JP2590891Y2 - 圧縮機のスラスト軸受保持構造 - Google Patents
圧縮機のスラスト軸受保持構造Info
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- JP2590891Y2 JP2590891Y2 JP1992050498U JP5049892U JP2590891Y2 JP 2590891 Y2 JP2590891 Y2 JP 2590891Y2 JP 1992050498 U JP1992050498 U JP 1992050498U JP 5049892 U JP5049892 U JP 5049892U JP 2590891 Y2 JP2590891 Y2 JP 2590891Y2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は圧縮機のスラスト軸受
保持構造に関し、例えばスラストフランジ回転時におけ
るスラスト軸受のレースのつれ回りを防ぐスラスト軸受
保持構造に関する。
保持構造に関し、例えばスラストフランジ回転時におけ
るスラスト軸受のレースのつれ回りを防ぐスラスト軸受
保持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の揺動板式圧縮機では、図9に示す
ように、シャフト5にスラストフランジ40を固定し、
このストフランジ40をフロントヘッド4の内壁にスラ
スト軸受133を介して当てている(実願平3−459
37号)。
ように、シャフト5にスラストフランジ40を固定し、
このストフランジ40をフロントヘッド4の内壁にスラ
スト軸受133を介して当てている(実願平3−459
37号)。
【0003】シャフト5が回転するとスラストフランジ
40も回転し、スラスト軸受133は軸方向に作用する
スラストフランジ40の荷重を受ける。
40も回転し、スラスト軸受133は軸方向に作用する
スラストフランジ40の荷重を受ける。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】ところが、スラスト軸
受133のニードルローラ34とレース135との摩擦
力によりレース135が回転し、この鉄系レース135
の回転により非鉄系(例えばアルミニウム)のフロント
ヘッド4のレース受面37が摩耗し、摩耗が進むとシャ
フト5の回転が不安定になり、プレロードが減少して圧
縮機内の動部品に悪影響を及ぼすというおそれがあっ
た。
受133のニードルローラ34とレース135との摩擦
力によりレース135が回転し、この鉄系レース135
の回転により非鉄系(例えばアルミニウム)のフロント
ヘッド4のレース受面37が摩耗し、摩耗が進むとシャ
フト5の回転が不安定になり、プレロードが減少して圧
縮機内の動部品に悪影響を及ぼすというおそれがあっ
た。
【0005】この考案はこのような事情に鑑みてなされ
たもので、その課題はスラスト軸受のハウジング側レー
スの回転を止めて、ハウジングのレース受面の摩耗を防
ぐことができる圧縮機のスラスト軸受保持構造を提供す
ることである。
たもので、その課題はスラスト軸受のハウジング側レー
スの回転を止めて、ハウジングのレース受面の摩耗を防
ぐことができる圧縮機のスラスト軸受保持構造を提供す
ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
め請求項1記載の考案の圧縮機のスラスト軸受保持構造
は、回転軸に固定された回転体がハウジングの内壁にス
ラスト軸受を介して回転可能に装着されている圧縮機の
スラスト軸受保持構造において、前記スラスト軸受の環
状のハウジング側レースにストッパ部が設けられ、前記
ハウジングの内壁に前記ストッパ部を支持する支持部が
設けられ、前記ハウジングの内壁のハウジング側レース
受面にオイル溝が設けられていることを特徴とする。請
求項2記載の考案の圧縮機のスラスト軸受保持構造は、
請求項1記載の考案の圧縮機のスラスト軸受保持構造に
おいて、前記ストッパ部は、前記スラスト軸受の軸方向
へ突出し、前記支持部は、前記ストッパ部を挿入する凹
部であることを特徴とする。請求項3記載の考案の圧縮
機のスラスト軸受保持構造は、回転軸に固定された回転
体がハウジングの内壁にスラスト軸受を介して回転可能
に装着されている圧縮機のスラスト軸受保持構造におい
て、前記スラスト軸受の環状のハウジング側レースにス
トッパ部が設けられ、前記ハウジングの内壁に前記スト
ッパ部を支持する支持部が設けられ、前記ストッパ部
は、前記スラスト軸受の半径方向へ突出し、前記支持部
は、前記ストッパ部を挟持する一対のリブで構成され、
前記ハウジングの内壁のハウジング側レース受面にオイ
ル溝が設けられていることを特徴とする。
め請求項1記載の考案の圧縮機のスラスト軸受保持構造
は、回転軸に固定された回転体がハウジングの内壁にス
ラスト軸受を介して回転可能に装着されている圧縮機の
スラスト軸受保持構造において、前記スラスト軸受の環
状のハウジング側レースにストッパ部が設けられ、前記
ハウジングの内壁に前記ストッパ部を支持する支持部が
設けられ、前記ハウジングの内壁のハウジング側レース
受面にオイル溝が設けられていることを特徴とする。請
求項2記載の考案の圧縮機のスラスト軸受保持構造は、
請求項1記載の考案の圧縮機のスラスト軸受保持構造に
おいて、前記ストッパ部は、前記スラスト軸受の軸方向
へ突出し、前記支持部は、前記ストッパ部を挿入する凹
部であることを特徴とする。請求項3記載の考案の圧縮
機のスラスト軸受保持構造は、回転軸に固定された回転
体がハウジングの内壁にスラスト軸受を介して回転可能
に装着されている圧縮機のスラスト軸受保持構造におい
て、前記スラスト軸受の環状のハウジング側レースにス
トッパ部が設けられ、前記ハウジングの内壁に前記スト
ッパ部を支持する支持部が設けられ、前記ストッパ部
は、前記スラスト軸受の半径方向へ突出し、前記支持部
は、前記ストッパ部を挟持する一対のリブで構成され、
前記ハウジングの内壁のハウジング側レース受面にオイ
ル溝が設けられていることを特徴とする。
【0007】
【作用】請求項1記載の考案の圧縮機のスラスト軸受保
持構造では、スラスト軸受の環状のハウジング側レース
にストッパ部を設け、このストッパ部を支持する支持部
をハウジングの内壁に設けたので、回転体の回転につれ
てスラスト軸受のハウジング側レースが回転しようとし
ても、支持部に支持されたストッパ部によってハウジン
グ側レースの回転が阻止される。また、ハウジングの内
壁のハウジング側レース受面にオイル溝を設けたので、
オイル溝を通るオイルによってスラスト軸受が冷却され
る。請求項2記載の考案の圧縮機のスラスト軸受保持構
造では、ストッパ部はスラスト軸受の軸方向へ突出し、
支持部はストッパ部を挿入する凹部であるので、回転体
の回転につれてスラスト軸受のハウジング側レースが回
転しようとしても、凹部に挿入されたストッパ部によっ
てハウジング側レースの回転が阻止される。また、ハウ
ジングの内壁のハウジング側レース受面にオイル溝を設
けたので、オイル溝を通るオイルによってスラスト軸受
が冷却される。請求項3記載の考案の圧縮機のスラスト
軸受保持構造では、ストッパ部はスラスト軸受の半径方
向へ突出し、支持部はストッパ部を挟持する一対のリブ
で構成されているので、回転体の回転につれてスラスト
軸受のハウジング側レースが回転しようとしても、リブ
に挟持されたストッパ部によってハウジング側レースの
回転が阻止される。また、支持部としてハウジングに凹
部を設けるものに較べ、ハウジングの肉厚を薄くできる
ので、圧縮機の軸方向寸法を小さくすることができる。
更に、ハウジングの内壁のハウジング側レース受面にオ
イル溝を設けたので、オイル溝を通るオイルによってス
ラスト軸受が冷却される。
持構造では、スラスト軸受の環状のハウジング側レース
にストッパ部を設け、このストッパ部を支持する支持部
をハウジングの内壁に設けたので、回転体の回転につれ
てスラスト軸受のハウジング側レースが回転しようとし
ても、支持部に支持されたストッパ部によってハウジン
グ側レースの回転が阻止される。また、ハウジングの内
壁のハウジング側レース受面にオイル溝を設けたので、
オイル溝を通るオイルによってスラスト軸受が冷却され
る。請求項2記載の考案の圧縮機のスラスト軸受保持構
造では、ストッパ部はスラスト軸受の軸方向へ突出し、
支持部はストッパ部を挿入する凹部であるので、回転体
の回転につれてスラスト軸受のハウジング側レースが回
転しようとしても、凹部に挿入されたストッパ部によっ
てハウジング側レースの回転が阻止される。また、ハウ
ジングの内壁のハウジング側レース受面にオイル溝を設
けたので、オイル溝を通るオイルによってスラスト軸受
が冷却される。請求項3記載の考案の圧縮機のスラスト
軸受保持構造では、ストッパ部はスラスト軸受の半径方
向へ突出し、支持部はストッパ部を挟持する一対のリブ
で構成されているので、回転体の回転につれてスラスト
軸受のハウジング側レースが回転しようとしても、リブ
に挟持されたストッパ部によってハウジング側レースの
回転が阻止される。また、支持部としてハウジングに凹
部を設けるものに較べ、ハウジングの肉厚を薄くできる
ので、圧縮機の軸方向寸法を小さくすることができる。
更に、ハウジングの内壁のハウジング側レース受面にオ
イル溝を設けたので、オイル溝を通るオイルによってス
ラスト軸受が冷却される。
【0008】
【実施例】以下この考案の実施例を図面に基づいて説明
する。
する。
【0009】図2はこの考案の一実施例に係るスラスト
軸受保持構造を備えた揺動板式圧縮機の縦断面図、図1
はそのスラスト軸受保持構造を示す拡大断面図である。
この圧縮機のシリンダブロック1の一端面にはバルブプ
レート2を介してリヤヘッド3が、他端面にはフロント
ヘッド(ハウジング)4がそれぞれ固定されている。
軸受保持構造を備えた揺動板式圧縮機の縦断面図、図1
はそのスラスト軸受保持構造を示す拡大断面図である。
この圧縮機のシリンダブロック1の一端面にはバルブプ
レート2を介してリヤヘッド3が、他端面にはフロント
ヘッド(ハウジング)4がそれぞれ固定されている。
【0010】前記シリンダブロック1には、シャフト
(回転軸)5を中心にして周方向に所定間隔おきに複数
のシリンダボア6が配設されている。これらのシリンダ
ボア6内にはそれぞれピストン7が摺動自在に収容され
ている。
(回転軸)5を中心にして周方向に所定間隔おきに複数
のシリンダボア6が配設されている。これらのシリンダ
ボア6内にはそれぞれピストン7が摺動自在に収容され
ている。
【0011】前記フロントヘッド4内にはクランク室8
が形成され、このクランク室8内には、シャフト5の回
転に連動してヒンジボール9を中心に揺動する揺動板1
0が収容されている。この揺動板10はコネクチングロ
ッド11を介してピストン7に連結され、揺動板10の
揺動によりピストン7がシリンダボア6内を往復運動す
る。クランク室8の圧力が減少するにつれて揺動板10
の傾斜角度が大きくなり、逆にクランク室8の圧力が増
加するにつれて揺動板10の傾斜角度が小さくなる。
が形成され、このクランク室8内には、シャフト5の回
転に連動してヒンジボール9を中心に揺動する揺動板1
0が収容されている。この揺動板10はコネクチングロ
ッド11を介してピストン7に連結され、揺動板10の
揺動によりピストン7がシリンダボア6内を往復運動す
る。クランク室8の圧力が減少するにつれて揺動板10
の傾斜角度が大きくなり、逆にクランク室8の圧力が増
加するにつれて揺動板10の傾斜角度が小さくなる。
【0012】前記リヤヘッド3内には、吐出室12と、
この吐出室12の周囲に位置する吸入室13とが形成さ
れている。吐出室12内は隔壁14によって吐出空間1
2aと吐出空間12bとに仕切られ、両吐出空間12
a,12bは、隔壁14に穿設した絞り孔14aを介し
て連通している。
この吐出室12の周囲に位置する吸入室13とが形成さ
れている。吐出室12内は隔壁14によって吐出空間1
2aと吐出空間12bとに仕切られ、両吐出空間12
a,12bは、隔壁14に穿設した絞り孔14aを介し
て連通している。
【0013】前記バルブプレート2には、シリンダボア
6と吐出空間12aとを連通させる吐出ポート16と、
シリンダボア6と吸入室13とを連通させる吸入ポート
15とが、周方向に所定間隔おきに設けられている。吐
出ポート16は吐出弁17により開閉され、吐出弁17
はバルブプレート2のリヤヘッド側端面に弁押さえ18
とともにボルト19により固定され、ボルト19はバル
ブプレート2の中心孔2aを介してシリンダブロック1
のねじ孔20に螺着されている。また、吸入ポート15
は吸入弁21により開閉され、吸入弁21はバルブプレ
ート2とシリンダブロック1との間に配設されている。
6と吐出空間12aとを連通させる吐出ポート16と、
シリンダボア6と吸入室13とを連通させる吸入ポート
15とが、周方向に所定間隔おきに設けられている。吐
出ポート16は吐出弁17により開閉され、吐出弁17
はバルブプレート2のリヤヘッド側端面に弁押さえ18
とともにボルト19により固定され、ボルト19はバル
ブプレート2の中心孔2aを介してシリンダブロック1
のねじ孔20に螺着されている。また、吸入ポート15
は吸入弁21により開閉され、吸入弁21はバルブプレ
ート2とシリンダブロック1との間に配設されている。
【0014】前記ボルト19には、吐出空間12aの高
圧の作動ガスをシリンダブロック1の小径孔22へ導く
ガイド孔27が設けられている。
圧の作動ガスをシリンダブロック1の小径孔22へ導く
ガイド孔27が設けられている。
【0015】また、シリンダブロック1の中央部には、
互いに連通するねじ孔20、小径孔22及び大径孔23
がシリンダブロック1の中心線に沿って設けられてい
る。小径孔22にはラジアル軸受24が、大径孔23に
はスラスト軸受25がそれぞれ収容されている。ラジア
ル軸受24及びスラスト軸受25はシャフト5のリヤ側
端部を支持し、シャフト5のフロント側端部はフロント
ヘッド4内のラジアル軸受26によって支持されてい
る。
互いに連通するねじ孔20、小径孔22及び大径孔23
がシリンダブロック1の中心線に沿って設けられてい
る。小径孔22にはラジアル軸受24が、大径孔23に
はスラスト軸受25がそれぞれ収容されている。ラジア
ル軸受24及びスラスト軸受25はシャフト5のリヤ側
端部を支持し、シャフト5のフロント側端部はフロント
ヘッド4内のラジアル軸受26によって支持されてい
る。
【0016】更に、シリンダブロック1には吸入室13
とクランク室8とを連通する連通路31が設けてあり、
この連通路31の途中には圧力調整弁32が設けられ、
この圧力調整弁32により吸入室13内とクランク室8
内との圧力調整を行う。
とクランク室8とを連通する連通路31が設けてあり、
この連通路31の途中には圧力調整弁32が設けられ、
この圧力調整弁32により吸入室13内とクランク室8
内との圧力調整を行う。
【0017】前記シャフト5のフロントヘッド側端部に
はシャフト5の回転をドライブハブ41に伝達するスラ
ストフランジ(回転体)40が嵌着され、このスラスト
フランジ40はスラスト軸受33を介してフロントヘッ
ド4の内壁のレース受面37に支承されている。スラス
トフランジ40の下部とドライブハブ41の下部とは、
リンクアーム42を介して回動自在に連結されている。
はシャフト5の回転をドライブハブ41に伝達するスラ
ストフランジ(回転体)40が嵌着され、このスラスト
フランジ40はスラスト軸受33を介してフロントヘッ
ド4の内壁のレース受面37に支承されている。スラス
トフランジ40の下部とドライブハブ41の下部とは、
リンクアーム42を介して回動自在に連結されている。
【0018】前記揺動板10は、ドライブハブ41に回
転自在に取り付けられている。ドライブハブ41の中心
孔41aは、シャフト5の外周に遊嵌され且つシャフト
5の軸線方向の略中間部外周に摺動可能に嵌装されたヒ
ンジボール9の外周に摺接している。ヒンジボール9と
スラストフランジ40との間のシャフト5の外周には、
バネ44が介装されており、このバネ44によりヒンジ
ボール9がシリンダブロック1側へ付勢されている。ま
た、ヒンジボール9よりシリンダブロック1側のシャフ
ト5にはストッパ45が突設され、ストッパ45とヒン
ジボール9との間のシャフト5の外周には、複数個の皿
バネ46及びコイルバネ47が順次介装され、これらの
バネ46,47により、ヒンジボール9がスラスト軸受
33側へ付勢されている。
転自在に取り付けられている。ドライブハブ41の中心
孔41aは、シャフト5の外周に遊嵌され且つシャフト
5の軸線方向の略中間部外周に摺動可能に嵌装されたヒ
ンジボール9の外周に摺接している。ヒンジボール9と
スラストフランジ40との間のシャフト5の外周には、
バネ44が介装されており、このバネ44によりヒンジ
ボール9がシリンダブロック1側へ付勢されている。ま
た、ヒンジボール9よりシリンダブロック1側のシャフ
ト5にはストッパ45が突設され、ストッパ45とヒン
ジボール9との間のシャフト5の外周には、複数個の皿
バネ46及びコイルバネ47が順次介装され、これらの
バネ46,47により、ヒンジボール9がスラスト軸受
33側へ付勢されている。
【0019】前記スラスト軸受33は、図1に示すよう
に、ニードルローラ34と、このニードルローラ34を
挟むフロントヘッド側の環状のレース(ハウジング側レ
ース)35及びスラストフランジ側の環状のレース(回
転体側レース)36とから構成されている。レース35
は、フロントヘッド4の取付段部38に嵌着され、レー
ス受面37に当接している。レース36は、スラストフ
ランジ40の取付凹部39に圧入されている。両レース
35,36は鉄系金属により成形されている。
に、ニードルローラ34と、このニードルローラ34を
挟むフロントヘッド側の環状のレース(ハウジング側レ
ース)35及びスラストフランジ側の環状のレース(回
転体側レース)36とから構成されている。レース35
は、フロントヘッド4の取付段部38に嵌着され、レー
ス受面37に当接している。レース36は、スラストフ
ランジ40の取付凹部39に圧入されている。両レース
35,36は鉄系金属により成形されている。
【0020】図1、図3及び図4に示すように、前記レ
ース35は半径方向へ突出する突片(ストッパ部)35
aを有し、突片35aの先端部は折れ曲って軸方向へわ
ずかに突出している。
ース35は半径方向へ突出する突片(ストッパ部)35
aを有し、突片35aの先端部は折れ曲って軸方向へわ
ずかに突出している。
【0021】一方、非鉄系金属(例えばアルミニウム
等)により成形されたフロントヘッド4には、図5に示
すように、突片35aを両側から挟持する一対のリブ
(支持部)48a,48bが一体成形されている。ま
た、フロントヘッド4の内壁面上部には一対のオイル分
離用の凹部49(図7参照)及び凹部50(図8参照)
が設けられ、凹部49,50と連通するオイル溝51,
52がレース受面37に設けられている。オイル溝5
1,52は図6に示すようにオイル供給路53,54に
連通している。
等)により成形されたフロントヘッド4には、図5に示
すように、突片35aを両側から挟持する一対のリブ
(支持部)48a,48bが一体成形されている。ま
た、フロントヘッド4の内壁面上部には一対のオイル分
離用の凹部49(図7参照)及び凹部50(図8参照)
が設けられ、凹部49,50と連通するオイル溝51,
52がレース受面37に設けられている。オイル溝5
1,52は図6に示すようにオイル供給路53,54に
連通している。
【0022】次に、この揺動板式圧縮機の作動を説明す
る。
る。
【0023】図示しない車載エンジンの回転動力がシャ
フト5に伝達されると、シャフト5はスラストフランジ
40及びドライブハブ41とともに回転し、その回転に
ともなって揺動板10が揺動し、この揺動によりピスト
ン7がシリンダボア6内を往復動してそのシリンダボア
6内の容積が変化し、この容積変化によって冷媒ガスの
吸入、圧縮及び吐出が順次行なわれ、揺動板10の傾斜
角度に応じた容量の高圧冷媒ガスが吐出される。
フト5に伝達されると、シャフト5はスラストフランジ
40及びドライブハブ41とともに回転し、その回転に
ともなって揺動板10が揺動し、この揺動によりピスト
ン7がシリンダボア6内を往復動してそのシリンダボア
6内の容積が変化し、この容積変化によって冷媒ガスの
吸入、圧縮及び吐出が順次行なわれ、揺動板10の傾斜
角度に応じた容量の高圧冷媒ガスが吐出される。
【0024】すなわち、熱負荷が小さくなり圧力調整弁
32が連通路31を閉じ、クランク室8内の圧力が増加
すると揺動板10の傾斜角度が小さくなり、これによっ
てピストン7のストローク量が少なくなって吐出容量が
減少する。このとき、吐出空間12a内の高圧の冷媒ガ
スがボルト19のガイド孔27を通って小径孔22内へ
導かれ、大径孔23を経由してクランク室8へ導かれる
ので、クランク室8内の圧力上昇が促進され、同時にラ
ジアル軸受24及びスラスト軸受25の潤滑が行なわれ
る。
32が連通路31を閉じ、クランク室8内の圧力が増加
すると揺動板10の傾斜角度が小さくなり、これによっ
てピストン7のストローク量が少なくなって吐出容量が
減少する。このとき、吐出空間12a内の高圧の冷媒ガ
スがボルト19のガイド孔27を通って小径孔22内へ
導かれ、大径孔23を経由してクランク室8へ導かれる
ので、クランク室8内の圧力上昇が促進され、同時にラ
ジアル軸受24及びスラスト軸受25の潤滑が行なわれ
る。
【0025】熱負荷が大きくなり圧力調整弁32が連通
路31を開き、クランク室8内の圧力が減少すると揺動
板10の傾斜角度が大きくなり、これによってピストン
7のストローク量が増えて吐出容量が多くなる。
路31を開き、クランク室8内の圧力が減少すると揺動
板10の傾斜角度が大きくなり、これによってピストン
7のストローク量が増えて吐出容量が多くなる。
【0026】シャフト5の回転につれてスラストフラン
ジ40が回転したとき、スラスト軸受33にスラスト方
向の荷重が加わり、そのスラスト軸受33のフロントヘ
ッド4側のレース35がスラストフランジ40の回転に
つれて回転しようとしても、レース35の突片35aが
フロントヘッド4のリブ48a,48bによって挟持さ
れているので、レース35のつれ回りは阻止される。そ
の結果、フロントヘッド4のレース受面37の摩耗を防
ぐことができ、ひいてはシャフト5の回転が安定するの
で、揺動板10等の動部品に悪影響を及ぼさず、圧縮機
の信頼性及び静粛性が得られる。
ジ40が回転したとき、スラスト軸受33にスラスト方
向の荷重が加わり、そのスラスト軸受33のフロントヘ
ッド4側のレース35がスラストフランジ40の回転に
つれて回転しようとしても、レース35の突片35aが
フロントヘッド4のリブ48a,48bによって挟持さ
れているので、レース35のつれ回りは阻止される。そ
の結果、フロントヘッド4のレース受面37の摩耗を防
ぐことができ、ひいてはシャフト5の回転が安定するの
で、揺動板10等の動部品に悪影響を及ぼさず、圧縮機
の信頼性及び静粛性が得られる。
【0027】また、クランク室8内の冷媒ガスはフロン
トヘッド4の凹部49,50でオイル分離され、そのオ
イルはレース受面37のオイル溝51,52を経由して
オイル供給路53,54を通り、シール部55内へ供給
され、オイルの一部はオイル供給路の途中に設けられた
開口53a,54aからラジアル軸受26へ供給され
る。したがって、シール部55のシール性が補完される
とともにラジアル軸受26の潤滑及びスラスト軸受33
の冷却が行なわれる。
トヘッド4の凹部49,50でオイル分離され、そのオ
イルはレース受面37のオイル溝51,52を経由して
オイル供給路53,54を通り、シール部55内へ供給
され、オイルの一部はオイル供給路の途中に設けられた
開口53a,54aからラジアル軸受26へ供給され
る。したがって、シール部55のシール性が補完される
とともにラジアル軸受26の潤滑及びスラスト軸受33
の冷却が行なわれる。
【0028】なお、この実施例では、図1に示すよう
に、突片(ストッパ部)35aをスラスト軸受33のハ
ウジング側のレース35の半径方向に突出させ、更に突
片35aを折り曲げてハウジング側のレース35の軸方
向にわずかに突出させ、この突片36aを一対のリブ
(支持部)で挟持するようにした場合について述べた
が、他の実施例として、ストッパ部をスラスト軸受のハ
ウジングの側レースの軸方向だけに突出させ、そのスト
ッパ部をハウジングの内壁の凹部(支持部)に挿入し
て、ハウジング側レースの回転を阻止するようにしても
よい。 また、この実施例では本願考案を可変容量型の揺
動板式圧縮機に適用した場合について述べたが、固定容
量型の揺動板式圧縮機や斜板式圧縮機等の他のタイプの
圧縮機に適用するようにしても、前述の実施例と同様の
作用効果を得ることができる。
に、突片(ストッパ部)35aをスラスト軸受33のハ
ウジング側のレース35の半径方向に突出させ、更に突
片35aを折り曲げてハウジング側のレース35の軸方
向にわずかに突出させ、この突片36aを一対のリブ
(支持部)で挟持するようにした場合について述べた
が、他の実施例として、ストッパ部をスラスト軸受のハ
ウジングの側レースの軸方向だけに突出させ、そのスト
ッパ部をハウジングの内壁の凹部(支持部)に挿入し
て、ハウジング側レースの回転を阻止するようにしても
よい。 また、この実施例では本願考案を可変容量型の揺
動板式圧縮機に適用した場合について述べたが、固定容
量型の揺動板式圧縮機や斜板式圧縮機等の他のタイプの
圧縮機に適用するようにしても、前述の実施例と同様の
作用効果を得ることができる。
【0029】
【考案の効果】以上説明したように請求項1又は2記載
の考案の圧縮機のスラスト軸受保持構造によれば、ハウ
ジングのハウジング側レース受面の摩耗を抑えることが
でき、ひいては回転軸の回転が安定し、圧縮機の静粛性
が得られるとともに、圧縮機内の動部品に悪影響を及ぼ
すおそれがなくなる。また、ハウジングの内壁のハウジ
ング側レース受面にオイル溝を設けたので、オイル溝を
通るオイルによってスラスト軸受を冷却することがで
き、その焼付きを防ぐことができる。請求項3記載の考
案の圧縮機のスラスト軸受保持構造によれば、ハウジン
グのハウジング側レース受面の摩耗を抑えることがで
き、ひいては回転軸の回転が安定し、圧縮機の静粛性が
得られるとともに、圧縮機内の動部品に悪影響を及ぼす
おそれがなくなる。また、支持部としてハウジングに凹
部を設けるものに較べ、ハウジングの肉厚を薄くできる
ので、圧縮機の軸方向寸法を小さくすることができ、小
型化を図り得る。更に、ハウジングの内壁のハウジング
側レース受面にオイル溝を設けたので、オイル溝を通る
オイルによってスラスト軸受を冷却することができ、そ
の焼付きを防ぐことができる。
の考案の圧縮機のスラスト軸受保持構造によれば、ハウ
ジングのハウジング側レース受面の摩耗を抑えることが
でき、ひいては回転軸の回転が安定し、圧縮機の静粛性
が得られるとともに、圧縮機内の動部品に悪影響を及ぼ
すおそれがなくなる。また、ハウジングの内壁のハウジ
ング側レース受面にオイル溝を設けたので、オイル溝を
通るオイルによってスラスト軸受を冷却することがで
き、その焼付きを防ぐことができる。請求項3記載の考
案の圧縮機のスラスト軸受保持構造によれば、ハウジン
グのハウジング側レース受面の摩耗を抑えることがで
き、ひいては回転軸の回転が安定し、圧縮機の静粛性が
得られるとともに、圧縮機内の動部品に悪影響を及ぼす
おそれがなくなる。また、支持部としてハウジングに凹
部を設けるものに較べ、ハウジングの肉厚を薄くできる
ので、圧縮機の軸方向寸法を小さくすることができ、小
型化を図り得る。更に、ハウジングの内壁のハウジング
側レース受面にオイル溝を設けたので、オイル溝を通る
オイルによってスラスト軸受を冷却することができ、そ
の焼付きを防ぐことができる。
【図1】図1はこの考案の一実施例に係るスラスト軸受
保持構造を示す拡大断面図である。
保持構造を示す拡大断面図である。
【図2】図2はこの考案の一実施例に係るスラスト軸受
保持構造を備えた揺動板式圧縮機の縦断面図である。
保持構造を備えた揺動板式圧縮機の縦断面図である。
【図3】図3はスラスト軸受のフロントヘッド側のレー
スを示す平面図である。
スを示す平面図である。
【図4】図4は図3のIV−IV線に沿う断面図であ
る。
る。
【図5】図5はフロントヘッドの内壁を示す図である。
【図6】図6は図5のVI−VI線に沿う断面図であ
る。
る。
【図7】図7は図5のVII−VII線に沿う断面図で
ある。
ある。
【図8】図8は図5のVIII−VIII線に沿う断面
図である。
図である。
【図9】図9は従来の揺動板式圧縮機の縦断面図であ
る。
る。
4 フロントヘッド(ハウジング) 5 シャフト(回転軸) 33 スラスト軸受 35 レース(ハウジング側レース) 35a 突片(ストッパ部) 40 スラストフランジ(回転体) 48a,48b リブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F04B 27/08 F04B 39/00 103
Claims (3)
- 【請求項1】 回転軸に固定された回転体がハウジング
の内壁にスラスト軸受を介して回転可能に装着されてい
る圧縮機のスラスト軸受保持構造において、 前記スラスト軸受の環状のハウジング側レースにストッ
パ部が設けられ、 前記ハウジングの内壁に前記ストッパ部を支持する支持
部が設けられ、 前記ハウジングの内壁のハウジング側レース受面にオイ
ル溝が設けられていることを特徴とする圧縮機のスラス
ト軸受保持構造。 - 【請求項2】 前記ストッパ部は、前記スラスト軸受の
軸方向へ突出し、 前記支持部は前記ストッパ部を挿入する凹部であること
を特徴とする請求項1記載の圧縮機の圧縮機のスラスト
軸受保持構造。 - 【請求項3】 回転軸に固定された回転体がハウジング
の内壁にスラスト軸受を介して回転可能に装着されてい
る圧縮機のスラスト軸受保持構造において、 前記スラスト軸受の環状のハウジング側レースにストッ
パ部が設けられ、 前記ハウジングの内壁に前記ストッパ部を支持する支持
部が設けられ、 前記ストッパ部は、前記スラスト軸受の半径方向へ突出
し、 前記支持部は、前記ストッパ部を挟持する一対のリブで
構成され、 前記ハウジングの内壁のハウジング側レース受面にオイ
ル溝が設けられている ことを特徴とする圧縮機のスラス
ト軸受保持構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992050498U JP2590891Y2 (ja) | 1992-06-25 | 1992-06-25 | 圧縮機のスラスト軸受保持構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992050498U JP2590891Y2 (ja) | 1992-06-25 | 1992-06-25 | 圧縮機のスラスト軸受保持構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH064377U JPH064377U (ja) | 1994-01-21 |
JP2590891Y2 true JP2590891Y2 (ja) | 1999-02-24 |
Family
ID=12860611
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1992050498U Expired - Lifetime JP2590891Y2 (ja) | 1992-06-25 | 1992-06-25 | 圧縮機のスラスト軸受保持構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2590891Y2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5911059Y2 (ja) * | 1978-10-13 | 1984-04-05 | 株式会社クボタ | ラベル貼着装置 |
-
1992
- 1992-06-25 JP JP1992050498U patent/JP2590891Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH064377U (ja) | 1994-01-21 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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S533 | Written request for registration of change of name |
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