JP2589192B2 - アクリル系繊維の湿式紡糸法及び収納法 - Google Patents
アクリル系繊維の湿式紡糸法及び収納法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、炭素繊維製造用アクリル系繊維(アクリル
系プレカーサー)の湿式紡糸法及びこのアクリル系繊維
の収納法に関するものである。
系プレカーサー)の湿式紡糸法及びこのアクリル系繊維
の収納法に関するものである。
特に、アクリル系繊維束の集束性を改善し、もって、
炭素繊維製造工程での操業安定性を高めたアクリル系繊
維製造法に関するものである。
炭素繊維製造工程での操業安定性を高めたアクリル系繊
維製造法に関するものである。
アクリル系繊維(プレカーサー)から炭素繊維を製造
する場合、一般に200〜300℃の酸化性雰囲気中で、いわ
ゆる耐炎化処理をし、次いで、350℃以上の不活性ガス
雰囲気中で炭素化処理又は黒鉛化処理をすることが必要
である。
する場合、一般に200〜300℃の酸化性雰囲気中で、いわ
ゆる耐炎化処理をし、次いで、350℃以上の不活性ガス
雰囲気中で炭素化処理又は黒鉛化処理をすることが必要
である。
特に、200〜300℃における耐炎化処理時、繊維束を構
成する単繊維相互の膠着の発生を防止することが重要と
され、このため、各種のシリコン系油剤を付与する方法
が提案されている(特開昭51−116225号、同52−34025
号、同56−49022号、同60−99011号等の公報参照)。
成する単繊維相互の膠着の発生を防止することが重要と
され、このため、各種のシリコン系油剤を付与する方法
が提案されている(特開昭51−116225号、同52−34025
号、同56−49022号、同60−99011号等の公報参照)。
しかしながら、これらのシリコン系油剤は、耐炎化時
における膠着発生の防止には効果があるものの、これら
油剤を、アクリル系繊維製造工程において紡糸後の水膨
潤状態の糸条の付与した場合、乾燥後の繊維に静電気が
発生し、このため繊維束の乱れ、ローラーやガイドへの
捲きつき、毛羽の発生時の問題を生じた。これらの問題
を改良するために、被膜を形成するアミノシリコンの使
用が提案されている(特開昭61−174424号公報参照)。
における膠着発生の防止には効果があるものの、これら
油剤を、アクリル系繊維製造工程において紡糸後の水膨
潤状態の糸条の付与した場合、乾燥後の繊維に静電気が
発生し、このため繊維束の乱れ、ローラーやガイドへの
捲きつき、毛羽の発生時の問題を生じた。これらの問題
を改良するために、被膜を形成するアミノシリコンの使
用が提案されている(特開昭61−174424号公報参照)。
しかし、該アミノシリコンを使用した場合、乾燥等の
熱処理により、油剤被膜(スカム)がローラーやガイド
類へ付着し、このため、アクリル敬繊維製造工程の操業
安定が損なわれた。
熱処理により、油剤被膜(スカム)がローラーやガイド
類へ付着し、このため、アクリル敬繊維製造工程の操業
安定が損なわれた。
本発明紡糸法の目的は、アクリル系繊維(プレカーサ
ー)の製造工程中における繊維束の集束性を向上し、毛
羽立ち、ローラー捲きつき等を防止し、工程通過性の改
善されたアクリル系繊維を提供することにある。
ー)の製造工程中における繊維束の集束性を向上し、毛
羽立ち、ローラー捲きつき等を防止し、工程通過性の改
善されたアクリル系繊維を提供することにある。
本発明紡糸法の他の目的は、高強度で毛羽立ちや膠着
のない優れた炭素繊維を製造する用途に供されるアクリ
ル系繊維を提供することにある。
のない優れた炭素繊維を製造する用途に供されるアクリ
ル系繊維を提供することにある。
本発明収納法は、水分偏在化がなく安定した高水分率
含有状態にて収納することを目的とする。
含有状態にて収納することを目的とする。
本発明は、下記の構成からなる。
(1)炭素繊維製造用アクリル系繊維を湿式紡糸法によ
り製造する当たり、まず、紡糸後の水膨潤状態の糸条
に、塩酸により、PH2〜3.5に調整されたアミノシリコン
系界面性剤含有水溶液又は水分散液で、乾燥繊維重量当
たり0.03〜2.0重量%になるようアミノシリコン系界面
活性剤を付着させ、このときのアミノシリコン系界面活
性剤は、空気中250℃、30分間の熱処理で樹脂化しうる
もので、かつ、残存量が80重量%以上であるアミノシリ
コン系界面活性剤であって、次いで、乾燥及び再延伸す
ることを特徴とする炭素繊維製造用アクリル系繊維の湿
式紡糸法。
り製造する当たり、まず、紡糸後の水膨潤状態の糸条
に、塩酸により、PH2〜3.5に調整されたアミノシリコン
系界面性剤含有水溶液又は水分散液で、乾燥繊維重量当
たり0.03〜2.0重量%になるようアミノシリコン系界面
活性剤を付着させ、このときのアミノシリコン系界面活
性剤は、空気中250℃、30分間の熱処理で樹脂化しうる
もので、かつ、残存量が80重量%以上であるアミノシリ
コン系界面活性剤であって、次いで、乾燥及び再延伸す
ることを特徴とする炭素繊維製造用アクリル系繊維の湿
式紡糸法。
(2)アミノシリコン系界面活性剤が、下記一般式で示
される化合物であることを特徴とする請求項(1)記載
の炭素繊維製造用アクリル系繊維の湿式紡糸法。
される化合物であることを特徴とする請求項(1)記載
の炭素繊維製造用アクリル系繊維の湿式紡糸法。
一般式 〔m、n:1〜100000の数 (m+n):10以上の数 R1、R2:炭素数1〜10のアルキレン基又はアリール基〕 (3)請求項(1)記載の湿式紡糸法により製造された
炭素繊維製造用アクリル系繊維を水分率30〜50重量%で
ケンスに収納することを特徴とする炭素繊維製造用アク
リル系繊維の収納法。
炭素繊維製造用アクリル系繊維を水分率30〜50重量%で
ケンスに収納することを特徴とする炭素繊維製造用アク
リル系繊維の収納法。
本発明の湿式紡糸法によると、アミノシリコン系界面
活性剤の親水性が高められるため、紡糸後の水膨潤繊維
への均一付与が可能となる。このため、乾燥緻密化工程
でのスカム(オイルスカム)の発生、繊維束の毛羽立
ち、捲きつき、静電気による集束性乱れ等の発生がな
く、工程通過性が改善される。
活性剤の親水性が高められるため、紡糸後の水膨潤繊維
への均一付与が可能となる。このため、乾燥緻密化工程
でのスカム(オイルスカム)の発生、繊維束の毛羽立
ち、捲きつき、静電気による集束性乱れ等の発生がな
く、工程通過性が改善される。
本発明において炭素繊維とは、黒鉛繊維を含む広義の
ものである。
ものである。
本発明においてアクリル系繊維とは、アクリロニトリ
ルを少なくとも90重量%以上、好ましくは95重量%以上
を含む重合体又は共重合体の繊維である。
ルを少なくとも90重量%以上、好ましくは95重量%以上
を含む重合体又は共重合体の繊維である。
アクリロニトリルと共重合させるコモノマーは、通
常、アクリロニトリルのコモノマーとして使用されるも
のと同じである。コモノマーとしては、例えば、アルキ
ルアクリレート(例えばメチルアクリレート、エチルア
クリレート、ブチルアクリレート等)、アルキルメタア
クリレート、ビニールアセテート、アクリルアマイド、
N−メチロールアクリルアマイド、アクリル酸、メタク
リル酸、ビニールスルホン酸、アリールスルホン酸及び
これらの塩類、酢酸ビニール、ビニールイミダゾール、
ビニールピリジン及びこれらの誘導体等である。
常、アクリロニトリルのコモノマーとして使用されるも
のと同じである。コモノマーとしては、例えば、アルキ
ルアクリレート(例えばメチルアクリレート、エチルア
クリレート、ブチルアクリレート等)、アルキルメタア
クリレート、ビニールアセテート、アクリルアマイド、
N−メチロールアクリルアマイド、アクリル酸、メタク
リル酸、ビニールスルホン酸、アリールスルホン酸及び
これらの塩類、酢酸ビニール、ビニールイミダゾール、
ビニールピリジン及びこれらの誘導体等である。
アクリロニトリル重合体又は共重合体の紡糸溶媒とし
ては、有機溶媒〔例えばジメチルホルムアミド(DM
F)、ジメチルスルホオキシド(DMSO)、ジメチルアセ
トアミド(DMAA)〕、無機溶媒〔例えば塩化亜鉛、ロダ
ン塩、硝酸〕があげられる。特に、アクリル系繊維の紡
糸原液としては、塩化亜鉛系水溶液が好ましい。塩化亜
鉛系水溶液とは、前記のごときアクリロニトリル重合体
又は共重合体を溶解するに十分な濃度を有するところの
塩化亜鉛を主成分とする水溶液であって、塩化亜鉛単
独、又は、これに塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩
化マグネシウム、塩化アンモニウムなどの無機塩を添加
した混合塩の濃厚水溶液である。混合塩における塩化亜
鉛含有比率は、約65重量%以上とすることが好ましい。
ては、有機溶媒〔例えばジメチルホルムアミド(DM
F)、ジメチルスルホオキシド(DMSO)、ジメチルアセ
トアミド(DMAA)〕、無機溶媒〔例えば塩化亜鉛、ロダ
ン塩、硝酸〕があげられる。特に、アクリル系繊維の紡
糸原液としては、塩化亜鉛系水溶液が好ましい。塩化亜
鉛系水溶液とは、前記のごときアクリロニトリル重合体
又は共重合体を溶解するに十分な濃度を有するところの
塩化亜鉛を主成分とする水溶液であって、塩化亜鉛単
独、又は、これに塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩
化マグネシウム、塩化アンモニウムなどの無機塩を添加
した混合塩の濃厚水溶液である。混合塩における塩化亜
鉛含有比率は、約65重量%以上とすることが好ましい。
紡糸原液の調製は、溶解法又は溶液重合法など既知の
方法によって行うことができる。塩化亜鉛系水溶液を溶
媒とする場合、重合体濃度は1〜25重量%、好ましくは
3〜15重量%、より好ましくは4〜12重量%のものが使
用される。
方法によって行うことができる。塩化亜鉛系水溶液を溶
媒とする場合、重合体濃度は1〜25重量%、好ましくは
3〜15重量%、より好ましくは4〜12重量%のものが使
用される。
湿式紡糸としては、通常知られている方法、即ち、低
濃度の紡糸溶媒中に直接吐出する方法又は一旦空気中に
吐出後低濃度紡糸溶媒中に導入し脱溶媒する方法等を採
用することができる。脱溶媒は、溶媒残存量が0〜0.3
重量%以下となるまで水洗して行われる。
濃度の紡糸溶媒中に直接吐出する方法又は一旦空気中に
吐出後低濃度紡糸溶媒中に導入し脱溶媒する方法等を採
用することができる。脱溶媒は、溶媒残存量が0〜0.3
重量%以下となるまで水洗して行われる。
例えば、塩化亜鉛系水溶液を溶媒とする場合、特開昭
58−13714号公報に記載されたごとき紡糸口金を使用
し、比較的低濃度、例えば10〜40重量%の凝固浴を用
い、紡糸が行われる。
58−13714号公報に記載されたごとき紡糸口金を使用
し、比較的低濃度、例えば10〜40重量%の凝固浴を用
い、紡糸が行われる。
凝固浴温度−20〜25℃,好ましくは0〜15℃、より好
ましくは6〜10℃,吐出線速度5〜50m/min、好ましく
は10〜30m/min、ドラフト率0.2〜10倍にて引き取り、次
いで、水洗脱溶媒し、この間に2〜4倍の伸張が施され
る。
ましくは6〜10℃,吐出線速度5〜50m/min、好ましく
は10〜30m/min、ドラフト率0.2〜10倍にて引き取り、次
いで、水洗脱溶媒し、この間に2〜4倍の伸張が施され
る。
紡糸された繊維は紡糸直後において通常は400重量%
以上の水分を含むが、分子配向が進むにつれて脱膨潤し
水洗後の状態では、水分率100〜200重量%である。アミ
ノシリコン系界面活性剤は、この状態の水膨潤繊維に対
し付与される。
以上の水分を含むが、分子配向が進むにつれて脱膨潤し
水洗後の状態では、水分率100〜200重量%である。アミ
ノシリコン系界面活性剤は、この状態の水膨潤繊維に対
し付与される。
延伸は、乾燥前及び乾燥後の両方において行われる、
通常は全延伸倍率で、5〜20倍、好ましくは8〜16倍延
伸が施される。
通常は全延伸倍率で、5〜20倍、好ましくは8〜16倍延
伸が施される。
乾燥前の延伸においては、延伸媒体として水を用い、
15〜95℃の条件下において2〜6倍、好ましくは2〜4
倍の延伸が施される。
15〜95℃の条件下において2〜6倍、好ましくは2〜4
倍の延伸が施される。
乾燥後の延伸(再延伸)においては、延伸媒体として
飽和水蒸気を用い、0.4〜1.2kg/cm2(G)の条件下にお
いて2〜10倍、好ましくは2〜8倍の延伸が施される。
飽和水蒸気を用い、0.4〜1.2kg/cm2(G)の条件下にお
いて2〜10倍、好ましくは2〜8倍の延伸が施される。
乾燥は、加熱ローラー接触方式、サクションドラム方
式等が一般的であるが、特にサクションドラムを用いた
熱風乾燥方式が好ましい。乾燥中、繊維は、緊張状態
で、定長又は15%以下の収縮を与える条件下に保持され
る。
式等が一般的であるが、特にサクションドラムを用いた
熱風乾燥方式が好ましい。乾燥中、繊維は、緊張状態
で、定長又は15%以下の収縮を与える条件下に保持され
る。
水膨潤状態の繊維は、防糸後、水洗脱溶媒、延伸を施
された水分率100〜200重量%の乾燥前の繊維である。ア
ミノシリコン系界面活性剤は、この状態の水膨潤繊維に
対して付与される。
された水分率100〜200重量%の乾燥前の繊維である。ア
ミノシリコン系界面活性剤は、この状態の水膨潤繊維に
対して付与される。
初膨潤状態の繊維に対するアミノシリコン系界面活性
剤の付与には、侵漬法、スプレー法、ローラー転写法、
リップ法等が採用され得るが、繊維束内部への均一付与
の点から侵漬法が好ましい。
剤の付与には、侵漬法、スプレー法、ローラー転写法、
リップ法等が採用され得るが、繊維束内部への均一付与
の点から侵漬法が好ましい。
水膨潤状態の繊維に対するアミノシリコン系界面活性
剤の付与は、繊維重量に対し、0.03〜2.0重量%がよ
い。付与量が0.03%重量%未満だと膠着防止効果が十で
ない。また、2.0重量%を超えると焼成後の炭素繊維の
強度が低下する。アミノシリコン系界面活性剤は、好適
には、下記(A)の一般式で示される化合物であり、ま
た、下記(B)の一般式で示される化合物でもよい。こ
れらのアミノシリコン系界面活性剤は、繊維処理剤(撥
水剤、柔軟仕上剤、風合改良剤)として知られている。
剤の付与は、繊維重量に対し、0.03〜2.0重量%がよ
い。付与量が0.03%重量%未満だと膠着防止効果が十で
ない。また、2.0重量%を超えると焼成後の炭素繊維の
強度が低下する。アミノシリコン系界面活性剤は、好適
には、下記(A)の一般式で示される化合物であり、ま
た、下記(B)の一般式で示される化合物でもよい。こ
れらのアミノシリコン系界面活性剤は、繊維処理剤(撥
水剤、柔軟仕上剤、風合改良剤)として知られている。
(A)一般式 (B)一般式 〔m、n、p:1〜100000の数 (m+n):10以上の数 R1、R2:炭素数1〜10のアルキレン基又はアリール基〕 アミノシリコン系界面活性剤の耐熱性は、250℃、30
分間空気中で熱処理したとき、樹脂化によって被膜を形
成するもので、かつ、前記熱処理後の残存率が80重量%
以上の耐熱性を有するものであることが必要である。こ
れは耐炎化工程での繊維束の集束性を改善するため及び
高強度の炭素繊維を得るために必要である。
分間空気中で熱処理したとき、樹脂化によって被膜を形
成するもので、かつ、前記熱処理後の残存率が80重量%
以上の耐熱性を有するものであることが必要である。こ
れは耐炎化工程での繊維束の集束性を改善するため及び
高強度の炭素繊維を得るために必要である。
ここで残存率(耐熱残存率)及び樹脂化は以下によっ
て求められる。
て求められる。
直径が100mm、高さ10mmのステンレス製平底皿には試
料(エマルジョン状態のときは、105℃×3hrの前処理に
よって乾燥する。)約1gを精秤し、250℃に加熱された
熱風循環式乾燥機中で30分間処理し、冷却後精秤し、次
式により耐熱残存率を求める。
料(エマルジョン状態のときは、105℃×3hrの前処理に
よって乾燥する。)約1gを精秤し、250℃に加熱された
熱風循環式乾燥機中で30分間処理し、冷却後精秤し、次
式により耐熱残存率を求める。
耐熱残存率=(加熱処理後の重量/加熱前の重量) ×100(重量%) 樹脂化については、加熱処理後の皿に残った試料につ
いて、肉眼観察により樹脂状(固状)か液状かを判断
し、樹脂状となったものを樹脂化しうるアミノシリコン
系界面活性剤とする。
いて、肉眼観察により樹脂状(固状)か液状かを判断
し、樹脂状となったものを樹脂化しうるアミノシリコン
系界面活性剤とする。
アミノシリコン系界面活性剤は、水溶液又は水分散液
で使用され、この濃度は1〜30g/が適当である。
で使用され、この濃度は1〜30g/が適当である。
アミノシリコン系界面活性剤の水溶液又は水分散液
は、PHを2〜3.5に調整する。
は、PHを2〜3.5に調整する。
このようにして調整されたアミノシリコン系界面活性
剤の水溶液又は水分散液を付与された繊維は、乾燥緻密
化時に静電気による毛羽立ちがなく、繊維束の集束性も
良好である。
剤の水溶液又は水分散液を付与された繊維は、乾燥緻密
化時に静電気による毛羽立ちがなく、繊維束の集束性も
良好である。
通常、アミノシリコン系界面活性剤が付与された水膨
潤状態の繊維は、乾燥緻密化、再延伸、収縮処理等が施
される。
潤状態の繊維は、乾燥緻密化、再延伸、収縮処理等が施
される。
再延伸は、0.4〜1.2kg/cm2(G)の飽和水蒸気中で行
う。このとき、従来法による高いPH条件下でのアミノシ
リコン系界面活性剤の付与では、乾燥緻密化工程で、繊
維が疎水性となり静電気による毛羽立ちを生じ、再延伸
性も著しく低下する。また、従来法では、維持は再延伸
後も撥水性が強く、水分を付与することが困難で、集束
性を改良することができない。
う。このとき、従来法による高いPH条件下でのアミノシ
リコン系界面活性剤の付与では、乾燥緻密化工程で、繊
維が疎水性となり静電気による毛羽立ちを生じ、再延伸
性も著しく低下する。また、従来法では、維持は再延伸
後も撥水性が強く、水分を付与することが困難で、集束
性を改良することができない。
アミノシリコン系界面活性剤のPHを2〜3.5にするこ
とにより、乾燥緻密化後の繊維は、親水性を有してお
り、静電気の発生もなく、延伸性も良好である。
とにより、乾燥緻密化後の繊維は、親水性を有してお
り、静電気の発生もなく、延伸性も良好である。
このようにして各工程を経た繊維は、水分率80〜50重
量%に調整されケンスに収納される。
量%に調整されケンスに収納される。
再延伸後の水分率が30重量%より低い場合は、スプレ
ー法、侵漬法、ローラー転写法、リップ法等により水を
付与し、水分率を調整することができる。水分率が50重
量%より高い場合は、ニップローラーの絞り圧によって
容易に調整ができる。
ー法、侵漬法、ローラー転写法、リップ法等により水を
付与し、水分率を調整することができる。水分率が50重
量%より高い場合は、ニップローラーの絞り圧によって
容易に調整ができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
炭素繊維の膠着数、毛羽数は下記の方法で測定した。
(膠着数の測定法) ストランドを3mmの長さに切断し、アセトン中に投入
し、超音波洗浄を行って、サイジング剤を溶解除法した
後、顕微鏡により6.3倍率下で太い膠着糸を数える。
し、超音波洗浄を行って、サイジング剤を溶解除法した
後、顕微鏡により6.3倍率下で太い膠着糸を数える。
(毛羽数の測定法) ストランドをアセトンに侵漬して、サイジング剤を溶
解除去した後、風乾し、ストランドの端に約30gのテン
ション下において、直径10mmφの硬質ガラス棒にループ
状に掛けて、ゆっくり引張り、ループ先端部に突出した
毛羽数を顕微鏡で6.3倍率下、1mの間測定する。
解除去した後、風乾し、ストランドの端に約30gのテン
ション下において、直径10mmφの硬質ガラス棒にループ
状に掛けて、ゆっくり引張り、ループ先端部に突出した
毛羽数を顕微鏡で6.3倍率下、1mの間測定する。
実施例1 60重量%の塩化亜鉛水溶液を溶媒として、アクリロニ
トリル97重量%、アクリル酸メチル3重量%、分子量80
00、濃度7重量%の重合体溶液を紡糸原液として、孔数
12000個、孔径0.065mmφのノズルを使用し、10℃、25重
量%の塩化亜鉛水溶液中に吐出して凝固させた。
トリル97重量%、アクリル酸メチル3重量%、分子量80
00、濃度7重量%の重合体溶液を紡糸原液として、孔数
12000個、孔径0.065mmφのノズルを使用し、10℃、25重
量%の塩化亜鉛水溶液中に吐出して凝固させた。
得られた凝固糸を15〜95℃の温水中で洗浄しながらト
ータル3.2倍の多段延伸を行い、水分率160重量%の水膨
潤アクリル系繊維を得た。次に、該水膨潤繊維を塩酸で
PH3.0に調整した下記化学式で示されるアミノシリコン
(空気中、250℃で30分間熱処理後の残存量が95重量%
であり、樹脂状のもの)の水分散液(10g/)で処理し
た後、70〜150℃のサクションドラム乾燥機で水分率が
1重量%以下になるまで乾燥緻密可した。次いで、80℃
の熱水浴を通した後、0.7kg/cm2(G)の飽和水蒸気中
で、5倍の再延伸を行い、ケンス内に振込み0.9デニー
ル、12000本のストランドを得た。
ータル3.2倍の多段延伸を行い、水分率160重量%の水膨
潤アクリル系繊維を得た。次に、該水膨潤繊維を塩酸で
PH3.0に調整した下記化学式で示されるアミノシリコン
(空気中、250℃で30分間熱処理後の残存量が95重量%
であり、樹脂状のもの)の水分散液(10g/)で処理し
た後、70〜150℃のサクションドラム乾燥機で水分率が
1重量%以下になるまで乾燥緻密可した。次いで、80℃
の熱水浴を通した後、0.7kg/cm2(G)の飽和水蒸気中
で、5倍の再延伸を行い、ケンス内に振込み0.9デニー
ル、12000本のストランドを得た。
このようにして得られたストランドは、34重量%の水
分を有し、アミノシリコンの付着量が0.25重量%であり
毛羽立ちのない、集束性に優れたアクリル系繊維(プレ
カーサー)であった。
分を有し、アミノシリコンの付着量が0.25重量%であり
毛羽立ちのない、集束性に優れたアクリル系繊維(プレ
カーサー)であった。
このプレカーサーを用いて、常法により240〜270℃範
囲で温度勾配を有する耐炎化で40分間連続的に耐炎化
処理を行い、次いで、窒素気流中300〜1300℃の温度勾
配を有する炭素化炉で5分間処理して炭素繊維とした。
囲で温度勾配を有する耐炎化で40分間連続的に耐炎化
処理を行い、次いで、窒素気流中300〜1300℃の温度勾
配を有する炭素化炉で5分間処理して炭素繊維とした。
得られた炭素繊維は、引張温度550kgf/mm2、引張弾性
率24.3t/mm2の性能を有していた。この炭素繊維の膠着
は、7個、毛羽数は、36個/mと少なかった。
率24.3t/mm2の性能を有していた。この炭素繊維の膠着
は、7個、毛羽数は、36個/mと少なかった。
以上の結果から、本発明法によって得られた炭素繊維
の物性が優れていることが確認された。
の物性が優れていることが確認された。
(m:350) (n:7) 実施例2及び比較例1〜2 実施例1と同じ紡糸条件で、アミノシリコン水分散液
のPHを変えてプレカーサーを製造し、このときの工程状
況を観察したところ、第1表に示す結果を得た。
のPHを変えてプレカーサーを製造し、このときの工程状
況を観察したところ、第1表に示す結果を得た。
次に、これらのプレカーサーを実施例1と同じ条件で
炭素化し、このときの工程状況及び炭素繊維の性能を第
2表に示した。
炭素化し、このときの工程状況及び炭素繊維の性能を第
2表に示した。
第1表及び第2表の結果から、アミノシリコン分散液
をPHが2〜3.5であるとき、プレカーサー及び炭素繊維
製造工程における工程通過性が改善され、得られた炭素
繊維の強度も高いことがわかる。
をPHが2〜3.5であるとき、プレカーサー及び炭素繊維
製造工程における工程通過性が改善され、得られた炭素
繊維の強度も高いことがわかる。
実施例3〜5及び比較例3〜5 実施例1と同じ紡糸条件で、耐熱残存率および加熱処
理後の状態の異なるアミノシリコンを使用してプレカー
サーを製造した。このときの工程状況を観察したとこ
ろ、第3表に示す結果を得た。
理後の状態の異なるアミノシリコンを使用してプレカー
サーを製造した。このときの工程状況を観察したとこ
ろ、第3表に示す結果を得た。
次に、これらのプレカーサーを実施例1と同じ条件で
炭素化し、このときの工程状況及び炭素繊維の性能を第
4表に示す。
炭素化し、このときの工程状況及び炭素繊維の性能を第
4表に示す。
第3表及び第4表の結果から、アミノシリコン系界面
活性剤の耐熱性が、250℃で30分の加熱により、残存量
が80重量%以上で、かつ、樹脂化するものについては、
工程通過性及び炭素繊維の性能に優れていることがわか
る。
活性剤の耐熱性が、250℃で30分の加熱により、残存量
が80重量%以上で、かつ、樹脂化するものについては、
工程通過性及び炭素繊維の性能に優れていることがわか
る。
実施例6〜10及び比較例6〜7 実施例1と同じ紡糸条件でアミノシリコンの濃度を変
えて付着量の異なるプレカーサーを製造し、このプレカ
ーサーを実施例1と同じ炭素化条件で炭素化した。得ら
れた炭素繊維の性能を第5表に示す。
えて付着量の異なるプレカーサーを製造し、このプレカ
ーサーを実施例1と同じ炭素化条件で炭素化した。得ら
れた炭素繊維の性能を第5表に示す。
第5表の結果からアミノシリコン系界面活性剤の付着
量が0.03〜2.0重量%のとき、一層優れた性能の得られ
ることがわかる。
量が0.03〜2.0重量%のとき、一層優れた性能の得られ
ることがわかる。
(1)アミノシリコン系界面活性剤が、低いPH条件に調
整されることにより、乾燥後の繊維が親水性となり、繊
維束の集束性を改善することができる。
整されることにより、乾燥後の繊維が親水性となり、繊
維束の集束性を改善することができる。
(2)乾燥後のスカムの発生が抑制される。
(3)アミノシリコン系界面活性剤の付与が、低いPH条
件で行われるため乾燥緻密化後の繊維束が親水性とな
る。この結果、再延伸を0.4〜1.2kg/cm2(G)の飽和水
蒸気中で行った場合、繊維の水分率が30〜50重量%とな
り、静電気の発生がなく、集束性が向上し、工程トラブ
ルがなくなる。
件で行われるため乾燥緻密化後の繊維束が親水性とな
る。この結果、再延伸を0.4〜1.2kg/cm2(G)の飽和水
蒸気中で行った場合、繊維の水分率が30〜50重量%とな
り、静電気の発生がなく、集束性が向上し、工程トラブ
ルがなくなる。
(4)水分率30〜50重量%の安定した状態でケンス収納
が可能であり、解じょ性のよい大型パッケージ化が可能
となる。
が可能であり、解じょ性のよい大型パッケージ化が可能
となる。
(5)耐熱性が高く、かつ、加熱処理により樹脂化しう
るアミノシリコン系界面活性剤を使用することにより、
耐炎化工程での膠着がなく、高品位の炭素繊維を得るこ
とができる。
るアミノシリコン系界面活性剤を使用することにより、
耐炎化工程での膠着がなく、高品位の炭素繊維を得るこ
とができる。
Claims (3)
- 【請求項1】炭素繊維製造用アクリル系繊維を湿式紡糸
法により製造するに当たり、まず、紡糸後の水膨潤状態
の糸条に、塩酸により、PH2〜3.5に調整されたアミノシ
リコン系界面活性剤含有水溶液又は水分散液で、乾燥繊
維重量当たり0.03〜2.0重量%になるようアミノシリコ
ン系界面活性剤を付着させ、このときのアミノシリコン
系界面活性剤は、空気中250℃、30分間の熱処理で樹脂
化しうるもので、かつ、残存量が80重量%以上であるア
ミノシリコン系界面活性剤であって、次いで、乾燥及び
再延伸することを特徴とする炭素繊維製造用アクリル系
繊維の湿式紡糸法。 - 【請求項2】アミノシリコン系界面活性剤が、下記一般
式で示される化物であることを特徴とする請求項(1)
記載の炭素繊維製造用アクリル系繊維の湿式紡糸法。 一般式 〔m、n:1〜100000の数 (m+n):10以上の数 R1、R2:炭素数1〜10のアルキレン基又はアリール基〕 - 【請求項3】請求項(1)記載の湿式紡糸法により製造
された炭素繊維製造用アクリル系繊維を水分率30〜50重
量%でケンスに収納することを特徴とする炭素繊維製造
用アクリル系繊維の収納法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33932489A JP2589192B2 (ja) | 1989-12-27 | 1989-12-27 | アクリル系繊維の湿式紡糸法及び収納法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33932489A JP2589192B2 (ja) | 1989-12-27 | 1989-12-27 | アクリル系繊維の湿式紡糸法及び収納法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03199410A JPH03199410A (ja) | 1991-08-30 |
JP2589192B2 true JP2589192B2 (ja) | 1997-03-12 |
Family
ID=18326381
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33932489A Expired - Fee Related JP2589192B2 (ja) | 1989-12-27 | 1989-12-27 | アクリル系繊維の湿式紡糸法及び収納法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2589192B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001288613A (ja) * | 2000-03-30 | 2001-10-19 | Toho Tenax Co Ltd | 炭素繊維用プリカーサーとその製造方法及び炭素繊維の製造方法 |
JP5249653B2 (ja) * | 2008-07-07 | 2013-07-31 | 三菱レイヨン株式会社 | 炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法及びその製造装置 |
EP2554725B1 (en) * | 2010-03-31 | 2015-09-09 | Kolon Industries, Inc. | Method for preparing carbon fiber and precursor fiber for carbon fiber |
-
1989
- 1989-12-27 JP JP33932489A patent/JP2589192B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03199410A (ja) | 1991-08-30 |
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