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JP3744861B2 - 圧縮機 - Google Patents

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JP3744861B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、車両に搭載される空調装置において冷媒を圧縮する目的に使用することができる流体のための圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の圧縮機の例が特開平7−19164号公報や特開2001−234857号公報等に示されている。その1つの構造を図6に例示する。これらの圧縮機は通常「斜板型可変容量圧縮機」或いは「ピストン式可変容量圧縮機」と呼ばれている形式に属するもので、その外殻となるハウジングは、フロントハウジング1と、シリンダブロック2と、リアハウジング3という3つの部分が図示されない通しボルトのような手段によって一体化されることによって構成されている。それらの中間のシリンダブロック2に形成された複数個のシリンダボア21にはそれぞれピストン7が挿入されていて、シュー8を介して共通の斜板5によって往復運動を強制される。斜板5はその中心部を貫通してシリンダブロック2の中心部まで延びている長い駆動軸4によって回転駆動される。駆動軸4の先端はシリンダブロック2の中に設けられたベアリング64によって軸支される。
【0003】
作動状態において、駆動軸4と共に回転する斜板5の揺動運動によって、ピストン7がそれぞれシリンダボア21内で往復運動をして作動室21aが拡縮することにより、リアハウジング3の中心部に形成された吸入室31から冷媒のような流体が吸入バルブ13を通って作動室21a内へ吸入され、圧縮された後に、吐出バルブ11を通ってリアハウジング3の外周部に形成された容積の大きい吐出室32へ吐出される。この圧縮機は斜板5の傾斜角度を無段階に変更することができるので、吐出容量を連続的に変化させることができる。
【0004】
このようにピストンを往復運動させて流体を圧縮する型の圧縮機においては、吸入室31から作動室21aへの流体の吸入と、作動室21aにおいて圧縮された流体の吐出室32への吐出がいずれも間欠的に行なわれるので、吸入室31と吐出室32には流体の圧力変動(脈動)が生じる。それによって振動や唸りのような騒音が発生することがあるので、吸入室31及び吐出室32における圧力変動を抑えて、圧縮機へ流入する流体や圧縮機から流出する流体の流れを平滑にするために、従来は吸入室或いは吐出室の容積をできるだけ大きくするように設計されている。従って、常識的には、振動及び騒音の防止対策として、吸入室及び吐出室の容積を大きくした分だけピストン式圧縮機全体が大型化するということは避けられない問題である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ピストン式圧縮機の宿命とも言うべきこの問題に対応して、吸入室及び吐出室の容積を可及的に大きくすることによって流体の圧力変動を十分に抑えて、振動及び騒音の発生を防止しながらも、圧縮機全体の大きさを増大させることがないような新たな手段を導入することによって、同じ程度の吐出容量を有する従来の圧縮機に比べて格段に小型のピストン式圧縮機を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、この課題を解決するための手段として特許請求の範囲の各請求項に記載された圧縮機を提供する。
【0007】
請求項1に記載された圧縮機においては、駆動軸に連結されて駆動される斜板を設けると共に、その斜板を介して往復運動するピストンを受け入れるシリンダボアを備えたシリンダブロックのデッドスペースを利用して形成される少なくとも1個の空間としてのマフラー室と、吸入室及び吐出室の少なくとも一方とを連通させる連通ポートを備えており、さらに、また、吐出容量を変化させるために斜板の傾斜角度を変更する手段として、駆動軸と斜板とを連結するために、駆動軸の軸心から離れた位置に、複数個のピンと、それらのピンが係合する複数個の案内溝からなるスライドリンク機構を備えている。このため、マフラー室に連通された吸入室又は吐出室は、実質的にその容積が増大したのと同じ状態になるので、吸入室或いは吐出室の大きい容積によって吸入或いは吐出脈動が抑制される。しかしながら、マフラー室がシリンダブロックのデッドスペースを利用して形成されるため、マフラー室を設けたことによって圧縮機の体格が大きくなることはない。さらに、また、斜板が駆動軸に対して傾斜角度を変化できるように連結されているので、斜板型可変容量圧縮機として作動し、吐出容量を無段階に変化させることができる。
【0008】
請求項2に記載された圧縮機においては、斜板と同じ傾斜角度をとるが回転は阻止されるシュー押さえ板をドライブスラストベアリングを介して斜板によって支持すると共に、シュー押さえ板の周辺部に半径方向に形成されている複数個のシュー案内溝によって半径方向に自由に摺動することができるように、ピストンの端部に係合する複数個のシューを案内することができる。それによって、シューが直接に斜板と摩擦係合することがないので、効率の良い斜板型可変容量圧縮機が得られる。請求項3の場合は、シューが、ピストンに設けられた球形端部と嵌合する球形の窪みを備えているシュー本体と、該シュー本体から一体的に両側へ張り出してシュー押さえ板と係合する一対のシュー鍔部とからなっているので、シューがシュー押さえ板によって円滑に案内される。いずれの場合も、請求項1の場合と同様な効果が得られる。
【0009】
請求項4の斜板型可変容量圧縮機においては、駆動軸がベアリングを介してハウジングの前端部分のみによって軸承されている。いずれの場合も、駆動軸が斜板を貫通してシリンダブロックまで延びることがないので、シリンダブロックに大きいデッドスペースが生じる。従って、このデッドスペースを利用して容積の大きいマフラー室を形成することができるので、効果的に吸入或いは吐出脈動を低減させることが可能になる。
【0010】
【発明の実施の形態】
添付の図面のうちで、図1から図3は、本発明を斜板型のピストン式可変容量圧縮機において実施した場合の実施例を示すものである。最大の吐出容量をもたらす運転状態における圧縮機全体の縦断面構造を示す図1において、1は圧縮機の外殻の一部であるフロントハウジング、2は、フロントハウジング1の内部へ挿入されて、複数個の通しボルト40によってリアハウジング3と共に一体化されたシリンダブロックを示している。シリンダブロック2の内部には、図1において横方向(軸方向)に5個或いは6個のシリンダボア21が、中心線の周りに概ね均等に形成されている。リアハウジング3の内部の外周部分には空間としての吸入室31が形成されていると共に、中心部分には空間としての吐出室32が形成されている。
【0011】
4は外部の動力源から回転動力を受け入れるための駆動軸であって、それと直交するように円板部41が一体的に形成されている。円板部41の外周の一部から1枚のアーム42が概ね軸方向に突出するように設けられている。アーム42にはカムとしての2つの案内溝、即ち、上部案内溝43と下部案内溝44が上下の所定の位置に所定の形状で形成されている。駆動軸4はラジアルベアリング402及び404を介してフロントハウジング1によって軸承されていると共に、円板部41の背面を支持するスラストベアリング403を介して、軸方向にもフロントハウジング1によって軸承されている。なお、これらの軸承部分には軸封装置401が設けられて、駆動軸4の周りから流体が外部へ漏洩するのを防止している。
【0012】
5は斜板であって、概ね円板形のディスク部分5aと、その中心部から突出するように形成された軸部分5bと、軸部分5bの周りにおいてディスク部分5aから円環状に突出するリム部分5c等からなっている。斜板5はその背面から円板部41に向かって突出する2枚のアーム51を備えており、2枚のアーム51の間に2本のピン52及び53を支持している。これらのピン52及び53は、前述の駆動軸4側のアーム42に形成された上部案内溝43及び下部案内溝44に挿入されて、摺動可能に係合している。それによって斜板5は駆動軸4と共に回転することができると共に、駆動軸4に対して傾斜することができる。
【0013】
斜板5の軸部分5bには、中心に開口を有するシュー押さえ板6が嵌め込まれていて、押さえ板スラストベアリング601及びロックナット9によって斜板5に対して回転自在に結合されている。シュー押さえ板6は、後述のシュー8及びドライブスラストベアリング500を、斜板5との間で挟持するために用いられる。なお、斜板5の軸部分5bにはロックナット9を螺着するための雄螺子部が設けられている。
【0014】
図示実施例におけるピストン7の一端の球形端部71と共にボールジョイントを構成するように、それぞれの球形端部71に回転可能に係合するシュー8の具体的な形状は、斜視図である図2を参照すれば明らかである。また、シュー押さえ板6の具体的な形状は図1に加えて図3をも参照すれば明らかである。但し、この例はピストン7の数が6個の場合を示している。シュー押さえ板6は中央に円形の窪み61を備えていて、窪み61の中に押さえ板スラストベアリング601を収容することができる。窪み61の中心部には、前述のように、斜板5の軸部分5bに嵌合する開口63が形成されている。シュー押さえ板6の周辺部には放射状に一定の幅のシュー案内溝62がピストン7の数だけ形成されている。
【0015】
シュー案内溝62には、図2に示したような形状のシュー8の、有底円筒形に近いシュー本体8aが摺動可能に係合する。シュー押さえ板6は斜板5に対して相対的に回転自在に結合されているが、シュー押さえ板6のシュー案内溝62にはピストン7に取り付けられたシュー本体8aが係合しているため、シュー押さえ板6の回転は阻止されて、斜板5の傾斜回転運動に伴って揺動運動だけを行なうようになる。それに伴って、シュー押さえ板6上における複数個のシュー本体8a相互間の距離やそれぞれの位置に若干の変化が生じる。そのために、シュー押さえ板6のシュー案内溝62における幅等の寸法は若干の余裕を持って設定されている。
【0016】
シュー8のシュー本体8aにはそれぞれ球形の窪み8bが形成されていて、それらに対してピストン7の一端に形成された球形端部71が嵌入し、カシメ等の方法で抜け止めが施されることによってボールジョイントを構成して、シュー8に対して回転摺動自由に係合している。シュー8が取り付けられたピストン7はシリンダブロック2のシリンダボア21内へ摺動可能に挿入される。それぞれのシュー8にはシュー本体8aから張り出すように一対のシュー鍔部8cが形成されていて、シュー鍔部8cが、シュー押さえ板6に形成されたシュー案内溝62の両側の部分によって押えられるようになっている。
【0017】
斜板5の軸部分5bに形成された雄螺子に螺着されるロックナット9は、押さえ板スラストベアリング601を介して、シュー押さえ板6をドライブスラストベアリング500及び斜板5に向かって押圧する。それによって、シュー押さえ板6が複数個のシュー8を同時にドライブスラストベアリング500の上へ押圧することができる。このようにして、斜板5の上にスラストベアリング500、複数個のシュー8、シュー押さえ板6、及び押さえ板スラストベアリング601の各部分が組み付けられる。斜板5のリム部分5cは、ディスク部分5aに対するベアリング500の位置決めのために役立つ。なお、図1に示す501,502はリング状のプレートであって、ドライブスラストベアリング500の一部を構成する。
【0018】
10は厚板からなるバルブポートプレートであって、各シリンダボア21に対応する位置においてそれを貫通するように少なくとも1個ずつの吸入口10aと吐出口10bが開口している。それぞれの吸入口10aは、シリンダボア21内の作動室21aと、リアハウジング3内の外周部に形成された吸入室31とを連通させることができる。同様に吐出口10bは作動室21aと、リアハウジング3内の中心部に形成された吐出室32とを連通させることができる。
【0019】
バルブポートプレート10の吸入口10aは、1枚の薄いばね鋼板からなる吸入バルブ13の一部によってシリンダボア21の側から閉塞されている。また、吐出口10bは、やはり1枚の薄いばね鋼板からなる吐出バルブ11の一部によって吐出室32の側から閉塞されている。吐出バルブ11は、それを保護する弁押さえ12がボルト14とナット15によってバルブポートプレート10に螺着されるときに同時に固定される。また、バルブポートプレート10と吸入バルブ13は、フロントハウジング1及びシリンダブロック2とリアハウジング3が締結されて全体が一体化されるときに、それらの間に挟み込まれて固定される。
【0020】
前述のように、シリンダブロック2には5個、或いは図3に示した例のように6個のシリンダボア21が形成されているが、その中心部にはかなり大きいデッドスペースが生じる。これは、駆動軸4がフロントハウジング1のみによって支持されていて、駆動軸4の先端がシリンダブロック2まで延びておらず、先端を支持する軸受も設けられていないことによる。図示実施例においてはこのデッドスペースを利用して空間としてのマフラー室22を形成し、このマフラー室22を、バルブポートプレート10に穿孔して形成した1個以上の連通ポート23を介して吐出室32と連通させている。なお、図示していないが、他の実施例として、マフラー室22を吸入室31と連通させるとか、マフラー室22を2つの部分に区画して、一方を吐出室32に、他方を吸入室31に連通させることもできる。
【0021】
連通ポート23の具体的な配置例を図4及び図5に示す。いずれの場合も、シリンダブロック2にシリンダボア21が5個形成される場合であって、ピストン7も5個使用される。図4に示す第1の配置例では、5個の連通ポート23が、星形をしている弁押さえ12の股の部分に形成されている。これは、弁押さえ12の陰になっている同形の吐出バルブ11の股の部分でもある。図5に示す第2の配置例では、単一の連通ポート24がボルト14の中心部を貫通するように穿孔されている。
【0022】
次に、本発明の図示実施例としてのピストン式可変容量圧縮機の作動について説明する。駆動軸4が車両に搭載された内燃機関やモータのような外部の動力源によって回転駆動されると、駆動軸4の円板部41に対してアーム42、上下の案内溝43及び44、2本のピン52及び53、2枚のアーム51を介して連結されている斜板5が駆動軸4と一体的に回転する。シュー押さえ板6は、斜板5に対して押さえ板スラストベアリング601を介して支持されているのと、シュー案内溝62に係合している複数個のシュー8が、それぞれピストン7の球形端部71に係合しているので回転することはなく、斜板5が、駆動軸4と直交する仮想の平面に対して図1に示したように傾斜しているときだけ、シュー押さえ板6は、斜板5との間にドライブスラストベアリング500と複数個のシュー8を挟持しながら、その傾斜角度に応じた大きさの揺動運動をする。それによって、シュー押さえ板6と斜板5の間にドライブスラストベアリング500を介して挟持されている複数個のシュー8と、それらに連結されている複数個のピストン7が、それぞれのシリンダボア21内で往復運動をする。
【0023】
図示実施例の場合、斜板5とシュー押さえ板6は、2本のピン52及び53が駆動軸4側の上部案内溝43及び下部案内溝44の中で摺動しながら移動するときに、駆動軸4に対する傾斜角度が変化するので、全てのピストン7のストロークが同時に同じ量だけ変化する。それによって圧縮機の吐出容量が無段階に変化することになる。
【0024】
複数個のピストン7の頂面に形成される作動室21aの中でも吸入行程にあるものは拡大して低圧となるので、その中へ吸入室31内にある圧縮すべき流体、例えば空調装置の冷媒が、バルブポートプレート10の吸入口10aに設けられた吸入バルブ13を押し開いて流入する。これと反対に、圧送行程にあるピストン7の頂面に形成される作動室21aは縮小するため、その内部にある流体は圧縮されて高圧となり、バルブポートプレート10の吐出口10bに設けられた吐出バルブ11を押し開いて吐出室32へ吐出される。その場合の吐出容量は、斜板5及びシュー押さえ板6の傾斜角度によって決まるピストン7のストロークの長さに概ね比例している。
【0025】
このように、斜板5及びシュー押さえ板6の傾斜角度を変化させると圧縮機の吐出容量が変化するので、吐出容量を制御するために、図示実施例の可変容量型圧縮機においては、全てのピストン7の背圧となるフロントハウジング室1a内の圧力を、図示しない圧力制御弁等を使用して変化させる。通常、フロントハウジング室1a内には吐出室32内の高圧と、吸入室31内の低圧との中間の圧力が制御圧力として圧力制御弁から導入されている。
【0026】
フロントハウジング室1a内の圧力、即ち、全てのピストン7の背圧を高めると、この背圧と各ピストン7の頂面に形成される作動室21a内の圧力との釣り合い状態が崩れるので、新たな釣り合い状態が得られるところまで、複数個のピストン7の平均的な位置がバルブポートプレート10に近い位置に向かって移動する。それによって全てのピストン7のストロークが一斉に小さくなるので、圧縮機の吐出容量が無段階に減少する。
【0027】
図示していないが、フロントハウジング室1a内の圧力が最大となって、斜板5及びシュー押さえ板6の傾斜角度が実質的に零になった時には、全てのピストン7が実質的に上死点の位置にあってシリンダボア21内で殆ど往復運動をすることがない。
【0028】
これと反対に、図示しない圧力制御弁を作動させてフロントハウジング室1a内の圧力を低下させると、ピストン7に作用する背圧が小さくなるために、全てのピストン7のストロークが一斉に大きくなって、圧縮機の吐出容量が無段階に大きくなる。図1は、フロントハウジング室1a内の圧力が最小となって、斜板5とシュー押さえ板6の傾斜角度が最大限度まで大きくなり、ピストン7のストローク及び圧縮機の吐出容量が最大となった状態を示している。
【0029】
図示実施例の1つの特徴は、ピストン7の球形端部71にそれぞれ直接に係合している複数個のシュー8を単一のシュー押さえ板6によって斜板5との間にドライブスラストベアリング500を介して挟持して支持させると共に、この斜板5を駆動軸4側のアーム42に対して、2個の案内溝43及び44と2本のピン52及び53からなるダブルスライドリンク機構を使用して連結したことによって、斜板5に関連する全ての部分を、ラジアルベアリング402及び404とスラストベアリング403を介してフロントハウジング1のみによって支持している点にある。
【0030】
それによって、図6に示した従来の斜板型可変容量圧縮機のように、駆動軸4の先端をシリンダブロック2に達するまで長く伸ばして、ベアリング64によって支持する必要がなくなるので、図示実施例においては、シリンダブロック2の中心部にできるデッドスペースを利用してできるだけ大きい空間としてのマフラー室22を形成し、このマフラー室22を、バルブポートプレート10に形成された5個の連通ポート23によって吐出室32と連通させている点に第2の特徴がある。
【0031】
吐出室32とマフラー室22が連通することによって、見かけ上の吐出室32の容積が著しく増大するから、吐出室32から外部へ送り出される圧縮された流体の圧力変動(吐出脈動)が効果的に抑制される。また、図示実施例ではマフラー室22を吐出室32と連通させているが、マフラー室22を図示しない連通ポートによって吸入室31と連通させた場合には吸入脈動が抑制されることは言うまでもない。更に、前述のように、マフラー室22を2分して吸入室31と吐出室32の双方に連通させると、吸入脈動と吐出脈動の双方を同時に抑制することができる。
【0032】
なお、本発明の付加的な効果として、駆動軸4がフロントハウジング1のみによって支持されるため、駆動軸4を、斜板5の中心部を貫通させて、その先端をシリンダブロック2の中心部においてベアリング64によって支持する場合に比べて、構成が簡素になるだけでなく、駆動軸4の長さが著しく短くなるので、圧縮機全体の軸方向長さを短くすることができる。また、斜板5とシュー押さえ板6を結合する押さえ板スラストベアリング601に小径のものを使用することが可能になること等から、半径方向にも、フロントハウジング1やシリンダブロック2の胴径を小さくすることが可能になる。これらは、圧縮機全体の体格を小型化して軽量化することに役立つし、構成が簡素になることから、製作コスト低減のためにも大いに寄与する。
【0033】
また、図示実施例は可変容量型の圧縮機に関するものであるが、本発明は吐出容量を可変とした点に特徴を有するものではないから、固定容量型の圧縮機に適用することも可能であることは明らかである。更に、本発明の適用対象は斜板型圧縮機にのみ限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施例として斜板型可変容量圧縮機を示す縦断正面図である。
【図2】シューの外形と、ピストンとの係合部を示す斜視図である。
【図3】シュー押さえ板とシューとの関連構成を例示する側面図である。
【図4】マフラー室への連通ポートの第1の配置例を示す側面図である。
【図5】マフラー室への連通ポートの第2の配置例を示す側面図である。
【図6】従来例を示す縦断正面図である。
【符号の説明】
1…フロントハウジング
2…シリンダブロック
3…リアハウジング
4…駆動軸
5…斜板
7…ピストン
8…シュー
10…バルブポートプレート
12…弁押さえ
22…マフラー室
23…連通ポート
24…単一の連通ポート
31…吸入室
32…吐出室
64…ベアリング

Claims (4)

  1. 動力源からの回転動力を受け入れる駆動軸と、
    該駆動軸に連結されて駆動されることにより回転すると共に、前記駆動軸に対して傾斜することができる斜板と、
    該斜板に対して係合することによって往復運動をするピストンと、
    該ピストンを受け入れるシリンダボアを前記駆動軸と平行に形成されたシリンダブロックと、
    前記ピストンによって前記シリンダボア内に形成される作動室へ流体を吸入させる吸入室と、
    前記作動室において圧縮された流体が吐出される吐出室と、
    前記シリンダブロックのデッドスペースを利用して形成される少なくとも1個の空間としてのマフラー室と、
    前記マフラー室と前記吸入室及び吐出室の少なくとも一方とを連通させる連通ポートと、
    吐出容量を変化させるために前記斜板の傾斜角度を変更する手段として、前記駆動軸と前記斜板とを連結するために、前記駆動軸の軸心から離れた位置に、複数個のピンと、それらのピンが係合する複数個の案内溝からなるスライドリンク機構を備えていることを特徴とする斜板型可変容量圧縮機。
  2. 請求項1に記載の斜板型可変容量圧縮機において、更に、転がり軸受であるドライブスラストベアリングを介して前記斜板によって支持されることにより前記斜板と同じ傾斜角度をとるが、回転は阻止されるシュー押さえ板と、
    該シュー押さえ板の周辺部に半径方向に形成されている複数個のシュー案内溝に係合して半径方向に摺動することができると共に、前記ピストンの端部に係合する複数個のシューを備えていることを特徴とする斜板型可変容量圧縮機。
  3. 請求項2に記載の斜板型可変容量圧縮機において、前記シューが、前記ピストンに設けられた球形端部と嵌合する球形の窪みを備えているシュー本体と、該シュー本体から一体的に両側へ張り出して前記シュー押さえ板に係合する一対のシュー鍔部とからなっていることを特徴とする斜板型可変容量圧縮機。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の斜板型可変容量圧縮機において、前記駆動軸が、ベアリングを介してハウジングの前端部分のみによって軸承されていることを特徴とする斜板型可変容量圧縮機。
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