JP2578599B2 - 耐硫化物応力腐食割れ性の優れた低降伏比鋼材の製造法 - Google Patents
耐硫化物応力腐食割れ性の優れた低降伏比鋼材の製造法Info
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- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、硫化物腐食環境においても良好な耐応力腐
食割れ性を有する低降伏比鋼材の製造法に関するもので
ある。
食割れ性を有する低降伏比鋼材の製造法に関するもので
ある。
従来、耐硫化物応力腐食割れ性(以下、耐SSC性と記
す)を有する鋼材は、例えば「鉄と鋼′80−S503」では
SSCの発生要因と考えられているMnS,Al2O3等非金属介在
物の低減、「日本鋼管技報No.87(1967)」ではQT処理
による組織の均質化などにより製造されることが報告さ
れている。しかしながら、QT処理により結晶粒が微細化
すると降伏強度が高くなりその結果、鋼材の降伏化(降
伏強度/引張強度)が高くなるためパイプラインあるい
はその他の構造物の使用設計上問題となっている。
す)を有する鋼材は、例えば「鉄と鋼′80−S503」では
SSCの発生要因と考えられているMnS,Al2O3等非金属介在
物の低減、「日本鋼管技報No.87(1967)」ではQT処理
による組織の均質化などにより製造されることが報告さ
れている。しかしながら、QT処理により結晶粒が微細化
すると降伏強度が高くなりその結果、鋼材の降伏化(降
伏強度/引張強度)が高くなるためパイプラインあるい
はその他の構造物の使用設計上問題となっている。
SSCの発生は本発明者らの推測によると、応力下での
フェライトと非金属介在物との界面の水素脆化現象によ
り起ると考えられる。つまり、鋼の腐食反応により生成
した水素が鋼中に侵入し、非金属介属物との界面で水素
分子を形成しその圧力でマトリックスに応力集中域が発
生する。そのような領域は、水素濃度が高くなりマトリ
ックスは脆化する。この場合、外応力の存在下でフェラ
イトの強度がパーライトに比べ極端に低いとフェライト
のミクロな塑性変形が大きくなり水素脆化はより加速さ
れるものと判断している。
フェライトと非金属介在物との界面の水素脆化現象によ
り起ると考えられる。つまり、鋼の腐食反応により生成
した水素が鋼中に侵入し、非金属介属物との界面で水素
分子を形成しその圧力でマトリックスに応力集中域が発
生する。そのような領域は、水素濃度が高くなりマトリ
ックスは脆化する。この場合、外応力の存在下でフェラ
イトの強度がパーライトに比べ極端に低いとフェライト
のミクロな塑性変形が大きくなり水素脆化はより加速さ
れるものと判断している。
しかるに、硫化物腐食環境に使用される鋼材に耐SSC
性が優れた低降伏比の鋼が要求されるが、その製造法に
おいて非金属介在物の低減化を図らねばならない厄介な
問題が鋼の製造作業にあった。
性が優れた低降伏比の鋼が要求されるが、その製造法に
おいて非金属介在物の低減化を図らねばならない厄介な
問題が鋼の製造作業にあった。
本発明者らは、耐SSC性の優れた低降伏化鋼材を製造
することを目的に多くの実験を行ない検討した結果、鋼
の成分、熱間圧延条件さらには熱間圧延後の熱処理条件
などを制御することによって、非金属介在物、析出物あ
るいはパーライト等が存在する場合においてもフェライ
トの強化によって上述のようなミクロな塑性変形を抑制
し耐SSCを著しく向上させかつ低降伏比の鋼材が製造さ
れることを知見した。本発明は、この知見に基づいて構
成したものでその要旨は、 C:0.02〜0.20% Si:0.01〜0.50% Mn:0.2〜2.5% P:0.025%以下 S:0.02%以下 Al:0.1%以下 Nb:0.01〜0.10% を含有しさらに上記成分に Cu:0.05〜0.5% Ce:0.007〜0.07% Ca:0.001〜0.07% N:0.0020〜0.0250%のA群から選
ばれた1種または2種以上と、 又は Ti:0.005〜0.035% B:0.0003〜0.003% Cr:0.05〜1.0% Mo:0.05〜0.5% Ni:0.05〜3.0%のB群から選ばれた1種または2種以上
と さらに又A群から選ばれた1種又は2種と、B群から選
ばれた1種又は2種と、 を含有して残部がFeからなる鋼片を、熱間圧延中に1100
℃以上の温度に加熱し引き続き熱間圧延をして自然冷却
する耐硫化物応力腐食割れ性の優れた低降伏比鋼材の製
造法である。
することを目的に多くの実験を行ない検討した結果、鋼
の成分、熱間圧延条件さらには熱間圧延後の熱処理条件
などを制御することによって、非金属介在物、析出物あ
るいはパーライト等が存在する場合においてもフェライ
トの強化によって上述のようなミクロな塑性変形を抑制
し耐SSCを著しく向上させかつ低降伏比の鋼材が製造さ
れることを知見した。本発明は、この知見に基づいて構
成したものでその要旨は、 C:0.02〜0.20% Si:0.01〜0.50% Mn:0.2〜2.5% P:0.025%以下 S:0.02%以下 Al:0.1%以下 Nb:0.01〜0.10% を含有しさらに上記成分に Cu:0.05〜0.5% Ce:0.007〜0.07% Ca:0.001〜0.07% N:0.0020〜0.0250%のA群から選
ばれた1種または2種以上と、 又は Ti:0.005〜0.035% B:0.0003〜0.003% Cr:0.05〜1.0% Mo:0.05〜0.5% Ni:0.05〜3.0%のB群から選ばれた1種または2種以上
と さらに又A群から選ばれた1種又は2種と、B群から選
ばれた1種又は2種と、 を含有して残部がFeからなる鋼片を、熱間圧延中に1100
℃以上の温度に加熱し引き続き熱間圧延をして自然冷却
する耐硫化物応力腐食割れ性の優れた低降伏比鋼材の製
造法である。
以下、本発明の製造法について詳細に説明する。
本発明において上記の様な鋼成分に限定した理由につ
いて先ず説明する。CおよびNbはNbCとしてフェライト
中に微細析出してフェライトの強化を図る成分である。
第1図は、C含有量を一定にしてNb含有量を変化させた
鋼の硬化度(ΔHv)を示したもので少な過ぎるとその効
果がなく多過ぎてもその効果が飽和するため、それぞれ
0.02〜0.2%、0.01〜0.10%とした。
いて先ず説明する。CおよびNbはNbCとしてフェライト
中に微細析出してフェライトの強化を図る成分である。
第1図は、C含有量を一定にしてNb含有量を変化させた
鋼の硬化度(ΔHv)を示したもので少な過ぎるとその効
果がなく多過ぎてもその効果が飽和するため、それぞれ
0.02〜0.2%、0.01〜0.10%とした。
Siは、固溶効果により強度の増大を図るため必要な成
分である。しかし少な過ぎると効果がなく多過ぎると靱
性劣化をきたし、溶接性にも悪影響をおよぼすため効果
と他への影響を考慮して0.01〜0.5%とした。
分である。しかし少な過ぎると効果がなく多過ぎると靱
性劣化をきたし、溶接性にも悪影響をおよぼすため効果
と他への影響を考慮して0.01〜0.5%とした。
Mnは、結晶粒を微細化し靱性を向上させる有効な成分
であるが少な過ぎるとその効果はなく多過ぎると低温変
態生成物をつくり靱性の劣化をきたす。したがってMnの
含有量は0.2〜2.5%とした。
であるが少な過ぎるとその効果はなく多過ぎると低温変
態生成物をつくり靱性の劣化をきたす。したがってMnの
含有量は0.2〜2.5%とした。
Pは、パーライトに偏析してSSC発生を促進させ耐SSC
性を著しく劣化させる有害な成分であるためその含有量
を0.025%以下とした。
性を著しく劣化させる有害な成分であるためその含有量
を0.025%以下とした。
Sは、延伸した硫化物を生成してSSCの発生を促進さ
せ耐SSC性を著しく劣化させるのでその上限を0.02%以
下とした。
せ耐SSC性を著しく劣化させるのでその上限を0.02%以
下とした。
Al含有量の増加は、クラスター状のAl2O3を生成して
耐SSC性を著しく劣化させるためその上限を0.1%以下と
した。
耐SSC性を著しく劣化させるためその上限を0.1%以下と
した。
上記のよう成分組成で構成された鋼は、耐SSC性を向
上させた低降伏比の鋼材を製造する。また、本発明は上
記の成分の他にCu,Ce,Caなどの耐SSC改善成分やTi,Bな
どの強化成分の少量を選択的に添加する。
上させた低降伏比の鋼材を製造する。また、本発明は上
記の成分の他にCu,Ce,Caなどの耐SSC改善成分やTi,Bな
どの強化成分の少量を選択的に添加する。
Cuは、鋼中への水素侵入抑制効果があり、耐SSC性に
有効に働くが少ないと効果がなく多過ぎるとその効果は
飽和しまた溶接性にも悪影響をおよぼす。したがってCu
の含有量は0.05〜0.5%とした。
有効に働くが少ないと効果がなく多過ぎるとその効果は
飽和しまた溶接性にも悪影響をおよぼす。したがってCu
の含有量は0.05〜0.5%とした。
Ce,Caは硫化物の延伸防止およびクラスター状のAl2O3
の生成を防止し耐SSC性に有効な成分であるが、少ない
とその効果が少なく多過ぎると鋼の清浄度を低下させ耐
SSC性を低下させる。したがってそれぞれの成分の含有
量を0.007〜0.07%、0.001〜0.07%とした。
の生成を防止し耐SSC性に有効な成分であるが、少ない
とその効果が少なく多過ぎると鋼の清浄度を低下させ耐
SSC性を低下させる。したがってそれぞれの成分の含有
量を0.007〜0.07%、0.001〜0.07%とした。
Nは自然冷却時Nb(CN)としてフェライト中に微細析
出してフェライトの強化を図る重要な成分である。少な
いとその効果がなく多過ぎてもその効果が飽和するため
0.0020〜0.0250%とした。
出してフェライトの強化を図る重要な成分である。少な
いとその効果がなく多過ぎてもその効果が飽和するため
0.0020〜0.0250%とした。
Tiは、窒化物を生成し結晶粒を微細化し靱性を向上さ
せる成分である。しかし含有量が0.005%未満ではその
効果はなくまた0.035%を超える過剰な含有量で巨大な
窒化物を生成して耐SSC性を劣化させる。したがってTi
成分の含有量を0.005〜0.035%した。
せる成分である。しかし含有量が0.005%未満ではその
効果はなくまた0.035%を超える過剰な含有量で巨大な
窒化物を生成して耐SSC性を劣化させる。したがってTi
成分の含有量を0.005〜0.035%した。
Bは、自然冷却中のフェライト変態抑制効果があり強
度上昇に有効な成分であるが、少ないとその効果がなく
多過ぎてもその効果は飽和するため0.0003〜0.003%と
した。
度上昇に有効な成分であるが、少ないとその効果がなく
多過ぎてもその効果は飽和するため0.0003〜0.003%と
した。
Niは、結晶粒の微細化により靱性の向上に有効に働ら
くが、少ないとその効果はなく多過ぎてもその効果は飽
和し、また高価であるため3.0%とした。
くが、少ないとその効果はなく多過ぎてもその効果は飽
和し、また高価であるため3.0%とした。
次に本発明の製造法について説明する。
上記のような成分組成の鋼は転炉、電気炉等の溶解炉
が溶製され、連続鋳造法または造塊、分塊法で鋼片を製
造し、直ちにあるいは一担冷却された後再加熱されて、
鋼板、鋼管、形鋼など必要な形状に熱間圧延される。こ
のようにして熱間圧延された鋼は、低降伏比は達成でき
るが耐SSC性は低くH2Oガス等を含んだような厳しい腐食
環境での使用に問題があった。したがって、本発明はこ
の問題を解決するために熱間圧延中鋼中のNbが固溶する
1100℃以上の温度に加熱し引き続き熱間圧延をして自然
冷却を施す。この処理は圧延ままあるいはNb析出物がほ
とんど固溶しない1100℃未満の再加熱温度からの自然冷
却を行った鋼材の耐SSC性の著しい低下を防止するため
に行うものである。
が溶製され、連続鋳造法または造塊、分塊法で鋼片を製
造し、直ちにあるいは一担冷却された後再加熱されて、
鋼板、鋼管、形鋼など必要な形状に熱間圧延される。こ
のようにして熱間圧延された鋼は、低降伏比は達成でき
るが耐SSC性は低くH2Oガス等を含んだような厳しい腐食
環境での使用に問題があった。したがって、本発明はこ
の問題を解決するために熱間圧延中鋼中のNbが固溶する
1100℃以上の温度に加熱し引き続き熱間圧延をして自然
冷却を施す。この処理は圧延ままあるいはNb析出物がほ
とんど固溶しない1100℃未満の再加熱温度からの自然冷
却を行った鋼材の耐SSC性の著しい低下を防止するため
に行うものである。
したがって、Nbなどの析出物を必要かつ充分固溶する
1100℃以上の温度に加熱し、さらに冷却過程において強
度や靱性に影響を及ぼすことなく、降伏比を高めること
なくしかも鋼中に過度の応力を存在せしめないように自
然冷却あるいはそれ以上の緩冷却を行う必要がある。す
なわち、圧延中加熱は冷却中に微細析出させフェライト
を強化せしめるため充分な固溶温度を確保する必要があ
るが、その加熱温度は1100〜1150℃で充分である。保定
時間は特に限定しないが誘導加熱のような短時間あるい
は炉加熱による長時間加熱でもよい。ただ、あまり長時
間(100分以上)保定すると加熱温度によっては結晶粒
の著しい成長をきたし耐SSC性を劣化させる傾向にあ
る。
1100℃以上の温度に加熱し、さらに冷却過程において強
度や靱性に影響を及ぼすことなく、降伏比を高めること
なくしかも鋼中に過度の応力を存在せしめないように自
然冷却あるいはそれ以上の緩冷却を行う必要がある。す
なわち、圧延中加熱は冷却中に微細析出させフェライト
を強化せしめるため充分な固溶温度を確保する必要があ
るが、その加熱温度は1100〜1150℃で充分である。保定
時間は特に限定しないが誘導加熱のような短時間あるい
は炉加熱による長時間加熱でもよい。ただ、あまり長時
間(100分以上)保定すると加熱温度によっては結晶粒
の著しい成長をきたし耐SSC性を劣化させる傾向にあ
る。
次に本発明の実施例について説明する。
表は転炉で溶製し連続鋳造法を経て製造された鋼片を
継目無し鋼管への熱間圧延中に再加熱しその後最終仕上
げ圧延を行った鋼で、いずれも自然冷却を行ったときの
強度、降伏比、フェライト硬さ、耐SSC性を示す。熱間
圧延中の再加熱および焼準し温度は1100〜1150℃で行っ
た。尚SSC特性は、NACE TM−01−77に従った定荷重方式
によりσth(Threshold stress)を求めて評価した。
継目無し鋼管への熱間圧延中に再加熱しその後最終仕上
げ圧延を行った鋼で、いずれも自然冷却を行ったときの
強度、降伏比、フェライト硬さ、耐SSC性を示す。熱間
圧延中の再加熱および焼準し温度は1100〜1150℃で行っ
た。尚SSC特性は、NACE TM−01−77に従った定荷重方式
によりσth(Threshold stress)を求めて評価した。
本発明によって製造した鋼は、比較法に比し耐SSC性
はσthで0.2σy程度向上し、しかも低降伏比を示すこ
とがわかる。
はσthで0.2σy程度向上し、しかも低降伏比を示すこ
とがわかる。
〔発明の効果〕 上記のような本発明法によって製造された鋼は、耐SS
C性が優れ、かつ低降伏比の性質を示し、各種の用途分
野に広く使用される。
C性が優れ、かつ低降伏比の性質を示し、各種の用途分
野に広く使用される。
第1図はフェライト硬さの上昇幅の及ぼすNbの影響を示
す。
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 十河 泰雄 北九州市八幡東区枝光1−1−1 新日 本製鐵株式会社八幡製鐵所内 (56)参考文献 特開 昭63−250416(JP,A) 特開 昭58−120716(JP,A) 特開 昭58−87221(JP,A) 特開 昭60−204829(JP,A)
Claims (4)
- 【請求項1】C:0.02〜0.20% Si:0.01〜0.50% Mn:0.2〜2.5% P:0.025%以下 S:0.02%以下 Al:0.1%以下 Nb:0.01〜0.10% を含有して残部がFeおよび不可避不純物からなる鋼片
を、熱間圧延中に1100℃以上の温度に加熱し引き続き熱
間圧延をして自然冷却することを特徴とする耐硫化物応
力腐食割れ性の優れた低降伏比鋼材の製造法。 - 【請求項2】C:0.02〜0.20% Si:0.01〜0.50% Mn:0.2〜2.5% P:0.025%以下 S:0.02%以下 Al:0.1%以下 Nb:0.01〜0.10%を含有しさらに Cu:0.05〜0.5% Ce:0.007〜0.07% Ca:0.001〜0.07% N:0.0020〜0.0250%の1種または2種以上を含有して残
部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼片を、熱間圧延
中に1100℃以上の温度に加熱し引き続き熱間圧延をして
自然冷却することを特徴とする耐硫化物応力腐食割れ性
の優れた低降伏比鋼材の製造法。 - 【請求項3】C:0.02〜0.20% Si:0.01〜0.50% Mn:0.2〜2.5% P:0.025%以下 S:0.02%以下 Al:0.1%以下 Nb:0.01〜0.10%を含有しさらに Ti:0.005〜0.035% B:0.0003〜0.003% Cr:0.05〜1.0% Mo:0.05〜0.5% Ni:0.05〜3.0%の1種または2種以上を含有し残部がFe
および不可避的不純物からなる鋼片を熱間圧延中に1100
℃以上の温度に加熱し引き続き熱間圧延をして自然冷却
することを特徴とする耐硫化物応力腐食割れ性の優れた
低降伏比鋼材の製造法。 - 【請求項4】C:0.02〜0.20% Si:0.01〜0.50% Mn:0.2〜2.5% P:0.025%以下 S:0.02%以下 Al:0.1%以下 Nb:0.01〜0.10%を含有しさらに Cu:0.05〜0.5% Ce:0.007〜0.07% Ca:0.001〜0.07% N:0.0020〜0.0250%の1種または2種以上と Ti:0.005〜0.035% B:0.0003〜0.003% Cr:0.05〜1.0% Mo:0.05〜0.5% Ni:0.05〜3.0%の1種または2種以上を含有して残部が
Feおよび不可避的不純物からなる鋼片を、熱間圧延中に
1100℃以上の温度に加熱し引き続き熱間圧延を自然冷却
することを特徴とする耐硫化物応力腐食割れ性の優れた
低降伏比鋼材の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62084620A JP2578599B2 (ja) | 1987-04-08 | 1987-04-08 | 耐硫化物応力腐食割れ性の優れた低降伏比鋼材の製造法 |
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JP62084620A JP2578599B2 (ja) | 1987-04-08 | 1987-04-08 | 耐硫化物応力腐食割れ性の優れた低降伏比鋼材の製造法 |
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1987
- 1987-04-08 JP JP62084620A patent/JP2578599B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPS63250417A (ja) | 1988-10-18 |
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