチモン化合物0.1〜30重量部 を含有せしめてなる組成物であって、成分(B)のハロ
ゲン化フェノキシ樹脂の数平均重合度▲▼が6〜50
であり、重量平均重合度▲▼が20〜150であり、か
つ重量平均重合度と数平均重合度の比▲▼/▲
▼が1.5〜4.0の範囲にあり、該ハロゲン化フェノキシ樹
脂の数平均の分散粒子径が0.05〜2μmであり、かつ組
成物中のリン含有率がリン原子として0.2重量%以下で
あることを特徴とする難燃性ポリエステル組成物を提供
するものである。
るハロゲン化フェノキシ樹脂1〜50重量部および (上記(I)式においてXは塩素原子または臭素原子
を、YはC1〜10のアルキレン基、アルキリデン基、シ
クロアルカン基、カルボニル基、−O−、−S−または
−SO2−を各々示す。) (C)アンチモン化合物0.1〜30重量部 を含有せしめてなる組成物であって、成分(B)のハロ
ゲン化フェノキシ樹脂の数平均重合度▲▼が6〜50
であり、重量平均重合度▲▼が20〜150であり、か
つ重量平均重合度と数平均重合度の比▲▼/▲
▼が1.5〜4.0の範囲にあり、該ハロゲン化フェノキシ樹
脂の数平均の分散粒子径が0.05〜2μmであり、かつ組
成物中のリン含有率がリン原子として0.2重量%以下で
あることを特徴とする難燃性ポリエステル組成物を提供
するものである。
本発明で用いる(A)芳香族ポリエステルとは芳香環
を重合体の連鎖単位に有するポリエステルで、芳香族ジ
カルボン酸(あるいはそのエステル形成性誘導体)とジ
オール(あるいはそのエステル形成性誘導体)とを主成
分とする縮合反応により得られる重合体ないしは共重合
体である。
を重合体の連鎖単位に有するポリエステルで、芳香族ジ
カルボン酸(あるいはそのエステル形成性誘導体)とジ
オール(あるいはそのエステル形成性誘導体)とを主成
分とする縮合反応により得られる重合体ないしは共重合
体である。
ここでいう芳香族ジカルボン酸としてはテレフタル
酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5−ナフタレン
ジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン
酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸、3,3′−ビフェニ
ルジカルボン酸、2,2′−ビフェニルジカルボン酸、4,
4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4.,4′−ジフ
ェニルメタンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルスルホ
ンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルイソプロピリデン
ジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4′
−ジカルボン酸、2,5−アントラセンジカルボン酸、2,6
−アントラセンジカルボン酸、4,4′−p−ターフェニ
レンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸などで
あり、テレフタルフタル酸が好ましく使用できる。
酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5−ナフタレン
ジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン
酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸、3,3′−ビフェニ
ルジカルボン酸、2,2′−ビフェニルジカルボン酸、4,
4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4.,4′−ジフ
ェニルメタンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルスルホ
ンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルイソプロピリデン
ジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4′
−ジカルボン酸、2,5−アントラセンジカルボン酸、2,6
−アントラセンジカルボン酸、4,4′−p−ターフェニ
レンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸などで
あり、テレフタルフタル酸が好ましく使用できる。
これらの芳香族ジカルボン酸は二種以上を混合して使
用してもよい。なお少量であれば、これらの芳香族ジカ
ルボン酸とともにアジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、シク
ロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸を一
種以上混合使用することができる。
用してもよい。なお少量であれば、これらの芳香族ジカ
ルボン酸とともにアジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、シク
ロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸を一
種以上混合使用することができる。
また、ジオール成分としては、エチレングリコール、
プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレ
ングリコール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−
1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコールなどの脂肪族ジオール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタ
ノールなどの脂肪族ジオールなど、およびそれらの混合
物などが好ましく挙げられる。なお、少量であれば、分
子量400〜6,000の長鎖ジオール、すなわちポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメ
チレングリコールなどを一種以上共重合せしめてもよ
い。
プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレ
ングリコール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−
1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコールなどの脂肪族ジオール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタ
ノールなどの脂肪族ジオールなど、およびそれらの混合
物などが好ましく挙げられる。なお、少量であれば、分
子量400〜6,000の長鎖ジオール、すなわちポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメ
チレングリコールなどを一種以上共重合せしめてもよ
い。
具体的な好ましい芳香族ポリエステルとしてはポリエ
チレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキシレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレン
ナフタレート、ポリエチレン−1,2−ビス(フェノキ
シ)エタン4.,4′−ジカルボキシレート、ポリ−1,4−
シクロヘキサンジメチレンテレフタレートなどのほか、
ポリエチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート/イソフタレート、ポリブチレン
テレフタレート/デカンジカルボキシレート、ポリ−1,
4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート/イソフ
タレートなどのような共重合ポリエステルが挙げられ
る。これらのうち機械的性質、成形性などのバランスの
とれたポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレ
フタレートおよびポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレ
ンテレフタレートが特に好ましく使用できる。
チレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキシレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレン
ナフタレート、ポリエチレン−1,2−ビス(フェノキ
シ)エタン4.,4′−ジカルボキシレート、ポリ−1,4−
シクロヘキサンジメチレンテレフタレートなどのほか、
ポリエチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート/イソフタレート、ポリブチレン
テレフタレート/デカンジカルボキシレート、ポリ−1,
4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート/イソフ
タレートなどのような共重合ポリエステルが挙げられ
る。これらのうち機械的性質、成形性などのバランスの
とれたポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレ
フタレートおよびポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレ
ンテレフタレートが特に好ましく使用できる。
また、本発明で用いる芳香族ポリエステルの末端カル
ボキシル基濃度が50当量/106g以下である場合、滞留安
定性および耐熱性が向上することから好ましい。特にハ
ロゲン化フェノキシ樹脂として末端基にグリシジル基を
有するタイプの化合物を使用する場合、芳香族ポリエス
テルの末端基濃度が50当量/106g以下であると成形時の
流動性が良好となり好ましい。
ボキシル基濃度が50当量/106g以下である場合、滞留安
定性および耐熱性が向上することから好ましい。特にハ
ロゲン化フェノキシ樹脂として末端基にグリシジル基を
有するタイプの化合物を使用する場合、芳香族ポリエス
テルの末端基濃度が50当量/106g以下であると成形時の
流動性が良好となり好ましい。
本発明において使用する芳香族ポリエステルは0.5%
のo−クロルフェノール溶液を25℃で測定した相対粘度
が1.15〜2.0、とくに1.3〜1.85のものが好ましい。
のo−クロルフェノール溶液を25℃で測定した相対粘度
が1.15〜2.0、とくに1.3〜1.85のものが好ましい。
本発明において使用する(B)ハロゲン化フェノキシ
樹脂とは前記一般式(I)で示されるものであり、例え
ば適当な触媒の存在下に、必要により溶媒を使用してハ
ロゲン化ビスフェノールグリシジルエーテルとハロゲン
化ビスフェノールを反応させる方法などにより製造され
る。
樹脂とは前記一般式(I)で示されるものであり、例え
ば適当な触媒の存在下に、必要により溶媒を使用してハ
ロゲン化ビスフェノールグリシジルエーテルとハロゲン
化ビスフェノールを反応させる方法などにより製造され
る。
前記一般式(I)のハロゲン化フェノキシ樹脂の構成
成分となるハロゲン化ビスフェノール化合物としては、
2,2−ビス(3,5−ジブロム−4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、ビス(3,5−ジブロム−4−ヒドロキシフェ
ニル)メタン、ビス(3,5−ジブロム−4−ヒドロキシ
フェニル)フェニルメタン、1,1−ビス(3,5−ジブロム
−4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(3,5−ジブ
ロム−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5
−ジブロム−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス
(3,5−ジブロム−4−ヒドロキシフェニル)ケトン、
ビス(3,5−ジブロム−4−ヒドロキシフェニル)スル
フィド、2,2−ビス(3,5−ジクロル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、ビス(3,5−ジクロル−4−ヒドロ
キシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジクロル−4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジクロル−
4−ヒドロキシフェニル)スルフィドなどが挙げられる
が、なかでも通常テトラブロムビスフェノールAと呼ば
れる2,2−ビス(3,5−ジブロム−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンの使用が最も好ましい。ハロゲン化ビスフ
ェノールと共にハロゲン化されていない通常のビスフェ
ノール化合物、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スル
ホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタンなどを併
用することができる。
成分となるハロゲン化ビスフェノール化合物としては、
2,2−ビス(3,5−ジブロム−4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、ビス(3,5−ジブロム−4−ヒドロキシフェ
ニル)メタン、ビス(3,5−ジブロム−4−ヒドロキシ
フェニル)フェニルメタン、1,1−ビス(3,5−ジブロム
−4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(3,5−ジブ
ロム−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5
−ジブロム−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス
(3,5−ジブロム−4−ヒドロキシフェニル)ケトン、
ビス(3,5−ジブロム−4−ヒドロキシフェニル)スル
フィド、2,2−ビス(3,5−ジクロル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、ビス(3,5−ジクロル−4−ヒドロ
キシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジクロル−4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジクロル−
4−ヒドロキシフェニル)スルフィドなどが挙げられる
が、なかでも通常テトラブロムビスフェノールAと呼ば
れる2,2−ビス(3,5−ジブロム−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンの使用が最も好ましい。ハロゲン化ビスフ
ェノールと共にハロゲン化されていない通常のビスフェ
ノール化合物、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スル
ホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタンなどを併
用することができる。
本発明のハロゲン化フェノキシ樹脂としては、末端基
が一般にグリシジル基および/または水酸基のものが使
用されるが、さらにこれらの末端基がカルボン酸類、フ
ェノール類、アミン類またはアルコール類などで封鎖さ
れたものも使用できる。
が一般にグリシジル基および/または水酸基のものが使
用されるが、さらにこれらの末端基がカルボン酸類、フ
ェノール類、アミン類またはアルコール類などで封鎖さ
れたものも使用できる。
また、本発明で用いる(B)ハロゲン化フェノキシ樹
脂の数平均重合度▲▼は6〜50、好ましくは8〜4
0、より好ましくは10〜25であり、重量平均重合度▲
▼は20〜150、好ましくは20〜100、より好ましくは25
〜75であることが重要である。ハロゲン化フェノキシ樹
脂の▲▼が6未満あるいは▲▼が15未満の場
合、成形時の流動性や滞留安定性が不良となり、さらに
は難燃剤がブリードアウトしたり、ガスの発生量が多く
なるなどの問題を生じる傾向がある。一方、▲▼が
50を越えるか▲▼が150を越えた場合、成形時の流
動性や機械物性が不良となるなどの問題を生じる傾向が
ある。
脂の数平均重合度▲▼は6〜50、好ましくは8〜4
0、より好ましくは10〜25であり、重量平均重合度▲
▼は20〜150、好ましくは20〜100、より好ましくは25
〜75であることが重要である。ハロゲン化フェノキシ樹
脂の▲▼が6未満あるいは▲▼が15未満の場
合、成形時の流動性や滞留安定性が不良となり、さらに
は難燃剤がブリードアウトしたり、ガスの発生量が多く
なるなどの問題を生じる傾向がある。一方、▲▼が
50を越えるか▲▼が150を越えた場合、成形時の流
動性や機械物性が不良となるなどの問題を生じる傾向が
ある。
該ハロゲン化フェノキシ樹脂は、また重量平均重合度
と▲▼と数平均重合度▲▼の比▲▼/▲
▼が1.5〜4.0、より好ましくは1.75〜3.5、最も好ま
しくは2.0〜3.0の範囲にあることが望ましい。▲▼
/▲▼の比が1.5未満の場合、滞留安定性、耐熱性
および電気特性が低下する傾向があり、一方▲▼/
▲▼の比が4.0を越えた場合、成形時の流動性およ
び電気特性が低下する傾向があるなどいずれも好ましく
ない。ここで重合度は、溶剤としてクロロホルムを用い
て、分子量既知のポリスチレンを標準として、GPC法に
よって求めたものである。
と▲▼と数平均重合度▲▼の比▲▼/▲
▼が1.5〜4.0、より好ましくは1.75〜3.5、最も好ま
しくは2.0〜3.0の範囲にあることが望ましい。▲▼
/▲▼の比が1.5未満の場合、滞留安定性、耐熱性
および電気特性が低下する傾向があり、一方▲▼/
▲▼の比が4.0を越えた場合、成形時の流動性およ
び電気特性が低下する傾向があるなどいずれも好ましく
ない。ここで重合度は、溶剤としてクロロホルムを用い
て、分子量既知のポリスチレンを標準として、GPC法に
よって求めたものである。
このような樹脂は、テトラブロムビスフェノールAと
エピクロルヒドリンを縮合させて得られるテトラブロム
ビスフェノールAジグリシジルエーテルにテトラブロム
ビスフェノールAをアミン系触媒の存在下で反応させ
て、特定範囲の数平均重合度、重量平均重合度を有する
ハロゲン化フェノキシ樹脂を得ることができる。また数
平均重合度と重量平均重合度の比を得るためには、従来
公知の分子量分布の制御方法が用いることができるが、
重合反応によって得られた重合体を良溶媒に溶解し、そ
の溶液を重合体の貧溶媒に滴下することによって、低分
子量体を貧溶媒中に溶解させ、それ以外の重合体は固体
として析出させ、析出物を使用する方法が例示される。
ここで良溶媒としてはテトラヒドロフラン、貧溶媒とし
てはメタノールが使用できる。
エピクロルヒドリンを縮合させて得られるテトラブロム
ビスフェノールAジグリシジルエーテルにテトラブロム
ビスフェノールAをアミン系触媒の存在下で反応させ
て、特定範囲の数平均重合度、重量平均重合度を有する
ハロゲン化フェノキシ樹脂を得ることができる。また数
平均重合度と重量平均重合度の比を得るためには、従来
公知の分子量分布の制御方法が用いることができるが、
重合反応によって得られた重合体を良溶媒に溶解し、そ
の溶液を重合体の貧溶媒に滴下することによって、低分
子量体を貧溶媒中に溶解させ、それ以外の重合体は固体
として析出させ、析出物を使用する方法が例示される。
ここで良溶媒としてはテトラヒドロフラン、貧溶媒とし
てはメタノールが使用できる。
さらに該ハロゲン化フェノキシ樹脂のマトリックス樹
脂中の分散粒子径(数平均粒子径)は、0.05〜2μm、
好ましくは0.10〜1μm、より好ましくは0.15〜0.5μ
mの範囲にあることが望ましい。ここでいう分散粒子径
とは、得られた組成物を切削後、切削面を電子顕微鏡で
観察して得られた数平均分散粒子径を意味する。分散粒
子径が0.05μm未満になった場合、成形時の流動性およ
び離型性の低下、電気特性の低下などを生じ、一方2μ
mを越えた場合には機械物性、成形品の外観などが低下
し、いずれも好ましくない。このような粒子径の範囲は
前記の芳香族ポリエステルの重合度および末端基量なら
びにハロゲン化フェノキシ樹脂の重合度および重合度分
布を前記の範囲に適宜選択することによって達成され
る。
脂中の分散粒子径(数平均粒子径)は、0.05〜2μm、
好ましくは0.10〜1μm、より好ましくは0.15〜0.5μ
mの範囲にあることが望ましい。ここでいう分散粒子径
とは、得られた組成物を切削後、切削面を電子顕微鏡で
観察して得られた数平均分散粒子径を意味する。分散粒
子径が0.05μm未満になった場合、成形時の流動性およ
び離型性の低下、電気特性の低下などを生じ、一方2μ
mを越えた場合には機械物性、成形品の外観などが低下
し、いずれも好ましくない。このような粒子径の範囲は
前記の芳香族ポリエステルの重合度および末端基量なら
びにハロゲン化フェノキシ樹脂の重合度および重合度分
布を前記の範囲に適宜選択することによって達成され
る。
なお、本発明において使用する該ハロゲン化フェノキ
シ樹脂のリン含有量が0.2重量%以下、より好ましくは
0.1重量%以下の場合、ガス発生量が一層低減し、末端
グリシジル基のハロゲン化フェノキシ樹脂を用いた場合
には、成形時の流動性が特に良好となる特徴がある。
シ樹脂のリン含有量が0.2重量%以下、より好ましくは
0.1重量%以下の場合、ガス発生量が一層低減し、末端
グリシジル基のハロゲン化フェノキシ樹脂を用いた場合
には、成形時の流動性が特に良好となる特徴がある。
本発明におけるハロゲン化フェノキシ樹脂の添加量
は、芳香族ポリエステル100重量部に対して1〜50重量
部、好ましくは3〜40重量部、より好ましくは5〜30重
量部が望ましい。ハロゲン化フェノキシ樹脂の添加量が
1重量部未満の場合、難燃性の改良効果が十分でなく、
一方50重量部を越えた場合には、機械物性や成形性が著
しく低下するため、いずれも好ましくない。
は、芳香族ポリエステル100重量部に対して1〜50重量
部、好ましくは3〜40重量部、より好ましくは5〜30重
量部が望ましい。ハロゲン化フェノキシ樹脂の添加量が
1重量部未満の場合、難燃性の改良効果が十分でなく、
一方50重量部を越えた場合には、機械物性や成形性が著
しく低下するため、いずれも好ましくない。
また、本発明組成物中のリン含有量はリン原子として
0.2重量%以下であり、好ましくは0.1重量%以下であ
る。組成物中のリン含有量がリン原子として0.2重量%
を越えた場合、成形時に増粘し、流動性が不良となった
り、ガスの発生量が増加する傾向があり好ましくない。
0.2重量%以下であり、好ましくは0.1重量%以下であ
る。組成物中のリン含有量がリン原子として0.2重量%
を越えた場合、成形時に増粘し、流動性が不良となった
り、ガスの発生量が増加する傾向があり好ましくない。
本発明で用いる(C)アンチモン化合物としては、各
種のものが使用できる。具体的には三酸化アンチモン、
五参加アンチモンなどの酸化アンチモン、リン酸アンチ
モン、アンチモン酸ソーダ、KSb(OH)6、酒石酸アン
チモニルカリウム、Sb(OCH2 CH3)3、Sb〔OCH(CH3)
CH2CH3〕3、トリフェニルスチビンなどが挙げられ、酸
化アンチモンが好ましく使用できる。
種のものが使用できる。具体的には三酸化アンチモン、
五参加アンチモンなどの酸化アンチモン、リン酸アンチ
モン、アンチモン酸ソーダ、KSb(OH)6、酒石酸アン
チモニルカリウム、Sb(OCH2 CH3)3、Sb〔OCH(CH3)
CH2CH3〕3、トリフェニルスチビンなどが挙げられ、酸
化アンチモンが好ましく使用できる。
本発明におけるアンチモン化合物の添加量は芳香族ポ
リエステル100重量部に対し0.1〜30重量部、好ましくは
1〜20重量部であり、0.1重量部未満では難燃性改良効
果が十分ではなく、30重量部を越えると芳香族ポリエス
テルの機械的性質が損なわれる。さらに好ましくは添加
した難燃剤中のハロゲン2〜5原子に対しアンチモン化
合物中のアンチモン原子1の割合で加えるのがよい。同
時に他の難燃補助剤である酸化ホウ素、酸化ジルコニウ
ム、酸化鉄、硫酸バリウムなどを併用してもよい。
リエステル100重量部に対し0.1〜30重量部、好ましくは
1〜20重量部であり、0.1重量部未満では難燃性改良効
果が十分ではなく、30重量部を越えると芳香族ポリエス
テルの機械的性質が損なわれる。さらに好ましくは添加
した難燃剤中のハロゲン2〜5原子に対しアンチモン化
合物中のアンチモン原子1の割合で加えるのがよい。同
時に他の難燃補助剤である酸化ホウ素、酸化ジルコニウ
ム、酸化鉄、硫酸バリウムなどを併用してもよい。
なお、特に必須ではないが本発明組成物に対してさら
に繊維状および/または粒状の充填剤を添加した場合、
他の特性を低下させずに剛性を大幅に向上させることが
できる。このような充填剤としてはガラス繊維、炭素繊
維、金属繊維、アラミド繊維、セラミック繊維、アスベ
スト、チタン酸カリウイスカ、ワラステナイト、石コウ
繊維、セピオライト、ガラスビーズ、ガラスフレーク、
タルク、マイカ、クレー、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、酸化チタン、酸化アルミニウムなどが挙げられ、な
かでもチョップドストランドタイプのガラス繊維が好ま
しく使用できる。これらの添加量は通常芳香族ポリエス
テル100重量部に対して3〜80重量部である。
に繊維状および/または粒状の充填剤を添加した場合、
他の特性を低下させずに剛性を大幅に向上させることが
できる。このような充填剤としてはガラス繊維、炭素繊
維、金属繊維、アラミド繊維、セラミック繊維、アスベ
スト、チタン酸カリウイスカ、ワラステナイト、石コウ
繊維、セピオライト、ガラスビーズ、ガラスフレーク、
タルク、マイカ、クレー、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、酸化チタン、酸化アルミニウムなどが挙げられ、な
かでもチョップドストランドタイプのガラス繊維が好ま
しく使用できる。これらの添加量は通常芳香族ポリエス
テル100重量部に対して3〜80重量部である。
さらに本発明組成物に対して、本発明の目的を損なわ
ない範囲で、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑
剤、離型剤、染料および顔料を含む着色剤、核剤などの
通常の添加剤を1種以上添加することができる。また少
量の他の熱可塑性樹脂(例えばポリカーボネート、ポリ
フェニレンオキサイド、ポリアミド、ポリプロピレン、
ポリエチレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレ
ン/ブテン−1共重合体、エチレン/プロピレン/非共
役ジエン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合
体、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチ
レン/酢酸ビニル/メタクリル酸グリシジル共重合体、
エチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体な
ど)を添加することもできる。
ない範囲で、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑
剤、離型剤、染料および顔料を含む着色剤、核剤などの
通常の添加剤を1種以上添加することができる。また少
量の他の熱可塑性樹脂(例えばポリカーボネート、ポリ
フェニレンオキサイド、ポリアミド、ポリプロピレン、
ポリエチレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレ
ン/ブテン−1共重合体、エチレン/プロピレン/非共
役ジエン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合
体、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチ
レン/酢酸ビニル/メタクリル酸グリシジル共重合体、
エチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体な
ど)を添加することもできる。
本発明の組成物の製造方法は特に限定されるものでは
ないが、芳香族ポリエステル、特定のハロゲン化フェノ
キシ樹脂、アンチモン化合物および必要に応じてその他
の添加剤を押出機を使用して芳香族ポリエステルの融点
以上で溶融混練する方法が挙げられる。
ないが、芳香族ポリエステル、特定のハロゲン化フェノ
キシ樹脂、アンチモン化合物および必要に応じてその他
の添加剤を押出機を使用して芳香族ポリエステルの融点
以上で溶融混練する方法が挙げられる。
〔実施例〕 以下に実施例を挙げて本発明の効果をさらに詳述す
る。
る。
実施例1〜6、比較例1〜8 相対粘度1.77で末端カルボキシル基量21当量/106gの
ポリブチレンテレフタレート100重量部に対して、三酸
化アンチモン8重量部、下記のハロゲン化フェノキシ樹
脂(a)〜(e)の表−1記載量をVブレンダーで混合
後、ニーディングブロックを2組組み込んだスクリュー
アレンジの40mmφの2軸押出機を用いて、250℃、回転
数50rpmで溶融混練−ペレット化した。このペレットを
乾燥後、ASTM D−1238に従い、荷重2160g、シリンダー
温度260℃で加熱時間8分および30分のメルトフローレ
ート(MFR)を求めると共に250℃に設定した5オンスの
スクリューインライン型射出成形機を使用して金型温度
80℃、成形サイクル(射出時間/冷却時間/中間時間)
10秒/10秒/10秒(成形サイクル(イ))で成形し、80mm
×80mm×3mmの角板、1/16″の引張衝撃試験用S型ダン
ベルおよび燃焼試験片(1/16″×1/2″×5″)を各々
得た。また、幅50mm、長さ80mm、深さ30mm、肉厚2mmの
箱状の成形品を金型から脱型させるのに必要な力を圧力
センサーを使用して求め、離型力とした。
ポリブチレンテレフタレート100重量部に対して、三酸
化アンチモン8重量部、下記のハロゲン化フェノキシ樹
脂(a)〜(e)の表−1記載量をVブレンダーで混合
後、ニーディングブロックを2組組み込んだスクリュー
アレンジの40mmφの2軸押出機を用いて、250℃、回転
数50rpmで溶融混練−ペレット化した。このペレットを
乾燥後、ASTM D−1238に従い、荷重2160g、シリンダー
温度260℃で加熱時間8分および30分のメルトフローレ
ート(MFR)を求めると共に250℃に設定した5オンスの
スクリューインライン型射出成形機を使用して金型温度
80℃、成形サイクル(射出時間/冷却時間/中間時間)
10秒/10秒/10秒(成形サイクル(イ))で成形し、80mm
×80mm×3mmの角板、1/16″の引張衝撃試験用S型ダン
ベルおよび燃焼試験片(1/16″×1/2″×5″)を各々
得た。また、幅50mm、長さ80mm、深さ30mm、肉厚2mmの
箱状の成形品を金型から脱型させるのに必要な力を圧力
センサーを使用して求め、離型力とした。
さらに成形サイクル(射出時間/冷却時間/中間時
間)を10秒/10秒/50秒(成形サイクル(ロ))に変えた
のみで、他の条件は同じにして上記と同様に引張衝撃試
験片を得、引張衝撃試験(ASTM D1822)を行った。
間)を10秒/10秒/50秒(成形サイクル(ロ))に変えた
のみで、他の条件は同じにして上記と同様に引張衝撃試
験片を得、引張衝撃試験(ASTM D1822)を行った。
成形サイクル(イ)の試験片についてはUL 94規格に
従い垂直型燃焼試験を、IEC Publication112、従ってIE
Cトラッキング試験(CTI値測定)を、ASTM D1822に従い
引張衝撃試験を、またデュポン社の熱重量分析装置を用
いて窒素気流下、265℃、40分後の重量減少(加熱減
量)測定を行った。また、130℃オーブン中24時間処理
後、反射赤外スペクトルを測定し、ブリードアウトの有
無をチェックすると共に、190℃のオーブン中で150時間
熱処理後、さらに引張衝撃試験を行った。また、成型サ
イクル(イ)のASTM1号ダンベルについて厚さ10μmの
超薄切片を作成し、透過型電子顕微鏡により切削面を撮
影、2万倍に拡大した写真中で分散するハロゲン化フェ
ノキシ樹脂の粒子径を実測し、数平均分散粒子径を算出
した。
従い垂直型燃焼試験を、IEC Publication112、従ってIE
Cトラッキング試験(CTI値測定)を、ASTM D1822に従い
引張衝撃試験を、またデュポン社の熱重量分析装置を用
いて窒素気流下、265℃、40分後の重量減少(加熱減
量)測定を行った。また、130℃オーブン中24時間処理
後、反射赤外スペクトルを測定し、ブリードアウトの有
無をチェックすると共に、190℃のオーブン中で150時間
熱処理後、さらに引張衝撃試験を行った。また、成型サ
イクル(イ)のASTM1号ダンベルについて厚さ10μmの
超薄切片を作成し、透過型電子顕微鏡により切削面を撮
影、2万倍に拡大した写真中で分散するハロゲン化フェ
ノキシ樹脂の粒子径を実測し、数平均分散粒子径を算出
した。
これらの結果を表2にまめて示す。
難燃性(a)〜(i)は各々下記一般式の構造を有
し、かつ表1の重合度および重合分布を有する。
し、かつ表1の重合度および重合分布を有する。
ここで重合度は、溶剤としてクロロホルムを用いて、
分子量既知のポリスチレンを標準として、GPC法によっ
て求めた。
分子量既知のポリスチレンを標準として、GPC法によっ
て求めた。
表2の実施例から本発明の特定の数平均重合度(▲
▼)および重量平均重合度(▲▼)を有し、かつ
▲▼/▲▼の比が1.25〜5.0の範囲のハロゲン
化フェノキシ樹脂をアンチモン化合物と共に特定量、芳
香族ポリエステルに併用添加し、かつハロゲン化フェノ
キシ樹脂の粒径が0.05〜2μmの範囲になった場合に
は、難燃性、機械的性質、電気的性質、成形性および耐
熱性に優れるのみならず、ブリードアウトがなく、実使
用時のガス発生量が極めて少ない難燃性ポリエステル組
成物が得られることがわかる。
▼)および重量平均重合度(▲▼)を有し、かつ
▲▼/▲▼の比が1.25〜5.0の範囲のハロゲン
化フェノキシ樹脂をアンチモン化合物と共に特定量、芳
香族ポリエステルに併用添加し、かつハロゲン化フェノ
キシ樹脂の粒径が0.05〜2μmの範囲になった場合に
は、難燃性、機械的性質、電気的性質、成形性および耐
熱性に優れるのみならず、ブリードアウトがなく、実使
用時のガス発生量が極めて少ない難燃性ポリエステル組
成物が得られることがわかる。
実施例7〜9、比較例9〜12 相対粘度1.45、末端カルボキシル基量37当量/106gの
ポリブチレンテレフタレート100重量部に対して、前記
難燃剤(a)〜(g)の難燃剤の1種18重量部、チョッ
プドストランドタイプのガラス繊維(3mm長)50重量部
および三酸化アンチモン8重量部をタンブラーでドライ
ブレンドし、実施例1と同様にして溶融混合、射出成形
(ただし成形温度は260℃)および特性評価を行った。
これらの結果を表3に示す。
ポリブチレンテレフタレート100重量部に対して、前記
難燃剤(a)〜(g)の難燃剤の1種18重量部、チョッ
プドストランドタイプのガラス繊維(3mm長)50重量部
および三酸化アンチモン8重量部をタンブラーでドライ
ブレンドし、実施例1と同様にして溶融混合、射出成形
(ただし成形温度は260℃)および特性評価を行った。
これらの結果を表3に示す。
表3の実施例から明らかなようにガラス繊維を配合し
たときにおいても本発明の組成物は、難燃性、機械的性
質、電気的性質、成形滞留安定性および耐熱性に優れる
のみならずブリードアウトがなく、実使用時ガス発生量
が極めて少ない難燃性ポリエステル組成物が得られるこ
とがわかる。
たときにおいても本発明の組成物は、難燃性、機械的性
質、電気的性質、成形滞留安定性および耐熱性に優れる
のみならずブリードアウトがなく、実使用時ガス発生量
が極めて少ない難燃性ポリエステル組成物が得られるこ
とがわかる。
比較例13 原子吸光分析により実施例8中のリン原子濃度を測定
したところ、0.15重量%であることがわかった。これに
対してリン含有量(重合時にリン酸トリメチルとして添
加)が0.55重量%のPBT(相対粘度1.44、末端カルボキ
シル基量40当量/106g)を用いて実施例7と同様に押出
配合、成形、物性評価を行ったところ、MFRが滞留8分
で21g/10分、30分で7g/10分と大幅な増粘が認められ、
加熱減量も0.24%と大きくなると共に、CTI値が230V
へ、成形サイクル(イ)の引張衝撃強さ(未処理品)も
110kg・cm/cm2へ低下した。この組成物のリン含有量は
リン原子として0.57重量%であり、組成物中のリン濃度
が高くなると本発明組成物の特性が損なわれることがわ
かる。
したところ、0.15重量%であることがわかった。これに
対してリン含有量(重合時にリン酸トリメチルとして添
加)が0.55重量%のPBT(相対粘度1.44、末端カルボキ
シル基量40当量/106g)を用いて実施例7と同様に押出
配合、成形、物性評価を行ったところ、MFRが滞留8分
で21g/10分、30分で7g/10分と大幅な増粘が認められ、
加熱減量も0.24%と大きくなると共に、CTI値が230V
へ、成形サイクル(イ)の引張衝撃強さ(未処理品)も
110kg・cm/cm2へ低下した。この組成物のリン含有量は
リン原子として0.57重量%であり、組成物中のリン濃度
が高くなると本発明組成物の特性が損なわれることがわ
かる。
芳香族ポリエステルに対して、アンチモン化合物と共
に、特定の数平均重合度、重量平均重合度を有し、かつ
それらが特定の比率であるハロゲン化フェノキシ樹脂を
特定の分散サイズに含有せしめてなる本発明の難燃性ポ
リエステル組成物は成形性に優れるのみならず得られる
成形品は良好な難燃性、機械的性質、電気的性質が良好
でかつ実使用時にガスの発生量が極めて少なく、ブリー
ドアウトもない成形品が得られるため電気・電子機器部
品、自動車部品などとして有用である。
に、特定の数平均重合度、重量平均重合度を有し、かつ
それらが特定の比率であるハロゲン化フェノキシ樹脂を
特定の分散サイズに含有せしめてなる本発明の難燃性ポ
リエステル組成物は成形性に優れるのみならず得られる
成形品は良好な難燃性、機械的性質、電気的性質が良好
でかつ実使用時にガスの発生量が極めて少なく、ブリー
ドアウトもない成形品が得られるため電気・電子機器部
品、自動車部品などとして有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−118849(JP,A) 特開 昭61−261346(JP,A) 特開 昭62−169847(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】(A)芳香族ポリエステル100重量部に対
して (B)下記一般式(I)で示される繰り返し単位を有す
るハロゲン化フェノキシ樹脂1〜50重量部および (上記(I)式においてXは塩素原子または臭素原子
を、YはC1〜10のアルキレン基、アルキリデン基、シ
クロアルカン基、カルボニル基、−O−、−S−または
−SO2−を各々示す。) (C)アンチモン化合物0.1〜30重量部を含有せしめて
なる組成物であって、成分(B)のハロゲン化フェノキ
シ樹脂の数平均重合度▲▼が6〜50であり、重量平
均重合度が▲▼が20〜150であり、かつ重量平均重
合度と数平均重合度の比▲▼/▲▼が1.5〜4.0
の範囲にあり、該ハロゲン化フェノキシ樹脂の数平均の
分散粒子径が0.05〜2μmであり、かつ組成物中のリン
含有率がリン原子として0.2重量%以下であることを特
徴とする難燃性ポリエステル組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63209339A JP2597668B2 (ja) | 1988-08-25 | 1988-08-25 | 難燃性ポリエステル組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63209339A JP2597668B2 (ja) | 1988-08-25 | 1988-08-25 | 難燃性ポリエステル組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0258562A JPH0258562A (ja) | 1990-02-27 |
JP2597668B2 true JP2597668B2 (ja) | 1997-04-09 |
Family
ID=16571311
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63209339A Expired - Lifetime JP2597668B2 (ja) | 1988-08-25 | 1988-08-25 | 難燃性ポリエステル組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2597668B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2551175B2 (ja) * | 1989-12-12 | 1996-11-06 | 東レ株式会社 | 難燃化ポリエステル組成物 |
JP2004244500A (ja) * | 2003-02-13 | 2004-09-02 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 難燃性ポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物 |
Family Cites Families (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3028366A (en) * | 1956-06-26 | 1962-04-03 | Du Pont | Catalytic process for the preparation of substantially colorless polymeric glycol terephthalates |
JPS504710A (ja) * | 1972-12-21 | 1975-01-18 | ||
JPS506350A (ja) * | 1973-05-16 | 1975-01-23 | ||
JPS5937022B2 (ja) * | 1978-07-10 | 1984-09-07 | 帝人株式会社 | 難熱性樹脂組成物 |
JPS58118849A (ja) * | 1982-01-11 | 1983-07-15 | Dainippon Ink & Chem Inc | 難燃性ポリエステル樹脂組成物 |
JPS59129253A (ja) * | 1983-01-17 | 1984-07-25 | Dainippon Ink & Chem Inc | 難燃性ポリエステル樹脂組成物 |
JPH0627246B2 (ja) * | 1985-05-15 | 1994-04-13 | 東レ株式会社 | 難燃性芳香族ポリエステル樹脂組成物 |
JPH0627247B2 (ja) * | 1986-01-23 | 1994-04-13 | 東レ株式会社 | 難燃性ポリエステル組成物 |
JPH0629360B2 (ja) * | 1986-01-25 | 1994-04-20 | 東レ株式会社 | 難燃性ポリエステル組成物 |
US4732921A (en) * | 1986-12-05 | 1988-03-22 | Hoechst Celanese Corporation | Flame retardant polybutylene terephthalate |
JPH0768339B2 (ja) * | 1987-02-04 | 1995-07-26 | 東都化成株式会社 | ハロゲン含有ポリヒドロキシポリエ−テル樹脂の製造法 |
JPH0826228B2 (ja) * | 1987-06-29 | 1996-03-13 | 東都化成株式会社 | 難燃性樹脂組成物 |
-
1988
- 1988-08-25 JP JP63209339A patent/JP2597668B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0258562A (ja) | 1990-02-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2088168B1 (en) | High flow polyester composition | |
JPH0721105B2 (ja) | 難燃性ポリエステル樹脂組成物 | |
EP0111810A2 (en) | High strength, reduced heat distortion temperature thermoplastic composition | |
JP3235939B2 (ja) | 難燃性ポリエステル樹脂組成物 | |
JP2001254009A (ja) | ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物からなる成形品 | |
JPH1060241A (ja) | 強化ポリエステル樹脂組成物およびその成形品 | |
EP1144510B1 (en) | Polyester molding composition | |
JP2001072843A (ja) | 樹脂組成物 | |
JP2597668B2 (ja) | 難燃性ポリエステル組成物 | |
JPH11279385A (ja) | 難燃性ポリエステル樹脂組成物 | |
JP2002128998A (ja) | 難燃性ポリエステル樹脂組成物 | |
JPH064755B2 (ja) | 難燃性芳香族ポリエステル組成物 | |
JP3234503B2 (ja) | 樹脂組成物 | |
JPH0627246B2 (ja) | 難燃性芳香族ポリエステル樹脂組成物 | |
KR100493201B1 (ko) | 난연성수지조성물 | |
JPH0245659B2 (ja) | ||
JPS62169847A (ja) | 難燃性ポリエステル組成物 | |
JP3443199B2 (ja) | 樹脂組成物およびそれからなるリレー部品 | |
JP3320567B2 (ja) | 難燃性ポリエステル樹脂組成物 | |
JP2597668C (ja) | ||
JP2003119362A (ja) | 難燃性強化ポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物 | |
JPH05239326A (ja) | 難燃性樹脂組成物 | |
JP3316150B2 (ja) | 難燃性ポリエステル樹脂組成物およびその製造方法 | |
JP2024083939A (ja) | 樹脂組成物、ペレット、複合体、および、成形品 | |
JPH0585582B2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080109 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090109 Year of fee payment: 12 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090109 Year of fee payment: 12 |